JP2023060952A - 凝固剤及びそれを用いた排泄物処理袋 - Google Patents

凝固剤及びそれを用いた排泄物処理袋 Download PDF

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Abstract

【課題】竹活性炭に比べて、消臭効果の高い凝固剤を提供する。【解決手段】凝固剤は、高分子吸収剤と脱臭剤とを含む。脱臭剤は、ヤシ殻活性炭である。そして、ヤシ殻活性炭の比表面積は、600m2/g以上2500m2/g以下である。ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、600mg/g以上である。好ましくは、ヤシ殻活性炭の比表面積は、800m2/g以上であるとよい。ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、800mg/g以上であるとよい。また、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、100分の5以上であるとよい。【選択図】図4

Description

本発明は、排泄物を凝固させる凝固剤及びそれを用いた排泄物処理袋に関する。
災害などで断水になった場合、尿や便などの排泄物をトイレの水で流すことができない。そこで、便器に、ポリエチレンビニール袋などの排泄物処理袋をセットして、その袋に排泄したあと、凝固剤を振りかけて、排泄物をゼリー状又は固形状に変化させて、その袋を閉じて、後で、ゴミとして捨てるという方法がとられることがある。
また、このような凝固剤及び袋は、災害などで断水になった場合に限らず、介護用のポータブルトイレや、キャンプ、車中での緊急時などでも、使用されることがある。使用形態として、トイレにセットしないで使用する排泄物処理袋も存在する。
排泄後、袋を閉じていたとしても、袋から、排泄物の匂いが漏れてくる。そのため、このような凝固剤に、脱臭剤を配合する方法が提案されている。
特許文献1に記載の凝固剤は、脱臭剤として、竹活性炭を使用している。
特開2021-030110号公報 請求項1
特許文献1(段落0026~0033)には、高分子吸収材としてのアクリル酸ホモポリマーに竹活性炭を配合した実施例が記載されており、竹活性炭を用いた場合、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、及び酪酸の悪臭に対して充分な消臭効果を有することが検証できた旨が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の実験は、あくまでもラボで行った実験であり、実際の糞便を含む排泄物を利用していない。実際の糞便は、臭いを発生し続けるが、竹活性炭を使用した場合に、実際の糞便においても、消臭効果が得られるかは、特許文献1の記載からは明らかではない。
そして、後述の比較例で説明するように、本発明者が実施した実際の糞便を利用した実験結果によると、高分子吸収剤に消臭剤として竹活性炭を配合した凝固剤では、思うほどの消臭効果が得られないことが分かった。
それゆえ、本発明は、消臭効果の高い凝固剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、高分子吸収剤と脱臭剤とを含む凝固剤であって、脱臭剤は、ヤシ殻活性炭であることを特徴とする、凝固剤である。
好ましくは、ヤシ殻活性炭の比表面積は、600m/g以上2500m/g以下であるとよい。より好ましくは、ヤシ殻活性炭の比表面積は、800m/g以上であるとよい。
好ましくは、ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、600mg/g以上であるとよい。より好ましくは、ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、800mg/g以上であるとよい。
好ましくは、ヤシ殻活性炭の粒径は、5mm以下であるとよい。
好ましくは、高分子吸収剤が2g以上20g以下であり、かつ、ヤシ殻活性炭が0.5g以上10g以下であるように、小分けされているとよい。
好ましくは、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、100分の5以上であるとよい。より好ましくは、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、100分の14以上であるとよい。
好ましくは、高分子吸収剤は、アクリル酸ホモポリマー、又は、アクリル酸ナトリウムホモポリマーであるとよい。
たとえば、ポリエチレンビニール袋に、上記の凝固剤を備えた排泄物処理袋として、提供されてもよい。その場合、凝固剤は、直接ポリエチレンビニール袋に入れられていてもよいし、小分けして、ポリエチレンビニール袋に入れられていてもよい。
本発明によれば、高分子吸収剤にヤシ殻活性炭を配合することで、消臭効果の高い凝固剤を提供することができる。
また、ヤシ殻活性炭を配合した方は、竹活性炭を配合した場合に比べて、長期間保存しても、消臭効果が高いと期待できる。
特に、ヤシ殻活性炭の比表面積として適切なものを選択すれば、竹活性炭に比べて、消臭効果の高い凝固剤を提供することができる。
また、ヤシ殻活性炭のヨウ素価として適切なものを選択すれば、竹活性炭に比べて、消臭効果の高い凝固剤を提供することができる。
また、ヤシ殻活性炭の粒径として適切なものを選択すれば、竹活性炭に比べて、消臭効果の高い凝固剤を提供することができる。
また、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比として適切なものを選択すれば、竹活性炭に比べて、消臭効果の高い凝固剤を提供することができる。
上記の凝固剤を備える排泄物処理袋は、災害時の断水時や、介護用のポータブルトイレ、キャンプ、車中での非常時などにおいて、非常に有用なものとなる。
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1は、試料1~4の特性を示す表である。 図2は、官能試験の評価基準を示す表である。 図3は、比較例1~3及び実施例1~5の評価結果を示す表である。 図4は、比較例1~3及び実施例1~5の評価結果を示すグラフである。
本実施形態において、凝固剤は、高分子吸収剤と脱臭剤とを含む。高分子吸収剤は、たとえば、アクリル酸ホモポリマー、又は、アクリル酸ナトリウムホモポリマーであるが、限定されるものではない。
脱臭剤は、ヤシ殻活性炭である。ヤシ殻活性炭とは、ヤシ殻由来の活性炭のことである。
本実施形態において、ヤシ殻活性炭は、比表面積、ヨウ素価、又は粒径の条件から選定される。
ここで、比表面積とは、単位質量あたりの表面積をいう。比表面積の単位として、m/g(平方メートル/g)を用いることとする。ヨウ素価とは、試料100gが吸収するヨウ素の質量をいう。ヨウ素価の単位として、mg/g(ミリグラム/g)を用いることとする。粒径とは、粒の大きさのことであり、本発明では、たとえば、粒径が5mm以下であるとは、5mm×5mmの目開きを有するふるいを、粒が通過できるという意味である。
比表面積の条件でヤシ殻活性炭を選定する場合、比表面積が600m/g以上2500m/g以下のヤシ殻活性炭を使用するものとする(条件1)。
ヨウ素価の条件でヤシ殻活性炭を選定する場合、ヨウ素価が600mg/g以上のヤシ殻活性炭を使用するものとする(条件2)。
粒径の条件でヤシ殻活性炭を選定する場合、粒径が5mm以下のヤシ殻活性炭を使用する(条件3)。
このような3つの条件のいずれかで選定されたヤシ殻活性炭を、高分子吸収剤と混ぜ合わせて、凝固剤が製造される。
好ましい実施形態としては、比表面積が600m2/g以上2500m/g以下であり、ヨウ素価が600mg/g以上であり、かつ、粒径が5mm以下であるという3つの条件を満たすヤシ殻活性炭を用いることである。
ただし、この3つの条件全てを満たしていなくても、1つ以上の条件を満たすヤシ殻活性炭を用いれば、消臭効果が得られる。
また、仮に、3つの条件を全て満たしていなくても、ヤシ殻活性炭を高分子吸収剤に配合した凝固剤を用いるだけでも、消臭効果が得られる。
また、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比で、本実施形態の凝固剤を製造してもよい。本実施形態では、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を5g以上配合するようにして、凝固剤を製造してもよい。この場合、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、100分の5以上ということとなる。
凝固剤は、小分けして、排泄物処理袋に糞尿を排泄したあとに、振りかけるように使用することができる。その小分けされた凝固剤の場合、高分子吸収剤が2g以上20g以下であり、かつ、ヤシ殻活性炭が0.5g以上10g以下となるようにするとよい。この小分けされた凝固剤の場合、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、最小で、高分子吸収剤:ヤシ殻活性炭=20g:0.5gとなる。そのため、この場合、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比は、100分の2.5ということになる。
上記した高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比を100分の5とする場合の小分けの配合比率は、たとえば、高分子吸収剤:ヤシ殻活性炭=20g:1gとか、高分子吸収剤:ヤシ殻活性炭=10g:0.5gとかのようになる。
どのような配合比率で、小分けするかは、原材料費や消臭効果、吸水量などを考慮して決定すればよい。より、消臭効果が高い商品として販売したい場合は、ヤシ殻活性炭を多くすればよいし、吸水量が高い商品として販売したい場合は、高分子吸収剤を多くすればよい。消臭効果と吸水量が共に高い商品として販売したい場合は、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比が、100分の5以上となるようにして、ヤシ殻活性炭の量を決定すればよい。
たとえば、製造段階においては、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比が、100分の5以上となるように、大量の高分子吸収剤とヤシ殻活性炭とを混ぜ合わせた上で、できた凝固剤を、所定の量ずつ小分けすればよい。
小分けのための袋としては、種々考えられる。特許文献1に記載のように、アルミフィルム充填機を使用して、アルミフィルムに充填する方法に限らず、小分け用のポリエチレンビニール袋に充填する方法であってもよい。ただし、小分け用の材質は、本発明を限定するものではない。
典型的には、ポリエチレンビニール袋に、小分けされた凝固剤をセットにして、排泄処理袋として、提供されるとよい。
ただし、ポリエチレンビニール袋に、直接、凝固剤を入れておいて、排泄物処理袋として、提供してもよい。
以上のようにして製造される凝固剤は、消臭効果の高いものとなる。
以下の比較例1~3及び実施例1~5を用いて、官能試験を実施した。
図1に示すように、高分子吸収剤に配合する消臭剤として用いた試料は、以下の4つである。なお、試料1~4共に、サイズは、20~40メッシュの範囲のものである。
試料1(竹炭活性炭I800):ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が900m/gの竹活性炭。
試料2(ヤシ殻活性炭I800):ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が850m/gのヤシ殻活性炭。
試料3(ヤシ殻活性炭I1050):ヨウ素価が1050mg/gで、かつ、比表面積が1100m/gのヤシ殻活性炭。
試料4(ヤシ殻活性炭I1500):ヨウ素価が1500mg/gで、かつ、比表面積が1600m/gのヤシ殻活性炭。
比較例1~3及び実施例1~5共に、高分子吸収剤として、アクリル酸ホモポリマーを用いた。比較例1~3及び実施例1~5で用いた凝固剤は以下のとおりである。
比較例1:アクリル酸ホモポリマー7gのみを用いた凝固剤を使用した。
比較例2:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が900m/gの竹活性炭(試料1)4gを添加した凝固剤を使用した。
比較例3:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が900m/gの竹活性炭(試料1)1gを添加した凝固剤を使用した。
実施例1:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が850m/gのヤシ殻活性炭(試料2)4gを添加した凝固剤を使用した。
実施例2:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が1050mg/gで、かつ、比表面積が1100m/gのヤシ殻活性炭(試料3)4gを添加した凝固剤を使用した。
実施例3:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が1500mg/gで、かつ、比表面積が1600m/gのヤシ殻活性炭(試料4)4gを添加した凝固剤を使用した。
実施例4:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が800mg/gで、かつ、比表面積が850m/gのヤシ殻活性炭(試料2)1gを添加した凝固剤を使用した。
実施例5:アクリル酸ホモポリマー7gに対して、ヨウ素価が1500mg/gで、かつ、比表面積が1600m/gのヤシ殻活性炭(試料4)1gを添加した凝固剤を使用した。
試験方法は、以下のとおりである。
ポリエチレンビニール袋(厚さ25ミクロン、サイズ横65cm、縦50cm)を便器に取付け、糞尿を排泄したあと、比較例1~3及び実施例1~5の凝固剤をふりかけて、口をしっかり結び、さらに、それを、もう一枚のポリエチレンビニール袋(厚さ30ミクロン、サイズ横65cm 縦80cm)の中に入れて口を縛り、袋を二重にした。
そして、室内で保管し、袋に鼻を至近距離まで近づけ臭いをかいで10段階で評価を行った。24時間ごとに7日後まで評価を行った。
10段階の評価基準は、図2のとおりであり、評価1を「ほとんど臭わない」とし、評価10を「強烈に臭う」として、10段階の評価基準とした。
評価は、成人男性2名及び成人女性1名が行った。
図3は、比較例1~3及び実施例1~5の3名の臭いの感度平均値を表した表である。図4は、図3の経過日数を横軸にし、臭いの感度を縦軸にして、グラフ化したものである。
二重の袋を用いているものの、比較例1は、初日から、強烈に臭っている。
竹活性炭1gを用いた比較例3は、初日から評価が9.3であり、ほぼ強烈な臭いといえる状態であった。しかも、7日目には、評価が9.3となっており、長期間保管すると、臭いがさらにきつくなる傾向が伺える結果となった。
一方、同じ1gであるにも関わらず、実施例4及び実施例5では、評価が4.0~5.0となった。しかも、7日目においても、臭いがきつくなる傾向が見られなかった。この実験結果より、竹活性炭よりも、ヤシ殻活性炭を用いた方が、消臭効果が高いことが分かった。また、長期間の保存という観点からも、竹活性炭よりも、ヤシ殻活性炭を用いた方が優位であることが分かった。
さらに、実施例4と実施例5を比べると分かるように、ヨウ素価及び/又は比表面積が大きい実施例5の方が、消臭効果が高いことが分かった。
竹活性炭4gを用いた比較例2でも、評価が6.0~8.3程度であり、きつい臭いといれる状態であった。しかも、7日目には、評価が8.3となっており、長期間保管すると、臭いがさらにきつくなる傾向が伺える結果となった。
したがって、ヤシ殻活性炭を1gしか用いていない実施例4及び実施例5と比較例2とを比較しても、分かるように、ヤシ殻活性炭は、竹活性炭よりも少ない量でも、高い消臭効果が得られることが分かった。また、長期間の保存という観点からも、竹活性炭よりも、ヤシ殻活性炭を用いた方が優位であることが分かった。
実施例1では、ヤシ殻活性炭を4g使用しているが、初日の評価が4.0であり、残りの日の評価が5.0程度となった。実施例1と実施例4とを比較すると、若干、実施例1の方が、消臭効果が高い結果ことが分かった。
実施例1、実施例2、及び実施例3を比較すれば分かるように、同じ4gのヤシ殻活性炭であっても、ヨウ素価及び/又は比表面積が大きくなればなるほど、消臭効果が高いことが分かった。実施例2では、評価が3.0~4.3程度であり、少し臭う程度まで抑えることができた。実施例3では、初日の評価が1.0であり、その後も、評価が1.7~2.0であり、相当高い消臭効果が実現されることが分かった。
実施例3と実施例5とを比較すれば分かるように、同じヨウ素価及び比表面積であっても、添加量が増えれば、消臭効果が高まることが分かった。
以上の実験結果から、以下のことが言える。
竹活性炭とヤシ殻活性炭とでは、ヤシ殻活性炭の方が、消臭効果が高いと言える。
ヤシ殻活性炭を配合した方は、竹活性炭を配合した場合に比べて、長期間保存しても、消臭効果が高いと思われる。
ヤシ殻活性炭の添加量を増やすと消臭効果が高まると言える。
同じ添加量であっても、ヨウ素価及び/又は比表面積が大きい方が、消臭効果が高いと言える。
以上の実験結果を踏まえて、比表面積、ヨウ素価、及び粒径の選定条件について考察する。
比表面積について考える。
用いた試料2~4の比表面積は、850~1600m2/gであったが、850m2/gの比表面積の試料2であっても、評価5程度であったので、竹活性炭の消臭効果よりも高い消臭効果が得られるヤシ殻活性炭の比表面積は、600m2/g以上であると推定できる。
また、ヤシ殻活性炭として、入手可能な材料の比表面積の上限は、2500m2/g程度であると考えられる。
必要であれば、以下のURLを参照されたし。
http://www.union-service.jp/item/
https://www.unitika.co.jp/acf/about/
よって、ヤシ殻活性炭の選定に必要な条件は、比表面積が600m2/g以上2500m/g以下であると考えられる(先述の条件1)。
そして、より高い消臭効果を得たいのであれば、比表面積を800m2/g以上とすればよく、さらに好ましくは、1000m2/g以上とすればよいことが実験より分かった。
次に、ヨウ素価について考える。
ヨウ素価と比表面積とは、相関関係があると予想される。すなわち、比表面積が高ければ、ヨウ素価が高い。若しくは、ヨウ素価が高ければ、比表面積が高い。したがって、本発明を特定するに際しては、比表面積を用いずに、ヨウ素価を用いて特定することができる。
試料2~4のヨウ素価は、800~1500mg/gであったが、800mg/gの試料2であっても、評価5程度であったので、竹活性炭の消臭効果よりも高い消臭効果が得られるヤシ殻活性炭のヨウ素価は、600mg/g以上であると推定できる。
よって、ヤシ殻活性炭の選定に必要な条件は、ヨウ素価が600mg/g以上であると考えられる(先述の条件2)。
そして、より高い消臭効果を得たいのであれば、ヨウ素価を800mg/g以上とすればよく、さらに好ましくは、1000mg/g以上とすればよいことが実験より分かった。
次に、粒径について考える。
試料2~4では、ヤシ殻活性炭の粒のサイズが20~40メッシュとしている。ここで、メッシュとは、1インチの金網の中に入る線の本数であり、線径によって目開きは変わるが、概ね、20メッシュの目開きは、約1mmである。
すなわち、1mm×1mmの目開きを通る試料を用いた。ヤシ殻活性炭を用いることで、消臭効果を竹活性炭よりも高くできるので、目開きの大きさには、まだ、余裕があると推定できる。したがって、ヤシ殻活性炭の粒径としては、5mm以下がよいと考えられる(先述の条件3)。
そして、より高い消臭効果を得たいのであれば、粒径が1mm以下のヤシ殻活性炭を使用するとよいことが実験より分かった。
次に、高分子吸収剤とヤシ殻活性炭との重量比について考える。
実施例4及び実施例5においては、高分子吸収剤7gに対して、ヤシ殻活性炭を1g使用している。よって、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を約14g配合していることとなる。
実施例1~実施例3においては、高分子吸収剤7gに対して、ヤシ殻活性炭を4g使用している。よって、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を約57g配合していることとなる。
よって、竹活性炭の消臭効果よりも高い消臭効果が得られるヤシ殻活性炭の高分子吸収剤に対する重量比は、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を2.5g以上、好ましくは、5g以上配合するものであると推定できる。
そして、より高い消臭効果を得たいのであれば、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を14g以上配合すればよいことが実験より分かった。
高分子吸収剤7gに対して、ヤシ殻活性炭を2g配合する場合は、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を28g配合することになる。また、高分子吸収剤7gに対して、ヤシ殻活性炭を3g配合する場合は、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を42g配合することになる。
よって、さらに高い消臭効果を得たい場合は、高分子吸収剤100gに対して、ヤシ殻活性炭を28g以上、42g以上、57g以上のように、ヤシ殻活性炭の配合重量を増やしていけばよいことが、実験より分かった。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
本発明は、凝固剤及びそれを用いた排泄物処理袋であり、産業上利用可能である。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、高分子吸収剤と脱臭剤とを混ぜ合わせてできた凝固剤であって、脱臭剤は、ヤシ殻活性炭であり、ヤシ殻活性炭の比表面積は、800m /g以上であり、ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、800mg/g以上であり、ヤシ殻活性炭の粒径は、5mm以下であり、排泄された糞尿に、振りかけて使用される
好ましくは、高分子吸収剤は、アクリル酸ホモポリマー、又は、アクリル酸ナトリウムホモポリマーであるとよい。
好ましくは、ヤシ殻活性炭の比表面積は、1100m /g以上であり、ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、1050mg/g以上であるとよい。
また、本発明は、排泄された糞尿に振りかけられる若しくは混ぜて使用するための凝固剤と一緒に提供される排泄処理袋である。当該凝固剤は、小分けされているか、若しくは、前記排泄処理袋に直接入れられている。当該凝固剤は、高分子吸収剤と脱臭剤とを混ぜ合わせてできており、脱臭剤は、ヤシ殻活性炭であり、ヤシ殻活性炭の比表面積は、800m /g以上であり、ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、800mg/g以上であり、ヤシ殻活性炭の粒径は、5mm以下であるとよい。

Claims (11)

  1. 高分子吸収剤と脱臭剤とを含む凝固剤であって、前記脱臭剤は、ヤシ殻活性炭であることを特徴とする、凝固剤。
  2. 前記ヤシ殻活性炭の比表面積は、600m/g以上2500m/g以下であることを特徴とする、請求項1に記載の凝固剤。
  3. 前記ヤシ殻活性炭の比表面積は、800m/g以上であることを特徴とする、請求項3に記載の凝固剤。
  4. 前記ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、600mg/g以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の凝固剤。
  5. 前記ヤシ殻活性炭のヨウ素価は、800mg/g以上であることを特徴とする、請求項4に記載の凝固剤。
  6. 前記ヤシ殻活性炭の粒径は、5mm以下であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の凝固剤。
  7. 前記高分子吸収剤が2g以上20g以下であり、かつ、前記ヤシ殻活性炭が0.5g以上10g以下であるように、小分けされた請求項1~6のいずれかに記載の凝固剤。
  8. 前記高分子吸収剤と前記ヤシ殻活性炭との重量比は、100分の5以上であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の凝固剤。
  9. 前記高分子吸収剤と前記ヤシ殻活性炭との重量比は、100分の14以上であることを特徴とする、請求項8に記載の凝固剤。
  10. 前記高分子吸収剤は、アクリル酸ホモポリマー、又は、アクリル酸ナトリウムホモポリマーであることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の凝固剤。
  11. ポリエチレンビニール袋に、請求項1~10のいずれかに記載の凝固剤を備えたことを特徴とする、排泄物処理袋。

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