JP2002122920A - カメラのフイルム給送装置及びフイルム給送方法 - Google Patents

カメラのフイルム給送装置及びフイルム給送方法

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JP2002122920A
JP2002122920A JP2000314357A JP2000314357A JP2002122920A JP 2002122920 A JP2002122920 A JP 2002122920A JP 2000314357 A JP2000314357 A JP 2000314357A JP 2000314357 A JP2000314357 A JP 2000314357A JP 2002122920 A JP2002122920 A JP 2002122920A
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camera
sensor
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Satoshi Miyazaki
敏 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フイルム装填操作の煩雑さを解消し良好な使用
感を得るカメラのフイルム給送装置を提供する。 【解決手段】フイルム7が巻回された巻取軸11を有し
フイルムリーダー部7bがフイルム送出口2aから突出
しているフイルムパトローネ2を装填自在に配設し得る
カメラ1のフイルム給送装置において、フイルムパトロ
ーネの装填に応じてフイルムを所定の位置まで巻き戻す
巻戻手段25と、巻戻手段による巻き戻し動作の終了後
フイルムを巻取スプール22に向けて送り出す送出手段
9と、フイルムを巻取スプールによって巻き取る巻取手
段と、送出手段によるフイルム送出動作又は巻取手段に
よるフイルム巻取動作の失敗を検出する検出手段28・
29とを具備し、検出手段によってフイルム送出動作又
はフイルム巻取動作の失敗が検出された場合には、再度
フイルムを所定の位置まで巻き戻す制御を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラのフイル
ム給送装置及びフイルム給送方法、詳しくはカメラに装
填されたフイルムパトローネの内部に収納されたロール
状フイルムを自動的に給送するカメラのフイルム給送装
置と、このフイルム給送装置におけるフイルム給送方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真撮影を行なうための写真
撮影用機器(以下、カメラという)を用いて写真撮影等
を行なう際には、写真撮影用のロール状フイルムが巻回
された状態で内部に収納されているフイルムパトローネ
を、予めカメラの内部の所定の位置に装填する必要があ
る。
【0003】また、フイルムパトローネをカメラに装填
する動作を行なった後には、さらにこのフイルムパトロ
ーネの内部に収納されているフイルムをフイルムパトロ
ーネの外部に送り出し、これをカメラの内部に配設され
ている巻取スプールによって巻き取って、同ロール状フ
イルムをカメラの内部における所定の位置に配置する操
作を行なうことも必要となる。これら一連の操作(フイ
ルム装填操作という)を経て、はじめてカメラは撮影準
備状態になるのである。
【0004】しかし、従来においては、例えば上述の一
連のフイルム装填操作に失敗してしまい、それに気が付
かないまま一連の写真撮影動作を開始してしまうといっ
た場合があった。そして、この場合には、ある程度の撮
影動作を終えた後に、例えばフイルムの規定撮影コマ数
が過ぎてもフイルムの終了を指示する動作がなされない
等の現象によって、カメラの使用者は、当該フイルムが
カメラの内部において巻取スプールに確実に巻き取られ
ていないことに気が付くといった場合がある。
【0005】このような場合には、フイルム装填操作の
失敗に気が付く以前に行なわれた写真撮影動作は全て無
効になってしまっているので、カメラの使用者にとって
は、得がたい写真撮影の機会、いわゆるシャッターチャ
ンスを逸してしまったことになる。
【0006】従来のカメラにおける一連のフイルム装填
操作は、一般的な使用者にとっては煩雑で困難な操作に
なっている。したがって、カメラへのフイルム装填操作
を確実に行なうためには、多少の慣れを必要としていた
という背景がある。
【0007】そこで、ロール状フイルムを使用する従来
の小型カメラ等においては、フイルムパトローネをカメ
ラの内部の所定の位置に装填すると、これに応じてフイ
ルムパトローネの内部に収納されているフイルムがカメ
ラ内部における所定の撮影位置となるように、自動的に
移動させるフイルム自動給送装置、いわゆるオートロー
ディング装置を具備したものが一般的に実用化されるよ
うになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のフイ
ルム自動給送装置を備えたカメラによっても、必ずしも
常に確実なフイルム装填を実現し得ない種々の問題点が
ある。
【0009】即ち、従来のカメラにおける一般的なフイ
ルム自動給送装置は、ある程度の自動化がなされている
が、フイルムパトローネをカメラの内部における所定の
位置に装填する際に、使用者が行なわなければならない
手順が存在する。つまり具体的に説明すると次のような
ことである。
【0010】使用者は、まずカメラの裏蓋部を開状態に
した後、フイルムパトローネをカメラ内部の所定の位
置、即ちパトローネ室に装填する操作を行なう。このと
き、使用者は、フイルムの先端部近傍(フイルムリーダ
ー部又は単にリーダー部という)の先端部位をカメラの
内部における所定の範囲内に配置する必要がある。この
所定の範囲内にフイルムのリーダー部が配置されなかっ
た場合には、フイルム装填操作に失敗することがある。
【0011】したがって、フイルム自動給送装置を備え
た従来のカメラにおいても、使用者によっては、フイル
ム装填操作に失敗してしまうという問題は完全に解決さ
れていないと言える。
【0012】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、より簡単な操作
を行なうのみで、フイルムパトローネの内部に収納され
たロール状フイルムをカメラの内部の所定の位置に常に
確実に配置させることができ、よってフイルム装填操作
の煩雑さを解消すると共に、良好な使用感を得ることの
できるカメラのフイルム給送装置とそのフイルム給送方
法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明によるカメラのフイルム給送装置は、フ
イルムが巻回された巻取軸を有しフイルムリーダー部が
フイルム送出口から突出しているフイルムパトローネを
装填自在に配設し得るカメラのフイルム給送装置におい
て、上記フイルムパトローネの装填に応じてフイルムを
所定の位置まで巻き戻す巻戻手段と、この巻戻手段によ
る巻き戻し動作の終了後、フイルムを巻取スプールに向
けて送り出す送出手段と、フイルムを上記巻取スプール
によって巻き取る巻取手段と、上記送出手段によるフイ
ルム送出動作又は上記巻取手段によるフイルム巻取動作
の失敗を検出する検出手段とを具備し、上記検出手段に
よってフイルム送出動作又はフイルム巻取動作の失敗が
検出された場合には、再度フイルムを上記所定の位置ま
で巻き戻すことを特徴とする。
【0014】また、第2の発明は、上記第1の発明によ
るカメラのフイルム給送装置において、フイルムを上記
所定の位置まで巻き戻した後に、再度フイルムの送出動
作及び巻取動作を実行することを特徴とする。
【0015】そして、第3の発明によるカメラのフイル
ム給送方法は、フイルムが巻回された巻取軸を有しフイ
ルムリーダー部がフイルム送出口から突出しているフイ
ルムパトローネを装填自在に配設し得るカメラのフイル
ム給送方法において、上記フイルムパトローネの装填を
検出するステップと、上記フイルムパトローネの装填が
検出されたら、フイルムの先端部が所定位置に到達する
まで当該フイルムを巻き戻すステップと、上記巻き戻し
のステップの終了後、フイルム巻取スプールに向けてフ
イルムを送り出すステップと、フイルムが上記巻取スプ
ールまで給送されたら、上記フイルムを上記巻取スプー
ルによって巻き取るステップと、上記送出ステップ又は
上記巻取ステップの動作の失敗を検知したら、フイルム
の先端部を上記所定の位置まで巻き戻すステップとを具
備することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の
フイルム給送装置を備えたカメラを示す斜視図である。
この図1では、当該カメラの下面側かつ背面側から見た
場合を示している。また、パトローネ室(3)の内部に
配置される部材を示すために、一部を破砕して図示して
いる。
【0017】本実施形態において例示するカメラ1は、
写真撮影用のロール状フイルム(以下、単にフイルムと
いう)7が巻回された巻取軸11を備え、当該ロール状
フイルム7のフイルムリーダー部7bがフイルム送出口
2aから突出しているフイルムパトローネ2を装填自在
に配設し得るように構成されているものである。このフ
イルムパトローネ2は、例えばJIS K7519−8
2に規定される135型フイルムパトローネである。そ
して、本カメラ1は、フイルムパトローネ2を底面側よ
り内部に装填し得るように構成されたいわゆるドロップ
インローディング方式を採用したものである。
【0018】即ち、本カメラ1は、図1に示すように本
体内部の一端部の所定の位置にフイルムパトローネ2を
収納するためのパトローネ室3が形成されている。この
パトローネ室3は、図1において破線で示されている。
【0019】そのために、カメラ1の底面側には、パト
ローネ室3の開口部8に対応する所定の位置にパトロー
ネ室蓋4が配置されている。このパトローネ室蓋4は、
一端が軸部材(図示せず)によってカメラ1の底面を構
成する部材に対して回動自在に軸支されている。これに
より、カメラ1の底面側の一部を開閉し得るように形成
されている。図1においては、パトローネ室蓋4が開放
されている状態を示している。
【0020】また、このパトローネ室蓋4には、閉状態
を保持するためのロック機構が配設されている。このロ
ック機構は、パトローネ室蓋4の内面側に設けられる爪
部材4aとカメラ1の本体側に設けられる係止部材(図
示せず)等によって構成されるものである。このロック
機構については、一般的な手段によって構成されている
ものとして、本実施形態においては、その詳細な説明は
省略する。
【0021】パトローネ室3の内部において、その入口
部の近傍には、所定の形状からなるフイルムガイド部材
10が配設されている。このフイルムガイド部材10
は、パトローネ室3の内部にフイルムパトローネ2を装
填する際に、当該フイルムパトローネ2の内部から突出
している状態のフイルムリーダー部7bを、パトローネ
室3の内部における所定の位置に案内する役目をするも
のである。そのために、当該フイルムガイド部材10
は、パトローネ室3の内壁面に向けて所定の角度の傾斜
角度を有する斜面部10aが形成されている。
【0022】また、フイルムガイド部材10には、装填
されたフイルムパトローネ2の内部から引き出されたフ
イルム7をパトローネ室3の側からスプール室24(図
1では図示を省略)の側へと送り出す方向に駆動され、
フイルム7の給送に寄与する爪部9bを有する送出手段
(ローディング手段)となるスプロケット9が回動自在
に配設されている。
【0023】したがって、本カメラ1の使用者がフイル
ムパトローネ2を通常状態のまま開口部8より挿入する
と、当該フイルムパトローネ2の内部のフイルム7のフ
イルムリーダー部7bは、フイルムガイド部材10の斜
面部10aにより案内されてパトローネ室3の内部にお
ける所定の位置、即ちスプロケット9の爪部9bがフイ
ルム7のパーフォレーション7aに対峙する位置に配置
されるようになっている。このスプロケット9は、後述
するフイルム給送機構の駆動源となるモーター23(図
2参照)の回転駆動力により必要に応じて回転するよう
に構成されている。
【0024】一方、図1に示すようにカメラ1の前面側
には、撮影レンズ5a(図1では図示せず。図2参照)
を保持する撮影レンズ鏡筒5が配設されており、背面側
には、ファインダー接眼部6が配設されている。この撮
影レンズ鏡筒5及びファインダー接眼部6等について
は、従来の一般的な小型カメラと同様の構成からなるも
のである。したがって、本実施形態においては、その詳
細な説明は省略する。また、カメラ1におけるその他の
構成部材、例えば各種の操作部材等については、本発明
とは直接関連しない要素であるので、図1における図示
は省略し、その詳細な説明も省略している。
【0025】次に、本実施形態のカメラ1の内部構成に
ついて、以下に説明する。図2は、本カメラ1のフイル
ム給送装置に関する内部構成を示すブロック構成図であ
る。図2においては、主にフイルム給送装置に関する構
成部材のみを図示し、これ以外の本発明に関連しない構
成部材については、その図示及び詳細な説明は省略して
いる。
【0026】本カメラ1の電気的な制御は、制御手段で
ある制御回路21によって行なわれる。この制御回路2
1は、いわゆるマイクロプロセッサーである。当該制御
回路21の内部には、例えばロム(ROM;Read Onl
y Memory;データの読み出しのみが随時可能な半導体
メモリー)・ラム(RAM;Random Access Memory
=データの書き込みと読み出しが随時可能な半導体メモ
リー)・タイマー(TIMER;計時手段)・カウンタ
ー(COUNTER;計数手段)・ADコンバーター
(Analog to Digital CONVERTER;AD変換
器=アナログ信号(連続的な物理量)をデジタル信号
(数値で表されるデータ)に変換する手段)等を有して
構成されている。そして、制御回路21のROMに予め
記憶されている所定のプログラムに従ってカメラ1の内
部回路を制御することによって、カメラ1全体の動作を
司るようになっている。
【0027】この制御回路21には、モーター23に電
気的に接続され当該モーター23の回転方向や回転速度
(モーター23への印加電圧)等を制御するフイルム給
送回路31と、後述するリーダー部センサー28に電気
的に接続されこれを制御するフイルムリーダー検出回路
32と、後述するパーフォレーションセンサー29に電
気的に接続されこれを制御するパーフォレーション検出
回路33と、後述するモーターセンサー30に電気的に
接続されこれを制御するモータ−回転検出回路34と、
パトローネ室3の内部にフイルムパトローネ2が装填さ
れているか否かを検出するパトローネ検出回路35と、
複数の操作スイッチ等(詳細は後述する)が電気的に接
続されこれら各種の操作スイッチ等からの信号を受けて
制御回路21へと伝達するスイッチ入力回路36と、カ
メラ1における各種の情報等を表示するために設けられ
る液晶表示部26やLED(発光ダイオード)27等の
表示手段が電気的に接続されこの表示手段を制御する表
示回路61と、電気的な信号等からなる所定の情報を一
時的に記憶する不揮発性記憶手段であるEEPROM等
の不揮発性メモリー62等、各種の電気回路等が接続さ
れている。これにより、制御回路21には、各種の電気
部材からの各種の電気信号が入力され、またこれら各種
の電気部材に対して各種の電気信号を出力し得るように
なっている。
【0028】フイルム給送回路31は、例えば四個のト
ランジスタによるH型のブリッジ回路及びトランジスタ
のプリドライバーによって構成されている。制御回路2
1は、これら各々のトランジスタを選択的にオン状態に
することで、モーター23の正逆回転駆動及びモーター
23の端子間を短絡してブレーキをかける等の制御を行
なうようになっている。また、電源側の二個のPNPト
ランジスタのコレクタ・ベース間には、それぞれオペア
ンプからなるフィードバック回路が接続されている。し
たがって、制御回路21のDA出力ポートからコレクタ
の電位(モーター23への印加電圧)を任意に設定でき
るようになっている。なお、DAに設定されるべき出力
としては、駆動場面に応じた各種の適切な値が不揮発性
メモリー62に予め記憶されている。
【0029】パトローネ検出回路35は、例えばパトロ
ーネ2の外周面上に設けられるフイルム情報表示部いわ
ゆるDXコード入力回路が代用されるようになってい
る。
【0030】スイッチ入力回路36には、カメラ1の前
面側に摺動自在に設けられているバリア部材(図示せ
ず)の開閉に連動する電源スイッチ部材の役目をするバ
リアスイッチ(BRSW)37と、パトローネ室蓋4の
開閉に連動するバックスイッチ(BKSW)38と、二
段式スイッチからなるシャッターレリーズボタン(図示
せず)の一段目の操作でオン状態となるファーストレリ
ーズスイッチ(1RSW)39と、同シャッターレリー
ズボタンの二段目の操作でオン状態になるセカンドレリ
ーズスイッチ(2RSW)40と、フイルム7の使用中
において強制的に巻き戻しの指示を行なう途中巻き戻し
ボタン(図示せず)のオン操作に連動するリワインドス
イッチ(RWSW)41等が接続されている。そして、
これら各種のスイッチからの信号がスイッチ入力回路3
6を介して制御回路21へと出力されるようになってい
る。
【0031】なお、スイッチ入力回路36は、上述の各
スイッチ37〜41等からの信号を受けることで、状態
変化を検出すると、制御回路21に対して所定の割込み
信号を出力するようになっている。この割込み信号を受
けて制御回路21は、いつでも各スイッチ37〜41等
の指示信号に応じた処理を実行するようになっている。
【0032】BRSW37は、カメラ1の前面側のバリ
ア部材(図示せず)の開閉動作に連動する電源スイッチ
部材である。このBRSW37がオン状態になった旨の
指示信号を制御回路21が受けると、当該制御回路21
は、使用者がカメラ1のバリア部材を開状態に変位させ
たものと判断し、所定の駆動回路及び駆動機構(図示せ
ず)を制御して撮影レンズ鏡筒5を沈胴位置から所定の
撮影位置まで移動させるようになっている。これと同時
に表示回路61が起動するようになっている。
【0033】BKSW38は、パトローネ室蓋4の開閉
動作に連動するスイッチ部材である。つまり、使用者が
カメラ1のパトローネ室3の内部にフイルムパトローネ
2を装填した後、パトローネ室蓋4を開状態(図1の状
態)から閉状態へと変位させると、これに連動してBK
SW38からの出力は、オン信号からオフ信号に変化す
る。これを受けて制御回路21は、フイルム7の一連の
初期送出動作を実行するようになっている。
【0034】このように、当該BKSW38は、パトロ
ーネ室蓋4の開閉状態を検知することにより、フイルム
パトローネ2がパトローネ室3の内部に装填されたこと
を検出するパトローネ装填検出手段の役目をしている。
なお、これとは別に、例えばフイルムパトローネ2がパ
トローネ室3の内部に装填されたことを直接検知しする
ための部材を、パトローネ室3の内部に配置するように
し、これをフイルムパトローネ2の装填状態検出用のパ
トローネ装填検出手段としてもよい。
【0035】1RSW39は、シャッターレリーズボタ
ン(図示せず)の一段目のオン操作に連動するスイッチ
である。この1RSW39からのオン信号が生じると、
制御回路21は、これを受けて所定の撮影準備動作を実
行するようになっている。この撮影準備動作とは、例え
ば所定の測距回路及び測光回路(いずれも図示せず)等
を利用して行なわれる測距動作及び測光動作等である。
これにより取得されるデータ、即ち測距結果及び測光結
果は、1RSW39のオン信号が継続して出力されてい
る間、即ちレリーズボタンの一段目の操作がなされてい
る間は、保持されるようになっている。
【0036】2RSW40は、シャッターレリーズボタ
ン(図示せず)の二段目のオン操作に連動するスイッチ
である。この2RSW40からのオン信号が生じると、
これを受けて制御回路21は、上述の1RSW39によ
って実行された撮影準備動作によって取得された各デー
タに基づいて撮影レンズ鏡筒5を繰り出し移動させる。
これと同時に制御回路21は、絞り機構・シャッター機
構(図示せず)等を制御して、フイルム7に対して所定
の露出動作を行なわしめた後、撮影レンズ鏡筒5を所定
の位置に復帰させる。次いで、フイルム7の1フレーム
分の巻き上げ動作を実行し、次の撮影動作を待機するよ
うになっている。
【0037】RWSW41は、強制的に巻き戻しの指示
を行なう操作部材となる途中巻き戻しボタン(図示せ
ず)のオン操作に連動するスイッチである。このRWS
W41からのオン信号(巻き戻し信号)が、同信号を出
力する出力手段となるスイッチ入力回路36を介して出
力されると、これを受けた制御回路21は、フイルム7
の巻き戻し動作を即座に開始する。
【0038】表示回路61は、カメラ1における各種の
情報等を表示する液晶表示部26やLED27等の表示
手段を制御するものである。これらの表示手段によって
表示される各種の情報のうち、例えばカメラ1の動作モ
ードやフイルム7の計数値(フイルムカウンター)・日
時情報等が液晶表示部26を用いて表示される。また、
オートフォーカス(AF)の動作状況やストロボ手段
(図示せず)の状態等がLED27を用いて表示され
る。表示回路61は、制御回路21から伝送されるこれ
ら各種の情報を表わす信号(データ)を表示手段によっ
て表示し得る形態の表示用データに変換する役目をして
いる。なお、液晶表示部26は、例えばカメラ1の上面
部や背面部等に設けられ、LED27は、例えばファイ
ンダー部等の内部に設けられるのが普通である。
【0039】不揮発性メモリー62は、電気的に書き換
え自在に形成される不揮発性のメモリー、例えばEEP
ROM等が適用される。この不揮発性メモリー62は、
上述したように制御回路21に対して通信ラインによっ
て電気的に接続されている。そして、この通信ラインを
解して制御回路21からの所定のデータ等を記憶した
り、制御回路21に向けて所定のデータ等を出力するよ
うになっている。本カメラ1における制御回路21は、
フイルムカウンターやカメラ1の状態を示すデータ・各
種の調整値等を内蔵のRAMに記憶するのと同時に、当
該不揮発性メモリー62に対しても記憶させるようにし
ている。
【0040】このことは、次のような場合を考慮して設
定されている措置である。即ち、カメラ1の使用中にお
いて、例えば主電源電池(図示せず)の交換等を行なう
ために、この電池等がカメラ1の内部から取り外された
場合等には、制御回路21は初期化されてしまう。これ
に伴って制御回路21(のRAM)に記憶された各種の
情報、即ちカメラ1における現在の設定状態等を示す各
種の情報等は消去されてしまうことになる。したがっ
て、このような場合において、不揮発性メモリー62に
も必要となる各種の情報を記憶させておくようにしてい
る。そして、主電源電池が再度装填された時には、不揮
発性メモリー62に記憶されている各種情報に基づいて
カメラ1の各種の設定等を行ない、制御回路21が初期
化される以前の状態に即座に復帰させるようにしてい
る。
【0041】本カメラ1のフイルム給送装置におけるフ
イルム給送機構は、次のような各種の部材によって構成
されている。即ち、パトローネ室3の内部に装填された
フイルムパトローネ2の内部から引き出されたフイルム
7を巻き取り巻き上げるための巻取手段であり巻上手段
でもあるスプール軸22と、このスプール軸22の内部
に配設されるモーター23と、スプール軸22の外周部
に巻き取られたフイルム7を収納するためのスプール室
24(図1では図示を省略)と、フイルムパトローネ2
を装填するためのパトローネ室3(図2では図示せず。
図1参照)と、フイルムパトローネ2の巻取軸11を所
定の方向に回動させるフォーク部材25(図1では図示
を省略)と、フイルム7のパーフォレーション7aに係
合し当該フイルム7を送り出すための複数の爪部9bを
外周面上に備えたスプロケット9と、フイルム7のリー
ダー部7bの先端を検出し、当該リーダー部7bの先端
が所定位置に到達したか否かを検出する検出手段であり
第1検出手段であるリーダー部センサー(以下、Lセン
サーという)28と、フイルム7のパーフォレーション
7aを検出する第2検出手段であるパーフォレーション
センサー(以下、Pセンサーという)29と、モーター
23の回転を検出するモーターセンサー(以下、Mセン
サーという)30等によって構成される。
【0042】スプール軸22は、カメラ1の内部におい
てパトローネ室3の配設される側とは反対側(他端)に
おける所定の部位に配設されるスプール室24の内部に
回動自在に配設されている。このスプール軸22は、中
空の軸部材によって構成されており、その内部には上述
したようにモーター23が配設されている。そして、制
御回路21によって制御されるモーター23の回転駆動
力は、所定の駆動力伝達機構(図6参照)を介してスプ
ール軸22に伝達され、必要に応じて当該スプール軸2
2を所定の方向、即ちフイルム7を巻き取る方向に回動
させるように構成されている。
【0043】フォーク部材25は、パトローネ室3の内
部において回動自在に配設されている。このフォーク部
材25は、パトローネ室3の内部に装填されるフイルム
パトローネ2の巻取軸11に設けられるキー溝11aに
係合するように形成されている。そして、フォーク部材
25は、上述の所定の駆動力伝達機構(図6参照)に連
結されている。したがって、このフォーク部材25に
も、上記駆動力伝達機構を介してモーター23の回転駆
動力が必要に応じて伝達されるようになっている。この
ようにフォーク部材25は、フイルムパトローネ2の巻
取軸11のキー溝11aに係合し、当該フイルム7を巻
取軸11に巻き取る方向に駆動して、フイルム7をフイ
ルムパトローネ2の内部に巻き戻す巻戻手段の役目をし
ている。
【0044】このようにモーター23の回転駆動力は、
ギアー列等からなる所定の駆動力伝達機構(図6参照)
を介してスプール軸22・フォーク部材25及びスプロ
ケット9等へと伝達されるようになっている。
【0045】Lセンサー28は、フォトリフレクタ等か
らなる反射型の光センサである。このLセンサー28の
出力は、フイルムリーダー検出回路32を介して制御回
路21へと伝達されるようになっている。そして制御回
路21は、これを受けることによって、フイルム7の先
端位置情報を取得することになる。
【0046】ここで、Lセンサー28の詳細について説
明する。図3は、本フイルム給送装置に適用されるLセ
ンサー28及びフイルムリーダー検出回路32の構成の
一例を示す回路図である。図4は、カメラ1の内部にお
けるLセンサー28とフイルム7との位置関係を示す概
念図であって、Lセンサー28の状態判定レベルの設定
方法を説明するための図である。
【0047】Lセンサー28は、図3に示すように赤外
光を照射する照射手段である発光ダイオード(LED)
70と、この発光ダイオード70から照射され後述する
反射部材(高反射率部材78)又はフイルム7のベース
面によって反射された反射光を受光する受光手段である
フォトトランジスタ71とからなる反射型のフォトセン
サ等の投受光手段である。
【0048】発光ダイオード70のアノードは安定電源
74に接続されている。また、同発光ダイオード70の
カソードは電流制限用の抵抗72を介して制御回路21
のオープンドレイン出力ポート(O.D.outpu
t)76に、直列に接続されている。
【0049】一方、フォトトランジスタ71のコレクタ
は、A/D変換参照電源75に接続されており、エミッ
タは制御回路21のA/D変換入力ポート(A/D i
nput)77及び電流電圧変換用の負荷抵抗73が直
列に接続されている。さらに、フォトトランジスタ71
のエミッタは、基準電位(GND)に接地されている。
【0050】このように構成されたLセンサー28は、
カメラ1の内部において、図4に示すように配置されて
いる。即ち、Lセンサー28は、カメラ1の固定部材上
に固設される高反射率部材78に対向する所定の位置に
配置されている。この場合において、Lセンサー28と
高反射率部材78との間の距離は、当該Lセンサー28
の最大となる感度ピーク値Pkを得られる距離L0とな
るように設定されている。そして、Lセンサー28と高
反射率部材78との間の空間をフイルム7が移動するよ
うに構成されている。
【0051】したがって、両者の間の空間にフイルム7
が存在しないときには、Lセンサー28の感度はピーク
値を出力する一方、フイルム給送動作がなされてLセン
サー28と高反射率部材78との間の空間にフイルム7
が介在した場合には、ピーク値よりも低い値を出力する
ようになっている。これは、フイルム7が配置される位
置は、Lセンサー28が感度ピーク値を出力し得る位置
から若干ずれた位置となることに加えて、フイルム7の
ベース面の反射率が高反射率部材78の反射率よりも相
当に低いものであるという理由による。
【0052】このように構成されるLセンサー28及び
高反射率部材78の作用は、次に示す通りである。即
ち、上述の発光ダイオード70から照射される赤外光等
の光束は、高反射率部材78(図4参照)によって反射
される。その反射光は、フォトトランジスタ71によっ
て受光される。すると、このときフォトトランジスタ7
1には、受光した光量に応じた電流が流れる。この電流
は、フイルムリーダー検出回路32の負荷抵抗73によ
って対応する電圧に変換される。そして、この電圧は、
所定のA/D変換手段によってA/D変換された後、フ
ォトトランジスタ71の受光信号として制御回路21へ
と出力される。
【0053】これを受けて制御回路21は、フイルムリ
ーダー検出回路32から入力された信号と予めEEPR
OM62に記憶されている所定のスレッショルドレベル
とを比較して、ハイ(Hi)レベルであるかロー(L
o)レベルであるかの判定を行なう。
【0054】図5は、Lセンサー28と反射部材(高反
射率部材78)との間の距離の変化に応じたLセンサー
28の光電流の変位を示すグラフである。この場合にお
いて、Lセンサー28と反射物体(反射部材又はフイル
ム7)との距離の値Lを横軸に、この距離Lに対応して
フォトトランジスタ71から生じる光電流の値Iを縦軸
に、それぞれ設定している。
【0055】なお、図5における実線は、反射物体が高
反射率部材78である場合、即ちLセンサー28と高反
射率部材78との間の空間にフイルム7が存在していな
い場合の高反射率部材78の特性曲線を示している。ま
た、同図における破線は、反射物体がフイルム7である
場合、即ちLセンサー28と高反射率部材78との間の
空間にフイルム7が介在している場合のフイルムベース
面の特性曲線を示している。
【0056】図5に示すように、Lセンサー28と高反
射率部材78との間の空間にフイルム7が存在しない場
合、例えばフイルム巻き戻し処理が完了した時点等にお
いては、高反射率部材78は、Lセンサー28の感度ピ
ーク値となる距離L0に配置される。
【0057】したがって、このときLセンサー28のフ
ォトトランジスタ71より出力される光電流値I0を受
けて、フイルムリーダー検出回路32は、同値I0に対
応する電圧を制御回路21へと出力する。制御回路21
では、この電圧をA/D変換し、その結果得られた値に
対して所定のマージンを見込んだ値(光電流Ithに相
当する電圧値)を算出すると共に、これをスレッショル
ドとして設定して、EEPROM62に記憶する。そし
て、これ以降、次のフイルム巻き戻し処理が終了するま
では、このスレッショルド値がピーク値として使用され
る。このようにLセンサー28と高反射率部材78との
間の空間にフイルム7が存在しない場合においては、制
御を行なう上において、Lセンサー28の出力レベルは
ハイ(Hi)レベルであると判定されるように設定して
ある。
【0058】一方、Lセンサー28と高反射率部材78
との間の空間にフイルム7が介在する場合、例えばフイ
ルム郵送動作の実行中等には、Lセンサー28と高反射
率部材78との間にフイルム7が配置されることにな
る。したがって、Lセンサー28とフイルム7との間の
距離L1に対応する光電流値は、符号I1で示されてい
る。この光電流値I1は、図5に示すように上述の電流
値Ithよりもかなり低い値を示している。したがっ
て、この場合においては、制御を行なう上において、L
センサー28の出力レベルはロー(Lo)レベルである
と判定されるように設定してある。
【0059】このように、フイルム巻き戻し処理が完了
した時点、即ちフイルム7がLセンサー28と高反射率
部材78との間に介在していない状態において、Lセン
サー28の判定レベルを高反射率部材78を基準に調整
するようにしている。つまり、フイルム巻き戻し処理を
行なう毎にLセンサー28の判定レベルを設定するよう
にしているので、例えば、Lセンサー28の経年変化や
感度劣化等に対応することができる。
【0060】また、フイルム7のベース面の反射率は、
フイルムの製造者や銘柄等によって相違しているのが普
通であるが、上述の手段によってLセンサー28の判定
レベルを調整するようにしていることから、常に確実に
フイルム7の検出を行なうことができる。
【0061】なお、このLセンサー28の詳細に関する
構成及び作用と、判定レベルの調整等の処理について
は、フイルム7のパーフォレーション検出用に設けられ
るPセンサー29についても全く同様に適用される。そ
して、それによって得られる効果も全く同様である。
【0062】一方、図2に戻って、Pセンサー29は、
上述のLセンサー28と同様にフォトリフレクタ等から
なる反射型の光センサーである。このPセンサー29の
出力は、パーフォレーション検出回路33を介して制御
回路21へと伝達されるようになっている。そして制御
回路21は、これを受けることによって、フイルム7の
給送情報を取得することになる。
【0063】また、Mセンサー30は、フォトインタラ
プタ等からなる対向型の光センサーである。このMセン
サー30は、モーター23の駆動軸23aに固設される
櫛歯状のスリット部を有する回転部材31a(図2では
図示せず。図6参照)を挟み込むように配置されてい
る。これにより、モーター23の回転を光量変化として
出力するようになっている。そして、このMセンサー3
0の出力は、モーター回転検出回路34を介して制御回
路21へと伝達されるようになっている。これを受けて
制御回路21は、モーター23の回転速度や回転量等の
様々なデータや情報等を取得することになる。
【0064】図6は、本カメラ1のフイルム給送装置に
おける駆動力伝達機構を取り出して示す要部拡大斜視図
である。スプール軸22内には、上述したようにフイル
ム給送装置の駆動源であるモーター23が配設されてい
る。このモーター23の駆動軸23aの一端部には、ピ
ニオンギアー23bが圧入等の手段によって固設されて
いる。また、同駆動軸23aの他端部には、回転部材3
1aが同様に圧入等の手段によって固設されている。
【0065】回転部材31aは、上述したようにMセン
サー30によって挟む込まれた形態で所定の位置に配置
されている。これによりMセンサー30は、回転部材3
1aのスリット部を検出することによって、モーター2
3の回転を検出し得るようになっている。
【0066】また、ピニオンギアー23bには平ギアー
42が噛合している。この平ギアー42は、これを終端
とするギアー列を形成しており、当該ギアー列には、ス
プール軸22と一体に形成されるスプールギアー22a
やフォーク部材25と一体に形成されるフォークギアー
25a及びスプロケット9と一体に形成されるスプロケ
ットギアー9aが連結されている。したがって、モータ
ー23の回転駆動力は、このギアー列を介して必要に応
じてスプール軸22又はフォーク部材25又はスプロケ
ット9等へと伝達され、これらの部材を任意に回転駆動
させることができるようになっている。
【0067】上述のギアー列は、次に示す三系統の駆動
力伝達経路を形成するように構成されている。即ちフイ
ルム巻き戻し動作を行なう際の駆動力伝達経路、フイル
ムを所定の位置まで送り出す際の駆動力伝達経路及び通
常のフイルム給送を行なう際の駆動力伝達経路である。
【0068】そして、当該ギアー列は、モーター23の
駆動軸23aに固設されるピニオンギアー23bと、こ
のピニオンギアー23bに噛合する終端ギアーである平
ギアー42と、この平ギアー42に噛合する大ギアーと
後述する太陽ギアー44に噛合する小ギアーとが一体に
形成されている二段ギアー43と、この二段ギアー43
の小ギアーに噛合する太陽ギアー44と、この太陽ギア
ー44に噛合する遊星ギアー45と、太陽ギアー44と
遊星ギアー45とを連結するアーム部材44aと、遊星
ギアー45が所定の位置にあるときに噛合する平ギアー
46及び平ギアー48と、平ギアー46に噛合する平ギ
アー47と、この平ギアー47に噛合するフォークギア
ー25aと、平ギアー48に噛合する大ギアー及び後述
する平ギアー50に噛合する小ギアーとが一体に形成さ
れている二段ギアー49と、この二段ギアー49の小ギ
アーに噛合する平ギアー50と、この平ギアー50に噛
合する平ギアー51と、この平ギアー51に噛合するス
プールギアー22aと、上述の平ギアー48に噛合する
平ギアー55と、この平ギアー55に対して一方向クラ
ッチ(ワンウェイクラッチ)56を介して連結される平
ギアー52と、この平ギアー52に噛合する平ギアー5
3と、この平ギアー53に噛合する平ギアー54と、こ
の平ギアー54に噛合するスプロケットギアー9a等に
よって構成されている。
【0069】ここで、例えばモーター23の駆動軸23
a(ピニオンギアー23b)を、図6に示す時計方向
(CW1方向)に回転させると、モーター23の回転駆
動力は、次のような経路で伝達される。即ち、モーター
23の回転駆動力は、まずピニオンギアー23bから平
ギアー42・二段ギアー43を介して太陽ギアー44へ
と伝達され、同ギアー44を図6の反時計方向(CCW
1方向)へと回転させる。これにより、アーム部材44
aを介して太陽ギアー44と連結している遊星ギアー4
5は、時計方向に自転しながら太陽ギアー44に対して
反時計方向に公転し平ギアー46と噛合する。そして、
モーター23の回転駆動力は、さらにこの平ギアー46
に噛合する平ギアー47を介してフォーク部材25のフ
ォークギアー25aを反時計方向、即ち図6において
[REWIND]で示す方向に回転させる。これにより
フォーク部材25も同方向に回転する。当該フォーク部
材25には、上述したようにフイルムパトローネ2の巻
取軸11のキー溝11aが係合している。したがって、
フォーク部材25が[REWIND]方向に回転する
と、これに伴って巻取軸11も同方向に回転する。これ
により、フイルム7は、フイルムパトローネ2の内部に
巻き戻されるようになっている。これがフイルム巻き戻
し時の駆動力伝達経路となる。
【0070】また、モーター23の駆動軸23a(ピニ
オンギアー23b)を、図6に示す反時計方向(CCW
2方向)に回転させると、モーター23の回転駆動力
は、同様にピニオンギアー23bから平ギアー42・二
段ギアー43を介して太陽ギアー44へと伝達される。
そして、この場合には太陽ギアー44は、時計方向(C
W2方向)へと回転する。すると、アーム部材44aを
介して太陽ギアー44に連結されている遊星ギアー45
は、反時計方向に自転しながら太陽ギアー44に対して
時計方向に公転し平ギアー48と噛合する。そして、モ
ーター23の回転駆動力は、さらにこの平ギアー48か
ら二段ギアー49及び平ギアー52へと伝達される。二
段ギアー49の側に伝達されたモーター23の回転駆動
力は、平ギアー50・平ギアー51を介してスプール軸
22のスプールギアー22aを時計方向、即ち図6にお
いて[WIND]で示すフイルム巻き上げ方向に回転さ
せる。これによりスプール軸22も同方向に回転する。
一方、平ギアー52へと伝達されたモーター23の回転
駆動力は、平ギアー53・平ギアー54を介してスプロ
ケット9のスプロケットギアー9aを時計方向、即ち図
6において[WIND]で示すフイルム送出方向に回転
させる。これによりスプロケット9も同方向に回転す
る。これがフイルム巻き上げ動作時及びフイルム送り出
し動作時の駆動力伝達経路となる。
【0071】なお、この場合において、本実施形態のカ
メラ1におけるフイルム給送装置においては、スプール
軸22によってフイルム7を巻き取る際の給送速度は、
スプロケット9によってフイルム7を送り出す際の給送
速度よりも高速となるように設定されている。
【0072】つまり、カメラ1のパトローネ室3の内部
に装填されたフイルムパトローネ2の内部に収納されて
いるフイルム7は、まずスプロケット9によってスプー
ル室24の側に向けて送り出される。そして、当該フイ
ルム7のリーダー部7bがスプール室24の内部に到達
し、同フイルム7がスプール軸22の外周面に巻き付
く。すると、その時点から以降は、フイルム7は、スプ
ール軸22によって巻き取られるようになる。このと
き、フイルム7のパーフォレーション7aにはスプロケ
ット9が係合した状態にあるので、スプロケット9を回
転させるように作用することになる。
【0073】ここで、フイルム7の初期送出し動作時と
同様にスプロケット9に対して駆動力が供給されている
と、スプール軸22によるフイルム7の巻き取り(巻き
上げ)動作の負荷になってしまうことになる。そこで、
本フイルム給送装置においては、平ギアー52と平ギア
ー55との間に配置されるワンウェイクラッチ56が機
能することによって、スプロケット9の側への駆動力伝
達経路が断たれるようになっている。これにより、スプ
ロケット9は、フイルム7のスプール軸22への巻き取
り(巻き上げ)動作に従動するようになっている。
【0074】本実施形態においては、上述したようにフ
イルム7をスプール室24の側へと送り出す送出手段と
して、スプロケット9を例に挙げて説明している。この
スプロケット9は、複数の爪部9bを備えて形成され、
この爪部9bをパーフォレーション7aに係合させるこ
とで、フイルム7の給送(送り出し)を行なうようにし
ている。
【0075】しかし、本実施形態の送出手段としては、
このような形態に限らず、例えばゴム部材等を外周面上
に固着させたローラー部材等を用いても、上述のスプロ
ケット9と全く同様の作用及び効果を得ることができ
る。つまり、このようなローラー部材等によって送出手
段を構成した場合には、ゴム部材等の摩擦力によってフ
イルム7を給送することができ、よって当該フイルム7
をスプール室24の側に向けてスムースに送り出すこと
ができるのである。
【0076】このように構成された本実施形態のカメラ
1におけるフイルム給送装置の作用を、以下に説明す
る。まず、本実施形態のカメラ1のパトローネ室3の内
部にフイルムパトローネ2を装填する際の作用は、次の
通りである。図7・図8・図9は、本カメラ1とこれに
装填されるフイルムパトローネ2とを示す斜視図であっ
て、パトローネ室3にフイルムパトローネ2を装填する
際の一連の動作を時系列的に示している。このうち、図
7は、開口部8に対してフイルムパトローネ2の挿入を
開始した時点の状態を示している。また、図8は、パト
ローネ室3の内部にフイルムパトローネ2がある程度挿
入され、フイルムパトローネ2の内部から突出している
フイルムリーダー部7bがフイルムガイド部材10に案
内されている時点での状態を示している。そして、図9
は、フイルムパトローネ2がパトローネ室3の内部に装
填された際の状態を示している。
【0077】カメラ1のパトローネ室3の内部にフイル
ムパトローネ2を装填する際には、まず、パトローネ室
蓋4を図7に示す開状態にする。パトローネ室蓋4は、
その閉状態にあるときには、所定のロック機構によって
カメラ1の本体部材に対して係止されている。これを開
状態にするためには、当該ロック機構を所定の手段によ
り解除する。
【0078】そして、図7に示すようにパトローネ室蓋
4の開状態において、フイルムパトローネ2を開口部8
よりパトローネ室3の内部に向けて挿入する。この場合
において、フイルムパトローネ2は、例えば購入等によ
り入手したときの状態の通常状態のまま挿入する。詳述
すると、フイルムパトローネ2の通常状態とは、図1に
示すように、ロール状フイルム7が巻取軸11に巻回さ
れた状態で内部に収納されており、このフイルム7の先
端部近傍の一部、即ちリーダー部7bがフイルムパトロ
ーネ2の送出口2aより突出している状態である。
【0079】フイルムパトローネ2を開口部8よりパト
ローネ室3の内部に向けて挿入する場合において、フイ
ルム7のリーダー部7bの突出量が大きいと、リーダー
部7bが開口部8に引っ掛かってしまうようなことも考
えられる。このような場合には、例えばリーダー部7b
をフイルムパトローネ2の外周面上に沿わせるようにす
れば、フイルムパトローネ2はスムーズに開口部8から
パトローネ室3の内部にスムースに挿入することができ
る。
【0080】次いで、フイルムパトローネ2をパトロー
ネ室3の内部に押し込んでいくと、図8に示すようにリ
ーダー部7bは、フイルムガイド部材10によって所定
の位置、即ちパトローネ室3の内壁面とフイルムガイド
部材10及びスプロケット9の配置されている間の空間
に導かれる。
【0081】さらに、フイルムパトローネ2をパトロー
ネ室3の内部に押し込んでいくと、図9に示すようにフ
イルム7のパーフォレーション7aがスプロケット9の
爪部9bがフイルム7のパーフォレーション7aに対峙
する位置に配置される。この時点におけるスプロケット
9は、何の負荷も加わっておらず自由に回動し得る状態
になっている。したがって、パーフォレーション7a
は、容易にスプロケット9の爪部9bに係合する。
【0082】これと同時に、巻取軸11のキー溝11a
がパトローネ室3の内部のフォーク部材25に係合す
る。フォーク部材25もまた、回動自在な状態となって
おり、容易に巻取軸11のキー溝11aがフォーク部材
25に係合する。
【0083】このようにしてフイルムパトローネ2は、
パトローネ室3の内部に完全に収納された状態となる。
そして、使用者はパトローネ室蓋4を閉状態とする。こ
れにより、フイルムパトローネ2の装填操作が完了す
る。
【0084】次に、本実施形態のカメラ1における作用
の概略は次の通りである。即ち、カメラ1のパトローネ
室3の内部にフイルムパトローネ2が上述した手順で装
填され、パトローネ室蓋4が使用者によって閉状態に変
位されると、制御回路21は、フイルム給送回路31を
介してモーター23を駆動させ、これに連結されたギア
ー列等からなるフイルム給送機構を動作させる。この動
作をフイルムの初期給送動作、いわゆるイニシャルロー
ディング処理という。
【0085】次に、本実施形態のカメラ1のフイルム給
送装置におけるイニシャルローディング処理が行なわれ
る際の動作は、次の通りである。図10は、本カメラ1
のフイルム給送装置におけるイニシャルローディング処
理の実行時の一連の動作を時系列的に示す概念図であ
る。
【0086】このイニシャルローディング処理は、例え
ばフイルムパトローネ2がパトローネ室3に装填され、
パトローネ室蓋4が閉状態とされた時に生じるBKSW
38の信号を制御回路21が受けて開始される。
【0087】図10の(A)に示す状態は、フイルムパ
トローネ2をパトローネ室3の内部に装填した直後の状
態を示している。この状態では、上述したようにフイル
ム7のリーダー部7bは、フイルムパトローネ2の外部
に突出しており、かつフイルムパトローネ2の外周面上
に沿うように配置されている。また、フイルム7のパー
フォレーション7a(図10では図示せず)がスプロケ
ット9の爪部9bに係合した状態にある。
【0088】この状態においてイニシャルローディング
処理が実行されると、まず制御回路21は、フイルム7
の巻き戻し動作を行なう。即ち、制御回路21は、フイ
ルム給送回路31を介してモーター23を所定の方向に
回転駆動させる。すると、同モーター23の駆動力は、
駆動力伝達機構(図6参照)を介してフォーク部材25
を回転させ、これに係合するフイルムパトローネ2の巻
取軸11に伝達される。これにより、当該巻取軸11
は、図10(A)において反時計方向(符号CCW)に
回動し、フイルム7をフイルムパトローネ2の内部に巻
き戻す。このとき、フイルム7は、Lセンサー28等の
所定の手段により検出されておりリーダー部7bの先端
がカメラ1の内部における所定の位置に配置された時点
で、フイルム7の巻き戻し動作が停止する(詳細は後述
する)。このときの状態が図10の(B)に示す状態で
ある。
【0089】図10(B)の状態において、フイルム7
の送出動作を実行させる。つまり、制御回路21は、フ
イルム給送回路31を介してモーター23を回転駆動さ
せる。これにより、スプロケット9は、フイルムパトロ
ーネ2の内部のフイルム7がパトローネ室3の側からス
プール室24の側に向けて送り出す方向(図10(B)
・(C)の符号CWで示す時計方向)に駆動される。す
ると、図10(C)に示すようにフイルム7は、カメラ
1の内部における所定の給送経路Rを通って送り出され
る。
【0090】そして、フイルム7は、撮影レンズ5aの
後方に位置する撮影用開口部(図示せず)の後方のフイ
ルム給送経路Rを通過した後、そのリーダー部7bの先
端がスプール室24の内部のスプール軸22の外周面上
に到達する。このスプール軸22は、この送出動作の開
始と同時に、図10(C)の符号CWで示す時計方向に
回転を始めている。したがって、当該フイルム7は、図
10(D)に示すようにスプール軸22の外周面上に巻
回され、これによりフイルム7の巻き取り動作が開始す
る。この巻き取り動作が所定の時間だけ行なわれた後、
フイルム7が制御回路21の制御によって停止される。
このようにして、フイルム7の最初の第1フレームが所
定の撮影位位置に配置され撮影準備が整う。ここまでの
動作が、イニシャルローディング処理によって行なわれ
る。
【0091】さらに、本カメラ1のフイルム給送装置に
おいては、1フレーム毎の撮影動作が完了する都度、1
フレーム分のフイルム7の巻き上げ動作を実行する。そ
して、最終フレームの撮影動作が終了した後、即ちフイ
ルム7の規定数の撮影が終了した場合には、制御回路2
1は、所定のフイルム給送機構を駆動制御して、そのフ
ォーク部材25を所定の方向に回転させ、フイルム7を
フイルムパトローネ2の内部に巻き戻すためのフイルム
巻き戻し処理を実行する。
【0092】また、撮影動作を開始した後、フイルム7
の規定数の撮影を終了する以前において、途中巻き戻し
ボタン(図示せず)が使用者によってオン操作される
と、これに連動するリワインドスイッチ(RWSW)4
1からの割り込み指示が発生する。この場合には、制御
回路21は、所定のフイルム給送機構を駆動制御してフ
ォーク部材25を所定の方向に回転させ、フイルム7の
巻き戻し動作を直ちに実行する。
【0093】図11・図12・図13は、本カメラ1に
おける基本的な動作の流れを示すフローチャートであ
る。カメラ1に電池が装填された場合、あるいはカメラ
1の内部の所定の位置に主電源電池(図示せず)が装填
された状態において、使用者による所定の操作が行なわ
れ、これに連動してBRSW37又はBKSW38・R
WSW41のいずれかのスイッチからの指示信号が生じ
ると、これを受けた制御回路21は、自己の内部ROM
に予め記憶されているプログラムが実行される(図11
のフローチャートにおける[スタート])。これによっ
て、本カメラ1の動作が開始される。
【0094】上述したように、本カメラ1の制御回路2
1のROMに記憶されているプログラムが開始される
と、まず、図11に示すステップS1において、制御回
路21は、不揮発性メモリー62から所定のデータを読
み込み、これを自己の内部のRAMに展開する処理を行
なう。ここで、不揮発性メモリー62から読み込まれる
データは、例えば次のようなものである。即ち、 ・フイルム7の巻き戻し動作の実行を指示するフラグ
[REWINDF] ・フイルム7の巻き戻し動作が終了したことを示すフラ
グ[REWINDEF] ・フイルム7の給送動作(フイルムローディング処理)
の実行を指示するフラグ[LOADF] ・フイルム7の給送動作が失敗した際にフイルム7の給
送動作(フイルムローディング処理)の再試行を指示す
るフラグ[LOADRTF] ・フイルム7の給送動作(フイルムローディング処理)
が完全に失敗したことを示すフラグ[LOADERF] ・フイルム7の1フレーム分の巻き上げ動作を指示する
フラグ[WINDF] ・Lセンサー28の判定レベル 等である。
【0095】次いでステップS2において、制御回路2
1は、スイッチ入力回路36を介して入力されるBRS
W37の状態を確認する。ここで、BRSW37がオン
状態であることが確認された場合には、次のステップS
3の処理に進む。また、BRSW37がオフ状態である
ことが確認された場合には、ステップS4の処理に進
む。
【0096】上述のステップS2の処理でBRSW37
がオン状態であることが確認されてステップS3の処理
に進むと、このステップS3において、制御回路21
は、表示回路61に対して表示開始処理の指示を行な
う。これを受けて表示回路61は、表示手段(液晶表示
部26及びLED27)による表示動作を実行する。そ
の後、ステップS5の処理に進む。
【0097】一方、上述のステップS2の処理でBRS
W37がオフ状態であることが確認されてステップS4
の処理に進むと、このステップS4において、制御回路
21は、表示回路61に対して表示消灯処理の指示を行
なう。これを受けて表示回路61は、表示手段(液晶表
示部26及びLED27)の表示消灯動作を実行する。
その後、ステップS5の処理に進む。
【0098】続いてステップS5において、制御回路2
1は、フラグ[REWINDF]を確認する。ここで、
フラグ[REWINDF]=0である場合には、ステッ
プS11の処理に進む。また、フラグ[REWIND
F]=1である場合には、次のステップS6の処理に進
む。
【0099】ステップS6において、制御回路21は、
フイルム7の巻き戻し処理(以下、フイルム巻き戻し処
理という)を実行する。このフイルム巻き戻し処理の詳
細については後述する(図14参照)。その後、ステッ
プS7の処理に進む。
【0100】ステップS7において、制御回路21は、
フラグ[REWINDF]を初期化(クリア)する。そ
の後、ステップS8の処理に進む。
【0101】ステップS8において、制御回路21は、
フラグ[REWINDEF]の設定を行なう。その後、
ステップS9の処理に進む。
【0102】ステップS9において、制御回路21は、
フイルムリーダー検出回路32を介してLセンサー28
の感度設定処理を実行する。このLセンサ感度設定処理
は、次のような処理である。即ち、制御回路21は、フ
イルムリーダー検出回路32を介してLセンサー28の
出力レベルを確認し、これに基づいて判定レベルを算出
すると共に、この判定レベルをLセンサー28の感度値
として設定する。なお、このLセンサ感度設定処理の詳
細については、図5を用いて詳述した処理である。その
後、ステップS10の処理に進む。
【0103】ステップS10において、制御回路21
は、現在設定されている各フラグ及び上述のステップS
9において設定されたLセンサー28の感度データ等を
不揮発性メモリー62に記憶させる。その後、ステップ
S11の処理に進む。
【0104】ここで行なわれる処理は、例えば使用者に
よって主電源電池がカメラ1から取り外された場合等
に、制御回路21のRAM上の各種の設定データが消失
してしまうことを考慮してなされる処理である。
【0105】つまり、上述したように制御回路21は、
現在の各設定データを不揮発性メモリー62に記憶させ
る処理を行なっているので、制御回路21のRAM上の
各種の設定データを消失してしまったような場合にも、
同じ設定データが不揮発性メモリー62に保持されるこ
とになる。したがって、主電源電池をカメラ1に再装填
したときには、制御回路21は、不揮発性メモリー62
から各設定データを読み込むだけで、カメラ1を以前の
設定状態に復帰させることができ、よって動作を継続し
て実行させることができるようになる。
【0106】ステップS11において、制御回路21
は、フラグ[LOADF]の確認を行なう。ここで、フ
ラグ[LOADF]=0であることが確認された場合に
は、ステップS18の処理に進む。また、フラグ[LO
ADF]=1であることが確認された場合には、次のス
テップS12の処理に進む。
【0107】ステップS12において、制御回路21
は、フイルム7の給送動作(フイルムローディング処
理)を実行する。このフイルムローディング処理につい
ての詳細は後述する。その後、ステップS13の処理に
進む。
【0108】ステップS13において、制御回路21
は、フラグ[LOADRTF]の確認を行なう。ここ
で、フラグ[LOADRTF]=1であることが確認さ
れた場合には、ステップS16の処理に進む。また、フ
ラグ[LOADRTF]=0であることが確認された場
合には、次のステップS14の処理に進む。
【0109】ステップS14において、制御回路21
は、フラグ[LOADF]を初期化(クリア)する。そ
の後、ステップS15の処理に進む。
【0110】ステップS15において、制御回路21
は、フラグ[REWINDEF]を初期化(クリア)す
る。その後、ステップS16の処理に進む。
【0111】ステップS16において、制御回路21
は、各フラグ等の設定データを不揮発性メモリー62に
記憶させる。その後、ステップS17の処理に進む。
【0112】ステップS17において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]の確認を行なう。ここ
で、フラグ[REWINDF]=1であることが確認さ
れた場合には、上述のステップS1の処理へ戻り、以降
の処理を繰り返す。
【0113】なお、フラグ[REWINDF]=1とな
るのは、上述のステップS12の処理、即ち後述するフ
イルムローディング処理において、フイルム7の給送動
作が失敗した場合である。
【0114】つまり、このステップS17において、フ
ラグ[REWINDF]=1であることが確認される
と、ステップS12のフイルムローディング処理におい
てフイルム7の給送動作が失敗したものと判断されて、
上述のステップS1の処理に戻る。そして、ステップS
5において、制御回路21は、フラグ[REWIND
F]を確認する。この場合においては、フラグ[REW
INDF]=1であるので、次のステップS6の処理に
進み、このステップS6において、フイルム7の巻き戻
し動作を実行する。ここで行なわれるフイルム巻き戻し
処理は、次のような場合が想定される。即ち、 1.ステップS12のフイルムローディング処理で失敗
したフイルム7の給送動作を再試行するのに先立って行
なわれる巻き戻し処理、 2.フイルムローディング処理で再試行に失敗した場合
に、フイルムパトローネ2をパトローネ室3から取り出
し得る状態にするための巻き戻し処理、である。
【0115】一方、上述のステップS17において、制
御回路21は、フラグ[REWINDF]=0であるこ
とを確認すると、図12のステップS18の処理に進む
(図11・図12の符号A)。
【0116】図12のステップS18において、制御回
路21は、フラグ[WINDF]の確認を行なう。ここ
で、フラグ[WINDF]=0であることが確認される
と、ステップS24の処理に進む。また、フラグ[WI
NDF]=1であることが確認されると、次のステップ
S19の処理に進む。
【0117】ステップS19において、制御回路21は
フイルム巻き上げ処理を実行する。このフイルム巻き上
げ処理は、露光動作が完了した後に行なわれる処理であ
って、フイルム7を1フレーム分だけ移動させ、次の撮
影フレームをカメラ1の内部における所定の位置に設定
するための処理である。この場合において、フイルム7
の移動量、即ちフイルム7の巻き上げ量は、Pセンサー
29によって検出されるフイルム7のパーフォレーショ
ン7aを計数することによって制御するようにしてい
る。具体的には、フイルム7の巻き上げ動作を開始した
時点よりPセンサー29によるパーフォレーション7a
の検出を開始し、1フレーム分に相当するパーフォレー
ション数、即ち8個のパーフォレーションを検出した時
点でフイルム7の移動を停止させるように制御がなされ
る。この制御は、制御回路21によって制御されるフイ
ルム給送回路31によって行なわれる。このように、P
センサー29及びフイルム給送回路31は、制御回路2
1の制御下においてフイルム7のパーフォレーション7
aを検出し、その数を測定することでフイルム7の移動
量を検出する検出手段の役目をしている。
【0118】なお、このとき、フイルム7の巻き上げ動
作を開始してから所定時間内に8個のパーフォレーショ
ンの検出がなされなかった場合には、フイルム7の終端
部(以下、フイルムエンドという)に達したものと判断
される。この場合には、制御回路21は、フイルムエン
ドを検出した旨を示すフラグ[FLMEDF]を設定
(セット)して、一連の処理を終了する。そして、ステ
ップS20の処理に進む。したがって、ここで制御回路
21及びPセンサー29・パーフォレーション検出回路
33等は、フイルムエンドを検出する終端検出手段の役
目をしている。
【0119】ステップS20において、制御回路21
は、フラグ[WINDF]を初期化(クリア)する。そ
の後、ステップS21の処理に進む。
【0120】ステップS21において、制御回路21
は、フラグ[FLMEDF]の確認を行なう。ここで、
フラグ[FLMEDF]=0であることが確認された場
合には、ステップS23の処理に進む。また、フラグ
[FLMEDF]=1であることが確認された場合に
は、次のステップS22の処理に進む。
【0121】ステップS22において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]の設定(セット)を行な
う。その後、次のステップS23の処理に進む。
【0122】ステップS23において、制御回路21
は、各フラグ等の設定データを不揮発性メモリー62に
記憶させる。その後、ステップS24の処理に進む。
【0123】ステップS24において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]の確認を行なう。ここ
で、フラグ[REWINDF]=1である場合には、図
11のステップS1の処理に戻り、以降の処理を繰り返
す(図11・図12の符号B)。
【0124】つまり、ステップS5において、制御回路
21は、フラグ[REWINDF]=1を確認し、次の
ステップS6において、フイルム巻き戻し処理を実行す
ることになる。
【0125】また、フラグ[REWINDF]=0であ
る場合には、次のステップS25の処理に進む。このス
テップS25以降の処理はループ処理となる。
【0126】ステップS25において、制御回路21
は、スイッチ入力回路36を介して入力されるBKSW
38の状態を確認する。ここで、BKSW38の出力信
号がオン信号からオフ信号へと変化したこと(ON→O
FF)を制御回路21が確認すると、フイルムパトロー
ネ2が使用者によってパトローネ室3の内部に装填され
た後、同使用者によってパトローネ室蓋4が閉状態にさ
れたものと判断されて、ステップS26の処理に進む。
また、BKSW38の出力信号に変化が生じていないこ
とを制御回路21が確認した場合には、ステップS28
の処理に進む。
【0127】なお、このステップS25の処理、即ち制
御回路21によるBKSW38の出力信号の確認処理に
加えて、例えば次のような確認処理を挿入するようにし
てもよい。即ち、制御回路21は、パトローネ検出回路
35の出力信号を確認することによって、パトローネ室
3の内部にフイルムパトローネ2が装填されているか否
かの判断を行なう。ここで、フイルムパトローネ2がパ
トローネ室3の内部に装填されていることが検出された
場合には、ステップS26の処理に進み、フイルムパト
ローネ2がパトローネ室3の内部に装填されていないこ
とが検出されなかった場合には、ステップS28の処理
に進む。このようにすれば、パトローネ室3の内部にフ
イルムパトローネ2が装填されていない状態でパトロー
ネ室蓋4の開閉操作がなされた場合に、無駄な動作を行
なうことを避けることができる。
【0128】上述のステップS25において、制御回路
21によるBKSW38の出力信号の確認の結果、同出
力信号がオン信号からオフ信号へと変化したことが確認
されて、ステップS26の処理に進むと、このステップ
S26において、制御回路21は、フラグ[LOAD
F]の設定(セット)を行なう。その後、次のステップ
S27の処理に進む。
【0129】ステップS27において、制御回路21
は、フラグ[LOADF]の設定を不揮発性メモリー6
2に記憶させた後、図11のステップS1の処理に戻
り、以降の処理を繰り返す(図11・図12の符号
B)。したがって、この場合には、その後のステップS
11の処理において、制御回路21は、フラグ[LOA
DF]を確認し、その結果、フラグ[LOADF]=1
であるので、次のステップS12の処理に進み、所定の
フイルムローディング処理が実行されることになる。
【0130】一方、上述のステップS25において、制
御回路21によるBKSW38の出力信号に変化なしと
確認されて、ステップS28の処理に進むと、このステ
ップS28において、制御回路21は、スイッチ入力回
路36を介して入力されるRWSW41の状態を確認す
る。ここで、RWSW41の出力信号がオフ信号からオ
ン信号へと変化したこと(OFF→ON)を制御回路2
1が確認すると、フイルム7の最終コマまでの撮影動作
を終了させる以前に、フイルム7の途中で強制的に巻き
戻し動作を実行させるための所定の操作部材(図示せ
ず)を使用者が行なったものと判断して、ステップS2
9の処理に進む。また、RWSW41の出力信号に変化
が生じていないことを制御回路21が確認した場合に
は、ステップS31の処理に進む。
【0131】上述のステップS28において、制御回路
21によるRWSW38の出力信号の確認の結果、同出
力信号がオフ信号からオン信号へと変化したことが確認
されて、ステップS29の処理に進むと、このステップ
S29において、制御回路21は、フラグ[REWIN
DF]の設定(セット)を行なう。その後、次のステッ
プS30の処理に進む。
【0132】ステップS30において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]の設定を不揮発性メモリ
ー62に記憶させた後、図11のステップS1の処理に
戻り、以降の処理を繰り返す(図11・図12の符号
B)。したがって、この場合には、その後のステップS
5の処理において、制御回路21は、フラグ[REWI
NDF]を確認し、その結果、フラグ[REWIND
F]=1であるので、次のステップS6の処理に進み、
所定のフイルム巻き戻し処理が実行されることになる。
【0133】一方、上述のステップS28において、制
御回路21によるRWSW38の出力信号に変化なしと
確認されて、ステップS31の処理に進むと、このステ
ップS31において、制御回路21は、スイッチ入力回
路36を介して入力されるBRSW37の状態を確認す
る。ここで、BRSW37の出力信号がオフ(OFF)
信号であることを制御回路21が確認すると、ステップ
S32の処理に進む。また、BRSW37の出力信号が
オン(ON)信号であることを制御回路21が確認した
場合には、ステップS34の処理に進む。
【0134】上述のステップS31において、制御回路
21によるRRSW37の出力信号の確認の結果、同出
力信号がオフ信号であることが確認されて、ステップS
32の処理に進むと、このステップS32において、制
御回路21は、撮影レンズ鏡筒5をカメラの内部に収納
させるための所定の沈胴動作を実行する。この撮影レン
ズ鏡筒5の沈胴動作は、カメラ1の不使用時等に携帯す
るのに便利な形態とするためになされるものである。従
来の小型カメラ等においては、一般的に実用化されてい
る手段である。この沈胴動作についての構成等について
は、本発明に直接関係しない部分であるので、その詳述
は省略する。その後、次のステップS33の処理に進
む。
【0135】ステップS33において、制御回路21
は、表示回路61を介して液晶表示部26等の表示手段
による表示を消灯させる。さらに、消費電流を抑えるた
めに、制御回路21は停止状態に設定される(ストッ
プ)。
【0136】なお、制御回路21が停止状態にあるとき
にも、BRSW37・BKSW38・RWSW41の状
態の変化、即ち使用者がカメラ1の操作を行なうことに
よってスイッチ入力回路36からの割込み信号が出力さ
れた場合、あるいは電池を着脱することによりリセット
された場合には、これを受けて制御回路21は、その停
止状態を解除するのと同時に、当該制御回路21は、図
11のステップS1の処理から以降の一連の処理を再開
する。
【0137】一方、上述のステップS31において、制
御回路21によるRRSW37の出力信号の確認の結
果、同出力信号がオフ信号であることが確認されて、ス
テップS34の処理に進むと、このステップS34にお
いて、制御回路21は、表示回路61を介して液晶表示
部26等の表示手段を制御し、これらの表示手段による
表示を更新する。その後、次のステップS35の処理に
進む。
【0138】ステップS35において、制御回路21
は、フラグ[REWINDEF]の確認を行なう。ここ
で、フラグ[REWINDEF]=1であることが確認
された場合には、フイルム7の巻き戻し動作が終了して
いることを示すことになるので、以降の撮影動作に関す
る処理は実行しない。したがって、上述のステップS2
5の処理に戻り、以降の処理を繰り返す(ループ処
理)。
【0139】一方、上述のステップS35において、フ
ラグ[REWINDEF]=0であることが確認された
場合には、図13のステップS36の処理に進む。
【0140】図13のステップS36において、制御回
路21は、撮影レンズ鏡筒5が撮影準備状態にあるか否
かの確認を所定の手段(図示せず)を用いることにより
行なう。このとき行なわれる確認は、例えばカメラ1の
本体部材の内部から撮影レンズ鏡筒5が繰り出され、所
定の位置に配置されている状態にあるか否かの確認であ
る。ここで、制御回路21によって撮影レンズ鏡筒5が
繰り出されている状態(レンズ繰り出し済みの状態)に
あると判断された場合には、ステップS38の処理に進
む。また、制御回路21によって撮影レンズ鏡筒5が繰
り出されていない状態、即ち沈胴状態にあるものと判断
された場合には、次のステップS37の処理に進む。
【0141】ステップS37において、制御回路21
は、所定の手段を用いて撮影レンズ鏡筒5の繰り出し処
理を実行し、撮影動作を実行し得る撮影準備状態となる
ように撮影レンズ鏡筒5を移動させる。その後、ステッ
プS38の処理に進む。
【0142】ステップS38において、制御回路21
は、スイッチ入力回路36を介して入力される1RSW
39の状態を確認する。ここで、1RSW39の出力信
号がオフ信号からオン信号へと変化したこと(OFF→
ON)が制御回路21により確認されると、使用者がカ
メラ1のシャッターレリーズボタン(図示せず)の第一
段目の操作を行なって撮影準備操作を行なったものと判
断して、次のステップS39の処理に進む。また、1R
SW39の出力信号が変化なしである(オフ信号のまま
である)ことを制御回路21が確認した場合には、図1
2のステップS25の処理に戻り、以降の処理を繰り返
す(図12・図13の符号D)。
【0143】上述のステップS38において、1RSW
39の出力信号がオフ信号からオン信号へと変化したこ
とを受けて、ステップS39の処理に進むと、このステ
ップS39において、制御回路21は、測距手段(図示
せず)を制御して被写体までの距離を測定し、その測距
結果に基づいて撮影レンズ鏡筒5の繰り出し量を算出す
る。
【0144】続いて上述のステップS39の処理とほぼ
同時に、ステップS40において、制御回路21は、測
光手段(図示せず)を制御して被写体の輝度を測定し、
これに基づいてシャッター速度値や絞り値等を算出す
る。その後、ステップS41の処理に進む。
【0145】ステップS41において、制御回路21
は、スイッチ入力回路36を介して入力される2RSW
40の状態を確認する。ここで、2RSW40の出力信
号がオン信号であると確認されると、使用者が実際の撮
影動作を実行すべくカメラ1のシャッターレリーズボタ
ン(図示せず)の第二段目の操作を行なったものと判断
し、次のステップS43の処理に進む。また、2RSW
40の出力信号がオフ信号のままである場合には、ステ
ップS42の処理に進む。
【0146】ステップS42において、制御回路21
は、スイッチ入力回路36を介して入力される1RSW
39の状態を再度確認する。ここで、1RSW39の出
力信号がオン信号のまま継続している場合には、上述の
ステップS41の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、ここで制御回路21は、1RSW39の出力信号
がオン信号からオフ信号に変化したことを確認すると、
使用者によるシャッターレリーズボタンの操作が解除さ
れたものと判断され、上述のステップS25の処理に戻
り、以降の処理を繰り返す(図12・図13の符号
D)。
【0147】上述のステップS41において、制御回路
21が2RSW40のオン信号を確認して、次のステッ
プS43の処理に進むと、このステップS43におい
て、制御回路21は、所定の駆動手段(図示せず)を制
御して撮影レンズ鏡筒5の内部に保持される複数のレン
ズのうち焦点調節用のレンズ(以下、焦点レンズとい
う)を所定の位置に繰り出させる焦点レンズ繰り出し処
理を行なう。この焦点レンズ繰り出し処理は、上述のス
テップS39において算出された演算結果に基づいて行
なわれる。その後、ステップS44の処理に進む。
【0148】ステップS44において、制御回路21
は、フラグ[WINDF]の設定(セット)を行なう。
その後、ステップS45の処理に進む。
【0149】ステップS45において、制御回路21
は、フラグ[WINDF]の設定を不揮発性メモリー6
2に記憶させる。その後、ステップS46の処理に進
む。この処理によって、例えばステップS46以降の処
理中、即ち露光動作中又は露光動作がなされた後の過程
において主電源電池がカメラ1から取り外されたとして
も、再度主電源電池を装填したときには、フラグ[WI
NDF]=1の設定がなされることになる。したがっ
て、この場合には、図12のステップS18・S19の
処理(フイルム巻き上げ処理等)において、フイルム7
を1コマ分巻き上げることになるので意図しない二重露
光を防止することができる。
【0150】次いでステップS46において、制御回路
21は、所定の手段(図示せず)によって、シャッター
機構や絞り機構等(図示せず)を駆動させ、フイルム7
の所定の位置に対する露光処理を実行する。その後、ス
テップS47の処理に進む。
【0151】ステップS47において、制御回路21
は、焦点レンズを繰り込ませ、所定の初期位置へと移動
させる。そして、ステップS48の処理に進む。
【0152】ステップS48において、制御回路21
は、フイルム7を1フレーム分だけ巻き上げるフイルム
巻き上げ処理を行なう。このフイルム巻き上げ処理の完
了を待って、次のステップS49の処理に進む。
【0153】ステップS49において、制御回路21
は、フラグ[WINDF]を初期化(クリア)した後、
次のステップS50の処理に進む。
【0154】ステップS50において、制御回路21
は、内部RAMを参照してフラグ[FILMDF]の状
態を確認する。このフラグ[FILMDF]は、上述の
ステップS48の処理(フイルム巻き上げ処理)におけ
るフイルム7の巻き上げ動作中に設定されるフラグであ
る。そして、このときフイルムエンドの検出がなされた
際には、フラグ[FILMDF]=1が保持される一
方、正常に1フレーム分のフイルム巻き上げ処理が完了
した場合には、フラグ[FILMDF]は初期化(クリ
ア)される。
【0155】ここで、フラグ[FILMDF]=0であ
ることが制御回路21によって確認されると、ステップ
S52の処理に進む。また、フラグ[FILMDF]=
1であることが制御回路21によって確認されると、次
のステップS51の処理に進む。
【0156】上述のステップS50において、フイルム
エンドが検出されて、次のステップS51に進むと、こ
のステップS51において、制御回路21は、フイルム
巻き戻し処理を実行し得るようにするためにフラグ[R
EWINDF]を設定(セット)する。そして、次のス
テップS52の処理に進む。
【0157】ステップS52において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]の設定を不揮発性メモリ
ー62に記憶させる。その後、次のステップS53の処
理に進む。
【0158】ステップS53において、制御回路21
は、内部RAMを参照してフラグ[REWINDF]の
状態を確認する。ここで、フラグ[REWINDF]=
1であることが制御回路21によって確認された場合に
は、図11のステップS1の処理に戻り、以降の処理を
繰り返す(図11・図13の符号B)。したがって、こ
の場合には、ステップS5の処理において、フラグ[R
EWINDF]=1であることを制御回路21が確認
し、次のステップS6の処理においてフイルム巻き戻し
処理が実行されることになる。
【0159】また、ここで、フラグ[REWINDF]
=0であることが制御回路21によって確認された場合
には、図12ステップS25の処理に戻り、以降の処理
を繰り返す(図12・図13の符号D)。
【0160】図14は、本カメラ1のフイルム給送装置
におけるフイルム巻き戻し処理(図11のステップS6
に相当する処理)の流れを示すフローチャートである。
また、図15は、このフイルム巻き戻し処理がなされる
際のLセンサー28及びPセンサー29の各出力信号と
モーター23への印加電圧の変位や制御回路21のタイ
マーの開始時期等を示すタイミングチャートである。
【0161】この処理が実行されるのは、図12のステ
ップS19の処理及び図13のステップS48の処理の
それぞれにおいてフイルムエンドが検出された場合と、
図12のステップS28の処理において途中巻き戻しボ
タン操作の指示が検出された場合と、図11のステップ
S12の処理におけるフイルムローディング処理におい
て、フイルム7の給送動作に失敗した場合(この処理の
詳細については後述する)等である。
【0162】本フイルム給送装置のフイルム巻き戻し処
理が開始されると、まずステップS100において、制
御回路21は、フイルム給送回路31に備えられている
定電圧回路(特に図示せず。フイルム給送回路31は図
2参照)を制御してモーター23に印加する電圧を設定
するための電圧設定処理を実行する。この処理は、モー
ター23の印加電圧を加減することにより、モーター2
3の回転速度を制御することで、フイルム7の巻き戻し
速度を制御するために行なわれる。
【0163】次いで、ステップS101において、制御
回路21は、フイルム給送回路31を介してモーター2
3を駆動させ、これを図6に示すCW1方向(フイルム
7を巻き戻す方向)に回動させる(モータースタート処
理)。このとき、図15に示すようにモーター23には
高電圧が印加されている。
【0164】続いて、ステップS102において、制御
回路21は、自己の内部に有するタイマーによる計時を
開始する(図15の符号T0)。このタイマーは、所定
時間内においてフイルム7が所定の長さだけ巻き戻され
たか(所定方向に移動したか)否か、あるいはPセンサ
ー29に対向する所定の位置をフイルム7のリーダー部
7bの先端が通過したか否かを判断するためのものであ
る。その後、次のステップS103の処理に進む。
【0165】ステップS103において、制御回路21
は、パーフォレーション検出回路33を介してPセンサ
ー29の状態を確認する。ここで、Pセンサー29の状
態に変化が無かった場合には、ステップS105の処理
に進み、Pセンサー29の状態変化を検出した場合に
は、ステップS104の処理に進む。この場合におい
て、Pセンサー29の状態変化が検出される場合とは、
例えば次に示す場合である。即ち、(1)所定時間内に
フイルム7が所定の長さ以上巻き戻された場合、つま
り、Pセンサー29に対向する所定の位置をフイルム7
が移動中であって、同フイルム7のリーダー部7bの先
端部位がLセンサー28によって未だ検出されていない
状態(出力レベルがLoレベルの状態)と、(2)フイ
ルム7がPセンサー29に対向する位置に存在しない状
態であって、かつLセンサー28に対向する位置にはフ
イルム7が存在している状態(出力がLoレベルの状
態)と、の間でPセンサー29の状態変化が検出され
る。つまり、Pセンサー29の出力レベルが所定の周期
でHiレベルとLoレベルを繰り返すパーフォレーショ
ン信号が消失し、Pセンサー29の出力レベルがHiレ
ベルの状態で継続する状態に変化した場合である(図1
5の符号P1)。
【0166】ステップS104において、制御回路21
は、自己の内部タイマーによる計時を再度開始する(図
15の符号T1)。
【0167】次に、ステップS105において、制御回
路21は、フイルムリーダー検出回路32を介してLセ
ンサー28の状態を確認する。ここで、Lセンサー28
の出力信号がハイ(Hi)レベルであることを確認した
場合には、Lセンサー28に対向する所定の位置にフイ
ルム7が存在していない状態、即ち上述の(2)の状態
からさらに進んだ状態であると判断できる。したがっ
て、この場合には、ステップS108の処理に進み、こ
のステップS108において、制御回路21は、モータ
ー23への印加電圧を落とす電圧切り換え処理を実行す
る(高電圧→低電圧;図15の符号V1)。これによっ
て、モーター23の回転速度は減速され、よってフイル
ム7の巻き戻し速度は減速する。その後、ステップS1
10の処理に進む。
【0168】一方、上述のステップS105において、
Lセンサー28の出力信号がロー(Lo)レベルである
ことが制御回路21によって確認された場合には、次の
ステップS106に進む。
【0169】このステップS106において、制御回路
21は、自己の内部タイマーを確認する。ここで、所定
の時間(図15の符号T0又はT1)が未だ経過せず、
タイムアップされていない場合には、上述のステップS
103の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。また、こ
こで、所定の時間(図15の符号T0又はT1)が経過
したことによりタイムアップされたことが確認される
と、次のステップS107の処理に進む。この場合は、
所定の時間が経過する間にPセンサー29の出力信号の
状態が変化しなかった場合である。つまり、Pセンサー
29に対向する所定の位置をフイルム7のリーダー部7
bの先端が通過したと判断することができる。
【0170】したがって、この場合には、次のステップ
S107の処理に進む。
【0171】ステップS107においては、上述のステ
ップS108の処理と同様の電圧切り換え処理が実行さ
れる。その後、ステップS109の処理に進む。
【0172】ここで実行される電圧切り換え処理は、P
センサー29に対向する所定の位置をフイルム7のリー
ダー部7bの先端が通過した後、フイルム7の給送速度
を減速し、これによりフイルム7を停止させたときの位
置精度を向上させるのが目的である。ここで、さらにモ
ーター23に対してブレーキをかけることで、その回転
速度を急激に減速させるようにすれば、より効果的であ
る。
【0173】ステップS109において、制御回路21
は、フイルムリーダー検出回路32を介してLセンサー
28の出力を監視し、Lセンサー28の出力信号がハイ
(Hi)レベルになったか否かの確認を行なう。つま
り、Lセンサー28に対向する所定の位置をフイルム7
のリーダー部7bの先端が通過し、当該Lセンサー28
に対向する所定の位置からフイルム7が存在しない状態
となるまで待機する。
【0174】制御回路21は、Lセンサー28の出力信
号がハイ(Hi)レベルになった(図15の符号L1)
ことを検出すると、次のステップS110の処理に進
み、このステップS110において、制御回路21は、
内部RAMを参照してフラグ[LOADERF]の状態
を確認する。ここで行なわれる確認は、フイルムローデ
ィング処理が完全に失敗した後のフイルム巻き戻し処理
であるか否かの確認である。ここで、フイルムローディ
ング処理が完全に失敗した場合とは、フイルムローディ
ング処理に失敗した後に行なわれる再試行動作も失敗し
た場合という意味である。なお、フラグ[LOADER
F]については、後述するフイルムローディング処理
(図11のステップS12の処理)を説明する際に詳述
する。
【0175】ここで、フラグ[LOADERF]=0で
あることが制御回路21によって確認された場合には、
次のステップS113の処理に進む。また、フラグ[L
OADERF]=1であることが制御回路21によって
確認された場合には、ステップS111の処理に進む。
【0176】ステップS111において、制御回路21
は、フイルム7の給送動作が失敗した際にフイルム給送
動作(フイルムローディング処理)の再試行を指示する
フラグ[LOADRTF]を初期化(クリア)する。そ
の後、次のステップS112の処理に進む。
【0177】ステップS112において、制御回路21
は、フイルム7の給送動作(ローディング処理)が完全
に失敗したことを示すフラグ[LOADERF]を初期
化(クリア)する。その後、ステップS116の処理に
進む。
【0178】一方、ステップS113において、制御回
路21は、フラグ[LOADRTF]の確認を行なう。
ここで、フラグ[LOADRTF]=1であることが制
御回路21によって確認された場合には、ステップS1
16の処理に進む。また、フラグ[LOADRTF]=
0であることが制御回路21によって確認された場合に
は、ステップS114の処理に進む。
【0179】ステップS114において、制御回路21
は、自己の内部に有するタイマーによる計時を開始する
(図15の符号T2)。このタイマーは、Lセンサー2
8によってフイルム7のリーダー部7bの先端が検出さ
れた(図15の符号L1)後、さらに所定の時間(図1
5の符号T2)だけフイルム7の巻き戻し動作を実行
し、フイルム7をフイルムパトローネ2の内部に完全に
巻き戻すようにするためのタイマーである。その後、ス
テップS115の処理に進む。
【0180】なお、この場合において、図15には図示
していないが、モーター23に印加する電圧を上昇させ
て、当該モーター23の回転速度を増速させるようにす
れば、より迅速にフイルムの巻き戻し処理を完了させる
こともがさらに容易となる。
【0181】ステップS115において、制御回路21
は、タイマーによって計時される所定の経過時間を監視
して、フイルム7がフイルムパトローネ2の内部に完全
に巻き込まれるまでの所定時間を待機する。
【0182】そして、制御回路21は、タイマーの計時
による所定の経過時間が経過して(タイプアップし
て)、フイルム7がフイルムパトローネ2の内部に完全
に巻き込まれたものと判断すると、次のステップS11
6の処理に進む。
【0183】なお、ステップS110・S113の両処
理において、フイルムローディング処理に失敗した後の
巻き戻し処理であるものと判断がなされた場合には、上
述したようにステップS114・S115の両処理は実
行されない。つまり、この場合においては、フイルム7
のリーダー部7bの先端がフイルムパトローネ2の外に
残された状態を維持させるようにしてフイルム巻き戻し
処理を終了させる。即ち、図15の区間Cの部分が省略
される。この場合には、フイルム7のリーダー部7bの
先端部位を検出すると(図15の符号L1)、その直後
にフイルム7の停止処理、即ちモーター23のブレーキ
をかける処理が実行される。
【0184】続いてステップS116において、制御回
路21は、フイルム給送回路31を介してモーター23
の駆動制御を行ない、当該モーター23に対してブレー
キかけるモーターブレーキ処理を実行する(図15の符
号V2)。その後、ステップS117の処理に進む。
【0185】ステップS117において、制御回路21
は、タイマーの計時を開始する(タイマースタート;図
15の符号T3)。このタイマーは、ブレーキを継続す
るための時間を計時するためのものである。その後、ス
テップS118の処理に進む。
【0186】続けて、ステップS118において、制御
回路21は、ブレーキが継続している所定の時間だけ待
機する。所定の時間が経過(タイムアップ)すると、次
のステップS119の処理に進む。
【0187】そして、ステップS119において、制御
回路21は、モーター23への電圧印加を解除するモー
ターオフ処理を実行する。これにより、フイルム7は完
全に停止する。その後、この一連のフイルム巻き戻し処
理を終了させ、以前のシーケンスに復帰する。
【0188】なお、フイルム巻き戻し処理が開始された
時点において、Pセンサー29のパーフォレーション信
号が出力されない場合(出力レベルがHiレベルのまま
継続している状態)には、区間Aが省略される。
【0189】さらに、フイルム巻き戻し処理が開始され
た時点において、Lセンサー28によってフイルム7が
検出されていない状態(出力レベルがHiレベルの状
態)であれば、図15の区間A及び区間Bが省略され
る。この場合において、今回の巻き戻し処理が、フイル
ムローディング処理に失敗した後の巻き戻し処理である
場合には、さらに区間Cも省略される。したがって、こ
のときには、フイルム7の巻き戻し動作は全く実行され
ずに停止処理が実行される。
【0190】図16は、本カメラ1のフイルム給送装置
におけるフイルムローディング処理(図11のステップ
S12に相当する処理)の流れを示すフローチャートで
ある。また、図17は、このフイルムローディング処理
がなされる際のLセンサー28及びPセンサー29の各
出力信号とモーター23への印加電圧の変位や制御回路
21のタイマーの開始時期等を示すタイミングチャート
である。
【0191】この処理が実行されるのは、図12のステ
ップS25の処理においてBKSW38の出力信号のオ
ン信号からオフ信号への変化(ON→OFF)が検出さ
れた場合、即ち使用者によってフイルムパトローネ2が
カメラ1のパトローネ室3の内部に装填され、パトロー
ネ室蓋4が閉状態とされたものと判断された場合と、図
11のステップS12の処理におけるフイルムローディ
ング処理と、このフイルムローディング処理に失敗し、
その再試行のための処理が指示された場合とである。
【0192】本フイルム給送装置のフイルムローディン
グ処理が開始されると、まずステップS200におい
て、制御回路21は、フイルムリーダー検出回路32を
介してLセンサー28の状態を確認する。ここで、Lセ
ンサー28の出力信号がハイ(Hi)レベルであること
が確認された場合には、Lセンサー28に対向する所定
の位置にはフイルム7が存在していないと判断される。
つまり、フイルム7のリーダー部7bの先端が所定の位
置まで巻き戻されていることになる。したがって、ステ
ップS201〜S204の処理を省略し、ステップS2
05の処理に進む。この状態となる状況としては、例え
ばフイルムローディング処理に失敗した後に再試行が行
なわれる際の状態である。
【0193】また、上述のステップS200において、
Lセンサー28の出力信号がロー(Lo)レベルである
ことが制御回路21によって確認された場合には、次の
ステップS201の処理に進む。
【0194】ステップS201において、制御回路21
は、フイルム給送回路31の定電圧回路(特に図示せ
ず)を制御してモーター23に印加する電圧を設定する
ための電圧設定処理を実行する。この処理は、モーター
23の印加電圧を低電圧とすることでモーター23を低
速回転で駆動させ、これによりフイルム7の停止位置の
精度を確保するためになされる。
【0195】ステップS202において、制御回路21
は、フイルム給送回路31を介してモーター23を駆動
させ、これを図6に示すCW1方向に回転させる(モー
タースタート処理;図17の符号V3)。このとき、図
17に示すようにモーター23には低電圧が印加されて
いる。このモーター23のCW1方向へ回転は、一度フ
イルム7を巻き戻す方向へと移動させ、同フイルム7の
リーダー部7bの先端をカメラ1の内部における所定の
位置に配置するために行なわれる処理である。その後、
ステップS203の処理に進む。
【0196】ステップS203において、制御回路21
は、フイルムリーダー検出回路32を介してLセンサー
28の出力を確認し、このLセンサー28の出力信号が
ロー(Lo)レベルの間、あるいはハイ(Hi)レベル
になるまで待機する。ここで、フイルム7のリーダー部
7bの先端がLセンサー28に対向する所定の位置を巻
き戻し方向に移動して通過することで、Lセンサー28
の出力信号がハイ(Hi)レベルに変化した場合には、
次のステップS204の処理に進む。
【0197】ステップS204において、制御回路21
は、フイルム給送回路31を介してモーター23にブレ
ーキをかける。このモーターブレーキ処理は、上述のス
テップS203において検出されるLセンサー28の出
力信号がハイ(Hi)レベルに変化したとき(図17の
符号L2)に、モーター23に対して必要な時間だけブ
レーキをかけ、フイルム7を停止させるための処理であ
る。これにより、フイルム7は、カメラ1の内部におけ
る所定の位置に精度良く停止させることができる。その
後、次のステップS205の処理に進む。
【0198】このステップS204までの処理は、フイ
ルムローディング処理において行なわれる巻き戻し処理
である。そして、ステップS205以降の処理は、フイ
ルム7をスプール室24の側に向けて送り出すための処
理である。即ち、ステップS205において、制御回路
21は、モーター23に印加する電圧を設定するための
電圧設定処理を実行する。この処理は、モーター23の
印加電圧を減ずることにより、モーター23の回転速度
を制御して、フイルム7の送り出し速度を制御するため
に行なわれる。これによって、給送されるフイルム7
は、スムーズに所定のフイルム給送路を移動し、スプー
ル室24に到達させることができるようになる。その
後、ステップS206の処理に進む。
【0199】ステップS206において、制御回路21
は、フイルム給送回路31を介してモーター23を図6
に示すCCW2方向に回転駆動させる(モータースター
ト処理;図17の符号V4)。その後、ステップS20
7の処理に進む。
【0200】ステップS207において、制御回路21
は、自己の内部カウンターを初期化(クリア)する処
理、即ちカウンターリセット処理を実行する。このカウ
ンターは、Pセンサー29に対向する所定の位置を通過
したパーフォレーション7aを計数するためのものであ
る。その後、ステップS208へ進む。
【0201】ステップS208において、制御回路21
は、タイマーによる計時を開始する処理、即ちタイマー
スタート処理を実行する。このタイマーは、フイルム7
のパーフォレーション7aがPセンサー29に対向する
所定の位置を通過する際に生じる出力変化の間隔を計時
するためのものである。
【0202】つまり、このタイマーによって計時される
所定の時間内において、Pセンサー29の出力信号に状
態の変化が検出されない場合には、フイルム7の送り出
し動作もしくはスプール軸22への巻き取り(巻き上
げ)動作に異常があったと判断することができる。
【0203】当該タイマーは、後述するステップS20
9の処理において、Pセンサー29の出力信号のロー
(Lo)レベルからハイ(Hi)レベルへの切り換わり
がパーフォレーション検出回路33によって検出される
都度、次のステップS210の処理において更新され
る。したがって、このステップS208の処理では、L
センサー28に対向する所定の位置をフイルム7のリー
ダー部7bの先端が通過(図17の符号L3)した後、
Pセンサー29が最初のパーフォレーションを検出する
(図17の符号P2)までの時間に応じた比較的長い時
間が設定される(図17の符号T4)。その後、ステッ
プS209の処理に進む。
【0204】ステップS209において、制御回路21
は、パーフォレーション検出回路33を介してPセンサ
ー29の出力信号がロー(Lo)レベルからハイ(H
i)レベルに切り換わったか否かの確認を行なう。
【0205】Pセンサー29によって最初のパーフォレ
ーション7aが検出される際の出力の状態は、まずハイ
(Hi)レベルからロー(Lo)レベルに切り換わり、
所定の時間、ロー(Lo)レベルが継続した後、ハイ
(Hi)レベルに切り換わる。したがって、このステッ
プS209の処理においては、Pセンサー29の出力信
号がロー(Lo)レベルからハイ(Hi)レベルに切り
換わった否かを確認することで、最初のパーフォレーシ
ョン7aが検出されたか否かを確認している。
【0206】この場合において、制御回路21によりP
センサー29の出力のロー(Lo)レベルからハイ(H
i)レベルへの切り換わりが検出された場合には、次の
ステップS210の処理に進む。また、制御回路21に
よりPセンサー29の出力のロー(Lo)レベルからハ
イ(Hi)レベルへの切り換わりが検出されなかった場
合には、ステップS216の処理に進む。
【0207】ステップS210において、制御回路21
は、自己の内部タイマーによる計時を再開するタイマー
スタート処理を実行する。ここで行なわれるタイマース
タート処理は、Pセンサー29に対向する所定の位置を
1個のパーフォレーション7aが通過するのに必要かつ
充分な時間であって、ステップS208の処理で設定さ
れる計時時間よりも相当に短い時間が設定される(図1
7の符号T5)。その後、次のステップS211の処理
に進む。
【0208】この時点においては、上述のステップS2
09の処理において1個のパーフォレーション7aが検
出されているので、制御回路21は、ステップS211
において、自己の内部カウンターを加算するカウントア
ップ処理を実行する。その後、ステップS212の処理
に進む。
【0209】ステップS212において、制御回路21
は、内部カウンターが所定値M(図17の符号M参照)
以上になったか否かの確認を行なう。ここで、カウンタ
ー数値が所定値M未満である場合(<M)には、上述の
ステップS209の処理に戻り、以降の処理を繰り返
す。また、カウンター数値が所定値M以上である場合
(M≦)には、次のステップS213の処理に進む。
【0210】この時点において、フイルム7は、充分な
長さだけ送り出されており、既にスプール室24に到達
しかつスプール軸22の外周面に巻き付いている状態に
あると判断される。したがって、ステップS213にお
いて、制御回路21は、フイルム給送回路31を介して
モーター23への印加電圧を加圧する(図17の符号V
5)。これにより、モーター23の回転速度が加速され
ることから、これに伴ってフイルム7の給送速度も加速
される。したがって、フイルム給送時間を短縮させるこ
とに寄与し得る。その後、ステップS214の処理に進
む。
【0211】なお、ここでフイルム7の給送速度が速ま
ったことを受けて、このステップS213の処理以降に
おいては、上述のステップS210の処理におけるタイ
マー計時時間の設定を、より短時間となるように設定す
る。これにより、異常判断も迅速に行なうことができる
ようになる。
【0212】ステップS214において、制御回路21
は、内部カウンターが所定値N(図17の符号N参照)
になったか否かの確認を行なう。ここで、カウンター数
値が所定値N未満である場合(<N)には、上述のステ
ップS209の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。ま
た、カウンター数値が所定値N以上である場合(N≦)
には、フイルム7がカメラ1の内部において所定の位置
に配置され撮影準備状態にあるものと判断される。した
がって、次のステップS215以降の停止処理に進む。
【0213】上述のステップS214の処理において確
認したように、この時点でフイルムローディング処理に
成功したものと判断されるので、制御回路21は、ステ
ップS215において、RAMを参照してフラグ[LO
ADRTF]を初期化(クリア)する。そして、次のス
テップS222の処理に進む。
【0214】一方、上述のステップS209の処理にお
いて、Pセンサー29の出力信号がロー(Lo)レベル
からハイ(Hi)レベルに切り換わったことが制御回路
21によって検出されずにステップS216の処理に進
むと、このステップS216において、制御回路21
は、内部タイマーを確認し、設定された計時が終了した
か否か、即ちタイムアップしたか否かの確認を行なう。
【0215】ここで、タイマーが未だタイムアップして
いないことが確認されると、ステップS209の処理に
戻り、以降の処理を繰り返す。また、タイマーがタイム
アップしたことが確認された場合には、フイルム7の送
り出し動作もしくは巻き取り(巻き上げ)動作に失敗し
た、換言すれば異常が発生したものと判断して、次のス
テップS217以降の失敗処理(異常判定処理)に進
む。このように、上述のPセンサー29及びパーフォレ
ーション検出回路33と制御回路21は、スプロケット
9によるフイルム送出動作又はスプール軸22によるフ
イルム巻取動作の失敗を検出する失敗検出手段の役目も
している。
【0216】ステップS217において、制御回路21
は、RAMを参照しフラグ[LOADRTF]の状態を
確認する。ここで、フラグ[LOADRTF]=0であ
ることが確認された場合には、これ以前の失敗履歴は存
在していないことになるので、ステップS218の処理
に進む。
【0217】ステップS218において、制御回路21
は、フラグ[LOADRTF]を設定(セット)した
後、ステップS221の処理に進む。
【0218】また、上述のステップS217において、
フラグ[LOADRTF]=1であることが制御回路2
1によって確認された場合には、今回の処理がフイルム
ローディング処理の再試行処理における失敗であるもの
と判断される。したがって、次のステップS219の処
理に進む。
【0219】ステップS219において、制御回路21
は、フラグ[LOADRTF]を初期化(クリア)す
る。そして、次のステップS220の処理に進む。
【0220】ステップS220において、制御回路21
は、フラグ[LOADERF]を設定(セット)する。
そして、次のステップS221の処理に進む。
【0221】ステップS221において、制御回路21
は、フラグ[REWINDF]を設定(セット)する。
そして、次のステップS222の処理に進む。
【0222】なお、このステップS221において設定
されるフラグ[REWINDF]によって、図11のス
テップS5の処理における判断によって、同図ステップ
S6の処理、即ちフイルム巻き戻し処理(詳細は図14
参照)が実行されることになる。
【0223】この場合においては、ローディング再試行
を指示するフラグ[LOADRTF]・ローディング失
敗フラグ[LOADERF]の設定が参照されることに
より、上述の図14のフイルム巻き戻し処理において
は、フイルム7のリーダー部7bをフイルムパトローネ
2の外部に残した状態で終了することになる。
【0224】したがって、使用者は、当該フイルムパト
ローネ2をカメラ1の内部から所定の操作によって取り
出すこともできるし、同フイルムパトローネ2を同カメ
ラ1に再度装填してフイルムローディング処理の再試行
を行なうこともできる状態で終了する。
【0225】一方、例えばフイルムエンドが検出された
後に実行される巻き戻し処理や使用者が所定の途中巻き
戻し操作を行なうことによって実行される巻き戻し処理
では、図14において説明したようにフイルム7が完全
にフイルムパトローネ2の内部に巻き込まれた後に終了
することになる。つまり、同フイルムパトローネ2をカ
メラ1に再装填することができない状態になっている。
したがって、フイルムパトローネ2の再装填操作によっ
て、露光済みのフイルム7に対して再度撮影動作を行な
ってしまう二重露光等の失敗を防ぐことができる。
【0226】上述したように、図16のステップS21
5において、フラグ[LOADRTF]が初期化された
後、又は上述のステップS221において、フラグ[R
EWINDF]が設定された後、ステップS222に進
む。このステップS222以降の処理は、図14のフイ
ルム巻き戻し処理におけるステップS116〜S119
の処理と同様である。
【0227】即ち、ステップS222において、制御回
路21は、フイルム給送回路31を介してモーター23
に対するモーターブレーキ処理を実行する。その後、ス
テップS223の処理に進む。
【0228】ステップS223において、制御回路21
は、タイマーの計時を開始する(タイマースタート)。
その後、ステップS224の処理に進む。
【0229】続けてステップS224において、制御回
路21は、ブレーキが継続している所定の時間(図17
の符号T6)だけ待機する。所定の時間T6が経過(タ
イムアップ)すると、次のステップS225の処理に進
む。
【0230】ステップS225において、制御回路21
は、モーター23への電圧印加を解除するモーターオフ
処理を実行する。その後、この一連のフイルムローディ
ング処理を終了させ、以前のシーケンスに復帰する。
【0231】なお、フイルムローディング処理に失敗し
たときには、フイルム巻き戻し処理が実行されるが、こ
の処理の終了後において、再度フイルムローディング処
理を実行する場合、即ちフイルムローディング処理の再
試行が行なわれる際には、Lセンサー28の出力は、処
理の開始時点においてハイ(Hi)レベルの信号が出力
されている。したがって、図17のタイミングチャート
における区間Aの部分が省略されてフイルムローディン
グ処理が開始する。即ち、この場合には、フイルム7の
送り出し動作、即ち図16におけるステップS205以
降の処理が、直ちに実行されることになる。
【0232】また、Pセンサー29によって検出される
パーフォレーション7aの所定数Nが検出される以前に
おいて、フイルム7の送り出し動作及び巻き上げ動作に
異常が発生した場合(図16のステップS216の処理
で判断される)、即ち、Pセンサー29の出力信号のロ
ー(Lo)レベルからハイ(Hi)レベルへと切り換わ
る都度更新されるタイマー(図16のステップS21
0)のオーバーフロー判定処理(タイムアップの確認処
理;ステップS216の処理)が行なわれる。ここで、
タイプアップが確認された場合は、Pセンサー29から
のパーフォレーション信号の出力が消失したことを意味
する。したがって、この場合には、所定の異常判定処理
(図16のステップS217〜S221の処理)を行な
って、その後、フイルム7の停止処理を実行する。
【0233】以上説明したように上記第1の実施形態に
よれば、パトローネ室蓋4を開状態にし、開口部8から
フイルムパトローネ2をパトローネ室3の内部に装填
し、パトローネ室蓋4を閉状態にするだけの簡単な操作
を行なうのみで、フイルムパトローネ2の内部に収納さ
れたロール状フイルム7を自動的に給送させて、これを
カメラ1の内部の所定の位置に常に確実に配置させるこ
とができる。
【0234】また、何らかの理由によってフイルム7の
自動給送に失敗した場合にも、フイルム給送処理の失敗
を検出し、フイルムパトローネ2の再装填が可能である
場合には、再度の装填操作を行ない得る状態となるよう
に、フイルム7を自動的に復帰させるようにしたので、
カメラ1におけるフイルム装填操作の煩雑さを解消しな
がら、確実なフイルム7の装填及び給送動作を行なわし
めることができると共に、より良好な使用感を得ること
ができる。
【0235】また、フイルム巻き戻し処理を行なうに際
しては、場合によってフイルム7のリーダー部7bをフ
イルムパトローネ2の外部に残した状態で終了させるよ
うにしている。したがって、この巻き戻し処理の完了後
には、使用者は当該フイルムパトローネ2をカメラ1の
内部から所定の操作を行なうだけで取り出すこともでき
るし、同フイルムパトローネ2を同カメラ1又は別の異
なる個体のカメラに再度装填して、フイルムローディン
グ処理の再試行を行なわしめることも容易にできる。
【0236】その一方で、例えばフイルムエンドが検出
された後に実行される巻き戻し処理や使用者が所定の途
中巻き戻し操作を行なうことによって実行される巻き戻
し処理では、フイルム7をフイルムパトローネ2の内部
に完全に巻き込んだ状態で処理を終了させるようにして
いる。この場合におけるフイルム7は、所定の撮影動作
によって全部又は一部に既に露光がなされた状態となっ
ている。
【0237】したがって、巻き戻し処理の終了後、同フ
イルムパトローネ2をカメラ1に再装填することができ
ない状態とすることで、これを再装填し露光済みのフイ
ルム7に対して再度撮影動作を行なってしまう二重露光
等の失敗を防ぐことができる。
【0238】さらに、Lセンサー28は、フイルム巻き
戻し処理が完了した時点において、フイルム7がLセン
サー28と高反射率部材78との間に介在していない状
態の高反射率部材78による出力信号を基準として、出
力信号の判定レベルを調整するようにしている。つま
り、フイルム巻き戻し処理を行なう都度、Lセンサー2
8の判定レベルを設定するようにしているので、Lセン
サー28の経年変化や感度劣化等に対応することがで
き、常に精度の高い感度レベルを維持することができ
る。
【0239】さらにまた、Lセンサー28の判定レベル
の調整をフイルム巻き戻し処理を行なう都度行なうよう
にしたので、フイルム7の反射率の相違に関らず、常に
確実にフイルム7の検出を行なうことができる。
【0240】次に、本発明の第2の実施形態のカメラの
給送装置について、以下に説明する。この第2の実施形
態は、基本的には上述の第1の実施形態と同様の構成か
らなり、フイルム7のリーダー部7bの先端が所定位置
に到達したか否かを検出する検出手段(第1検出手段;
Lセンサー28A)の特性を変更した例である。したが
って、その他の装置自体の構成及び作用については、上
述の第1の実施形態で用いた説明及び図面を参照するも
のとし、異なる点についてのみ以下に詳述する。
【0241】図18は、本実施形態において、Lセンサ
ー28Aとフイルム7との位置関係を示す概念図であっ
て、上述の第1の実施形態における図4と同様に、Lセ
ンサー28Aの状態判定レベルの設定方法を説明するた
めの図である。また、図19は、本実施形態においてL
センサー28Aと反射部材(低反射率部材78A)との
間の距離の変化に応じたLセンサー28Aの光電流の変
位を示すグラフであって、上述の第1の実施形態におい
ては、図5に相当する図である。この場合において、L
センサー28Aと反射物体との距離の値Lを横軸に、こ
の距離Lに対応してフォトトランジスタ71から生じる
光電流の値Iを縦軸に、それぞれ設定している。
【0242】また、なお、図19において、実線は、反
射物体が低反射率部材78Aである場合、即ちLセンサ
ー28Aと低反射率部材78Aとの間の空間にフイルム
7が存在していない場合の低反射率部材78Aの特性曲
線を示している。また、同図における破線は、反射物体
がフイルム7である場合、即ちLセンサー28Aと低反
射率部材78Aとの間の空間にフイルム7が介在してい
る場合のフイルムベース面の特性曲線を示している。
【0243】上述の第1の実施形態では、Lセンサー2
8は、最大となる感度ピーク値Pkを得られる距離に配
置された高反射率部材78によって反射された反射光を
受光して、フイルム7が存在しない場合にハイレベルの
信号を出力するように構成していた。
【0244】本実施形態においては、Lセンサー28の
最大となる感度ピーク値Pkを得られる距離L2の位置
に、フイルムパトローネ2から送出されるフイルム7が
配置されるように構成されている。そして、Lセンサー
28Aに対向する位置には、低反射率部材78Aが配置
されている。この低反射率部材78Aは、フイルム7の
ベース面の反射率よりも相当に低い反射率となる部材が
適用されている。
【0245】したがって、Lセンサー28Aと低反射率
部材78Aとの間の空間にフイルム7が介在した場合に
は、Lセンサー28Aの感度ピーク値は最大値を示す一
方、両者の間にフイルム7が介在しない場合には、Lセ
ンサー28Aの感度ピーク値は、低い値を示すようにな
っている。
【0246】つまり、Lセンサー28Aと低反射率部材
78Aとの間の空間にフイルム7が介在しない場合、例
えばフイルム巻き戻し処理が完了した時点等には、Lセ
ンサー28Aの発光ダイオード70から照射される赤外
光は、当該Lセンサー28Aから距離L3を隔てた位置
に配置される低反射率部材78Aによって反射され、そ
の反射光を受光したフォトトランジスタ71は、値I3
の光電流を出力する。この光電流値I3を受けてフイル
ムリーダー検出回路32(図2参照)は、同値I3に対
応する電圧を制御回路21へと出力する。制御回路21
では、この電圧をA/D変換し、その結果得られた値に
対して所定のマージンを見込んだ値(光電流Ithに相
当する電圧値)を算出すると共に、これをスレッショル
ドとして設定して、EEPROM62に記憶する。そし
て、これ以降、次のフイルム巻き戻し処理が終了するま
では、このスレッショルド値がピーク値として使用され
る。
【0247】このように、本実施形態においては、Lセ
ンサー28Aと低反射部材78Aとの間の空間にフイル
ム7が介在しない場合には、制御を行なう上において、
Lセンサー28Aの出力レベルはロー(Lo)レベルで
あると判定されるような設定がなされている。
【0248】一方、Lセンサー28Aと低反射部材78
Aとの間の空間にフイルム7が介在する場合には、フイ
ルム7は、Lセンサー28Aの最大となる感度ピーク値
Pkを示す距離L2の位置に配置されることになる。こ
のときの光電流値は、図19に示すように値I2とな
る。この場合には、制御を行なう上において、Lセンサ
ー28Aの出力レベルはハイ(Hi)レベルであると判
定されるよう設定される。その他の構成については、上
述の第1の実施形態と同様である。
【0249】以上説明したように上記第2の実施形態に
よれば、Lセンサー28の判定論理は、上述の第1の実
施形態における場合とは逆転することになるが、それに
よって得られる効果は全く同様である。したがって、こ
れにより、本実施形態の構成では、カメラの設計レイア
ウトの自由度をより広く確保することが容易になるとい
う効果をさらに有する。
【0250】次に、本発明の第3の実施形態のカメラの
給送装置について、以下に説明する。この第3の実施形
態は、基本的には上述の第1の実施形態と同様の構成か
らなり、フイルムローディング処理の一部を変更して構
成した例である。したがって、装置自体の構成及び作用
については、上述の第1の実施形態で用いた説明及び図
面を参照するものとする。
【0251】図20・図21は、本実施形態のカメラの
フイルム給送装置におけるフイルムローディング処理の
流れを示すフローチャートであって、図20は前半部
を、図21は後半部を示している。このフイルムローデ
ィング処理は、上述の第1の実施形態において図16を
用いて説明した同様の処理に代わるものである。したが
って、以下の説明においては、上述の第1の実施形態の
フイルムローディング処理とは異なる処理ステップのみ
について詳しく説明し、同様の処理ステップについて
は、同じステップ番号を付して、その説明は省略する。
【0252】図20・図21に示すフイルムローディン
グ処理は、上述の図11のステップS12に相当する処
理である。なお、図21においては、図16のステップ
S208・S210・223において示す「タイマー」
に代えて「第1タイマー」としているが、その作用は全
く同様である。また、本実施形態における制御回路21
は、その内部に第1タイマー及び第2タイマーの2つの
タイマーを備えて構成されている。
【0253】本実施形態のフイルムローディング処理に
おいては、図20に示すようにステップS206におい
て、制御回路21によりフイルム給送回路31を介して
モーター23の回転駆動(モータースタート処理)がな
されると、その後、ステップS230の処理に進む。
【0254】ステップS230において、制御回路21
は、自己の内部に有するRAMにパーフォレーション7
aの通過時間参照値[TMEMO]=0を設定する。
【0255】次いで、制御回路21は、ステップS20
7において、所定のカウンターリセット処理を実行した
後、続いて、次のステップS208において、自己の内
部に有する第1タイマーによる計時を開始する第1タイ
マースタート処理を実行する。ここでは、Lセンサー2
8に対向する所定の位置をフイルム7のリーダー部7b
の先端が通過した後、Pセンサー29が最初のパーフォ
レーションを検出するまでの時間に応じた比較的長い時
間が設定される。
【0256】また、図21のステップS210におい
て、制御回路21は、第1タイマースタート処理を再度
実行する。ここでは、Pセンサー29に対向する所定の
位置を1個のパーフォレーション7aが通過するのに必
要かつ充分な時間が設定される。その後、次のステップ
S231の処理に進む。
【0257】ステップS231において、制御回路21
は、パーフォレーション7aの1個分の通過を検出した
ことから、第2タイマーを停止する第2タイマーストッ
プ処理を実行する。その後、ステップS232の処理に
進む。なお、最初のループ処理が行なわれる際には、第
2タイマーはスタートしていない状態にある。第2タイ
マーのスタート処理は、後述するステップS235にお
いて実行される。
【0258】続いて、ステップS232において、制御
回路21は、第2タイマーのデータと自己の内部RAM
の参照値[TMEMO]とを比較する処理を実行する。
ここで、[TMEMO]≦[第2タイマーのデータ]で
あることが確認された場合には、ステップS234の処
理に進む。また、[第2タイマーのデータ]<[TME
MO]であることが確認された場合には、次のステップ
S213の処理に進み、このステップS213におい
て、制御回路21は、モーター23への印加電圧を切り
換える電圧切り換え処理を実行する。これにより、フイ
ルム7がより高速で巻き上げられるようになる。その
後、ステップS234の処理に進む。
【0259】つまり、パトローネ室3の内部に装填され
たフイルムパトローネ2からスプロケット9によって送
り出されたフイルム7が、所定の給送経路を通過してス
プール室24に到達しスプール軸22の外周面上に巻き
付いたときには、フイルム7はスプロケット9によって
送り出されている状態から、スプール軸22によって巻
き上げられている状態に切り換わったものと判断でき
る。このことは、Pセンサー29によって検出された直
前のパーフォレーション7aが通過した時の速度よりも
今回のパーフォレーション7aの通過時の速度の方が、
1/k倍以上速くなる。このとき、[第2タイマーのデ
ータ]<[TMEMO]の条件を満たすことになる。
【0260】したがって、Pセンサー29及びパーフォ
レーション検出回路33と制御回路21等は、フイルム
7のパーフォレーション7bを検出することで、当該フ
イルム7の移動を検出する検出手段の役目もしている。
【0261】ステップS234において、制御回路21
は、自己の内部RAMの参照値[TMEMO]を更新す
る。即ち、第2タイマーのデータ(パーフォレーション
7aの通過時間)に対して定数k(k<1)を乗じた値
である。
【0262】なお、この実施形態においては、図21の
ステップS216で実行されるオーバーフロー判定処理
(タイムアップの確認処理;ステップS216の処理)
の対象となるタイマーは、ステップS210において計
時を開始した第1タイマーである。その他の処理ステッ
プについては、上述の第1の実施形態と全く同様であ
る。
【0263】以上説明したように上記第3の実施形態に
よれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ること
ができるだけでなく、より適切な時期にモーター23の
印加電圧を変更するようにしたので、フイルムローディ
ング処理に要する時間を短縮し、より迅速な動作を確保
することができる。
【0264】次に、本発明の第4の実施形態のカメラの
給送装置について、以下に説明する。この第4の実施形
態は、基本的には上述の第1及び第3の実施形態と略同
様の構成からなり、フイルムローディング処理の一部を
変更して構成した例である。したがって、装置自体の構
成及び作用については、上述の第1及び第3の実施形態
で用いた説明及び図面を参照するものとする。
【0265】図22・図23は、本実施形態のカメラの
フイルム給送装置におけるフイルムローディング処理の
流れを示すフローチャートであって、図22は前半部
を、図23は後半部を示している。このフイルムローデ
ィング処理は、上述の第1の実施形態において図16を
用いて説明した同様の処理、又は上述の第3の実施形態
において図20・図21を用いて説明した同様の処理に
代わるものである。したがって、以下の説明において
は、上述の第1及び第3の実施形態のフイルムローディ
ング処理とは異なる処理ステップのみについて詳しく説
明し、同様の処理ステップについては、同じステップ番
号を付して、その説明は省略する。
【0266】図22・図23に示すフイルムローディン
グ処理は、上述の図11のステップS12に相当する処
理である。なお、本実施形態における制御回路21は、
その内部に第1タイマー・第2タイマー・第3タイマー
の3つのタイマーを備えて構成されている。
【0267】本実施形態のフイルムローディング処理に
おいては、図22に示すようにステップS206におい
て、制御回路21によりフイルム給送回路31を介して
モーター23の回転駆動(モータースタート処理)がな
されると、その後、ステップS240の処理に進む。
【0268】ステップS240において、制御回路21
は、第1の所定時間を計時するための第1タイマーによ
る計時を開始する(第1タイマースタート処理)。その
後、ステップS241の処理に進む。
【0269】ステップS241において、制御回路21
は、フイルムリーダー検出回路32を介してLセンサー
28の状態を確認する。ここで、Lセンサー28の出力
信号がハイ(Hi)レベルであることが確認された場合
には、Lセンサー28に対向する所定の位置にはフイル
ム7が存在していないと判断されて、ステップS242
の処理に進む。また、Lセンサー28の出力信号がロー
(Lo)レベルであることが確認された場合には、Lセ
ンサー28によってフイルム7のリーダー部7bの先端
が検出されたものと判断されて、図23に示す次のステ
ップS243の処理に進む。
【0270】ステップS242において、制御回路21
は、自己の内部の第1タイマーのタイムアップの確認処
理を実行する。ここで、第1タイマーの計時が終了した
(タイムアップを確認した)場合には、フイルムの送り
出し動作に失敗したものと判断されて、図23のステッ
プS219の処理に進み、所定の失敗処理が実行され
る。このように、上述のLセンサー28及びフイルムリ
ーダー検出回路32と制御回路21は、スプロケット9
によるフイルム送出動作又はスプール軸22によるフイ
ルム巻取動作の失敗を検出する失敗検出手段の役目をし
ている。
【0271】また、第1タイマーの計時が終了していな
い(タイムアップが確認されない)場合には、ステップ
S241の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0272】上述したようにステップS241におい
て、制御回路21は、Lセンサー28によってフイルム
7のリーダー部7bの先端を検出したと判断した場合に
は、図23のステップS243の処理に進む。
【0273】このステップS243以降、ステップS2
47までの処理は、上述の第1の実施形態のフイルム給
送装置のフイルムローディング処理におけるステップS
207〜S210(図16参照)と略同様の処理となっ
ている。
【0274】即ち、ステップS243において、制御回
路21は、自己の内部カウンターを初期化(クリア)す
る(カウンターリセット処理)。このカウンターは、P
センサー29に対向する所定の位置を通過したパーフォ
レーション7aを計数するためのものである。その後、
ステップS244へ進む。
【0275】ステップS244において、制御回路21
は、第2の所定時間を計時する第2タイマーによる計時
を開始する(第2タイマースタート処理)。この第2タ
イマーは、Lセンサー28によってフイルム7のリーダ
ー部7bの先端が検出されてからPセンサー29によっ
てパーフォレーション7aが検出されるまでの時間間隔
を計時するためのものである。
【0276】つまり、この第2タイマーによって計時さ
れる第2の所定の時間内にPセンサー29の出力信号の
状態変化が検出されない場合には、フイルム7の送り出
し動作もしくはスプール軸22への巻き取り(巻き上
げ)動作に異常があったと判断される。つまり、フイル
ム給送動作が失敗したものとして、判定手段としての制
御回路21により判定される。
【0277】この第2タイマーは、後述するステップS
245の処理において、Pセンサー29の出力信号のロ
ー(Lo)レベルからハイ(Hi)レベルへの切り換わ
りがパーフォレーション検出回路33によって検出され
る都度、次のステップS247の処理において更新され
る。したがって、このステップS244の処理では、L
センサー28に対向する所定の位置をフイルム7のリー
ダー部7bの先端が通過した後、Pセンサー29が最初
のパーフォレーションを検出するまでの時間に応じた比
較的長い時間が設定される。その後、ステップS245
の処理に進む。
【0278】ステップS245において、制御回路21
は、パーフォレーション検出回路33を介してPセンサ
ー29の出力信号がロー(Lo)レベルからハイ(H
i)レベルに切り換わったか否かの確認を行なう。
【0279】この場合において、制御回路21によりP
センサー29の出力信号のロー(Lo)レベルからハイ
(Hi)レベルへの切り換わりが検出された場合には、
次のステップS247の処理に進む。また、制御回路2
1によりPセンサー29の出力信号のロー(Lo)レベ
ルからハイ(Hi)レベルへの切り換わりが検出されな
かった場合には、ステップS246の処理に進む。
【0280】ステップS247において、制御回路21
は、第3の所定時間を計時する第3タイマーによる計時
を開始する(タイマースタート処理)。ここで行なわれ
るタイマースタート処理は、Pセンサー29に対向する
所定の位置を1個のパーフォレーション7aが通過する
のに必要かつ充分な時間であって、ステップS244の
処理で設定される計時時間よりも相当に短い時間が設定
される。その後、次のステップS211の処理に進む。
【0281】その他の処理ステップについては、上述の
第1の実施形態と全く同様である。
【0282】以上説明したように上記第4の実施形態に
よれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ること
ができるだけでなく、フイルムローディング処理の失敗
を検出する手段として、Lセンサー28及びPセンサー
29の複数の検出手段を備え、両センサーからの出力を
交互に連続的に確認しながらフイルムローディング処理
の失敗を判定するようにしている。したがって、本実施
形態においては、上述の第1の実施形態に比べてより早
期にフイルムローディング処理に失敗したことを検出し
得る。また、これにより、カメラ自体の操作性及び使用
感の向上に寄与することができる。
【0283】次に、本発明の第5の実施形態のカメラの
給送装置について、以下に説明する。この第5の実施形
態も、基本的には上述の第1の実施形態と略同様の構成
からなり、フイルムローディング処理の一部を変更して
構成した例である。したがって、装置自体の構成及び作
用については、上述の第1の実施形態で用いた説明及び
図面を参照するものとする。
【0284】図24・図25は、本実施形態のカメラの
フイルム給送装置におけるフイルムローディング処理の
流れを示すフローチャートであって、図24は前半部
を、図25は後半部を示している。このフイルムローデ
ィング処理は、上述の第1の実施形態において図16を
用いて説明した同様の処理に代わるものである。したが
って、以下の説明においては、上述の第1の実施形態の
フイルムローディング処理とは異なる処理ステップのみ
について詳しく説明し、同様の処理ステップについて
は、同じステップ番号を付して、その説明は省略する。
【0285】図24・図25に示すフイルムローディン
グ処理は、上述の図11のステップS12に相当する処
理である。
【0286】本実施形態のフイルムローディング処理に
おいては、図24に示すようにステップS202におい
て、制御回路21によりフイルム給送回路31を介して
モーター23の回転駆動(モータースタート処理)がな
された後、ステップS250の処理に進む。
【0287】このステップS250においては、制御回
路21は、モーター回転検出回路34を介してMセンサ
ー30からの出力を受けて自己の内部RAMにパルス間
隔参照値[PINT]の初期値=T0を設定する。この
場合における、初期値T0としては、通常あり得ないよ
うな大きな数値が設定される。その後、ステップS20
3の処理に進む。
【0288】次いで、ステップS203において、制御
回路21は、Lセンサー28の出力を確認し、その出力
信号がロー(Lo)レベル信号である場合には、ステッ
プS251の処理に進む。
【0289】ステップS251において、制御回路21
は、モーター回転検出回路34を介してMセンサー30
からの出力レベルの確認を行なって、同信号出力レベル
がハイ(Hi)レベルからロー(Lo)レベルへと切り
換わったか否かを判断する。ここで、Mセンサー30の
出力レベルがハイ(Hi)レベルからロー(Lo)レベ
ルへと切り換わったと判断された場合には、次のステッ
プS252の処理へ進む。また、Mセンサー30の出力
レベルがハイ(Hi)レベルからロー(Lo)レベルへ
と切り換わっていないと判断された場合には、次のステ
ップS203の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0290】ステップS252において、制御回路21
は、自己の内部タイマーの計時動作を停止させるタイマ
ーストップ処理を実行する。その後、ステップS253
の処理に進む。ここで実行されるタイマーの計時は、後
述するようにMセンサー30の出力信号に基づくパルス
間隔時間を計時するためのものである。なお、最初のル
ープ処理が行なわれる際には、このタイマーはスタート
していない状態にある。したがって、その場合における
タイマー出力は、0(ゼロ)となっている。
【0291】続いて、ステップS253において、制御
回路21は、自己の内部タイマーのデータと自己の内部
RAMのパルス間隔参照値[PINT]とを比較する処
理を実行する。ここで、[タイマーのデータ]<パルス
間隔参照値[PINT]の条件が成立する場合、例えば
モーター23の回転速度が低下していない場合等には、
ステップS255の処理へと進む。また、パルス間隔参
照値[PINT]≦[タイマーのデータ]の条件が成立
する場合、例えばモーター23の回転数が低下した場合
等には、次のステップS254の処理に進む。
【0292】つまり、制御回路21は、上述のステップ
S253における判断の結果、モーター23の回転速度
が低下した場合には、モーター23にかかる負荷が大き
くなったものと判断されて、ステップS254の処理に
進む。すると、このステップS254において、制御回
路21は、フイルム給送回路31を介してモーター23
に印加するべき電圧を増加させる所定の処理、即ち電圧
切り換え処理を実行する。その後、ステップS255の
処理に進む。
【0293】次に、ステップS255において、制御回
路21は、パルス間隔参照値[PINT]として[タイ
マーのデータ]に対して所定の定数K(K>1)を積算
した値を設定し、これを自己のRAMに記憶する。その
後、ステップS256の処理に進む。
【0294】ステップS256において、制御回路21
は、Mセンサー30による次のパルス間隔時間を計時す
るために、内部タイマーの計時を再開始させるタイマー
スターと処理を実行する。そして、上述のステップS2
03の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0295】なお、図25に示すステップS209〜S
225までの各処理については、図16に示す同じステ
ップ番号の各処理と全く同様の処理がなされる。
【0296】このように、本実施形態においては、Mセ
ンサー30の1パルス分の経過時間([タイマーのデー
タ])に対して所定の定数K(K>1)を乗じた数値
と、次の1パルス分の経過時間(次の[タイマーのデー
タ])とを比較することによって、モーター23の回転
速度の変化を判断するようにしている。
【0297】通常の場合、フイルムパトローネ2の内部
に収納されているロール状フイルム7の状態は、フイル
ムパトローネ2がカメラ1の内部の所定の位置に装填さ
れる以前において、次のようになっている。
【0298】即ち、フイルムパトローネ2の巻取軸11
は、上述したように回動自在に配設されているものであ
り、カメラ1に装填されていない状態のフイルムパトロ
ーネ2の巻取軸11は、常に自在に回転し得る状態にあ
る。そして、この巻取軸11に巻回された形態でフイル
ムパトローネ2の内部に収納されているフイルム7は、
巻取軸11に対して必ずしも巻き締められている状態に
あるとは限らない。
【0299】したがって、この状態のフイルムパトロー
ネ2をカメラ1の所定の位置に装填した後、最初の巻き
戻しが開始されたときには、しばらくの時間、フイルム
7の移動が行われることなく、単にフイルムパトローネ
2の巻取軸11が回転し、これに従動してフイルム7が
同軸11の外周面上に巻回され、その後、巻き締められ
ることになる。この状態では、フイルム7のリーダー部
7bは移動しない。そして、フイルム7が巻取軸11に
対して巻き締まった状態になるのと同時に、突然に同フ
イルム7のリーダー部7bの移動が開始されることにな
る。したがって、このような場合には、所定の位置にフ
イルム7のリーダー部7bを確実に停止させることがで
ず、必要以上にフイルム7を巻き戻してしまう等、確実
なフイルム7の停止制御を実現することができないとい
う場合もあり得る。
【0300】そこで本実施形態においては、このような
場合を考慮して、フイルム7の停止制御を常に確実なも
とのするために工夫がなされている。
【0301】つまり、フイルム7がフイルムパトローネ
2の内部で巻取軸11に対して巻き緩んた状態にあると
きには、上述したようにモーター23にかかる負荷が比
較的軽くなっている。したがって、この場合には、モー
ター23の回転速度は若干高速となる。
【0302】一方、フイルム7が巻取軸11に対して巻
き締まった瞬間には、モーター23にかかる負荷が急激
に増大することになる。そして、当該モーター23の回
転速度が急激に低下することになる。
【0303】この点に着目して、巻き戻し動作がなされ
る場合において、フイルム7が巻取軸11に対して巻き
緩んだ状態から巻き締まった状態へと変位した場合に、
これを検知して、その変位点近傍で、モーター23への
印加電圧を切り換える。これにより、使用以前における
フイルムパトローネ2の内部のフイルム7に巻き緩みが
存在していた場合にも、所定の位置にかつ短時間でフイ
ルム7を所定の位置に停止させることができる。その他
の効果については、上述の第1の実施形態と同じであ
る。
【0304】次に、本発明の第6の実施形態の第6の実
施形態のカメラの給送装置について、以下に説明する。
この第6の実施形態も、基本的には上述の第1の実施形
態と略同様の構成からなり、フイルム巻き戻し処理の一
部及ぶフイルムローディング処理の一部を変更して構成
した例である。したがって、装置自体の構成及び作用に
ついては、上述の第1の実施形態で用いた説明及び図面
を参照するものとする。
【0305】図26は、本実施形態のカメラのフイルム
給送装置におけるフイルム巻き戻し処理の流れを示すフ
ローチャートである。このフイルム巻き戻し処理は、上
述の第1の実施形態において図14を用いて説明した同
様の処理に代わるものである。
【0306】また、図27は、本カメラのフイルム給送
装置におけるフイルムローディング処理の流れの一部
(前半部)を示すフローチャートである。なお、同処理
の後半部については図25と同様であるので、図示を省
略し、図25を参照するものとする。
【0307】このフイルムローディング処理は、上述の
第1の実施形態において図16を用いて説明した同様の
処理に代わるものである。
【0308】したがって、以下の説明においては、上述
の第1の実施形態のフイルム巻き戻し処理及びフイルム
ローディング処理に対し、異なる処理ステップのみにつ
いて詳述し、同様の処理ステップについては同じステッ
プ番号を付して、その説明は省略する。
【0309】なお、図28は、本実施形態におけるフイ
ルムローディング処理(図27)の一部に対応するタイ
ミングチャートである。このタイミングチャートは、上
述の第1の実施形態において説明した同様のタイミング
チャート(図17)のうち区間Aに相当する部分のみを
詳しく示すものである。
【0310】図26に示すフイルム巻き戻し処理は、上
述の図11のステップS6に相当する処理である。
【0311】本実施形態のフイルム巻き戻し処理におい
ては、上述の第1の実施形態のフイルム巻き戻し処理
(図14)に対してステップS130〜S134の処理
ステップを追加したものである。この追加処理は、Lセ
ンサー28によってフイルム7のリーダー部7bの先端
部を検出した直後に行なわれる処理である。
【0312】即ち、ステップS130において、制御回
路21は、フイルム給送回路31を介してモーター23
に印加するべき電圧を低下させる所定の処理、即ち電圧
切り換え処理を実行する(図28の符号V6)。その
後、ステップS255の処理に進む。
【0313】ここで行なわれる電圧切り換え処理は、フ
イルム7を所定の位置に停止させるのに際して、当該フ
イルム7の巻き戻し速度を低下させることにより、フイ
ルム7の最終的な停止位置の精度をさらに向上させるた
めになされる処理である。
【0314】ステップS131において、制御回路21
は、Mセンサー30の出力パルスを計数するための内部
カウンターを初期化(リセット)するカウンターリセッ
ト処理を実行する。その後、ステップS132の処理に
進む。
【0315】ステップS132において、制御回路21
は、モーター回転検出回路34を介してMセンサー30
の出力の確認を行ない、当該出力信号の状態に変化があ
ったか否かを判断する。ここで、Mセンサー30の出力
信号の状態に変化が認められるまで、同処理を繰り返
し、同出力信号の状態に変化が認められたことが確認さ
れると、次のステップS133の処理に進む。
【0316】ステップS133において、制御回路21
は、Mセンサー30の出力レベル変化を計数するカウン
ターの加算処理(カウントアップ処理)を実行する。そ
の後、次のステップS134の処理に進む。
【0317】ステップS134において、制御回路21
は、自己の内部カウンターが定数nに到達したか否かの
確認を行なう。ここで、カウンター<nであることが確
認された場合には、上述のステップS132の処理に戻
り、以降の処理を繰り返す。また、カウンター=nであ
ることが確認された場合には、ステップS116の処理
に移行し、以降の処理、即ちフイルム7の停止処理が実
行される。
【0318】次に、本実施形態のフイルムローディング
処理は、図27及び図25に示す通りである。このフイ
ルムローディング処理は、上述の図11のステップS1
2に相当する処理である。
【0319】本実施形態のフイルムローディング処理に
おいては、上述の第1の実施形態のフイルムローディン
グ処理(図16)に対してステップS260〜S264
の処理ステップを追加したものである。この追加処理
は、図26に示すステップS130〜S134における
一連の処理と全く同様の処理であって、Lセンサー28
によってフイルム7のリーダー部7bの先端部を検出し
た直後に行なわれる処理である。
【0320】つまり、図27のステップS260〜S2
64の各処理ステップは、図26のステップS130〜
S134の各処理ステップにそれぞれ対応している。し
たがって、このステップS260〜S264の処理につ
いては、ステップS130〜S134の各処理ステップ
の説明を参照し、その詳細な説明は省略する。
【0321】以上説明したように上記第6の実施形態に
よれば、上述の第1の実施形態と略同様の効果を得るこ
とができる。さらに、本実施形態においては、Lセンサ
ー28によってフイルム7のリーダー部7bの先端を検
出する位置を、モーター23の回転角度によって補正す
るようにしている。したがって、フイルム7を停止すべ
き所定の停止位置の設定の自由度を大きくすることがで
きる。また、フイルム巻き戻し処理中において、モータ
ー23への印加電圧を切り換え得るようにしたので、フ
イルム7の停止位置の精度をさらに向上させたフイルム
給送装置とすることができる。
【0322】上述の第1〜第6の実施形態においては、
フイルムパトローネ2を底面側より内部に装填し得るよ
うに構成されたいわゆるドロップインローディング方式
のカメラを例に説明している。しかし、本発明は、これ
に限らず、例えばカメラの裏蓋を開閉することによりフ
イルムパトローネ2を所定の位置に装填するように構成
された従来の一般的なカメラに対しても適用することが
できる。
【0323】図29は、本発明の第7の実施形態のカメ
ラを示し、カメラの裏蓋を開状態とした際の内部構成を
示す概略図である。なお、図面の煩雑化を防止するため
に、裏蓋の図示は省略している。
【0324】図29に例示するカメラ1Aにおいては、
内部における一方の端部にフォーク部材25を回動自在
に配設したパトローネ室3が形成されており、このパト
ローネ室3の近傍には、スプロケット9が設けられてい
る。
【0325】また、本カメラ1Aの内部における他方の
端部には、スプール軸22を回動自在に配設したスプー
ル室24がそれぞれ形成されている。
【0326】そして、両者の間にパトローネ室3とスプ
ール室24との間の空間には、撮影用開口部81が形成
されており、この撮影用開口部81の上端縁部及び下端
縁部の近傍には、それぞれフイルム7の走行路を形成す
るフイルムレール82a・82bが形成されている。こ
のうち、上端縁部のフイルムレール82a上であってス
プール室24寄りの所定の位置には、Pセンサー29が
配置されている。なお、上端縁部のフイルムレール82
aからパトローネ室3の側に向けて延ばした延長線上に
は、スプロケット9の爪部9bが配置されている。した
がって、フイルムパトローネから引き出されたフイルム
のパーフォレーションは、スプロケット9の爪部9bに
係合し、フイルムレール82aに対向する位置を走行
し、Pセンサー29に対向する位置を走行した後、スプ
ール室24へと到達するようになっている。そして、こ
のときフイルムのパーフォレーションは、Pセンサー2
9よって検出されるようになっている。
【0327】一方、撮影用開口部81とスプロケット9
との間の所定の位置には、Lセンサー28が配置されて
いる。このLセンサー28は、フイルムレール82a・
82bから外れた位置であって、当該フイルムレール8
2aと下縁端部のフイルムレール82bとの間の空間に
配置されている。したがって、フイルムパトローネから
引き出されたフイルムの乳剤面であって、実際に露光さ
れる面の一部が、Lセンサー28に対向する位置を走行
するようになっている。
【0328】なお、カメラ1Aの背面側において、略中
央部の上端縁部近傍には、ファインダー接眼部6が配設
されている。
【0329】そして、カメラ1Aの内部構成及びその動
作シーケンスは、上述の第1の実施形態と全く同様に構
成されている。これにより、裏蓋開閉式の一般的なカメ
ラにおいても、上述の第1の実施形態と全く同様の効果
を得ることができる。
【0330】さらに、本実施形態の変形例として、上述
の第2〜第6の実施形態に示す構成又は動作シーケンス
をそのまま適用することができると共に、その場合に
は、全く同様の効果を得ることができる。
【0331】また、上述の第7の実施形態とは別に、本
発明を裏蓋開閉式のカメラに適用した別の構成も考えら
れる。図30は、上述の第7の実施形態の別の変形例を
示し、図29と同様にカメラの裏蓋を開状態とした際の
内部構成を示す概略図である。なお、図面の煩雑化を防
止するために、裏蓋の図示は省略している。
【0332】図30に例示するカメラ1Bは、基本的に
は図29に示す第7の実施形態のカメラ1Aと略同様の
構成からなるものであるが、スプロケット9とLセンサ
ー28及びPセンサー29の配置が異なる。
【0333】即ち、本変形例のカメラ1Bにおいては、
図30に示すようにスプロケット9は、スプール室24
と撮影用開口部81との間の所定の位置に配置されてい
る。
【0334】また、Pセンサー29は、下端縁部のフイ
ルムレール82b上であってスプール室24寄りの所定
の位置に配置されている。
【0335】そして、Lセンサー28は、スプロケット
9とスプール室24との間の所定の位置に配置されてい
る。つまりLセンサー28は、フイルムレール82a・
82bから外れた位置であって、両フイルムレール82
a・82bとの間の空間に配置されている。その他の構
成については、上述の第7の実施形態のカメラ1Aと全
く同様である。
【0336】このように構成した本変形例のカメラ1B
においても、上述の第7の実施形態と同様に上述の第1
の実施形態と同様の動作シーケンスを実行させること
で、全く同様の効果を得ることができる。
【0337】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、より
簡単な操作を行なうのみでフイルムパトローネの内部に
収納されたロール状フイルムをカメラの内部の所定の位
置に常に確実に配置させることができ、よってフイルム
装填操作の煩雑さを解消すると共に、良好な使用感を得
ることのできるカメラのフイルム給送装置とそのフイル
ム給送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のフイルム給送装置を
備えたカメラを示す斜視図。
【図2】本実施形態のカメラのフイルム給送装置に関す
る内部構成を示すブロック構成図。
【図3】本実施形態のカメラのフイルム給送装置に適用
されるLセンサー及びフイルムリーダー検出回路の構成
の一例を示す回路図。
【図4】図1のカメラの内部におけるLセンサーとフイ
ルムとの位置関係を示す概念図。
【図5】図1のカメラの内部におけるLセンサーと高反
射率部材との間の距離の変化に応じたLセンサーの光電
流の変位を示すグラフ。
【図6】図1の本カメラのフイルム給送装置における駆
動力伝達機構を取り出して示す要部拡大斜視図。
【図7】図1のカメラとこれに装填されるフイルムパト
ローネとを示し、カメラのパトローネ室にフイルムパト
ローネを装填する際の一連の作用を時系列的に示す斜視
図。
【図8】図1のカメラとこれに装填されるフイルムパト
ローネとを示し、カメラのパトローネ室にフイルムパト
ローネを装填する際の一連の作用を時系列的に示す斜視
図。
【図9】図1のカメラとこれに装填されるフイルムパト
ローネとを示し、カメラのパトローネ室にフイルムパト
ローネを装填する際の一連の作用を時系列的に示す斜視
図。
【図10】図1のカメラのフイルム給送装置におけるイ
ニシャルローディング処理の実行時の一連の動作を時系
列的に示す概念図。
【図11】図1のカメラにおける基本的な動作の流れを
示すフローチャート。
【図12】図1のカメラにおける基本的な動作の流れを
示すフローチャート。
【図13】図1のカメラにおける基本的な動作の流れを
示すフローチャート。
【図14】図1のカメラのフイルム給送装置におけるフ
イルム巻き戻し処理の流れを示すフローチャート。
【図15】図13のフイルム巻き戻し処理がなされる際
のLセンサー及びPセンサーの各出力信号とモーターへ
の印加電圧の変位と制御回路のタイマーの開始時期等を
示すのタイミングチャートである。
【図16】図1のカメラのフイルム給送装置におけるフ
イルムローディング処理の流れを示すフローチャート。
【図17】図15のフイルムローディング処理がなされ
る際のLセンサー及びPセンサーの各出力信号とモータ
ーへの印加電圧の変位や制御回路のタイマーの開始時期
等を示すタイミングチャート。
【図18】本発明の第2の実施形態のカメラの給送装置
におけるLセンサーとフイルムとの位置関係を示す概念
図。
【図19】図18のカメラのフイルム給送装置において
Lセンサーと反射部材(低反射率部材)との間の距離の
変化に応じたLセンサーの光電流の変位を示すグラフ。
【図20】本発明の第3の実施形態のカメラの給送装置
におけるフイルムローディング処理の流れの前半部を示
すフローチャート。
【図21】図20のフイルムローディング処理の流れの
後半部を示すフローチャート。
【図22】本発明の第4の実施形態のカメラのフイルム
給送装置におけるフイルムローディング処理の流れの前
半部を示すフローチャート。
【図23】図22のフイルムローディング処理の流れの
後半部を示すフローチャート。
【図24】本発明の第5の実施形態のカメラのフイルム
給送装置におけるフイルムローディング処理の流れの前
半部を示すフローチャート。
【図25】図24のフイルムローディング処理の流れの
後半部を示すフローチャート。
【図26】本発明の第6の実施形態のカメラのフイルム
給送装置におけるフイルム巻き戻し処理の流れを示すフ
ローチャート。
【図27】図26のカメラのフイルム給送装置における
フイルムローディング処理の流れの前半部を示すフロー
チャート。
【図28】図27のフイルムローディング処理の一部に
対応するタイミングチャート。
【図29】本発明の第7の実施形態のカメラを示し、カ
メラの裏蓋を開状態とした際の内部構成を示す概略図。
【図30】本発明の第7の実施形態の別の変形例を示
し、カメラの裏蓋を開状態とした際の内部構成を示す概
略図。
【符号の説明】
1・1A・1B……カメラ 2……フイルムパトローネ 2a……フイルム送出口 3……パトローネ室 4……パトローネ室蓋 7……ロール状フイルム(フイルム) 7a……パーフォレーション 7b……フイルムリーダー部(リーダー部) 9……スプロケット(送出手段) 9a……スプロケットギアー 10……フイルムガイド部材 10a……斜面部 11……巻取軸(フイルムパトローネ) 11a……キー溝 21……制御回路(制御手段) 22……スプール軸(巻取手段・巻上手段) 23……モーター 24……スプール室 25……フォーク部材(巻戻手段) 28……リーダー部センサー(Lセンサー;検出手段・
第1検出手段) 29……パーフォレーションセンサー(Pセンサー;検
出手段・第2検出手段) 30……モーターセンサー(Mセンサー) 31……フイルム給送回路 32……フイルムリーダー検出回路 33……パーフォレーション検出回路 34……モーター回転検出回路 35……パトローネ検出回路 36……スイッチ入力回路 56……ワンウェイクラッチ 62……不揮発性メモリー(EEPROM;不揮発性記
憶手段) 70……発光ダイオード(照射手段) 71……フォトトランジスタ(受光手段) 78……高反射率部材 78A……低反射部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムが巻回された巻取軸を有しフ
    イルムリーダー部がフイルム送出口から突出しているフ
    イルムパトローネを装填自在に配設し得るカメラのフイ
    ルム給送装置において、 上記フイルムパトローネの装填に応じてフイルムを所定
    の位置まで巻き戻す巻戻手段と、 この巻戻手段による巻き戻し動作の終了後、フイルムを
    巻取スプールに向けて送り出す送出手段と、 フイルムを上記巻取スプールによって巻き取る巻取手段
    と、 上記送出手段によるフイルム送出動作又は上記巻取手段
    によるフイルム巻取動作の失敗を検出する検出手段と、 を具備し、 上記検出手段によってフイルム送出動作又はフイルム巻
    取動作の失敗が検出された場合には、再度フイルムを上
    記所定の位置まで巻き戻すことを特徴とするカメラのフ
    イルム給送装置。
  2. 【請求項2】 フイルムを上記所定の位置まで巻き戻
    した後に、再度フイルムの送出動作及び巻取動作を実行
    することを特徴とする請求項1に記載のカメラのフイル
    ム給送装置。
  3. 【請求項3】 フイルムが巻回された巻取軸を有しフ
    イルムリーダー部がフイルム送出口から突出しているフ
    イルムパトローネを装填自在に配設し得るカメラのフイ
    ルム給送方法において、 上記フイルムパトローネの装填を検出するステップと、 上記フイルムパトローネの装填が検出されたら、フイル
    ムの先端部が所定位置に到達するまで当該フイルムを巻
    き戻すステップと、 上記巻き戻しのステップの終了後、フイルム巻取スプー
    ルに向けてフイルムを送り出すステップと、 フイルムが上記巻取スプールまで給送されたら、上記フ
    イルムを上記巻取スプールによって巻き取るステップ
    と、 上記送出ステップ又は上記巻取ステップの動作の失敗を
    検知したら、フイルムの先端部を上記所定の位置まで巻
    き戻すステップと、 を具備することを特徴とするカメラのフイルム給送方
    法。
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