JP2002121688A - 海洋構造物の防食方法および海洋構造物 - Google Patents

海洋構造物の防食方法および海洋構造物

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JP2002121688A
JP2002121688A JP2001232014A JP2001232014A JP2002121688A JP 2002121688 A JP2002121688 A JP 2002121688A JP 2001232014 A JP2001232014 A JP 2001232014A JP 2001232014 A JP2001232014 A JP 2001232014A JP 2002121688 A JP2002121688 A JP 2002121688A
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Hisao Kitagawa
尚男 北川
Masaharu Honda
正春 本田
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チタン被覆された海洋構造物において、チタン
材の脆化を防ぎながら電気防食を施す方法を提供する。 【解決手段】海洋構造物の少なくとも海水に触れる部位
を低合金鋼とし、飛沫部および干満部をチタン被覆し、
該チタン被覆部以外の海水に触れる部位に、防食塗装と
流電陽極方式電気防食または/および外部電源方式電気
防食を施す海洋構造物の防食方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一部分
がチタン被覆された海洋構造物の防食方法および海洋構
造物に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、鋼材を使用した海洋構造物の電気
防食方法として、流電陽極方式と外部電源方式が用いら
れている。流電陽極方式は、アルミニウム合金などの犠
牲陽極を防食対象の海水に触れる部位に溶接等により電
気的に接続して、犠牲陽極と鋼材間の電位差により発生
する電流を防食電流として鋼材を防食状態に保つもので
ある。また、外部電源方式は、不溶性電極を海中に浸
し、外部電源を介して防食対象鋼材と電気的に接続し
て、鋼材が防食電位に保たれるように外部電源により強
制的に電流を流すものである。これらの電気防食方法で
は、鋼材の腐食を防止する防食塗装を併用して、防食の
効率を上げ、また電気防食コストを下げるようにするこ
ともある。
【0003】一方、近年、50年〜100年という海洋
構造物の長寿命設計に対応して耐食性の良いチタンを海
洋構造物に被覆して防食する方法が用いられている。こ
の場合、チタンは波やしぶきが当たり腐食環境の最も厳
しい干満部、飛沫部に重点的に被覆され、その他の部分
は防食塗装や電気防食が併用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来技術には、以下のような問題点がある。
【0005】即ち、従来の電気防食方法を、部分的にチ
タン被覆された海洋構造物に適用した場合、鋼材の防食
電位がチタンの脆化電位よりも卑であるためチタンが脆
化してしまうという問題である。通常、鋼材の適切な防
食電位は−770mV(以下の記述において、電位は飽
和カロメル電極に対する電位を示す。)よりも卑にする
必要があるが、チタンは−750mVよりも貴でないと
脆化が生じる恐れがある。
【0006】上記の問題点への対策として、流電陽極方
式と防食塗装を併用する場合において、建設初期にチタ
ン被覆部の電流密度を抑えて脆化しない電流密度となる
ように犠牲陽極の形状、配置の設計を行ったとしても、
防食塗装は経年的劣化により欠陥が増えていくため、必
要とされる電流密度は運用年数と共に増加していくこと
になり、建設初期の設計のままでは、防食状態を保つに
は不足することになる。このような経年的に増加させる
ような必要電流密度の制御は流電陽極方式では困難であ
る。
【0007】一方、防食電流量の制御が可能な外部電源
方式では、チタン被覆部の脆化防止電流密度を保ち、鋼
材部または塗装部の防食状態を保つことが可能であり、
塗装部の経年劣化による必要防食電流の増加にも対応で
きる。しかし、メンテナンスがほとんど不要である流電
陽極方式に比べ、外部電源方式では海洋構造物全体に分
散させた通電極およびそれらと電源をつなぐケーブルの
電気的腐食や機械的破損に対する定期的メンテナンスが
必要である。さらに、外部電源方式では機器を運用する
ための電力を供給し続けるランニングコストがかかるの
も問題である。
【0008】また、特開平11−61460号公報に
は、流電陽極方式と外部電源方式を組み合わせ、さらに
海面近くの海中部がチタン被覆された鋼製海洋構造物に
おいて、チタン被覆部の下方に、外部電源装置の出力を
制御する制御装置に接続された脆化防止カソードを設
け、チタン被覆部の近傍の海中にチタン被覆部の電位を
測定する照合電極を設け、さらに、チタン被覆部以外の
電気防食対象範囲に流電防食用の犠牲陽極を設け、照合
電極で測定されたチタン被覆部電位を制御装置にフィー
ドバックして外部電源装置の出力をチタンが脆化しない
電流に制御する方法が記されている。犠牲陽極と鋼材の
電位差により防食電流が発生して、電位の高い鋼材露出
部や防食塗装欠陥部およびチタン被覆部に向かって流
れ、鋼材露出部や防食塗装欠陥部を防食状態にする。
【0009】一方、防食電流はチタン被覆部やその近傍
の脆化防止カソードの方向へも流入するが、外部電源装
置により脆化防止カソードの電位をチタン被覆部の電位
よりも貴にしておけば、チタン被覆部方向に流れた防食
電流は優先的に脆化防止カソードに流入する。このた
め、チタン被覆部に流入する電流は減少して、その電位
を脆化電位−750mVよりも貴な値に保つことが可能
となる。これを実現するために、照合電極により測定し
たチタン被覆部の電位をフィードバック信号として、そ
れが脆化電位−750mVよりも貴な値となるように制
御装置により外部電源装置の出力電流を制御する。
【0010】しかし、上記の特開平11−61460号
公報に開示された従来技術には以下のような問題点があ
る。即ち、脆化防止カソードを所定の間隔でチタン被覆
部の下方に取り付ける必要があるため、チタン被覆が海
洋構造物の全周にわたって施されている場合には、脆化
防止カソードも海洋構造物の全周にわたり所定の間隔で
多数取り付ける必要があり、また、通電用ケーブルの取
り付けやメンテナンス、外部電源装置等の設置等を要
し、コストが高くなる問題点がある。
【0011】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するためになされたものであり、その目的は、少
なくとも一部分がチタン被覆された海洋構造物の防食方
法および海洋構造物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明は次のような構成を有する。 (1)海洋構造物の少なくとも海水に触れる部位を低合
金鋼とし、飛沫部および干満部をチタン被覆し、該チタ
ン被覆部以外の海水に触れる部位に塗装と電気防食を施
すことを特徴とする海洋構造物の防食方法。 (2)海洋構造物の海水に触れない部位を低合金鋼と
し、前記海水に触れない部位に塗装を施すことを特徴と
する前項(1)に記載の海洋構造物の防食方法。 (3)低合金鋼が、耐海水性低合金鋼、含ニッケル低合
金鋼および防食電位が−750mV(飽和カロメル電極
基準)よりも貴である低合金鋼のうちの少なくとも一つ
であることを特徴とする前項(1)または(2)に記載
の海洋構造物の防食方法。 (4)海洋構造物の少なくとも海水に触れる部位を低合
金鋼とし、飛沫部および干満部をチタン被覆し、該チタ
ン被覆部以外の海水に触れる部位に塗装と電気防食を施
すことを特徴とする海洋構造物。 (5)海洋構造物の海水に触れない部位を低合金鋼と
し、前記海水に触れない部位に塗装を施すことを特徴と
する前項(4)に記載の海洋構造物。 (6)低合金鋼が、耐海水性低合金鋼、含ニッケル低合
金鋼および防食電位が−750mV(飽和カロメル電極
基準)よりも貴である低合金鋼のうちの少なくとも一つ
であることを特徴とする前項(4)または(5)に記載
の海洋構造物。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態では、海洋構造
物の海水に触れる部位を低合金鋼で構成し、飛沫部およ
び干満部をチタン被覆し、チタン被覆部以外の部位に防
食塗装と電気防食を施す。
【0014】図面を参照してより詳しく説明する。図1
に本発明の流電陽極方式による実施形態を、さらに図2
に本発明の外部電源方式による実施形態を示す。海水に
触れる部位を低合金鋼とし、さらに防食塗装を施した海
洋構造物1の飛沫部および干満部にチタン被覆2が施さ
れている。
【0015】まず、海洋構造物1に低合金鋼を用いるこ
との作用効果について述べる。海洋構造物1の水中部に
電気防食用のアルミ合金等の犠牲陽極を設けると、犠牲
陽極と鋼材の電位差により防食電流が発生して、電位の
高い鋼材露出部や防食塗装欠陥部に向かって流入し、当
該部分を防食状態にする。通常の炭素鋼では適切な防食
効果を得るために防食電位は−770mV以下にする必
要がある。一方、防食電流はチタン被覆部へも流入する
が、チタンの脆化を抑制するためには−750mV以上
にする必要がある。このように、鋼材を防食し、かつチ
タンの脆化を防止するように電気防食を施すことは、通
常の炭素鋼では困難である。
【0016】そこで鋼材としては、防食電位がチタンの
脆化電位−750mVよりも貴側にあって、チタンの脆
化を発生させずに電気防食を施せる電位範囲が存在する
ものであることが求められる。この条件を満足するもの
として低合金鋼があり、一例として耐海水性低合金鋼が
適用可能であり、これには例えばNKマリン(NKK
製)、マリナースチールおよびMARILOY(新日本
製鐵製)、CR4AおよびCR4B(住友金属工業
製)、マリウェル(川崎製鉄製)、TAICOR(神戸
製鋼所製)、NEP−TEN(三菱製鋼製)等がある。
耐海水性低合金鋼の化学成分は、例えば上記のNKマリ
ンでは、重量%でC:0.20以下、Si:0.55以
下、Mn:0.90以下、P:0.070〜0.15
0、S:0.040以下、Cu:0.20〜0.50、
Cr:0.50〜0.80、Al:0.15〜0.5
5、Ni:0.40以下である。また、ニッケルを含有
することにより、防食電位を−770mVよりも貴にし
た低合金鋼にも適用可能なものがある。
【0017】このような低合金鋼を海洋構造物1の水中
部に用いることにより、チタン被覆の脆化を抑制し、か
つ塗装欠陥部等の鋼材露出部の防食を行う電気防食を施
すことができる。
【0018】また、通常炭素鋼に塗装を行った場合、経
年劣化による塗装の欠陥(鋼材露出部)が発生し、増加
する。これらの塗装欠陥部は電気防食により防食される
が、塗装欠陥が多くなると、必要とされる防食電流量が
増大し、電気防食のコスト高となっていた。一方、耐海
水性低合金鋼をはじめとする低合金鋼に塗装を行うと、
鋼材と塗膜との接着の耐久性が高いこと等により塗装耐
久性が炭素鋼より高くなる。このため、低合金鋼に塗装
を行い、電気防食を併用すると防食コストの低減を図る
ことができるというメリットもある。
【0019】なお、海洋構造物の海上大気部や内部構造
部のように海水に触れない部位については、一般に電気
防食は行わないが、炭素鋼ではなく低合金鋼を適用して
塗装を施すことでより高い塗装耐久性が得られ、補修塗
装を低減でき、経済的である。
【0020】次に、その効果を実証した一実験例を示
す。
【0021】炭素鋼(SS490)製および低合金鋼
(NKマリン490)製の150mm×150mm×板
厚9mmの供試体の片面をそれぞれショットブラストし
た後、タールエポキシを塗膜が200μになるようにス
プレー塗装する。さらに、劣化促進のため、模擬欠陥と
してカッターナイフでクロスカットを入れる。この供試
体の四隅をボルトで筏に取り付けて固定し、洋上で飛沫
帯に設置して暴露試験を行った。
【0022】このような暴露試験を8ヶ月間行った後、
塗装の模擬欠陥からの剥離面積を調査した結果、低合金
鋼における剥離面積は炭素鋼における剥離面積の1/3
程度となっていた。即ち、低合金鋼の塗装面は炭素鋼の
塗装面よりも耐久性が高く、したがって塗装補修費用も
削減できることになる。
【0023】次に、本発明で施す電気防食方法として
は、流電陽極方式か外部電源方式のどちらかを用いる。
【0024】電気防食方法として流電陽極方式を用いる
場合には、一般に流電陽極材料として、Mg、Zn、A
lから成る合金が用いられるが、海洋中では、単位重量
当たりの有効発生電流量の多いアルミニウム合金が主と
して用いられる。本発明では、チタンの脆化を実質上防
止するため、チタン被覆部2の電位を−750mV以上
に制御する必要があるので、電位を−1000mVより
貴になるように合金成分調整したアルミ合金製の犠牲陽
極4a(浸漬電位約−780mV)を図1に示すように
チタン被覆部2の下方に取り付ける。チタン被覆部2か
ら遠方の防食塗装を施した部位3には通常のアルミ合金
製犠牲陽極4を用いてよい。また、取り付ける全ての犠
牲陽極として、電位が−1000mVより貴になるよう
に合金成分調整したアルミ合金製犠牲陽極4aを用いて
もよい。
【0025】電気防食方法として外部電源方式を用いる
場合には、図2に示すように、チタン被覆部2の電位を
−750mV以上に制御するため、チタン被覆部2の近
傍に設置した照合電極5によりチタン被覆部2近傍の低
合金鋼に防食塗装した部位の電位をフィードバック信号
とし、電位制御装置7により陽極6から出る防食電流出
力の制御を行い、低合金鋼に防食塗装した部位の電位が
防食電位よりも卑となり、チタン被覆部2の電位が脆化
電位−750mVよりも貴となるように調整する。な
お、この電流制御は経年的な防食塗装の劣化による必要
防食電流の増加や、低合金鋼に施した防食塗装の定期的
な補修によって生じる陽極6からの防食電流の急激な変
化にも対応できる。
【0026】外部電源方式の陽極材料としては、珪素鋳
鉄、磁性酸化鉄(Fe304)、鋳鉄、炭素鋼、鉛、鉛
合金、銀、銀合金、白金、白金メッキチタン、黒鉛など
が用いられる。照合電極5としては亜鉛照合電極を使用
する。
【0027】チタン被覆としては、チタン板、チタンク
ラッド鋼板を用いて溶接等により海洋構造物の飛沫部、
干満部を被覆する。
【0028】海洋構造物の低合金鋼を用いた水中部の塗
装に使用する塗料としては、エポキシ系塗料(タールエ
ポキシ、超厚膜エポキシ、無溶剤エポキシ、変性エポキ
シ等)、ウレタン系塗料(タールウレタン、無溶剤ウレ
タン等)、ガラスフレーク入り塗料(エポキシ系、ポリ
エステル系)、水中硬化型塗料等があるが、ライニング
(ポリエチレン、ポリウレタン、FRP、ゴム、ペトロ
ラタム、モルタル等)が用いられることもある。
【0029】次に、実施例を通じて本発明を説明する。
【0030】図1および図2は、それぞれ本発明の防食
方法を浮体式海洋構造物1に適用した場合の実施形態を
示しており、図1は電気防食方法として流電陽極方式を
用いた場合の説明図、図2は電気防食方法として外部電
源方式を用いた場合の説明図である。
【0031】この浮体式海洋構造物1の喫水は4mであ
り、海水と触れる部位の使用鋼材は低合金鋼として耐海
水性低合金鋼の一種のNKマリンを用いている。チタン
被覆部2にはチタンクラッド鋼が用いられており、浮体
式海洋構造物1の外周側面の飛沫部から平均海水面より
1m下までの範囲(干満部)に施されている。海中防食
塗装部3はタールエポキシ系の塗料で防食塗装されてい
る。
【0032】電気防食方法として流電陽極方式を用いる
場合には、図1に示すように、チタン被覆部2の電位を
−750mV以上に制御するため、平均海水面(WL)
より1.3m下の位置に、電位を−1000mVより貴
になるように合金成分調整した犠牲陽極4a(浸漬電位
約−780mV)を取り付ける。また、平均海水面(W
L)より2.7m下の位置に、犠牲陽極4(通常のアル
ミアノード)を取り付ける。
【0033】この場合、本実施形態のようにチタン被覆
部2近傍の犠牲陽極のみを、電位を−1000mVより
貴になるように合金成分調整したものとし、それ以外の
部分の犠牲陽極を通常のアルミアノード(アルミ合金ア
ノード)としてもよいし、全てを電位が−1000mV
より貴になるように合金成分調整した犠牲陽極としても
よい。
【0034】電気防食方法として外部電源方式を用いる
場合には、図2に示すように、チタン被覆部2の電位を
−750mV以上に制御するため、チタン被覆部2の近
傍に設置した照合電極5によりチタン被覆部2近傍の低
合金鋼に防食塗装した部位の電位をフィードバック信号
とし、電位制御装置7により陽極6から出る防食電流出
力の制御を行い、低合金鋼に防食塗装した部位の電位が
防食電位よりも卑となり、チタン被覆部2の電位が脆化
電位−750mVよりも貴となるように調整する。
【0035】図3は、上述の流電陽極方式の電気防食方
法を実施したときの、チタン被覆部2および海中防食塗
装部3の電位分布測定結果を示すグラフである。これに
よれば、チタン被覆部2の電位は脆化電位−750mV
よりも貴な値である。また、海中の低合金鋼に防食塗装
を施した部位3の電位は−750mVよりも卑な値を示
し、低合金鋼の防食電位よりも卑に保たれていることが
わかる。即ち、チタンの脆化が防止され、かつ海中防食
塗装部3に適切な防食電流が供給されていることがわか
る。
【0036】なお、本発明は、浮体式海洋構造物に限ら
ず着底式海洋構造物や鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭等にも
適用できることはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上に述べた本発明によれば、従来問題
であったチタン被覆を施した海洋構造物の電気防食にお
いて、海洋構造物の海水と触れる部位を低合金鋼で構成
し、チタン被覆部以外の海水に触れる部位に塗装と電気
防食を施すことにより、チタン被覆部の脆化の抑制と、
その他の鋼材露出部や塗装部の電気防食とを両立させる
ことが可能となる。
【0038】また、海洋構造物の海水に触れない部位に
ついて、低合金鋼を適用して塗装を施すことにより、高
い塗装耐久性が得られ、補修塗装を低減でき、経済的で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防食方法の一実施形態を示す説明図
【図2】本発明の防食方法の他の実施形態を示す説明図
【図3】本発明の防食方法を適用した浮体式海洋構造物
におけるチタン被覆部および海中防食塗装部の電位分布
測定結果を示すグラフ
【符号の説明】
1 海洋構造物 2 チタン被覆部 3 海中防食塗装部(低合金鋼部) 4 犠牲陽極 4a 成分調整した犠牲陽極 5 照合電極 6 陽極 7 電位制御装置 8 外部電源装置 9 ターミナルボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02D 31/06 E02D 31/06 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋構造物の少なくとも海水に触れる部
    位を低合金鋼とし、飛沫部および干満部をチタン被覆
    し、該チタン被覆部以外の海水に触れる部位に塗装と電
    気防食を施すことを特徴とする海洋構造物の防食方法。
  2. 【請求項2】 海洋構造物の海水に触れない部位を低合
    金鋼とし、前記海水に触れない部位に塗装を施すことを
    特徴とする請求項1に記載の海洋構造物の防食方法。
  3. 【請求項3】 低合金鋼が、耐海水性低合金鋼、含ニッ
    ケル低合金鋼および防食電位が−750mV(飽和カロ
    メル電極基準)よりも貴である低合金鋼のうちの少なく
    とも一つであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の海洋構造物の防食方法。
  4. 【請求項4】 海洋構造物の少なくとも海水に触れる部
    位を低合金鋼とし、飛沫部および干満部をチタン被覆
    し、該チタン被覆部以外の海水に触れる部位に塗装と電
    気防食を施すことを特徴とする海洋構造物。
  5. 【請求項5】 海洋構造物の海水に触れない部位を低合
    金鋼とし、前記海水に触れない部位に塗装を施すことを
    特徴とする請求項4に記載の海洋構造物。
  6. 【請求項6】 低合金鋼が、耐海水性低合金鋼、含ニッ
    ケル低合金鋼および防食電位が−750mV(飽和カロ
    メル電極基準)よりも貴である低合金鋼のうちの少なく
    とも一つであることを特徴とする請求項4または5に記
    載の海洋構造物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004293811A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Kobe Steel Ltd オープンラック式気化器用伝熱管あるいはヘッダー管

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