JP2002121244A - 容 器 - Google Patents

容 器

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JP2002121244A
JP2002121244A JP2000319363A JP2000319363A JP2002121244A JP 2002121244 A JP2002121244 A JP 2002121244A JP 2000319363 A JP2000319363 A JP 2000319363A JP 2000319363 A JP2000319363 A JP 2000319363A JP 2002121244 A JP2002121244 A JP 2002121244A
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repeating unit
block
container
polymer
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JP2000319363A
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English (en)
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Atsushi Sone
篤 曽根
Masakazu Hashimoto
昌和 橋本
Tsutomu Nagamune
勉 長宗
Toru Murata
徹 村田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、透明性、および機械的強度に優れた
脂環式構造を含有するブロック共重合体製の容器を提供
すること。 【解決手段】 脂環式構造を有する繰り返し単位を含有
する重合体ブロック〔A〕および、ビニル化合物由来の
繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔B〕を有する
ブロック共重合体を用いて成形した容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環式構造を含有
するブロック共重合体を成形してなる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロ
ック共重合体(SBS)の水素化物であるスチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体(SE
BS)は、SBSの耐熱性、耐候性および耐油性等が改
良されたものとして種々の用途への応用が検討されてい
る。最近では、例えば土木・建築用シートとして使用さ
れ、医療分野への使用も検討され始めている。しかし、
SEBSは弾性率が高くないため、射出成形やブロー成
形して、容器等として使用するのは困難であった。
【0003】一方、特開平6−199950号公報に
は、ビニル化環状炭化水素重合体またはその水素添加物
からなる成形体は、ある程度の透明性があって、耐薬品
性、低溶出性、電気絶縁性などに優れるので、医療用器
材、電気絶縁用材料または電子部品処理用器材に有用で
あるとして、薬品容器、食品容器などに利用できること
が開示されている。しかし、上記重合体からなる容器
は、単なる入れ物として静置して用いるのには足りるも
のの、繰り返し使用、持ち運び使用、積み重ね使用など
の曲げ応力や軽い衝突を受ける使い方をすると、機械的
強度が十分でないためにヒビや割れを発生する難点を有
していた。このような状況の中で、近年、医療および食
品分野などにおいて、透明性、耐熱性および機械的強度
等に優れた容器が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐熱性および機械的強度に優れた樹脂製容器を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレンとブタジ
エンとのブロック共重合体の芳香環部分を含む不飽和結
合を水素化することにより、透明性、耐熱性および機械
的強度に優れたブロック共重合体が得られ、該重合体を
用いると、透明性や機械的強度等に優れた容器が成形で
きることを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成
したものである。
【0006】かくして本発明によれば、下記式(1)で
表される繰り返し単位〔1〕を含有する重合体ブロック
〔A〕および、下記式(2)で表される繰り返し単位
〔2〕または/および下記式(3)で表される繰り返し
単位〔3〕を含有する重合体ブロック〔B〕を有するブ
ロック共重合体を成形してなる容器が提供される。
【0007】
【化4】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基であ
る。)
【0008】
【化5】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
アルキル基を表す。)
【0009】
【化6】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0010】また、本発明によれば、重合体ブロック
〔B〕が、前記繰り返し単位〔1〕をさらに含有し、ブ
ロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率a(モ
ル%)、および、ブロック〔B〕中の繰り返し単位
〔1〕のモル分率b(モル%)が、a>bの関係にある
前記の容器が提供される。また、本発明によれば、重合
体ブロック〔A〕中の前記繰り返し単位〔1〕の含有量
が50モル%以上であり、重合体ブロック〔B〕中の繰
り返し単位〔2〕のモル分率m(モル%)、および、
繰り返し単位〔3〕のモル分率m(モル%)が、2×
+m≧2(モル%)の関係にある前記の容器が提
供される。また、本発明によれば、ブロック共重合体中
における、ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位の
モル数mと、ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単
位のモル数mの比(m:m)が5:95〜95:
5である、前記の容器が提供される。さらに、本発明の
好ましい態様として、ブロック共重合体の、テトラヒド
ロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィーにより測定される標準ポリスチレン換算の
重量平均分子量(Mw)が10,000〜300,00
0であり、Mwと数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が1〜5である前記の容器、ブロック共重合体10
0重量部に対して0.001〜5重量部の酸化防止剤ま
たは/および耐光安定剤、0.01〜20重量部の紫外
線吸収剤およびヒンダードアミン系耐光安定剤をさらに
含有するものである前記の容器、射出成形品またはブロ
ー成形品である前記容器、医療用または食品用である前
記の容器、がそれぞれ提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の容器は、重合体ブロック
〔A〕および重合体ブロック〔B〕を有するブロック共
重合体を成形して得られるものである。重合体ブロック
〔A〕は、下記式(1)で表される繰り返し単位〔1〕
を含有する。重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位
〔1〕の含有量は、好ましくは50モル%以上、より好
ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以
上である。
【0012】
【化7】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基であ
る。尚、前記R−R12は、R 、R 、R
、R、R、R、R、R10、R
11およびR12である。以降同様。)
【0013】上記式(1)で表される繰り返し単位
〔1〕の好ましい構造は、Rが水素またはメチル基
で、R−R12がすべて水素のものである。重合体ブ
ロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕の含有量が上記範
囲にあると、透明性および機械的強度に優れる。重合体
ブロック〔A〕における、前記繰り返し単位〔1〕以外
の残部は、鎖状共役ジエンや鎖状ビニル化合物由来の繰
り返し単位を水素化したものである。
【0014】重合体ブロック〔B〕は、下記式(2)で
表される繰り返し単位〔2〕または/および下記式
(3)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する。重合
体ブロック〔B〕は、上記繰り返し単位〔1〕をさらに
含有しているものが好ましい。重合体ブロック〔B〕中
の繰り返し単位〔1〕の含有量は、好ましくは40〜9
5モル%、より好ましくは50〜90モル%である。繰
り返し単位〔1〕の含有量が上記範囲にあると、透明性
および機械的強度に優れる。ブロック〔B〕中の繰り返
し単位〔2〕のモル分率をm(モル%)および、繰り
返し単位〔3〕のモル分率をm(モル%)としたとき
に、2×m+mが、好ましくは2モル%以上、より
好ましくは5〜60モル%、特に好ましくは10〜50
モル%である。
【0015】
【化8】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
アルキル基を表す。)
【0016】上記式(2)で表される繰り返し単位
〔2〕の好ましい構造は、R13が水素またはメチル基
のものである。
【0017】
【化9】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0018】上記式(3)で表される繰り返し単位
〔3〕の好ましい構造は、R14が水素で、R15がメ
チル基またはエチル基のものである。
【0019】重合体ブロック〔B〕中の、前記繰り返し
単位〔2〕または繰り返し単位〔3〕の含有量が少なす
ぎると、機械的強度が低下する。したがって、繰り返し
単位〔2〕および繰り返し単位〔3〕の含有量が上記範
囲にあると、透明性および機械的強度に優れる。重合体
ブロック〔B〕は、さらに、下記式(X)で表される繰
り返し単位〔X〕を含有していてもよい。繰り返し単位
〔X〕の含有量は、本発明のブロック共重合体の特性を
損なわない範囲の量であり、好ましくはブロック共重合
体全体に対し、30モル%以下、より好ましくは20モ
ル%以下である。
【0020】
【化10】 (式中、R25は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R26はニトリル基、アルコキシカル
ボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、また
はハロゲン基を表し、R27は水素原子を表す。また
は、R26とR27とは相互に結合して、酸無水物基、
もしくはイミド基を形成してもよい。)
【0021】また、本発明に用いるブロック共重合体
は、重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモ
ル分率をa、重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位
〔1〕のモル分率をbとした場合に、a>bであるもの
が好ましい。a>bとすることにより、透明性、および
機械的強度に優れる。
【0022】さらに、本発明に用いるブロック共重合体
は、ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数
をm 、ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単位の
モル数をm とした場合に、その比(m :m
が、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは3
0:70〜95:5、特に好ましくは40:60〜9
0:10である。(m :m )が上記範囲にある場
合に、機械的強度および耐熱性に優れる。
【0023】本発明に用いるブロック共重合体の分子量
は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPC
と記す。)により測定されるポリスチレン(またはポリ
イソプレン)換算重量平均分子量(以下、Mwと記
す。)で、好ましくは10,000〜300,000、
より好ましくは15,000〜250,000、特に好
ましくは20,000〜200,000の範囲である。
ブロック共重合体のMwが上記範囲にあると、機械的強
度、耐熱性、成形性のバランスに優れる。
【0024】ブロック共重合体の分子量分布は、使用目
的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定される
ポリスチレン(またはポリイソプレン)換算のMwと数
平均分子量(以下、Mnと記す。)との比(Mw/M
n)で、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、特
に好ましくは3以下の範囲である。Mw/Mnがこの範
囲にあると、機械的強度や耐熱性に優れる。
【0025】ブロック共重合体のガラス転移温度(以
下、Tgと記す。)は、使用目的に応じて適宜選択され
ればよいが、示差走査型熱量計(以下、DSCと記
す。)による、高温側の測定値で、好ましくは70℃〜
200℃、より好ましくは80℃〜180℃、特に好ま
しくは90℃〜160℃である。
【0026】本発明に用いる上記ブロック共重合体は、
重合体ブロック〔A〕および重合体ブロック〔B〕を有
し、(〔A〕−〔B〕)型のジブロック共重合体であっ
ても、(〔A〕−〔B〕−〔A〕)型や(〔B〕−
〔A〕−〔B〕)型のトリブロック共重合体であって
も、重合体ブロック〔A〕と重合体ブロック〔B〕と
が、交互に合計4個以上つながったブロック共重合体で
あってもよい。また、これらのブロックがラジアル型に
結合したブロック共重合体であってもよい。
【0027】本発明に用いるブロック共重合体は、以下
の方法により得ることができる。その方法としては、ま
ず、芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合
を有する脂環族ビニル化合物を含有するモノマー混合
物、および、ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物お
よび脂環族ビニル化合物を除く)を含有するモノマー混
合物を重合して、芳香族ビニル化合物または/および脂
環族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体
ブロック、および、ビニル系モノマー由来の繰り返し単
位を含有する重合体ブロックを有するブロック共重合体
を得る。そして、該ブロック共重合体の芳香環または/
および脂肪族環を水素化する。中でも、本発明に用いる
ブロック共重合体としてより好ましいものは、例えば、
以下の方法により得ることができる。
【0028】(1)第一の方法としては、まず、芳香族
ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有する脂
環族ビニル化合物を50モル%以上含有するモノマー混
合物〔a’〕を重合して、芳香族ビニル化合物または/
および環に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物由来
の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A’〕を得
る。ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環
族ビニル化合物を除く)を2モル%以上含有し、且つ、
芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有
する脂環族ビニル化合物をモノマー混合物〔a’〕中の
割合よりも少ない割合の量で含有するモノマー混合物
〔b’〕を重合して、芳香族ビニル化合物または/およ
び前記脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位とビニル
系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロッ
ク〔B’〕を得る。これらの工程を少なくとも経て、前
記重合体ブロック〔A’〕および重合体ブロック
〔B’〕を有するブロック共重合体を得た後、該ブロッ
ク共重合体の芳香環または/および脂肪族環を水素化す
る。
【0029】(2)第二の方法としては、まず、飽和脂
環族ビニル化合物を50モル%以上含有するモノマー混
合物〔a〕を重合して、飽和脂環族ビニル化合物由来の
繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A〕を得る。
ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環族ビ
ニル化合物を除く)を2モル%以上含有し、且つ、飽和
脂環族ビニル化合物をモノマー混合物〔a〕中の割合よ
りも少ない割合の量で含有するモノマー混合物〔b〕を
重合して、飽和脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位
とビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合
体ブロック〔B〕を得る。これらの工程を少なくとも経
て、前記重合体ブロック〔A〕および重合体ブロック
〔B〕を有するブロック共重合体を得る。
【0030】上記方法の中で、モノマーの入手容易性、
重合収率、重合体ブロック〔B’〕への繰り返し単位
〔1〕の導入のし易さ等の観点から、上記(1)の方法
がより好ましい。
【0031】上記(1)の方法における芳香族ビニル化
合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−
イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−
メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチ
ル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロ
ロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチ
レン等や、これらにヒドロキシル基、アルコキシ基など
の置換基を有するもの等が挙げられる。中でもスチレ
ン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メ
チルスチレン等が好ましい。
【0032】上記(1)方法における不飽和脂環族ビニ
ル系化合物の具体例としては、シクロヘキセニルエチレ
ン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、およびα−
t−ブチルシクロヘキセニルエチレン等や、これらにハ
ロゲン基、アルコキシ基、またはヒドロキシル基等の置
換基を有するもの等が挙げられる。
【0033】これらの芳香族ビニル化合物および脂環族
ビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることもできるが、本発明において
は、モノマー混合物〔a’〕および〔b’〕のいずれに
も、芳香族ビニル化合物を用いるのが好ましく、中で
も、スチレンまたはα−メチルスチレンを用いるのがよ
り好ましい。
【0034】上記方法で使用するビニル系モノマーに
は、鎖状ビニル化合物および鎖状共役ジエン化合物が含
まれる。
【0035】鎖状ビニル化合物の具体例としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の鎖状オレフィンモノ
マー等が挙げられ、中でも、鎖状オレフィンモノマーが
好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテンが最も好
ましい。
【0036】鎖状共役ジエンは、例えば、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、および1,3−ヘキサ
ジエン等が挙げられる。これら鎖状ビニル化合物および
鎖状共役ジエンの中でも鎖状共役ジエンが好ましく、ブ
タジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの鎖状ビ
ニル化合物および鎖状共役ジエンは、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】上記のモノマーを含有するモノマー混合物
を重合する場合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオ
ン重合等のいずれの方法で重合反応を行ってもよいが、
アニオン重合によるのが好ましく、不活性溶媒の存在下
にリビングアニオン重合を行うのが最も好ましい。
【0038】アニオン重合は、重合開始剤の存在下、通
常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃、特に
好ましくは20℃〜80℃の温度範囲において行う。開
始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウ
ム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム、ジリチ
オメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2
−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合
物などが使用可能である。
【0039】使用する不活性溶媒としては、例えば、n
−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素
類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペ
ンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭
化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等
が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素類や脂環式炭化水素
類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒としてその
まま使用することができる。これらの溶媒は、それぞれ
単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用でき、通
常、全使用モノマー100重量部に対して200〜1
0,000重量部となるような割合で用いられる。
【0040】それぞれの重合体ブロックを重合する際に
は、各ブロック内で、或る1成分の連鎖が長くなるのを
防止するために、重合促進剤やランダマイザーなどを使
用することができる。特に重合反応をアニオン重合によ
り行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザ
ーとして使用できる。ルイス塩基化合物の具体例として
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル
等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第
3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カ
リウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキ
シド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化
合物が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それ
ぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0041】リビングアニオン重合によりブロック共重
合体を得る方法は、従来公知の、逐次付加重合反応法お
よびカップリング法などが挙げられるが、本発明におい
ては、逐次付加重合反応法を用いるのが好ましい。
【0042】逐次付加重合反応法により、重合体ブロッ
ク〔A’〕および重合体ブロック〔B’〕を有する上記
ブロック共重合体を得る場合には、重合体ブロック
〔A’〕を得る工程と、重合体ブロック〔B’〕を得る
工程は、順次連続して行われる。具体的には、不活性溶
媒中で、上記リビングアニオン重合触媒存在下、モノマ
ー混合物〔a’〕を重合して重合体ブロック〔A’〕を
得、引き続きその反応系にモノマー混合物〔b’〕を添
加して重合を続け、重合体ブロック〔A’〕とつながっ
た重合体ブロック〔B’〕を得る。
【0043】得られたブロック共重合体は、例えばスチ
ームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固
法等の公知の方法によって回収する。重合反応におい
て、水素化反応で不活性な溶媒を用いた場合には、重合
溶液そのままを水素化反応工程にも使用することができ
るので、重合溶液からブロック共重合体を回収しなくて
もよい。
【0044】上記(1)の方法において得られる、重合
体ブロック〔A’〕および重合体ブロック〔B’〕を有
するブロック共重合体(以下、水素化前ブロック共重合
体という。)のうち下記の構造の繰り返し単位を有する
ものが好ましい。
【0045】好ましい水素化前ブロック共重合体を構成
する重合体ブロック〔A’〕は、下記式(4)で表され
る繰り返し単位〔4〕を50モル%以上含有する重合体
ブロックである。
【0046】
【化11】 (式中、R16は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R17−R21は、それぞれ独立に、
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン基で
ある。尚、上記〔R17−R21〕は、R17
18、・・およびR21を表す。)
【0047】また、好ましい重合体ブロック〔B’〕
は、前記繰り返し単位〔4〕を必ず含み、下記式(5)
で表される繰り返し単位〔5〕および下記式(6)で表
される繰り返し単位〔6〕のいずれかを少なくとも1つ
含む重合体ブロックである。また、重合体ブロック
〔A’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率をa’、ブ
ロック〔B’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率を
b’とした場合、a’>b’である。
【0048】
【化12】 (式中、R22は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表す。)
【0049】
【化13】 (式中、R23は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R24は水素原子、炭素数1〜20の
アルキル基またはアルケニル基を表す。)
【0050】さらに、ブロック〔B’〕中には、下記式
(Y)で示される繰り返し単位〔Y〕を含有していても
よい。
【0051】
【化14】 (式中、R28は水素原子、または炭素数1〜20のア
ルキル基を表し、R29はニトリル基、アルコキシカル
ボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、また
はハロゲン基を表し、R30は水素原子を表す。また
は、R29とR30とは相互に結合して、酸無水物基、
またはイミド基を形成してもよい。)
【0052】さらに、好ましい水素化前ブロック共重合
体は、ブロック〔A’〕を構成する全繰り返し単位のモ
ル数をm’、ブロック〔B’〕を構成する全繰り返
し単位のモル数をm’とした場合に、その比(m
’:m’)が、5:95〜95:5、より好ま
しくは30:70〜95:5、特に好ましくは40:6
0〜90:10である。(m’:m’)が上記
範囲にある場合に、機械的強度や耐熱性に優れる。
【0053】好ましい水素化前ブロック共重合体の分子
量は、THFを溶媒としてGPCにより測定されるポリ
スチレン(またはポリイソプレン)換算Mwで、12,
000〜400,000、より好ましくは19,000
〜350,000、特に好ましくは25,000〜30
0,000の範囲である。ブロック共重合体のMwが過
度に小さいと、機械的強度が低下し、過度に大きいと、
水素添加率が低下する。
【0054】好ましい水素化前のブロック共重合体の分
子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GP
Cにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレ
ン)換算のMwとMnとの比(Mw/Mn)で、5以
下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下の範
囲である。Mw/Mnがこの範囲にあると、水素添加率
が向上する。
【0055】好ましい水素化前のブロック共重合体のT
gは、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、DS
Cによる高温側の測定値で、70℃〜150℃、より好
ましくは80℃〜140℃、特に好ましくは90℃〜1
30℃である。
【0056】上記の、水素化前のブロック共重合体の、
芳香環やシクロアルケン環などの不飽和環の炭素−炭素
不飽和結合、および主鎖や側鎖の不飽和結合等を水素化
する方法および反応形態に特別な制限はなく、公知の方
法にしたがって行えばよいが、水素化率を高くでき、重
合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましく、例え
ば、有機溶媒中、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロ
ジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、およびレニウ
ムから選ばれる少なくとも1つの金属を含む触媒を用い
て行う方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一系触
媒、均一系触媒のいずれも使用可能である。
【0057】不均一系触媒は、金属または金属化合物の
ままで、または適当な担体に担持して用いることができ
る。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミ
ナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニ
ア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、触媒の担持量
は、好ましくは0.01〜80重量%、より好ましくは
0.05〜60重量%の範囲である。均一系触媒は、ニ
ッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化
合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム
化合物)とを組み合わせた触媒、またはロジウム、パラ
ジウム、白金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体
触媒を用いることができる。ニッケル、コバルト、チタ
ンまたは鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチ
ルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化
合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いら
れる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、
ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アル
キルアルミニウム等が好適に用いられる。
【0058】有機金属錯体触媒の例としては、上記各金
属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリ
ス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ
−トリフェニルホスフィン錯体等の金属錯体が使用され
る。これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、或いは2
種類以上組み合わせて使用することができ、その使用量
は、重合体100重量部に対して、好ましくは0.01
〜100重量部、より好ましくは0.05〜50重量
部、特に好ましくは0.1〜30重量部である。
【0059】水素化反応は、通常10℃〜250℃であ
るが、水素化率を高くでき、且つ、重合体鎖切断反応を
小さくできるという理由から、好ましくは50℃〜20
0℃、より好ましくは80℃〜180℃である。また水
素圧力は、好ましくは0.1MPa〜30MPaである
が、上記理由に加え、操作性の観点から、より好ましく
は1MPa〜20MPa、特に好ましくは2MPa〜1
0MPaである。
【0060】このようにして得られた、ブロック共重合
体の水素化率は、 H−NMRによる測定において、
主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環やシク
ロアルケン環の炭素−炭素不飽和結合のいずれも、好ま
しくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好
ましくは97%以上である。水素化率が低いと、得られ
る共重合体の低複屈折性、熱安定性等が劣るようにな
る。
【0061】水素化反応終了後、ブロック共重合体は、
例えば濾過、遠心分離等の方法により反応溶液から水素
化触媒を除去した後、溶媒を直接乾燥により除去する方
法、反応溶液を、ブロック共重合体にとっての貧溶媒中
に注ぎ、凝固させる方法等によって回収できる。
【0062】以上の方法により得られた本発明に係るブ
ロック共重合体には、必要に応じて各種配合剤を配合す
ることができる。ブロック共重合体に配合することがで
きる配合剤は格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定
剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線
吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;
染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、フィラ
ーなどが挙げられる。これらの配合剤は、単独で、ある
いは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合
量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
【0063】本発明においては、ブロック共重合体に、
上記配合剤の中でも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、およ
び耐光安定剤を配合するのが好ましい。酸化防止剤とし
ては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イ
オウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェ
ノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸
化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合するこ
とにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成
形時の酸化劣化等による容器の着色や強度低下を防止で
きる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合
量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択され
るが、本発明に係るブロック共重合体100重量部に対
して好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは
0.01〜1重量部である。
【0064】紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシ−2’−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシブンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メト
キシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸
収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6
−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6
−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三−
ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’−第三−ブチル−5’−メチル−フェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
第三−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,
5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−
5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2’
−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール〕などのベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤などが挙げられる。これらの中でも、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタ
ルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル
−1−フェニルエチル)フェノールなどが耐熱性、低揮
発性などの観点から好ましい。
【0065】耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐
光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダー
ドアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明にお
いては、容器の透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダ
ードアミン系耐光安定剤を用いるのが好ましい。ヒンダ
ードアミン系耐光安定剤(以下、HALSと記す。)の
中でも、THFを溶媒として用いたGPCにより測定し
たポリスチレン換算のMnが1000〜10000であ
るものが好ましく、2000〜5000であるものがよ
り好ましく、2800〜3800であるものが特に好ま
しい。Mnが小さすぎると、該HALSをブロック共重
合体に加熱溶融混練により配合する際に、揮発して所定
の量を配合できなかったり、射出成形等の加熱溶融成形
時の発泡やシルバーストリーク等の原因となって加工安
定性が低下する。また、ランプを点灯させた状態で容器
を長時間使用する場合に、容器から揮発性成分がガスと
なって発生する。逆にMnが大き過ぎると、ブロック共
重合体への分散性が低下して、容器の透明性が低下し、
耐光性改良の効果が低減する。したがって、本発明にお
いては、HALSのMnを上記範囲とすることにより加
工安定性、低ガス発生性、透明性に優れた容器が得られ
る。
【0066】このようなHALSの具体例としては、
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−〔4,6−
ビス− {ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−4−イル)アミノ}−トリアジ
ン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジ
アミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンと
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ
〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}
ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン
−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロ
ロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、
【0067】ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジ
ン−2,4−ジイル)(2,2,6,6,−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕〕などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介
して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチル
と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1
−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エ
ステル化物などの、ピペリジン環がエステル結合を介し
て結合した高分子量HALSなどが挙げられる。
【0068】これらの中でも、ジブチルアミンと1,
3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重
縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチ
ルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
1−ピペリジンエタノールとの重合物などのMnが20
00〜5000のものが好ましい。
【0069】本発明に係るブロック共重合体に対する上
記紫外線吸収剤およびHALSの配合量は、重合体10
0重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、
より好ましくは0.02〜15重量部、特に好ましくは
0.05〜10重量部である。添加量が少なすぎると耐
光性の改良効果が十分に得られず、屋外で長時間容器を
使用する場合等に着色が生じる。一方、HALSの配合
量が多すぎると、その一部がガスとなって発生したり、
ブロック共重合体への分散性が低下して、容器の透明性
が低下する。
【0070】また、本発明に係るブロック重合体に、最
も低いガラス転移温度が30℃以下である軟質重合体を
配合することにより、透明性、耐熱性、機械的強度など
の諸特性を低下させることなく、長時間の高温高湿度環
境下での白濁を防止できる。
【0071】軟質重合体の具体例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)などのオレフィン系軟質重合体;ポリイソブチレ
ン、イソブチレン−イソプレンゴム、イソブチレン−ス
チレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンラ
ンダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン
−スチレン・ブロック共重合体、イソプレン−スチレン
・ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
・ブロック共重合体などのジエン系軟質重合体;
【0072】ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリ
シロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;ポリブチルア
クリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキ
シエチルメタクリレートなどのアクリル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピ
クロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;フッ
化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴ
ム、などのフッ素系軟質重合体;天然ゴム、ポリペプチ
ド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩
化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑
性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げら
れる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したもので
あってもよく、また、変性反応により官能基を導入した
ものでもよい。
【0073】上記軟質重合体の中でもジエン系軟質重合
体が好ましく、特に該軟質重合体の炭素−炭素不飽和結
合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械的強度、柔
軟性、および分散性の点で優れる。軟質重合体の配合量
は、化合物の種類に応じて異なるが、一般に、配合量が
多すぎれば、ブロック共重合体のガラス転移温度や透明
性が大きく低下し、容器として使用することができな
い。また配合量が少なすぎれば、高温高湿下において成
形物の白濁を生じる場合がある。配合量は、ブロック共
重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜1
0重量部、より好ましくは0.02〜5重量部、特に好
ましくは0.05〜2重量部である。
【0074】本発明に係るブロック共重合体に上記配合
剤を配合してブロック共重合体組成物を形成する方法
は、例えばミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベンダ
ー、押出機などでブロック共重合体を溶融状態にして配
合剤と混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させ凝
固する方法などが挙げられる。二軸混練機を用いる場
合、混錬後に通常は溶融状態でストランド状に押し出
し、ペレタイザーにてペレット状にカットして用いられ
ることが多い。
【0075】本発明の容器は、以上の方法により得られ
た上記ブロック共重合体組成物を成形することにより得
られる。本発明の容器の外形は特に限定されず、箱型、
筒型、球形、トレー型、ボトル型など用途に合わせて設
定することができる。容器の投影平面形状も限定され
ず、正方形、矩形、平行四辺形、五角形、六角形、多角
形、円形、楕円形など種々の形状が可能である。また、
本発明の容器は蓋を有しても、有さなくてもよい。容器
が蓋を有するときの形式は、着脱可能なものでも、ヒン
ジを持つことにより開閉自在にしたものでもよい。着脱
可能な蓋としては、受器上部に覆せて嵌合させる形式、
蓋の外周の内側と受器上端部の外側とに噛み合わせネジ
を切って固定する形式、単に受器の上端に載置する形式
などがある。本発明の容器の大きさは限定されないが、
容器の平面形状または側面形状の大きな方の外寸が、好
ましくは50〜2000mm、より好ましくは100〜
1500mmである。容器の樹脂層の厚みは、好ましく
は1μm〜10mm、より好ましくは5μm〜5mm、
特に好ましくは10μm〜2mmである。上記の厚み範
囲の中で、その使用目的等により、最適な厚み範囲を適
宜に選択できる。
【0076】容器の成形方法は格別な限定はなく、種々
の成型法が利用できる。例えば、ブロック共重合体ペレ
ットから容器を直接成形する方法としては、射出成形
法、ブロー成形法などがあり、また、射出成形法、押出
成形法、インフレーション成形法などにより一旦シート
を成形した後、該シートからプレス成形法により容器を
製造する方法もある。また、本発明の効果を損なわない
限り、例えば本発明に係るブロック共重合体とポリエチ
レン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレフィン、ノルボ
ルネン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデンなどのような
他の樹脂との積層シートを用いてプレス成形法により積
層体材料による容器を成形することも可能である。成形
条件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、
ブロック共重合体の溶融温度が、好ましくは150〜4
00℃、より好ましくは200〜350℃、特に好まし
くは230〜330℃の範囲で適宜選択される。樹脂温
度が過度に低いと流動性が悪化し、容器にヒケやひずみ
を生じ、重合体温度が過度に高いと重合体の熱分解によ
るボイドやシルバーストリークが発生したり、容器が黄
変するなどの成形不良が発生するおそれがある。
【0077】以上のようにして得られた本発明の容器
は、耐熱性、透明性に優れる上、引張り強度や曲げ強度
等の機械的強度が大きく、堅牢性に富むので、医療分
野、食品分野、日用品分野をはじめ産業用途など種々の
分野、用途で貯蔵、搬送、陳列、保管等の目的で物品の
収納のために用いることができる。医療分野では、薬び
んアンプル、バイアルなどの医薬品収納容器;試験管、
採血管、検体容器などのサンプリング容器;プレフィル
ドシリンジ、注射器シリンジなどの医療用具;ビーカ
ー、シャーレ、フラスコ、遠心管などの理化学容器など
が挙げられる。食品分野では、飲料・調味料ボトルなど
の液体収納容器;惣菜、菓子、氷菓子などの食品収納容
器;食品トレー、透明パック、弁当容器などの食品収納
容器;カップ、椀、丼、ボール、皿などの食器などが挙
げられる。日用品分野では、衣裳ケース、人形ケース、
玩具ケース、文具ケース、書類トレー、調理用容器、水
槽、花卉収容箱など各種物品の収納容器が挙げられる。
また、産業用としても、各種の製造工場、調理現場など
において主副原材料、機器メンテナンス材料などを供
給、保管するための容器として有用である。
【0078】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は
これらの製造例、実施例のみに限定されるものではな
い。これらの例中の〔部〕および〔%〕は、特に断わり
のない限り重量基準である。各種の物性の測定は、下記
の方法に従って行った。 (1)ブロック共重合の分子量 THFを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン
換算のMwを求めた。 (2)分子量分布 THFを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン
換算のMwとMnを求め、両者の比(Mw/Mn)を算
出した。 (3)ガラス転移温度(Tg) JIS K7121に基づいてDSCにて測定し、高温
側の変位点から求められる値を、ブロック共重合体のT
gとした。 (4)水素添加率 ブロック共重合体の、芳香環および主鎖の水素添加率
は、H−NMRを測定し算出した。
【0079】(5)射出成形性 射出成形による容器を観察した評価を次に記す基準で記
号に表した。 ◎:ヒケ、そりおよびバリが全くない。 ○:ヒケ、そりまたはバリが僅かで、成形品として容認
可能。 ×:ヒケ、そりまたはバリが著しい。 (6)耐熱性 射出成形による容器から切り出した縦5mm、横5m
m、厚み1mmの試験片につきTMA(セイコー電子工
業社製、SSC5200)にて軟化温度を測定し、評価
を次に記す基準で記号に表した。 ◎:130℃以上 ○:110〜130℃ ×:1
10℃未満 (7)透明性(光線透過率) 可視分光光度計により、波長400〜900nmの範囲
について波長を連続的に変化させて光透過率を測定し、
最小の透過率をその容器の光透過率として測定し、評価
を次に記す基準で記号に表した。 ◎:90%以上 ○:85%以上、90%未満 ×:85%未満 (8)曲げ強度 射出成形による容器から切り出した縦15mm、横60
mm、厚み1mmの試験片につき、曲げ強度をオートグ
ラフAGS−D(島津製作所社製)にて、支点間距離3
0mm、ロードセル10kW、ロードセル速度5mm/
minで測定し、評価を次に記す基準で記号に表した。 ◎:600kgf/cm以上 ○:600kgf/cm未満、500kgf/cm
以上 ×:500kgf/cm未満 (9)曲げ弾性率 上記(8)曲げ試験の際に得られる曲げ弾性率の測定値
につき、評価を次に記す基準で記号に表した。 ◎:21000kgf/cm以上 ○:21000kgf/cm未満、18000kg
f/cm以上 ×:18000kgf/cm未満
【0080】〔製造例1〕十分に乾燥し窒素置換した、
攪拌装置を備えたステンレス鋼製重合器に、脱水シクロ
ヘキサン320部、スチレンモノマー60部、およびジ
ブチルエーテル0.38部を仕込み、60℃で攪拌しな
がらn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶
液)0.36部を添加して重合反応を開始した。1時間
重合反応を行った後、反応溶液中に、スチレンモノマー
8部とイソプレンモノマー12部とからなる混合モノマ
ー20部を添加し、さらに1時間重合反応を行った後、
反応溶液にイソプロピルアルコール0.2部を添加して
反応を停止させた。得られたブロック共重合体のMwは
102,100、Mw/Mnは1.11であった。
【0081】次いで、上記重合反応溶液400部を、攪
拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒とし
て、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工
業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10部を添
加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さら
に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度160℃、圧
力4.5MPaにて8時間水素化反応を行った。水素化
反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した
後、シクロヘキサン800部を加えて希釈し、該反応溶
液を3500部のイソプロパノール(クラス1000の
クリーンルームで、孔径1μmのフィルターにてろ過し
たもの)中に注いでブロック共重合体を析出させ、ろ過
により分離回収し、80℃にて48時間減圧乾燥させ
た。得られたブロック共重合体は、スチレン由来の繰り
返し単位を含有するブロック(以降Stと略記する)、
およびスチレンとイソプレン由来の繰り返し単位を含有
するブロック(以降St/Ipと略記する)とからなる
2元ブロック共重合体であり、それぞれのブロックのモ
ル比は、St:St/Ip=69:31(St:Ip=
10:21)であった。該ブロック共重合体のMwは8
5,100、Mw/Mnは1.17、主鎖および芳香環
の水素化率は99.9%、Tgは126.5℃であっ
た。
【0082】〔製造例2〕製造例1において、重合器に
当初仕込むスチレンモノマーの量を60部から37.5
部に変更し、スチレンモノマー8部とイソプレンモノマ
ー12部の混合モノマーを1時間重合した後に、更にス
チレンモノマー37.5部を添加して1時間重合した他
は製造例1と同様に重合反応を行い、反応停止した。得
られたブロック共重合体のMwは101,000、Mw
/Mnは1.13であった。次いで、製造例1と同様に
水素化反応を行った。得られたブロック共重合体は、S
tとSt/IpとStとからなる3元ブロック共重合体
であり、それぞれのブロックのモル比は、St:St/
Ip:St=34.5:31(St:Ip=10:2
1):34.5であった。該ブロック共重合体のMwは
84,900、Mw/Mnは1.20、水素化率は9
9.9%、Tgは127.1℃であった。
【0083】〔製造例3〕製造例1で用いたものと同じ
ステンレス鋼製重合器に、脱水シクロヘキサン320
部、スチレンモノマー28.8部とイソプレンモノマー
28.8部からなる混合モノマー57.6部およびジブ
チルエーテル0.38部を仕込み、60℃で攪拌しなが
らn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)
0.36部を添加して重合反応を開始した。1時間重合
を行った後、スチレンモノマー8.8部とイソプレンモ
ノマー13.6部からなる混合モノマー22.4部を添
加し、さらに1時間反応させた後、イソプロピルアルコ
ール0.2部を添加して反応を停止させた。得られたブ
ロック共重合体のMwは100,500、Mw/Mnは
1.07であった。次いで、製造例1同様に水素化反応
を行った。得られたブロック共重合体は、Aブロック
(St/Ip=28/42)とBブロック(St/Ip
=9/21)とからなる2元ブロック共重合体であっ
た。該ブロック共重合体のMwは83,500、Mw/
Mnは1.16、水素化率は99.9%、Tgは12
3.5℃であった。
【0084】〔製造例4〕製造例1において、重合器に
当初仕込むスチレンモノマーの量を60部から56部に
変更し、スチレンモノマー8部とイソプレンモノマー1
2部の混合モノマーをスチレンモノマー23.92部と
イソプレンモノマー0.08部の混合モノマーに変更し
た他は製造例1と同様に重合反応を行い、反応停止し
た。得られたブロック共重合体のMwは102,00
0、Mw/Mnは1.11であった。次いで、製造例1
同様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体
は、StとSt/Ipとからなる2元ブロック共重合体
であり、それぞれのブロックのモル比は、St:St/
Ip=70:30(St:Ip=29.85:0.1
5)であった。該ブロック共重合体のMwは85,30
0、Mw/Mnは1.17、水素化率は99.9%、T
gは132.1℃であった。
【0085】〔製造例5〕製造例1において、重合器に
当初仕込むスチレンモノマーの量を60部から72部に
変更し、スチレンモノマー8部とイソプレンモノマー1
2部の混合モノマー20部の代わりにイソプレンモノマ
ー8部を用いた他は製造例1と同様に行い、反応停止し
た。得られたブロック共重合体のMwは101,30
0、Mw/Mnは1.12であった。次いで、製造例1
同様に水素化反応を行った。得られたブロック共重合体
は、StとIpとからなる2元ブロック共重合体であ
り、それぞれのブロックのモル比は、St:Ip=8
5:15であった。該ブロック共重合体のMwは83,
300、Mw/Mnは1.18、水素化率は99.9
%、Tgは138.1℃であった。
【0086】〔製造例6〕製造例1で用いたものと同じ
ステンレス鋼製重合器に、脱水シクロヘキサン320
部、スチレンモノマー80部およびジブチルエーテル
0.38部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチル
リチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.36部を
添加して重合反応を開始した。2時間重合を行った後、
イソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止
させた。得られたポリスチレンのMwは129,00
0、Mw/Mnは1.04であった。次いで、製造例1
同様に水素化反応を行った。得られた水素化ポリスチレ
ン樹脂のMwは84,700、Mw/Mnは1.10、
水素化率は99.9%、Tgは145℃であった。
【0087】〔実施例1〕製造例1で得られたブロック
共重合体100部に対し、スチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレン・ブロック共重合体(クラレ社製、セプト
ン2002)0.1部、および酸化防止剤としてテトラ
キス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガノッ
クス1010)0.1部、およびベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN P)を
0.1部、さらにHALSとして、ジブチルアミンと
1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物
〔HALS(A)、Mn=3,000〕0.1部をそれ
ぞれ添加し、2軸混練機(東芝機械社製、TEM−35
B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー
回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィードレー
ト10kg/時間)で混練し、ストランド状に押し出し
た。これを水冷してペレタイザーで切断し、ペレット化
した。
【0088】得られたペレットを、空気を流通させた熱
風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去し
た後、射出成形機により、シリンダー温度250℃、金
型温度80℃、一次射出圧力98.1MPa、二次射出
圧力78.4MPaにて、樹脂層の厚みが1mmであ
り、底面が200mm×300mmの矩形で、その4辺
に高さ150mmの側壁を有する箱型(蓋なし)の容器
を成形した。容器にはヒケ、そり、バリなどの成形不良
がなく、表面が平滑であった。得られた容器の耐熱性、
透明性、機械的強度を評価した。結果を表1に記載す
る。
【0089】〔実施例2〜5〕実施例1において、製造
例1で得られたブロック共重合体のペレットの代わりに
製造例2〜5で得られたブロック共重合体のペレットを
それぞれ用いた以外は、実施例1同様にして容器を成形
し、耐熱性、透明性、機械的強度を測定して評価した。
結果を表1に記載する。
【0090】〔比較例1〕実施例1において、製造例1
で得られたブロック共重合体のペレットの代わりに製造
例6で得られた水素化ポリスチレン樹脂のペレットを用
いた以外は、実施例1と同様にして容器を成形し、耐熱
性、透明性、機械的強度を測定して評価した。結果を表
1に記載する。
【0091】〔比較例2〕実施例1において、製造例1
で得られたブロック共重合体のペレットの代わりにスチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合
体(シェル化学社製、クレイトンKX408、水素添加
スチレンブタジエンブロック共重合体)を用いた他は実
施例1と同様に行って容器を成型した。得られた容器の
耐熱性、透明性、機械的強度を評価した。結果を表1に
記載する。
【0092】
【表1】
【0093】表1に示すように、本発明に係るブロック
共重合体を用いて成形された容器は、成形不良がなく、
耐熱性、透明性に優れ、また、曲げ強度および曲げ弾性
率などの機械的強度も大きかった(実施例1〜5)。こ
れに対し、水素化ポリスチレンで成形した容器は、耐熱
性および透明性は良いものの、機械的強度が小さかった
(比較例1)。また、スチレン−エチレン−ブチレン−
スチレン・ブロック共重合体では、射出成形で正確な形
状が出せず、成形品は耐熱性および透明性が劣り、曲げ
強度や曲げ弾性率も低かった(比較例2)。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、透明性、およ
び機械的強度に優れた、脂環式構造を有する繰り返し単
位を含有するブロック共重合体製の容器が提供がされ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長宗 勉 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 村田 徹 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 3E033 AA01 AA08 AA09 AA10 BA22 BB04 CA03 CA07 CA09 CA18 FA02 FA03 GA03 4F071 AA12 AA12X AA22 AA22X AA75 AG07 AH05 BB05 BB06 BC04 4J026 HA06 HA08 HA25 HA26 HA32 HA39 HA48 HB02 HB03 HB04 HB14 HB15 HB16 HB26 HB32 HB39 HB45 HB48 HB49 HB50 HE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表される繰り返し単位
    〔1〕を含有する重合体ブロック〔A〕および、下記式
    (2)で表される繰り返し単位〔2〕または/および下
    記式(3)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する重
    合体ブロック〔B〕を有するブロック共重合体を成形し
    てなる容器。 【化1】 (式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のア
    ルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素
    原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、
    炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基であ
    る。) 【化2】 (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。) 【化3】 (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原
    子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 重合体ブロック〔B〕が、前記繰り返し
    単位〔1〕をさらに含有し、ブロック〔A〕中の繰り返
    し単位〔1〕のモル分率a(モル%)、および、ブロッ
    ク〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率b(モル
    %)が、a>bの関係にある請求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】 重合体ブロック〔A〕中の前記繰り返し
    単位〔1〕の含有量が50モル%以上であり、重合体ブ
    ロック〔B〕中の繰り返し単位〔2〕のモル分率m
    (モル%)、および、繰り返し単位〔3〕のモル分率
    (モル%)が、2×m+m≧2(モル%)の関
    係にある請求項1または2に記載の容器。
  4. 【請求項4】 ブロック共重合体中における、ブロック
    〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数mと、ブロ
    ック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル数mの比
    (m:m)が5:95〜95:5である、請求項1
    〜3のいずれかに記載の容器。
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EP01954470A EP1310513A4 (en) 2000-08-04 2001-08-06 BLOCK COPOLYMER, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND MOLDED OBJECT

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JP2014037532A (ja) * 2012-07-18 2014-02-27 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物からなるフィルム及び容器
WO2015033876A1 (ja) 2013-09-06 2015-03-12 日本ゼオン株式会社 滅菌済み医療用成形体の製造方法

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