JP2002086470A - セルロースアシレートフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

セルロースアシレートフイルムおよびその製造方法

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JP2002086470A
JP2002086470A JP2000285289A JP2000285289A JP2002086470A JP 2002086470 A JP2002086470 A JP 2002086470A JP 2000285289 A JP2000285289 A JP 2000285289A JP 2000285289 A JP2000285289 A JP 2000285289A JP 2002086470 A JP2002086470 A JP 2002086470A
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cellulose acylate
solvent
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film
acylate film
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JP2000285289A
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解後の液経時安定性を改善し、製膜後のフ
イルムの光学特性、機械強度、寸法安定性に優れたセル
ロースアシレートフイルムを製造する。 【解決手段】 セルロースアシレートを実質的に非塩素
系溶剤から構成される主溶剤とアルコールとの混合溶剤
に溶解後、製膜するセルロースアシレートフイルムの製
造方法において、該主溶剤として、単一または2種以上
の混合溶剤を用い、かつ環状構造を有する溶剤で主溶剤
の5質量%以上を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ートフイルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフイルムは、その
強靭性と難燃性、光学的等方性から各種の写真材料や光
学材料に用いられている。これらのセルロースアシレー
トフイルムは、一般にソルベントキャスト(溶液製膜)
法により製造する。即ちセルロースアシレートを溶解し
た溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させ
てフイルムを形成する。従来、溶媒にはジクロロメタン
を70wt%以上含む塩素系溶剤が用いられてきた。しか
しこれらの塩素系溶剤は環境保護の観点から非塩素系他
溶剤への置き換えが急務であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では溶解後の液
経時安定性を改善し、製膜後の膜の機械特性、光学特性
に優れたセルロースアシレートフイルムの製造方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、下記の
(1)〜(13)の方法を実施することで、上記課題を
解決した下記(14)、(15)のフイルムを製造でき
る。 (1)セルロースアシレートを実質的に非塩素系溶剤か
ら構成される主溶剤とアルコールとの混合溶剤に溶解
後、製膜するセルロースアシレートフイルムの製造方法
であって、該主溶剤が単一または2種以上の混合溶剤か
らなり、かつ主溶剤の5質量%以上が環状構造を有する
溶剤で構成されることを特徴とするセルロースアシレー
トフイルムの製造方法。
【0005】(2)該主溶剤が実質的に炭素原子数3以
上12以下の単一または複数の混合溶剤からなり、かつ
分子中に含酸素官能基を少なくとも1つ以上有する溶剤
である(1)に記載のセルロースアシレートフイルムの
製造方法。 (3)該含酸素含有基がエーテル基、カルボニル基、エ
ステル基のいずれかより選択される官能基である(2)
に記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
【0006】(4)該混合溶剤が60乃至98質量%の
主溶剤と40乃至2質量%のアルコールとから構成され
る(1)に記載のセルロースアシレートフイルムの製造
方法。 (5)主溶剤、およびアルコールの沸点が250℃以下
である(1)に記載のセルロースアシレートフイルムの
製造方法。
【0007】(6)主溶剤の5質量%以上をしめる環状
構造を有する溶剤が、脂環式化合物、複素環化合物から
選択され、かつ分子中に1つ以上のエーテル基、エステ
ル基、カルボニル基を含有した溶剤である(1)に記載
のセルロースアシレートフイルムの製造方法。 (7)主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造を有する
溶剤が、飽和脂環式化合物、ラクトン環、環状エーテル
化合物から選択される(6)に記載のセルロースアシレ
ートフイルムの製造方法。
【0008】(8)主溶剤の5質量%以上をしめる環状
構造を有する溶剤が、環状ジエーテル以外の飽和脂環式
化合物、ラクトン環、環状エーテル化合物から選択され
る(7)に記載のセルロースアシレートフイルムの製造
方法。 (9)主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造を有する
溶剤が、シクロブタノン、シクロペンタノン、1,4−
シクロヘキサンジオン、イソホロンから選択されるカル
ボニル基含有溶剤であるか、あるいはラクトン環、環状
ジエーテル以外の環状エーテル化合物から選択される溶
剤である(8)に記載のセルロースアシレートフイルム
の製造方法。
【0009】(10)該セルロースアシレートが、式
(I)〜(IV)全てを満足するようにセルロースの水酸
基が置換されている(1)に記載のセルロースアシレー
トフイルムの製造方法: (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B [式中、AおよびBは、セルロースの水酸基に置換され
ているアシル基の置換基であって、Aはアセチル基の置
換度、Bは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度であ
る]。
【00010】(11)該セルロースアシレートがセル
ロースアセテートである(1)に記載のセルロースアシ
レートフイルムの製造方法。 (12)該セルロースアシレートの溶解が、−80℃以
上0℃以下に冷却する工程を含む(1)に記載のセルロ
ースアシレートフイルムの製造方法。 (13)該セルロースアシレートの溶解が、40℃以上
200℃以下に加熱する工程を含む(1)に記載のセル
ロースアシレートフイルムの製造方法。
【0011】(14)(1)乃至(13)のいずれかに
記載の方法で製膜されたセルロースアシレートフイル
ム。 (15)シリカ粒子、可塑剤および紫外線防止剤が添加
された(14)に記載のセルロースアシレートフイル
ム。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるセルロースア
シレート原料のセルロースとしては、綿花リンターや木
材パルプなどがあるが、何れの原料セルロースから得ら
れるセルロースアシレートでも使用できるし、混合して
使用してもよい。これらのセルロースから得られる本発
明のセルロースアシレートは、セルロースの水酸基への
置換度が下記式(I)〜(IV)の全てを満足するもので
ある。 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B
【0013】ここで、式中A及びBはセルロースの水酸
基に置換されているアシル基の置換基を表し、Aはアセ
チル基の置換度、またBは炭素原子数3〜5のアシル基
の置換度である。セルロースには1グルコース単位に3
個の水酸基があり、上記の数字はその水酸基3.0に対
する置換度を表すもので、最大の置換度が3.0であ
る。なお、置換度はセルロースの水酸基に置換する酢酸
及び炭素原子数3〜5の脂肪酸の結合度を測定し、計算
によって得られる。測定方法としては、ASTMのD−
817−91に準じて実施することが出来る。B=0の
ものは、トリアセチルセルロース(TAC)と呼ばれ、
一方B>0のものをセルロース混合脂肪酸エステルとも
呼ばれている。より好ましくはTACである。TACは
式(V)および(VI)を満足するものである。 (V) 2.6≦A≦3.0 (VI) 0=B
【0014】セルロース混合脂肪酸エステルはアセチル
基の他に炭素原子数3〜5のアシル基を含むものであ
り、好ましいものとしてプロピオニル基(C2 5 CO
−)、ブチリル基(C3 7 CO−)(n−、iso
−)、バレリル基(C4 9 CO−)(n−、iso
−、sec−、tert−)が好ましく、特にn−プロ
ピオニル基が好ましい。これらのアシル基のアシル化剤
としては、酸無水物や酸クロライドである場合は反応溶
媒としての有機溶媒は、有機酸、例えば酢酸やメチレン
クロライド等が使用される。触媒としては、硫酸のよう
なプロトン性触媒が好ましく用いられる。アシル化剤が
酸クロライド(例えばCH3 CH2 COCl)の場合に
は塩基性化合物が用いられる。工業的な最も一般的な方
法は、セルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応
する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸)又は
それらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
酪酸、無水吉草酸)を含む混合有機酸成分でアシル化し
てセルロースアシレートを合成する。具体的な製造方法
については、例えば、特開平10−45804号公報に
記載されている方法により合成出来る。本発明のセルロ
ースアシレートの重合度(粘度平均)は200〜700
が好ましく、より好ましく250〜550、さらに好ま
しくは250〜350である。これにより機械的強度を
満足することができる。なお、粘度平均重合度はオスト
ワルド粘度計で測定することができ、測定されたセルロ
ースアシレートの固有粘度[η]から下記式により求め
られる。 DP=[η]/Km (式中DPは粘度平均重合度、
Kmは定数6×10-4
【0015】本発明では、このような組成のセルロース
アシレートを実質的に非塩素系溶剤から構成される主溶
剤とアルコールとの混合溶剤に溶解した溶液(ドープ)
を作り、これを流延して製膜する。ここで、実質的に非
塩素系溶剤とは、構造式中に塩素原子を1つ以上含む溶
剤の含率が0vol%以上40vol%以下、より好ましくは0
vol%以上15vol%以下、さらに好ましくは0vol%であ
る。構造式中に塩素原子を1つ以上含む溶剤として、炭
素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素が挙げられ、具
体的にはジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベン
ゼン等が挙げられる。溶剤の60vol%以上100vol%以
下、より好ましくは60vol%以上98vol%以下、さらに
好ましくは60vol%以上90vol%以下を占める主溶剤で
ある非塩素系溶剤は、炭素原子数3以上12以下の溶剤
からなり、かつ分子中にエーテル基、カルボニル基(ケ
トン)、エステル基を少なくとも1つ以上有する溶剤の
少なくとも1種類をもちいるのが好ましい。これらのエ
ーテル、ケトンおよびエステルは、直鎖構造、分枝構造
をでも、環状構造でもよい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−
COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も用いる
ことができる。
【0016】本発明における主溶剤として用いられる溶
剤としては、例えば以下のようなものを挙げることがで
きるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、
これらの溶剤は炭素数3から12の溶剤が好ましい。エ
ーテル類としては、ジブチルエーテル、ジペンチルエー
テル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキ
シエタン、アニソールおよびフェネトールが挙げられ
る。ケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルア
セトンが挙げられる。エステル類の例には、蟻酸エチ
ル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢
酸エチルおよびプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、酢酸n−ペンチルが挙げられる。2種類以上の官能
基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシ酢酸エチ
ル、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノ
ール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、ジアセトンアルコールが挙げら
れる。これらの溶媒は単独で用いても良く、混合して用
いても良い。
【0017】本発明者の鋭意検討の結果、セルロースア
シレート分子を溶解させる溶剤として、分子中に環構造
を有するものが良好な溶解性を示すことが明らかとなっ
た。セルロースアシレート自身が六員環構造を有してお
り、溶剤の環構造の部分がセルロースアシレートの環構
造の部分と相互作用して溶解するためと推定している。
主溶剤の5質量%以上を占める環状構造を有する溶剤と
しては以下のようなものを挙げることができる。これら
の溶剤は製膜後の乾燥の観点から炭素数3乃至12のも
のが好ましいが、特に限定されるものではない。例え
ば、エーテル類としてプロピレンオキシド、1,2−エ
ポキシブタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、フランを挙げることができ
る。ケトン類の例には、シクロブタノン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、
1,4−シクロヘキサンジオン、イソホロン、カンファ
ーが挙げられる。エステル類の例には、γ―ブチロラク
トン、エチレンカーボネートなどのほか、酢酸シクロヘ
キシルを挙げることができる。。その他の溶剤として
は、例えば2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ピ
ペリジン、ε―カプロラクタム、テトラヒドロチオフェ
ン、1,3−プロパンスルトン等を挙げることができ
る。また、2種類以上の環構造を有する有機溶媒を用い
ることもできる。
【0018】以下に特に好ましい環状化合物を挙げるが
これに限定されない。環状ケトン化合物としては、シク
ロブタノン、シクロペンタノン、1,4−シクロヘキサ
ンジオン、イソホロンが好ましい。またラクトン化合物
としてはγ―ブチロラクトン、プロピレンカーボネート
が好ましい。飽和脂環式化合物としては例えば酢酸シク
ロヘキシルが好ましい。また環状エーテル化合物も好ま
しく用いることができる。具体的にはプロピレンオキシ
ド、1,3,5−トリオキサンが好ましい。
【0019】本発明の溶媒としては、アルコールを併用
する。アルコールは炭素数1以上8以下のモノアルコー
ル、あるいはジアルコールが好ましく、より好ましくは
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブ
タノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノ
ール、シクロヘキサノール、1−メトキシエタノールが
挙げられる。これらは単独で添加しても、あるいは2種
以上混合して添加しても良い。これらのアルコールは全
溶媒中2vol%以上40vol%以下、より好ましくは3vol%
以上30vol%以下、さらに好ましくは5vol%以上20vo
l%以下である。
【0020】本発明で好ましいこれらの溶媒の組み合わ
せは、以下のものを挙げることができる。 セルロースアシレート/酢酸メチル/イソホロン/メタ
ノール/エタノール(=X/(70−X)/20/5/
5、重量部) セルロースアシレート/酢酸メチル/メチルエチルケト
ン/シクロペンタノン/メタノール/エタノール(=X
/(50−X)/20/20/5/5、重量部) セルロースアシレート/アセトン/テトラヒドロフラン
/エタノール(=X/(75−X)/20/5、重量
部) セルロースアシレート/酢酸メチル/プロピレンオキサ
イド/メタノール/エタノール(=X/(70−X)/
20/5/5、重量部) セルロースアシレート/酢酸メチル/ピペリジン/アセ
トン/メタノール/n−ブタノール(=X/(60−
X)/20/12/5/3、重量部) セルロースアシレート/アセトン/1,3,5−トリオ
キサン/メタノール/エタノール (=X/(60−
X)/30/5/5、重量部) セルロースアシレート/アセトン/2−ピロリドン/メ
タノール/エタノール(=X/(70−X)/20/5
/5、重量部) セルロースアシレート/γ−ブチロラクトン/シクロヘ
キサノン/メチルエチルケトン/メタノール/エタノー
ル(=X/(55−X)/20/10/5/5/5、重
量部) ここでXはセルロースアシレートの重量部を表わし、好
ましくは10〜25であり、特に好ましくは15〜23
である。
【0021】本発明の溶剤には炭素原子数が2以上10
以下のフルオロアルコールを全溶媒量の10重量%以下
含有させても良い。具体的には2−フルオロエタノー
ル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールが挙げられ
る。また、炭素原子数が5以上10以下の芳香族あるい
は脂肪族の炭化水素を0vol%以上10vol%以下添加して
も良い。例えばシクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレンが挙げられる。
【0022】これらの溶剤にセルロースアシレートを溶
解する時、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満さ
せてもよい。セルロースアシレート溶液の製膜直前の粘
度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常1
0ps・s〜2000ps・sの範囲に調製されること
が好ましいく、特に30ps・s〜400ps・sが好
ましい。この溶解は、通常定法に従い室温下でタンク中
の溶剤を撹拌しながら上記セルロースアシレートを添加
することで行なわれる。溶解時間をさらに短縮したい場
合には、下記冷却溶解法、高温溶解法のいずれか、ある
いは両方を用いることも好ましい。
【0023】冷却溶解法は、まず室温近辺の温度(−1
0〜40℃)で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹
拌しながら徐々に添加する。複数の溶媒を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中
にセルロースアシレートを添加した後に、他の溶媒(例
えばアルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよ
いし、逆にゲル化溶媒を予めセルロースアシレートに湿
らせた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に
有効である。セルロースアシレートの量は、この混合物
中に10〜40重量%含まれるように調整することが好
ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30重量
%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には
後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。次に、
混合物は−100〜−10℃、より好ましくは−80〜
−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好
ましくは−50〜−30℃に冷却される。冷却は、例え
ば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却し
たジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で
実施できる。冷却速度は、速いほど好ましく、100℃
/秒以上が好ましい。また冷却時の結露による水分混入
を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。冷却
後0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ま
しくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加
温すると、有機溶媒中にセルロースアシレートが流動す
る溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよ
し、温浴中で加温してもよい。また、耐圧性容器を用い
冷却時に加圧し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮す
ることができる。加圧および減圧を実施するためには、
ることが望ましい。これらの冷却、加温の操作が1回で
も良く、2回以上くりかえしても良い。
【0024】高温溶解法は、室温近辺の温度(−10〜
40℃)で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌し
ながら徐々に添加される。複数の溶媒を用いる場合は、
その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中にセ
ルロースアシレートを添加した後に、他の溶媒(例えば
アルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよい
し、逆にゲル化溶媒を予めセルロースアシレートに湿ら
せた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に有
効である。本発明のセルロースアシレート溶液は、各種
溶媒を含有する混合有機溶媒中にセルロースアシレート
を添加し予め膨潤させることが好ましい。その場合、−
10〜40℃でいずれかの溶媒中に、セルロースアシレ
ートを撹拌しながら徐々に添加してもよいし、場合によ
り特定の溶媒で予め膨潤させその後に他の併用溶媒を加
えて混合し均一の膨潤液としてもよく、更には2種以上
の溶媒で膨潤させしかる後に残りの溶媒をを加えても良
い。セルロースアシレートの溶解濃度は5重量%〜30
重量%が好ましく、より好ましくは15重量%〜30重
量%、さらにこのましくは17重量%〜25重量%であ
る。次にセルロースアシレートと溶媒混合液は、耐圧容
器内で0.2Mp〜30Mpaの加圧下で70〜240
℃、より好ましくは80〜220℃、更に好ましくは1
00〜200℃、最も好ましくは100〜190℃に加
熱される。この後、使用した溶媒の最も低い沸点以下に
冷却する。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に
戻すことが一般的である。冷却は室温に放置するだけで
もよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いてもよ
い。これらの加熱、冷却の層座は1回でも良く、2回以
上繰り返しても良い。
【0025】本発明の光学特性について記す。まず、フ
イルムの面内のレターデーション(Re)について記す
と、その測定法はエリプソメーター(偏光解析計AEP
−100:島津製作所(株)製)を用いて、波長63
2.8nmにおける面内の縦横の屈折率差にフイルム膜
厚さを乗じたものであり、下記の式で求められる。 Re=(nx−ny)×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率 小さいほど、面内方向の光学異方性がないことを示すが
0〜300nmの範囲で用途に応じて用いられる。又、
フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)も重
要であり、波長632.8nmにおける厚さ方向の複屈
折にフイルム膜厚さを乗じたものであり、下記の式で求
められる。 Rth={(nx+ny)/2−nz}×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、nz:
厚さ方向の屈折率小さいほど、厚さ方向の光学異方性が
ないことを示すが、その使用用途によって好ましい範囲
は定まる。一般には、本発明のセルロースエステルフイ
ルムのRthは100μm当たり、0nm〜600nm
であり、さらには0nm〜400nmで用いられる。
【0026】本発明のセルロースアシレート溶液(ドー
プ)には、添加剤を加えることができる。好ましい添加
剤として可塑剤が挙げられ具体的には、リン酸エステル
またはカルボン酸エステル、グリコール酸エステルが用
いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォ
スフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート
(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチ
ルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホス
フェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フ
タル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的であ
る。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート
(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチル
フタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン
酸アセチルトリブチル、が含まれる。カルボン酸エステ
ルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルア
セチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エ
ステルが含まれる。グリコール酸エステルの例として
は、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、
メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブ
チルグリコレートなどがある。これらの中でもトリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフ
タレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコ
レートが好ましい。特にトリフェニルホスフェート、ジ
エチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート
が好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上
併用してもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレー
トに対して5〜30重量%以下、特に8〜16重量%以
下が好ましい。これらの化合物は、セルロースアシレー
ト溶液の調製の際に、セルロースアシレートや溶媒と共
に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加しても
よい。
【0027】本発明においてはその光学的異方性を小さ
くする可塑剤として、特開平11−124445号記載
の(シ゛)ペンタエリスリトールエステル類、特開平11
−246704号記載のグリセロールエステル類、特開
2000−63560号記載のジグリセロールエステル
類、特開平11−92574号記載のクエン酸エステル
類、特開平11−90946号記載の置換フェニルリン
酸エステル類などが好ましく用いられる。
【0028】本発明においては、劣化防止剤(例、酸化
防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性
化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加しても
よい。これらは、特開平3−199201号、同5−1
907073号、同5−194789号、同5−271
471号、同6−107854号、同6−118233
号、同6−148430号、同7−11056号、同8
−29619号、同8−239509号、同7−110
56号の各公報に記載がある。好ましい劣化防止剤の例
としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙
げることができる。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01〜1重量%であることが好まし
く、0.01〜0.2重量%であることがさらに好まし
い。好ましい紫外線防止剤としてヒンダードフェノール
系の化合物が好ましく、2,6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−
(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,
N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に2,6
−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチ
レングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が
最も好ましい。またN,N’−ビス〔3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。これらの
紫外線防止剤の添加量は、セルロースアシレートに対し
て重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1
000ppmが更に好ましい。
【0029】本発明ではライトパイピング防止用の着色
剤化合物を添加してもよい。着色剤の含有量は、セルロ
ースアシレートに対する重量割合で10〜1000pp
mが好ましく、50〜500ppmが更に好ましい。ま
た本発明ではカオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナな
どの無機微粒子や、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤などを添加するのも好ましい。
【0030】本発明では、このようにして調製したドー
プを流延、乾燥して製膜するが、可能工程での負荷をな
るべく小さくするため予め濃厚化することも好ましい。
濃厚化の方法は特に限定されないが、例えば下記の方法
が挙げられる。 低濃度溶液を筒体とその内部の周方向に回転する回転
羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間
に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら高濃度溶液を得
る方法(例えば、特開平4−259511号公報に記
載) 加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、
溶液をノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶媒をフ
ラッシュ蒸発させるとともに、溶媒蒸気を容器から抜き
出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば、
米国特許2541012号、同2858229号、同4
414341号、同4504355号の各明細書に記載
の方法)
【0031】本発明のセルロースアシレートの製膜は、
従来セルロースアシレートフイルム製造に供する溶液流
延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機
(釜)から調製された固形分量が10〜40%のドープ
をタンクで一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡
したり、金網やネルなどの適当な濾材を用いて、未溶解
物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておく。貯蔵
タンクからドープを、例えば回転数によって高精度に定
量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して流延部に送
液する。流延方法は以下の方法として、ドープを加圧
ダイから支持体上に均一に押し出す方法、一旦支持体
上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドク
ターブレードによる方法、或いは逆回転するロールで
調節するリバースロールコーターによる方法等がある
が、の加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイには
コートハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれ
も好ましく用いることができ、支持体の上方設置され
る。
【0032】加圧ダイを2基以上設置しセルロースアシ
レート溶液を2層以上共流延してもよい。具体的には以
下の方法が挙げられる。 支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口
からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延さ
せて積層させる(例えば特開昭61−158414号、
特開平1−122419号、特開平11−198285
号に記載の方法が適応できる)。 2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延す
る(例えば特公昭60−27562号、特開昭61−9
4724号、特開昭61−947245号、特開昭61
−104813号、特開昭61−158413号、特開
平6−134933号に記載の方法が適用できる) 高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセ
ルロースアシレート溶液で包み込み、その高,低粘度の
セルロースアシレート溶液を同時に押出す流延方法(特
開昭56−162617号に記載の方法が適用でき
る)。 2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に
成型したフイルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側
に第二の流延を行なう(特公昭44−20235号に記
載の方法が適用できる)。 これらの共流延されるセルロースアシレート溶液は同一
の溶液でもよいし、異なるセルロースアシレート溶液で
もよく特に限定されない。複数の機能層(例えば、接着
層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV
吸収層、偏光層など)を同時に流延することも実施しう
る。
【0033】このようにして押し出されたドープは支持
体(エンドレスに走行しているバンドやドラム)の上に
均一に流延する。支持体表面は鏡面状態に仕上げておく
ことが好ましいく、クロムメッキによって鏡面仕上げさ
れたドラムや、表面研磨によって鏡面仕上げされたステ
ンレスバンドが好ましい。これらの支持体の表面温度は
10℃以下が好ましい。支持体がほぼ一周した剥離点
で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体から
剥離する。この間に、ドープから溶剤を揮発させ、目的
とする残留溶媒にすることがポイントである。つまり、
ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が
高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残っ
てしまい、次の流延に支障をきたす。更に剥離する力に
耐えるだけのウェブ強度が必要である。剥離時点での残
留溶媒量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても
異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法より
は、ベルト或いはドラム裏面から伝熱する方法が効果的
に残留溶媒量を低減することが出来るのである。ドープ
の乾燥は、一般的には支持体(ドラム或いはベルト)の
表面側、つまり支持体上にあるドープの表面から熱風を
当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当て
る方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムの
ドープ流延面の反対側の裏面から接触させて、伝熱によ
りドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロール
する液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好
ましい。流延される前の支持体の表面温度はドープに用
いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。し
かし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性
を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の
低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定すること
が好ましい。好ましい乾燥温度は40〜250℃、特に
70〜180℃が好ましい。さらに残留溶媒を除去する
ために、50〜160℃で乾燥され、その場合逐次温度
を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが
好ましく用いられている。以上の方法は、特公平5−1
7844号公報に記載がある。この方法によると、流延
から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。
使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間
が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べば
よい。最終仕上がりフイルムの残留溶媒量は2重量%以
下、更に0.4重量%以下であることが、寸度安定性が
良好なフイルムを得る上で好ましい。
【0034】支持体から剥取ったウエブの乾燥工程では
フイルムは巾方向に収縮しようとし、高温度で乾燥する
ほど収縮が大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しな
がら乾燥することが、出来上がったフイルムの平面性を
良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭
62−46625号公報に示されているような乾燥全工
程或いは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの巾両
端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好
ましい。
【0035】本発明では、乾燥したウエブ(フイルム)
を積極的に幅方向に延伸することも好ましい。例えば、
特開昭62−115035号、特開平4−152125
号、同4−284211号、同4−298310号、同
11−48271号などに記載されている方法を利用で
きる。これにより、セルロースアシレートフイルムの面
内レターデーション値を制御できる。即ちフイルムを延
伸することでレターデーション値を上げることができ
る。フイルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施す
る。加熱温度は、フイルムのガラス転移温度以下である
ことが好ましい。フイルムの延伸は、一軸延伸でもよく
2軸延伸でもよい。フイルムは、乾燥中の処理で延伸す
ることができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。
例えば、フイルムの搬送ローラーの速度を調節して、フ
イルムの剥ぎ取り速度よりもフイルムの巻き取り速度の
方を速くするとフイルムは延伸される。フイルムの巾を
テンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々
に広げることによってもフイルムを延伸できる。フイル
ムの乾燥後に、延伸機を用いて1軸延伸することもでき
る。好ましいフイルムの延伸倍率(元の長さに対する延
伸による増加分の比率)は、10〜30%である。これ
ら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよい
し窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0036】本発明のセルロースアシレートフイルムの
製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているもの
でよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンシ
ョン法、内部応力一定のプログラムテンションコントロ
ール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。本
発明の出来上がり(乾燥後)のセルロースアシレートフ
イルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5か
ら500μmの範囲であり、更に40〜250μmの範
囲が好ましく、特に30〜150μmの範囲が最も好ま
しい。フイルム厚さの調製は、所望の厚さになるよう
に、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリ
ット間隙、ダイからの押し出し圧力、支持体速度等を調
節すればよい。これらの製膜法以外にも従来知られてい
るセルロースアシレート溶液を流延製膜する種々の方法
(例えば特開昭61−94724号、同61−1480
13号、特開平4−85011号、同4−286611
号、同5−185443号、同5−185445号、同
6−278149号、同8−207210号公報などに
記載の方法)を好ましく用いることが出来、用いる溶媒
の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより
それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
本発明のセルロースアシレートフイルムは製膜後、塗布
により、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保
護層等を設けても良い。
【0037】このようにして得られた本発明のセルロー
スアシレートフイルムは以下の用途に利用できる。 液晶表示装置の光学補償シート 本発明のセルロースアシレートフイルムは、液晶表示装
置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本
発明のセルロースアシレートフイルムには、フイルムそ
のものを光学補償シートとして用いることができる。な
お、フイルムそのものを光学補償シートとして用いる場
合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレ
ートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸とを実質
的に平行または垂直になるように配置することが好まし
い。このような偏光素子と光学補償シートとの配置につ
いては、特開平10−48420号公報に記載がある。
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持して
なる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、
および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚
の光学補償シートを配置した構成を有している。液晶セ
ルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを
挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透
明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に
形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハー
ドコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アン
ダーコート層を設けてもよい。これらの層は、通常、基
板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に80〜5
00μmの厚さを有する。光学補償シートは、液晶画面
の着色を取り除くための複屈折率フイルムである。本発
明のセルロースアシレートフイルムそのものを、光学補
償シートとして用いることができる。また、液晶表示装
置の視野角を改良するため、本発明のセルロースアシレ
ートフイルムと、それとは(正/負の関係が)逆の複屈
折を示すフイルムを重ねて光学補償シートとして用いて
もよい。光学補償シートの厚さの範囲は、前述した本発
明のフイルムの好ましい厚さと同じである。偏光素子の
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料
系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。いずれの偏光膜
も、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製
造する。偏光板の保護膜は、25〜350μmの厚さを
有することが好ましく、50〜200μmの厚さを有す
ることがさらに好ましい。液晶表示装置には、表面処理
膜を設けてもよい。表面処理膜の機能には、ハードコー
ト、防曇処理、防眩処理および反射防止処理が含まれ
る。前述したように、支持体の上に液晶(特にディスコ
ティック液晶性分子)を含む光学的異方性層を設けた光
学補償シートも提案されている(特開平3−9325
号、同6−148429号、同8−50206号、同9
−26572号の各公報記載)。本発明のセルロースア
シレートフイルムは、そのような光学補償シートの支持
体としても用いることができる。
【0038】ディスコティック液晶性分子を含む光学
的異方性層 光学的異方性層は、負の一軸性を有し傾斜配向したディ
スコティック液晶性分子を含む層であることが好まし
い。ディスコティック液晶性分子の円盤面と支持体面と
のなす角は、光学的異方性層の深さ方向において変化し
ている(ハイブリッド配向している)ことが好ましい。
ディスコティック液晶性分子の光軸は、円盤面の法線方
向に存在する。ディスコティック液晶性分子は、光軸方
向の屈折率よりも円盤面方向の屈折率が大きな複屈折性
を有する。ディスコティック液晶性分子は、支持体表面
に対して実質的に水平に配向させてもよい。
【0039】VA型液晶表示装置 本発明のセルロースアシレートフイルムは、VAモード
の液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シー
トの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表
示装置に用いる光学補償シートには、レターデーション
の絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも
法線方向にも存在しないことが好ましい。VA型液晶表
示装置に用いる光学補償シートの光学的性質は、光学的
異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学
的異方性層と支持体との配置により決定される。VA型
液晶表示装置に光学補償シートを二枚使用する場合は、
光学補償シートの面内レターデーションを、−5nm〜
5nmの範囲内にすることが好ましい。従って、二枚の
光学補償シートのそれぞれの面内レターデーションの絶
対値は、0〜5とすることが好ましい。VA型液晶表示
装置に光学補償シートを一枚使用する場合は、光学補償
シートの面内レターデーションを、−10nm〜10n
mの範囲内にすることが好ましい。
【0040】OCB型液晶表示装置およびHAN型液
晶表示装置 本発明のセルロースアシレートフイルムは、OCBモー
ドの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはH
ANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の
光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。O
CB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用
いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が
最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向に
も存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あ
るいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの
光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の
光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置によ
り決定される。
【0041】その他の液晶表示装置 本発明のセルロースアシレートフイルムは、ASM(Ax
ially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セ
ルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支
持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セ
ルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーによ
り維持されているとの特徴がある。その他の性質は、T
Nモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶
セルとASM型液晶表示装置については、Kume外の論文
(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (199
8))に記載がある。本発明のセルロースアシレートフ
イルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表
示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。
TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置について
は、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に
用いる光学補償シートについては、特開平3−9325
号、同6−148429号、同8−50206号、同9
−26572号の各公報に記載がある。
【0042】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0043】(1)セルロースアシレートの酢化度
(%) 酸化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
アシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシド
との混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の
1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時
間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添
加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸
化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法によ
り、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って
酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
【0044】(2)セルロースアシレートの平均分子量
および分子量分布 ゲル濾過カラムに、屈折率、光散乱を検出する検出器を
接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC
−LALLS)を用い測定した。測定条件は以下の通り
である。 溶媒: メチレンクロリド カラム: GMH×1(東ソー(株)製) 試料濃度: 0.1W/v% 流量: 1ml/min 試料注入量:300μl 標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,200) 温度: 23℃
【0045】(3)セルロースアシレートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)の混合
溶媒100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel )/C T0:溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C: 濃度(g/l) Km:6×10-4
【0046】(4)溶液の安定性 得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で
静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段
階に評価した。 A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。 B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持している
が、20日で少し白濁が見られる。 C:液作製終了時では透明性と均一な液であるが、一日
経時するとゲル化し不均一な液となる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0047】(5)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0048】(7)フイルムの引裂試験 50mn×64mmに切りだした試料を、ISO638
3/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重
を求めた。
【0049】(8)フイルムの耐折試験 120mnに切りだした試料をISO8776/2−1
988の規格に従い、折り曲げよって切断するまでの往
復回数を求めた。
【0050】(9)フイルムの耐湿熱性 試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、
温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密
閉した。これを90℃で経時して10日後に取り出し
た。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をし
た。 A:特に異常が認められない B:かすかな分解臭が認められる C:かなりな分解臭が認められる D:分解臭と分解による形状の変化が認められる
【0051】(10)フイルムのレターデーション(R
e)値 エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製
作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける
フイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーショ
ン値を求めた。
【0052】(11)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0053】[実施例1] (1−1)セルロースアシレート溶液の作製 下記の3種の溶解方法にてセルロースアシレート溶液を
作製した。各実施例および比較例の詳細な溶剤組成につ
いては表1に記載した。なお、シリカ粒子(粒径20n
m)、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート(1/2)、2,4−ビス−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン
をそれぞれセルロースアシレートの0.5質量%、10
質量%、1.0質量%添加した。
【0054】(1−1a)常温溶解(表1に「常温」と記
載) 溶媒中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を還流冷却機を有する
混合タンク中で50℃において撹拌しながら溶解した。
【0055】(1−1b)冷却溶解(表1に「冷却」と記
載) 溶媒中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌しなが
ら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後表1記載の
温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分で昇温し
内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌
を開始した。50℃まで加温しドープを得た。
【0056】(1−1c)高圧高温溶解(表1に「高温」
と記載) 溶媒中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のステン
レス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケットに高
圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1Mpa下、
表1記載の温度で5分間保持した。この後外側のジャケ
ットに50℃の水を通し−8℃/分で50℃まで冷却
し、ドープを得た。
【0057】(1−2)セルロースアシレート溶液の濾
過 次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.0
1mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、
さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。
【0058】(1−3)セルロースアシレートフイルム
の作製 (1−2)で作製したセルロースアシレート溶液を、ガ
ラス板上に乾燥膜厚が100μmになるように流延し
た。乾燥は70℃で3分、130℃で5分した後、ガラ
ス板からフイルムを剥ぎ取り、そして160℃、30分
で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させセルロースアシレー
トフイルムを得た。
【0059】
【表1】
【0060】(1−4)結果 得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを
上述の項目に従って評価した。実施例に記載のセルロー
スアシレート溶液およびフイルムは、その溶液安定性、
フイルムの機械物性、光学物性において特に問題は認め
られなかった。一方、比較例1、2はアルコール未添加
のため溶液の安定性が不良であり、フイルムの面状もよ
くなかった。また、比較例3はアルコールの添加量が多
いため、フイルムの耐湿熱性に劣るものであり、耐折試
験結果も十分なものではなかった。
【0061】また、特開平06−134993号公報記
載の共流延法に従ってバンド側に本発明の実施例1、空
気側に本発明の実施例2のドープを積層したが、同様に
良好な結果が得られた。このようにして得たセルロース
アシレートフイルムを、特開平10−48420号公報
の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−2657
2号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子
を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布し
た配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜
9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154
261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示
装置に用いたところ良好な性能が得られた。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】セルロースアシレートを実質的に非塩素
系溶剤から構成される主溶剤とアルコールとの混合溶剤
に溶解後、製膜することを特徴とするセルロースアシレ
ートフイルムの製造方法であって、該主溶剤が単一また
は2種以上の混合溶剤からなり、かつ主溶剤の5質量%
以上が環状構造を有する溶剤で構成されることを特徴と
するセルロースアシレートフイルムの製造方法により、
溶解後の液経時安定性を改善し、フイルムの機械特性、
光学特性の問題のないセルロースアシレートフイルムの
製造方法を達成した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA09 AC05 AC06 AC07 AC10 AC12 AC13 AE19 AH19 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AB07 AB14 AB17 AC05 AG01 AH73 AR06 GA07 GB01 GC06 GE02 GE06 GE09 GE22 GF01 GF02 GF06 GF24 4J002 AB021 DJ016 EH037 EH047 EH147 EJ018 EJ028 EJ038 EU188 EU198 EV048 EW047 FD010 FD027 FD058 FD060 FD100 FD130 FD170 FD200 FD206 GP00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアシレートを実質的に非塩素
    系溶剤から構成される主溶剤とアルコールとの混合溶剤
    に溶解後、製膜するセルロースアシレートフイルムの製
    造方法であって、該主溶剤が単一または2種以上の混合
    溶剤からなり、かつ主溶剤の5質量%以上が環状構造を
    有する溶剤で構成されることを特徴とするセルロースア
    シレートフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該主溶剤が実質的に炭素原子数3以上1
    2以下の単一または複数の混合溶剤からなり、かつ分子
    中に含酸素官能基を少なくとも1つ以上有する溶剤であ
    る請求項1に記載のセルロースアシレートフイルムの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 該含酸素含有基がエーテル基、カルボニ
    ル基、エステル基のいずれかより選択される官能基であ
    る請求項2に記載のセルロースアシレートフイルムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 該混合溶剤が60乃至98質量%の主溶
    剤と40乃至2質量%のアルコールとから構成される請
    求項1に記載のセルロースアシレートフイルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 主溶剤、およびアルコールの沸点が25
    0℃以下である請求項1に記載のセルロースアシレート
    フイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造
    を有する溶剤が、脂環式化合物、複素環化合物から選択
    され、かつ分子中に1つ以上のエーテル基、エステル
    基、カルボニル基を含有した溶剤である請求項1に記載
    のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造
    を有する溶剤が、飽和脂環式化合物、ラクトン環、環状
    エーテル化合物から選択される請求項6に記載のセルロ
    ースアシレートフイルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造
    を有する溶剤が、環状ジエーテル以外の飽和脂環式化合
    物、ラクトン環、環状エーテル化合物から選択される請
    求項7に記載のセルロースアシレートフイルムの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 主溶剤の5質量%以上をしめる環状構造
    を有する溶剤が、シクロブタノン、シクロペンタノン、
    1,4−シクロヘキサンジオン、イソホロンから選択さ
    れるカルボニル基含有溶剤であるか、あるいはラクトン
    環、環状ジエーテル以外の環状エーテル化合物から選択
    される溶剤である請求項8に記載のセルロースアシレー
    トフイルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 該セルロースアシレートが、式(I)
    〜(IV)全てを満足するようにセルロースの水酸基が置
    換されている請求項1に記載のセルロースアシレートフ
    イルムの製造方法: (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B [式中、AおよびBは、セルロースの水酸基に置換され
    ているアシル基の置換基であって、Aはアセチル基の置
    換度、Bは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度であ
    る]。
  11. 【請求項11】 該セルロースアシレートがセルロース
    アセテートである請求項1に記載のセルロースアシレー
    トフイルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 該セルロースアシレートの溶解が、−
    80℃以上0℃以下に冷却する工程を含む請求項1に記
    載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 該セルロースアシレートの溶解が、4
    0℃以上200℃以下に加熱する工程を含む請求項1に
    記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    方法で製膜されたセルロースアシレートフイルム。
  15. 【請求項15】 シリカ粒子、可塑剤および紫外線防止
    剤が添加された請求項14に記載のセルロースアシレー
    トフイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005194302A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Daicel Chem Ind Ltd セルロースエステル系樹脂組成物

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JP2005194302A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Daicel Chem Ind Ltd セルロースエステル系樹脂組成物
JP4610187B2 (ja) * 2003-12-26 2011-01-12 ダイセル化学工業株式会社 セルロースエステル系樹脂組成物

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