JP2002120689A - 乗員保護装置の起動装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動装置

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JP2002120689A
JP2002120689A JP2000310890A JP2000310890A JP2002120689A JP 2002120689 A JP2002120689 A JP 2002120689A JP 2000310890 A JP2000310890 A JP 2000310890A JP 2000310890 A JP2000310890 A JP 2000310890A JP 2002120689 A JP2002120689 A JP 2002120689A
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deceleration
collision
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occupant protection
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Katsuji Imai
勝次 今井
Noribumi Iyoda
紀文 伊豫田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員保護装置を精度良く起動させることを可
能とした起動装置を提供する。 【解決手段】車両に搭載される乗員保護装置の起動を制
御する乗員保護装置50の起動装置20であって、車両
の前後方向での車両減速度Gを検出する第1減速度検出
手段22と、車両の左側及び右側の各々に配設されて減
速度LG,RGを検出する第2減速度検出手段24,2
6と、車両減速度Gを時間で積分して減速度積分値VG
を算出する第1の積分演算手段34と、減速度LG,R
Gを時間で積分して左右減速度積分値VL,VRを算出
する第2の積分演算手段35と、車両減速度Gと減速度
積分値VGとに基づいて車両の衝突を推定する衝突推定
手段36と、減速度積分値VG及び左右減速度積分値V
L,VRとに基づいて、衝突推定手段が衝突を推定した
所定の場合について悪路によるものか否かを判定する悪
路判定手段37とを、備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗員保護装置の起動
装置に関し、より詳しくは車両が悪路を走行しているの
か衝突状態にあるのかを判別して、乗員保護装置を精度
良く起動させることを可能とした乗員保護装置の起動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されたエアバック等の乗員保
護装置は、車両内の減速度計等により検出された減速度
の時間的変化等に基づいて乗員保護装置の起動タイミン
グの調整が行われている。そして、乗員保護装置をより
的確なタイミングで起動するためには、車両が衝突した
ことを確実に検出することが重要である。車両の衝突を
検出する装置の1つとして、例えば出願人は車両本体中
央にフロアセンサを設けると共に、車両の前方に配置さ
れたフロントセンサにより検出される減速度に基づいて
乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起動制御
装置を提案している(特開平10−152014号公
報)。このような起動制御装置によれば、フロアセンサ
のみでは衝撃を検出し難いような衝突形態であっても、
乗員保護装置を適切に起動させることができる。
【0003】ところで、車両が悪路を走行した場合、車
両が衝突していないにも拘わらず予想外の大きな減速度
を生じ上記乗員保護装置の適正な起動判定に障害となる
ことがある。そのため悪路の検出を避けて、乗員保護装
置をタイミングよく起動させる方法として、例えば加速
度の最初のピークから次のピークまでの時間が所定時間
以上になったときに悪路として判定するものが提案され
ている(特開平10−67295号公報等)。この装置
では、悪路と判定されたときには、ピークから次のピー
クまでの時間での加速度の値に対して小さく重み付けて
取扱うことにより、悪路走行時における悪路が起因して
生じる加速度の振動成分を除去している。
【0004】また、フロアセンサからの検出信号に対し
て低周波のローパスフィルタ処理を行い、フィルタ処理
の後に波形が残るか否かにより、悪路と車両の衝突を判
定しようとする提案等もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加速度
の最初のピークから次のピークまでの時間により悪路を
判定する場合、ピークの検出に時間を要すると共に2番
目のピークを検出するまでの時間を要し、迅速に判定す
ることができない場合が生じる。また、ローパスフィル
タを用いる場合、判定に時間を要したり、衝突による波
形がローパスフィルタで除去される場合も生じる。
【0006】したがって、本発明は、簡易な構成で乗員
保護装置を精度良く起動させることを可能とした起動装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載の如く、車両に搭載される乗員保護装置の起動を制御
する乗員保護装置の起動装置であって、前記車両の前後
方向での車両減速度を検出する第1減速度検出手段と、
前記第1減速度検出手段より前側で前記車両の左側及び
右側の各々に配設され、該車両前後方向の減速度を検出
する第2減速度検出手段と、前記車両減速度を時間によ
り積分して前記車両の減速度積分値を算出する第1の積
分演算手段と、前記第2減速度検出手段で検出された前
記左側及び右側の減速度を時間により積分して前記車両
の左右各々における左右減速度積分値を算出する第2の
積分演算手段と、前記車両減速度と前記減速度積分値と
に基づいて前記車両の衝突を推定する衝突推定手段と、
前記減速度積分値及び左右減速度積分値とに基づいて、
前記衝突推定手段が衝突を推定した所定の場合について
悪路によるものか否かを判定する悪路判定手段とを備え
た構成により達成される。
【0008】請求項1記載の発明によれば、先ず衝突推
定手段が車両減速度と減速度積分値とに基づいて車両の
衝突を推定し、この推定に対して悪路の影響を考慮する
必要がある衝突推定の場合には悪路判定手段が駆動さ
れ、悪路によるものか否かをさらに判定する。よって、
悪路である場合の乗員保護装置の起動を確実に防止し
て、真に必要な場合についてのみ乗員保護装置を起動す
ることができる乗員保護装置の起動装置となる。
【0009】また、請求項2に記載の如く、請求項1記
載の乗員保護装置の起動装置において、前記衝突推定手
段による推定結果及び前記悪路判定手段による判定結果
に基づいて、当該乗員保護装置の起動を制御する起動制
御手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0010】請求項2記載の発明によれば、起動制御手
段が衝突推定手段による推定結果及び悪路判定手段によ
る判定結果に基づいて、乗員保護装置を起動する必要が
あるか、否かを総括的に判断するので、真に必要な場合
についてのみ乗員保護装置を起動することができる。よ
って、乗員保護装置の最適な起動制御が可能な乗員保護
装置の起動装置となる。
【0011】また、請求項3に記載の如く、請求項1又
は2記載の乗員保護装置の起動装置において、前記衝突
推定手段は、少なくとも最大の悪路により前記車両が受
ける車両減速度よりも高く定めた第1の閾値と、少なく
とも前記車両が衝突した際の車両減速度よりも低く定め
た第2の閾値とを含み、前記第1の閾値と第2の閾値と
に基づいて前記車両の衝突を推定する、構成とすること
ができる。
【0012】請求項3記載の発明によれば、周期的にサ
ンプリングされる車両減速度が第1の閾値を越えた場合
には悪路によるものではなく車両衝突により生じたもの
とすることができ、また周期的にサンプリングされる車
両減速度が第1の閾値と第2の閾値との間にある場合に
は悪路を含む可能性があることを前提に、衝突推定手段
が衝突と推定する。
【0013】このように、衝突推定手段は悪路の可能性
を分別しながら車両の衝突を推定するので、これに基づ
いて乗員保護装置の最適な起動制御を行うことができ
る。
【0014】ここで、第1の閾値は、例えば悪路より高
い衝撃を生じるような車両の損傷が大きい衝突を検出す
るために設定される。車両が悪路走行した場合には、車
両に損傷が無く、乗員保護装置を起動するには及ばない
にも拘わらず、予想外の大きな車両減速度が検出される
ことがある。そこで、第1の閾値は最も大きな車両減速
度を生じさせるような悪路(最大の悪路)を含まず、車
両が衝突した場合にはこれを検出できるように設定され
る。第1の閾値は、種々の形態の車両試験やシミュレー
ションに基づいて車両の速度毎や車種毎に設定しておく
ことが望ましい。一方、第2の閾値は少なくとも車両が
衝突した可能性があるときは乗員保護装置の起動対象と
なるようにした車両減速度が設定される。この第2の閾
値も、種々の形態の車両試験やシミュレーションに基づ
いて車種毎等に設定しておくことが望ましい。
【0015】また、請求項4に記載の如く、請求項3記
載の乗員保護装置の起動装置において、前記衝突推定手
段は、前記車両の車両減速度が前記第1の閾値が越えた
場合及び該車両減速度が第2の閾値を超え前記第1の閾
値が越えない場合に、前記車両の衝突を推定する、構成
とすることができる。
【0016】請求項4記載の発明によれば、衝突推定手
段は検出された車両減速度の状態に応じて車両衝突を簡
易に推定することができる。
【0017】例えば、衝突推定手段は車両減速度と減速
度積分値とで形成する衝突推定判定マップ上に上記第1
の閾値及び第2の閾値を有する。第1減速度検出手段に
より周期的にサンプリングされる車両減速度と、第1の
積分演算手段により算出される減速度積分値とにより定
まる特定点が、第2の閾値を越えたか、さらに第1の閾
値を越えたかにより、衝突推定手段が衝突を推定する。
この場合、第1の閾値或いは第2の閾値は、車両減速度
と減速度積分値との相対的な関係において、車両の衝突
が検出できるように定めればよいので、上記判定マップ
上で第1の閾値或いは第2の閾値は、例えば階段状、曲
線状等の実態に即した線として形成される。
【0018】また、請求項5に記載の如く、請求項4記
載の乗員保護装置の起動装置において、前記悪路判定手
段は、前記車両減速度が第2の閾値を超えかつ前記第1
の閾値が越えないことに基づいて前記衝突推定手段が前
記車両の衝突を推定した場合に、前記減速度積分値が前
記左右減速度積分値の平均値より小さいときに前記車両
が悪路を走行したとの判定を行う、構成とすることが好
ましい。
【0019】請求項5記載の発明によれば、検出された
車両減速度が第1の閾値と第2の閾値との間にあること
に基づいて、衝突推定手段が前記衝突を推定したときに
は、悪路判定手段により悪路走行であるか、否かの判定
がなされる。よって、衝突との推定がされたときでも悪
路の可能性がある場合には、悪路を確実に除き車両の衝
突時にのみ確実に乗員保護装置を起動させることができ
る。
【0020】また、請求項6に記載の如く、請求項5記
載の乗員保護装置の起動装置において、前記起動制御手
段は、前記車両減速度が前記第1の閾値が越えたことに
基づいて前記衝突推定手段が前記車両の衝突を推定した
とき及び前記悪路判定手段が前記車両が悪路を走行した
との判定をしないときに、乗員保護装置を起動させる、
構成とすることが好まししい。
【0021】請求項6記載の発明によれば、起動制御手
段が第1の閾値を越える車両減速度に基づいて車両の衝
突が推定されたとき及び前記悪路判定手段が車両が悪路
走行したとの判定をしないときに、乗員保護装置を起動
されるので、乗員の保護が真に必要なときに乗員保護装
置を確実に起動させる起動装置となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施の形態
を図に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明の一実施例である乗員保護装
置の起動装置20のハード構成概略を示す構成図であ
る。図2は同起動装置20が車両10に搭載されたとき
の様子を例示する図である。また、図3は同起動装置2
0の概略構成を機能ブロックを用いて示す図である。
【0024】本実施例の乗員保護装置の起動装置20
は、図1及び図2に示すように、車両10の中央部コン
ソール近傍に取付けられ車両減速度(以下、フロアGと
称す)を検出するフロアセンサ22と、車両10の左右
のサイドメンバ前方(クラッシュゾーン)に各々取付け
られ、車両前後方向の減速度(以下、フロントLG、R
G)を検出する左右フロントセンサ24、26とを備え
ている。
【0025】乗員保護装置の起動装置20は、フロアセ
ンサ22により検出されるフロアG及び左右フロントセ
ンサ24、26により検出されるフロントLG、RGに
基づいて車両の衝突を判別するマイクロコンピュータ4
0を含む。また、マイクロコンピュータ40はCPU4
2を中心として構成されており、所定の処理プログラム
を記憶したROM44と、一時的にデータの記憶をする
RAM46と入出力回路(I/O)48を含む。
【0026】上記CPU42は、例えばフロアセンサ2
2で一定のフロアGを検出した以降、所定の周期的(例
えば2kHz)でサンプリングを行うように設定されて
いる。そして、左右フロントセンサ24、26により検
出されるフロントLG、RGの少なくとも一方が所定の
閾値を越えたときに、車両衝突の可能性があるものとし
て処理を開始する。さらに、CPU42は、フロアセン
サ22で検出されたフロアG及び左右フロントセンサ2
4、26により検出されるフロントLG、RGとを用い
て、前記車両が真に衝突状態であるか、否かを判断して
乗員保護装置の起動制御する。このCPU42が有する
構成は、図3に示した衝突形態判別装置20の機能ブロ
ック図により明らかにされている。
【0027】次に、図3に示した機能ブロック図によ
り、乗員保護装置の起動装置20を説明する。フロアセ
ンサ22により検出されたフロアG、及び左右フロント
センサ24、26により検出されたフロントLG、RG
は、信号入力部28を介して、所定のサンプリング周期
をもって衝突判定部30に供給される。
【0028】この衝突判定部30は、図4に示すように
左右フロントセンサ24、26により検出されるフロン
トLG、RGのいずれか一方が所定閾値thを越える
と、車両の衝突を想定して乗員保護装置起動のための準
備処理に入るように設定されている。
【0029】また、前記衝突判定部30は、フロアセン
サ22が検出したフロアGの時間による積分値として減
速度積分値VGを演算するフロア積分演算部34と、フ
ロアGと減速度積分値VGとに基づいて車両が受けた衝
撃(減速度)のレベルに応じて衝突を推定する衝突推定
部36とを備えている。なお、フロア積分演算部34で
は、次式(1)によりフロアGの減速度積分値VGを演
算している。
【0030】V=∫G(t)dt ………(1) 前記衝突推定部36は、例えば図5に例示するような縦
軸をフロアG、横軸を減速度積分値VGとし、車両の衝
突を推定するための判定マップを備え、この判定マップ
上に第1の閾値THAと第2の閾値THBとを設定して
いる。第1の閾値THAは、最大の悪路よりも大きい車
両減速度を生じるような衝突、例えば正突、高速でのオ
フセット衝突等を想定して設定される。車両が正突等の
状態で衝突すると衝突初期に車両減速度の大きなピーク
を示す曲線FULとなる傾向があるので、第1の閾値T
HAを越えるフロアGがフロアセンサ22により検出さ
れたときには、車両が大きく損傷するような衝突があっ
たとの判断をすることができる。なお、図5に示す第1
の閾値THAは段状に形成した例が示されている。
【0031】また、第2の閾値THBは少なくとも車両
が衝突した可能性があるときに乗員保護装置の起動対象
となるような車両減速度を参照して設定される。
【0032】衝突推定部36では、周期的にサンプリン
グされるフロアGとこれに基づく減速度積分値VGとに
より定まる特定点が、(1)前記第1の閾値THAを越
えたか、(2)第2の閾値THBを越えかつ第1の閾値
THAを越えないか、さらに(3)第2の閾値THBを
越えないか、により車両衝突の判別がされる。上記
(1)と(2)の場合は共に、車両の衝突が推定される
が、特に(2)による衝突推定の場合には悪路である可
能性があるとして、後述の悪路判定の対象となる。
【0033】なお、図5に示した判定マップは、乗員保
護装置の起動の必要有無を判定する起動判定マップと同
様であり、所定の起動閾値THLを越えるような特定点
が検出されたときに、乗員保護装置を起動するように判
定することも可能である。しかし、前述したように車両
に生じるフロアGには衝突に基づかない悪路等により大
きな車両減速度が発生する。そこで、本実施例の起動装
置ではこの悪路である場合を確実に除くため悪路判別を
実行し、真に必要な場合にのみ乗員保護装置の起動を実
行させる構成としている。
【0034】すなわち、本実施例では、図5に示す判定
マップでは、悪路判定を行う範囲として、本来の起動閾
値THLの前部側に上記第1の閾値THA及び第2の閾
値THBを設定する。悪路に基づいて生じる車両減速度
は極短時間に生じるという特長があり、判定マップ上に
悪路に基づく特定点の軌跡を例示して描くと曲線AKR
のようになる。そこで、上記第1の閾値THAは、種々
の悪路曲線ARKを回避するように設定される。また、
第2の閾値THBは車両衝突の可能性がある車両減速度
に対して設定されるので第1の閾値THAと第2の閾値
THBとの間の部分SQは、車両の衝突の場合と悪路の
場合が混在することになる。そこで、本実施例では、こ
の部分SQに特定点が位置するときには、後述する悪路
判定を行って検出されたフロアGが衝突に基づくもので
あるのか、悪路に基づくものであるのかを判別できるよ
うにしている。なお、図5に例示した判定マップでは、
初期の範囲PHを衝突推定禁止範囲としている。この範
囲は車両の起動時等で生じるノイズによる影響を除いて
精度良い衝突推定を実現するため設定されている。
【0035】さらに、上記第1の閾値を越えるようなフ
ロアGを生じさせるような衝突では、車両の損傷が大き
く早期に検知し、乗員保護のための対処をすることが望
ましい。本実施例では、第1の閾値を越えたか否かで衝
突との判断が可能であるので、早期の対応が可能とな
る。すなわち、衝突した車両のフロアGが最大値(ピー
クPE)となる前に衝突との推定が完了するので、例え
ば乗員保護装置の起動閾値THL自体を下げる等してよ
り適切な乗員保護に役立ることもできる。
【0036】ところで、衝突時の初期において、前述し
た悪路の場合とポール衝突やアンダーライド衝突等のソ
フトクラッシュの場合とで、フロアセンサ22及び左右
フロントセンサ24,26に基づて検出される各減速度
の状態が近似する場合がある。しかし、前記図5の判定
マップ上に、ソフトクラッシュの場合の特定点による軌
跡を例示的に描くと曲線POLとなる。すなわち、本実
施例の場合には、ソフトクラッシュを悪路の影響を受け
ることなく検出できるという利点も備えている。
【0037】さらに、前記衝突判定部30は、左右フロ
ントセンサ24、26が検出した車両左右のフロントL
G、RG各々の時間による積分値として左右の減速度積
分値VL、VRを演算するフロント積分演算部35と、
悪路判定部37とを備える。フロント積分演算部35で
は、次式(2)によりフロントLGの左減速度積分値V
L、次式(3)によりフロントRGの右減速度積分値V
Rが算出される。
【0038】 VL=∫LG(t)dt ……… (2) VR=∫RG(t)dt ……… (3) 悪路判定部37は、前述したように衝突推定部36が前
記特定点がSQ部分に位置していること基づいて衝突を
推定したときには、減速度積分値VGと減速度積分値V
L及びVRの平均値とに基づいて車両が悪路走行した
か、否かの判定をする。減速度積分値VGと左右減速度
積分値VL及びVRの平均値との大小を比較すること
で、車両が悪路走行したか、否かを判定することができ
る。
【0039】ここで、悪路判定部37が、減速度積分値
VGと左右減速度積分値VL及びVRの平均値とで、悪
路判定を行うことができるとする基本原理を図6及び図
7を用いて説明する。図6は車両が正突等で衝突した場
合のフロアGとフロントG(フロントLG又はRG)と
の変化について示す図であり、図7は車両が悪路走行し
た場合のフロアGとフロントG(フロントLG又はR
G)との変化について示す図である。
【0040】図6に示すように衝突の場合はフロアGに
先立って、フロントGが現われるが、車両が悪路走行し
た場合には、図7に示すようにフロアGとフロントGは
略同時に現われる。特に、衝突が正突であったような場
合にはフロントGの方が大きな値として現われ、悪路走
行による場合にはフロアGの方が大きな値として現われ
る傾向がある。
【0041】本実施例の悪路判定部37は、衝突推定部
36による処理で特定点がSQ部分に位置していると、
フロア積分演算部34から減速度積分値VGを、フロン
ト積分演算部35から左右の減速度積分値VL、VRを
得て、減速度積分値VGと左右の減速度積分値VL及び
VRの平均値との大小を比較して車両が悪路走行した
か、否かを判定する。本実施例では左右の減速度積分値
VL及びVRの平均値を用いるので、衝突の種々の形態
を含んで衝突を推定できる。
【0042】具体的には悪路判定部37では、下記式
(4)、(5)を用いて悪路判定の処理を行う。
【0043】 2×減速度積分値VG−{(左減速度積分値VL)+(右減速度積分値VR)} >Vth ……(4) 上記式(4)に該当する場合は、悪路判定部37は悪路
との判定を行う。 2×減速度積分値VG−{(左減速度積分値VL)+(右減速度積分値VR)} ≦Vth ……(5) 上記式(5)に該当する場合は、悪路判定部37は衝突
との判定を行う。
【0044】なお、式(4)、(5)におけるVthは判
定理論値であり、車両試験等に基づいて車両毎に設定さ
れる。
【0045】衝突判定部30は、上記衝突推定部36の
衝突有無の判断と悪路判定部37の判定結果とを受け
て、乗員保護装置50の起動制御する起動制御部38を
有している。
【0046】起動制御部38は、衝突推定部36が衝突
ではないと判断した場合は乗員保護装置50を起動させ
ず、特定点が第1の閾値THAを越え衝突推定部36が
衝突であるとの判断した場合は乗員保護装置50を起動
させる。さらに、起動制御部38は、衝突推定部36が
特定点が第1の閾値THAと第2の閾値THBとの間の
SQ部分に位置したので衝突と推定した場合には、悪路
判定部37の判定結果に基づいて乗員保護装置50の起
動制御を行う。
【0047】なお、図1に示した乗員保護装置50はエ
アバック装置を例示している。その構成を簡単に説明す
る。エアバック52とこのエアバック52にガスを供給
する2個のインフレータ54,54と、図示しないガス
発生剤に点火する点火装置56と、前記マイクロコンピ
ュータ40からの起動信号に基づいて点火装置56に通
電して点火する駆動回路58,58とを備える。2個の
インフレータ54を備えるのは、これらを同時に作動さ
せてエアバック52を高速で膨張させる高膨張と、これ
らを時間差をもって作動させる低膨張とを行うためであ
る。この高膨張と低膨張の選択は車両の衝突形態などに
応じて設定される。
【0048】さらに、上記のように構成された本実施例
の衝突形態判別装置20の動作について説明する。図8
は実施例として示した乗員保護装置の起動装置20のマ
イクロコンピュータ40により実行される起動処理ルー
チンの一例を示すフローチャートである。本ルーチン
は、例えば上記フロアセンサ22により所定値を越える
フロアGが検出さたことにより実行される。
【0049】上記起動処理ルーチンが実行されると、マ
イクロコンピュータ40のCPU42は、フロアセンサ
22からフロアGを、左右フロントセンサ24、26か
らフロントLG、RGを読み込む(ステップ100)。
さらに、フロントLG、RGのいずれ一方が所定の閾値
thを越えた場合には(ステップ102)、フロア積分
演算部34によりフロアGを時間により積分した車両の
減速度積分値VGが算出され、フロント積分演算部35
によりフロントLG、RGを時間により積分した左右の
減速度積分値VGが算出される(ステップ104)。
【0050】続くステップ106では、前記衝突推定部
36が所定の判定マップを用いて、フロアGと減速度積
分値VGとによる特定点が第2の閾値THBを越えた
か、否かにより第一段の車両衝突の推定処理を実行す
る。上記特定点が第2の閾値THBを越えていなければ
上記の処理を繰返す。一方、特定点が第2の閾値THB
を越えている場合には、さらに特定点が第1の閾値TH
Aを越えたか、否かにより第二段の車両衝突の推定処理
を実行する(ステップ108)。
【0051】ステップ108で、特定点が第1の閾値T
HAを越えたことにより衝突が推定されている場合は、
前述したように衝突と速やかに推定ができるので、衝突
があったとの判断をして(ステップ112)、乗員保護
装置50を起動させる制御を行って(ステップ11
4)、本ルーチンを終了する。
【0052】一方、ステップ108で、特定点が第1の
閾値THAを越えないで衝突が推定されている場合は悪
路を含む場合があるので、ステップ110により所定の
悪路判定を実行する。このステップ110では前記悪路
判定手段37が上記式(4)及び(5)を用いて車両が
悪路走行したか、否かを判定する。
【0053】悪路判定手段37により車両が悪路走行し
た判定されると、乗員保護装置50を起動させることな
く本ルーチンを終了する。悪路判定手段37により車両
が悪路走行していないと判定されると、乗員保護装置5
0を起動させる制御を行って(ステップ114)、本ル
ーチンを終了する。
【0054】以上示したように、本実施例の乗員保護装
置の起動装置20によれば、判定マップ内に設けた第1
の閾値THA及び第2の閾値THBに対して特定点がど
の位置にあるかという簡易な判断で、まず車両衝突を推
定することができる。そして、衝突と悪路とが判別困難
な場合についてのみ悪路判定するので、衝突判定の処理
が迅速化でき乗員保護装置の起動タイミングを最適化す
る起動装置となる。
【0055】なお、上記実施例では衝突判定部30内に
起動制御部38を設けて判定処理を行う例を示したが、
衝突推定手段36の処理結果において特定点が第1の閾
値THAを越えた場合は車両への損傷が大きな衝突であ
ると想定ができるので、この場合には衝突推定手段36
の推定結果に基づいて乗員保護装置を起動させるように
構成してもよい。
【0056】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0057】なお、特許請求の範囲の記載、第1減速度
検出手段はフロアセンサ22に、第2減速度検出手段は
フロントセンサ24、26に、第1積分演算手段はフロ
ア積分演算部34に、第2積分演算手段はフロント積分
演算部35に、衝突推定手段は衝突推定部36に、悪路
判定手段は悪路判定部37に、それぞれ対応している。
【0058】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、請求項1記載の発明によれば、先ず衝突推定手段が
車両減速度と減速度積分値とに基づいて車両の衝突を推
定し、この推定に対して悪路の影響を考慮する必要があ
る衝突推定の場合には悪路判定手段が駆動され、悪路に
よるものか否かをさらに判定する。よって、悪路である
場合の乗員保護装置の起動を確実に防止して、真に必要
な場合についてのみ乗員保護装置を起動することができ
る乗員保護装置の起動装置となる。
【0060】また、請求項2記載の発明によれば、起動
制御手段が衝突推定手段による推定結果及び悪路判定手
段による判定結果に基づいて、乗員保護装置を起動する
必要があるか、否かを総括的に判断するので、真に必要
な場合についてのみ乗員保護装置を起動することができ
る。よって、乗員保護装置の最適な起動制御が可能な乗
員保護装置の起動装置となる。
【0061】また、請求項3記載の発明によれば、衝突
推定手段は悪路の可能性を分別しながら車両の衝突を推
定するので、これに基づいて乗員保護装置の最適な起動
制御を行うことができる。
【0062】また、請求項4記載の発明によれば、衝突
推定手段は検出された車両減速度の状態に応じて車両衝
突を簡易に推定することができる。
【0063】また、請求項5記載の発明によれば、衝突
との推定がされたときでも悪路の可能性がある場合に
は、悪路を確実に除き車両の衝突時にのみ確実に乗員保
護装置を起動させることができる。
【0064】また、請求項6記載の発明によれば、起動
制御手段が第1の閾値を越える車両減速度に基づいて車
両の衝突が推定されたとき及び前記悪路判定手段が車両
が悪路走行したとの判定をしないときに、乗員保護装置
を起動されるので、乗員の保護が真に必要なときに乗員
保護装置を確実に起動させる起動装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である乗員保護装置の起動装
置のハード構成概略を示す図である。
【図2】図1に示した乗員保護装置の起動装置が車両に
搭載されたときの様子を例示する図である。
【図3】図1に示した乗員保護装置の起動装置の概略構
成を機能ブロックを用いて示す図である。
【図4】左右フロントセンサにより検出されるフロント
LG、RGの所定閾値thについて示す図である。
【図5】車両の衝突を推定するために用いる正突判定マ
ップ例を示す図である。
【図6】車両が衝突した場合のフロアGとフロントL
G、RGとの変化について示す図である。
【図7】車両が悪路した場合のフロアGとフロントL
G、RGとの変化について示す図である。
【図8】実施例の乗員保護装置の起動装置により実行さ
れる起動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 車両 20 衝突形態判別装置 22 フロアセンサ 24 左フロントセンサ 26 右フロントセンサ 28 信号入力部 30 衝突判定部 34 フロア積分演算部 35 フロント積分演算部 36 衝突推定部 37 悪路判定部 38 起動制御部 50 乗員保護装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載される乗員保護装置の起動を
    制御する乗員保護装置の起動装置であって、 前記車両の前後方向での車両減速度を検出する第1減速
    度検出手段と、 前記第1減速度検出手段より前側で前記車両の左側及び
    右側の各々に配設され、該車両前後方向の減速度を検出
    する第2減速度検出手段と、 前記車両減速度を時間により積分して前記車両の減速度
    積分値を算出する第1の積分演算手段と、 前記第2減速度検出手段で検出された前記左側及び右側
    の減速度を時間により積分して前記車両の左右各々にお
    ける左右減速度積分値を算出する第2の積分演算手段
    と、 前記車両減速度と前記減速度積分値とに基づいて前記車
    両の衝突を推定する衝突推定手段と、 前記減速度積分値及び左右減速度積分値とに基づいて、
    前記衝突推定手段が衝突を推定した所定の場合について
    悪路によるものか否かを判定する悪路判定手段とを、備
    えた、乗員保護装置の起動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の乗員保護装置の起動装置
    において、 前記衝突推定手段による推定結果及び前記悪路判定手段
    による判定結果に基づいて、当該乗員保護装置の起動を
    制御する起動制御手段をさらに備えた、乗員保護装置の
    起動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の乗員保護装置の起
    動装置において、 前記衝突推定手段は、少なくとも最大の悪路により前記
    車両が受ける車両減速度よりも高く定めた第1の閾値
    と、少なくとも前記車両が衝突した際の車両減速度より
    も低く定めた第2の閾値とを含み、前記第1の閾値と第
    2の閾値とに基づいて前記車両の衝突を推定する、こと
    を特徴とする乗員保護装置の起動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の乗員保護装置の起動装置
    において、 前記衝突推定手段は、前記車両の車両減速度が前記第1
    の閾値が越えた場合及び該車両減速度が第2の閾値を超
    え前記第1の閾値が越えない場合に、前記車両の衝突を
    推定する、ことを特徴とする乗員保護装置の起動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の乗員保護装置の起動装置
    において、 前記悪路判定手段は、前記車両減速度が第2の閾値を超
    えかつ前記第1の閾値が越えないことに基づいて前記衝
    突推定手段が前記車両の衝突を推定した場合に、前記減
    速度積分値が前記左右減速度積分値の平均値より小さい
    ときに前記車両が悪路を走行したとの判定を行う、こと
    を特徴とする乗員保護装置の起動装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の乗員保護装置の起動装置
    において、 前記起動制御手段は、前記車両減速度が前記第1の閾値
    が越えたことに基づいて前記衝突推定手段が前記車両の
    衝突を推定したとき及び前記悪路判定手段が前記車両が
    悪路を走行したとの判定をしないときに、乗員保護装置
    を起動させる、ことを特徴とする乗員保護装置の起動装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7031815B2 (en) 2001-09-19 2006-04-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Collision type identifying device
US7243944B2 (en) 2001-05-14 2007-07-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Activating device for occupant protection device and controlling method therefor

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