JP2002121378A - 難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いて加工した難燃性布帛 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いて加工した難燃性布帛

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JP2002121378A
JP2002121378A JP2000318380A JP2000318380A JP2002121378A JP 2002121378 A JP2002121378 A JP 2002121378A JP 2000318380 A JP2000318380 A JP 2000318380A JP 2000318380 A JP2000318380 A JP 2000318380A JP 2002121378 A JP2002121378 A JP 2002121378A
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polycarbonate
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JP2000318380A
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Toru Saito
徹 斉藤
Kazuo Tanabe
一雄 田辺
Norihiro Kubo
宣弘 久保
Shinichi Umetani
慎一 梅谷
Akihiro Nogata
明広 野形
Katsue Osada
勝栄 長田
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Seiren Co Ltd
Nicca Chemical Co Ltd
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Seiren Co Ltd
Nicca Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂劣化が少なく、長期間にわたって耐熱性及
び耐候性を保持し、良好な密閉性及び難燃性を有する樹
脂被膜を得ることができる難燃性ポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いて加工した難
燃性布帛を提供する。 【解決手段】ポリカーボネートポリオールが90重量%
以上であるポリオール成分、有機ポリイソシアネート化
合物及び鎮伸長剤から得られるポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂100重量部に対して、アルキル置換芳香
族縮合リン酸エステル5〜50重量部を配合してなるこ
とを特徴とする難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂組成物、及び、該組成物を用いて加工した難燃性布
帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いて
加工した難燃性布帛に関する。さらに詳しくは、本発明
は、難燃性が要求される布帛製品、例えば、シート表
皮、ドアトリム、天井、エアバッグなどの自動車内装用
布帛、カーテンなどの室内インテリア用布帛、野外使用
布帛などに使用される、耐熱性、耐候性、耐加水分解
性、密閉性、難燃性に優れた難燃性ポリカーボネート系
ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いて加工した
難燃性布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
は、耐熱性、耐候性、耐油性、耐摩耗性などに優れてい
るために、各種の用途に広く利用されている。ポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂に限らず、ポリウレタン樹
脂には燃えやすいという欠点があるために、難燃性が要
求される用途には、一般的には、ハロゲン系難燃剤を配
合し、難燃性を付与してきた。しかし、ハロゲン系難燃
剤は、燃焼時にハロゲンガスやダイオキシンを発生する
ために、環境保護及び安全性の面から使用が避けられる
傾向にあり、非ハロゲン系難燃剤への要求が高まってい
る。非ハロゲン系難燃剤である赤リン、ポリリン酸アン
モニウム、芳香族リン酸エステルなどのリン系難燃剤を
使用すると、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の優
れた特性である耐熱性及び耐候性が阻害される傾向にあ
り、樹脂自体の特性を維持しつつ、難燃性を付与するこ
とは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂劣化が
少なく、長期間にわたって耐熱性及び耐候性を保持し、
良好な密閉性及び難燃性を有する樹脂被膜を得ることが
できる難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成
物及び該組成物を用いて加工した難燃性布帛を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、リン系難燃剤と
してアルキル置換芳香族縮合リン酸エステルを配合する
ことにより、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が有
する耐熱性、耐候性及び密閉性を損なうことなく、優れ
た難燃性を付与し得ることを見いだし、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)ポリカーボネートポリオールが90重量%以上で
あるポリオール成分、有機ポリイソシアネート化合物及
び鎮伸長剤から得られるポリカーボネート系ポリウレタ
ン樹脂100重量部に対して、アルキル置換芳香族縮合
リン酸エステル5〜50重量部を配合してなることを特
徴とする難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組
成物、(2)ポリカーボネートポリオールが、一般式
[1]で表される化合物である第1項記載の難燃性ポリ
カーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、
【化5】 (ただし、式中、nは、5〜50であり、Rは、(C
2)m又は一般式[2]で表される2価の基であり、m
は、4〜8である。)
【化6】 (ただし、式中、p及びqは、それぞれ1〜3であ
る。)(3)アルキル置換芳香族縮合リン酸エステル
が、一般式[3]で表される化合物である第1項又は第
2項記載の難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
組成物、
【化7】 (ただし、式中、R1は、式[4]、[5]、[6]、
[7]、[8]、[9]、[10]又は[11]で表さ
れる2価の芳香族基であり、R2は、炭素数1〜3のア
ルキル基であり、複数個のR2は、同一であっても、異
なっていてもよく、R3は、水素又は炭素数1〜3のア
ルキル基であり、複数個のR3は、同一であっても、異
なっていてもよい。)
【化8】 、及び、(4)第1項、第2項又は第3項記載の難燃性
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を用いて加
工した難燃性布帛、を提供するものである。さらに、本
発明の好ましい態様として、(5)難燃性ポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂組成物の付着量が、不揮発分の
量として5〜100g/m2である第4項記載の難燃性
布帛、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性ポリカーボネート
系ポリウレタン樹脂組成物は、ポリカーボネートポリオ
ールが90重量%以上であるポリオール成分、有機ポリ
イソシアネート化合物及び鎮伸長剤から得られるポリカ
ーボネート系ポリウレタン樹脂100重量部に対して、
アルキル置換芳香族縮合リン酸エステル5〜50重量部
を配合してなる組成物である。本発明に用いるポリカー
ボネートポリオールに特に制限はなく、例えば、各種の
ジオールと環状カーボネートの反応により得られるポリ
カーボネートポリオール、ジオールとホスゲンの反応に
より得られるポリカーボネートポリオール、ジオールと
クロルカルボン酸エステルとの反応により得られるポリ
カーボネートポリオール、ジカーボネート化合物の縮合
反応により得られるポリカーボネートポリオールなどを
挙げることができる。これらの中で、一般式[1]で表
される構造を有するポリカーボネートポリオールを好適
に用いることができる。
【化9】 一般式[1]において、nは、5〜50であり、Rは、
(CH2)m又は一般式[2]で表される2価の基であり、
mは、4〜8である。
【化10】 一般式[2]において、p及びqは、それぞれ1〜3で
ある。一般式[1]で表される化合物は、すべて同一の
Rを有する化合物であっもよく、あるいは、異なる複数
種のRを有する化合物であっもよい。一般式[1]で表
される構造を有するポリカーボネートポリオールとして
は、脂肪族ジオール又は脂環式ジオールをジオール成分
とするポリカーボネートポリオールであり、これらの中
で、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール
又は1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成
分とするポリカーボネートポリオールを特に好適に用い
ることができる。一般式[1]で表される構造を有する
ポリカーボネートポリオールは、数平均分子量が500
〜5,000であることが好ましい。
【0006】本発明に用いるポリオール成分は、ポリカ
ーボネートポリオールが全ポリオールの90重量%以上
であり、より好ましくは95重量%以上である。ポリカ
ーボネートポリオールの割合が全ポリオールの90%重
量部未満であると、ポリウレタン樹脂組成物から得られ
る被膜の耐熱性と耐候性が不足するおそれがある。本発
明において、ポリカーボネートポリオール以外のポリオ
ール成分に特に制限はなく、例えば、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール
などを挙げることができる。本発明に使用する有機ポリ
イソシアネート化合物に特に制限はなく、例えば、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,
4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニル
メタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−
ビフエニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−
4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタ
レンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,3−シ
クロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキ
シレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメ
チル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、
4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど
の脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらの有機ポリイソシアネート化合物は、1種を単独
で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせ
て用いることもできる。これらの中で、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネ
ートを特に好適に用いることができる。
【0007】本発明に使用する鎖伸長剤としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、ビフェノール、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス
フェノールEなどの2価アルコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、ジグリセリン、ソルビトールなどの3価以
上のアルコール、各種のアルキレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)
エタン、トリエチレンビス(p−アミノベンゾエート)な
どの多価アミンなどを挙げることができる。これらの鎖
伸長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、
2種以上を組み合わせて用いることもできる。鎖伸長剤
として、3価以上のアルコール又は多価アミンを用いる
場合は、2価のアルコールを併用することが好ましい。
これらの鎖伸長剤の中で、エチレングリコール、テトラ
メチレングリコール及びイソホロンジアミンを特に好適
に用いることができる。本発明に使用するポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオー
ル、有機ポリイソシアネート化合物及び鎖伸長剤を、イ
ソシアネート基/ヒドロキシル基及びアミノ基の合計の
当量比がほぼ1.0/1.0で反応することにより得るこ
とができる。このイソシアネート重合付加反応は、粘度
を制御するために、活性水素を有しない有機溶剤の存在
下で行うことが好ましい。活性水素を有しない有機溶剤
としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケト
ン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブ
チル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロ
ピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどの有機酸エ
ステル、ベンゼン、トルエンなどの芳香族有機溶剤、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、1種を単独で用いることができ、
あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。イソシアネート重合付加反応は、錫系触媒、アミン
系触媒などを用いることにより、反応時間を短縮するこ
とができる。錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジ
ラウレート、スタナスオクトエートなどを挙げることが
でき、アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルホリンなどを挙げることができる。
これらの触媒は、1種を単独で用いることができ、ある
いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0008】本発明に使用するアルキル置換芳香族縮合
リン酸エステルは、2個以上のPO 4四面体が芳香族基
を介して結合されたアルキル置換芳香族エステルであ
る。本発明においては、一般式[3]で表される構造を
有するアルキル置換芳香族縮合リン酸エステルを好適に
用いることができる。
【化11】 一般式[3]において、R1は、式[4]、[5]、
[6]、[7]、[8]、[9]、[10]又は[1
1]で表される2価の芳香族基であり、R2は、炭素数
1〜3のアルキル基であり、複数個のR2は同一であっ
ても、異なっていてもよく、R3は、水素又は炭素数1
〜3のアルキル基であり、複数個のR3は、同一であっ
ても、異なっていてもよい。
【化12】
【0009】本発明の難燃性ポリカーボネート系ポリウ
レタン樹脂組成物において、アルキル置換芳香族縮合リ
ン酸エステルの配合量は、ポリカーボネート系ポリウレ
タン樹脂100重量部に対して、5〜50重量部であ
り、より好ましくは10〜30重量部である。アルキル
置換芳香族縮合リン酸エステルの配合量がポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂100重量部に対して5重量部
未満であると、難燃性が不足するおそれがある。アルキ
ル置換芳香族縮合リン酸エステルの配合量がポリカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂100重量部に対して50重
量部を超えると、樹脂被膜表面に難燃剤がブリードし、
樹脂被膜の強度が低下するとともに、被膜の密閉性が不
足するおそれがある。本発明の難燃性ポリカーボネート
系ポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、アルキ
ル置換芳香族縮合リン酸エステルに加えて、他の難燃剤
を併用することができる。併用する他の難燃剤として
は、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
などの金属水酸化物、メラミンシアヌレート、リン酸メ
ラミン、硫酸メラミンなどの含窒素化合物、赤リン、ポ
リリン酸アンモニウム、芳香族リン酸エステルなどのリ
ン系化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなど
のアンチモン系化合物、硼酸亜鉛、硼酸アンモニウムな
どの硼酸塩類、モリブデン酸アンモニウムなどのモリブ
デン化合物、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛など
の金属酸化物、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブ
ロモビスフェノールS、オクタブロモビフェニル、デカ
ブロモビフェニルなどのハロゲン系化合物などを挙げる
ことができる。これらの他の難燃剤は、1種を単独で用
いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用
いることもできる。本発明の難燃性ポリカーボネート系
ポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、潤滑剤、安定剤、造核剤、
顔料、染料などの各種添加剤を加えることができる。
【0010】本発明の難燃性布帛は、本発明の難燃性ポ
リカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を用いて加工
することにより、難燃性を付与した布帛である。難燃性
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を用いて布
帛を加工する方法に特に制限はなく、例えば、コーティ
ング処理、パッド処理、スプレー処理などを挙げること
ができる。コーティング処理には、例えば、エアナイフ
コーター、ロールコーター、ブレードコーター、バーコ
ーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、
グラビアコーターなどを用いることができる。本発明に
おいて、難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組
成物の布帛への付着量に特に制限はないが、不揮発分の
量として、0.5〜100g/m2であることが好まし
く、1〜30g/m2であることがより好ましい。付着
量が不揮発分の量として0.5g/m2未満であると、難
燃性と密閉性が不足するおそれがある。付着量が不揮発
分の量として100g/m2を超えると、布帛の風合が
損なわれるおそれがある。本発明に用いる難燃性布帛の
素材に特に制限はなく、例えば、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン46などのポリアミド繊維、パラフェニ
レンテレフタルアミド、芳香族エーテルとの共重合体な
どのアラミド繊維、ポリアルキレンテレフタレートなど
のポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニ
ロン繊維、レーヨン繊維、超高分子量ポリエチレンなど
のポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレン繊維、パラ
フェニレンスルホン、ポリスルホンなどのスルホン繊
維、ポリエーテルイミド繊維などを挙げることができ
る。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、評価は下記の方法により行った。 (1)難燃性 JIS D 1201に従って、燃焼性を試験する。 (2)密閉性 JIS L 1096 6.27.1 A法に従って、フラジ
ール形試験機を用いて通気性を測定する。 (3)引張試験 ポリウレタン樹脂組成物をポリオレフィン樹脂フィルム
上に流し、120℃で2時間乾燥することにより、厚さ
約300μmのフィルムを作製する。JISK 712
7に従って、オートグラフ[(株)島津製作所]を用い、
3号形試験片について、引張速度300mm/minで、破
断強度と破断伸度を測定する。 (4)耐熱性 上記のフィルムを、コンベクションオーブン[タバイエ
スペック(株)、SAFETY OVEN SPH−20
0]を用いて、110℃で1,000時間処理し、処理
前後の引張破断強度を測定し、強度保持率を算出する。 (5)耐候性(耐加水分解性) 上記のフィルムを、ジャングルテスター[タバイエスペ
ック(株)、TEMP.& HUMID.CHAMBE
R]を用いて、50℃、95%RHの条件で1,000
時間処理し、処理前後の引張破断強度を測定し、強度保
持率を算出する。
【0012】合成例1 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリヘキサメチレンカ
ーボネートジオール[宇部興産(株)、UH−CARB
100、数平均分子量1,009]192.7重量部、
N,N−ジメチルホルムアミド120.0重量部及びエチ
レングリコール11.8重量部をこの順に仕込んだ。次
いで、30℃以下に冷却し、4,4'−ジフェニルメタン
ジイソシアネート95.5重量部を加え、60〜70℃
で4時間反応させた。系内の粘度上昇に従って、N,N
−ジメチルホルムアミド230.0重量部、メチルエチ
ルケトン210.0重量部及びトルエン140.0重量部
をこの順に添加した。反応の終了は、赤外スペクトルの
2,270cm-1のNCO基の吸収の消失により確認し
た。得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成
物は、外観が微黄色透明粘液状であり、不揮発分が3
0.2重量%、粘度が25,000mPa・s(20℃)であ
った。このポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物
を、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物Aとす
る。 合成例2 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリテトラメチレンカ
ーボネートジオール[宇部興産(株)、UB−CARB
100、数平均分子量1,005]192.4重量部、
N,N−ジメチルホルムアミド120.0重量部及びエチ
レングリコール11.9重量部をこの順に仕込んだ。次
いで、30℃以下に冷却し、4,4'−ジフェニルメタン
ジイソシアネート95.7重量部を加え、60〜70℃
で4.5時間反応させた。系内の粘度上昇に従って、N,
N−ジメチルホルムアミド230.0重量部、メチルエ
チルケトン210.0重量部及びトルエン140.0重量
部をこの順に添加した。反応の終了は、赤外スペクトル
の2,270cm-1のNCO基の吸収の消失により確認し
た。得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成
物は、外観が微黄色透明粘液状であり、不揮発分が3
0.4重量%、粘度が23,000mPa・s(20℃)であ
った。このポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物
を、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物Bとす
る。 合成例3 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリヘキサメチレンカ
ーボネートジオール[宇部興産(株)、UH−CARB
100、数平均分子量1,009]181.8重量部、
N,N−ジメチルホルムアミド120.0重量部及びジブ
チル錫ジラウレート0.5重量部をこの順に仕込んだ。
次いで、30℃以下に冷却し、4,4'−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート47.2重量部及びイソホロ
ンジイソシアネート40.2部を加え、60〜70℃で
4.5時間反応させて、NCO含有率が3.89重量%の
ウレタンプレポリマーを得た。再び、系内を30℃以下
に冷却したのち、イソホロンジアミン30.8重量部を
加え、60〜70℃で2.5時間反応させた。系内の粘
度上昇に従って、N,N−ジメチルホルムアミド230.
0重量部、メチルエチルケトン210.0重量部及びト
ルエン140.0重量部をこの順に添加した。反応の終
了は、赤外スペクトルの2,270cm-1のNCO基の吸
収の消失により確認した。得られたポリカーボネート系
ポリウレタン樹脂組成物は、外観が微黄色透明粘液状で
あり、不揮発分が30.9重量%、粘度が34,000mP
a・s(20℃)であった。このポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂組成物を、ポリカーボネート系ポリウレタ
ン樹脂組成物Cとする。
【0013】合成例4 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリエステルポリオー
ル[日本ポリウレタン工業(株)、ニッポランN−15
0、アジピン酸とジエチレングリコールの重合物、数平
均分子量1,002]192.2重量部、N,N−ジメチ
ルホルムアミド120.0重量部及びエチレングリコー
ル11.9重量部をこの順に仕込んだ。次いで、30℃
以下に冷却し、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート95.9重量部を加え、60〜70℃で4.5時間反
応させた。系内の粘度上昇に従って、N,N−ジメチル
ホルムアミド230.0重量部、メチルエチルケトン2
10.0重量部及びトルエン140.0重量部をこの順に
添加した。反応の終了は、赤外スペクトルの2,270c
m-1のNCO基の吸収の消失により確認した。得られた
ポリエステル系ポリウレタン樹脂組成物は、外観が徴黄
色透明粘液状であり、不揮発分が30.6重量%、粘度
が22,000mPa・s(20℃)であった。 合成例5 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリテトラメチレング
リコール[保土谷化学工業(株)、PTG−1100、数
平均分子量1,075]197.0重量部、N,N−ジメ
チルホルムアミド120.0重量部及びエチレングリコ
ール11.4重量部をこの順に仕込んだ。次いで、30
℃以下に冷却し、4,4'−ジフェニルメタンジイソシア
ネート91.6重量部を加え、60〜70℃で4.5時間
反応させた。系内の粘度上昇に従って、N,N−ジメチ
ルホルムアミド230.0重量部、メチルエチルケトン
210.0重量部及びトルエン140.0重量部をこの順
に添加した。反応の終了は、赤外スペクトルの2,27
0cm-1のNCO基の吸収の消失により確認した。得られ
たポリエーテル系ポリウレタン樹脂組成物は、外観が微
黄色透明粘液状であり、不揮発分が29.8重量%、粘
度が26,000mPa・s(20℃)であった。 合成例6 窒素置換した四つ口フラスコに、ポリヘキサメチレンカ
ーボネートジオール[宇部興産(株)、UH−CARB
100、数平均分子量1,009]171.6重量部、ポ
リエステルポリオール[日本ポリウレタン(株)、ニッポ
ランN−150、アジピン酸とジエチレングリコールの
重合物、数平均分子量1,002]21.1重量部、N,
N−ジメチルホルムアミド120.0重量部及びエチレ
ングリコール11.9重量部をこの順に仕込んだ。次い
で、30℃以下に冷却し、4,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネート95.5重量部を加え、60〜70℃で
4.5時間反応させた。系内の粘度上昇に従って、N,N
−ジメチルホルムアミド230.0重量部、メチルエチ
ルケトン210.0重量部及びトルエン140.0重量部
をこの順に添加した。反応の終了は、赤外スペクトルの
2,270cm-1のNCO基の吸収の消失により確認し
た。得られたポリカーボネート−ポリエステル系ポリウ
レタン樹脂組成物は、外観が微黄色透明粘液状であり、
不揮発分が29.8重量%、粘度が24,000mPa・s
(20℃)であった。
【0014】実施例1 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物A85重量部、トルエン10重量部及び式[1
2]で表される構造を有するアルキル置換芳香族縮合リ
ン酸エステル5重量部を配合して、難燃性ポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂組成物を調製した。この難燃性
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物から作製し
たフィルムの破断強度は60.8N/mm2であり、破断伸
度は360%であった。耐熱処理後のフィルムの破断強
度は58.8N/mm2、破断伸度は430%であり、強度
保持率は97%であった。耐候処理後のフィルムの破断
強度は59.8N/mm2、破断伸度は390%であり、強
度保持率は98%であった。難燃性ポリカーボネート系
ポリウレタン樹脂組成物を、目付け180g/m2、経
緯糸46本/inのナイロン66長繊維平織物上に、ナ
イフコーティングにより約66.7g/m2塗工し、11
0℃で5分乾燥したのち、150℃で1分キュアリング
し、コーティング量約20g/m2の難燃性布帛を得
た。この難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性であ
り、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm2・s
以下であった。
【化13】 実施例2 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物Aの代わりに、合成例2で得られたポリカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂組成物B85重量部を用いた
以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボネート
系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフィルム
及び難燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断強度は
58.8N/mm2であり、破断伸度は380%であった。
耐熱処理後のフィルムの破断強度は57.8N/mm2、破
断伸度は420%であり、強度保持率は98%であっ
た。耐候処理後のフィルムの破断強度は57.8N/m
m2、破断伸度は410%であり、強度保持率は98%で
あった。難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性であ
り、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm2・s
以下であった。 実施例3 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物Aの代わりに、合成例3で得られたポリカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂組成物C85重量部を用いた
以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボネート
系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフィルム
及び難燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断強度は
53.9N/mm2であり、破断伸度は510%であった。
耐熱処理後のフィルムの破断強度は50.0N/mm2、破
断伸度は540%であり、強度保持率は93%であっ
た。耐候処理後のフィルムの破断強度は51.9N/m
m2、破断伸度は530%であり、強度保持率は96%で
あった。難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性であ
り、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm2・s
以下であった。
【0015】比較例1 トルエンの配合量を14重量部、式[12]で表される
構造を有するアルキル置換芳香族縮合リン酸エステルの
配合量を1重量部とした以外は実施例1と同様にして、
難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を調
製し、作製したフィルム及び難燃性布帛の評価を行っ
た。フィルムの破断強度は62.7N/mm2であり、破断
伸度は340%であった。耐熱処理後のフィルムの破断
強度は60.8N/mm2、破断伸度は400%であり、強
度保持率は97%であった。耐候処理後のフィルムの破
断強度は61.7N/mm2、破断伸度は390%であり、
強度保持率は98%であった。難燃性布帛は、難燃性試
験において、燃焼速度は110mm/minであり、密閉性
試験において、通気速度は0.3cm3/cm2・s以下であっ
た。 比較例2 トルエンの配合量を2重量部、式[12]で表される構
造を有するアルキル置換芳香族縮合リン酸エステルの配
合量を13重量部とした以外は実施例1と同様にして、
難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を調
製し、作製したフィルム及び難燃性布帛の評価を行っ
た。フィルムの破断強度は25.5N/mm2であり、破断
伸度は190%であった。耐熱処理後のフィルムの破断
強度は23.5N/mm2、破断伸度は210%であり、強
度保持率は92%であった。耐候処理後のフィルムの破
断強度は24.5N/mm2、破断伸度は230%であり、
強度保持率は96%であった。難燃性布帛は、難燃性試
験の結果は自消性であり、密閉性試験において、通気速
度は5cm3/cm2・sであった。 比較例3 式[12]で表される構造を有するアルキル置換芳香族
縮合リン酸エステルの代わりに、式[13]で表される
構造を有するヘキサブロモシクロドデカン5重量部を配
合した以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフ
ィルム及び難燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断
強度は61.7N/mm2であり、破断伸度は350%であ
った。耐熱処理後のフィルムの破断強度は43.1N/m
m2、破断伸度は310%であり、強度保持率は70%で
あった。耐候処理後のフィルムの破断強度は58.8N
/mm2、破断伸度は360%であり、強度保持率は95
%であった。難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性
であり、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm
2・s以下であった。
【化14】 比較例4 式[12]で表される構造を有するアルキル置換芳香族
縮合リン酸エステルの代わりに、式[14]で表される
構造を有するテトラブロモビスフェノールS5重量部を
配合した以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製した
フィルム及び難燃性布帛の評価を行った。フィルムの破
断強度は44.1N/mm2であり、破断伸度は340%で
あった。耐熱処理後のフィルムの破断強度は39.2N
/mm2、破断伸度は330%であり、強度保持率は89
%であった。耐候処理後のフィルムの破断強度は41.
2N/mm2、破断伸度は310%であり、強度保持率は
93%であった。難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自
消性であり、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3
/cm2・s以下であった。
【化15】
【0016】比較例5 式[12]で表される構造を有するアルキル置換芳香族
縮合リン酸エステルの代わりに、式[15]で表される
構造を有する芳香族縮合リン酸エステル5重量部を配合
した以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフィ
ルム及び難燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断強
度は60.8N/mm2であり、破断伸度は350%であっ
た。耐熱処理後のフィルムの破断強度は32.3N/m
m2、破断伸度は320%であり、強度保持率は53%で
あった。耐候処理後のフィルムの破断強度は22.5N
/mm2、破断伸度は330%であり、強度保持率は37
%であった。難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性
であり、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm
2・s以下であった。
【化16】 比較例6 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物Aの代わりに、合成例4で得られたポリエステ
ル系ポリウレタン樹脂組成物85重量部を用いた以外は
実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフィルム及び難
燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断強度は26.
5N/mm2であり、破断伸度は390%であった。耐熱
処理後のフィルムの破断強度は22.5N/mm2、破断伸
度は320%であり、強度保持率は85%であった。耐
候処理後のフィルムの破断強度は2.0N/mm2、破断伸
度は50%であり、強度保持率は8%であった。難燃性
布帛は、難燃性試験の結果は自消性であり、密閉性試験
において、通気速度は0.3cm3/cm2・s以下であった。 比較例7 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物Aの代わりに、合成例5で得られたポリエーテ
ル系ポリウレタン樹脂組成物85重量部を用いた以外は
実施例1と同様にして、難燃性ポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂組成物を調製し、作製したフィルム及び難
燃性布帛の評価を行った。フィルムの破断強度は46.
1N/mm2であり、破断伸度は410%であった。耐熱
処理後のフィルムの破断強度は21.6N/mm2、破断伸
度は300%であり、強度保持率は47%であった。耐
候処理後のフィルムの破断強度は40.2N/mm2、破断
伸度は380%であり、強度保持率は87%であった。
難燃性布帛は、難燃性試験の結果は自消性であり、密閉
性試験において、通気速度は0.3cm3/cm2・s以下であ
った。 比較例8 合成例1で得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂組成物Aの代わりに、合成例6で得られたポリカーボ
ネート−ポリエステル系ポリウレタン樹脂組成物85重
量部を用いた以外は実施例1と同様にして、難燃性ポリ
カーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を調製し、作製
したフィルム及び難燃性布帛の評価を行った。フィルム
の破断強度は56.8N/mm2であり、破断伸度は370
%であった。耐熱処理後のフィルムの破断強度は49.
0N/mm2、破断伸度は340%であり、強度保持率は
86%であった。耐候処理後のフィルムの破断強度は3
8.2N/mm2、破断伸度は290%であり、強度保持率
は67%であった。難燃性布帛は、難燃性試験は自消性
であり、密閉性試験において、通気速度は0.3cm3/cm
2・s以下であった。実施例1〜3及び比較例1〜8の配
合組成を第1表に、フィルム及び難燃性布帛についての
評価結果を第2表に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】第2表に見られるように、ポリカーボネー
ト系ポリウレタン樹脂100重量部に対して、アルキル
置換芳香族縮合リン酸エステル約20重量部を配合した
実施例1〜3の難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂組成物は、形成されるフィルムが良好なフィルム物
性を有し、耐熱処理又は耐候処理によっても強度の低下
が少ない。また、これらの樹脂組成物をコーティングし
て得られる難燃性布帛は、優れた難燃性を有し、通気速
度が小さく、密閉性にも優れている。これに対して、ア
ルキル置換芳香族縮合リン酸エステルの配合量が少ない
比較例1の組成物をコーティングした布帛は、難燃性が
不足している。アルキル置換芳香族縮合リン酸エステル
の配合量が多すぎる比較例2の組成物をコーティングし
て得られる難燃性布帛は、密閉性が不足している。難燃
剤としてヘキサブロモシクロドデカンを配合した比較例
3の組成物から形成されるフィルムは、耐熱性が劣る。
難燃剤としてテトラブロモビスフェノールSを配合した
比較例4の組成物から形成されるフィルムは、耐熱性が
やや劣る。難燃剤として、アルキル基置換がない芳香族
縮合リン酸エステルを配合した比較例5の組成物から形
成されるフィルムは、耐熱性と耐候性がともに劣る。ポ
リカーボネート系ポリウレタン樹脂の代わりにポリエス
テル系ポリウレタン樹脂を用いた比較例6の組成物から
形成されるフィルムは、耐候性が著しく劣る。ポリエー
テル系ポリウレタン樹脂を用いた比較例7の組成物から
形成されるフィルムは、耐熱性が劣り、耐候性もやや劣
る。ポリオール中のポリカーボネートポリオールが90
重量%未満であるポリカーボネート−ポリエステル系ポ
リウレタン樹脂を用いた比較例8の組成物から形成され
るフィルムは、耐熱性と耐候性がやや劣る。
【0022】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂組成物から形成されるフィルムは、良好な
物性を有し、長時間の加熱処理を行っても強度の低下が
少ない耐熱性と、長時間高湿度の雰囲気中に保っても強
度の低下が少ない耐加水分解性と耐候性を備えている。
本発明組成物を用いて加工した難燃性布帛は、優れた難
燃性と密閉性を兼ね備えている。
フロントページの続き (72)発明者 田辺 一雄 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 久保 宣弘 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 梅谷 慎一 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 野形 明広 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 長田 勝栄 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CK051 EW046 FD130 FD136 GK02 GL00 GN00 4J034 BA08 CA03 CA04 CA05 CA15 CB03 CB04 CB05 CB07 CC02 CC03 CC08 CC10 CC12 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 CC67 CD06 CD13 DA01 DB03 DB07 DF01 DF02 DF16 DG00 DP18 HA01 HA07 HB17 HC03 HC12 HC13 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 JA14 KA01 KB02 KC17 KD02 KD12 KE02 QB17 RA09 RA10 RA12 4L033 AA08 AB05 AC05 BA39 CA52

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネートポリオールが90重量%
    以上であるポリオール成分、有機ポリイソシアネート化
    合物及び鎮伸長剤から得られるポリカーボネート系ポリ
    ウレタン樹脂100重量部に対して、アルキル置換芳香
    族縮合リン酸エステル5〜50重量部を配合してなるこ
    とを特徴とする難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリカーボネートポリオールが、一般式
    [1]で表される化合物である請求項1記載の難燃性ポ
    リカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中、nは、5〜50であり、Rは、(C
    2)m又は一般式[2]で表される2価の基であり、m
    は、4〜8である。) 【化2】 (ただし、式中、p及びqは、それぞれ1〜3であ
    る。)
  3. 【請求項3】アルキル置換芳香族縮合リン酸エステル
    が、一般式[3]で表される化合物である請求項1又は
    請求項2記載の難燃性ポリカーボネート系ポリウレタン
    樹脂組成物。 【化3】 (ただし、式中、R1は、式[4]、[5]、[6]、
    [7]、[8]、[9]、[10]又は[11]で表さ
    れる2価の芳香族基であり、R2は、炭素数1〜3のア
    ルキル基であり、複数個のR2は、同一であっても、異
    なっていてもよく、R3は、水素又は炭素数1〜3のア
    ルキル基であり、複数個のR3は、同一であっても、異
    なっていてもよい。) 【化4】
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2又は請求項3記載の難
    燃性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物を用い
    て加工した難燃性布帛。
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