JP2002117669A - 磁気抵抗効果素子を用いたメモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子を用いたメモリ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流磁界の利用効率が高いMRAMを提供す
る。 【解決手段】 メモリセルc22近傍に配置された書込
み線1110の磁気的な中心軸上に書き込み対象となる
メモリセルc22を近づけるように書込み線1110も
しくは、メモリセルc22の配置を書込み線1110の
厚さ方向にオフセットさせることによって、メモリセル
c22と、メモリセルc22近傍に配置した書込み線1
110の厚さ方向のずれ量δを書込み線1110の厚さ
の1/2未満とする。こうすることによって、書込み線
1110の発生する磁界が最も強い書込み線1110の
磁気的な中心軸にメモリセルc22を近づけて配置し、
メモリセルc22に印加される磁界の強さを強くするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直磁化膜の磁気
抵抗効果素子を用いたメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】ここ数年、コンピュータや電子機器に利
用されるメモリの激しい技術開発競争が繰り広げられて
おり、メモリの技術は日進月歩のスピードで進展してい
る。また、その技術開発競争の中で、様々な新しいメモ
リデバイスが提案されている。近年、非磁性層を2つの
強磁性層の間にはさみ込んだ磁気抵抗膜に巨大な磁気抵
抗効果(Giant Magnet Registan
ce)が発見され、この現象を利用した磁気センサや磁
気メモリ(以降MRAM)が注目を集めている。磁気抵
抗効果とは、保磁力が異なる強磁性層の組み合わせから
成る磁気抵抗膜に対し磁界を印加すると、両磁性層の磁
化の回転角度に依存した抵抗の変化が得られる現象のこ
とである。このような磁気抵抗膜では、両磁性層の磁化
の向きが逆方向となった場合には磁気抵抗膜の抵抗値は
高くなり、両磁性層の磁化の向きが同一方向となった場
合には磁気抵抗膜の抵抗値は低くなる。
【0003】こうした磁気抵抗膜の近傍に導体線を配置
することによって、その導体線に流れる電流によって発
生する磁界である電流磁界により磁気抵抗膜への電気的
な信号の記録が可能になり、磁気抵抗膜をメモリ素子す
なわちメモリセルとして用いることができる。信号の再
生は、磁気抵抗膜に電流を導通し、磁気抵抗膜の抵抗値
を検出することにより「0」「1」を識別する絶対検出
か、電流磁界を印加した際の抵抗変化を磁気抵抗膜に導
通した電流を通じて検出することにより「0」「1」を
識別する差動検出で行う。
【0004】このようなメモリセルには、非磁性層をC
u等の導体とするスピン依存性散乱素子と、非磁性層を
Al、Si、Cu、Mg等の酸化物や窒素物の絶縁体と
するスピントンネル素子とがある。スピントンネル素子
としては、絶縁体として、フェルミ準位が他の磁性層に
近いAlの酸化物(AlOX)が好適に用いられる。
【0005】このうち、スピン依存性散乱素子は、素子
の抵抗値が小さく、磁気抵抗比も8%程度と小さいた
め、MRAMには不向きである。一方、スピントンネル
素子は、スピン依存性散乱素子と比べて素子の抵抗値が
大きいため、MRAM向けとして用いられており、実用
化に向けて開発が進められている。
【0006】一般に、磁気抵抗膜に用いられる薄膜磁性
材料の磁化方向は材料によって異なり、膜面の面内方向
と垂直方向とに大別される。現在MRAMの薄膜磁性材
料として主流をなすニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コ
バルト(Co)といったフェロ強磁性材料は、主たる磁
化方向が面内方向である面内磁化膜である。メモリ集積
度を高めるために、面内磁化膜の微細化を行った場合に
は、反磁界が増加するため磁化方向の分散が生じる。そ
れに対し、主たる磁化方向が垂直方向である垂直磁化膜
は、微細化を行った場合に逆に反磁界が小さくなるた
め、面内磁化膜に対して磁化の方向を保ちやすいという
利点を有する。
【0007】また、メモリセルに面内磁化膜を用いた場
合には、1軸異方性を維持するために情報を格納するメ
モリセルの形状を、磁化困難軸方向に比べて磁化容易軸
方向を長くする必要がある。一方、メモリセルに垂直磁
化膜を用いた場合には、そのようなメモリセルの形状に
ついての制約がないので、平面的なメモリの集積度を高
めることができる。
【0008】以上述べたように、メモリセルに垂直磁化
膜を用いた場合には、面内磁化膜を用いた場合に比べ、
微細化を行った場合の磁化保存性が強く、メモリセルの
形状が集積度を高めやすい形状にすることができるとい
う利点がある。
【0009】しかし、磁気抵抗膜の近傍に書込み線と呼
ばれる導体線を配設する場合、メモリセルに面内磁化膜
を用いた場合には、絶縁膜を介して書込み線を重畳する
構造とすることができるが、メモリセルに垂直磁化膜を
用いた場合には、磁化抵抗膜の膜面垂直方向に平行に磁
界を印加することが必要となるため、書込み線をメモリ
セルの横に平面的に配置しなければならない。そのた
め、メモリセルに垂直磁化膜を用いた場合には、メモリ
の集積度を上げることができないという問題がある。
【0010】図15は、垂直磁化膜を用いた従来のMR
AMの構造を示す断面図である。図16は、図15の線
分B−B’に沿ってMRAMを切断した場合の断面図で
ある。図15、図16には、従来のMRAMと本発明の
MRAMとの差異を明確にする上で説明に必要な部分だ
けが抜粋して記載されている。
【0011】図15、図16に示すように、このMRA
Mは、基板1と、メモリセルc11〜c13、c21〜
c23、c31〜c33と、導体ビア41〜43と、x
センス線210、220、230と、yセンス線11
0、120、130と、センス電流源801と、パルス
電源803とを備えている。図15に示すように、メモ
リセルc21〜c23は、それぞれが第1の強磁性層1
1、21、31と、非磁性層12、22、32と、第2
の強磁性層13、23、33とから構成される磁気抵抗
膜である。メモリセルc11〜c13、c31〜c33
も同様な構成の磁気抵抗膜である。また、図16に示す
ように、xセンス線はx軸に平行な線であり、yセンス
線はy軸に平行な線である。このMRAMには、各構成
要素を絶縁するための絶縁膜(不図示)も設けられてい
る。
【0012】このMRAMは、別体の書込み線を設けず
に、隣接するメモリセルに接続されているセンス線を用
いてメモリセルに磁界を印加するものである。このMR
AMは、xセンス線210、220、230からメモリ
セルc11〜c13、c21〜c23、c31〜c33
のいずれかを通り、yセンス線110、120、130
のいずれかにセンス電流が流れるCPP(Curren
t Perpendicular to the Pl
ane)構造となっている。
【0013】基板1には、Siウエハ、石英、SOI等
平坦性の高いものが用いられる。SO基板の作製方法と
しては、ELTRAN法、SIMOX法が用いられる。
なお、Siの結晶方位は(1、0、0)であることが望
ましい。
【0014】各メモリセルc11〜c13、c21〜c
23、c31〜c33の両強磁性層の組み合わせは、軟
磁性材料と硬磁性材料とから成る。ここで、軟磁性材
料、硬磁性材料とは、2つの強磁性層間における保磁力
の大小関係で定義されるものであり、保磁力が大きい方
を硬磁性材料とし、保磁力が小さい方を軟磁性材料とし
ている。軟磁性材料と硬磁性材料との積層順は、どちら
が先であってもよい。軟磁性材料は、容易に磁化が反転
するため再生層として機能する。硬磁性材料は、軟磁性
材料と比べて磁化が反転しにくいため、メモリ層として
機能する。各磁性層は、単一元素から成る単層であって
も良いが、各種合金の多層構造となっていてもよい。強
磁性層としては、遷移金属と希土類元素から成るフェリ
磁性体であるGd−Fe、Gd−Co、Gd−FeCo
等といった材料が用いられる。これら強磁性層の組成
は、保磁力が異なるよう適宜調整され、膜厚は2〜10
0nmとなっている。
【0015】非磁性層の膜厚は、0.5〜5nmであ
る。非磁性層の膜厚が0.5nm以下であった場合に
は、垂直磁化膜の成膜方法によっては島状成長によるピ
ンホール発生の恐れがあり、両強磁性層の相互作用によ
り磁気抵抗が発現しない場合がある。非磁性層の膜厚が
5nm以上であった場合には、両強磁性層間の間隔が電
子の平均自由行程に対して広くなりすぎ、トンネリング
確率が減るため磁気抵抗が小さくなってしまう。
【0016】また、絶縁膜にはSiO2やSiN、Al2
3などの無機材料や、ノボラック樹脂などの有機材料
が用いられる。絶縁膜の膜厚は、センス線や書込み線に
印加される電力に対して必要な絶縁耐圧で決まり、5〜
1000nmとなる。xセンス線210、220、23
0およびyセンス線110、120、130はAlやC
u、Auなど導電性の高い材料が用いられる。xセンス
線210、220、230およびyセンス線110、1
20、130の膜厚は、印加される電流や線幅等で決ま
り、100〜10000nmとなる。このようなMRA
Mの加工は、フォトリソグラフィーに代表される微細加
工パターニング技術で容易に行うことができる。成膜工
程としては、蒸着、スパッタリング、MBE等の各種方
法が適用できる。
【0017】また、このようなMRAMでは、xセンス
線の上に積層する第1の強磁性層より下面の表面自由エ
ネルギを調整し、より平坦性の高い界面構造を実現する
目的でバッファ層が挿入されることがある。このバッフ
ァ層には、Ta、Cu、Cr等の各種金属が用いられ、
バッファ層の膜厚が2nmよりも薄いと、成膜方法によ
っては、島状成長によってバッファ層の膜質が不均一に
なってしまうという問題があり、バッファ層の膜厚が1
0nmよりも厚い場合には、MRAMの生産性が低下し
てしまうという問題があるため、バッファ層の膜厚は2
〜10nmであるのが望ましい。
【0018】図16に示すように、各メモリセルc11
〜c13、c21〜c23、c31〜c33は、交差す
るyセンス線110、120、130とxセンス線21
0、220、230とに接続されている単純マトリクス
構造となっている。例えば、メモリセルc22は、xセ
ンス線220とyセンス線120とに接続されている。
センス電流源801とパルス電源803とは、メモリセ
ルc22に対する記録動作と差動検出による再生動作を
説明するために図中に示されている。なお、図16で
は、センス線の選択に用いられるデコーダ等の回路は省
略されている。
【0019】メモリセルc22から信号を読み出す場
合、まず、センス電流源801からxセンス線220に
電流を流す。その電流は、xセンス線220からメモリ
セルc22に流れ、yセンス線120へ流れる。そし
て、この電流を流した状態で、yセンス線110を導体
線として、パルス電源803からyセンス線110に読
み出し用のパルス電流を印加して磁界を発生させ、その
ときのメモリセルc22の電圧の変化からメモリセルc
22に記録されている内容が1であるか0であるかを判
定する。図15の矢印は、yセンス線110によってパ
ルス電流によって発生する磁界の方向を表している。
【0020】また、メモリセルc22に信号を記録する
場合には、読み出しの場合と同様に、まず、センス電流
源801からxセンス線220に電流を流す。そして、
この電流をxセンス線220、メモリセルc22、yセ
ンス線120と流した状態で、パルス電源803からy
センス線110に、読み出し用のパルス電流より大きい
書込み用のパルス電流を流して磁界を発生させることに
よって、メモリセルc22への記録が行われる。記録内
容が0であるか1であるかは、そのときの磁界の向きに
よる。
【0021】このパルス電流によって発生する磁界は、
yセンス線110の下のメモリセルc11、c21、c
31にも印加されるが、これらのメモリセルc11、c
21、c31に印加される磁界の方向は面内方向となる
ため、この磁界によるメモリセルc11、c21、c3
1への誤記録は発生しない。また、その磁界は、yセン
ス線120の下のメモリセルc22以外のメモリセルに
も印加されるが、メモリセルへの記録は、yセンス線1
10に流れるパルス電流による磁界とセンス電流による
磁界との合成された磁界によって始めて可能となるの
で、yセンス線120の下のメモリセルのうちメモリセ
ルc22だけが選択されて記録されるようになる。
【0022】上述の説明では、メモリセルc22への情
報の記録・再生にyセンス線110が用いられる場合を
示したが、yセンス線130を用いても、メモリセルc
22への同様の記録・再生が可能である。さらには、y
センス線110、130両方を用いてメモリセルc22
への情報の記録・再生を行うことも可能である。なお、
yセンス線110、130両方を用いた場合には、yセ
ンス線110、130に流す電流の電流密度を約1/2
に下げることができるため、メモリセルc22へ印加さ
れる磁界のメモリセルc22における面内均一性が向上
する。
【0023】また、センス電流源801が接続されるx
センス線をxセンス線210あるいはxセンス線230
に変更すれば、メモリセルc12あるいはメモリセルc
32について情報の記録・再生を行うことが可能とな
る。実際のMRAMでは、メモリセルc11〜c13、
c21〜c23、c31〜c33のようなメモリセルが
多数存在し、全てのメモリセルに対し同様な手法を用い
て情報の記録・再生が可能である。
【0024】上述したように、図15、図16に示すM
RAMでは、導体線であるyセンス線110に流れるパ
ルス電流により発生する磁界によって、メモリセルc2
2への情報の記録・再生が行われる。yセンス線110
に流れるパルス電流によって発生する膜面垂直方向の磁
界の強さは、図15に示すyセンス線110、120、
130の中心軸B−B’上において最も強くなる。しか
し、yセンス線110の厚さのため、メモリセルc22
の配設位置は、中心軸B−B’からyセンス線110の
厚さの1/2以上のオフセットを有しており、メモリセ
ルc22が配設されている位置の膜面垂直方向の磁界の
強さは、中心軸B−B’における磁界の強さよりも弱く
なっている。つまり、メモリセルc22の配設位置が、
膜面垂直方向の磁界が最も強い位置からずれているた
め、パルス電流によって発生する電流磁界の使用効率が
低くなってしまうという問題があった。
【0025】yセンス線110の厚さが薄く、前述のオ
フセットがほとんど無視できる場合には上述の問題は発
生しないが、この場合には、yセンス線110に流れる
電流密度が高くなり、エレクトロマイグレーションやス
トレスマイグレーション等によってyセンス線が破断し
てしまう恐れがある。また、MRAMのセル構造全体を
微細化していく場合では、電流密度や寄生容量による配
線遅延といった問題から配線の厚さ方向のスケーリング
は困難となっている。したがって、最近では、yセンス
線の線幅に対する厚さのアスペクト比は大きくなる傾向
にあり、前述のオフセットによる電流磁界の利用効率の
低下はますます強まる傾向にある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、垂
直磁化膜を用いた従来のMRAMでは、導体線に流れる
電流によって発生する磁界によって、メモリセルへの情
報の記録が行われる。また、差動検出法においてはメモ
リセルからの情報の再生も電流磁界を利用することによ
り行われる。導体線に流れるパルス電流によって発生す
る膜面垂直方向の磁界の強さは、導体線の中心軸上にお
いて最も強くなる。しかし、導体線の厚さのため、メモ
リセルの配設位置は、その中心軸から導体線の厚さの1
/2以上のオフセットを有しており、メモリセルが配設
されている位置の磁界の強さは、その中心軸における磁
界の強さよりも弱くなっている。つまり、従来のMRA
Mでは、メモリセルの配設位置が膜面垂直方向の磁界が
最も強い位置からずれているため、パルス電流によって
発生する電流磁界の使用効率が低くなってしまうという
問題があった。
【0027】本発明は、電流磁界の利用効率が高いMR
AMを提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、主たる磁化方向が膜面垂直方向である
2つの強磁性層が非磁性層を挟むことによって構成され
る垂直磁化膜から成るメモリセルと、該メモリセルの近
傍に配置された導体線とを備え、該導体線に流れる電流
によって発生する磁界によって前記メモリセルへの信号
の記録が行われる磁気抵抗効果素子を用いたメモリにお
いて、前記メモリセルの膜面に平行な前記メモリセルの
磁気的な中心軸と前記膜面に平行な前記導体線の中心軸
との前記膜面垂直方向のずれ量が前記導体線の厚さの1
/2未満であることを特徴とする。
【0029】本発明の磁気抵抗効果素子を用いたメモリ
では、導体線に流れる電流によって発生する磁界が最も
強い導体線の磁気的な中心軸にメモリセルを近づけて配
置することによって、メモリセルに印加される磁界の強
さを強くすることができるため、電流磁界の利用効率を
向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態の磁気
抵抗効果素子を用いたメモリ(MRAM)について図面
を参照して詳細に説明する。なお、全図において同一の
符号がつけられている構成要素はすべて同一のものを示
す。
【0031】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態のMRAMについて説明する。図1は、本実施
形態のMRAMの構造を示す断面図である。
【0032】本実施形態のMRAMでは、(1、0、
0)のSiウエハの基板1の上に、xセンス線220が
設けられている。さらに、xセンス線220の上に導体
ビア42が設けられ、導体ビア42の上にメモリセルc
22が設けられ、メモリセルc22の上にyセンス線1
20が設けられている。
【0033】本実施形態のMRAMは、xセンス線22
0、導体ビア42、メモリセルc22、yセンス線12
0にセンス電流が流れるCPP構造となっている。ま
た、本実施形態のMRAMでは、メモリセルc22の近
傍に、メモリセルc22に電流磁界を印加するための導
体線として、書込み線1110、1130が設けられて
いる。
【0034】メモリセルc22は、第1の強磁性層21
と、非磁性層22と、第2の強磁性層23とから成る磁
気抵抗膜である。第1の強磁性層21としてはGd25
75が用いられ、非磁性層22としてはAlOXが用い
られ、第2の強磁性層23としてはGd26Fe74が用い
られている。また、各層の膜厚は、第1の強磁性層21
が20nmで、非磁性層22が2nmで、第2の強磁性
層23が20nmとなっている。xセンス線220、y
センス線120、書込み線1110、1130、導体ビ
ア42にはAlCuが用いられ、xセンス線の膜厚は5
0nmであり、yセンス線120および書込み線111
0、1130の膜厚は1000nmであり、導体ビアの
膜厚は680nmである。書込み線1110、1130
の線幅は0.5μmであるのでアスペクト比αは2とな
る。
【0035】また、本実施形態のMRAMには、電気的
に絶縁されるべき各構成要素の間に、絶縁膜(不図示)
が挿入されている。このような絶縁膜の材料としては、
SiO2や、SiN、Al23などの無機材料や、ノボ
ラック樹脂などの有機材料が用いられる。絶縁膜の膜厚
は、センス線や書込み線に印加される電力に対して必要
な絶縁耐圧で決まり5〜1000nmとなる。
【0036】線分kは書込み線1110の中心軸であ
る。線分mは、メモリセルc22の磁気的な中心軸であ
る。メモリセルの磁気的な中心軸とは記録した情報を消
去、再記録するうえで必要な磁界を最も少なくする位置
にある軸を指す。なお、図1では、磁気的な中心軸mは
メモリセルc22の非磁性層22の中央に図示されてい
るが、実際には、メモリセルc22の磁性層の構成によ
りその位置は変化し、メモリセルc22の中央ではない
場合もある。また、書込み線1110の中心軸kと、メ
モリセルc22の磁気的な中心軸mの間隔をずれ量δと
する。なお、図中の矢印は、書込み線1110に流れる
電流によって発生する磁界の向きである。
【0037】図2は、図1の本実施形態のMRAMを線
分kで切断した場合の断面図である。図2では、駆動回
路等の周辺回路やセンス線の選択に用いられるデコーダ
等の回路は省略されており、本発明の説明に必要な部分
だけが抜粋されて記載されている。本実施形態のMRA
Mは、各メモリセルc12、c22、c32がそれぞれ
交差するxセンス線210、220、230とyセンス
線110、120、130とに接続される単純マトリク
ス構造となっている。センス電流源801、パルス電流
源803は、いずれもメモリセルc22に対して情報の
記録と差動検出による再生を行うためのものである。
【0038】本実施形態のMRAMでは、メモリセルc
22に記録された情報を読み出す場合には、センス電流
源801からxセンス線220、メモリセルc22、y
センス線120へとセンス電流を流した状態で、書込み
線1110に対し読み出し用のパルス電流を流して磁界
を発生させ、磁界の向きによるセンス線電圧の変化を計
測することによって、記録された情報が「0」であるか
「1」であるかを判定する。
【0039】また、メモリセルc22に情報を記録する
場合には、読み出しの場合と同様にセンス電流源801
からxセンス線220、メモリセルc22、yセンス線
120へとセンス電流を流した状態で、書込み線111
0に対し読み出し用のパルス電流よりもより大きな書込
み用のパルス電流を流して磁界を発生させる。記録内容
は印加される磁界の向きによる。このパルス電流によっ
て発生する磁界は、yセンス線120の下に存在する他
のメモリセルc12、c32にも印加されるが、各メモ
リセルに対する情報の記録は、そのパルス電流によって
発生する磁界とセンス電流によって発生する磁界との合
成磁界を各メモリセルに印加することによって始めて可
能となるため、メモリセルc22だけに情報が記録され
る。
【0040】本実施形態のMRAMでは、センス電流源
801を接続するxセンス線を図2に示すxセンス線2
10あるいはxセンス線230に変更すれば、メモリセ
ルc12あるいはメモリセルc32への情報の記録・再
生を行うことができる。
【0041】なお、図2では、メモリセルc12、c2
2、c32しか図示されていないが、実際には多数のメ
モリセルが、メモリセルc12、c22、c32ととも
にマトリクス状に配置されている。
【0042】本実施形態のMRAMでは、書込み線11
10の磁気的な中心軸上に書き込み対象となるメモリセ
ルc22を近づけるように、書込み線1110もしくは
メモリセルc22の配置を書込み線1110の厚さ方向
にオフセットさせることによって、ずれ量δを書込み線
1110の厚さの1/2未満とする。こうすることによ
って、磁界の強さが最も強い書込み線1110の磁気的
な中心軸にメモリセルc22を近づけて配置することが
でき、メモリセルc22に印加される磁界の強さを強く
することができるため、本実施形態のMRAMでは、従
来よりも電流磁界の利用効率を向上させることができ
る。
【0043】また、本実施形態のMRAMでは、書込み
線1110の線幅に対する厚さの比であるアスペクト比
αを0.5より大きくし、望ましくは2以上10以下と
する。図3に示すように、書込み線1110の線幅をa
とし、書込み線1110のアスペクト比をαとすると、
書込み線1110の厚さはαaとなる。また、書込み線
1110の端面から、yセンス線120の中心までのX
軸方向の距離は、書込み線幅と書込み線間の間隔との比
であるライン・アンド・スペース比を1:1とするため
に1.5aであるとする。点Aは、yセンス線120の
中心に位置する点である。点Bは、点Aから書込み線1
110の厚さの半分(αa/2)だけ下の位置にある点
である。点Bの磁界強度に対する点Aの磁界強度の比で
ある磁界強度比をPとする。
【0044】図4は、本実施形態のMRAMにおけるア
スペクト比αと磁界強度比Pの変動の様子を示すグラフ
である。図4(a)に示すように、アスペクト比αの増
加とともに磁界強度比Pは単調増加するが、その値は2
で飽和する。また、図4(b)に示すように、アスペク
ト比αが2以上10以下である場合には、磁界強度比P
は、1.2〜1.8となる。また、図4(c)に示すよ
うに、αが0.5未満の場合にはPは5%も増加しな
い。したがって、α<0.5では、点Bにおける磁界強
度と点Aにおける磁界強度にはほとんど違いがない。
【0045】一方、本実施形態のMRAMでは、アスペ
クト比αが2未満である場合には、MRAMの作製工程
が複雑になり、アスペクト比αが10より大きい場合に
もその加工性が著しく低下する。したがって、本実施形
態のMRAMでは、書込み線110の線幅に対する厚さ
のアスペクト比αを0.5より大きい値とし、望ましく
は2≦α≦10とする。本実施形態のMRAMでは、ア
スペクト比αの値が大きければ大きいほど、書込み線1
110とyセンス線120とのずれ量δを書込み線11
10の厚さの1/2未満としたときの効果が大きくな
る。
【0046】なお、本実施形態のMRAMでは、メモリ
セルc22に電流磁界を印加する導体線として書込み線
1110を用いたが、書込み線1130を用いてもよい
し、書込み線1110と書込み線1130とを両方用い
てもよいし、メモリセルc22に印加する電流磁界を図
示しないメモリセルc22の近傍にある複数の導体線の
合成磁界としてもよい。なお、メモリセルc22に磁界
を印加するのは、隣接するメモリセルにセンス電流を供
給するyセンス線であってもよい。本実施形態のMRA
Mでは、隣接するセンス線を用いてメモリセルに磁界を
印加するとした方が、MRAMの集積度を向上させるこ
とができる。
【0047】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態のMRAMについて説明する。図5は、本実施
形態のMRAMの構造を示す断面図である。本実施形態
のMRAMは、隣接するyセンス線を用いてメモリセル
の記録・再生を行うものである。そして、本実施形態の
MRAMは、メモリセルが奇数列、偶数列に分割して成
膜されたものである。各メモリセルの構造、材質、膜厚
とxセンス線、yセンス線、導体ビアの材質、膜厚と、
yセンス線の線幅、アスペクト比とは、第1の実施形態
のMRAMと同じである。また、本実施形態のMRAM
は、第1の実施形態のMRAMと同様に、センス電流が
xセンス線から各メモリセルを通り、yセンス線に電流
が流れるCPP構造となっている。図6の矢印は、yセ
ンス線120に流れる電流によって発生する磁界の向き
を示す。
【0048】図6は、本実施形態のMRAMを線分A−
A’で切断した場合の断面図である。図6では、駆動回
路等の周辺回路は省略され、本発明の説明に必要な部分
だけ抜粋して示されている。各メモリセルc11〜c1
5、c21〜c25、c31〜c35は、それぞれが交
差するxセンス線およびyセンス線に接続する単純マト
リクス構造となっている。センス電流源801とパルス
電源803とは、メモリセルc23に対する記録動作と
作動検出による再生動作を説明するために図中に示され
ている。なお、図6では、センス線の選択に用いられる
デコーダ等の回路は省略されている。
【0049】本実施形態のMRAMでは、メモリセルc
23に記録された情報を読み出す場合には、センス電流
源801からxセンス線220、メモリセルc23、y
センス線130へとセンス電流を流した状態で、隣接す
るyセンス線120に対し読み出し用のパルス電流を印
加して磁界を発生させ、磁界の有無によるセンス線電圧
の変化を計測することによって、記録された情報が
「0」であるか「1」であるかを判定する。
【0050】また、メモリセルc23に情報を記録する
場合には、読み出しの場合と同様にセンス電流源801
からxセンス線220、メモリセルc23、yセンス線
130へとセンス電流を流した状態で、yセンス線12
0に対し読み出し用のパルス電流よりもより大きな書込
み用のパルス電流を印加して磁界を発生させる。記録内
容は印加される磁界の向きによる。このパルス電流によ
って発生する磁界は、yセンス線130の下に存在する
他のメモリセルc13、c33にも印加されるが、各メ
モリセルに対する情報の記録はそのパルス電流によって
発生する磁界とセンス電流によって発生する磁界との合
成磁界を各メモリセルに印加することによって始めて可
能となるため、メモリセルc23だけに情報が記録され
る。
【0051】本実施形態のMRAMでは、センス電流源
801を接続するxセンス線を図6に示すxセンス線2
10あるいはxセンス線230に変更すれば、メモリセ
ルc13あるいはメモリセルc33への情報の記録・再
生を行うことができる。また、メモリセルc12、c2
2、c32への情報の記録・再生を行う場合には、パル
ス電流を流すyセンス線を、yセンス線120からyセ
ンス線110に変更する。上述のようにして、全てのメ
モリセルに対し同様な手法を用いて情報の記録・再生を
行うことができる。
【0052】図7は、本実施形態のMRAMの加工プロ
セスを示す断面図である。まず、図7(a)に示すよう
に、基板P1の上にxセンス線P2、導体ビアP4を作
製し、さらに、第1の強磁性層P5、非磁性層P6、第
2の強磁性層P7からなる偶数番の磁気抵抗膜P8を作
製する。次に、xセンス線P2が所望の形状となるよう
に微細加工を施し、図面に向かって左から奇数番のメモ
リセルが設けられる領域を規定する微細加工を施し、同
じマスクを使うセルフアライメントによって絶縁膜P1
1の成膜及び加工を行う。図7(b)には、絶縁膜P1
1の加工まで終了したときのMRAMが示されている。
【0053】次に、図7(c)に示すように、yセンス
線P10を作製する。そして、図7(d)に示すよう
に、第1の強磁性層P5’、非磁性層P6’、第2の強
磁性層P7’からなる磁気抵抗膜P8’、導体ビアP
4’を作製する。そして、図面左から偶数番のメモリセ
ルが設けられる領域を規定する微細加工を施し、同一マ
スクを使うセルフアライメントによって絶縁膜P11’
の成膜及び加工を行う。図7(e)には、絶縁膜P1
1’の加工まで終了したときのMRAMが示されてい
る。図7(f)に示すように、最後にxセンス線P3が
作製され、本実施形態のMRAMが完成する。この加工
プロセスでは、CMP等による平坦化プロセスや剥離を
完全に行うための洗浄プロセス等も適宜導入される。
【0054】以上述べたように、本実施形態のMRAM
では、各メモリセルに磁界を印加するための導体線を、
別体の書込み線でなく隣接するメモリセルに接続されて
いるyセンス線としている。こうすることによって、本
実施形態のMRAMでは、別体の書込み線を設ける必要
がなくなるため、メモリの集積度を向上させることがで
きる。また、本実施形態のMRAMでは、上述の加工プ
ロセスのように、隣接するメモリセル同士の配設位置に
段差を付けて、メモリセルと導体線とのずれ量δを導体
線の厚さの1/2未満としたが、図8に示すような2枚
の基板を互いに貼り合わせることによって、隣接するメ
モリセル同士の配設位置に段差を付けてメモリセルと導
体線とのずれ量δを導体線の厚さの1/2未満としても
よい。このような貼り合わせの精度がパターニングの精
度を上回るレベルになれば、本実施形態のMRAMで
は、リソグラフィーによるパターニングの解像度を上回
る間隔でyセンス線を林立させることができるようにな
る。つまり、貼り合わせ法を用いたMRAMでは、より
一層の集積度の向上が見込めるうえ、集積度が高まった
だけ電流磁界の利用効率も高まり、消費電力の低減も見
込める。
【0055】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態のMRAMについて説明する。図9は、本実施
形態のMRAM構造および加工プロセスは、第2の実施
形態のMRAMの構造および加工プロセスと同じであ
り、各構成要素に用いられている材料も第2の実施形態
のMRAMと同じである。
【0056】本実施形態のMRAMでは、メモリセルc
23への情報の記録・再生を行う場合にはyセンス線1
20だけにパルス電流を流していたのに対し、本実施形
態のMRAMでは、yセンス線120およびyセンス線
140の両方にパルス電流を流してメモリセルc23へ
の情報の記録・再生を行う。こうすることによって、本
実施形態のMRAMでは、yセンス線120、140へ
の電流密度を約1/2とすることができるため、メモリ
セルに印加される磁界の面内均一性を向上させることが
できる。図中の矢印は、yセンス線120、140に流
れるパルス電流によって発生する磁界の向きを表す。
【0057】図10は、本実施形態のMRAMを線分A
−A’に沿って切断した場合の断面図である。図10で
は、駆動回路等の周辺回路は省略され、説明に必要な部
分だけ抜粋して記載されている。
【0058】メモリセルc23に記録されている情報を
読み出すには、センス電流源801からxセンス線22
0、メモリセルc23、yセンス線130にセンス電流
を流した状態で、yセンス線120、140に対し読み
出し用のパルス電流を同期印加して磁界を発生させ、磁
界の有無によるセンス線電圧の変化からの記録されてい
る情報が「0」であるか「1」であるかを判定する。
【0059】メモリセルc23に情報を記録するには、
読み出しの場合と同様に、センス電流源801からxセ
ンス線220、メモリセルc23、yセンス線130に
センス電流を流した状態で、メモリセルc23に隣接す
るyセンス線120、140に対し、より大きな記録用
のパルス電流を同期印加して磁界を発生させて、メモリ
セルc23への記録を行う。記録される情報が「0」で
あるか「1」であるかは、発生する磁界の向きによる。
【0060】このパルス電流によって発生する磁界は、
yセンス線120、140の下に存在する他のメモリセ
ルc12、c22、c32、c14、c24、c34に
も印加されるが、その磁界の方向は、面内方向であるた
め、それらのメモリセルへの誤記録は発生しない。さら
に、このパルス電流によって発生する磁界は、yセンス
線130の下に存在する他のメモリセルc13、c33
にも印加されるが、各メモリセルに対する情報の記録
は、そのパルス電流によって発生する磁界とセンス電流
によって発生する磁界との合成磁界を各メモリセルに印
加することによって始めて可能となるため、メモリセル
c23だけに情報が記録される。本実施形態のMRAM
では、センス電流源801を接続するxセンス線を、図
10に示すxセンス線210あるいはxセンス線230
に変更すれば、メモリセルc13あるいはメモリセルc
33への情報の記録・再生を行うことができる。また、
メモリセルc12、c22、c32への情報の記録・再
生を行う場合には、パルス電流を流すyセンス線を、y
センス線120、140からyセンス線110、130
に変更する。上述のようにして、全てのメモリセルに対
し同様な手法を用いて情報の記録・再生を行うことがで
きる。
【0061】以上述べたように、本実施形態のMRAM
では、導体線として、隣接する2本のyセンス線12
0、140という複数のyセンス線にパルス電流を流す
ことによって、メモリセルc23への記録・再生を行
う。こうすることによって、本実施形態のMRAMで
は、yセンス線120、140への電流密度を約1/2
とすることができるため、メモリセルに印加される磁界
のメモリセルの面内における均一性を向上させることが
できる。
【0062】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態のMRAMについて説明する。図11は、本実
施形態のMRAMの構造を示す断面図である。本実施形
態のMRAMは、メモリセルを奇数列と偶数列とに分割
して成膜が行われたものではなく、基板同士を貼り合わ
せることによって成膜が行われたものである。このMR
AMは、図11に示す基板1に基づいて構成されている
MRAMと第2基板2に基づいて構成されているMRA
Mとを2枚貼り合わせることによって形成されている。
第2基板2は、(1、0、0)Siウエハである。各メ
モリセルの構造、材質、寸法やyセンス線の材質、寸法
は、第1〜第3の実施形態のMRAMと同じである。
【0063】図12は、本実施形態のMRAMが図11
の線分C−C’に沿って画面奥のy方向に切断された場
合の断面図である。本実施形態のMRAMでは、xセン
ス線が設けられておらず、メモリセル選択デバイスとし
てMOSFETが形成されている。本実施形態のMRA
Mでは、このようなMOSFETを挿入することによ
り、メモリセルの選択動作を行うことができるアクティ
ブマトリクス構造が可能になる。
【0064】基板1は(1、0、0)p−Siウエハで
あり、50はn+ドープ領域であり、60はゲート電
極、61はゲート酸化膜、62はソース電極、80は導
体ビア、c70はメモリセルである。本実施形態のMR
AMでは、ゲート電極60にセル選択信号を与えると、
そのメモリセルに対してソース電極62、n+ドープ領
域50、導体ビア80、メモリセルc70、yセンス線
130の順でセンス電流が流れるようになっており、そ
のようにMOSFETを駆動することにより個々のメモ
リセルを選択することができる。
【0065】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態のMRAMについて説明する。図13は、本実
施形態のMRAMの構造を示すブロック図である。本実
施形態のMRAMは、第2の実施形態のMRAMの導体
ビア42〜45の代わりに、メモリ選択デバイスとして
ダイオード141〜145が設けられている。このダイ
オード141〜145のPN接合は、プラズマCVDで
作製されている。本実施形態のMRAMでは、yセンス
線とメモリセルとの間のオフセットのために生じた空間
にダイオード141〜145を設けることによって、大
きさを第2の実施形態のMRAMと同じ大きさとするこ
とができる。また、本実施形態のMRAMの加工プロセ
スも、図7に示す加工プロセスとほぼ同じであり、デバ
イスの作製には、イオン注入等の半導体プロセスが用い
られる。
【0066】図14は、本実施形態のMRAMを図11
の線分D−D’で切断した場合の断面図である。図14
では、駆動回路等の周辺回路は省略され、説明に必要な
部分だけ抜粋して記載されている。
【0067】メモリセルc23に記録されている情報を
読み出すには、センス電流源801からxセンス線22
0、メモリセルc23、yセンス線130にセンス電流
を流した状態で、yセンス線120に対し読み出し用の
パルス電流を印加して磁界を発生させ、磁界の有無によ
るセンス線電圧の変化から記録されている情報が「0」
であるか「1」であるかを判定する。
【0068】メモリセルc23に情報を記録するには、
読み出しの場合と同様に、センス電流源801からxセ
ンス線220、メモリセルc23、yセンス線130に
センス電流を流した状態で、メモリセルc23に隣接す
るyセンス線120に対し、より大きな記録用のパルス
電流を印加して磁界を発生させて、メモリセルc23へ
の記録を行う。記録される情報が「0」であるか「1」
であるかは、発生する磁界の向きによる。
【0069】このパルス電流によって発生する磁界は、
yセンス線120の下に存在する他のメモリセルc1
2、c22、c32にも印加されるが、その磁界の方向
が面内方向となっているため、メモリセルc12、c2
2、c32への誤記録は発生しない。さらに、このパル
ス電流によって発生する磁界は、yセンス線130の下
に存在する他のメモリセルc13、c33にも印加され
るが、各メモリセルに対する情報の記録は、そのパルス
電流によって発生する磁界とセンス電流によって発生す
る磁界との合成磁界を各メモリセルに印加することによ
って始めて可能となるため、メモリセルc23だけに情
報が記録される。
【0070】本実施形態のMRAMでは、ダイオード1
41〜145を設けることによって、隣接するyセンス
線に流す記録・再生用のパルス電流がメモリセルを介し
てセンス電流に流れこまないようにすることができるた
め、第2の実施形態のMRAMに比べて、センス電流の
SN比を向上させることができる。
【0071】なお、本実施形態のMRAMのように、メ
モリセルを奇数列と偶数列とに分割して成膜する方法を
用いて作製されたMRAMである場合には、基板が片方
にしかないため、電流規制デバイスとしてダイオードを
用いることはできるが、メモリ選択デバイスとしてMO
SFETを用いるのは適当ではない。また、第4の実施
形態のMRAMのように、貼り合わせ法を用いて作製さ
れたMRAMでは、両側に基板があるので、電流規制デ
バイスとしてダイオードを用いることもでき、メモリ選
択デバイスとしてMOSFETを用いることもできる。
【0072】また、第1〜第5の実施形態のMRAMに
用いられる磁気抵抗膜の接合面積の大きさは、作製され
る際の加工プロセスやその用途に応じて適宜変更される
が、磁気抵抗膜の面積で規格化した抵抗率が10-5Ωc
2程度であるので、メモリセルを駆動するトランジス
タのオン抵抗の値(数kΩ)に対し適合する1μm2
下が好適である。
【0073】なお、第1〜第5の実施形態のMRAMに
おいて、オフセット有り(δ=0)とした場合と、オフ
セット無し(δ=αa/2)とした場合とにおける、同
じ大きさのセンス電流およびパルス電流を流した場合に
発生する磁界の強度を表1に示す。(1)は第1の実施
形態のMRAMにおける磁界の強度であり、(2)は第
2の実施形態のMRAMにおける磁界の強度であり、
(3)は第3の実施形態のMRAMにおける磁界の強度
であり、(4)は第4の実施形態のMRAMにおける磁
界の強度であり、(5)は第4の実施形態のMRAMと
同じの構造のMRAMであって、yセンス線の厚さが
2.5μmでアスペクト比α=5となっているMRAM
の磁界の強度であり、(6)は第5の実施形態のMRA
Mにおける磁界の強度である。なお、表1において、比
較例となっているのは、第1の実施形態のMRAMの構
造と同じ構造のMRAMであって、書き込み線の線幅が
1μmで厚さが0.5μmでアスペクト比が0.5のM
RAMにおいて(δ=0)とした場合および(δ=αa
/2)とした場合の、同じ大きさのセンス電流およびパ
ルス電流を流した場合に発生する磁界の強度の値であ
る。
【0074】表1に示すように、第1〜第5の実施形態
のMRAMでは、δ=0、つまりオフセットがある場合
の磁界の強度がオフセットなしの場合の磁界の強度に比
べて高くなっているのに対し、比較例のMRAMでは、
δ=0での磁界の強度とδ=αa/2での磁界の強度は
同じとなっている。この状態では本発明の効果が期待で
きないため、第1〜第5の実施形態のMRAMでは、ア
スペクト比α>0.5となっている。また、表1に示す
ように、(5)におけるオフセットなしの磁界強度に対
するオフセット有りの磁界強度の比の方が(4)におけ
るオフセットなしの磁界強度に対するオフセット有りの
磁界強度の比よりも大きい。このことは、アスペクト比
αの値が大きいほど、本実施形態のMRAMが有する電
流磁界の利用効率の向上の効果が有効になることを示し
ている。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明のMRAMでは、メモリセル近傍
に配置された導体線の磁気的な中心軸上に書き込み対象
となるメモリセルを近づけるように導体線もしくはメモ
リセルの配置を導体線の厚さ方向にオフセットさせるこ
とによって、メモリセルと、メモリセル近傍に配置した
導体線の厚さ方向のずれ量を導体線厚さの1/2未満と
する。こうすることによって、導体線の発生する磁界が
最も強い導体線の磁気的な中心軸にメモリセルを近づけ
て配置し、メモリセルに印加される磁界の強さを強くす
ることができるため、本発明のMRAMでは、従来より
も電流磁界の利用効率を向上させることができる。ま
た、本発明によって消費電力の低い大容量のメモリを実
現することができるため、モバイル端末やコンピュータ
向けのメモリを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のMRAMの構造を示
す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のMRAMを図1の線
分kで切断した場合の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のMRAMにおける磁
界強度を求めるための断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のMRAMにおいてy
センス線のアスペクト比と点Aに対する点Bの磁界強度
比を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態のMRAMの構造を示
す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のMRAMを図5の線
分A−A’で切断した場合の断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のMRAMの加工プロ
セスを示す断面図である。
【図8】貼り合わせ法のMRAMの加工プロセスを示す
断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態のMRAMの構造を示
す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態のMRAMを図9の
線分A−A’で切断した場合の断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態のMRAMの構造を
示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のMRAMを図11
の線分C−C’で切断した場合の断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態のMRAMの構造を
示す断面図である。
【図14】本発明の第5の実施形態のMRAMを図13
の線分D−D’で切断した場合の断面図である。
【図15】従来のMRAMの構造を示す断面図である。
【図16】従来のMRAMを図15の線分B−B’で切
断した場合の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第2基板 11、21、31 第1の強磁性層 12、22、32 非磁性層 13、23、33 第2の強磁性層 41、42、43、80 導体ビア 50 n+ドープ領域 60 ゲート電極 61 ゲート酸化膜 62 ソース電極 110、120、130、140、150 yセンス
線 141〜145 ダイオード 210、220、230、320 xセンス線 801 センス電流源 802、803 パルス電源 1110、1130 書込み線 c11〜c15、c21〜c25、c31〜c35、c
70 メモリセル P1 基板 P2 xセンス線 P3 第2の基板 P4、P4’ 導体ビア P5、P5’ 第1の強磁性層 P6、P6’ 非磁性層 P7、P7’ 第2の強磁性層 P8、P8’ 磁気抵抗膜 P10 yセンス線 P11、P11’ 絶縁膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる磁化方向が膜面垂直方向である2
    つの強磁性層が非磁性層を挟むことによって構成される
    垂直磁化膜から成るメモリセルと、 該メモリセルの近傍に配置された導体線とを備え、 該導体線に流れる電流によって発生する磁界によって前
    記メモリセルへの信号の記録が行われる磁気抵抗効果素
    子を用いたメモリにおいて、 前記メモリセルの膜面に平行な前記メモリセルの磁気的
    な中心軸と前記膜面に平行な前記導体線の中心軸との前
    記膜面垂直方向のずれ量が前記導体線の厚さの1/2未
    満であることを特徴とする磁気抵抗効果素子を用いたメ
    モリ。
  2. 【請求項2】 前記導体線の厚さと幅とのアスペクト比
    が0.5より大きい請求項1記載の磁気抵抗効果素子を
    用いたメモリ。
  3. 【請求項3】 前記導体線の厚さと幅とのアスペクト比
    が2以上10以下である請求項1記載の磁気抵抗効果素
    子を用いたメモリ。
  4. 【請求項4】 前記導体線は、前記メモリセルに隣接す
    るメモリセルにセンス電流を流すセンス線である請求項
    1から3のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子を用い
    たメモリ。
  5. 【請求項5】 前記メモリセルに隣接する複数の導体線
    を用いて前記メモリセルへの情報の記録が行われる請求
    項1から4のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子を用
    いたメモリ。
  6. 【請求項6】 前記導体線に流れる電流によって発生す
    る磁界によって前記メモリセルの信号再生が行われる請
    求項1から5のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子を
    用いたメモリ。
  7. 【請求項7】 前記メモリセルに流れる電流方向を規制
    するデバイスとして、ダイオードが前記メモリセルに直
    列に接続されている請求項1から5のいずれか1項記載
    の磁気抵抗効果素子を用いたメモリ。
  8. 【請求項8】 前記メモリセルを選択するデバイスとし
    てMOSFETが前記メモリセルに接続されている請求
    項1から5のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子を用
    いたメモリ。
  9. 【請求項9】 前記メモリセルがスピントンネル膜であ
    る請求項1から6のいずれか1項記載の磁気抵抗効果素
    子を用いたメモリ。
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