JP2002120064A - アーク放電誘発方法及びその装置 - Google Patents
アーク放電誘発方法及びその装置Info
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Abstract
し、かつ安定化することができるアーク放電誘発方法及
びその装置を提供する。 【解決手段】 パルスレーザ14をタングステン電極1
2−母材10間に存在する気体中に集光させることによ
ってプラズマチャンネル15を発生させる。そして、プ
ラズマチャンネル15によりアーク溶接機におけるアー
ク放電の誘発を行うことができる。
Description
るアーク放電誘発方法及びその装置に関するものであ
る。
技術としては、特開平6−142927号、特開平8−
243742号、特開平11−123546号などがあ
る。
の高速化におけるアーク不安定対策として、レーザ・ア
ーク複合溶接がある。ここでは、レーザビームを母材に
照射し、母材を加熱することによりレーザプルームを発
生させ、アーク放電を安定させる。しかし、この方法は
高速加工には有効であるが、母材の加熱に時間を要する
という欠点があった〔文献:レーザ熱加工研究会誌、v
ol.6,No.1(1999)P.79〜84、P.
85〜88〕 ところで、TIG(タングステン・イナートガス)溶接
機のアーク起動は、電極と母材が非接触で行われるた
め、電極と母材との間に高周波あるいは高電圧を印加し
てアーク放電を誘発している。
である。
しての母材であり、陽極となる。2はタングステン電極
であり、陰極となる。なお、コンピュータによる制御系
は省略されている。
ク放電誘発(引き金)のための技術としては、第1に火
花放電発生法があり、電極と母材を接触させることによ
り、火花放電を発生させる。第2に高周波スタート法が
あり、高周波を電極と母材との間に印加する。更に、第
3に高電圧法があり、高電圧を電極と母材との間に印加
する。
たように、アーク溶接機(コンピューター制御)におけ
る電気アークは、以下のような問題点があった。
材を接触させて火花放電を発生させるという動作をコン
ピューター制御により実行すること自体が難しい。
自体がノイズとなるため、コンピューターを含めた周辺
機器に悪影響を及ぼす。
るため危険であるとともに、ノイズがあり、電極と母材
表面の汚れに影響を受け易く着火(アーク放電誘発)し
ない場合もある。
スタート時は被溶接材や電極の温度、電極と母材の間隔
等に放電の立ち上がりが影響を受けるため、種々の異常
現象や溶接の不具合の発生がある。このために電極と母
材の距離を通常2mm以下とし、厳しい工程管理が必要
になる。
接における放電立ち上がりを容易に、かつ安定化するこ
とができるアーク放電誘発方法及びその装置を提供する
ことを目的とする。
成するために、 〔1〕アーク放電誘発方法において、溶接すべき母材と
電極とがギャップを有し、前記母材と前記電極との間に
アーク放電を生じさせて前記母材を溶接するアーク溶接
方法において、前記母材と前記電極との間に荷電粒子チ
ャンネルを形成させ、アーク放電の立ち上げを行うこと
を特徴とする。
法において、前記荷電粒子チャンネルの形成を、前記母
材と前記電極との間にパルスレーザ光を集光させ、前記
母材と前記電極との間のレーザブレークダウンにより行
うことを特徴とする。
法において、前記パルスレーザ光を前記電極と同軸上に
集光させることを特徴とする。
法において、アーク放電開始の制御信号と同期させて1
ショットパルス光を発生させることを特徴とする。
法において、前記パルスレーザ光はYAGレーザであ
り、このYAGレーザの4倍高調波である266nmと
することを特徴とする。
すべき母材と電極とがギャップを有し、前記母材と前記
電極との間にアーク放電を生じさせて前記母材を溶接す
るアーク溶接機と、前記母材と前記電極との間に荷電粒
子チャンネルを形成させる手段とを具備することを特徴
とする。
置において、前記荷電粒子チャンネルを形成させる手段
が、前記母材と前記電極との間に集光させるパルスレー
ザ光であることを特徴とする。
置において、前記パルスレーザ光を前記電極と同軸上に
集光させる穴開きレンズを備えることを特徴とする。
置において、前記荷電粒子チャンネルを形成させる手段
が、前記母材と前記電極との間に作用させる電子ビーム
であることを特徴とする。
参照しながら説明する。
接機のアーク放電誘発方法の模式図である。
としての母材であり、陽極となる。11はトーチ、12
はそのトーチ11におけるタングステン電極であり、陰
極となる。13はシールドであり、このシールド13と
タングステン電極12間にシールドガスを流せるように
構成されている。14はパルスレーザ、15は電離気体
による導通路(プラズマチャンネル)、16はアーク溶
接機の制御装置、17は直流電源を示している。
母材10にかけて電流を流すための導通路、つまり電離
気体による導通路(プラズマチャンネル)15を形成す
る。その結果、このプラズマチャンネル15により、タ
ングステン電極12と母材10は導通状態となり、アー
ク放電が開始される。
ン電極12−母材10間に存在する気体中に集光させる
ことによってプラズマチャンネル15を発生させる。
によりアーク溶接機におけるアーク放電の誘発に成功し
た。
ステム(実験システム)の構成図、図3は本発明の第1
実施例の溶接機の配置図、図4は本発明の第1実施例の
レーザにより生成したプラズマチャンネルを示す図であ
る。
属板としての母材であり、陽極となる。21はトーチ、
22はそのトーチ21におけるタングステン電極であ
り、陰極となる。23はシールド、24はプラズマチャ
ンネル、25はアーク溶接機、30はレーザシステム、
31はYAGレーザ、32,35は波長変換素子、3
3,34,36,37,38はミラー、39は集光用石
英レンズ、40はパルスレーザである。図3において、
タングステン電極22の傾斜角度θは60°、タングス
テン電極22と母材20間の間隔Dは3mmである。
ルスレーザ40をタングステン電極22−母材20間に
存在する気体中に集光させることによって発生させる。
によりアーク溶接機におけるアーク放電を誘発させるこ
とができる。
ザエネルギー最小値は20mJであり、実施条件は以下
のようである。
ン電極22間の距離Dは3mm、プラズマチャンネル発
生用レーザは、図2に示すように、YAGレーザ(HO
YAContinuum Power Lite 80
00)31、このYAGレーザ31のレーザ波長は26
6nm(YAGレーザの4倍高調波)、レーザビーム径
は8mm、集光用石英レンズ焦点距離は150mmであ
った。
溶接機であり、インバータ制御・直流TIG溶接機(日
立インバータTIG,DT−NP 300A)を用い、
高周波スタート回路はOFF、最高無負荷電圧は約61
V、シールドガスはアルゴンガスを用いた。
接トーチ(TEC WP−27A)を用い、コレットは
サイズ3.2mmφ、ガスレンズ・コレットボディはサ
イズ3.2mmφ、ガスレンズ・ノズルはNo.8、内
径は12.7mmを用いた。
る。
接機のアーク放電誘発方法の模式図である。
グステン電極、52はタングステン電極51と同軸的に
配置される穴開き凸レンズ、53はパルスレーザ、54
はプラズマチャンネルである。
き凸レンズ52によってタングステン電極51の先端部
に集光されている。
テン電極51と同軸的に配置される穴開き凸レンズ52
によって、タングステン電極51と同軸上に集光するこ
とができる。
る。
接機のアーク放電誘発方法の模式図である。
グステン電極、62はタングステン電極61と同軸的に
配置される穴開きの円筒部62Aと下方円錐部62Bと
からなるレンズ(穴開きアキシコンレンズ)、63はパ
ルスレーザ、64はプラズマチャンネルである。
きの円筒部62Aと下方円錐部62Bとからなるレンズ
62によってプラズマチャンネル64に沿って長細い領
域にタングステン電極61と同軸上に集光することがで
きる。
グステン電極51,61と母材50,60間のタングス
テン電極51,61の同軸上にパルスレーザ53,63
を集光させることができ、アーク溶接における放電立ち
上がりを容易に、かつ、安定化することができる。
ルの形成にはレーザを用いたが、真空中における電子ビ
ームを用いるようにしてもよい。要するに、荷電粒子チ
ャンネルを形成することができるのであれば、如何なる
手段でも差し支えない。
ノイズによって故障しやすいレーザを用いたレーザアー
ク複合溶接におけるアーク放電誘発法としても有効であ
る。
としても考えられる。従来のプラズマ溶接機は、高周波
スタート法を使用しており、アーク溶接機に比べプラズ
マ溶接機は、若干構造が複雑ではあるが、工夫をすれ
ば、荷電粒子チャンネルによるアーク放電誘発は可能で
ある。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、以下のような効果を奏することができる。
り不具合に起因する不良ワークの発生を防止することが
できる。
とができ、工程管理が大幅に楽になる。
はばらつきがあったが、それを解消することができ、信
頼性を向上させることができる。
ク放電誘発方法の模式図である。
験システム)の構成図である。
ラズマチャンネルを示す図である。
ク放電誘発方法の模式図である。
ク放電誘発方法の模式図である。
ラズマチャンネル) 16 アーク溶接機の制御装置 17 直流電源 25 アーク溶接機 30 レーザシステム 31 YAGレーザ 32,35 波長変換素子 33,34,36,37,38 ミラー 39 集光用石英レンズ 52 穴開き凸レンズ 62 穴開きの円筒部と下方円錐部とからなるレンズ
(穴開きアキシコンレンズ) 62A 円筒部 62B 下方円錐部
Claims (9)
- 【請求項1】 溶接すべき母材と電極とがギャップを有
し、前記母材と前記電極との間にアーク放電を生じさせ
て前記母材を溶接するアーク溶接方法において、 前記母材と前記電極との間に荷電粒子チャンネルを形成
させ、アーク放電の立ち上げを行うことを特徴とするア
ーク放電誘発方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のアーク放電誘発方法にお
いて、前記荷電粒子チャンネルの形成を、前記母材と前
記電極との間にパルスレーザ光を集光させ、前記母材と
前記電極との間のレーザブレークダウンにより行うこと
を特徴とするアーク放電誘発方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のアーク放電誘発方法にお
いて、前記パルスレーザ光を前記電極と同軸上に集光さ
せることを特徴とするアーク放電誘発方法。 - 【請求項4】 請求項2記載のアーク放電誘発方法にお
いて、アーク放電開始の制御信号と同期させて1ショッ
トパルス光を発生させることを特徴とするアーク放電誘
発方法。 - 【請求項5】 請求項2記載のアーク放電誘発方法にお
いて、前記パルスレーザ光はYAGレーザであり、該Y
AGレーザの4倍高調波である266nmとすることを
特徴とするアーク放電誘発方法。 - 【請求項6】(a)溶接すべき母材と電極とがギャップ
を有し、前記母材と前記電極との間にアーク放電を生じ
させて前記母材を溶接するアーク溶接機と、(b)前記
母材と前記電極との間に荷電粒子チャンネルを形成させ
る手段とを具備することを特徴とするアーク放電誘発装
置。 - 【請求項7】 請求項6記載のアーク放電誘発装置にお
いて、前記荷電粒子チャンネルを形成させる手段が、前
記母材と前記電極との間に集光させるパルスレーザ光で
あることを特徴とするアーク放電誘発装置。 - 【請求項8】 請求項7記載のアーク放電誘発装置にお
いて、前記パルスレーザ光を前記電極と同軸上に集光さ
せる穴開きレンズを備えることを特徴とするアーク放電
誘発装置。 - 【請求項9】 請求項6記載のアーク放電誘発装置にお
いて、前記荷電粒子チャンネルを形成させる手段が、前
記母材と前記電極との間に作用させる電子ビームである
ことを特徴とするアーク放電誘発装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318815A JP3944563B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318815A JP3944563B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002120064A true JP2002120064A (ja) | 2002-04-23 |
JP3944563B2 JP3944563B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=18797385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000318815A Expired - Lifetime JP3944563B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3944563B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102151944A (zh) * | 2011-01-25 | 2011-08-17 | 哈尔滨工业大学 | 采用激光等离子体引燃tig电弧的方法 |
-
2000
- 2000-10-19 JP JP2000318815A patent/JP3944563B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102151944A (zh) * | 2011-01-25 | 2011-08-17 | 哈尔滨工业大学 | 采用激光等离子体引燃tig电弧的方法 |
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JP3944563B2 (ja) | 2007-07-11 |
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