JP2002121324A - セルロースアシレート溶液の保存方法およびセルロースアシレートフイルム - Google Patents

セルロースアシレート溶液の保存方法およびセルロースアシレートフイルム

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JP2002121324A JP2000316967A JP2000316967A JP2002121324A JP 2002121324 A JP2002121324 A JP 2002121324A JP 2000316967 A JP2000316967 A JP 2000316967A JP 2000316967 A JP2000316967 A JP 2000316967A JP 2002121324 A JP2002121324 A JP 2002121324A
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メメチレンクロリドのような塩素系有機溶剤
を実質的に使用しないセルロースアシレート溶液を安定
に保存する。 【解決手段】 セルロースアシレートが実質的に非塩素
系の溶剤に溶解している溶液を保存する方法において、
炭素原子数3以上12以下であるエーテル、ケトンまた
はエステルを含んでなる混合溶剤を用いて、セルロース
アシレート溶液を40℃以上あるいは0℃以下で保存す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアシレ
ート溶液の保存方法およびセルロースアシレートフイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアシレートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアシレ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。
【0003】セルロースアシレートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレ
ートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流
延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メルトキ
ャスト法では、セルロースアシレートを加熱により溶融
したものを支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成
する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法
よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することがで
きる。このため、実用的には、ソルベントキャスト法の
方が普通に採用されている。ソルベントキャスト法につ
いては、多くの文献に記載がある。最近のソルベントキ
ャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持
体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮
して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっ
ている。例えば、特公平5−17844号公報には、高
濃度ドープを冷却ドラム上に流延することにより、流延
後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案されてい
る。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアシレートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。平面性に優れ、厚みの均一なフ
イルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な
粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液
(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、
ゲル化が容易であることや支持体からの剥離が容易であ
ることも要求される。そのようなドープを調製するため
は、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒につい
ては、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないこと
も要求される。セルロースアシレートの溶媒として、様
々な有機溶媒が提案されているが、実用化されている有
機溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られてい
た。
【0005】しかしながら、メチレンクロリドのような
塩素系溶剤は、近年、地球環境保護の観点から、その使
用は著しく規制される方向にある。また、メチレンクロ
リドは、低沸点(41℃)であるため、製造工程におい
て揮散しやすい。このため、作業環境においても問題で
ある。これらの問題を防止するため、製造工程のクロー
ズド化が行なわれているが、密閉するにしても技術的な
限界がある。従って、メチレンクロリドの代替となるよ
うな、セルロースアシレートの溶媒を捜し求めることが
急務となっている。
【0006】ところで、汎用の有機溶剤であるアセトン
(沸点:56℃)は、比較的低い沸点を有し、乾燥負荷
がそれほど大きくない。また、人体や地球環境に対して
も、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、ア
セトンは、セルロースアシレートに対する溶解性が低
い。置換度2.70(酢化度58.8%)以下のセルロ
ースアセテートに対しては、アセトンは若干の溶解性を
示す。セルロースアシレートの置換度が2.70を越え
ると、アセトンの溶解性がさらに低下する。置換度2.
80(酢化度60.1%)以上のセルロースアシレート
となると、アセトンは膨潤作用を示すのみで溶解性を示
さない。
【0007】J.M.G.Cowie他の論文、Mak
romol,chem.,143巻、105頁(197
1年)は、置換度2.80(酢化度60.1%)から置
換度2.90(酢化度61.3%)のセルロースアシレ
ートを、アセトン中で−80℃から−70℃に冷却した
後、加温することにより、アセトン中にセルロースアシ
レートが0.5乃至5重量%に溶解している希薄溶液が
得られたことを報告している。以下、このように、セル
ロースアシレートと有機溶媒との混合物を冷却して、溶
液を得る方法を「冷却溶解法」と称する。また、セルロ
ースアシレートのアセトン中への溶解については、上出
健二他の論文「三酢酸セルロースのアセトン溶液からの
乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34巻、57頁(198
1年)にも記載がある。この論文は、その標題のよう
に、冷却溶解法を紡糸方法の技術分野に適用したもので
ある。論文では、得られる繊維の力学的性質、染色性や
繊維の断面形状に留意しながら、冷却溶解法を検討して
いる。この論文では、繊維の紡糸のために10乃至25
重量%の濃度を有するセルロースアシレートの溶液を用
いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように冷却溶解
法を用いて、セルロースアシレートのアセトン溶液を調
製することが可能になった。しかし、本発明者の鋭意検
討の結果、セルロースアシレートのアセトン溶液は、経
時安定性が悪く、溶解後3日程度で液が白濁することが
明らかとなった。この白濁はセルロースアシレートの相
分離と考えられ、セルロースアシレートドープからフイ
ルムを製膜する際に大きな問題となる。すなわち、白濁
したドープから作製されたフイルムはヘイズが高くなり
透明性が低下すると共に、白濁部分が異物故障として認
識される。また、フイルムの均一性が失われるために、
弾性率等の機械物性が低下する。
【0009】本発明の目的は、メチレンクロリドのよう
な塩素系有機溶剤を実質的に使用せずに、経時安定性に
優れたセルロースアシレート溶液の保存方法を提供する
ことである。また本発明の目的は、製膜後に異物の少な
いセルロースアシレート溶液を提供することでもある。
さらにまた本発明の目的は、メチレンクロリドのような
塩素系有機溶剤を使用せずに、優れたセルロースアシレ
ートフイルムを製造することでもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記(1)〜(5)を実施することで達成できる。 (1)セルロースアシレートが実質的に非塩素系の溶剤
に溶解している溶液を保存する方法であって、該溶剤
が、炭素原子数3以上12以下であるエーテル、ケトン
またはエステルを含んでなる混合溶剤であり、セルロー
スアシレート溶液を40℃以上あるいは0℃以下で保存
することを特徴とするセルロースアシレート溶液の保存
方法。
【0011】(2)セルロースアシレート溶液の2週間
保存後の濁度が、0乃至10NTU(mg/l)の範囲
にある(1)に記載のセルロースアシレート溶液の保存
方法。 (3)該溶剤が、炭素原子数4以上10以下の環状構造
を有するエーテル、ケトンまたはエステルを含む(1)
に記載のセルロースアシレート溶液の保存方法。 (4)該溶剤が、炭素原子数4以上10以下の環状構造
を有するケトンまたはエステルを含む(3)に記載のセ
ルロースアシレート溶液の保存方法。
【0012】(5)(1)〜(4)のいずれか一つに記
載の方法で保存された溶液を製膜して作成したセルロー
スアシレートフイルム。 (6)シリカ粒子、可塑剤および紫外線吸収剤が添加さ
れた(5)に記載のセルロースアシレートフイルム。
【0013】
【発明の実施の形態】セルロースアシレート原料のセル
ロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどがある
が、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシ
レートでも使用できるし、混合して使用してもよい。こ
れらのセルロースから得られる本発明のセルロースアシ
レートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式
(I)〜(III)の全てを満足するものである。 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8
【0014】ここで、式中A及びBはセルロースの水酸
基に置換されているアシル基の置換基を表し、Aはアセ
チル基の置換度、またBは炭素原子数3以上のアシル基
の置換度である。セルロースには1グルコース単位に3
個の水酸基があり、上記の数字はその水酸基3.0に対
する置換度を表すもので、最大の置換度が3.0であ
る。なお、置換度はセルロースの水酸基に置換する酢酸
及び炭素原子数3以上の脂肪酸の結合度を測定し、計算
によって得られる。測定方法としては、ASTMのD−
817−91に準じて実施することが出来る。B=0の
ものは、トリアセチルセルロース(TAC)と呼ばれ、
一方B>0のものをセルロース混合脂肪酸エステルとも
呼ばれている。より好ましくはTACである。TACは
式(V)および(VI)を満足するものである。 (V) 2.6≦A≦3.0 (VI) 0=B
【0015】セルロース混合脂肪酸エステルはアセチル
基の他に炭素原子数3〜5のアシル基を含むものであ
り、好ましいものとしてプロピオニル基(C2 5 CO
−)、ブチリル基(C3 7 CO−)(n−、iso
−)、バレリル基(C4 9 CO−)(n−、iso
−、sec−、tert−)が好ましく、特にn−プロピオ
ニル基が好ましい。これらのアシル基のアシル化剤とし
ては、酸無水物や酸クロライドである場合は反応溶剤と
しての有機溶剤は、有機酸、例えば酢酸やメチレンクロ
ライド等が使用される。触媒としては、硫酸のようなプ
ロトン性触媒が好ましく用いられる。アシル化剤が酸ク
ロライド(例えば、CH3 CH2 COCl)の場合には
塩基性化合物が用いられる。工業的な最も一般的な方法
は、セルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応す
る脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸)又はそ
れらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪
酸、無水吉草酸)を含む混合有機酸成分でアシル化して
セルロースアシレートを合成する。具体的な製造方法に
ついては、例えば、特開平10−45804号公報に記
載されている方法により合成出来る。セルロースアシレ
ートの重合度(粘度平均)は200〜700が好まし
く、より好ましく250〜550、さらに好ましくは2
50〜350である。これにより機械的強度を満足する
ことができる。なお、粘度平均重合度はオストワルド粘
度計で測定することができ、測定されたセルロースアシ
レートの固有粘度[η]から下記式により求められる。 DP=[η]/Km (式中DPは粘度平均重合度、
Kmは定数6×10-4
【0016】このような組成のセルロースアシレートを
実質的に非塩素系の溶剤に溶解した溶液(ドープ)を作
り、これを流延して製膜する。ここで、実質的に非塩素
系の溶剤とは、構造式中に塩素原子を含む溶剤の含率が
40質量%以下であることを意味する。構造式中に塩素
原子を含む溶剤の含率は、15質量%以下であることが
好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2
質量%以下であることががさらに好ましく、0質量%で
あるであることが最も好ましい。なお、一般には、構造
式中に塩素原子を上含む溶剤としては、炭素原子数が1
〜7の塩素置換炭化水素化合物(例、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロベンゼン)が用いられている。
溶剤は、炭素原子数3以上12以下であるエーテル、ケ
トンまたはエステルを含む。エーテル、ケトンまたはエ
ステルは、溶剤中に60質量%以上含まれていることが
好ましく、60乃至98質量%含まれていることがさら
に好ましく、60乃至90質量%含まれていることがさ
らに好ましい。
【0017】エーテル、ケトンまたはエステルの炭素原
子数は、4以上10以下であることが好ましい。エーテ
ル、ケトンまたはエステルは、分岐構造または環状構造
を有してもよい。環状構造を有するエーテル、ケトンま
たはエステル(ラクトン)は、特に好ましい。エーテ
ル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O
−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上
有する化合物も、エーテル、ケトンまたはエステルとし
て、用いることができる。また、上記の官能基を有し、
さらに別の官能基(例、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、
ホルミル、チオニル)を有する化合物も、エーテル、ケ
トンまたはエステルとして問題なく使用できる。なお、
エーテルは比較的セルロースアシレートに関する溶解性
が低いため、エーテルよりもケトンまたはエステルの方
が好ましい。
【0018】炭素原子数が3乃至12のエーテルの例に
は、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、1,3−ジ
オキソラン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオ
キサン、テトラヒドロフラン、メチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
アニソールおよびフェネトールが含まれる。炭素原子数
が3乃至12のケトンの例には、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、メチルペンチルケトン、シ
クロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
メチルシクロヘキサノン、1,4−シクロヘキサンジオ
ン、アセチルアセトンおよびアセトフェノンが含まれ
る。炭素原子数が3乃至12のエステルの例には、蟻酸
エチル、蟻酸n−プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸n−ペンチ
ル、プロピオン酸メチル、吉草酸プロピル、γ−ブチロ
ラクトン、ジアセトキシエタンが挙げられる。分子中に
二種類以上の官能基を有するエーテル、ケトンまたはエ
ステルの例には、2−エトキシ酢酸エチル、アセト酢酸
エチル、ジエチレングリコールモノ酢酸ブチル、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブト
キシエタノール、ジアセトンアルコール、乳酸メチル、
サリチル酸メチル、シアノ酢酸メチル、モルホリン、テ
トラヒドロフルフリルアルコールおよびフルフラールが
含まれる。溶剤中に二種類以上のエーテル、ケトンまた
はエステルを混合して用いてもよい。
【0019】溶剤は、エーテル、ケトンまたはエステル
とアルコールとの混合物であることが好ましい。アルコ
ールは、炭素原子数1乃至8のモノアルコールまたはジ
アルコールあるいは炭素原子数が2乃至10のフルオロ
アルコールが好ましい。アルコールの例には、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノー
ル、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、
シクロヘキサノール、エチレングリコール、2−フルオ
ロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノールお
よび2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノー
ルが含まれる。二種類以上のアルコールを併用してもよ
い。アルコールは全溶剤中2乃至質量%含まれることが
好ましく、3乃至30質量%含まれることがさらに好ま
しく、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下で
ある。エーテル、ケトンまたはエステルあるいはアルコ
ールに加えて、炭素原子数が5乃至10の芳香族または
脂肪族炭化水素を、溶剤に添加してもよい。炭化水素の
例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ンおよびキシレンが含まれる。溶剤中の炭化水素の量
は、10質量%以下であることが好ましい。
【0020】非塩素系溶剤の組み合わせを以下に示す。
かっこ内の割合は、質量部である。は、以下のものを挙
げることができる。 酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/エタノー
ル(=70/20/5/5) 酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセト酢酸メチル/
メタノール/エタノール(=50/20/20/5/
5) アセトン/アセト酢酸メチル/エタノール(75/20
/5) 酢酸メチル/γ−ブチロラクトン/メタノール/エタノ
ール(70/5/5/5) 酢酸メチル/1,4−ジオキサン/シクロペンタノン/
メタノール/1−ブタノール(=60/20/12/5
/3) アセトン/シクロペンタノン/メタノール/エタノール
(=60/30/5/5) 1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチ
ルケトン/メタノール/エタノール(=55/20/1
5/5/5)
【0021】これらの溶剤にセルロースアシレートを溶
解する時、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満さ
せてもよい。セルロースアシレート溶液の製膜直前の粘
度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常1
0ps・s〜2000ps・sの範囲に調製されること
が好ましいく、特に30ps・s〜400ps・sが好
ましい。この溶解は、通常定法に従い室温下でタンク中
の溶剤を撹拌しながら上記セルロースアシレートを添加
することで行なわれる。溶解時間をさらに短縮したい場
合には、下記冷却溶解法、高温溶解法のいずれか、ある
いは両方を用いることも好ましい。
【0022】冷却溶解法は、まず室温近辺の温度(−1
0〜40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹
拌しながら徐々に添加する。複数の溶剤を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶剤中
にセルロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例
えばアルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよ
いし、逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿
らせた後の主溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に
有効である。次に、混合物は−100〜−10℃、より
好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50
〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃に冷却さ
れる。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴
(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−
30〜−20℃)中で実施できる。冷却速度は、速いほ
ど好ましく、100℃/秒以上が好ましい。また冷却時
の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いる
ことが望ましい。冷却後0〜200℃(好ましくは0〜
150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好まし
くは0〜50℃)に加温すると、有機溶剤中にセルロー
スアシレートが流動する溶液となる。昇温は、室温中に
放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。ま
た、耐圧性容器を用い冷却時に加圧し、加温時に減圧す
ると溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧
を実施するためには、ることが望ましい。これらの冷
却、加温の操作は、2回以上繰り返しても良い。
【0023】高温溶解法は、室温近辺の温度(−10〜
40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹拌し
ながら徐々に添加される。複数の溶剤を用いる場合は、
その添加順は特に限定されない。例えば、主溶剤中にセ
ルロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例えば
アルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよい
し、逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿ら
せた後の主溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に有
効である。本発明のセルロースアシレート溶液は、各種
溶剤を含有する混合有機溶剤中にセルロースアシレート
を添加し予め膨潤させることが好ましい。その場合、−
10〜40℃でいずれかの溶剤中に、セルロースアシレ
ートを撹拌しながら徐々に添加してもよいし、場合によ
り特定の溶剤で予め膨潤させその後に他の併用溶剤を加
えて混合し均一の膨潤液としてもよく、更には2種以上
の溶剤で膨潤させしかる後に残りの溶剤をを加えても良
い。次にセルロースアシレートと溶剤混合液は、耐圧容
器内で0.2Mp〜30Mpaの加圧下で70〜240℃、
より好ましくは80〜220℃、更に好ましくは100
〜200℃、最も好ましくは100〜190℃に加熱さ
れる。この後、使用した溶剤の最も低い沸点以下に冷却
する。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻す
ことが一般的である。冷却は室温に放置するだけでもよ
く、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いてもよい。
これらの加熱、冷却の操作は、2回以上繰り返しても良
い。
【0024】ドープの濁度はポイック積分球式濁度計S
EP−PT−501D(藤本工業(株)製)を用い、2
5℃において測定する。ドープの濁度は、10NTU
(mg/l)以下であれば、フイルムとした際に特に問
題ない。あるいは、調液2週間後25℃で保存した際の
濁度が10NTU(mg/l)以下であれば、不溶解の
場合を除きドープとして用いることができる。濁度が1
0NTU(mg/l)を越えるドープ、または調液2週
間後25℃保存時に液の濁度変化が10NTU(mg/
l)を越えるドープは異物の発生、膜の機械特性低下、
透明性の低下が起こるため好ましくない。経時により濁
度が上昇するドープを40℃以上(好ましくは40〜8
0℃、さらに好ましくは40〜60℃、最も好ましくは
40〜55℃)あるいは0℃以下(好ましくは−70〜
0℃、さらに好ましくは−30〜0℃、最も好ましくは
−10〜0℃)で保存することで濁度の上昇を防止でき
る。40℃以上あるいは0℃以下で保存したドープはフ
イルムにした際に異物の発生、膜の機械特性低下、透明
性の低下等の問題は発生せず、フイルムとして問題な
い。
【0025】フイルムの光学特性として、フイルムの面
内のレターデーション(Re)について記すと、その測
定法はエリプソメーター(偏光解析計AEP−100:
島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmに
おける面内の縦横の屈折率差にフイルム膜厚さを乗じた
ものであり、下記の式で求められる。 Re=(nx−ny)×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率 小さいほど、面内方向の光学異方性がないことを示すが
0〜300nmの範囲で用途に応じて用いられる。又、
フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)も重
要であり、波長632.8nmにおける厚さ方向の複屈
折にフイルム膜厚さを乗じたものであり、下記の式で求
められる。 Rth={(nx+ny)/2−nz}×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、nz:
厚さ方向の屈折率 小さいほど、厚さ方向の光学異方性がないことを示す
が、その使用用途によって好ましい範囲は定まる。一般
には、本発明のセルロースエステルフイルムのRthは
100μm当たり、0nm〜600nmであり、さらに
は0nm〜400nmで用いられる。
【0026】セルロースアシレート溶液(ドープ)に
は、添加剤を加えることができる。好ましい添加剤とし
て可塑剤が挙げられ具体的には、リン酸エステルまたは
カルボン酸エステル、グリコール酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェー
トが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸
エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタ
ル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)、クエン酸アセチルトリエチルおよびクエン酸アセ
チルトリブチルが含まれる。カルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。グリコール酸エステルの例としては、トリア
セチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレ
ート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタ
リルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコ
レートなどがある。これらの中でもトリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフ
タレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、
トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好
ましい。特にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタ
レート、エチルフタリルエチルグリコレートが好まし
い。これらの可塑剤は、2種以上併用してもよい。可塑
剤の添加量はセルロースアシレートに対して5〜30重
量%以下、特に8〜16重量%以下が好ましい。これら
の化合物は、セルロースアシレート溶液の調製の際に、
セルロースアシレートや溶剤と共に添加してもよいし、
溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0027】本発明においては、フイルムの光学的異方
性を小さくする可塑剤として、(ジ)ペンタエリスリト
ールエステル類(特開平11−124445号公報記
載)、グリセロールエステル類(特開平11−2467
04号公報記載)、ジグリセロールエステル類(特開2
000−63560号公報記載)、クエン酸エステル類
(特開平11−92574号公報記載)または置換フェ
ニルリン酸エステル類(特開平11−90946号公報
記載)が好ましく用いられる。
【0028】本発明においては、劣化防止剤(例、酸化
防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性
化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加しても
よい。これらは、特開平3−199201号、同5−1
907073号、同5−194789号、同5−271
471号、同6−107854号、同6−118233
号、同6−148430号、同7−11056号、同8
−29619号、同8−239509号、同7−110
56号の各公報に記載がある。好ましい劣化防止剤の例
としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙
げることができる。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01〜1重量%であることが好まし
く、0.01〜0.2重量%であることがさらに好まし
い。
【0029】好ましい紫外線防止剤としてヒンダードフ
ェノール系の化合物が好ましく、2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−ト
リアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリ
ス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。。に2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエ
チレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
が最も好ましい。またN,N’−ビス〔3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤や
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフ
ァイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。これら
の紫外線防止剤の添加量は、セルロースアシレートに対
して重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜
1000ppmが更に好ましい。
【0030】ライトパイピング防止用の着色剤化合物を
添加してもよい。着色剤の含有量は、セルロースアシレ
ートに対する重量割合で10〜1000ppmが好まし
く、50〜500ppmが更に好ましい。また、カオリ
ン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子や、
カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩
などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤など
を添加するのも好ましい。
【0031】このようにして調製したドープを流延、乾
燥して製膜するが、可能工程での負荷をなるべく小さく
するため予め濃厚化することも好ましい。濃厚化の方法
は特に限定されないが、例えば下記の方法が挙げられ
る。 低濃度溶液を筒体とその内部の周方向に回転する回転
羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間
に温度差を与えて溶剤を蒸発させながら高濃度溶液を得
る方法(例えば、特開平4−259511号公報記載) 加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、
溶液をノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶剤をフ
ラッシュ蒸発させるとともに、溶剤蒸気を容器から抜き
出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば、
米国特許2541012号、同2858229号、同4
414341号、同4504355号各明細書に記載の
方法)
【0032】セルロースアシレートの製膜は、従来セル
ロースアシレートフイルム製造に供する溶液流延製膜方
法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)か
ら調製された固形分量が10〜40%のドープをタンク
で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡したり、
金網やネルなどの適当な濾材を用いて、未溶解物やゴ
ミ、不純物などの異物を濾過除去しておく。貯蔵タンク
からドープを、例えば回転数によって高精度に定量送液
できる加圧型定量ギヤポンプを通して流延部に送液す
る。流延方法は以下の方法として、ドープを加圧ダイ
から支持体上に均一に押し出す方法、一旦支持体上に
流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクター
ブレードによる方法、或いは逆回転するロールで調節
するリバースロールコーターによる方法等があるが、
の加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコート
ハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれも好ま
しく用いることができ、支持体の上方設置される。
【0033】加圧ダイを2基以上設置しセルロースアシ
レート溶液を2層以上共流延してもよい。具体的には以
下の方法が挙げられる。 支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口
からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延さ
せて積層させる(例えば特開昭61−158414号、
特開平1−122419号、特開平11−198285
号に記載の方法が適応できる)。 2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延す
る(例えば特公昭60−27562号、特開昭61−9
4724号、特開昭61−947245号、特開昭61
−104813号、特開昭61−158413号、特開
平6−134933号に記載の方法が適用できる) 高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセ
ルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度の
セルロースアシレート溶液を同時に押出す流延方法(特
開昭56−162617号に記載の方法が適用でき
る)。 2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に
成型したフイルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側
に第二の流延を行なう(特公昭44−20235号に記
載の方法が適用できる)。これらの共流延されるセルロ
ースアシレート溶液は同一の溶液でもよいし、異なるセ
ルロースアシレート溶液でもよく特に限定されない。複
数の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、ア
ンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)を同時
に流延することも実施しうる。
【0034】このようにして押し出されたドープは支持
体(エンドレスに走行しているバンドやドラム)の上に
均一に流延する。支持体表面は鏡面状態に仕上げておく
ことが好ましいく、クロムメッキによって鏡面仕上げさ
れたドラムや、表面研磨によって鏡面仕上げされたステ
ンレスバンドが好ましい。これらの支持体の表面温度は
10℃以下が好ましい。支持体がほぼ一周した剥離点
で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体から
剥離する。この間に、ドープから溶剤を揮発させ、目的
とする残留溶剤にすることがポイントである。つまり、
ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶剤濃度が
高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残っ
てしまい、次の流延に支障をきたす。更に剥離する力に
耐えるだけのウェブ強度が必要である。剥離時点での残
留溶剤量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても
異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法より
は、ベルト或いはドラム裏面から伝熱する方法が効果的
に残留溶剤量を低減することが出来るのである。ドープ
の乾燥は、一般的には支持体(ドラム或いはベルト)の
表面側、つまり支持体上にあるドープの表面から熱風を
当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当て
る方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムの
ドープ流延面の反対側の裏面から接触させて、伝熱によ
りドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロール
する液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好
ましい。流延される前の支持体の表面温度はドープに用
いられている溶剤の沸点以下であれば何度でもよい。し
かし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性
を失わせるためには、使用される溶剤の内の最も沸点の
低い溶剤の沸点より1〜10℃低い温度に設定すること
が好ましい。好ましい乾燥温度は40〜250℃、特に
70〜180℃が好ましい。さらに残留溶剤を除去する
ために、50〜160℃で乾燥され、その場合逐次温度
を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが
好ましく用いられている。以上の方法は、特公平5−1
7844号公報に記載がある。この方法によると、流延
から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。
使用する溶剤によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間
が異なり、使用溶剤の種類、組合せに応じて適宜選べば
よい。最終仕上がりフイルムの残留溶剤量は2重量%以
下、更に0.4重量%以下であることが、寸度安定性が
良好なフイルムを得る上で好ましい。
【0035】支持体から剥取ったウエブの乾燥工程では
フイルムは巾方向に収縮しようとし、高温度で乾燥する
ほど収縮が大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しな
がら乾燥することが、出来上がったフイルムの平面性を
良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭
62−46625号公報に示されているような乾燥全工
程或いは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの巾両
端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好
ましい。
【0036】乾燥したウエブ(フイルム)を積極的に幅
方向に延伸することも好ましい。例えば、特開昭62−
115035号、特開平4−152125号、同4−2
84211号、同4−298310号、同11−482
71号などに記載されている方法を利用できる。これに
より、セルロースアシレートフイルムの面内レターデー
ション値を制御できる。即ちフイルムを延伸することで
レターデーション値を上げることができる。フイルムの
延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度
は、フイルムのガラス転移温度以下であることが好まし
い。フイルムの延伸は、一軸延伸でもよく2軸延伸でも
よい。フイルムは、乾燥中の処理で延伸することがで
き、特に溶剤が残存する場合は有効である。例えば、フ
イルムの搬送ローラーの速度を調節して、フイルムの剥
ぎ取り速度よりもフイルムの巻き取り速度の方を速くす
るとフイルムは延伸される。フイルムの巾をテンターで
保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げるこ
とによってもフイルムを延伸できる。フイルムの乾燥後
に、延伸機を用いて1軸延伸することもできる。好まし
いフイルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増
加分の比率)は、10〜30%である。これら流延から
後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガス
などの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0037】セルロースアシレートフイルムの製造に係
わる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、
定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、
内部応力一定のプログラムテンションコントロール法な
どの巻き取り方法で巻き取ることができる。出来上がり
(乾燥後)のセルロースアシレートフイルムの厚さは、
使用目的によって異なるが、通常5から500μmの範
囲であり、更に40〜250μmの範囲が好ましく、特
に30〜150μmの範囲が最も好ましい。フイルム厚
さの調製は、所望の厚さになるように、ドープ中に含ま
れる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイから
の押し出し圧力、支持体速度等を調節すればよい。これ
らの製膜法以外にも従来知られているセルロースアシレ
ート溶液を流延製膜する種々の方法(例えば特開昭61
−94724号、同61−148013号、特開平4−
85011号、同4−286611号、同5−1854
43号、同5−185445号、同6−278149
号、同8−207210号公報などに記載の方法)を好
ましく用いることが出来、用いる溶剤の沸点等の違いを
考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に
記載の内容と同様の効果が得られる。セルロースアシレ
ートフイルムは製膜後、塗布により、下引層、帯電防止
層、ハレーション防止層、保護層等を設けても良い。
【0038】このようにして得られたセルロースアシレ
ートフイルムは以下の用途に利用できる。 液晶表示装置の光学補償シート セルロースアシレートフイルムは、液晶表示装置の光学
補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセ
ルロースアシレートフイルムには、フイルムそのものを
光学補償シートとして用いることができる。なお、フイ
ルムそのものを光学補償シートとして用いる場合は、偏
光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレートフイ
ルムからなる光学補償シートの遅相軸とを実質的に平行
または垂直になるように配置することが好ましい。この
ような偏光素子と光学補償シートとの配置については、
特開平10−48420号公報に記載がある。液晶表示
装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶
セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該
液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補
償シートを配置した構成を有している。液晶セルの液晶
層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込ん
で形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層
は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成す
る。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコー
ト層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコ
ート層を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に
設けられる。液晶セルの基板は、一般に80〜500μ
mの厚さを有する。光学補償シートは、液晶画面の着色
を取り除くための複屈折率フイルムである。本発明のセ
ルロースアシレートフイルムそのものを、光学補償シー
トとして用いることができる。また、液晶表示装置の視
野角を改良するため、本発明のセルロースアシレートフ
イルムと、それとは(正/負の関係が)逆の複屈折を示
すフイルムを重ねて光学補償シートとして用いてもよ
い。光学補償シートの厚さの範囲は、前述した本発明の
フイルムの好ましい厚さと同じである。偏光素子の偏光
膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏
光膜やポリエン系偏光膜がある。いずれの偏光膜も、一
般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造す
る。偏光板の保護膜は、25〜350μmの厚さを有す
ることが好ましく、50〜200μmの厚さを有するこ
とがさらに好ましい。液晶表示装置には、表面処理膜を
設けてもよい。表面処理膜の機能には、ハードコート、
防曇処理、防眩処理および反射防止処理が含まれる。前
述したように、支持体の上に液晶(特にディスコティッ
ク液晶性分子)を含む光学的異方性層を設けた光学補償
シートも提案されている(特開平3−9325号、同6
−148429号、同8−50206号、同9−265
72号の各公報記載)。本発明のセルロースアシレート
フイルムは、そのような光学補償シートの支持体として
も用いることができる。
【0039】ディスコティック液晶性分子を含む光学
的異方性層 光学的異方性層は、負の一軸性を有し傾斜配向したディ
スコティック液晶性分子を含む層であることが好まし
い。ディスコティック液晶性分子の円盤面と支持体面と
のなす角は、光学的異方性層の深さ方向において変化し
ている(ハイブリッド配向している)ことが好ましい。
ディスコティック液晶性分子の光軸は、円盤面の法線方
向に存在する。ディスコティック液晶性分子は、光軸方
向の屈折率よりも円盤面方向の屈折率が大きな複屈折性
を有する。ディスコティック液晶性分子は、支持体表面
に対して実質的に水平に配向させてもよい。
【0040】VA型液晶表示装置 セルロースアシレートフイルムは、VAモードの液晶セ
ルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持
体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に
用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値
が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向
にも存在しないことが好ましい。VA型液晶表示装置に
用いる光学補償シートの光学的性質は、光学的異方性層
の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性
層と支持体との配置により決定される。VA型液晶表示
装置に光学補償シートを二枚使用する場合は、光学補償
シートの面内レターデーションを、−5nm〜5nmの
範囲内にすることが好ましい。従って、二枚の光学補償
シートのそれぞれの面内レターデーションの絶対値は、
0〜5とすることが好ましい。VA型液晶表示装置に光
学補償シートを一枚使用する場合は、光学補償シートの
面内レターデーションを、−10nm〜10nmの範囲
内にすることが好ましい。
【0041】OCB型液晶表示装置およびHAN型液
晶表示装置 セルロースアシレートフイルムは、OCBモードの液晶
セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモー
ドの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償
シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液
晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学
補償シートには、レターデーションの絶対値が最小とな
る方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在し
ないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはH
AN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性
質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性
質および光学的異方性層と支持体との配置により決定さ
れる。
【0042】その他の液晶表示装置 セルロースアシレートフイルムは、ASM(Axially Sy
mmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有す
るASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体とし
ても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セ
ルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持さ
れているとの特徴がある。その他の性質は、TNモード
の液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとA
SM型液晶表示装置については、Kume外の論文(Kume e
t al., SID 98 Digest 1089 (1998))に
記載がある。本発明のセルロースアシレートフイルム
を、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置
の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモ
ードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古く
から良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光
学補償シートについては、特開平3−9325号、同6
−148429号、同8−50206号、同9−265
72号の各公報に記載がある。
【0043】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0044】(1)セルロースアシレートの酢化度
(%) 酸化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
アシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシド
との混合溶剤(容量比4:1)に溶解した後、所定量の
1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時
間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添
加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸
化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法によ
り、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って
酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
【0045】(2)セルロースアシレートの平均分子量
および分子量分布 ゲル濾過カラムに、屈折率、光散乱を検出する検出器を
接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC
−LALLS)を用い測定した。測定条件は以下の通り
である。 溶剤: メチレンクロリド カラム: GMH×1(東ソー(株)製) 試料濃度: 0.1W/v% 流量: 1ml/min 試料注入量:300μl 標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,
200) 温度: 23℃
【0046】(3)セルロースアシレートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)の混合
溶剤100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel )/C T0:溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C: 濃度(g/l) Km:6×10-4
【0047】(4)溶液の安定性 得られた溶液またはスラリーの状態を25℃で静置保存
したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段階に評価
した。 A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。 B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持している
が、14日で少し白濁が見られる。 C:液作製終了時では透明性と均一な液であるが、一日
経時するとゲル化し不均一な液となる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0048】(5)溶液の濁度 得られた溶液の濁度をポイック積分球式濁度計SEP−
PT−501D(藤本工業(株)製)を用い、25℃に
おいて測定した。また、40℃以上あるいは0℃以下で
保存した液は加温あるいは冷却することにより25℃に
戻してから1時間以内に測定した。
【0049】(6)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0050】(7)フイルムの引裂試験 50mn×64mmに切りだした試料を、ISO638
3/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重
を求めた。
【0051】(8)フイルムの耐折試験 120mnに切りだした試料をISO8776/2−1
988の規格に従い、折り曲げよって切断するまでの往
復回数を求めた。
【0052】(9)フイルムのレターデーション(R
e)値 エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製
作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける
フイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーショ
ン値を求めた。
【0053】(10)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0054】[実施例1] (1−1)セルロースアシレート溶液の作製 下記の3種の溶解方法にてセルロースアシレート溶液を
作製した。各実施例および比較例の詳細な溶剤組成につ
いては表1に記載した。なお、シリカ粒子(粒径20n
m)、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート(1/2)、2,4−ビス−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンをそ
れぞれセルロースアシレートの0.5質量%、10質量
%、1.0質量%添加した。
【0055】(1−1a)常温溶解(表1に「常温」と記
載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を還流冷却機を有する
混合タンク中で50℃において撹拌しながら溶解した。
【0056】(1−1b)冷却溶解(表1に「冷却」と記
載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌しなが
ら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後表1記載の
温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分で昇温し
内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌
を開始した。50℃まで加温しドープを得た。
【0057】(1−1c)高圧高温溶解(表1に「高温」
と記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のステン
レス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケットに高
圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1Mpa下、表
1記載の温度で5分間保持した。この後外側のジャケッ
トに50℃の水を通し−8℃/分で50℃まで冷却し、
ドープを得た。
【0058】(1−2)セルロースアシレート溶液の濾
過 次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.0
1mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、
さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。
【0059】(1−3)セルロースアシレート溶液の経
時 得られた液を25℃にて2週間経時保存した。また、一
部の液については40℃以上、あるいは0℃以下で保存
した。詳細条件は表―2に記載した。
【0060】(1−4)セルロースアシレートフイルム
の作製 (1−3)のセルロースアシレート溶液を有効長が6m
のバンド流延機を用いてバンド状に流延し、乾燥後、フ
イルムをバンドから剥ぎ取った。フイルムがバンドから
きれいに剥ぎ取れたかどうかについてA(非常に良好)
〜D(不良)の4段階で評価した。さらに、160℃、
30分で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させセルロースア
シレートフイルムを得た。
【0061】
【表1】
【0062】(1−5)結果 得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを
上述の項目に従って評価した。実施例に記載のセルロー
スアシレート溶液およびフイルムは、その溶液安定性、
フイルムの機械物性、光学物性において特に問題は認め
られなかった。一方、比較例1、2は液の白濁が起こっ
ておりフイルムの透明性、機械特性、異物等の問題が認
められた。
【0063】また、これらのフイルムを、製膜工程中の
乾燥工程中にオンラインで、あるいはその後オフライン
で130℃にて10%〜30%MD,TD延伸延伸し
た。これらは、延伸倍率に比例し40nm〜160nm
にレターデーションを増加させることができた。また、
特開平06−134993号公報記載の共流延法に従っ
てバンド側に実施例1、空気側に実施例2のドープを積
層したが、同様に良好な結果が得られた。このようにし
て得たセルロースアシレートフイルムを、特開平10−
48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特
開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコ
ティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルア
ルコールを塗布した配向膜、特開2000−15426
1号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開
2000−154261号公報のの図10〜15に記載
のOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な性能が得
られた。さらに、特開昭54−016575号公報に記
載の偏光板として用いたところ、良好な性能が得られ
た。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明のセルロースアシレート溶液の保
存方法により、フイルムの機械特性、透明性、異物発生
等の問題のないセルロースアシレートフイルムが製造で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 G02B 5/30 G02B 5/30 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB13 BB33 BB49 BC09 BC22 4C090 AA03 BA26 BB97 CA47 DA28 4F070 AA02 AC38 AC39 AC43 AE28 CA11 CA18 CB11 4F071 AA09 AE04 AE05 BB02 BC01 4J002 AB021 EH146 EJ017 EW046 FD026 FD057

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアシレートが実質的に非塩素
    系の溶剤に溶解している溶液を保存する方法であって、
    該溶剤が、炭素原子数3以上12以下であるエーテル、
    ケトンまたはエステルを含んでなる混合溶剤であり、セ
    ルロースアシレート溶液を40℃以上あるいは0℃以下
    で保存することを特徴とするセルロースアシレート溶液
    の保存方法。
  2. 【請求項2】 セルロースアシレート溶液の2週間保存
    後の濁度が、0乃至10NTU(mg/l)の範囲にあ
    る請求項1に記載のセルロースアシレート溶液の保存方
    法。
  3. 【請求項3】 該溶剤が、炭素原子数4以上10以下の
    環状構造を有するエーテル、ケトンまたはエステルを含
    む請求項1に記載のセルロースアシレート溶液の保存方
    法。
  4. 【請求項4】 該溶剤が、炭素原子数4以上10以下の
    環状構造を有するケトンまたはエステルを含む請求項3
    に記載のセルロースアシレート溶液の保存方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    方法で保存された溶液を製膜して作成したセルロースア
    シレートフイルム。
  6. 【請求項6】 シリカ粒子、可塑剤および紫外線吸収剤
    が添加された請求項5に記載のセルロースアシレートフ
    イルム。
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