JP2002115806A - ボイラの節炭器構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスパス防止具の設置を不要とし得、ガスの
流路断面積を制限することなく、流路を有効に利用し
得、且つエロージョン、熱応力、灰の堆積等のトラブル
を防止でき、メンテナンス性の向上を図り得ると共に、
コストダウンをも図り得るボイラの節炭器構造を提供す
る。 【解決手段】 炉壁１ａに面する最外側の伝熱管９ｂと
炉壁１ａとの間隔Ｃが伝熱管９ｂの配設ピッチＰ以下と
なるよう、伝熱管９ｂを配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラの節炭器構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２はボイラの一例を表わすものであっ
て、図２中、１はボイラ本体、２はボイラ本体１内へ燃
料を噴射して燃焼させるバーナ、３は一次過熱器、４は
二次過熱器、５は三次過熱器、６は最終過熱器、７は一
次再熱器、８は二次再熱器、９は節炭器であり、バーナ
２からボイラ本体１内へ燃料を噴射して燃焼させること
により、燃焼ガスを生成し、生成された燃焼ガスを流通
させ、二次過熱器４、三次過熱器５、最終過熱器６、二
次再熱器８、一次過熱器３、一次再熱器７及び節炭器９
と熱交換させ、熱交換した後の排ガスを排ガスダクト１
０へ流出させ、下流側に設けられた脱硝、脱硫等の排煙
処理装置（図示せず）で窒素酸化物や硫黄酸化物等を除
去した後、大気へ放出するようになっている。

【０００３】一方、図３は前述のボイラの給水・蒸気系
統を表わすものであり、ボイラ給水は、燃料が燃焼され
るボイラ本体１の火炉炉壁に形成される蒸発器１１で加
熱され、ノーズ部１２を経て、汽水分離器１３で水と蒸
気に分離され、該汽水分離器１３で水と分離された蒸気
は、ボイラ本体１の天井並びに後部伝熱部周壁１４を通
過し、一次過熱器３、二次過熱器４、三次過熱器５及び
最終過熱器６で過熱され、高圧タービン１５へ導かれ、
該高圧タービン１５が駆動されて発電が行われると共
に、前記高圧タービン１５を駆動した後の蒸気は、一次
再熱器７及び二次再熱器８へ導かれ、該一次再熱器７及
び二次再熱器８で再熱された後、中・低圧タービン１６
へ導入され、該中・低圧タービン１６が駆動されて発電
が行われ、前記中・低圧タービン１６を駆動した後の蒸
気は、復水器１７へ導かれてボイラ給水に戻され、該ボ
イラ給水は、復水脱塩装置１８と低圧給水加熱器１９と
脱気器２０とを経由し、給水ポンプ２１により高圧給水
加熱器２２を介して節炭器９へ圧送され、該節炭器９で
加熱され、前記蒸発器１１へ送給され、循環されるよう
になっている。

【０００４】ところで、前記節炭器９は、図４に示され
るように、炉壁１ａで囲まれる空間１ｂ内に、フィン９
ａ付きの伝熱管９ｂを配設してなる構成を有しており、
従来の場合、伝熱管９ｂの据付の面から、炉壁１ａに面
する最外側の伝熱管９ｂと炉壁１ａとの間隔Ｃ’が伝熱
管９ｂの配設ピッチＰのおよそ１．５倍程度となるよう
にしているが、この場合、炉壁１ａに面する最外側の伝
熱管９ｂと炉壁１ａとの間に何も設けないと、この部分
の抵抗が小さいことから、本来であれば伝熱管９ｂの間
に流通させるべきガスが抜けるように流れてしまい、節
炭器９の性能が低下してしまうこととなる。

【０００５】このため、従来においては、図４及び図５
に示される如く、炉壁１ａに面する最外側の伝熱管９ｂ
と炉壁１ａとの間に、炉壁１ａから内側へ張り出すよう
に取り付けられた邪魔板２３と、炉壁１ａから張り出す
ブラケット２４を介して炉壁１ａに沿うように取り付け
られたバッフル板２５とによって形成されるガスパス防
止具２６を設置している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如きガスパス防止具２６は、ガスの流路断面積を制限す
るものであり、流路を有効に利用する上で好ましいもの
であるとは言えず、且つエロージョン、熱応力、灰の堆
積等のトラブルの要因となり、メンテナンスを頻繁に行
わなければならなくなる一方、熱による伸び差の点か
ら、小さく分割した部材を炉壁１ａに取り付ける必要が
あり、しかもその取り付け作業は狭い場所での作業とな
って、手間と時間がかかると共にコストアップにもつな
がるという欠点を有していた。

【０００７】本発明は、斯かる実情に鑑み、ガスパス防
止具の設置を不要とし得、ガスの流路断面積を制限する
ことなく、流路を有効に利用し得、且つエロージョン、
熱応力、灰の堆積等のトラブルを防止でき、メンテナン
ス性の向上を図り得ると共に、コストダウンをも図り得
るボイラの節炭器構造を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、炉壁で囲まれ
る空間内に、フィン付きの伝熱管を配設してなるボイラ
の節炭器構造であって、炉壁に面する最外側の伝熱管と
炉壁との間隔が伝熱管の配設ピッチ以下となるよう、伝
熱管を配設したことを特徴とするボイラの節炭器構造に
かかるものである。

【０００９】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。

【００１０】前述の如く、炉壁に面する最外側の伝熱管
と炉壁との間隔が伝熱管の配設ピッチ以下となるよう、
伝熱管を配設すると、従来のように、炉壁に面する最外
側の伝熱管と炉壁との間に、炉壁から内側へ張り出すよ
うに取り付けられた邪魔板と、炉壁から張り出すブラケ
ットを介して炉壁に沿うように取り付けられたバッフル
板とによって形成されるガスパス防止具を設置しなくて
も、炉壁に面する最外側の伝熱管と炉壁との間における
抵抗が小さくならず、この部分にガスが抜けるように流
れてしまうことがなくなり、節炭器の性能が確保され
る。

【００１１】この結果、ガスの流路断面積が制限されな
くなって、流路を有効に利用することが可能となり、且
つエロージョン、熱応力、灰の堆積等のトラブルが発生
する心配がなく、メンテナンスを頻繁に行わなくて済む
と共に、狭い場所でのガスパス防止具の取り付け作業が
不要となって、手間と時間がかからずコストアップも避
けられることとなる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。

【００１３】図１は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図２〜図５と同一の符号を付した部分は同一
物を表わしており、炉壁１ａに面する最外側の伝熱管９
ｂと炉壁１ａとの間隔Ｃが伝熱管９ｂの配設ピッチＰ以
下となるよう、伝熱管９ｂを配設する。

【００１４】次に、上記図示例の作動を説明する。

【００１５】前述の如く、炉壁１ａに面する最外側の伝
熱管９ｂと炉壁１ａとの間隔Ｃが伝熱管９ｂの配設ピッ
チＰ以下となるよう、伝熱管９ｂを配設すると、図４及
び図５に示される従来例のように、炉壁１ａに面する最
外側の伝熱管９ｂと炉壁１ａとの間に、炉壁１ａから内
側へ張り出すように取り付けられた邪魔板２３と、炉壁
１ａから張り出すブラケット２４を介して炉壁１ａに沿
うように取り付けられたバッフル板２５とによって形成
されるガスパス防止具２６を設置しなくても、炉壁１ａ
に面する最外側の伝熱管９ｂと炉壁１ａとの間における
抵抗が小さくならず、この部分にガスが抜けるように流
れてしまうことがなくなり、節炭器９の性能が確保され
る。

【００１６】この結果、ガスの流路断面積が制限されな
くなって、流路を有効に利用することが可能となり、且
つエロージョン、熱応力、灰の堆積等のトラブルが発生
する心配がなく、メンテナンスを頻繁に行わなくて済む
と共に、狭い場所でのガスパス防止具２６の取り付け作
業が不要となって、手間と時間がかからずコストアップ
も避けられることとなる。

【００１７】こうして、ガスパス防止具２６の設置を不
要とし得、ガスの流路断面積を制限することなく、流路
を有効に利用し得、且つエロージョン、熱応力、灰の堆
積等のトラブルを防止でき、メンテナンス性の向上を図
り得ると共に、コストダウンをも図り得る。

【００１８】尚、本発明のボイラの節炭器構造は、上述
の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは
勿論である。

【００１９】

【発明の効果】以上、説明したように本発明のボイラの
節炭器構造によれば、ガスパス防止具の設置を不要とし
得、ガスの流路断面積を制限することなく、流路を有効
に利用し得、且つエロージョン、熱応力、灰の堆積等の
トラブルを防止でき、メンテナンス性の向上を図り得る
と共に、コストダウンをも図り得るという優れた効果を
奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する形態の一例の正面図である。

【図２】一般的なボイラの一例を表わす全体概要構成図
である。

【図３】図２に示されるボイラの給水・蒸気系統を表わ
す概要構成図である。

【図４】従来例の正面図である。

【図５】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

１ａ 炉壁 １ｂ 空間 ９ 節炭器 ９ａ フィン ９ｂ 伝熱管 Ｃ 間隔 Ｐ 配設ピッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 炉壁で囲まれる空間内に、フィン付きの
   伝熱管を配設してなるボイラの節炭器構造であって、炉
   壁に面する最外側の伝熱管と炉壁との間隔が伝熱管の配
   設ピッチ以下となるよう、伝熱管を配設したことを特徴
   とするボイラの節炭器構造。