JP2002118956A - 限流器 - Google Patents

限流器

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JP2002118956A
JP2002118956A JP2000303450A JP2000303450A JP2002118956A JP 2002118956 A JP2002118956 A JP 2002118956A JP 2000303450 A JP2000303450 A JP 2000303450A JP 2000303450 A JP2000303450 A JP 2000303450A JP 2002118956 A JP2002118956 A JP 2002118956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メインテナンスフリーであり、小型、安価
で、かつ高性能の限流器を得る。 【解決手段】 対向した一対の第1及び第2の磁芯と、
この第1及び第2の磁芯間に接合された永久磁石とから
構成された閉磁気回路、並びに前記永久磁石により発生
する飽和磁束が還流する前記第1及び第2の磁芯に導線
が巻回されて構成されたコイルを備えた限流器であっ
て、前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前
記第2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流
により、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するよう
になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気回路の短絡
事故などで発生する過電流を抑制する限流器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電気書院1960年刊木村久男
監修「変圧器の設計工作法」304頁には、短絡電流を
インピーダンスのみで制限する目的で、そのリアクタン
スがコイルの巻数と形状により決まる空芯リアクトル
(ソレノイドコイル)が使用されることが開示されてい
る。また、オーム社刊「電気工学ハンドブック」614
頁に、三通りの超伝導限流器が開示されている。その一
つは超伝導線と抵抗を並列接続する方法で、正常時は電
流が超伝導線を流れ、系統事故時には超伝導線が常伝導
転移することにより高抵抗となり、事故電流は抵抗に流
れ、限流されることが記載されている。その他の方法は
省略するが、いずれの方法も付帯装置として低温冷却装
置を必要とする。さらに、永久磁石を用いたものとして
は、例えば、第20回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1996)22pB−4に内磁型構成の限流器が開示
されている。
【0003】また、外磁型構成の限流器として、本出願
人が図14に示す限流器を出願している(平成12年2
月25日出願、特願平12−049565号)。図14
において、第1の磁気回路10aは、棒状の永久磁石1
1aと、この永久磁石11aの両端面にそれぞれ接合さ
れたヨーク14a,14bと、2個のヨーク14a,1
4bの端面に接合された軟質磁芯12aとから構成され
ている。また、第2の磁気回路10bは、第1の磁気回
路10aと同一構造であり、永久磁石11bと、この永
久磁石11bの両端面にそれぞれ接合されたヨーク14
c,14dと、2個のヨーク14c,14dの端面に接
合された軟質磁芯12bとから構成されている。第1の
磁気回路10aと第2の磁気回路10bとは、軟質磁芯
12a,12bが対面するように配設されている。軟質
磁芯12a,12bの中間部には導線が巻回されたコイ
ル13が設けられている。
【0004】この限流器は、定常の交流電流に対しては
コイル13のインピーダンスが低いが、事故電流、即ち
大電流に対しては、可飽和リアクトルの原理でその半波
に対して軟質磁芯の12a,12bの磁気飽和部が磁化
反転を起こし、高インピーダンスとなり、全波に渡って
限流されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例に記した空
芯リアクトルを用いた限流器では、空芯構造のため、イ
ンピーダンスが低く限流効率が悪く、且つインピーダン
スが電流に依存せず一定のため、限流開始電流が小さい
という問題点があった。また、超伝導限流器は低温冷却
装置を必要とするため、メインテナンスに費用がかかる
という問題点もあった。
【0006】また、永久磁石を用いた内磁型構成の限流
器では、単相器としては2台を必要とするので大型化
し、高価となる問題点があった。
【0007】また、図14に示した外磁型構成の限流器
では、コイル13が一つでよいという利点を有するもの
の、閉磁気回路として、永久磁石11a,11b、軟質
磁芯12a,12b、ヨーク14a〜14dを必要とし
て部材点数が多く、また上下の永久磁石11a、11b
による発生磁束の方向が異なるので、軟質磁芯12a,
12bでは互いを減磁するという問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題とするものであって、メインテナンスフリ
ーであり、小型、安価で、かつ高性能の限流器を得るこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る限流器は、対向した一対の第1及び第2の磁芯と、こ
の第1及び第2の磁芯間に接合された永久磁石とから構
成された閉磁気回路、並びに前記永久磁石により発生す
る飽和磁束が還流する前記第1及び第2の磁芯に導線が
巻回されて構成されたコイルを備えた限流器であって、
前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前記第
2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流によ
り、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するようにな
っている。
【0010】この発明の請求項2に係る限流器では、永
久磁石は第1及び第2の磁芯の両端部にそれぞれ配置さ
れている。
【0011】この発明の請求項3に係る限流器では、永
久磁石は両面が第1及び第2の磁芯の全面に接合された
平板状である。
【0012】この発明の請求項4に係る限流器では、永
久磁石の断面が矩形状、第1及び第2の磁芯の断面がほ
ぼ半円形状、コイルの断面がほぼ円形状である。
【0013】この発明の請求項5に係る限流器は、U形
状の磁芯とこの磁芯の両端部間に接合された永久磁石と
から構成された閉磁気回路、並びに前記永久磁石により
発生する飽和磁束が還流する前記磁芯に導線が巻回され
た構成されたコイルを備えた限流器であって、前記飽和
磁化の方向が逆なる前記磁芯のストレート部は、回路短
絡時に前記コイルに流れる電流により、前記電流の半周
期毎に交互に磁化反転するようになっている。
【0014】この発明の請求項6に係る限流器は、U形
状の第1の磁芯と、この第1の磁芯の内側に配設された
U形状の第2の磁芯と、前記第1及び第2の軟質磁芯の
端部間にそれぞれ接合された第1及び第2の永久磁石と
から構成された閉磁気回路、並びに前記第1及び第2の
永久磁石により発生する飽和磁束が還流する前記第1及
び第2の磁芯に導線が巻回された構成されたコイルを備
えた限流器であって前記飽和磁化の方向が逆なる前記第
1及び第2の磁芯のストレート部は、回路短絡時に前記
コイルに流れる電流により、前記電流の半周期毎に交互
に磁化反転するようになっている。
【0015】この発明の請求項7に係る限流器は、対向
した一対の第1及び第2の磁芯と、この第1及び第2の
磁芯の両外側にヨークを介してそれぞれ設けられた第1
及び第2の永久磁石とから構成された閉磁気回路、並び
に前記第1及び第2の永久磁石により発生する飽和磁束
が還流する前記第1及び第2の磁芯に導線が巻回されて
構成されたコイルを備えた限流器であって、前記飽和磁
束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前記第2の磁芯
は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流により、前記
電流の半周期毎に交互に磁化反転するようになってい
る。
【0016】この発明の請求項8に係る限流器では、ヨ
ークと第1及び第2の磁芯とは同一部材で構成されてい
る。
【0017】この発明の請求項9に係る限流器では、永
久磁石、磁芯及びコイルの断面が矩形である。
【0018】この発明の請求項10に係る限流器では、
磁芯は、軟質磁芯である。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1の限流器Xの斜視図、図2は図1の限流器
Xの正面図、図3は図1の限流器Xの側面図、図4は限
流器Xの軟質磁芯の磁束密度(B)−磁界(H)曲線の
模式図、図5は限流器Xが組み込まれた電気回路図であ
る。図において、1a,1bはそれぞれ希土類磁石(N
d−Fe−B系、Sm−Co系)、フェライト磁石(B
a系、Sr系)、押し出し磁石(Mn−Al系)等から
構成されたほぼ同材質、同形状の角柱状の第1及び第2
の永久磁石で、保磁力、残留磁束密度の大きい磁気特性
を有するものである。2a,2bは第1及び第2の永久
磁石1a,1bを挟持したスイッチング用の第1及び第
2の軟質磁芯2a,2bで、この両軟質磁芯2a,2b
はほぼ同材質、同形状の方向性珪素鋼、パーマロイ(5
0Ni−Fe)等の積層鉄心、フェライト(Mn−Z
n、Ni−Zn)等の焼結磁芯から構成されており、高
透磁率、且つ、角形性のよいものである。3は第1及び
第2の軟質磁芯2a,2bの周囲に銅等の低抵抗材の導
線を巻回して構成されたコイルである。コイル3は第1
及び第2の軟質磁芯2a,2bの周囲に直接設けられて
いるが、ボビンを介して設けてもよい。
【0020】第1及び第2の永久磁石1a,1bは第1
及び第2の軟質磁芯2a,2bが接合される面に垂直の
方向に着磁される。その着磁方向は、図2において矢印
イ,ロの方向であり、第1及び第2の永久磁石1a,1
bと第1及び第2の軟質磁芯2a,2bとから構成され
た閉磁気回路に還流磁束が発生するようになっている。
【0021】次に、上記構成の実施の形態1の限流器X
の動作について説明する。第1及び第2の軟質磁芯2
a,2bは第1及び第2の永久磁石1a、1bで飽和領
域まで磁化されている。そのときの飽和磁化の方向は、
図4の磁束密度(B)−磁界(H)曲線に示すごとく、
第1の軟質磁芯2aと第2の軟質磁芯2bとは逆方向と
なり、第1及び第2の軟質磁芯2a,2bは着磁点A、
Bに飽和磁化されている。なお、コイル3に誘起される
電圧Vは第1及び第2の軟質磁芯2a,2bの磁束密度
Bに比例し、またコイル3に流れる電流Iは第1及び第
2の軟質磁芯2a,2bの磁界Hに比例する関係にあ
る。
【0022】コイル3に定常電流が流れているときは、
電流が小さいので、第1及び第2の軟質磁芯2a,2b
は飽和磁化領域から外れず、磁束変化が無いので、コイ
ル3のインピーダンス(リアクタンス)は小さく、コイ
ル3の電圧降下は小さい。従って、図5に示すごとく電
源電圧Eは、負荷Rに印加される(R≫X)。
【0023】今、負荷Rが短絡し、コイル3に故障大電
流が流れると、第1及び第2の軟質磁芯2a、2bは飽
和磁化領域から大きく外れ、軟質磁芯2a,2bは互い
に逆方向の磁気飽和領域に磁化反転するので、コイル3
のインピーダンス(リアクタンス)は大きくなる。この
とき、電源電圧Eは殆どがコイル3に印加される(R≪
X)。このような可飽和リアクトルの原理により、短絡
時、全波にわたって限流される。なお、短絡時のコイル
3のリアクタンスは第1及び第2の軟質磁芯2a,2b
の寸法比(長さ/断面積)に依存するので、短絡時に流
れる電流の値を小さくするにはその寸法比を大きくする
必要がある。
【0024】なお、図1〜図3の構成で第1及び第2の
永久磁石1a,1bを着磁する際、1台の電磁石で行う
と、2個の永久磁石1a,1bの一方が漏れ磁界で減磁
されという問題があるので、2台の電磁石のコイルをシ
リーズに接続し、2個の永久磁石1a,1bを同時に着
磁するのが望ましい。
【0025】実施の形態2.図6は実施の形態2の限流
器の正面図、図7は図6の限流器の側面図である。な
お、以下の各実施の形態では、同一、または相当部材は
同一符号を付して、その説明は省略する。この実施の形
態2では、軟質磁芯22をU形状とし、永久磁石21を
角柱(板)状とし、軟質磁芯22及び永久磁石21を各
々1個で構成している。軟質磁芯22のストレート部2
2aにコイル2が設けられている。軟質磁芯22は一体
構造のU形状の巻き鉄心(例えば、方向性珪素鋼)、焼
結磁芯(例えば、フェライト)または接合鉄心で構成さ
れる。飽和磁化の方向が逆なる軟質磁芯22の両ストレ
ート部22aは、回路短絡時にコイル3に流れる大電流
により、電流の半周期毎に交互に磁化反転し、コイル3
のインピーダンスは大きくなり、電源電圧は殆どがコイ
ル3に印可される。
【0026】上記構成の限流器は、軟質磁芯22及び永
久磁石21が各々1個で構成しているので、実施の形態
1の限流器と比較して部材点数が減少し、また永久磁石
21の着磁も1台の電磁石で行うことができる。
【0027】実施の形態3.図8は実施の形態3の限流
器の正面図、図9は図8の限流器の側面図である。この
実施の形態3では、U形状の第1の軟質磁芯32aの内
側にU形状の第2の軟質磁芯32bを配設し、第1の軟
質磁芯32aの端部と第2の軟質磁芯32bの端部との
間に角柱の第1及び第2の永久磁石1a,1bが設けら
れている。なお、第1及び第2の軟質磁芯32a,32
bの材質については、実施の形態2のものと同様であ
る。飽和磁化の方向が逆なる第1及び第2の軟質磁芯3
2a,32bのストレート部32a1,32b1は、回
路短絡時にコイル3に流れる大電流により、電流の半周
期毎に交互に磁化反転するようになっている。
【0028】上記構成の限流器では、上下の第1及び第
2の永久磁石1a,1bの磁極が同じであるので、電磁
石1台で着磁ができる。また、実施の形態1及び2と比
較して、同一設置スペースの条件下では軟質磁芯32
a,32bの寸法比(長さ/断面積)を大きくすること
ができるので、コイル3のインピーダンスを大きくする
ことができ、短絡時に流れる電流をより低く抑えること
ができる。
【0029】実施の形態4.図10は実施の形態4の限
流器の正面図、図11は図10の限流器の側面図であ
る。この実施の形態4では、2個の軟質磁芯2a,2b
間に両面が軟質磁芯2a,2bの全面に接合された永久
磁石41を配設した点が実施の形態1と異なる。勿論、
永久磁石41の左半分と右半分とでは逆方向に着磁され
ている。この実施の形態4では、実施の形態1〜3の限
流器と比較して、永久磁石41の容積が大きいので、磁
気エネルギがそれだけ大きく軟質磁芯2a,2bを深く
磁気飽和させることができ、限流開始電流を大きくでき
る。
【0030】実施の形態5.図12は実施の形態5の限
流器の側面図である。この実施の形態5では、第1及び
第2の軟質磁芯52a,52bの断面が半円形状の半円
柱である点が実施の形態1と異なる。この軟質磁芯52
a,52bを積層鉄心で構成する場合には、軟質磁芯5
2a,52bは、外周側面が段差のある半円柱形状とな
る。この実施の形態5では、永久磁石1a,1b、第1
の軟質磁芯52a及び第2の軟質磁芯52bで構成され
た全体形状が円柱形状であるので、その外周面に導線を
円滑に巻回してコイル3が簡単に形成される。
【0031】実施の形態6.図13は実施の形態6の限
流器の側面図である。この実施の形態6では、第1及び
第2の軟質磁芯2a,2bの両端部が第1ないし第4の
ヨーク60a〜60dを介して第1及び第2の永久磁石
1a,1bと接合されている点が実施の形態1と異な
る。この第1ないし第4のヨーク60a〜60dは、高
い限流性能、小型化という観点から、高透磁率、高飽和
磁束密度のものが望ましい。また、第1ないし第4のヨ
ーク60a〜60dは第1及び第2の軟質磁芯2a,2
bと同一材質でも所要の性能が実現できる。
【0032】この実施の形態6では、コイル3の外側に
第1及び第2の永久磁石1a,1bを配置してある。第
1及び第2の永久磁石1a,1bの保磁力(BHc)は
数百Oeから1万Oeを越えるものまで材質により異な
る。コイル3内の磁界が大きくなると、磁石保磁力、磁
石動作点に依存する減磁問題が生じるが、コイル3の外
では磁界は急激に減衰するので、この実施の形態6で
は、減磁が殆ど起きない。
【0033】なお、上記各実施の形態(実施の形態5を
除く。)では、永久磁石、磁芯及びコイルの断面が矩形
であるが、勿論この形状に限定されない。また、各実施
の形態とも、磁芯として、軟質磁芯を用いたが、軟質磁
芯の代わりに、着磁性が低下するものの半硬質磁芯を用
いてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1に係る限流器によれば、対向した一対の第1及び第2
の磁芯と、この第1及び第2の磁芯間に接合された永久
磁石とから構成された閉磁気回路、並びに前記永久磁石
により発生する飽和磁束が還流する前記第1及び第2の
磁芯に導線が巻回されて構成されたコイルを備えた限流
器であって、前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁
芯及び前記第2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流
れる電流により、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転
するようになっているので、回路短絡時には、コイルの
インピーダンスは大きくなり、メインテナンスフリーで
高効率で限流される。
【0035】また、この発明の請求項2に係る限流器に
よれば、永久磁石は第1及び第2の軟質磁芯の両端部に
それぞれ配置されているので、簡単に閉磁気回路を形成
することができる。
【0036】また、この発明の請求項3に係る限流器に
よれば、永久磁石は両面が第1及び第2の磁芯の全面に
接合された平板状であるので、磁気エネルギが大きく、
磁芯を深く磁気飽和させることができ、限流開始電流を
大きくすることができる。
【0037】また、この発明の請求項4に係る限流器に
よれば、永久磁石の断面が矩形状、第1及び第2の磁芯
の断面がほぼ半円形状、コイルの断面がほぼ円形状であ
るので、導線の巻回作業性が向上し、コイルを形成し易
い。
【0038】また、この発明の請求項5に係る限流器に
よれば、U形状の磁芯とこの磁芯の両端部間に接合され
た永久磁石とから構成された閉磁気回路、並びに前記永
久磁石により発生する飽和磁束が還流する前記磁芯に導
線が巻回された構成されたコイルを備えた限流器であっ
て、前記飽和磁化の方向が逆なる前記磁芯のストレート
部は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流により、前
記電流の半周期毎に交互に磁化反転するようになってい
るので、磁芯及び永久磁石が各々1個で構成され、部材
点数が減少し、また永久磁石の着磁も1台の電磁石で行
うことができる。
【0039】また、この発明の請求項6に係る限流器に
よれば、U形状の第1の磁芯と、この第1の磁芯の内側
に配設されたU形状の第2の磁芯と、前記第1及び第2
の磁芯の端部間にそれぞれ接合された第1及び第2の永
久磁石とから構成された閉磁気回路、並びに前記第1及
び第2の永久磁石により発生する飽和磁束が還流する前
記第1及び第2の磁芯に導線が巻回された構成されたコ
イルを備えた限流器であって、前記飽和磁化の方向が逆
なる前記第1及び第2の磁芯のストレート部は、回路短
絡時に前記コイルに流れる電流により、前記電流の半周
期毎に交互に磁化反転するようになっているので、例え
ば上下の第1及び第2の永久磁石の磁極が同じにするこ
とができ、電磁石1台で着磁ができる。また、所定の設
置スペースの条件下で軟質磁芯の寸法比(長さ/断面
積)を大きくすることができるので、コイルのインピー
ダンスを大きくすることができ、短絡時に流れる大電流
をより低く抑えることができる。
【0040】また、この発明の請求項7に係る限流器に
よれば、対向した一対の第1及び第2の磁芯と、この第
1及び第2の磁芯の両外側にヨークを介してそれぞれ設
けられた第1及び第2の永久磁石とから構成された閉磁
気回路、並びに前記第1及び第2の永久磁石により発生
する飽和磁束が還流する前記第1及び第2の磁芯に導線
が巻回されて構成されたコイルを備えた限流器であっ
て、前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前
記第2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流
により、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するよう
になっているので、第1及び第2の永久磁石は、コイル
の外側に配置され、両永久磁石は互いを殆ど減磁しな
い。
【0041】また、この発明の請求項8に係る限流器に
よれば、ヨークと第1及び第2の磁芯とは同一部材で構
成されているので、ヨークと第1及び第2の磁芯とは一
体で構成することができ、例えば組立作業性が向上す
る。
【0042】また、この発明の請求項9に係る限流器に
よれば、永久磁石、軟質磁芯及びコイルの断面が矩形で
あるので、各部材の成形が簡単であり、製造コストを低
減できる。
【0043】また、この発明の請求項10に係る限流器
によれば、磁芯は、軟質磁芯であるので、磁芯は高磁
界、高磁束密度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のスイッチング式限
流器の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のスイッチング式限流器の構成を示す正
面図である。
【図3】 図3のスイッチング式限流器の構成を示す側
面図である。
【図4】 図1のスイッチング式限流器の限流動作を説
明するための軟質磁芯のB−H曲線の模式図である。
【図5】 実施の形態1の限流器が組み込まれた電気回
路図である。
【図6】 この発明の実施の形態2のスイッチング式限
流器の構成を示す正面図である。
【図7】 図6のスイッチング式限流器の構成を示す側
面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3のスイッチング式限
流器の構成を示す正面図である。
【図9】 図8のスイッチング式限流器の構成を示す側
面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4のスイッチング式
限流器の構成を示す正面図である。
【図11】 図10のスイッチング式限流器の構成を示
す側面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5のスイッチング式
限流器の構成を示す側面図である。
【図13】 この発明の実施の形態6のスイッチング式
限流器の構成を示す正面図である。
【図14】 従来のスイッチング式の限流器の構成を示
す正面図である。
【符号の説明】
1a 第1の永久磁石、1b 第2の永久磁石、2a,
32a,52a 第1の軟質磁芯、2b,32b,52
b 第2の軟質磁芯、3 コイル、21,41永久磁
石、22 軟質磁芯、22a,32a1,32b1 ス
トレート部、60a〜60d 第1〜第4のヨーク。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向した一対の第1及び第2の磁芯と、
    この第1及び第2の磁芯間に接合された永久磁石とから
    構成された閉磁気回路と、 前記永久磁石により発生する飽和磁束が還流する前記第
    1及び第2の磁芯に導線が巻回されて構成されたコイル
    とを備えた限流器であって、 前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前記第
    2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流によ
    り、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するようにな
    っている限流器。
  2. 【請求項2】 永久磁石は第1及び第2の磁芯の両端部
    にそれぞれ配置されている請求項1に記載の限流器。
  3. 【請求項3】 永久磁石は両面が第1及び第2の磁芯の
    全面に接合された平板状である請求項1に記載の限流
    器。
  4. 【請求項4】 永久磁石の断面が矩形状、第1及び第2
    の磁芯の断面がほぼ半円形状、コイルの断面がほぼ円形
    状である請求項1ないし請求項3の何れかに記載の限流
    器。
  5. 【請求項5】 U形状の磁芯とこの磁芯の両端部間に接
    合された永久磁石とから構成された閉磁気回路と、 前記永久磁石により発生する飽和磁束が還流する前記磁
    芯に導線が巻回されて構成されたコイルとを備えた限流
    器であって、 前記飽和磁化の方向が逆なる前記磁芯のストレート部
    は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流により、前記
    電流の半周期毎に交互に磁化反転するようになっている
    限流器。
  6. 【請求項6】 U形状の第1の磁芯と、この第1の磁芯
    の内側に配設されたU形状の第2の磁芯と、前記第1及
    び第2の軟質磁芯の端部間にそれぞれ接合された第1及
    び第2の永久磁石とから構成された閉磁気回路と、 前記第1及び第2の永久磁石により発生する飽和磁束が
    還流する前記第1及び第2の磁芯に導線が巻回された構
    成されたコイルとを備えた限流器であって、 前記飽和磁化の方向が逆なる前記第1及び第2の磁芯の
    ストレート部は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流
    により、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するよう
    になっている限流器。
  7. 【請求項7】 対向した一対の第1及び第2の磁芯と、
    この第1及び第2の磁芯の両外側にヨークを介してそれ
    ぞれ設けられた第1及び第2の永久磁石とから構成され
    た閉磁気回路と、 前記第1及び第2の永久磁石により発生する飽和磁束が
    還流する前記第1及び第2の磁芯に導線が巻回されて構
    成されたコイルとを備えた限流器であって、 前記飽和磁束の方向が逆なる前記第1の磁芯及び前記第
    2の磁芯は、回路短絡時に前記コイルに流れる電流によ
    り、前記電流の半周期毎に交互に磁化反転するようにな
    っている限流器。
  8. 【請求項8】 ヨークと第1及び第2の磁芯とは同一部
    材で構成された請求項7に記載の限流器。
  9. 【請求項9】 永久磁石、磁芯及びコイルの断面が矩形
    である請求項1〜3,5〜8の何れかに記載の限流器。
  10. 【請求項10】 磁芯は、軟質磁芯である請求項1ない
    し請求項9の何れかに記載の限流器。
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