JP2002124402A - Ptc素子及びその製造方法 - Google Patents

Ptc素子及びその製造方法

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JP2002124402A JP2000317502A JP2000317502A JP2002124402A JP 2002124402 A JP2002124402 A JP 2002124402A JP 2000317502 A JP2000317502 A JP 2000317502A JP 2000317502 A JP2000317502 A JP 2000317502A JP 2002124402 A JP2002124402 A JP 2002124402A
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Okikuni Takahata
興邦 高畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性ポリマーに導電性粉末を混練したPT
C組成物の成形体表面に、電極を取り付けた構造を有す
るPTC素子の、電極の密着性を向上し、スイッチング
動作、経時変化に対する信頼性向上すること。 【解決手段】 PTC組成物表面に、導電体と塩素化ポ
リオレフィンと溶媒からなるペーストを塗布して乾燥し
た後、圧着処理を施すことにより、前記導電体の一部が
塩素化ポリオレフィンを介して成形体表面に露出した構
造を付与し、更にメッキにより導電体が露出した面に電
極を形成する。塩素化ポリオレフィンとPTC組成物と
の親和性が向上することで、電極とPTC組成物の界面
の接触抵抗が低下し、経時変化に対する信頼性も向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電体粉末と結晶
性高分子化合物を含む成形体に電極を接着した構造を有
し、ある特定の温度領域(以下、スイッチング温度と称
する)に達したときに、急激に電気抵抗が上昇する正温
度特性、いわゆるPTC(Positive Temperature Coe
fficient)特性を有するPTC素子の製造方法、特にP
TC素子の電極と成形体との接触抵抗を低減し、所要の
オーミック接触を備えたPTC素子に関する。
【0002】
【従来の技術】PTC素子は、結晶性高分子に導電性粉
末を混練して得られるPTC組成物と電極からなり、あ
る特定の温度で急激な抵抗上昇を示す。そのため、環境
温度が上昇することによって急激に電気抵抗が上昇す
る。
【0003】また、PTC組成物は、材料固有の抵抗値
Rと素子に流された電流値Iに起因する、いわゆるジュ
ール熱(IR加熱)により発熱する。そのため、PT
C組成物に比較的大きな電流が流れると発熱し、抵抗率
が上昇する。
【0004】このPTC組成物に電極を形成したPTC
素子は、環境温度の変化に対する温度センサとして、ま
た前述のジュール熱を利用した面状発熱体や、抵抗率の
上昇を利用した過電流保護素子などに用いられる。
【0005】このようなPTC素子の電極としては、ス
テンレス、ニッケルなどの金属板が用いられる。そし
て、金属板表面をPTC組成物表面に接合して電極とし
た場合、PTC組成物と電極間の接触抵抗が高く、所要
のオーミック接触が得られず、PTC素子の室温におけ
る抵抗率が高くなることがある。また、PTC組成物と
電極間の密着性が不十分で、繰り返し動作により、抵抗
が大幅に増加するなど、実用上の問題が残る。
【0006】このため、PTC組成物と電極との密着性
向上を目的として、金属板のPTC組成物表面に接する
面を、物理的、化学的に粗面化して電極とすることがあ
る。また、PTC組成物を所要の形状に成形した後、表
面に直接金属メッキを施し、これを電極とすることもあ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、PTC組成
物表面に接する面を物理的、化学的に粗面化した金属板
を接合して電極とした場合、比較的接触抵抗が低く、P
TC組成物と電極間の密着性も確保できるが、PTC組
成物と金属板との間で、所要のオーミック接触が得られ
ない問題が残る。
【0008】特に、PTC素子の室温における抵抗率の
低減、及び繰り返し動作に対する安定性向上を目的とし
て、PTC組成物に分散する導電性粉末量を、45体積
%程度以上に増加させた場合では、室温における抵抗率
を、ある一定値以下とすることが困難なことや、繰り返
し動作毎の抵抗率上昇を完全には抑制できないことなど
の問題が残る。
【0009】また、PTC組成物へ直接金属メッキを施
し、これを電極とした場合、PTC組成物とメッキ被膜
との間の密着強度が十分ではなく、PTC組成物とメッ
キ被膜との間の接触抵抗が高く、更に、繰り返し動作に
より大幅な抵抗率増加が生じる問題がある。PTC素子
を繰り返し動作、即ち通電を繰り返した場合、PTC組
成物自体の劣化によっても室温抵抗率が増加する問題が
ある。これは、繰り返し動作毎のヒートショックにより
結晶性ポリマー成分が劣化することによると推定され
る。
【0010】そこで、本発明の技術的課題は、繰り返し
動作安定性に優れ、かつPTC組成物との間の密着性が
十分で、接触抵抗が低い電極を有するPTC素子の製造
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、PTC組成物と電極との界面の構造、及び
導電性粉末充填材の適正な条件を種々検討した結果、な
されたものである。
【0012】即ち、本発明は、結晶性ポリマーを含む成
分に、結晶性ポリマーを含む成分に対して45〜60体
積%となるように導電性粉末充填材を混練した組成物の
成形体表面に、導電体、前記結晶性ポリマーと溶解度パ
ラメータの差が3(MPa1/ 2)以内のポリマー、及び
溶媒からなるペーストを塗布し乾燥した後、導電体を導
電体の一部が前記成形体の表面から露出するように圧着
して埋設し、前記導電体の一部が露出した前記成形体の
表面にメッキ処理を施すことを特徴とするPTC素子の
製造方法である。
【0013】また、本発明は、前記PTC素子の製造方
法において、前記結晶性ポリマーと溶解度パラメータの
差が3(MPa1/2)以内の前記ポリマーは、塩素化ポ
リオレフィンであるPTC素子の製造方法である。
【0014】また、本発明は、前記のPTC素子の製造
方法において、前記導電性粉末充填材は、TiC、W
C、WC、ZrC、VC、NbC、TaC、Mo
から選択される少なくとも一種であることを特徴とする
PTC素子の製造方法である。
【0015】また、本発明は、45〜60体積%の導電
性粉末充填材と結晶性ポリマーを含む成分からなる成形
体と、一部が露出するように前記成形体の表面に埋設さ
れた導電体と、導電体が露出した前記成形体の表面に形
成されたメッキ被膜からなることを特徴とするPTC素
子である。
【0016】
【作用】前記のように、PTC組成物の成形体表面に導
電体を含むペーストを塗布し、導電体を圧着して埋設す
るには、PTC組成物成形体、即ち結晶性ポリマーと、
ペーストに含まれるバインダーの接着性が重要となる。
結晶性ポリマーとバインダーとの密着性が不十分な場
合、素子作製直後は比較的良好な密着性が得られるが、
その後の経時変化、特に水分の侵入によって密着性が低
下し、PTC組成物表面に埋設した導電体の拘束力が低
下して電極自体の密着性が低下するためである。
【0017】一般に異種ポリマーの密着性を向上させる
には、双方の溶解度パラメータ(SP値)の数値を近づ
けることが重要である。そこで、本発明においては、ペ
ーストに用いる最も一般的なバインダーであるポリビニ
ルブチラール(以下、PVBと称する)よりも、SP値
が結晶性ポリマーに近く、結晶性ポリマーに対する接着
性を有するとされる塩素化ポリオレフィンを、導電体塗
布の際のバインダーとして選択した。また、表1には、
代表的な結晶性ポリマーである高密度ポリエチレン(以
下、HDPEと称する)と、PVB及び塩素化ポリオレ
フィンのSP値を示した。
【0018】
【表1】
【0019】また、本発明では、導電性粉末として、T
iC、WC、WC、ZrC、VC、NbC、TaC、
MoCという金属炭化物を用いるが、これに限定した
のは次の理由による。つまり、金属粉末を用いた場合で
は、粉末の凝集が生じ、局部的に導電路が形成され、耐
電圧特性が低下する。また、カーボンブラックや黒鉛な
どのカーボン系の導電性粉末を用いた場合では、粉末の
抵抗率が金属炭化物よりも高く、PTC組成物の室温に
おける抵抗率が、PTC組成物として必要とされる2Ω
・cmという数値を上回ることによる。
【0020】また、本発明で導電性粉末の充填量を45
〜60体積%としたのは、45体積%以下の範囲では、
初期の室温における抵抗率が2Ω・cm以下であって
も、繰り返し動作における安定性が低下し、動作回数の
増加に従い、室温における抵抗率が2Ω・cmを超える
からであり、60体積%以上の範囲では、混練などの作
業性が著しく低下し、実質的にPTC素子を得るのが不
可能となるからである。なお、PTC素子の繰り返し動
作の安定性が向上することから、導電性粉末の充填量を
50体積%以上とすることが望ましい。
【0021】
【実施例】次に、具体的な実施例に基づいて、本発明を
詳細に説明する。
【0022】(実施例1)まず、結晶性ポリマー成分と
して、軟化点が130℃程度のHDPEと、粒径1〜5
μmの導電性粉末を、表面温度を140〜200℃に設
定した加熱ロールを用いて、導電性粉末が45〜60体
積%となるように混練し、PTC組成物を得た。導電性
粉末としてはTiC、WC、WC、ZrC、VC、N
bC、TaC、MoCを用いた。
【0023】次に、PTC組成物を粉砕した後、140
〜200℃の範囲の温度でプレス成形しシート化した。
得られたPTC組成物シートの両面に、Ni粉末と塩素
化ポリエチレン及び溶媒からなる導電性ペーストを塗布
し、室温で5時間以上の乾燥処理を行った。乾燥処理後
のシートを140〜200℃の範囲の温度で、5〜15
分間熱プレスを行い、Ni粉末の圧着処理を行った。そ
の結果、Ni粉末の大部分がシート中に埋設され、その
一部がシート表面に露出した状態のPTC組成物シート
が得られた。
【0024】このように導電体の圧着処理が施されたP
TC組成物シートを脱脂処理した後、Ni無電解及びN
i電解メッキ処理を施し、電極を形成した。以上のよう
にして得られたNiメッキを施したPTC組成物シート
より、面積1cmの試験片を打ち抜き、評価用試料と
した。
【0025】(比較例1)次に、比較に供するために、
PVBをバインダーとした導電性ペーストを用いた場合
について、第1の比較例として説明する。PTC組成物
のシート化までは実施例と同様に行った。得られたPT
C組成物シートの両面に、Ni粉末とポリビニルブチラ
ール及び溶媒からなる導電性ペーストを塗布し、室温で
5時間以上の乾燥処理を行った。
【0026】乾燥処理後のシートを140〜200℃の
温度で、5〜15分間熱プレスを行い、Ni粉末の圧着
処理を行った。その結果、Ni粉末の大部分がシート中
に埋設され、その一部がシート表面に露出した状態のP
TC組成物のシートが得られた。
【0027】このように圧着処理が施されたPTC組成
物シートを脱脂処理した後、Ni無電解及びNi電解メ
ッキ処理を施し、電極を形成した。以上のようにして得
られたシートより、面積1cmの試験片を打ち抜き、
評価用試料とした。
【0028】(比較例2)次に、第2の比較例として、
導電性ペーストの塗布を施さず、かつ電極の形成をメッ
キではなく、金属板の貼り付けによった場合について説
明する。PTC組成物のシート化までは実施例と同様に
行った。その後、PTC組成物シートの両面に、金属板
を140〜200℃の温度の熱プレスにより接合し電極
を形成した。得られたシートを面積1cmの大きさに
打ち抜き加工し、PTC素子を得、評価用試料とした。
なお、ここで使用した金属板の表面には、粗面化などの
処理を施していない。
【0029】(比較例3)次に、第3の比較例として、
導電性ペーストの塗布を施さず、片面を粗面化した金属
板を電極に用いた場合について説明する。この比較例に
おいても、PTC組成物のシート化までは、実施例と同
様に行った。その後、PTC組成物シートの両面に、シ
ートに接する側を電解質で粗面化した金属板を140〜
200℃の温度の熱プレスにより接合し電極を形成し
た。その後、1cmの大きさに打ち抜き、PTC素子
を得、評価用の試料とした。
【0030】(比較例4)次に、第4の比較例として、
導電性ペーストの塗布を施さず、PTC組成物のシート
の表面に直接メッキを行い、電極を形成した場合につい
て説明する。この比較例においてもPTC組成物のシー
ト化までは実施例と同様に行なった。その後、PTC組
成物のシートを脱脂処理した後、Ni無電解及びNi電
解メッキ処理を施し、電極を形成した。その後、1cm
の大きさに打ち抜き加工し、PTC素子を得、評価用
の試料とした。
【0031】(比較例5)次に、第5の比較例として、
導電性粉末の充填率を44体積%とした場合について説
明する。導電性粉末の充填率を44体積%とした他は、
実施例とまったく同様にしてPTC素子を得、評価用の
試料とした。
【0032】ここでPTC素子として十分な信頼性を確
保するために必要な特性について説明する。まず、電極
の接合強度については、5.1Pa以上、室温における
電気抵抗については、前記のように、2Ω・cm以下で
あることが必要である。また、温度センサ、過電流保護
素子として十分に動作し、かつ、面状発熱体としての使
用に耐えるには、抵抗率が温度上昇に伴って急激に上昇
した後、即ちスイッチング後の抵抗率と室温における抵
抗率の比が、10以上であることが必要である。更
に、経時変化に関する信頼性については、500回程度
のスイッチング後の室温における抵抗値が2Ω・cmを
上回らないことが必要である。
【0033】次に、前記の実施例、比較例の試料につい
ての評価方法及び結果について説明する。まず、PTC
素子電極表面に、リード線を半田付けにより接続した。
更に、リード線の周囲をエポキシ樹脂で被覆して、電極
の接合強度測定用の試料とした。この試料を用い、電極
と素子との接合強度を測定した。表2には実施例、各比
較例の接合強度の測定結果を示した。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、本発明によるP
TC素子の電極の接合強度は、粗面化していない金属板
を電極とした比較例2、メッキ処理のみで電極を形成し
た比較例4と比較して大きく、金属板を祖面化して電極
とした比較例2と同等であり、電極として十分な信頼性
を確保できる、5.1Pa以上であることが確認され
た。また、PVBをバインダーとして導電性ペーストを
作製した比較例1の場合でも、試料作製直後は、十分な
接合強度を発現した。
【0036】次に、実施例、比較例の試料について、室
温における抵抗率を測定した。測定は直流4探針でディ
ジタルマルチメータを用いた。表3は、これらの測定結
果をまとめて示したものである。
【0037】
【表3】
【0038】表3から明らかなように、本発明によるP
TC素子の室温における抵抗率は、導電性粉末が、Ti
C、WC、WC、ZrC、VC、NbC、TaC、M
Cのいずれの場合も、PTC素子として必要な、2
Ω・cm以下という数値を下回ることが確認された。こ
れに対して、金属板を粗面化しないで電極とした比較例
2、及びメッキ処理のみで電極を形成した比較例4で
は、電極とPTC組成物の界面での接触抵抗が高いた
め、室温における抵抗率が高い。
【0039】また、図1は、実施例の試料について、抵
抗率の温度依存性を測定した結果を示したものである。
測定はオイルバス中、4探針法で行い、抵抗率の測定に
はディジタルマルチメータを用いた。
【0040】図1から明らかなように、実施例のPTC
素子は、室温における抵抗率が、2Ω・cm以下であ
り、かつ抵抗率の温度依存性を見ると、結晶性ポリマー
の軟化点に対応した温度で抵抗率の急峻な立ち上がりが
見られる。また、スイッチング後と室温の抵抗の比率
が、10であり、PTC素子として必要な数値を大き
く上回っている。
【0041】また、図2は、実施例及び比較例の試料に
ついて、10A(50V)の電流を繰り返し通電した際
の、動作後の抵抗率の変化を示したものである。図2か
ら明らかなように、実施例のPTC素子は、初期の室温
における抵抗率が、PTC素子として必要な2Ω・cm
以下の数値を示し、かつ繰り返し通電後も、数回の通電
後に抵抗率の増加が飽和状態となり、2Ω・cm以下の
数値を維持した。なお、図2における実施例は、前記8
種類の導電性粉末を用いたいずれも同等の特性を示した
ので、TiCを用いた試料を代表として示した。
【0042】これに対し、金属板を粗面化しないで電極
とした比較例2、メッキ処理のみで電極を形成した比較
例4では、初期の室温における抵抗率が2Ω・cmを大
きく上回り、更に、繰り返し通電により室温における抵
抗率が急激に上昇する。金属板を粗面化して電極とした
比較例3は、初期の室温における抵抗率が2Ω・cm以
下であるが、繰り返し通電により室温における抵抗率
が、2Ω・cmを超えて上昇し、しかも飽和に達するこ
とがない。
【0043】また、導電性粉末であるTiCの混合率を
44体積%以下とした比較例4では、初期の室温におけ
る抵抗率が2Ω・cm以下であるが、繰り返し通電によ
り室温における抵抗率が2Ω・cmを超え、安定した繰
り返し動作特性が得られない。また、導電性ペーストの
バインダーとしてPVBを用いた比較例1では、試料作
製直後は、抵抗率が2Ω・cmを大きく下回り、繰り返
し通電後も2Ω・cmという数値を維持した。
【0044】次に、実施例及び比較例1の試料につい
て、恒温恒湿槽に装入して、85℃、90%RHに2週
間保持した後、10A(50V)の電流を繰り返し通電
した際の、素子動作後の抵抗率の変化を測定した。この
結果を図3に示した。図3から明らかなように、本発明
によるPTC素子は、恒温恒湿で2週間保持した後も、
初期の室温における抵抗率が2Ω・cm以下であり、か
つ繰り返し通電後も2Ω・cm以下の数値を維持した。
なお、この場合も、実施例はTiCを用いた試料であ
る。
【0045】これに対して、導電体ペーストのバインダ
ーにPVBを用いた比較例1は、恒温恒湿下で2週間保
持した後の繰り返し通電により、室温における抵抗率が
2Ω・cmを上回り、安定した繰り返し動作が得られな
い。
【0046】
【発明の効果】以上に詳しく説明したように、実施例の
PTC素子は、初期の抵抗率、繰り返し動作後の抵抗
率、及び恒温恒湿試験後の抵抗率も、PTC素子として
必要な数値を十分に確保していることが分かる。
【0047】よって、本発明によれば、結晶性ポリマー
成分と体積充填率45〜60%の導電性粉末を混練した
PTC組成物成形体表面に、導電体をその一部が表面に
露出するように塩素化ポリオレフィンを介して埋設し、
更に導電体を埋設した面にメッキにより形成された電極
を有するPTC素子と、その製造方法が得られる。本発
明によるPTC素子は、前記のように初期特性、経時変
化の特性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の温度と抵抗率の関係を示す図。
【図2】実施例及び比較例の動作回数と抵抗率の関係を
示す図。
【図3】実施例及び比較例の恒温恒湿試験前後の動作回
数と抵抗率の関係を示す図。
【符号の説明】
21 実施例 22 比較例1 23 比較例2 24 比較例3 25 比較例4 26 比較例5 31 実施例(恒温恒湿試験前) 32 実施例(恒温恒湿試験後) 33 比較例1(恒温恒湿試験前) 34 比較例1(恒温恒湿試験後)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリマーを含む成分に、結晶性ポ
    リマーを含む成分に対して45〜60体積%となるよう
    に導電性粉末充填材を混練した組成物の成形体表面に、
    導電体、前記結晶性ポリマーと溶解度パラメータの差が
    3(MPa1/ 2)以内のポリマー、及び溶媒からなるペ
    ーストを塗布し乾燥した後、導電体を導電体の一部が前
    記成形体の表面から露出するように圧着して埋設し、前
    記導電体の一部が露出した前記成形体の表面にメッキ処
    理を施すことを特徴とするPTC素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のPTC素子の製造方法
    において、前記結晶性ポリマーと溶解度パラメータの差
    が3(MPa1/2)以内の前記ポリマーは、塩素化ポリ
    オレフィンであることを特徴とするPTC素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2のいずれかに
    記載のPTC素子の製造方法において、前記導電性粉末
    充填材は、TiC、WC、WC、ZrC、VC、Nb
    C、TaC、MoCから選択される少なくとも一種で
    あることを特徴とするPTC素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 45〜60体積%の導電性粉末充填材と
    結晶性ポリマーを含む成分からなる成形体と、一部が露
    出するように前記成形体の表面に埋設された導電体と、
    導電体が露出した前記成形体の表面に形成されたメッキ
    被膜からなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の方法で得られることを特徴とするPTC素子。
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