JP2002116678A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002116678A
JP2002116678A JP2000308361A JP2000308361A JP2002116678A JP 2002116678 A JP2002116678 A JP 2002116678A JP 2000308361 A JP2000308361 A JP 2000308361A JP 2000308361 A JP2000308361 A JP 2000308361A JP 2002116678 A JP2002116678 A JP 2002116678A
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Japan
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speed
unit
image
fixing
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JP2000308361A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Yonetani
善文 米谷
Yukiya Satou
之也 佐藤
Junji Ogura
淳二 小倉
Yusuke Nagano
雄介 永野
Masahiro Kitajiri
正広 北尻
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの駆動源を用いてプロセス速度の切り換
えが可能であり、プロセス速度によらず優れた画質を得
ることのできる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 用紙Pに未定着画像を形成する像形成部
の内、画像形成に伴って駆動力が伝達される例えば感光
体7と、画像形成に伴って感光体7と異なる速度で駆動
される例えば定着ローラ14aとに対し、駆動力を発生
するモータが共通に1つ設けられている。定着ローラ1
4a用の駆動力伝達系は、プロセス速度の変更前後で感
光体7に現れる速度の変化率と、定着ローラ14aに現
れる速度の変化率とが異なるように、定着ローラ14a
に駆動力を伝達する。これにより、感光体7と定着ロー
ラ14aとの速度差を、プロセス速度によらず一定にす
ることができ、常に優れた画質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に形成
した顕像を用紙上に転写して定着させる、電子写真装置
等の画像形成装置に関するもので、特に、像担持体の移
動速度であるプロセス速度の切り換えが可能な画像形成
装置に適するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置等の画像形成装置において
は、回転駆動される感光体(像担持体)表面に光を照射
して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置(現像手
段)にて現像剤を付与してトナー像(顕像)とし、該ト
ナー像を転写装置(転写手段)にて用紙(記録材)へと
転写し、その後、定着装置(定着手段)にて用紙上に定
着させることで画像を形成するようになっている。トナ
ー像が転写される用紙は、用紙搬送ローラ(記録材搬送
手段)で感光体の周速度と同じ速度で搬送される。
【0003】このような構成において、上記した現像装
置、用紙搬送ローラ、定着装置等の画像形成部を構成す
る各構成部材(画像形成部各手段)の速度は、感光体の
周速度(移動速度)であるプロセス速度を基準に各々設
定されている。例えば、用紙の搬送を担う用紙搬送ロー
ラの周速は、プロセス速度と同じ大きさに設定されてい
る。また、現像装置における感光体上の静電潜像に現像
剤を付与する現像ローラの周速は、プロセス速度よりも
遅い大きさとなるように設定されている。
【0004】そして、従来より、定着装置の定着速度
(定着装置における用紙搬送速度)は、プロセス速度の
1.01〜1.05倍と、プロセス速度よりも若干速い
大きさとなるように設定されている。
【0005】定着速度をプロセス速度より若干速く設定
する理由は、転写装置と感光体との対向位置(以下、転
写部と称する)と、定着装置の配置位置(以下、定着部
と称する)との間で、用紙を弛ませないためである。つ
まり、トナー像が転写された用紙は、その先端部より感
光体から剥離されて定着装置へと送られるが、このと
き、転写部と定着部との間で用紙に弛みが生じると、用
紙が搬送ガイド等の搬送路中の部材に接触し、未定着の
トナー像に乱れが発生する。したがって、定着速度を速
くすれば、定着側へと引っ張るテンションを用紙に与え
ることができるので、この弛みを防止することができ
る。
【0006】また、定着装置は、通常、定着ローラとこ
れに圧接される加圧ローラとからなり、両ローラのニッ
プ部を用紙が通過する際に、未定着のトナーを溶融して
定着させるようになっているが、定着速度とプロセス速
度とが等しい場合、定着装置へと搬送されてきた用紙の
先端を定着ローラと加圧ローラとがそのニップ部で噛み
込む際に必然的にタイミング遅れが生じるため、用紙に
弛みが発生してしまう。この点についても、定着速度を
プロセス速度より速くすることで、このタイミング遅れ
が解消され、タイミング遅れによる用紙の弛みを防止す
ることができる。
【0007】ところが、このような定着部と転写部との
速度差の設定は非常に難しく、速度差が大き過ぎても小
さ過ぎても画質が低下する。例えば、速度差が大き過ぎ
ると、転写時に用紙が定着側へ引っ張られ過ぎたことに
よる転写ズレが発生する。また、反対に速度差が小さ過
ぎると、上記した用紙の弛みを解消できず、未定着トナ
ーの乱れを防止できないこととなる。
【0008】さらに、定着速度自体も非常に設定が難し
く、定着速度が速過ぎると、定着部を通過する時間が短
くなるために定着が不十分となる。反対に定着速度が遅
過ぎると、定着部を通過する時間が長くなり過ぎ、過定
着現象が発生し、画像の黒部分にスジ状のノイズが発現
する。
【0009】一方、画像形成装置においては、近年、画
像形成部におけるプロセスコントロールの制御を簡便に
し、かつ、コストダウンとコンパクト化を図るために、
画像形成部を構成する上記した感光体や現像ローラ、用
紙搬送ローラ、定着装置の定着ローラ(駆動ローラ)等
の各構成部材を、1つのモータ(駆動源)を用いて駆動
するタイプの装置が登場している。
【0010】このようなタイプの画像形成装置では、所
定の回転数で駆動されるモータの駆動力が、画像形成部
を構成する各構成部材毎に設けられたギア列からなる駆
動力伝達系により、プロセス速度に応じて各構成部材毎
に設定された速度に減速あるいは加速される。
【0011】さらに近年、画像形成装置においては、印
字速度の高速化と同様に高解像度化が進行しており、そ
のような装置を設計・製作する上で、従来の1装置1プ
ロセス速度ではなく、1装置に複数のプロセス速度を備
えさせ、プロセス速度を切り換えることでユーザの要求
に合った解像度の切り換えを行う装置も開発されてい
る。
【0012】例えば、特開平11−184318号公報
には、1つの装置で1200dpiの高解像度モードと
600dpiの低解像度モードとの2モードの何れかを
選択して印字することのできる装置が開示されている。
なお、1200dpiと600dpiの2つの解像度を
プロセス速度を変えることで実現する場合、600dp
iのプロセス速度は1200dpiのプロセス速度の2
倍の速度となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、近
年、画像形成装置においては、1装置に複数のプロセス
速度を有する構成が採用されつつある。そこで、本願出
願人は、このような複数のプロセス速度を有する画像形
成装置においても、前述した1つのモータで感光体や現
像ローラ、用紙搬送ローラ、定着ローラ等を駆動させる
構成を採用することで、プロセスコントロールの制御を
簡便にし、かつ、コストダウンとコンパクト化を図るこ
とを試みた。
【0014】例えば、1200dpiと600dpiの
2つの解像度モードを有する装置の場合、回転数の切り
換えが可能なモータを用いることで、モータの回転数を
2つのプロセス速度に合わせて切り換えるだけで、2つ
のプロセス速度に対応できる。この場合、モータの回転
数自体を変化させるので、モータから各構成部材へと駆
動力を伝える各構成部材毎に設けられた駆動力伝達系の
ギア比を変更する必要は無い。
【0015】ところが、モータの回転数を2つのプロセ
ス速度に合わせて切り換えるだけでは、転写部と定着部
との間で用紙が弛んだり、反対に定着部側に用紙が引っ
張られ過ぎたりして、何れにしても画質低下の不具合を
発生させることがわかった。
【0016】このような画質低下の原因は、モータの回
転数を2つのプロセス速度に合わせて切り換え、同じギ
ア比で定着速度を切り換えたのでは、定着部が用紙を引
っ張る単位時間あたりの量がプロセス速度の違いで異な
ることに起因する。つまり、転写部と定着部との速度差
で決まる「定着部が用紙を引っ張る単位時間あたりの
量」の適正値は、転写部と定着部との離間距離や、転写
部と定着部とを繋ぐ用紙搬送路の形状等に応じて、画像
形成装置に固有の値として一意に決まるもので、プロセ
ス速度に依存するものではないということが判明した。
【0017】この点をより具体的に説明するために、下
記の表1に、プロセス速度120mm/secを基準と
し、良好な転写性能を呈する単位時間あたりの定着部の
用紙引っ張り量を2.4mmとして定着ローラの駆動力
伝達系のギア比(プロセス速度の1.02倍)を設定し
た画像形成装置において、モータの回転数を1/2倍に
切り換えてプロセス速度60mm/secとした場合の
定着性能を調べた結果を示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、プロセス速度60mm
/secにおける単位時間あたりの定着部の用紙引っ張
り量は1.2mmとなり、適正値2.4mmより1.2
mm程用紙の引っ張り量が少ない。そのため、用紙に上
述の弛みが発生し、前述した速度差が小さ過ぎる場合の
定着不良を引き起こした。また、定着速度が遅過ぎ、過
定着現象も発現した。
【0020】次に、比較例として、表2に、プロセス速
度60mm/secを基準とし、良好な転写性能を呈す
る単位時間あたりの定着部の用紙引っ張り量を2.4m
mとして定着ローラの駆動力伝達系のギア比(プロセス
速度の1.04倍)が設定されている画像形成装置にお
いて、モータの回転数を2倍に切り換えてプロセス速度
120mm/secとした場合の定着性能を調べた結果
を示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示すように、プロセス速度120m
m/secにおける単位時間あたりの定着部の用紙引っ
張り量は4.8mmとなり、適正値2.4mmより2.
4mm程用紙の引っ張り量が多い。そのため、用紙が定
着部側に引っ張られ過ぎ、転写部で転写ズレが発生し
た。
【0023】なお、上記特開平11−184318号公
報には、プロセス速度の切り換えが可能な画像形成装置
において、高プロセス速度が選択されたときには、定着
装置におけるニップを大きくして熱量を多くできるよう
に、加圧ローラの圧力を低プロセス速度の場合よりも上
げる構成が開示されているが、これは、高プロセス速度
では、定着装置を通過する時間が短くなるために、定着
における熱量不足が発生することを回避すべく成された
ものであって、本願発明の上記課題を解決するものでは
ない。
【0024】本発明は、上記問題点を解消するために成
されたものであり、プロセス速度の切り換えが可能であ
ると共に、プロセスコントロールの制御が簡単で、低コ
スト・コンパクトであり、かつ、プロセス速度によらず
優れた画質を得ることのできる画像形成装置の提供を目
的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】・本発明に係る画像形成
装置は、上記の課題を解決するために、記録材を搬送し
ながら未定着画像を記録材に形成するための一連のプロ
セスが実行される像形成部の内、画像形成に伴って駆動
力が伝達される像形成用被駆動部と、像形成用被駆動部
以外で画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成外被
駆動部とに対し、該駆動力を発生する駆動源が共通に1
つ設けられると共に、上記像形成用被駆動部および像形
成外被駆動部のそれぞれに、上記駆動源の駆動力を伝達
する伝達手段を備え、上記伝達手段は、上記像形成部を
搬送される記録材の速度としてのプロセス速度を変更す
る際に、プロセス速度の変更前後で像形成用被駆動部に
現れる速度の変化率と、像形成用被駆動部とは異なる速
度で駆動される像形成外被駆動部の内の少なくとも1つ
に現れる速度の変化率とが異なるように、像形成用被駆
動部および像形成外被駆動部に駆動力を伝達することを
特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、本発明は、記録材を
搬送しながら未定着画像を記録材に形成する像形成部で
のプロセス速度が変更される画像形成装置を対象として
いる。プロセス速度は、未定着画像が形成されながら像
形成部を搬送される記録材の速度に等しいので、例え
ば、プロセス速度を大きくすると、画像形成に伴って駆
動力が伝達される像形成用被駆動部に現れる速度をプロ
セス速度に準じて速くし、像形成部を搬送される記録材
の速度も速くした状態で、記録材に未定着画像を低解像
度で形成することができ、プロセス速度を小さくする
と、像形成用被駆動部に現れる速度をプロセス速度に準
じて遅くし、像形成部を搬送される記録材の速度も遅く
した状態で、記録材に未定着画像を高解像度で形成する
ことができる。
【0027】像形成部では、通常、像形成部への記録材
の供給と像形成部からの記録材の排出とが行われるの
で、画像形成に伴って駆動力が伝達される被駆動部に
は、例えば静電潜像が形成されるローラ状またはベルト
状の感光体や、感光体上の静電潜像を現像する現像ロー
ラや、感光体の動きにタイミングを合わせて感光体に記
録材を送り込むアイドルローラのような像形成用被駆動
部の他に、像形成部へ向けて遠隔配置された記録材を供
給する供給ローラや、記録材上の未定着画像に定着処理
を施す定着ローラや、画像形成を終えた記録材を画像形
成装置外に排出する排出ローラのような像形成外被駆動
部が含まれる。
【0028】本発明は、このような像形成用被駆動部お
よび像形成外被駆動部に駆動力を与える駆動源を、共通
して1つだけ設けた構成を採用すると共に、伝達手段を
用いて、プロセス速度の変更前後で像形成用被駆動部に
現れる速度の変化率と、像形成外被駆動部の内の少なく
とも1つに現れる速度の変化率とが異なるように、像形
成用被駆動部および像形成外被駆動部に対する駆動力の
伝え方を工夫している。
【0029】1つの駆動源で像形成用被駆動部および像
形成外被駆動部を駆動することで、プロセスコントロー
ルの制御を簡便にし、かつ、コストダウンとコンパクト
化とを図ることができるが、その場合、プロセス速度の
切り換えに伴い、現れる速度がプロセス速度とは異なる
像形成外被駆動部においても、プロセス速度の変化率と
同じ変化率で一律的に切り換えると、像形成用被駆動部
に現れる速度(例えばローラ状の感光体の周速)と像形
成外被駆動部に現れる速度(例えば定着ローラの周速)
との差、すなわち単位時間あたりの記録材の搬送量、あ
るいは記録材に与えられるテンションが変化してしま
う。
【0030】これは、像形成用被駆動部に現れる速度V
A と、像形成用被駆動部と異なる速度で駆動される像形
成外被駆動部に現れる速度VB との差(VA −VB
が、各速度VA 、VB をそれぞれ同率でα(≠1)倍し
たときの差(αVA −αVB )と、当然ながら等しくな
らないためである〔VA −VB ≠α(VA −VB )〕。
【0031】この結果、像形成用被駆動部と像形成外被
駆動部との間で、記録材の張りが変化し、弛みや張り過
ぎという画質劣化の原因が発生する。
【0032】これに対し、本発明の構成によれば、像形
成用被駆動部に現れる速度の変化率と、像形成外被駆動
部の内の少なくとも1つに現れる速度の変化率とを、プ
ロセス速度に応じて一律的に変えないようにしているの
で、上記のような記録材の張りの変化を防止し、プロセ
ス速度によらず安定した画質を呈することが可能な画像
形成装置を提供することができる。
【0033】・より具体的には、上記の構成において、
上記伝達手段が、像形成用被駆動部に現れる速度と、上
記未定着画像の定着処理を行う定着部に含まれる像形成
外被駆動部に現れる速度との速度差を、上記プロセス速
度の変更によらず一定とするように、像形成用被駆動部
と、定着部に含まれる像形成外被駆動部とに駆動力を伝
達するものであることが好ましい。
【0034】上記の構成において、定着部に含まれる像
形成外被駆動部に現れる速度を、プロセス速度よりも若
干速めに設定しておくと、定着部に含まれる像形成外被
駆動部は、プロセス速度との速度差に対応する張力を記
録材に与えることができ、記録材の弛み防止に都合が良
い。ただし、適正な張力を発生させる速度差は、像形成
部と定着部との離間距離や搬送路を形成するガイド位置
等より、装置の設計によって決まるものであり、プロセ
ス速度が変わっても変化するものではない。
【0035】そこで、本発明の伝達手段は、上記速度差
がプロセス速度の変更によらず一定となるように、像形
成用被駆動部と、定着部に含まれる像形成外被駆動部と
に駆動力を伝達するので、記録材に与えられる張力がプ
ロセス速度毎に変化せず、常に適正値に保持されるの
で、記録材に対する未定着画像の形成ズレや、定着不良
等の発生を防止することができる。
【0036】・上記のように、像形成用被駆動部と定着
部に含まれる像形成外被駆動部との速度差を一定にする
ためには、上記定着部に含まれる像形成外被駆動部に現
れる速度vと上記プロセス速度Vとの比であるv/V
が、プロセス速度Vが遅い程大きくなるように、上記伝
達手段が、像形成用被駆動部と、定着部に含まれる像形
成外被駆動部とに駆動力を伝達するようにしてもよい。
【0037】これにより、プロセス速度Vと像形成用被
駆動部に現れる速度とは対応している、あるいは同じと
考えてよいから、プロセス速度Vが遅い程、像形成部を
搬送される記録材の速度は遅くなる。したがって、定着
部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度vと上記プ
ロセス速度Vとの比であるv/Vが、プロセス速度Vが
遅い程大きくなるようにすることで、プロセス速度Vが
遅い程速度差が小さくなることを防止でき、記録材に対
する未定着画像の形成ズレや、定着不良等の発生の防止
に寄与することができる。
【0038】・また、本発明では、上記伝達手段が、上
記未定着画像の定着処理を行う定着部に含まれる像形成
外被駆動部に現れる速度と、画像形成を終えた記録材を
排出する排出部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速
度とを、上記プロセス速度の変更によらず等しくするよ
うに、定着部および排出部に含まれる各像形成外被駆動
部に駆動力を伝達するものであることが好ましい。
【0039】これにより、定着部に含まれる像形成外被
駆動部と排出部に含まれる像形成外被駆動部との間の速
度差が、プロセス速度の変更に依存して変化すると、定
着部と排出部との間で、例えばアコーディオンジャムの
ような紙詰まりの発生するおそれがあるが、上記速度差
がプロセス速度の変更によらず0になるので、定着部を
経た記録材は、定着部を経たときの速度を保ったまま、
円滑に排出部から排出される。
【0040】・さらに、本発明では、記録材を上記像形
成部に対して供給する記録材供給手段から記録材を送り
出す送出部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度
が、上記プロセス速度の変更によらず一定となるよう
に、上記伝達手段が、送出部に含まれる像形成外被駆動
部に駆動力を伝達するものであることが好ましい。
【0041】例えば、遅いプロセス速度に変更されたと
きに、記録材供給手段が記録材を送出する速度がプロセ
ス速度に準じて遅くなると、記録材を送出する速度が遅
いがために画像形成の時間を伸ばしてしまうおそれがあ
る。これに対し、上記の構成によれば、記録材供給手段
は、プロセス速度の変更によらない一定の搬送速度で記
録材を送出部から像形成部に向けて送り出すことができ
るので、記録材を送出する速度が画像形成時間の短縮を
制約することが無く、効率的な画像形成を可能にする。
【0042】・さらに、本発明では、上記伝達手段が、
上記駆動源の駆動力を上記像形成外被駆動部の1つに伝
える伝達系であって、異なるプロセス速度毎に設けられ
た伝達系を備えると共に、上記駆動源と上記像形成外被
駆動部の1つとを接続する伝達系を、プロセス速度の変
更に応じて該当する伝達系に切り換える切り換え手段を
備えていることが好ましい。
【0043】これにより、伝達手段においてプロセス速
度毎に設けられた伝達系の中で、プロセス速度の変更前
に適した伝達系を、プロセス速度の変更後に適した伝達
系に切り換え手段が切り換えるという簡単な手法で、上
述した本発明の画像形成装置を実現することができる。
【0044】上記伝達系として、例えば、駆動源と各被
駆動部との間で駆動力を順次伝達するようにギア群を設
け、ギア群の中の一部のギアを軸方向に可動式とし、ギ
ア比の異なる他のギアを軸方向に進退させて入れ換える
構成を採用することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1から図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0046】図1は、本実施の形態に係る画像形成装置
としての複写機の概略構成を示す概略構成図である。本
複写機は、上面に透明なガラス等からなる透光性の原稿
台1を有している。この原稿台1の上には、自動原稿搬
送装置23が設置されている。
【0047】原稿台1の下方には、スキャナ部2が配置
されている。このスキャナ部2は、露光用光源3、複数
の反射鏡6…、結像レンズ4、および光電変換素子(以
下CCD:Charge Coupled Device と称する)5を備え
ている。ここで、露光用光源3は、原稿台1上に載置さ
れる原稿に光を照射するもので、複数の反射鏡6…は、
原稿からの反射光を例えば図1中の一点鎖線で示す光路
でCCD5へ導くものである。また、結像レンズ4は、
上記光路上のCCD5直前に配置されており、上記原稿
からの反射光をCCD5に対して結像させるものであ
る。上記スキャナ部2は、前述の自動原稿搬送装置23
にて搬送される原稿に対しても同様に、露光用光源3よ
り光を照射してその反射光をCCD5に導くようになっ
ている。
【0048】CCD5によって読み取られた上記原稿の
画像情報は、電子データ化されて画像データとなり、そ
の後、必要な画像処理が施された後、図示しないレーザ
スキャニングユニット(以下、LSUと称する)に送ら
れる。LSUは、受け取った画像データに基づいたレー
ザ光を、帯電された感光体7の表面に照射することによ
り、原稿の画像情報に基づく静電潜像を感光体7の表面
に形成するものである。
【0049】図2に、感光体7とその周囲の構成部材と
で構成され、用紙P(記録材)に未定着画像を形成する
ための一連のプロセスが実行される像形成部を拡大して
示す。感光体7は、ドラム形状をなし、図1中の矢印A
方向に回転する。感光体7の周囲には、像形成部を構成
する他の部材として、上記LSUからのレーザ光の照射
位置(図中、矢印Bが指す位置)から、感光体7の回転
方向に、現像装置(現像手段)9、転写チャージャ(転
写手段)10、剥離爪30、クリーニング装置31、主
帯電器8、上記LSU等が、この順に配置され、さら
に、感光体7の上流側には、後述するアイドルローラ1
3が配置されている。
【0050】ここで、現像装置9は、レーザ光の露光に
よって形成された感光体7表面の静電潜像にトナー(現
像剤、記録剤)を付与して、可視像(トナー像)に現像
するもので、転写チャージャ10は、感光体7上のトナ
ー像を用紙(転写紙、記録用紙)Pに転写するものであ
る。剥離爪30は、感光体7に静電吸着された用紙を感
光体7表面より剥ぎ取るものである。クリーニング装置
31は、転写後の感光体7表面の残留トナーを除去する
もので、主帯電器8は、感光体7表面が所定の電位とな
るように帯電させるものである。
【0051】このような像形成部へ搬送される用紙P
は、図1に示す複写機の下部に設けられた給紙カセット
11(記録材供給手段)に収められている。給紙カセッ
ト11の先端部(給紙方向側)には、用紙Pを搬送路に
給紙するための半月状の給紙ピックアップローラ12が
配置されており、この給紙ピックアップローラ12から
下流側に向かって、レジスト前紙検知スイッチSW1、
上記アイドルローラ13、上記転写チャージャ10、定
着装置(定着部)14、定着紙検知スイッチSW2、排
紙前紙検知スイッチSW3、および排紙ローラ15が、
この順に配置されている。なお、説明の便宜上、用紙P
の流れ出し側(給紙カセット11側)を「上流」、排紙
ローラ15における排紙側を「下流」としている。
【0052】ここで、3つの紙検知スイッチSW1〜S
W3は、何れも配置位置における用紙Pの有無を検知す
るものである。アイドルローラ13は、感光体7上のト
ナー像と用紙Pとの位置を合わせるために、用紙Pの先
端をチャックした状態で一旦滞留させ、タイミングをと
って滞留を解除するものである。用紙Pの先端がアイド
ルローラ13に至ったことは、レジスト前検知スイッチ
SW1により検知される。
【0053】定着装置14(定着部)は、内部に熱源と
してのハロゲンランプを備えた駆動ローラでもある定着
ローラ14aと、この定着ローラ14aに圧接される受
動ローラである加圧ローラ14bとからなる。定着ロー
ラ14aおよび加圧ローラ14bは、定着ローラ14a
と加圧ローラ14bとの間に搬送されてきた用紙Pに対
し、搬送しながら加熱加圧することで、用紙P上のトナ
ーを溶融させてトナー像を用紙Pに定着させるものであ
る。定着装置14を用紙Pが通過したことは、上記定着
紙検知スイッチSW2にて検知される。
【0054】排紙ローラ15は、画像形成が完了した用
紙Pを装置外へ排出するためのもので、用紙Pが排紙ロ
ーラ15に至ったことは、上記排紙前紙検知スイッチS
W3にて検知される。排出された用紙Pは、上記像形成
部の横に設けられた排紙トレイ19に排紙される。この
排紙トレイ19は、給紙カセット11の上方、かつ、ス
キャナ部2の下方に形成された凹部状スペース内に位置
している。
【0055】また、本複写機では、上記の給紙カセット
11から排紙ローラ15までの主搬送路50以外に、両
面印字モードでの裏面印字の際に使用する副搬送路51
が備えられている。副搬送路51は、定着装置14と排
紙ローラ15との間において、上記主搬送路50からア
イドルローラ13に向かうように分岐し、アイドルロー
ラ13の手前で、上記主搬送路50に合流するものであ
る。定着装置14下流側の分岐点には、分岐爪(図示せ
ず)が設けられており、この分岐爪の案内と、排紙ロー
ラ15の逆回転とにより、定着装置14を通過した用紙
Pは、スイッチバック搬送され、前端と後端とを逆にし
て副搬送路51に案内される。副搬送路51内に案内さ
れた用紙Pは、副搬送路51内を2つの搬送ローラ21
・22にて搬送され、再度、アイドルローラ13へと送
られる。このとき、用紙Pは最初の画像形成時に対して
裏返されており、裏返された用紙Pが、アイドルローラ
13から上記の経路をたどることにより、裏面の印字が
施される。
【0056】また、本複写機には、手差し給紙の際に使
用する手差しトレイ18(記録材供給手段)が設けられ
ており、この手差しトレイ18の先端部(給紙方向側)
には、用紙Pを給紙するための半月状の給紙ピックアッ
プローラ17が配置されている。この手差しトレイ18
から給紙された用紙Pも、アイドルローラ13の手前で
上記主搬送路50へと送られる。
【0057】このような構成を有する本複写機におい
て、用紙Pは、給紙カセット11または手差しトレイ1
8から主搬送路50に搬送され、アイドルローラ13で
一旦停止された後、タイミングをとって感光体7と転写
チャージャ10との間に搬送される。
【0058】一方、像形成部においては、主帯電器8に
よって一様に帯電された感光体7に、スキャナ部2で読
み取られ、画像処理が施された画像データに基づいてL
SUからレーザ光が照射され、感光体7表面に静電潜像
が形成される。なお、LSUは、後述する制御部41
(図1参照)の画像メモリに入力された画像データを読
み出し、その画像データに基づいてレーザ光を出射する
場合もある。
【0059】感光体7表面に形成された静電潜像は、現
像装置9によってトナー像とされ、このトナー像が、転
写チャージャ10の作用により、上述の感光体7と転写
チャージャ10との間に搬送された用紙Pに転写され
る。トナー像が転写されたことによって、未定着画像を
形成する一連のプロセスを終えた用紙Pは、剥離爪30
によって感光体7より剥離され、定着装置14に搬送さ
れる。定着装置14において、トナー像は用紙P上に定
着される。
【0060】トナー像が定着された用紙Pは、片面にの
み印字する場合には、そのまま排紙ローラ15を通過し
て、排紙トレイ19に排紙される。一方、両面印字の場
合は、裏面への印字のために、逆回転可能な排紙ローラ
15の逆回転によりスイッチバック搬送され、副搬送路
51内に入り、再度、アイドルローラ13に至る。そし
て、上記と同様の過程を経て、裏面への印字が完了した
後、排紙ローラ15にて排紙トレイ19に排紙される。
【0061】このような画像形成動作を行う各機能部の
動作は、本複写機に備えられた、CPU(Central Proc
essing Unit :中央処理装置)等からなる前記制御部4
1によって制御される。制御部41には、スキャナ部2
にて読み取った画像データ等を一時的に記憶する画像メ
モリや、画像データに対して画像処理を施す画像処理部
等も備えられている。
【0062】また、本複写機は、低解像度(例えば60
0dpi;dot per inch;1インチ(約25.4mm)
あたりのドット数)と高解像度(例えば1200dp
i)の少なくとも2段階の解像度の切り換えが可能なも
のであり、解像度の切り換えを、プロセス速度(感光体
7の周速度)の切り換えによって実現するようになって
いる。なお、プロセス速度は、換言すれば、図2に示す
ように、感光体7の周面に当接しながら像形成部を搬送
される用紙Pの速度に等しい。
【0063】したがって、本複写機では、解像度毎に、
各々のプロセス速度に応じた、転写電圧、定着温度、現
像バイアス、帯電電圧等からなるプロセス条件が決定さ
れており、上記制御部41は、選択された解像度に合っ
たプロセス条件で、上記した像形成部を含む各部を制御
するようになっている。そして、特に図示してはいない
が、本複写機は、ネットワークを介してネットワーク上
の各端末装置とも接続され、文書データ、画像データ等
の各種データやプログラムデータ等を各端末装置とやり
取りできるように構成されている。
【0064】次に、本複写機の基本的な動作について、
図1および図2を参照しつつ、図3〜図5に基づいて説
明する。図3は、本複写機のコピーモードにおける全体
的な処理の流れを示すフローチャートである。また、図
4および図5は、本複写機において、それぞれ片面印字
および両面印字を行う場合の印字処理の詳細を示したフ
ローチャートである。但し、ここでは、片面印字および
両面印字の各処理をわかり易くするために、解像度は一
定値に固定されているものとし、解像度の切り換えに伴
う処理は省略する。なお、以下で説明する処理は、特に
断らないかぎり制御部41によって制御されるものであ
る。
【0065】まず、図3のフローチャートに基づいて、
本複写機の全体的な処理について説明する。
【0066】待機中の本複写機に対して、本複写機に備
えられた図示しない操作パネル等から、或いはネットワ
ーク上の各端末装置から、コピー処理の印字要求がなさ
れると(S401)、印字要求の際にユーザ等から設定
された、印字枚数、印字倍率、用紙サイズ、片面印字/
両面印字の指定等を認識するとともに、原稿の読み取り
モード(片面原稿/両面原稿)や、印字モード(片面印
字/両面印字)に備えた装置設定を行う(S402)。
その後、原稿が自動原稿搬送装置23の原稿トレイに載
置されると(S403)、原稿読み取り処理(S40
4)と印字処理(S407)とを並行して行う。なお、
S403の処理自体はユーザによって行われるものであ
るが、S401やS402の前に行われてもよい。
【0067】S403の原稿読み取り処理では、自動原
稿搬送装置23が、原稿トレイにセットされた原稿を1
枚ずつ、原稿台1へ搬送し、スキャナ部2がこの原稿を
走査して読み取り、スキャナ部2にて読み取られた画像
情報を基に、制御部41が画像データを生成する。生成
した画像データは、画像処理が施された後、像形成部に
送られるか、或いは画像メモリに一旦格納される。両面
印字が指定されている場合は、先に読み取られた原稿表
面の画像データが画像メモリに格納され、原稿裏面の画
像データは、ダイレクトに像形成部に送られる。また、
1枚の原稿に対して複数枚の印字を行うマルチコピーの
場合も、画像データは画像メモリに格納される。
【0068】原稿1枚分の原稿読み取り処理が完了する
毎に、全ての原稿を読み取ったか否かの判定を行い(S
405)、ここで、読み取るべき原稿が残っている場合
は、S404に戻り、全ての原稿を読み取ったと判定す
るまで、上記の原稿読み取り処理を繰り返す。そして、
全ての原稿を読み取ったと判定すると、原稿が自動原稿
搬送装置23の原稿排紙トレイに排出されたかどうかを
判定し(S406)、排出を確認すると、この印字要求
による1ジョブ分の原稿読み取りを終了する。
【0069】一方、並行して行われるS407の印字処
理では、読み取り処理において生成された画像データに
基づいた印字を行う。このとき、上記画像データには、
適宜画像処理が施されている。なお、この印字処理につ
いては、片面印字および両面印字の各処理毎に後述す
る。
【0070】そして、原稿1枚分の印字処理が完了する
毎に、次に印字すべき画像があるか否かの判定を行い
(S408)、ここで、次に印字すべき画像がある場合
は、S407に戻り、上記の印字処理を繰り返す。そし
て、次に印字すべき画像がないと判定すると、用紙Pが
排紙トレイ19に排出されたかどうかを判定し(S40
9)、排出を確認すると、この印字要求による1ジョブ
分の印字を終了する。このように、並行して行われる原
稿の読み取りと印字の両処理の終了によって、この印字
要求による1ジョブが終了し、装置は再び待機状態に入
る。
【0071】次に、図4のフローチャートに基づいて、
図3のS407における片面印字の処理について説明す
る。なお、図4および図5、並びに以下の説明では、同
じ処理を行うステップを同一の符号で表し、その説明を
省略する。
【0072】図3のS402において片面印字が設定さ
れ、S407の印字処理に入ると、まず、1画像分の画
像データについて、1枚の印字を行うか、複数枚の印字
を行うかを、S402における設定に基づいて判定する
(S701)。
【0073】ここで、1枚の印字を行うと判定された場
合には、シングルコピーとして、S404にて読み取ら
れる画像データは、制御部41における画像メモリに入
力されず、読み取り後に画像処理が施されてダイレクト
に像形成部に送られる。一方、複数枚の印字を行うと判
定された場合には、マルチコピーとして、S404にて
読み取られる画像データは、制御部41の画像メモリに
入力される。そして、各印字の際には、画像メモリに記
憶された画像データが読み出されて印字に用いられる。
【0074】S701においてシングルコピーと判定さ
れた場合には、以下の処理を順次行う。まず、給紙ピッ
クアップローラ12又は17によって用紙Pをピックア
ップして搬送を開始し(S702)、アイドルローラ1
3によって用紙Pを一旦停止させる(S703)。
【0075】次に、上記原稿読み取り処理において生成
され、制御部41によって画像処理が施された画像デー
タに基づくレーザ光を、感光体7に対してLSUより照
射し、画像データの書き込みを開始する(S704)。
【0076】そして、画像データの書き込みが開始され
ると、画像データ書き込み開始から所定のタイミングで
用紙Pの搬送を再開する(S705)。これにより、転
写位置における用紙Pの通過のタイミングと、感光体7
上のトナー像の通過のタイミングとが、トナー像が用紙
Pの所定の位置に転写されるタイミングとなる。
【0077】その後、感光体7上のトナーを用紙Pへと
転写する転写工程、トナー像を用紙P上に定着させる定
着工程を経て(S706)、用紙Pは排紙トレイ19上
に排出される(S707)。一方、S701においてマ
ルチコピーと判定された場合には、シングルコピーの場
合のS702からS707までの処理と同じS709〜
S714までの処理を行う。ただし、シングルコピーの
S704では、スキャナ部2で読み取られた画像データ
をダイレクトに用いていたのに対して、マルチコピーの
S711では、一旦画像メモリに記憶された画像データ
を読み出す点が異なる。
【0078】そして、1画像分の印字が完了し、用紙P
を排出する毎に、この1画像分の画像データに関して、
要求された枚数分の印字が完了したか否かの判定を行い
(S715)、ここで、要求された枚数分の印字が未だ
完了していないと判定した場合には、S709に戻り、
要求された枚数分の印字が完了するまで、上記の処理を
繰り返す。そして、要求された枚数分の印字が完了した
と判定した場合には、この印字処理を終了する。以上の
ような処理によって片面印字が行われる。
【0079】次に、図5のフローチャートに基づいて、
図3のS407における両面印字の処理について説明す
る。
【0080】図3のS402において両面印字が設定さ
れ、S407の印字処理に入ると、シングルコピーの場
合のS702からS706までの処理と同じS801〜
S805までの処理を行う。ただし、S803では、ス
キャナ部2で読み取った原稿裏面の画像データを感光体
7に対してダイレクトに書き込む。その結果、原稿の裏
面の情報は、用紙Pの表面に印字される。
【0081】そして、表面に対して画像(原稿の裏面画
像)が定着された用紙Pは、正回転・逆回転が可能な排
紙ローラ15の正回転によって、排紙トレイ19側に導
かれ、用紙Pの後端部が排紙ローラ15に挟まれた状態
で一旦停止する(S806)。
【0082】そして、上記主搬送路50と副搬送路51
との分岐点に設けられた分岐爪を副搬送路51側へと切
り換える(S807)。その後、排紙ローラ15を逆回
転させ、用紙Pを副搬送路51に導き(S808)、用
紙Pの表裏並びに前後を反転させてアイドルローラ13
の上流側で一端停止させた後、再び主搬送路50に戻す
(S809)。
【0083】用紙Pが副搬送路51を通過して主搬送路
50に戻された後は、この用紙Pに対して、上記表面印
字時におけるS803からS805までの処理と同様の
S810〜S812の処理を行う。ただし、S810で
は、スキャナ部2で読み取り、画像メモリに格納してい
た原稿表面の画像データを読み出し、感光体7に対して
書き込む。その結果、原稿の表面の情報は、用紙Pの裏
面に印字される。
【0084】その後、上記主搬送路50と副搬送路51
との分岐点に設けられた上記分岐爪を主搬送路50側へ
と切り換え(S813)、分岐爪を通過した用紙Pを排
紙トレイ19に排出する(S814)。以上のような処
理によって両面印字が行われる。
【0085】本複写機の基本的な構成および動作は上述
した通りであるが、本複写機は、さらに、以下で説明す
る本発明の特徴的構成を備えている。
【0086】本複写機は、前述したように、例えば少な
くとも1200dpiと600dpiとの間で、解像度
の切り換えが可能なものであり、画像形成時に、何れか
の解像度が選択されるようになっている。解像度の切り
換えは、プロセス速度の切り換えによって実現するよう
になっており、プロセス速度は、例えば1200dpi
の場合に60mm/sec、600dpiの場合に12
0mm/secに設定される。なお、解像度の切り換え
は2段階に限らず、さらに多段階に切り換える構成とす
ることもできる。
【0087】また、本複写機では、像形成部を構成する
一方で、画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成用
被駆動部に相当する上記感光体7、現像装置9の現像ロ
ーラおよびアイドルローラ13等と、像形成用被駆動部
以外で画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成外被
駆動部に相当する定着装置14における定着ローラ14
a、排紙ローラ15、給紙ピックアップローラ12・1
7、副搬送路51内の搬送ローラ21・22等を、1つ
のモータ(共通の駆動源)で駆動するようになってい
る。なお、上記した制御部41が、選択された解像度に
応じたプロセス速度となるように、モータへの印加電圧
を制御して、プロセス速度が解像度に反比例するように
モータの回転数を切り換えるようになっている。
【0088】図6に、共通の駆動源であるモータ33
と、これに接続された定着装置14における定着ローラ
14aに対する速度の伝達比率が変わるように、該モー
タ33の駆動力を定着ローラ14aに伝達する駆動力伝
達系34(伝達手段)の一例を示す。なお、図6におい
ては特に図示してはいないが、上記モータ33のモータ
軸、或いはモータギア36には、定着ローラ14aの駆
動力伝達系34以外に、上記像形成用被駆動部および像
形成外被駆動部のそれぞれに駆動力を伝達する同様の駆
動力伝達系(不図示)が複数接続されている。
【0089】ところで、プロセス速度の切り換えが可能
であって、かつ、駆動力を必要とする各部を1つのモー
タで駆動する構成では、従来技術の説明で前述した通
り、定着ローラ14aのように、用紙搬送速度をプロセ
ス速度と異ならせる必要がある像形成外被駆動部におい
て、プロセス速度間の比(新しいプロセス速度/元のプ
ロセス速度)に応じて一意的に速度を切り換えた場合、
言い換えると、駆動力伝達系34の速度伝達比率を変え
ないままにモータ33の回転を像形成外被駆動部に伝え
た場合、像形成外被駆動部における用紙搬送速度は、プ
ロセス速度間の比と等しい比で切り換わるので、用紙P
を引っ張り過ぎたり、弛ませ過ぎたりして、全プロセス
速度で良好な画質を提供することができない。
【0090】そこで、本複写機では、図6に示すよう
に、定着ローラ14aへと伝達する駆動力伝達系34
に、上記制御部41によるソレノイドクラッチ35のO
N/OFF制御にて切り換わる、ギア比の異なる2つの
伝達系を設け、選択されたプロセス速度に応じて2つの
伝達系を切り換えることで、定着ローラ14aの周速
を、プロセス速度間の比とは異なる、転写部と定着部と
の間で、用紙Pを引っ張り過ぎたり、弛ませ過ぎたりし
ない、適切な比で切り換えるようになっている。
【0091】なお、図6に示す例の場合には、ギア比の
異なる伝達系の設置数は、プロセス速度の切り換え数と
等しくなる。
【0092】図6に示すように、モータ33のモータ軸
に接続されたモータギア36と、定着ローラ14aのロ
ーラ軸に接続された定着ギア40との間には、モータギ
ア36と噛合する第1ギア37aと、この第1ギア37
aと同じ軸に固定されて、第1ギア37aと同じ角速度
で回転するギアであって、第1ギア37aより若干径が
小さい第2ギア37bと、同軸で回転するこれら第1お
よび第2のギア37a・37bの各々と噛合し、これら
第1および第2のギア37a・37bの径の差を埋める
ための2枚のピニオンギア38a・38bと、ソレノイ
ドクラッチ35のON/OFF動作にて、2枚のピニオ
ンギア38a・38bの何れかと噛合するように進退
し、定着ギア40へ駆動力を伝達するスイッチギア39
とが設けられている。
【0093】ソレノイドクラッチ35がOFFのとき、
スイッチギア39はピニオンギア38aと噛合するの
で、モータ33の駆動力は、モータギア36、第1ギア
37a、ピニオンギア38a、およびスイッチギア39
を介して定着ギア40に伝達される(第1の伝達系)。
また、ソレノイドクラッチ35がONのとき、スイッチ
ギア39はソレノイドクラッチ35側へ引かれてピニオ
ンギア38bと噛合するので、モータ33の駆動力は、
モータギア36、第2ギア37b、ピニオンギア38
b、およびスイッチギア39を介して定着ギア40に伝
達される(第2の伝達系)。
【0094】上記の第1ギア37aと第2ギア37bと
は、互いに同じ角速度で回転するため、次段のギアへと
伝達する速度(各周速)は、各々の有するギア径に応じ
て異なる。すなわち、径の大きな第1ギア37aの方が
径の小さな第2ギア37bより、周速が速くなるため伝
達速度も速くなる。
【0095】したがって、モータ33の回転数を変える
ことによってプロセス速度(感光体7の周速または感光
体7の周面に当接しながら像形成部を搬送される用紙P
の速度)を切り換える構成に図6の駆動力伝達系34を
用いた場合、プロセス速度の切り換え前後において、モ
ータギア36の周速の比率は、モータ33の回転速度の
比率(すなわちプロセス速度の比率)に等しくなる一方
で、第1の伝達系および第2の伝達系を介してモータギ
ア36の周速が伝達される定着ギア40の周速の比率
を、モータ33の回転速度の比率(すなわちプロセス速
度の比率)と異ならせることができる。
【0096】さらに、モータ33の回転数は変えずに、
駆動力伝達系34のように伝達手段のギア比を可変とし
てプロセス速度を切り換える構成であっても、前述の像
形成用被駆動部にモータ33の回転を伝える伝達手段の
ギア比の変え方を、上記第1および第2の伝達系におけ
るギア比の変え方と異ならせることによって、定着ギア
40の周速の比率を、同様にプロセス速度の比率と異な
らせることができる。
【0097】このように、駆動力伝達系34は、定着ギ
ア40の周速の比率をプロセス速度の比率と異ならせる
伝達系を、プロセス速度の切り換え数と同数備えてい
る。
【0098】本複写機の場合、定着装置14における用
紙引っ張り量、すなわち定着ローラ14aの周速と感光
体7の周速との速度差が、プロセス速度の大小によらず
2.4mm/secで良好な定着性能となることが確認
されている。つまり、プロセス速度が60mm/sec
の場合の定着ローラ14aの周速度は62.4mm/s
ec(プロセス速度の1.04倍)、プロセス速度が1
20mm/secの場合の定着ローラ14aの周速度は
122.4mm/sec(プロセス速度の1.02倍)
とすればよい。したがって、モータ33の回転数を変え
ることによってプロセス速度を切り換える構成に上記駆
動力伝達系34を用いた場合においては、径の大きな第
1ギア37aのギア径を、第2ギア37bのギア径の
1.04/1.02倍に設定すればよい。
【0099】これによって、プロセス速度の変化率を2
倍としたときに、定着ローラ14aの周速度の変化率を
1.96倍とし、プロセス速度の変化率と異ならせるこ
とができる。すなわち、駆動力伝達系34のような伝達
手段を用いることによって、プロセス速度の変更前後
で、感光体7のような像形成用被駆動部に現れる速度の
変化率と、定着ローラ14aのような像形成外被駆動部
に現れる速度の変化率とが異なるように、像形成用被駆
動部および像形成外被駆動部にモータ33の駆動力を伝
達することができる。
【0100】また、定着ローラ14aの周速度は、プロ
セス速度によらず、プロセス速度より2.4mm/se
c速く設定されているので、例えば、モータ33から感
光体7に駆動力を伝える伝達手段のギア比または速度伝
達率と、第1ギア37aを含む第1の伝達系のギア比ま
たは速度伝達率とは、若干異なるように設定されている
と共に、第2ギア37bを含む第2の伝達系のギア比ま
たは速度伝達率とも、若干異なるように設定されてい
る。
【0101】なお、上記速度伝達率とは、モータギア3
6のようにモータ33の回転軸に直接結合された出力ギ
アの周速に対する、定着ローラ14aのように被駆動部
に直接結合された駆動ギアの周速の比率を意味する。あ
るいは、駆動源の出力速度と被駆動部の入力速度との比
率を意味する。
【0102】上記の構成において、制御部41は、プロ
セス速度が60mm/secの高解像度モードが選択さ
れると、モータ33の回転数を60mm/secに応じ
たものに切り換える、あるいは像形成用被駆動部にモー
タ33の回転を伝える伝達手段のギア比を60mm/s
ecに応じたものに切り換えると共に、駆動力伝達系3
4におけるソレノイドクラッチ35をOFF制御し、モ
ータ33の駆動力を、径の大きな第1ギア37aを含む
第1の伝達系を介して伝達する。このとき、定着ローラ
14aの周速は、62.4mm/sec(プロセス速度
の1.04倍)となり、単位時間あたりの用紙Pの引っ
張り量は2.4mmとなるため、用紙Pには弛みによる
画質の乱れや、定着不良、引っ張り過ぎによる転写不良
等が発生しない。
【0103】一方、プロセス速度が120mm/sec
の低解像度モードが選択されると、制御部41はモータ
33の回転数を120mm/secに応じたものに切り
換える、あるいは像形成用被駆動部にモータ33の回転
を伝える伝達手段のギア比を120mm/secに応じ
たものに切り換えると共に、駆動力伝達系34における
ソレノイドクラッチ35をON制御し、モータ33の駆
動力を、第2の伝達系を介して伝達する。このとき、定
着ローラ14aの周速は、122.4mm/sec(プ
ロセス速度の1.02倍)となり、単位時間あたりの用
紙Pの引っ張り量は高解像度モードのときと同じく2.
4mmとなるため、同様に、用紙Pには弛みによる画質
の乱れや、定着不良、引っ張り過ぎによる転写不良等は
発生しない。
【0104】図7に、本複写機に採用可能な、定着ロー
ラ14aへモータ33の回転を伝達する駆動力伝達系の
別の構成を示す。図7に示す駆動力伝達系42も、図6
に示した駆動力伝達系34と同様に、制御部41による
ソレノイドクラッチ35のON/OFF制御にて切り換
わる、ギア比の異なる2つの伝達系を備えている。
【0105】この駆動力伝達系42では、定着ローラ1
4aのローラ軸に、径の異なる第1および第2の定着ギ
ア46a・46bが固定されており、これら第1および
第2の定着ギア46a・46bの何れか一方に、モータ
33からの駆動力が伝達されるようになっている。ま
た、モータ33のモータ軸に接続されたモータギア43
と、これら第1および第2の定着ギア46a・46bと
の間には、これら第1および第2の定着ギア46a・4
6bの径の差を埋めるための2枚のピニオンギア45a
・45bと、ソレノイドクラッチ35のON/OFF動
作にて、2枚のピニオンギア45a・45bの何れかと
噛合し、モータギア43の駆動力を伝達するスイッチギ
ア44とが設けられている。
【0106】ソレノイドクラッチ35がOFFのとき、
スイッチギア44はピニオンギア45aと噛合し、モー
タ33の駆動力は、モータギア43、スイッチギア4
4、ピニオンギア45aを介して第1定着ギア46aに
伝達される一方、ソレノイドクラッチ35がONのとき
は、スイッチギア44はピニオンギア45bと噛合し、
モータ33の駆動力は、モータギア43、スイッチギア
44、ピニオンギア45bを介して第2定着ギア46b
に伝達される。
【0107】ただし、モータ33の回転数が同じであれ
ば、モータギア43およびスイッチギア44は、ピニオ
ンギア45a・45bのどちらにも同じ速さの周速を伝
えるので、第1定着ギア46aと第2定着ギア46bも
共に、同じ周速で回転することになる。したがって、ギ
アの周速が等しいとき、ギアの角速度とギア径とは反比
例するから、定着ローラ14aを回転させる角速度は、
径の小さい第2定着ギア46bの方が径の大きい第1定
着ギア46aより速くなる。すなわち、定着ローラ14
aは、径の小さい第2定着ギア46bによって回転させ
られる方が、径の大きい第1定着ギア46aによって回
転させられるよりも速くなる。ここでは、径の大きな第
1定着ギア46aのギア径が、第2定着ギア46bのギ
ア径の1.04/1.02倍に設定されている。
【0108】以上のように、本複写機では、共通駆動源
であるモータ33の駆動力を定着ローラ14aへと伝達
する駆動力伝達系34(或いは駆動力伝達系42)に、
ソレノイドクラッチ35のON/OFF動作にて切り換
わる、ギア比の異なる2つの伝達系を設けた構成を採用
し、制御部41にて、伝達系をプロセス速度に応じて選
択的に切り換えることで、プロセス速度の違いによら
ず、定着装置14における単位時間あたりの転写チャー
ジャ10からの用紙Pの引っ張り量を同じ(ここでは、
2.4mm)とした。
【0109】これにより、複数のプロセス速度を選択的
に切り換えることができる複写機において、1つのモー
タ33で感光体7や用紙搬送等を行うようにしても、用
紙Pには弛みによる画質の乱れ、定着不良、引っ張り過
ぎによる転写不良等なく良好な画像形成を行うことがで
きる。
【0110】ところで、排紙トレイ19に用紙Pを排出
する排紙ローラ15と定着装置14との距離は、通常、
装置のコンパクト化を目的として、シート状の用紙Pの
長さより短い設計となっており、本複写機でも、該構成
を採用している。そのため、上述のように定着装置14
の速度を、プロセス速度の変化率とは異なる変化率で切
り換えたとき、排紙ローラ15の周速をプロセス速度の
変化率と同じ変化率で切り換えたのでは、例えばアコー
デオンJAMと呼ばれる紙詰まりを排紙ローラ15と定
着装置14との間で発生させるような、不所望な速度差
が排紙ローラ15の周速と定着ローラ14aの周速との
間に生ずる。
【0111】そこで、本複写機では、用紙Pに未定着画
像を形成するための一連のプロセスが実行される像形成
部以外の部分で、画像形成に伴って駆動力が伝達される
像形成外被駆動部の1つである排紙ローラ15へ、モー
タ33の駆動力を伝達する排紙ローラ15用の伝達手段
にも、上記した定着ローラ14aの駆動力伝達系34
(駆動力伝達系42)と同様の構成を採用し、定着部に
含まれる像形成外被駆動部に現れる速度(定着ローラ1
4aの周速)とプロセス速度とが異なった場合、排出部
に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度(排紙ローラ
15の周速)がプロセス速度に準じるのではなく、定着
部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度(定着ロー
ラ14aの周速)と等速となるように、駆動力が伝わる
構成としている。
【0112】これにより、プロセス速度を切り換えて
も、排紙ローラ15と定着装置14との間で紙詰まりを
発生させることなく、用紙Pを排紙トレイ19に円滑に
排紙することができる。
【0113】さらに、本複写機では、像形成外被駆動部
に現れる速度の変化率をプロセス速度の変化率と異なら
せる他の例として、給紙カセット11や手差しトレイ1
8より用紙Pを給紙する半月状の給紙ピックアップロー
ラ12・17へモータ33の駆動力を伝達する伝達手段
にも、プロセス速度の切り換えに応じて一意的にその速
度を切り換えない構成を採用している。
【0114】すなわち、給紙した用紙Pをアイドルロー
ラ13にまで搬送する給紙ピックアップローラ12・1
7および必要に応じて設けられる給紙ローラの速度は、
プロセス速度が速くても遅くても一定距離(給紙部から
アイドルローラ13までの距離)を搬送する必要がある
ので、本複写機では、給紙部からアイドルローラ13ま
での用紙搬送速度が印字速度を制約してしまうことがな
いように、アイドルローラ13までの用紙搬送速度を一
定値の高速とし、アイドルローラ13から定着ローラ1
4aまでの用紙搬送速度を、プロセス速度と等速にする
構成としている。
【0115】このように、像形成外被駆動部の1つであ
る給紙ピックアップローラ12・17へ、モータ33の
駆動力を伝達する給紙ピックアップローラ12・17用
の伝達手段にも、上記した定着ローラ14aの駆動力伝
達系34(駆動力伝達系42)と同様の構成を採用し、
給紙部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度(給紙
ピックアップローラ12・17の周速)がプロセス速度
に準じるのではなく、給紙部からアイドルローラ13ま
での用紙搬送速度を一定値の高速とするように駆動力が
伝わる構成としている。
【0116】これにより、アイドルローラ13における
用紙Pの先端調整の時間を確保すると共に、印字処理枚
数をできるだけ多くすることができる。
【0117】このように、本発明の画像形成装置は、駆
動源が1つのみ設けられ、記録材を搬送しながら未定着
画像を形成する像形成部の内、画像形成に伴って駆動力
が伝達される像形成用被駆動部にて、プロセス速度の変
更前後で現れる速度の変化率と、像形成用被駆動部以外
で画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成外被駆動
部の内の少なくとも1つにて、プロセス速度の変更前後
で現れる速度の変化率とを、各被駆動部に駆動源の駆動
力を伝える伝達手段によって異ならせ、それによって、
像形成用被駆動部と像形成外被駆動部の内の少なくとも
1つとの間に生ずる速度差によって、搬送される記録材
に適切なテンションを与えることを基本としているが、
本発明の画像形成装置を以下のように構成することもで
きる。
【0118】すなわち、本発明の画像形成装置は、複数
のプロセス速度を有し、少なくとも、静電潜像担持体、
用紙搬送手段、及び定着部の定着ローラの各駆動が、1
つの駆動源で実施される画像形成装置であって、プロセ
ス速度の切り換えに伴い、定着ローラの駆動のみを、静
電潜像担持体及び用紙搬送手段に対するプロセス速度に
応じた駆動の切替えとは別に制御する制御手段(制御部
41)を備えるように構成することもできる。
【0119】また、上記制御手段は、定着ローラの駆動
のみ、定着ローラの周速とプロセス速度との比である定
着ローラ周速/プロセス速度を、プロセス速度が遅い程
大きくするような制御を行ってもよい。
【0120】さらに、上記制御手段は、各プロセス速度
毎の定着ローラの周速が、定着ローラの周速よりプロセ
ス速度を減じた値が、予め定めた値となるような制御を
行ってもよい。これにより、上記した定着部における用
紙引っ張り量がプロセス速度によらず一定となるので、
用紙引っ張り量の変化に起因して画質を安定化できない
といった課題を解決できる。
【0121】さらに、上記画像形成装置は、上記駆動源
の駆動力を定着ローラへと伝える駆動力伝達系を、プロ
セス速度毎に、各プロセス速度で決まる周速で定着ロー
ラを駆動し得るように備え、上記制御手段が、プロセス
速度に応じて該当するプロセス速度の駆動力伝達系に切
り換えるような制御を行うようにしてもよい。
【0122】
【発明の効果】・本発明に係る画像形成装置は、以上の
ように、記録材を搬送しながら未定着画像を記録材に形
成するための一連のプロセスが実行される像形成部の
内、画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成用被駆
動部と、像形成用被駆動部以外で画像形成に伴って駆動
力が伝達される像形成外被駆動部とに対し、該駆動力を
発生する駆動源が共通に1つ設けられると共に、上記像
形成用被駆動部および像形成外被駆動部のそれぞれに、
上記駆動源の駆動力を伝達する伝達手段を備え、上記伝
達手段は、上記像形成部を搬送される記録材の速度とし
てのプロセス速度を変更する際に、プロセス速度の変更
前後で像形成用被駆動部に現れる速度の変化率と、像形
成外被駆動部の内の少なくとも1つに現れる速度の変化
率とが異なるように、像形成用被駆動部および像形成外
被駆動部に駆動力を伝達することを特徴としている。
【0123】それゆえ、像形成用被駆動部に現れる速度
の変化率と、像形成外被駆動部の内の少なくとも1つに
現れる速度の変化率とを、プロセス速度に応じて一律的
に変えないようにしているので、像形成用被駆動部と像
形成外被駆動部との間で発生しやすい記録材の張りの変
化を防止し、プロセス速度によらず安定した画質を呈す
ることが可能な画像形成装置を提供することができると
いう効果を奏する。
【0124】・また、本発明の画像形成装置では、上記
伝達手段が、像形成用被駆動部に現れる速度と、上記未
定着画像の定着処理を行う定着部に含まれる像形成外被
駆動部に現れる速度との速度差を、上記プロセス速度の
変更によらず一定とするように、像形成用被駆動部と、
定着部に含まれる像形成外被駆動部とに駆動力を伝達す
る構成である。
【0125】それゆえ、定着部に含まれる像形成外被駆
動部と像形成用被駆動部との速度差によって、記録材に
与えられるテンションの最適値は、プロセス速度が変わ
っても変化しないので、上記の構成により、上記テンシ
ョンを常に適正値に保持することができる。したがっ
て、記録材に対する未定着画像の形成ズレや、定着不良
等の発生を防止することができるという効果を奏する。
【0126】・さらに、本発明の画像形成装置では、上
記伝達手段が、上記定着部に含まれる像形成外被駆動部
に現れる速度vと上記プロセス速度Vとの比であるv/
Vを、プロセス速度Vが遅い程大きくするように、像形
成用被駆動部と、定着部に含まれる像形成外被駆動部と
に駆動力を伝達する構成である。
【0127】それゆえ、プロセス速度Vが遅くなる程、
速度差を小さくなるという不具合を防止でき、記録材に
対する未定着画像の形成ズレや、定着不良等の発生の防
止に寄与することができるという効果を奏する。
【0128】・さらに、本発明の画像形成装置では、上
記伝達手段が、上記未定着画像の定着処理を行う定着部
に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度と、画像形成
を終えた記録材を排出する排出部に含まれる像形成外被
駆動部に現れる速度とを、上記プロセス速度の変更によ
らず等しくするように、定着部および排出部に含まれる
各像形成外被駆動部に駆動力を伝達する構成である。
【0129】それゆえ、上記速度差がプロセス速度の変
更によらず0になるので、定着部を経た記録材は、定着
部を経たときの速度を保ったまま、円滑に排出部から排
出されるという効果を奏する。
【0130】・さらに、本発明の画像形成装置では、記
録材を上記像形成部に対して供給する記録材供給手段か
ら記録材を送り出す送出部に含まれる像形成外被駆動部
に現れる速度が、上記プロセス速度の変更によらず一定
となるように、上記伝達手段が、送出部に含まれる像形
成外被駆動部に駆動力を伝達する構成である。
【0131】それゆえ、記録材供給手段は、プロセス速
度の変更によらない一定の搬送速度で記録材を送出部か
ら像形成部に向けて送り出すことができるので、記録材
を送出する速度が画像形成時間の短縮を制約することが
無く、効率的な画像形成を可能にするという効果を奏す
る。
【0132】・さらに、本発明の画像形成装置では、上
記伝達手段が、上記駆動源の駆動力を上記像形成外被駆
動部の1つに伝える伝達系であって、異なるプロセス速
度毎に設けられた伝達系を備えると共に、上記駆動源と
上記像形成外被駆動部の1つとを接続する伝達系を、プ
ロセス速度の変更に応じて該当する伝達系に切り換える
切り換え手段を備えている構成である。
【0133】それゆえ、伝達手段においてプロセス速度
毎に設けられた伝達系の中で、プロセス速度の変更前に
適した伝達系を、プロセス速度の変更後に適した伝達系
に切り換え手段が切り換えるという簡単な手法で、上述
した本発明の画像形成装置を実現することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置とし
ての複写機の概略構成を示す構成図である。
【図2】上記複写機における像形成部の拡大図である。
【図3】上記複写機のコピーモードにおける全体的な処
理の流れを示すフローチャートである。
【図4】上記複写機において、片面印字を行う場合の印
字処理の詳細を示したフローチャートである。
【図5】上記複写機において、両面印字を行う場合の印
字処理の詳細を示したフローチャートである。
【図6】上記複写機における、駆動源の駆動力を定着装
置へと伝達する駆動力伝達系の構成を示す説明図であ
る。
【図7】上記複写機に採用可能な、駆動源の駆動力を定
着装置へと伝達する駆動力伝達系の他の構成を示す説明
図である。
【符号の説明】
7 感光体(像形成部、像形成用被駆動部) 8 主帯電器(像形成部) 9 現像装置(像形成部) 10 転写チャージャ(像形成部) 11 給紙カセット(記録材供給手段) 12 給紙ピックアップローラ(送出部の像形成外
被駆動部) 13 アイドルローラ(像形成部、像形成用被駆動
部) 14 定着装置(定着部) 14a 定着ローラ(定着部の像形成外被駆動部) 14b 加圧ローラ 15 排紙ローラ(排出部の像形成外被駆動部) 17 給紙ピックアップローラ(送出部の像形成外
被駆動部) 18 手差しトレイ(記録材供給手段) 33 モータ(駆動源) 34 駆動力伝達系(伝達系、伝達手段) 35 ソレノイドクラッチ(切り換え手段) 41 制御部 42 駆動力伝達系(伝達系、伝達手段) P 用紙(記録材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 淳二 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 永野 雄介 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 北尻 正広 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H027 ED02 ED08 ED16 ED17 ED25 EE03 2H033 AA01 BB00 CA36 CA40 2H071 CA02 CA05 DA08 DA12 DA22 DA23 DA24 DA26 DA31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録材を搬送しながら未定着画像を記録材
    に形成するための一連のプロセスが実行される像形成部
    の内、画像形成に伴って駆動力が伝達される像形成用被
    駆動部と、像形成用被駆動部以外で画像形成に伴って駆
    動力が伝達される像形成外被駆動部とに対し、該駆動力
    を発生する駆動源が共通に1つ設けられると共に、 上記像形成用被駆動部および像形成外被駆動部のそれぞ
    れに、上記駆動源の駆動力を伝達する伝達手段を備え、 上記伝達手段は、上記像形成部を搬送される記録材の速
    度としてのプロセス速度を変更する際に、プロセス速度
    の変更前後で像形成用被駆動部に現れる速度の変化率
    と、像形成用被駆動部とは異なる速度で駆動される像形
    成外被駆動部の内の少なくとも1つに現れる速度の変化
    率とが異なるように、像形成用被駆動部および像形成外
    被駆動部に駆動力を伝達することを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】上記伝達手段は、像形成用被駆動部に現れ
    る速度と、上記未定着画像の定着処理を行う定着部に含
    まれる像形成外被駆動部に現れる速度との速度差が、上
    記プロセス速度の変更によらず一定となるように、像形
    成用被駆動部と、定着部に含まれる像形成外被駆動部と
    に駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】上記伝達手段は、上記定着部に含まれる像
    形成外被駆動部に現れる速度vと上記プロセス速度Vと
    の比であるv/Vが、プロセス速度Vが遅い程大きくな
    るように、像形成用被駆動部と、定着部に含まれる像形
    成外被駆動部とに駆動力を伝達することを特徴とする請
    求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】上記伝達手段は、上記未定着画像の定着処
    理を行う定着部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速
    度と、画像形成を終えた記録材を排出する排出部に含ま
    れる像形成外被駆動部に現れる速度とが、上記プロセス
    速度の変更によらず等しくなるように、定着部および排
    出部に含まれる各像形成外被駆動部に駆動力を伝達する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】上記伝達手段は、記録材を上記像形成部に
    対して供給する記録材供給手段から記録材を送り出す送
    出部に含まれる像形成外被駆動部に現れる速度が、上記
    プロセス速度の変更によらず一定となるように、送出部
    に含まれる像形成外被駆動部に駆動力を伝達することを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】上記伝達手段は、上記駆動源の駆動力を上
    記像形成外被駆動部の1つに伝える伝達系であって、異
    なるプロセス速度毎に設けられた伝達系を備えると共
    に、上記駆動源と上記像形成外被駆動部の1つとを接続
    する伝達系を、プロセス速度の変更に応じて該当する伝
    達系に切り換える切り換え手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
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