JP3704137B2 - ポリテトラメチレンカーボネートジオールを用いた熱可塑性ポリウレタン及びポリテトラメチレンカーボネートジオールの製造法 - Google Patents
ポリテトラメチレンカーボネートジオールを用いた熱可塑性ポリウレタン及びポリテトラメチレンカーボネートジオールの製造法 Download PDFInfo
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Description
すなわち、本発明は、
1.ポリテトラメチレンカーボネートジオールと有機ジイソシアネートからなるプレポリマー(A)が鎖延長剤により延長されてなる熱可塑性ポリウレタンであって、
(a)ポリテトラメチレンカーボネートジオールの分子量が500〜10000であり、
(b)有機ジイソシアネートが脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートから選ばれたジイソシアネートであり、
(c)プレポリマー(A)が下記(1)式で示される構造を有し、
(d)鎖延長剤が分子量300以下のジオール、ジアミン、ヒドラジン、水から選ばれたものであり、
(e)分子量が3万〜20万であり、
(f)ゲルが5%以下である
ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン。
3.上記のコーティング剤組成物を用いて得られる合成皮革。
4.上記のコーティング剤組成物を用いて得られる人工皮革。
5.ブタンジオールとジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネートの中から選ばれた1種類を反応させポリテトラメチレンカーボネートジオールを得る反応において、酸性化合物を用いることを特徴とする下記(2)式に示されるテトラメチレンカーボネートジオールの製造法である。
本発明の熱可塑性ポリウレタンに用いるプレポリマー(A)の一つの原料となるポリテトラメチレンカーボネートジオール(a)は、分子量が500〜10000のものが用いられ、800〜5000のものが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリウレタンに用いるプレポリマー(A)の他の原料となる脂肪族ジイソシアネート(b)としては、脂肪族基の炭素数が4〜13のジイソシアネートが好ましく、直鎖、分岐、環状のものいずれも用い得る。具体的にはテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環族ジイソシアネートとしては、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジソシアネート(水添TDI)、1,2−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアネート(水添XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)等が挙げられる。
本発明のポリウレタンのプレポリマー(A)は前記(1)式で示されるように、ジイソシアネートで構成され、両末端にイソシアネート基を有する直鎖状プレポリマーであり、非架橋タイプであり、熱可塑性を示す。(1)式において、n、mの数値はそれぞれ、1〜50、3〜43が適当であり、目的とするポリウレタンの分子量(3万〜20万)から、当業者が適宜選択すればよい。
本発明の熱可塑性ポリウレタンは必要に応じて、末端停止剤により末端を封鎖することが出来る。その際に用いる末端停止剤としては、メタノール、エタノールに代表される低級脂肪族モノアルコール、あるいはエチレンアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等に代表される炭素数2〜12程度のアルキルアミン等が挙げられる。
またこれらの反応は、溶媒を用いて行ってもよく、好ましい溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン等のイソシアネート不活性溶媒の一種または二種以上が挙げられる。さらには、溶媒としてイソシアネート不活性の溶媒を用いて前記プレポリマーを合成し、該プレポリマーを乳化分散した後で鎖延長剤を加えて高分子量化し、さらに脱溶剤して得られるポリウレタンラテックスを得る方法もある。
また本発明のコーティング剤組成物は、本発明の熱可塑性ポリウレタンを上記した、イソシアネート不活性の溶媒を用いて合成したものをそのまま使用することも出来るが、粘度調整、乾燥性コントロール等の目的で、エタノール、ブタノール、イソプロパノ−ル、等のアルコールを加えることも可能である。
本発明の合成皮革製造に用いられる基材としては、例えば綿などの天然繊維、ビスコースレーヨンなどの再生人造繊維、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アクリルなどの合成繊維を単独あるいは2種以上からなる混紡繊維の編織物が挙げられる。
接着方法としては、本発明のコーティング剤組成物を単独あるいは、これにポリイソシアネート等の硬化剤を混合したものを接着剤として用い、基材または本発明のコーティング剤組成物の皮膜にこれらの接着剤を塗布し貼り合わせた後に溶剤を揮発させる。また、上記の接着剤を基材または本発明のコーティング剤組成物の皮膜にそれぞれ塗布し、溶剤を揮発させた後に基材と組成物の皮膜とを圧着してもよい。
一方、本発明の人工皮革は、上記の合成皮革のように基材の表面が、本発明のコーティング剤組成物で覆われているものではなく、人工皮革用基材の内部にコーティング剤組成物を含浸させ、その固形物を上記基材中に保持しているものである。
以上の極細繊維と編織物からなる起毛布はくを得るには、例えばランダムウェーバーやクロスレイヤーあるいは抄造法等により不織布を形成し、編織物類をまんなかに挿入するなどして積層し、ニードルパンチや高圧柱状水流などのより極細繊維同士および極細繊維と編織物類相互を一体化することにより得られる。
本発明におけるポリテトラメチレンカーボネートジオールの合成反応を一般式で表すと下記式(3)、(3’)の様になる。
この反応は、ブタンジオールとカーボネート化剤のエステル交換反応であり、また平衡反応であるため、副生するアルコール類を系から除去することにより反応が進行する。この反応における副生物としてはテトラヒドロフラン(THF)とブタンジオールの環状カーボネートであるブチレンカーボネート(BC)があり、その生成メカニズムとしては、2つのパスが考えられる。即ちパス1は、下記式(4)、(4’)で示されるように、ブタンジオールとカーボネート化剤からの直接脱炭酸や直接環化によりTHFとBCが生成するパスであり、ブタンジオールまたはカーボネート化剤の濃度の高い反応初期において支配的であり、パス2は、下記式(5)で示されるようにポリテトラメチレンカーボネートの末端が環化及び環化脱炭酸して生成するパスであり、ポリマー濃度の高い反応後期において支配的である。
このようにポリテトラメチレンカーボネートジオールの合成反応においては、反応初期では副反応により反応速度が低下し、反応後期ではポリマーの末端が副反応により切断され、分子量が上がりにくく、ポリテトラメチレンカーボネートジオールを効率良く生成させることが困難となる。
下記式(6)、(6’)に示すようなブタンジオールとカーボネート化剤をエステル交換し、数平均分子量が300〜1000程度の低分子量のポリテトラメチレンカーボネートジオールを合成し、未反応モノマーを除去した後、再びカーボネート化剤を加え鎖延長反応を行う方法、
下記式(7)、(7’)に示すような(6)、(6’)の方法と同様に未反応モノマーを除去した低分子量ポリテトラメチレンカーボネートジオールどうしを自己縮合する方法があり、どの方法を用いてもよい。
本発明のポリテトラメチレンカーボネートジオールの反応は、平衡反応であるため副生するアルコール類や塩化水素を系外に除去することにより反応が進行する。選択的にこれらを除去するために、反応器に蒸留塔をつけて反応を行うことが効率的である。
反応圧力は、副生するアルコール類や塩化水素が効率よく除去できる常圧〜01mmHgの範囲で適当に選択する。
本発明のポリテトラメチレンカーボネートジオールの製造に用いられる酸性化合物としては、燐酸、亜燐酸、酸性亜燐酸エステル、亜燐酸エステル、燐酸エステル等が好ましい。具体的には、ホスホン酸メチル、ホスホン酸ジメチルホスホン酸エチル、ホスホン酸ジエチル、ホスホン酸プロピル、ホスホン酸ジプロピル、ホスホン酸イソプロピル、ホスホン酸ジイソプロピル、ホスホン酸ブチル、ホスホン酸ジブチル、ホスホン酸ラウリル、ホスホン酸ジラウリル、ホスホン酸ステアリル、ホスホン酸ジステアリル、ホスホン酸ジベンジル、ホスホン酸ジオクチル、ホスホン酸ジオレイル、ホスホン酸ジフェニル等の酸性燐酸エステル、亜燐酸モノメチル、亜燐酸ジメチル、亜燐酸(2−エチルヘキシル)、亜燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜燐酸(ラウリルフェニル)等の亜燐酸エステル、燐酸ジベンジル、燐酸ジ−n−ブチル、燐酸ジセチル、燐酸ジデシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸ジヘキサデシル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステルを挙げることが出来る。
実施例中の熱可塑性ポリウレタンの物性は、以下の方法で評価した。
(耐光性):
試料(幅10mm、長さ60mm、厚み100μm)を、スガ試験機(株)製のフェドメータを用いて、63℃×100時間、暴露テストを実施した後、取り出し、黄変度、フィルム強度保持率を、以下の方法で測定した。
強度保持率(%)=(K2/K1)×100
K1:フェドメータ暴露前のフィルム強度(Kg/cm2 )
K2:フェドメータ暴露後のフィルム強度(Kg/cm2 )
なお、フィルムの強度は、上記試料を用いて、以下の条件で、JISK−7311に準じて測定した。
(株)オリエンテック社製RTA−100
把握長:30mm
引っ張り速度:300mm/分
測定雰囲気:25℃×65%RH
(耐オレイン酸性):
試料(幅10mm、長さ60mm、厚み100μm)をオレイン酸中に室温にて1週間浸漬後、膨潤度と機械的物性(強度、伸び、100%モジュラス:100%MD)の保持率を下記式により求めた。
W1:浸漬前の空気中の質量(g)
W2:浸漬後の空気中の質量(g)
強度保持率(%)=(S2/S1)×100
S1:浸漬前のフィルム強度(Kg/cm2 )
S2:浸漬後のフィルム強度(Kg/cm2 )
なお、機械的物性は、試料(幅10mm、長さ60mm、厚み100μm)を用いて、以下の条件で、JISK−7311に準じて測定した。
(株)オリエンテック社製RTA−100
把握長:30mm
引っ張り速度:300mm/分
測定雰囲気:25℃×65%RH
(耐アルコール性):
試料(幅10mm、長さ60mm、厚み100μm)をエタノール中に室温にて1週間浸漬後、膨潤度と機械的物性(強度、伸び、100%モジュラス:100%MD)の保持率を下記式により求めた。
W1:浸漬前の空気中の質量(g)
W2:浸漬後の空気中の質量(g)
機械的物性の保持率(%)=(S2/S1)×100
S1:浸漬前のフィルムの機械的物性
S2:浸漬後のフィルムの機械的物性
なお、機械的物性は、試料(幅10mm,長さ60mm、厚み100μm)を用いて、以下の条件で、JIS K−7311に準じて測定した。
(株)オリエンテック社製RTA−100
把握長:30mm
引っ張り速度:300mm/分
測定雰囲気:25℃×65%RH
(耐加水分解性):
試料(幅10mm、長さ60mm、厚み100μm)を100℃熱水中7日間浸漬し分子量の保持率を下記式で求めた。
M1:浸漬前のフィルムの分子量(GPCで測定)
M2:浸漬後のフィルムの分子量(GPCで測定)
(ポリウレタンの数平均分子量測定):
得られたポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF)1重量%溶液を作成し、GPCを用いて以下の条件にて、標準ポリスチレン換算の数平均分子量を求める。
KD−804&DD805(2本直列)
カラムオーブン 島津 CTO−6A
温度 40℃
流速 1ミリリットル/分
検出器 示差屈折計 島津RID−6A
データ処理装置 東ソー(株)製 CP−8000
(ポリウレタンのゲル%):
得られたポリウレタン10gを200ミリリットルの三角フラスコに秤量し、DMF90gを加えて、50℃に温調したシェーカーにて60分振とうした後、400メッシュ金網にてろ過し、未溶解分をろ別する。該未溶解分を乾燥後、重量を測定して、下記式にてゲル%を求めた。
X:未溶解分の重量(g)
撹拌機、温度計、分溜管を備えた3リットル反応器に、エチレンカーボネート1584g(18モル)、1,4ーブタンジオール1440g(16モル)、酢酸鉛3mgを入れ、温度が130℃、圧力が35mmHg〜17mmHgで10時間反応させた。この際、分溜管の塔頂から共沸組成のエチレンカーボネートとエチレングリコールが留出し、また真空ポンプ用のトラップには仕込のブタンジオールに対して2モル%のTHF(テトラヒドロフラン)の生成が見られた。次に圧力を常圧に戻し、エチレンカーボネートを317g(3.6モル)を添加した後、温度を150℃に上げ、圧力35mmHg〜17mmHgで8時間反応させた。この時も分溜管の塔頂からは共沸組成のエチレンカーボネートとエチレングリコールが留出し、コールドトラップには、仕込のブタンジオールに対して2モル%のTHFが生成していた。この時反応器内には1800gのポリテトラメチレンカーボネートジオールがあり、その分子量はGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)にて測定した結果は約1500(水酸基価=77.3mg・KOH/g)であった。
実施例1と同様の反応器にブタンジオールとエチレンカーボネートを実施例1と同様の条件で仕込み、130℃、圧力35mmHg〜17mmHgで10時間反応させた。実施例1と同様に分溜管の塔頂からは共沸組成のエチレンカーボネートとエチレングリコールが留出した。発生したTHFは仕込みのブタンジオールに対して2モル%であった。
燐酸ジ(2ーエチルヘキシル)を0.5g(実施例1の5倍)添加すること以外は、実施例1と同様にして分溜管の塔頂から共沸組成のエチレンカーボネートとエチレングリコールを留出させて、THFをコールドトラップで回収した。反応器内には分子量1480のポリテトラメチレンカーボネートジオールが生成しており、副生したTHFは4モル%であった。
反応後半のモノマー分離の後の条件を、圧力3mmHg、温度200℃、反応時間10時間とする以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、分子量が3500(水酸基価=32mg・KOH/g)のポリテトラメチレンカーボネートジオールを1500g得た。この時副生したTHFの全量は、仕込のブタンジオールに対して5.5%であった。
酸性化合物として、燐酸ジ−n−ヘキサデシルを0.2g用いること以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、分子量が1900(水酸基価=58.9mg・KOH/g)のポリテトラメチレンカーボネートジオールを1700g得た。この時副生したTHFの全量は、仕込のブタンジオールに対して4.8%であった。
酸性化合物として、亜燐酸を0.2g用いること以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、分子量が2000(水酸基価=58.0mg・KOH/g)のポリテトラメチレンカーボネートジオールを1730g得た。この時副生したTHFの全量は、仕込みのブタンジオールに対して4.9モル%であった。
比較例1の方法で製造した分子量1500のポリテトラメチレンカーボネートジオール200gを500ミリリットルのナスフラスコにとり、そこに燐酸ジ(2ーエチルヘキシル)10mgを加え、190℃、3mmHgで2時間ブタンジオールを留出させながら反応した。生成したポリテトラメチレンカーボネートジオールの数平均分子量は2500(水酸基価=46.4mg・KOH/g)であった。
実施例6と同様に分子量1500のポリテトラメチレンカーボネートジオールを200gとり、190℃、3mmHgで2時間反応させたが、THFが5g生成し分子量の増加は見られなかった。
比較例2と同様にして、200℃、2mmHgで10時間反応させたが、THFが10g生成し、分子量の増加は見られなかった。
実施例1で得られたポリテトラメチレンカーボネートジオール205部、ヘキサメチレンジイソシアネート100.8部を撹拌装置、温度計、冷却管のついた反応器に仕込み、100℃で4時間反応し、NCO末端のプレポリマーを得た。このプレポリマーに鎖延長剤の1,4ーブタンジオール44.63部、末端停止剤のn−ブタノール0.60部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.007部を加えて、ニーダー内蔵のラボ用万能押出機:(株)笠松化工研究所製LABO用万能押出機KR−35型にて170℃にて2時間反応させた後、スクリューで押し出しストランドにし、ペレタイザーにかけペレットを作製した。得られたポリウレタンペレットの数平均分子量(Mn)は85000、ゲル%は0であった。
実施例1で得たポリテトラメチレンカーボネートジオール205部、4,4'ーメチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)52.4部、ジブチル錫ジラウレート0.013部を撹拌装置、温度計、冷却管のついた反応器に仕込み、120℃で4時間反応し、NCO末端のプレポリマーを得た。このプレポリマーに鎖延長剤の1,4−ブタンジオール8.15部と反応停止剤のn−ブタノール1.5部を加え、ニーダー内蔵のラボ用万能押出機(笠松化工研究所製、LABO用万能押出機KR−35型)にて170℃で3時間反応させた後、スクリュータイプの押出機でストランドにした後、ペレタイザーにかけてペレットを作製した。得られたポリウレタンペレットの数平均分子量(Mn)は80000、ゲル%は0であった。
実施例7と同様にして、数平均分子量(Mn)が40000、ゲル%0のポリウレタンペレットを得た。このポリウレタンペレットを用いて、加圧成型機にて厚さ100μmのシートを作製した。このシートより作製したテストピースを用いて、耐光性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例7と同様にして、数平均分子量(Mn)が20000、ゲル%0のポリウレタンペレットを得た。このポリウレタンペレットを用いて、加圧成型機にて厚さ100μmのシートを作製した。このシートより作製したテストピースを用いて、耐光性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例1で得たポリテトラメチレンカーボネートジオール679.6部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)110.5部を撹拌装置、温度計、冷却管のついた反応器に仕込み、60℃で2時間反応し、NCO末端のプレポリマーを得た。(株)オートマシーン開発社製の二液混合機:TT−1001を用いて、80℃に加温したプレポリマー溶液と、常温の鎖延長剤1,4−ブタンジオール8.15部と末端停止剤のn−ブタノール1.5部の混合液をミキシングした後、ニーダー内蔵のラボ用万能押出機(笠松化工研究所製のLABO用万能押出機:KR−35型)にて120℃にセットしたスクリューで押し出し、ストランドにした後、ペレタイザーにかけてペレットを作製した。得られたポリウレタンの数平均分子量(Mn)は80000、ゲル%は0であった。
ポリオールとしてポリヘキサメチレンカーボネートジオール(東亜合成(株)製のカルボジオール:D−2000)を用いた以外は比較例5と同様にして、数平均分子量(Mn)は80000、ゲル%0のポリウレタンペレットを得た。このポリウレタンペレットを用いて、加圧成型機にて、厚さ100μmのシートを作製した。このシートより作製したテストピースを用いて、耐光性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例1の合成例で得られたポリテトラメチレンカーボネートジオール2055部、ジメチルフォルムアミド6396部を還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する反応器に入れ、充分に混合撹拌した後、4,4' −メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート:水添MDI)524部、ジブチル錫ジラウレート20ppmを添加しして、80℃で3時間反応し、NCO末端のプレポリマーを得た。イソフォロンジアミン(IPDA)163.06添加して、2時間程度鎖延長反応を行った後、反応停止剤としてジブチルアミン8.85部を添加してさ1時間反応を続けた。得られたポリウレタン溶液は固形分30%、数平均分子量(Mn)=80000、ゲル%0であった。
ジイソシアネートをイソフォロンジイソシアネートに代えた以外は、実施例10と同様にして、固形分30%、数平均分子量(Mn)=80000、ゲル%0のポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液をガラス板上に塗工し、実施例9と同様にして、膜厚100μmのシートを得た。得られたシートを用いて、耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を測定し、その結果を表2に示した。
ポリテトラメチレンカーボネートジオールをポリヘキサメチレンカーボネートジオール(東亜合成(株)製:D−2000)に代えた以外は、実施例10と同様にしてポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液をガラス板上に塗工し、実施例9と同様にして、膜厚100μmのシートを得た。得られたシートを用いて、耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を測定し、その結果を表2に示した。
ポリテトラメチレンカーボネートジオールをポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学(株)製:プラクセル220N)、ポリテトラメチレングリコール(三菱化成(株)製:PTMG−2000)に代えた以外は、実施例10と同様にしてポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液をガラス板上に塗工し、実施例9と同様にして、膜厚100μmのシートを得た。得られたシートを用いて、耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を測定し、その結果を表2に示した。
実施例10と同様にして、固形分30%、数平均分子量(Mn)=250000のポリウレタン溶液を製造した。合成中に粘度が上昇し、撹拌不能となった。
鎖延長剤としてトリメチロールプロパンを用いた以外は、実施例10と同様にしてポリウレタン溶液の合成を試みた。その結果、鎖延長剤をいれて延長反応を始めると、やがて粘度が急激に上昇し、撹拌棒にポリマーが巻き付き、撹拌不能となった。
シリコンペーパー表面に、実施例10で合成したポリウレタン溶液を乾燥厚みが45μmになるように塗布し、これを加熱乾燥し、ポリウレタン皮膜層とした。このポリウレタン皮膜層上にIPDI/PTMG−2000/N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン/モノエタノールアミン/ヒドラジンヒドラート=2/1/0.5/0.4/0.2よりなる主材に、水添加キシリレンジイソシアネートを架橋剤として添加したPTMG系二液型ポリウレタン接着剤を、目付け量130g/m2 、厚み118μmで塗布してポリウレタン接着層とした。この接着層に合成皮革用基材としての綿起毛布の起毛面を貼り合わせ、120℃にて4分間加熱し、接着剤を反応固化させた後、シリコンペーパー離型紙を剥離し、合成皮革Aを得た。得られた該合成皮革の物性を評価し、その結果を表3に示す。
シリコンペーパー表面に、実施例11で合成したポリウレタン溶液を乾燥厚みが45μmになるように塗布し、これを加熱乾燥し、ポリウレタン皮膜層とした。このポリウレタン皮膜層上にIPDI/PTMG−2000/Nー(2ーヒドロキシエチル)プロピレンジアミン/モノエタノールアミン/ヒドラジンヒドラート=2/1/0.5/0.4/0.2よりなる主材に、水添加キシリレンジイソシアネートを架橋剤として添加したPTMG系二液型ポリウレタン接着剤を目付け量130g/m2 、厚み118μmで塗布してポリウレタン接着層とした。この接着層に合成皮革用基材としての綿起毛布の起毛面を貼り合わせ、120℃にて4分間加熱し、接着剤を反応固化させた後、シリコンペーパー離型紙を剥離し、合成皮革Aを得た。得られた該合成皮革の物性を評価し、その結果を表3に示す。
比較例7で得たポリウレタン溶液を用いた以外は、実施例12と同様にして合成皮革Bを得た。得られた該合成皮革の物性を評価し、その結果を表3に示す。
比較例8、9で得たポリウレタン溶液を用いた以外は、実施例12と同様にして合成皮革C、Dを得た。得られた該合成皮革の物性を評価し、その結果を表3に示す。
直接紡糸法によって得られた単糸繊度0.1デニールのポリエチレンテレフタレート(以下PET)繊維を3mmにカットした。一方、単糸繊度1デニールのポリビニルアルコール(以下PVA)を3mmにカットした短繊維を準備し、PET繊維/PVA繊維比率=70/30重量%で混合し、抄造法にて目付け80g/m2 のシートを得た。
実施例10で得たポリウレタン溶液の固形分をジメチルフォルムアミドで15%に調整し、整泡剤(東レ・ダウコーニングシリコン(株)製:SF8427)を上記ポリウレタン溶液の固形分に対して10重量%添加してポリウレタンのコーティング組成物を得た。
こうして得たシート状物をロコ式染色機で分散染料(住友化学工業(株)製、商品名:SumikaronRedーSBL)10%owfで染色し、続いてハイドロサルファイトソーダー5%owfで還元洗浄した。さらに、アクリル酸エステル系の制電剤(NicepoleFE−18(日華化学(株)製))とシリコン系の撥水剤(ASAHI−GUARDAG−770(旭硝子(株)製)との量比が1:1の1%水分散液にシートを含浸し、マングルで絞液後、140℃の温度に設定したピンテンタードライヤーで、3%のオーバーフィード率で5分間の滞留時間で乾燥した。
実施例11で得たポリウレタン溶液を用いた以外は実施例14と同様にして、シート状物Bを得た。このシート状物を用いて耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を評価した。その結果を表4に示す。
比較例7で得たポリウレタン組成物を用いる以外は実施例14と同様にしてシート状物Bを得た。該シート状物を用いて耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を評価した。その結果を表4に示す。
比較例8、9で得たポリウレタン組成物を用いる以外は実施例14と同様にしてシート状物C、Dを得た。このシート状物を用いて耐加水分解性、耐オレイン酸性、耐アルコール性を評価した。その結果を表4に示す。
2 ポリウレタン接着層
3 ポリウレタン皮膜層
Claims (2)
- ブタンジオールとジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネートの中から選ばれた1種類を反応させポリテトラメチレンカーボネートジオールを得る反応において、酸性亜燐酸エステル、亜燐酸エステル、燐酸エステルから選ばれる酸性化合物を添加することを特徴とするポリテトラメチレンカーボネートジオールの製造方法。
- 酸性亜燐酸エステル、亜燐酸エステル、燐酸エステルから選ばれる酸性化合物が、ホスホン酸メチル、ホスホン酸ジメチルホスホン酸エチル、ホスホン酸ジエチル、ホスホン酸プロピル、ホスホン酸ジプロピル、ホスホン酸イソプロピル、ホスホン酸ジイソプロピル、ホスホン酸ブチル、ホスホン酸ジブチル、ホスホン酸ラウリル、ホスホン酸ジラウリル、ホスホン酸ステアリル、ホスホン酸ジステアリル、ホスホン酸ジベンジル、ホスホン酸ジオクチル、ホスホン酸ジオレイル、ホスホン酸ジフェニル等の酸性燐酸エステル、亜燐酸モノメチル、亜燐酸ジメチル、亜燐酸(2−エチルヘキシル)、亜燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜燐酸(ラウリルフェニル)等の亜燐酸エステル、燐酸ジベンジル、燐酸ジ−n−ブチル、燐酸ジセチル、燐酸ジデシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸ジヘキサデシル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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