JP2008142006A - ペット排泄用シート - Google Patents

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【課題】少量の特定の消臭成分を有効に利用することで消臭性能に優れるペット排泄用シートを提供すること。
【構成】本発明のペット排泄用シート1は、透液性の表面シート2と、不透液性の裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に介在する吸収体4とを備えている。また、ペット排泄用シート1は、木材から抽出された精油をテクトケイ酸塩に担持させた芳香性粉体を含んでいる。前記芳香性粉体は、含水により芳香性が強まるものであることが好ましい。また、前記テクトケイ酸塩はシリカゲルであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、犬、猫等の小動物のペットの排泄時に使用するペット排泄用シートに関する。
ペットとして飼育する小動物の多様化やペット飼える集合住宅等の増加に伴って、ペットを飼育する家庭が近年増加している。これに伴って、ペットの飼育に付随したペットショップ等のペット関連のサービス業も増加している。このような家庭やサービス業におけるペットの取り扱いにおいて、排泄物の処理が最も重要視される項目の一つとして挙げられている。これまで、ペット用の小動物を対象とした排泄処理具に関する技術が種々提案されており、中でも、消臭や脱臭に効果をねらった技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、透水性シートと不透水性シートとの間に吸収体が介在されてなるペット用シートにおいて、消臭成分や脱臭成分を吸収体に含ませたものである。
特開2003−158930号公報
ところで、上記技術では、吸収体の構成成分に消臭成分として、有機酸及び/又はその塩を配合しているが、必ずしも十分な消臭性能が得られない。また、上記技術では、香料や精油を任意成分として配合できるとされているが、その方法についての記述は特にない。さらに、単に香料や精油を直接吸収体に含ませたのでは、ペットが排泄する前から芳香成分が揮発することにより匂いが強すぎて、ペットが使用できなかったり、実際に使用する際には芳香成分が薄くなり、消臭効果が発揮されない場合もある。また、芳香成分が揮発することを前提にさらに多くの成分を含ませることも考えられ、コストの面でもデメリットがある。
従って、本発明の目的は、少量の特定の消臭成分を有効に利用することで、消臭性能に優れるペット排泄用シートを提供することにある。
本発明は、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在する吸収体とを備えているペット排泄用シートであって、木材から抽出された精油をテクトケイ酸塩に担持させた芳香性粉体を含んでいるペット排泄用シートを提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明のペット排泄用シートは少量の特定の消臭成分を有効に利用することで消臭性能に優れる。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態のペット排泄用シート1は、透液性の表面シート2と、不透液性の裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に介在する吸収体4とを備えている。
表面シート2には、従来からこの種のペット排泄用シートにおける表面シートに使用される透液性のシートを特に制限なく使用することができる。該透液性のシートとしては、液体を吸収体4へ透過させることができるものであれば制限はなく、例えば、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等が挙げられる。該透液性のシートの一例として、芯成分にポリプロピレンやポリエステル、鞘成分にポリエチレンを用いた、芯鞘構造型(サイドバイサイド型含む)複合繊維をカーディングによりウエブ化した後、エアスルー法によって不織布としたものが挙げられる。不織布には、所定箇所に開孔処理を施しても良い。透液性の高さの点(ドライ感)から、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンからなる開孔シート(多孔性シート)も好ましく用いることができる。
裏面シート3には、従来からこの種のペット排泄用シートにおける裏面シートに使用される不透液性のシートを特に制限なく使用することができる。該不透液性のシートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子化合物製フィルム等が挙げられる。該フィルムの一例として、熱可塑性樹脂に無機化合物又は有機化合物のフィラーを添加したものを、Tダイやサーキュラーダイから溶融押出してフィルムを形成し、次いで、斯かるフィルムを一軸又は二軸延伸して得た透湿性を有するシートが挙げられる。また、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)が特定の層順で積層されて複合化されたシート(例えばSM、SMS、SMMSなど)を用いることも通気性と柔軟性の点から好ましい。
吸収体4は、従来からこの種のペット排泄用シートにおける吸収体として使用されている構成の吸収体を特に制限なく使用することができるが、本実施形態における特徴部分である木材から抽出された精油をテクトケイ酸塩に担持させた芳香性粉体5を吸収体4に配することを考慮すると、パルプ、吸収ポリマー若しくはこれらを組み合わせた吸収性材料(吸収性コア)を使用した吸収体が好ましく、該吸収性材料を一層以上の層状に構成し、紙(台紙)、不織布又はこれらの積層複合体等からなるシートで挟んだり包んだりした構成とすることが好ましい。該吸収性材料及び該シートには従来からこの種のペット排泄用シートに使用されているものを特に制限なく使用することができる。
ペット排泄用シート1は、木材から抽出された精油をテクトケイ酸塩に担持させた芳香性粉体を含んでいる。テクトケイ酸塩に木材から抽出された精油を担持させた芳香性粉体は、本発明者らの検討した結果、含水により芳香性が強まり、排泄直後の消臭性を高めることがわかった。
木材から抽出された精油としては、例えば、セダーウッド油、パイン油、ヒノキ油、スプルース油からなる群から選択される一種以上の精油が挙げられ、これらの中でも無色又は淡黄色透明の精油であり、ペット排泄用シートに用いても美観を損ねない点や匂いの嗜好性の点からセダーウッド油が好ましい。
前記テクトケイ酸塩としては、「鉱物化学II」、須藤俊男著、共立出版株式会社発行、
P.259〜P.263に記載されているものが挙げられる。これらの中で、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられるが、含水により芳香性が強められる点、含水した状態でも精油を保持している点からシリカゲルが好ましい。テクトケイ酸塩の粒子径としては、保形性、膨潤防止性等の点から0.1〜1000μmであることが好ましい。また、比表面積は50〜1000m2/gであることが好ましい。
前記テクトケイ酸塩と前記木材から抽出された精油との配合割合は、質量比でテクトケイ酸塩:精油=100:1〜1:1の範囲から選択されることが好ましく、20:1〜2:1の範囲から選択されることがさらに好ましい。かかる配合割合であれば、少量の精油を有効に利用し消臭性能に優れる点で好ましい。
前記芳香性粉体を吸収体へ配する形態としては、吸収性材料を構成するパルプの層の上に吸収ポリマーとともに散在させ、台紙で包むか台紙を積層した形態、台紙に抄き込んで配した形態等が挙げられるが、芳香性粉体の芳香性の効果を十分に発揮させる上では、表面シート2により近い位置に配することが好ましい。
表面シート、裏面シート、吸収体の平面視の形態等に特に制限はないが、製造上矩形の形態とすることが好ましい。また、表面シート2及び裏面シート3による吸収体4の封止の形態は特に制限はないが、吸収体4を囲むように表面シート2及び裏面シート3を接合することが好ましい。接合方法は、接着剤を用いた方法、ヒートシールや超音波シール法等の公知の接合方法を使用することができる。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態では、芳香性粉体を吸収体4中の吸収性材料に含ませたが、台紙に抄き込むことにより、吸収性材料(吸収性コア)に含ませなくてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は本実施例に何ら制限されない。
下記実施例1〜3及び比較例1〜3のようにして芳香性粉体及びそれを使用したペット排泄用シートを作製し、得られた芳香性粉体の状態、シートの排尿前後の芳香性、消臭性を調べた。
〔実施例1〕
〔芳香性粉体の調製〕
表1に示す粉体及び精油を使用し、粉体0.85gに対して精油0.15gを少しずつ滴下し、表1に示す組成の芳香性粉体を調製した。滴下は、精油が部分的に吸収されないように適宜攪拌しながら行った。得られた芳香性粉体の状態について下記のように評価した。その結果を表1に示す。なお、各粉体の平均粒径は、シリカゲルが9μm、ゼオライトが4μm、シクロデキストリンが10μm、高分子吸収体が100μmであった。
〔ペット排泄用シートの作製〕
下記表面シート及び裏面シートの間に、下記吸収体を配し、30cm×45cmの大きさに切断してペット排泄用シートを作製した。
表面シート:ポリプロピレン製のスパンボンド不織布
裏面シート:ポリエチレン製のフィルム
吸収体:100g/m2の綿状パルプに、吸収ポリマー(ポリアクリル酸系)を30g/m2散布し、さらに上記芳香性粉体を0.1g/m2散布した吸収性材料に、上下に台紙(15g/m2)を配して吸収体とした。
〔実施例2、3及び比較例1〜3〕
芳香性粉体の構成成分を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にしてペット排泄用シートを作製した。
〔比較例4〕
吸収体に芳香性粉体を含ませず、吸収体を構成する表面シート側の台紙にセダーウッド油0.017g/m2滴下して含ませた以外は、実施例1と同様にしてペット排泄用シートを作製した。
Figure 2008142006
〔芳香性粉体の状態の評価〕
各芳香性粉体の状態について、パネル3名により3段階の評価基準(さらさらの状態、精油を吸収しきれず濡れた状態、精油を吸収せず分離した状態)により評価した。結果を表1に示す。
〔ペット排泄用シートの匂いの強さの評価〕
上記の各ペット排泄用シートについて、犬尿を滴下する前の匂いの強さを、パネル3名により3段階の評価基準(強い精油の匂い、弱いに精油の匂い、わずかに精油の匂い)により官能評価を行った。結果を表1に示す。
〔ペット排泄用シートに水を滴下した時の匂いの強さの評価〕
上記の各ペット排泄用シートに、水道水1mLを滴下した後の匂いの強さを、パネル3名により3段階の評価基準(水をかける前より強い、水をかける前よりわずかに強い、水をかける前と差なし)により官能評価を行った。結果を表1に示す。
〔消臭効果の評価〕
上記の各ペット排泄用シートに犬尿1mLを滴下し、30分後にパネル3名による官能評価を行った。評価は下記匂いの強さの評価基準(六段階臭気強度表示法に準じる)に従って行った。結果を表1に示す。
0:無臭
1:ほとんど匂いなし
2:匂いはあるが、動物的な不快臭少ない
3:動物的な不快臭が感知できる
4:強い動物的な不快臭がある
5:非常に強い動物的な不快臭がある。
表1に示したように、実施例1〜3では、使用前は精油の匂いが抑えられているが、犬尿が滴下された際に十分な消臭効果を発揮していることが分かった。これは、水を滴下する前に比べ、滴下した後に精油の匂いが強くなることから、水の存在により消臭効果を発揮するものと判断された。
一方、比較例1、3及び4では、使用前は精油の匂いが強いが、犬尿が滴下された際にはあまり消臭効果を発揮していないことが分かった。また、比較例2では、使用前に精油の匂いが抑えられているものの、犬尿が滴下された際にはあまり消臭効果を発揮していなかったが、これは木材から抽出された精油の芳香成分に比べ、消臭効果が低いことによることが分かった。
なお、比較例1、3のペット排泄用シートに使用した芳香性粉体は、精油を十分吸収しておらず、また、比較例4は直接台紙に精油を滴下しているため、ペット排泄用シートとした場合、使用前の匂いが強く、強い匂いを嫌う人やペットは使用できないと考えられた。
図1は、本発明のペット排泄用シートの一実施形態の断面構造を示す模式図である。
符号の説明
1 ペット排泄用シート
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体

Claims (5)

  1. 透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在する吸収体とを備えているペット排泄用シートであって、
    木材から抽出された精油をテクトケイ酸塩に担持させた芳香性粉体を含んでいるペット排泄用シート。
  2. 前記芳香性粉体は、含水により芳香性が強まるものである請求項1に記載のペット排泄用シート。
  3. 前記テクトケイ酸塩がシリカゲルである請求項1又は2に記載のペット排泄用シート。
  4. 前記精油がセダーウッド油、パイン油、ヒノキ油、スプルース油からなる群から選択される1種以上である請求項1〜3に記載のペット排泄用シート。
  5. 前記芳香性粉体が前記吸収体に配されている請求項1〜4の何れかに記載のペット排泄用シート。
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