JP2002121564A - 大きな表面積を有する木炭及びその製造方法 - Google Patents

大きな表面積を有する木炭及びその製造方法

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JP2002121564A
JP2002121564A JP2000312451A JP2000312451A JP2002121564A JP 2002121564 A JP2002121564 A JP 2002121564A JP 2000312451 A JP2000312451 A JP 2000312451A JP 2000312451 A JP2000312451 A JP 2000312451A JP 2002121564 A JP2002121564 A JP 2002121564A
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charcoal
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Tokio Kai
登起雄 甲斐
Takao Imanishi
隆男 今西
Yoshiaki Matsuoka
良昭 松岡
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Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Kochi Prefecture
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Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Kochi Prefecture
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    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比表面積が大きく高い吸着性能を有する木炭
を、簡便な工程にて製造することができる木炭の製造方
法を提供する。 【解決手段】 植物系原料からなる含水率10〜80質
量%の原料チップを加熱炉内に配置すると共に加熱炉内
を不活性雰囲気とする。次いで、加熱炉の炉内温度を2
50〜1200℃に保持する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大きな表面積を有
する木炭及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木炭は本来燃料として使用されていたも
のであるが、多孔質で比表面積が大きいことから、近
年、吸着材や浄化材として用途が注目されるようになっ
てきており、除湿、脱臭、地質改質、水質浄化などの、
様々な分野で利用されるようになってきている。
【0003】従来、木炭を製造するにあたっては、黒炭
の場合は、クヌギ、ナラ、カシ等を原料とし、白炭の場
合はウバメガシ等を原料とする。このような木材原料の
サイズは長さ約1m程度、太さが丸太材では直径約8c
m程度、割材では長片約9cm程度のものが用いられて
いる。このような木材原料は炭窯(土窯)中に充填し、
燃料である小枝等を燃焼させると共に窯口の開き具合を
調製して窯内部に空気を供給することにより、炭化させ
るものである。このとき木材原料がある程度自燃するこ
ととなり、窯内の温度は黒炭の場合は400〜700
℃、白炭の場合は1000〜1200℃程度の温度とな
る。このような炭化過程により得られる木炭は、熱分解
過程による細孔の発生と、窯内に存在する空気による賦
活作用によって多孔質化され、比表面積が大きくなるも
のである。
【0004】しかし、上記のような従来の木炭の製造プ
ロセスでは、木材原料のサイズが大きいため、原料木材
の芯部までは充分に賦活されず、また窯内に供給される
空気だけでは賦活作用が小さいため、ある程度の比表面
積の増大が認められるに過ぎず、200〜300m2
g程度の比表面積のものしか得られないものであった。
また、加熱は主として木材原料の自燃によって行われる
ため、炭化過程における温度分布が大きく、比表面積や
吸着力等の化学的・物理的特性にばらつきが発生しやす
いものであった。
【0005】一方、このような木炭の欠点を解消しよう
としたものとして、活性炭がある。活性炭の原料は、主
としてヤシガラ、石炭、木材等が用いられ、通常は粉末
化したものあるいは粒状のものが使用される。このよう
な原料は、まず前処理工程において、600〜700℃
で炭化し、次に賦活工程において炭化された原料を70
0〜1000℃で賦活する。賦活方法としては、ガス賦
活と薬品賦活があり、前者は賦活ガスとして水蒸気、二
酸化炭素、空気とを単独又は複合して外部から供給し、
後者は賦活薬品として塩化亜鉛や水酸化カリウム等が用
いられている。また装置構成としてはロータリーキルン
等の焼成炉が用いられる。
【0006】このようにして得られる活性炭は、比表面
積はおよそ800m2/g以上となって、高い吸着性能
を有するものである。
【0007】しかし、活性炭は製造の際に上記のように
前処理工程と賦活工程の二段階の工程を経なければなら
ず、またこの各工程には更に細かい工程が附随すること
となるため、製造工程が非常に複雑であり、また高額な
製造設備が必要となって製造コストが高くなってしまう
ものであった。また賦活のためのガスや薬品の供給が必
要であって、この点で特に製造工程が煩雑になるもので
あり、更に薬品賦活の場合は得られる活性炭中に薬品が
残存する可能性があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、比表面積が大きく高い吸着性
能を有する木炭を、簡便な工程にて製造することができ
る、大きな表面積を有する木炭及びその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
大きな表面積を有する木炭の製造方法は、植物系原料か
らなる含水率10〜80質量%の原料チップを加熱炉内
に配置すると共に加熱炉内を不活性雰囲気とし、次いで
加熱炉を昇温して炉内温度を250〜1200℃の範囲
に保持することを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項2に係る大きな表面積を有
する木炭の製造方法は、植物系原料からなる含水率10
〜80質量%の原料チップを加熱炉内に配置すると共に
加熱炉内を不活性雰囲気とし、次いで加熱炉を昇温して
炉内温度を100〜300℃の範囲に保持した後、加熱
炉を更に昇温して炉内温度を250〜1200℃に保持
することを特徴とするものである。
【0011】また請求項3の発明は、原料チップとし
て、粒径50mm以下のものを用いることを特徴とする
ものである。
【0012】また本発明の請求項4に係る大きな表面積
を有する木炭は、請求項1乃至3のいずれかの方法にて
製造されて成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】原料としては、植物系原料であれば、いず
れであっても用いることができ、例えば草類や果実等も
用いることができるが、好ましくは針葉樹や広葉樹など
の木材を使用する。木材には道管や仮道管等の細孔が多
数あり、賦活作用が及ぶ面積が大きいため、木炭の比表
面積を著しく向上することができるものである。また、
このような原料としては、チップ状に形成された原料チ
ップを用いるものであり、サイズの大きい原料の場合は
適宜粉砕するなどしてチップ状に形成するものである。
【0015】また、このような原料チップとしては、含
水率が10〜80質量%、好ましくは20〜50質量%
のものを用いるものである。この含水率が10質量%に
満たないと、後述する加熱処理過程において、原料チッ
プから充分な量の水蒸気を発生させることができず、充
分な賦活処理を行うことが困難となって木炭の比表面積
を増大させることが困難となり、逆にこの含水率が80
質量%を超えると、加熱処理過程において原料チップか
ら水分を蒸発させて乾燥させるために要する時間及び熱
量が多大なものとなり、処理効率が低下するものであ
る。また、特にこの原料チップの含水率を20〜50質
量%とすると、原料チップの量にもよるが例えば2m3
の容量を有する加熱炉を用いた場合、賦活のために必要
とされる充分な量の水蒸気を発生させることができると
共に、3〜15時間程度の加熱時間で原料チップを乾燥
させることができ、比表面積の大きい木炭を効率よく製
造することができるものである。尚、通常の木炭の製造
工程においては、乾燥のために2〜3日間を要するもの
であり、本発明ではこのような通常の木炭製造工程と比
較して、高効率で乾燥を行うことができる。
【0016】ここで、原料チップの含水率が不足する場
合は、原料チップに散水したり原料チップを水中に浸漬
したりして、外部から原料チップに水分を供給すること
ができる。
【0017】この原料チップを加熱するための加熱炉と
しては、バッチ式のものが用いられる。またこの加熱炉
には不活性ガスを供給するための供給管を接続したり、
加熱炉からの排気ガスを流通させる排気管を接続するな
どして内部のガスを不活性ガスに置換すると共に加熱炉
内に不活性ガスを流通させることができるように構成す
ることができるが、それ以外の部分では原料チップの加
熱処理時に密閉状態とすることができる構造を有するも
のが用いられる。すなわち、原料チップの加熱処理時に
は、加熱炉内には不活性ガスのみが供給され得るもので
あり、水蒸気、二酸化炭素、空気等の賦活ガスが供給さ
れないようになっている。また自燃式のものではなく、
電気炉、ガス(油)炉等のように炉内温度を外部から制
御できる方式のものが用いられる。
【0018】上記の原料チップを用いた木炭の製造工程
を説明する。
【0019】(製造例1)まず原料チップを加熱炉内に
配置し、加熱炉を密閉すると共に加熱炉内を窒素等の不
活性ガスにて置換する。
【0020】次に、加熱炉内を250〜1200℃の範
囲における所定の設定温度まで加熱し、この状態で好ま
しくは0.5〜20時間保持する。このときの加熱炉の
設定温度は、原料チップの種類、分量、加熱炉のサイ
ズ、得られる木炭の品質等に応じて適宜設定されるもの
であるが、原料チップの熱分解が進行する温度に設定さ
れるものであり、炉内温度が250℃に満たないと原料
チップの熱分解が進行しないものである。また、通常の
加熱炉の耐久温度は1200℃程度であるため、炉内温
度の上限もそれに応じて1200℃となっている。また
このときの保持時間も原料チップの種類、分量、加熱炉
のサイズ、得られる木炭の品質等に応じて適宜設定され
る。
【0021】このとき原料チップからは水分が蒸発して
乾燥され、更に熱分解されて内部まで炭化されて多孔質
化する。そして更に原料チップから蒸発した水蒸気が加
熱炉内に充満し、この水蒸気によって炭化された原料チ
ップに賦活作用が施され、比表面積が更に増大する。そ
の結果、比表面積600m2/g以上という、通常の木
炭よりも大きな比表面積を有する木炭が得られる。
【0022】このような加熱処理過程においては、加熱
炉内に不活性ガスを供給すると共に加熱炉内のガスを排
出させるようにして、加熱炉内に発生する分解ガスを排
出するものであるが、この加熱炉への不活性ガスの供給
量や加熱炉からのガスの排出量は、加熱炉内の水蒸気の
濃度が低下しすぎない程度の量に制御される。
【0023】そして、このようにして加熱処理がなされ
た後、炉内の温度を降下させ、加熱炉から木炭を取り出
すものである。
【0024】(製造例2)上記の原料チップを用いた木
炭の製造工程の他例を説明する。
【0025】まず原料チップを加熱炉内に配置し、加熱
炉を密閉すると共に加熱炉内を窒素等の不活性ガスにて
置換する。
【0026】次に、加熱炉内を100〜300℃の範囲
における所定の設定温度に加熱し、この状態で保持する
(以下、この状態を「低温保持状態」という)。加熱炉
内を低温保持状態に保持すると、原料チップが徐々に加
熱されると共に、飽和蒸気圧の上昇に伴って原料チップ
中の水分が蒸発する。そして原料チップの温度が100
〜300℃の間における加熱炉の設定温度に達すると、
原料チップ中の水分が殆ど蒸発し、加熱炉内に水蒸気が
充満する。一方、この温度範囲においては、原料チップ
の熱分解が進行しないか、熱分解の進行速度が遅いもの
であり、そのため熱分解ガスの発生が抑制されている。
【0027】このときの加熱炉の設定温度は、原料チッ
プの種類、分量、加熱炉のサイズ、得られる木炭の品質
等に応じて適宜設定されるものであるが、上記のように
原料チップから水蒸気が発生すると共に原料チップの熱
分解の進行が抑制される温度に設定されるものであり、
炉内温度が100℃に満たないと原料チップから水蒸気
を発生させることができなくなり、300℃を超えると
原料チップの熱分解の進行が速くなって熱分解ガスの発
生量が増大する。また低温保持状態の保持時間も適宜設
定されるが、少なくとも原料チップの温度が100℃以
上となって原料チップから殆ど水分が蒸発するようにな
るまで保持するものである。
【0028】次に、加熱炉内を低温保持状態における設
定温度よりも上昇させて、250〜1200℃の範囲に
おける所定の設定温度に加熱し、この状態で好ましくは
0.5〜20時間保持する(以下、この状態を「高温保
持状態」という)。このときの加熱炉の設定温度は、低
温保持状態における加熱炉の設定温度よりも高温に設定
されるものであり、原料チップの種類、分量、加熱炉の
サイズ、得られる木炭の品質等に応じて、適宜設定され
るものであり、炉内温度が250℃に満たないと原料チ
ップの熱分解が進行しないものである。また、通常の加
熱炉の耐久温度は1200℃程度であるため、炉内温度
の上限もそれに応じて1200℃となっている。またこ
のときの保持時間も原料チップの種類、分量、加熱炉の
サイズ、得られる木炭の品質等に応じて適宜設定され
る。
【0029】このとき原料チップは熱分解されて内部ま
で炭化されて多孔質化する。そして更に、低温保持状態
において加熱炉内に充満された水蒸気によって、炭化さ
れた原料チップに賦活作用が施され、比表面積が更に増
大し、比表面積が800〜1000m2/g、あるいは
それ以上の木炭が得られる。
【0030】このような加熱処理過程においては、加熱
炉内に不活性ガスを供給すると共に加熱炉内のガスを排
出させるようにして、加熱炉内に発生する分解ガスを排
出するものであるが、この加熱炉への不活性ガスの供給
量や加熱炉からのガスの排出量は、加熱炉内の水蒸気の
濃度が低下しすぎない程度の量に制御される。
【0031】そして、このようにして加熱処理がなされ
た後、炉内の温度を降下させ、加熱炉から木炭を取り出
すものである。
【0032】この製造例2のように加熱炉の温度を低温
保持状態を経過させた後、加熱炉を昇温させて高温保持
状態とすると、製造例1の場合よりも大きい比表面積を
有する木炭を得ることができるものである。
【0033】すなわち、製造例1では木炭からの水分の
蒸発と原料チップの熱分解とが同時に進行するために原
料チップの熱分解に伴って発生する熱分解ガスが水蒸気
と同時に発生するのに対して、製造例2では低温保持状
態において原料チップ中の水分を殆ど蒸発させ、加熱炉
内を水蒸気で充満させた状態としてから高温保持状態に
おいて原料チップの熱分解を行うため、加熱炉内の水蒸
気の濃度が高い状態で炭化した原料チップが賦活される
こととなり、その結果、より大きい比表面積を有する木
炭を得ることができるものである。
【0034】上記の製造例1や製造例2で用いられる原
料チップの大きさは、粒径50mm以下とすることが好
ましい。この場合は、上記の加熱処理時に原料チップか
ら水分が速やかに蒸発して乾燥され、処理効率が向上す
るものであり、また炭化が原料チップの内部まで確実に
進行すると共に原料チップの比表面積が大きくなること
から大きな賦活効果が得られ、その結果、木炭の比表面
積を更に向上することができるものである。この原料チ
ップの粒径の下限値は特に設定されないが、実際上の下
限値は20μmとなる。
【0035】また、上記の製造例1や製造例2におい
て、原料チップを加熱炉に配置するにあたっては、好ま
しくは図1に示すような容器1に保持させた状態で配置
する。この容器1はステンレス等の耐熱性の材料にて形
成されている。図示の例では、上方が開放されると共に
下面が閉塞面となっている筒状の容器本体4と、この容
器本体4の上部開口に着脱自在に取着されてこの上部開
口を閉塞する蓋体5とによって、容器1が構成されてい
る。ここで、図示の例では容器本体4は水平断面が矩形
状に形成されると共に、蓋体5も同様の矩形状に形成さ
れており、容器本体4に蓋体5を取着した状態では容器
1は直方体状に形成されている。また、この容器1の外
面には、全面に亘って容器1の外部と内部とを連通する
複数の通孔6がパンチング加工等によって形成されてお
り、図示の例では容器1の上面を構成する蓋体5の全
面、並びに容器1の側面及び底面を構成する容器本体4
の側面及び底面の全面に亘って、通孔6が形成されてい
る。この通孔6は例えば直径5mm程度に形成すること
ができる。この容器1の内部には、ステンレス等の耐熱
性の材料にて形成された複数の円筒状の通気部材2が、
容器本体4の底面から上方に向けて立設されている。こ
の通気部材2は周面に通気部材2の内部と外部とを連通
する複数の通孔3を有する多孔質体として形成されてお
り、例えばステンレス製の円筒にパンチング加工を施し
て複数の通孔3を形成したり、ステンレス製のメッシュ
を円筒状に屈曲成形したりすることにより設けることが
できる。
【0036】このような容器1内に原料チップを配置す
ると共に、容器1内の原料チップから通気部材2の上部
が突出するようにし、このような状態で容器1を加熱炉
内に配置することにより、原料チップの加熱処理が行わ
れる。このとき、容器1の外面の通孔6を通じて原料チ
ップから発生する水蒸気が加熱炉内に発散し、更にこの
通孔を通じて加熱炉内の水蒸気が原料チップに到達し、
賦活が進行する。ここで、容器1の内奥に配置された原
料チップから発生する水蒸気は、通気部材2の周面の通
孔3及び通気部材2の内部を介して原料チップの外側に
効率良く発散され、水蒸気の発生効率が向上するもので
ある。また原料チップが炭化された際には、加熱炉に充
満した水蒸気が容器1の通孔6を介して容器1内に到達
し、更に通気部材2の内部及び通気部材2の周面の通孔
3を介して、容器1の内奥に配置された原料チップに容
易に達する。そのため水蒸気による賦活が効率良く進行
することとなって、全体的な処理効率が向上し、木炭の
製造効率を向上することができるものである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0038】(実施例1〜3、比較例1〜6)スギ材を
チッパーを用いて粉砕し、表1に示す粒径及び含水率を
有する原料チップを得た。この原料チップ350kgを
ステンレス製の容器内に保持させた状態で容量5.3m
3の電気炉(加熱炉)内に配置した。ここで、原料チッ
プを保持するステンレス容器としては、幅1m、奥行き
2m、高さ1mの寸法を有するものを用いた。このう
ち、実施例3及び比較例3においては、図1に示すよう
な、内部に直径130mm、長さ1mの寸法のステンレ
ス製の通気部材2が4個設けられた容器1を用いた。こ
こで容器1としては、その全面に直径5mmの複数の通
孔6を形成したものを用い、通気部材2としては、ステ
ンレス金網(針金線径0.85mm、目開き3mm)を
円筒状に巻いて形成したものを用いた。
【0039】この電気炉内を密閉すると共に内部を窒素
ガスで置換し、常圧下、表1に示す条件にて加熱処理を
行った。この加熱処理を行う間、電気炉内に窒素ガスを
供給すると共に、電気炉内の過剰なガスの排出を行っ
た。ここで、窒素ガスの流量は、低温保持状態では0.
08m3/min、昇温時には0.3m3/min、高温
保持状態では0.08m3/minとした。
【0040】そして加熱処理の終了後、電気炉の温度を
降下させ、電気炉内から処理後の試料を取り出した。
【0041】(比表面積評価)各実施例及び比較例で得
られた試料について、相対圧力を変化させた場合の窒素
ガスの吸着量を測定し、下記に示すBET(Bruna
uer−Emmett−Teller)式に基づいて、
比表面積を導出した。この結果を表1に示す。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、式中のP0/Pは相対圧力、Wは
相対圧力P0/Pにおいて吸着したガス質量(g)、W
mは固体表面を単分子層で覆うガス吸着量(g)、Cは
BET定数である。
【0044】(吸着性能評価)各実施例及び比較例で得
られた試料について、ヨウ素吸着性能及びメチレンブル
ー(MB)吸着性能を評価した。ここで、ヨウ素吸着性
能はJIS K 1474 5.1.1.1に準拠し
て、MB吸着性能はJIS K 1474 5.1.
1.2に準拠して、それぞれ行った。この結果を表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示す結果から明らかなように、水分
を含む原料チップを用いた実施例1〜3では、水分を含
まない原料チップを用いた比較例1〜6と比べて、遙か
に大きい比表面積を有する木炭が得られた。
【0047】また、これらの実施例1〜3では、通常の
木炭よりも大きい比表面積を有し、優れた吸着性能を有
することが確認された。
【0048】また、低温保持領域を経過させた実施例
2,3では比表面積及び吸着性能が特に向上し、更に図
1に示す容器1を用いた実施例3では更にこれらの性能
が向上した。
【0049】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る大
きな表面積を有する木炭の製造方法は、植物系原料から
なる含水率10〜80質量%の原料チップを加熱炉内に
配置すると共に加熱炉内を不活性雰囲気とし、次いで加
熱炉を昇温して炉内温度を250〜1200℃の範囲に
保持するため、加熱された原料チップから水蒸気を発生
させて加熱炉内に充満させると共に原料チップを熱分解
させ、更に炭化された原料チップをこの水蒸気にて賦活
することができるものであり、原料チップを加熱炉内に
配置した後、加熱炉の温度条件を制御するだけで賦活ガ
スの供給を行わずに、原料チップの炭化処理と賦活処理
とを進行させることができ、比表面積が大きく吸着性能
の高い木炭を効率良く製造することができるものであ
る。
【0050】また本発明の請求項2に係る大きな表面積
を有する木炭の製造方法は、植物系原料からなる含水率
10〜80質量%の原料チップを加熱炉内に配置すると
共に加熱炉内を不活性雰囲気とし、次いで加熱炉を昇温
して炉内温度を100〜300℃の範囲に保持した後、
加熱炉を更に昇温して炉内温度を250〜1200℃に
保持するため、加熱された原料チップから水蒸気を発生
させて加熱炉内に充満させると共に原料チップを熱分解
させ、更に炭化された原料チップをこの水蒸気にて賦活
することができるものであり、原料チップを加熱炉内に
配置した後、加熱炉の温度条件を制御するだけで賦活ガ
スの供給を行わずに、原料チップの炭化処理と賦活処理
とを進行させることができ、比表面積が大きく吸着性能
の高い木炭を効率良く製造することができるものであ
る。しかも、この加熱処理過程においては、原料チップ
の熱分解の進行を抑制しながら原料チップから水蒸気を
発生させて加熱炉内に水蒸気を充満させた後、原料チッ
プの熱分解を進行させて炭化させると共に水蒸気による
賦活を行うことができ、炉内における水蒸気の濃度が高
い状態で賦活を進行させることができるものであり、賦
活処理を高効率で進行させることができ、木炭の比表面
積と吸着性能を更に向上することができるものである。
【0051】また請求項3の発明は、原料チップとし
て、粒径50mm以下のものを用いるため、加熱処理時
に原料チップから水分が速やかに蒸発して乾燥され、処
理効率を向上することができるものであり、また炭化が
原料チップの内部まで確実に進行すると共に原料チップ
の比表面積が大きくなることから大きな賦活効果が得ら
れ、その結果、木炭の比表面積を更に向上することがで
きるものである。
【0052】また本発明の請求項4に係る大きな表面積
を有する木炭は、請求項1乃至3のいずれかの方法にて
製造されるため、比表面積が大きく吸着性能が高いもの
であり、しかも製造にあたっては原料チップを加熱炉内
に配置した後、加熱炉の温度条件を制御するだけで賦活
ガスの供給を行わずに、原料チップの炭化処理と賦活処
理とを進行させて効率良く製造することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱処理用の容器の一例を示す斜視図である。
フロントページの続き (72)発明者 松岡 良昭 高知県香美郡土佐山田町大平80番地 Fターム(参考) 4G046 CA00 CB02 CB05 CB08 CC02 CC03 HA02 4G066 AA04B AA14D AC39A BA09 BA20 BA26 BA36 CA56 FA18 FA34 4H012 JA03 4H015 AA13 BA12 BB03 CB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物系原料からなる含水率10〜80質
    量%の原料チップを加熱炉内に配置すると共に加熱炉内
    を不活性雰囲気とし、次いで加熱炉を昇温して炉内温度
    を250〜1200℃の範囲に保持することを特徴とす
    る大きな表面積を有する木炭の製造方法。
  2. 【請求項2】 植物系原料からなる含水率10〜80質
    量%の原料チップを加熱炉内に配置すると共に加熱炉内
    を不活性雰囲気とし、次いで加熱炉を昇温して炉内温度
    を100〜300℃の範囲に保持した後、加熱炉を更に
    昇温して炉内温度を250〜1200℃に保持すること
    を特徴とする大きな表面積を有する木炭の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料チップとして、粒径50mm以下の
    ものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    大きな表面積を有する木炭の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの方法にて製
    造されて成ることを特徴とする大きな表面積を有する木
    炭。
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