JP2002115313A - マンホールポンプシステム及びマンホールポンプシステムの制御方法 - Google Patents

マンホールポンプシステム及びマンホールポンプシステムの制御方法

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JP2002115313A
JP2002115313A JP2000309007A JP2000309007A JP2002115313A JP 2002115313 A JP2002115313 A JP 2002115313A JP 2000309007 A JP2000309007 A JP 2000309007A JP 2000309007 A JP2000309007 A JP 2000309007A JP 2002115313 A JP2002115313 A JP 2002115313A
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JP
Japan
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sewage
water level
storage recess
sewage storage
discharge
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Application number
JP2000309007A
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English (en)
Inventor
Koichi Tamura
功一 田村
Kanji Yamamoto
寛治 山本
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Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 悪臭やスカム等の発生を防止すると共に、ポ
ンプ装置や汚水槽内壁等への汚物の付着を防止し得るマ
ンホールポンプシステムを提供すること。 【解決手段】 汚水槽1の底部に汚水貯留凹部3が設け
られる。ポンプ装置10のポンプ本体部11が汚水貯留
凹部3よりも上側に設置固定されると共に、そのポンプ
本体部11の吸込口11cから汚水貯留凹部3内に向け
て吸込管12が延設される。汚水貯留凹部3内における
汚水の上限水位である起動水位HWLと下限水位である
停止水位LWLとが設定され、水位検出部20からの水
位検出信号に基づいて、汚水貯留凹部3内の汚水の水位
WLが起動水位HWLに達したときにポンプ装置10に
よる汚水の吐出を開始させる一方、この汚水の吐出によ
り汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが停止水位LWL
を下回ったときにポンプ装置10による汚水の吐出を停
止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚水を圧送する
マンホールポンプシステム及びマンホールポンプシステ
ムの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水輸送システムでは、下水管路の途中
に図7に示すようなマンホールポンプシステム100が
設けられている。
【0003】このマンホールポンプシステム100は、
地中に埋込まれた汚水槽101と、汚水槽101内の底
部に据付けられた接続装置111と、接続装置111に
接続されたポンプ装置102と、主としてポンプ装置1
02の運転を制御するためのポンプ制御盤103とを備
える。
【0004】上記汚水槽101には、流入管104を通
ってきた汚水が間欠的に或は連続的に流入してくるよう
になっている。また、汚水槽101内において、汚水の
流入経路を覆うようにバッフル105が設けられてお
り、汚水流入の際の汚水飛散が防止される構成となって
いる。
【0005】そして、汚水槽101に汚水が溜ると、ポ
ンプ制御盤103より電力の供給を受けたポンプ装置1
02は羽根車を回転させて、汚水槽101内の汚水を吸
込んで、接続装置111側へと吐出する。吐出された汚
水は、吐出管106を通って次のマンホールポンプシス
テム或は処理場等の送水先へと送水されるように構成さ
れる。
【0006】なお、上記吐出管106の途中には、ポン
プ装置102の停止後汚水の逆流を防止する逆止弁10
7及び点検分解作業時に止水するための仕切弁108が
設けられている。
【0007】このように構成されたマンホールポンプシ
ステムの具体的な運転動作例を説明すると、上記汚水槽
101内には、その内部の汚水の水位を検出するための
水位検出部110が設けられており、その水位検出部1
10からの検出信号がポンプ制御盤103に与えられ
る。
【0008】そして、汚水の流入により汚水槽101内
の汚水の水位が予め設定されたポンプ起動水位HWLに
達すると、ポンプ制御盤103からポンプ装置102に
電力の供給がなされて当該ポンプ装置102の運転が開
始され、汚水槽101内の汚水が排出される。この汚水
の排出により、汚水槽101内の汚水の水位が徐々に低
下して、予め設定された停止水位LWLになると、ポン
プ制御盤103からポンプ装置102への電力の供給が
停止されて、ポンプ装置102の運転が停止される。
【0009】なお、通常、マンホールポンプシステムに
は2台のポンプ装置102が設置されており、交互に上
述の運転サイクルを繰返すようになっている。また、ポ
ンプ装置102の1台当りの汚水の吐出量は、最大流入
汚水量よりも大きくなるように設計されているので、水
位がポンプ起動水位HWL以上になることはない。万
一、ポンプ装置102の不具合などにより異常に増水し
て、水位が所定の警報水位以上になった場合には、警報
用フロート112を通じて水位が警報水位以上になった
旨が検出され、ポンプ制御盤103が、現在運転中のポ
ンプ装置102の運転を停止させて他のもう一台のポン
プ装置102の運転に切替えると共に、その異常状態を
通報するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
ンホールポンプシステムでは、ポンプ装置102よりも
かなり上方の位置に起動水位HWLが設定されており、
大量の汚水が汚水槽101内に貯留されないと、ポンプ
装置102は起動しない。具体的には、流入水の多い時
には、1時間に10回程度ポンプ装置102が起動して
水位が上下するものの、少ないときには、1日に1〜2
回程度ということもある。このため、汚水槽101内で
汚水が長期に亘り滞留することになり易く、そして、汚
水が長期間滞留すると、嫌気状態になって汚水内の有機
物が分解され悪臭が発生することになる。また、スカム
(浮きかす)が汚水水面に発生し、水位検出部110が
誤作動したり、ポンプ装置102や汚水槽101内壁に
付着し、汚水槽101内が非常に不衛生な状態になる。
また、清掃作業者も不衛生で手間のかかる清掃作業を行
う必要が生じる。特に、上記マンホールポンプシステム
では、ポンプ装置102や汚水槽101の内壁の大部分
が汚水に浸される状態となり得るため、当該ポンプ装置
102や汚水槽101の内壁の大部分にスカム等が付着
し易い。
【0011】そして、最近では、地方の山村地区におい
て下水道が普及しており、かかる環境下では汚水の流入
量は極端に少ないため、上記問題は顕著となる。
【0012】そこで、この発明の課題は、悪臭やスカム
等の発生を防止すると共に、ポンプ装置や汚水槽内壁等
への汚物の付着を防止し得るマンホールポンプシステム
及びマンホールポンプシステムの制御方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1記載のマンホールポンプシステムは、流入管を
通って流入する汚水を貯留するための汚水貯留凹部が底
部に設けられた汚水槽と、前記汚水貯留凹部よりも上側
に設けられたポンプ本体部と、前記ポンプ本体部の汚水
吸込口から前記汚水貯留凹部内に向けて延設された吸込
管とを有し、前記汚水貯留凹部内に貯留された汚水を前
記吸込管を介して吸込んで吐出管を通って汚水槽の外部
に吐出するポンプ装置と、前記汚水貯留凹部内に貯留さ
れた汚水の水位を検出してその水位に応じた水位検出信
号を出力する水位検出部と、前記水位検出部からの検出
信号に基づいて、前記汚水貯留凹部内における汚水の水
位が当該汚水貯留凹部内で上下変動するように前記ポン
プ装置の駆動を制御する運転タイミング制御部と、を備
えるものである。
【0014】なお、請求項2記載のように、運転タイミ
ング制御部は、予め前記汚水貯留凹部内における汚水の
上限水位である起動水位と下限水位である停止水位とが
設定され、前記水位検出部からの水位検出信号に基づい
て、前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が前記起動水位に
達したと判断したときに前記ポンプ装置による汚水の吐
出を開始させる一方、この汚水の吐出により前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が前記停止水位を下回ったと判断
したときに前記ポンプ装置による汚水の吐出を停止させ
るようにするとよい。
【0015】また、請求項3記載のように、予め前記汚
水貯留凹部内における汚水の目標水位が前記起動水位と
前記停止水位間に設定され、前記水位検出部からの水位
検出信号に基づいて前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が
前記目標水位よりも大きいか否かを判断し、前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が前記目標水位よりも大きいとき
には、吐出量を増加させる一方、前記汚水貯留凹部内の
汚水の水位が前記目標水位よりも小さいときには、汚水
の吐出量を減少させるように前記ポンプ装置の駆動を制
御する吐出量制御部を、さらに備えていてもよい。
【0016】また、請求項4記載のように、前記凹部の
開口が、前記吸込管を挿入可能な孔が形成された蓋体に
よって覆われていてもよい。
【0017】さらに、この発明の請求項5記載のマンホ
ールポンプシステムの制御方法は、流入する汚水を貯留
するための汚水貯留凹部が底部に設けられた汚水槽と、
前記汚水貯留凹部よりも上側に設けられたポンプ本体部
及び前記ポンプ本体部の汚水吸込口から前記汚水貯留凹
部内に向けて延設された吸込管とを有し、前記汚水貯留
凹部内に貯留された汚水を前記吸込管を介して吸込んで
外部に向けて吐出するポンプ装置と、を備えたマンホー
ルポンプシステムの制御方法であって、前記汚水貯留凹
部内における汚水の水位が、前記汚水貯留凹部内におけ
る汚水の上限水位である起動水位に達したと判断したと
きに前記ポンプ装置による汚水の吐出を開始させる一
方、この汚水の吐出により前記汚水貯留凹部内の汚水の
水位が前記汚水貯留凹部内における汚水の下限水位であ
る停止水位を下回ったと判断したときに前記ポンプ装置
による汚水の吐出を停止させるようにしたものである。
【0018】なお、請求項6記載のように、前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が、前記起動水位と前記停止水位
間に設定された汚水の目標水位よりも大きいときには、
汚水の吐出量を増加させる一方、前記汚水貯留凹部内の
汚水の水位が前記目標水位よりも小さいときには、汚水
の吐出量を減少させるようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる実施の形
態について説明する。
【0020】このマンホールポンプシステムは、図1に
示すように、底部に汚水貯留凹部3が設けられた汚水槽
1と、その汚水槽1内に配設されたポンプ装置10と、
前記汚水貯留凹部3内に貯留された汚水の水位WLを検
出するための水位検出部20と、前記ポンプ装置10の
駆動を制御するためのポンプ制御盤30とを備える。
【0021】汚水槽1は、下水輸送システム構築の際に
地中に埋設されることとなる容体であり、その内底部に
基底部2が設けられ、この基底部2に上方に開口する椀
状の汚水貯留凹部3が形成される。この汚水槽1の一側
部であって前記汚水貯留凹部3よりも上方の位置には、
外部からの流入管5が接続されており、上流側の汚水発
生箇所(一般家庭等)やマンホールポンプシステム等か
ら送られてきた汚水が、流入管5を通って汚水槽1の汚
水貯留凹部3内に流入するようになっている。また、汚
水槽1の内壁には、前記流入管5の開口から前記汚水貯
留凹部3内に至るバッフル6が配設され、上記流入管5
を通って流入してくる汚水は、当該バッフル6の内側を
通って汚水貯留凹部3内に流れ込むようになっており、
これによりバッフル6外への汚水の飛散が防止されるよ
うになっている。なお、このバッフル6が汚水槽1内の
他の機器に干渉するような場合には、これを防止するた
め鈍角に屈曲させながら或は曲げながら汚水貯留凹部3
まで延長するとよい。
【0022】なお、この汚水貯留凹部3の開口は、吸込
管12を挿入可能な孔25aが形成された蓋体25によ
って覆っておくことが好ましい。また、汚水貯留凹部3
の表面を含む汚水槽1の底部表面は、異物の付着を防ぐ
ためFRPゲルコート仕上げする等して樹脂製の表面に
形成しておくことが好ましく、また、その樹脂表面に抗
菌処理を施しておくとよりよい。
【0023】ポンプ装置10は、汚水貯留凹部3よりも
上側に設けられたポンプ本体部11と、ポンプ本体部1
1より前記汚水貯留凹部3内に向けて垂設された吸込管
12とを備え、汚水貯留凹部3内に貯留された汚水を吸
込管12を介して吸込んで外部に向けて吐出可能に構成
される。
【0024】上記ポンプ本体部11は、内蔵された誘導
電動機11aの駆動により羽根車11bを回転させて、
下方に指向する吸込口11cから汚水を吸込んで、この
吸込んだ汚水を側方に指向する吐出口11dから吐出可
能に構成される。
【0025】ポンプ本体部11は、その吐出口11dが
汚水槽1の底部にアンカーボルト等により固定設置され
た接続装置15の一端に連通接続されると共にチェーン
等の支持具13により吊下げられることにより、前記汚
水貯留凹部3よりも上方の位置に支持されており、汚水
貯留凹部3内に汚水が貯留された場合でも、ポンプ本体
部11自体は汚水に浸されないようになっている。な
お、このポンプ本体部11は、汚水に浸されない条件下
で運転されることになるので、気中連続運転可能なもの
を用いるのが望ましい。
【0026】また、ポンプ本体部11の吸込口11cか
ら前記汚水貯留凹部3内に向けて吸込管12が延設され
ると共に、上記接続装置15の他端に従来構成と同様に
逆止弁16,仕切弁17を介して吐出管18が接続され
る。そして、汚水貯留凹部3内に汚水が貯留された状態
で、ポンプ本体部11を動作させると、吸込管12を通
じて汚水貯留凹部3内の汚水が吸込まれ、この汚水が、
接続装置15から吐出管18を通じて外部に吐出される
構成となっている。
【0027】水位検出部20は、汚水貯留凹部3内に貯
留された汚水の水位WLを検出してその水位WLに応じ
た水位検出信号を出力可能に構成され、この水位検出信
号はポンプ制御盤30に与えられるようになっている。
【0028】本実施の形態では、この水位検出部20と
して、気泡式水位検出装置等のように汚水貯留凹部3内
の水位WLに比例する電流値Iの水位検出信号を出力可
能なものを用いている。
【0029】ここで、例示としてあげた気泡式水位検出
装置は、特開平9−305238号公報に開示の如く周
知のもので、エアポンプより供給される空気が、エアホ
ースを通って水位検出対象である水中に設置されたエア
吐出検出部の先端より吐出可能に構成されると共に、前
記エア吐出検出部又は外部に設けられた圧力検出部によ
りエアホース内の空気圧に比例する電流値の検出信号が
所定の増幅回路を経て出力可能に構成される。そして、
水貯留部内に水が流入してきて吐出検出部の水深が深く
なると(水位WLが高くなると)、エア吐出検出部から
空気を吐出するために必要な空気の圧力が増加してエア
ホース内の空気圧が増加する一方、水貯留部内の水が減
少して吐出検出部の水深が浅くなると(水位WLが低く
なると)、エア吐出検出部から空気を吐出するために必
要な空気の圧力が減少してエアホース内の空気圧が減少
することになるので、前記圧力検出部により前記エアホ
ース内の空気圧に比例する電流値Iの検出信号を出力す
ることにより、図2に示す特性例のように、水位WLに
比例する電流値Iの検出信号が出力される構成となって
いる。
【0030】なお、水位検出部20は、この気泡式水位
検出装置に限られるものではなく、電極式,超音波式、
フロート式等の水位検出装置を用いてもよい。また、本
実施の形態では、水位検出部20として、汚水貯留凹部
3内の水位WLに比例する電流値Iの水位検出信号を出
力するものを用いた形態で説明するが、水位WLに比例
する電圧値の水位検出信号を出力するものであってもよ
く、また、信号形態もアナログ,デジタルを問わない。
【0031】ポンプ制御盤30は、図1及び図3に示す
ように、前記水位検出部20からの水位検出信号に基づ
いてポンプ装置10の運転の開始,停止タイミングを制
御するための運転タイミング制御部31と、商用電源等
からの電力供給を受けてポンプ装置10を駆動制御する
インバータ部35とを備える。
【0032】運転タイミング制御部31は、CPU、R
OMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュ
ータが使用され、その演算動作はすべて予め格納された
ソフトウェアプログラムによって実行されるものであ
り、前記水位検出部20より与えられる水位検出信号に
基づいて、汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが所定の
起動水位HWLに達したと判断したときにポンプ装置1
0による汚水の吐出を開始させる一方、この汚水の吐出
により汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが所定の停止
水位LWLを下回ったと判断したときにポンプ装置10
による汚水の吐出を停止させる機能を有する。
【0033】即ち、この運転タイミング制御部31は、
ポンプ装置10による汚水の吐出し停止期間中に、前記
水位検出部20により与えられる水位検出信号の検出電
流値Iが所定の起動電流値Ih以上であるか否かを判断
している。ここで、検出電流値Iは、ポンプ装置10の
運転を開始させるべき水位WLとして汚水貯留凹部3の
上端縁の高さ位置よりも下方に起動水位HWLが設定さ
れている場合において(図1参照)、汚水貯留凹部3内
の汚水の水位WLが当該起動水位HWLと同一レベルに
なったときに、水位検出部20が出力する検出電流値I
と同じに設定されている。そして、運転タイミング制御
部31は、検出電流値Iが起動電流値Ih以上となった
ときに、流入した汚水が汚水貯留凹部3内に貯留されて
その水位WLが起動水位HWLを越えたと判断して、一
次側電源回路33に介装された電磁開閉器等により構成
される一次側電源回路開閉部32にオン信号を与える。
これにより、開状態の一次側電源回路33が閉状態とな
って、インバータ部35に一次側電力が供給され、イン
バータ部35から誘導電動機11aに所定の起動周波数
f0及び起動電圧による電力供給が開始される。この電
力供給を受けると、誘導電動機11aが、前記所定の起
動周波数f0に応じた回転速度で回転を開始し、ポンプ
装置10は、当該回転速度に応じた吐出量で運転を開始
することになる。
【0034】また、運転タイミング制御部31は、ポン
プ装置10による汚水の吐出し期間中には、前記水位検
出部20により与えられる水位検出信号の検出電流値I
が所定の停止電流値IL以下であるか否かを判断してい
る。ここで、停止電流値ILは、上記起動水位HWLよ
りも下方であって吸込管12の下端部の吸込口12aよ
りも上方の位置に停止水位LWLが設定されている場合
において(図1参照)、汚水貯留凹部3内の汚水の水位
WLが停止水位LWLと同一レベルになったときに、水
位検出部20が出力する検出電流値Iと同じに設定され
ている。そして、運転タイミング制御部31により検出
電流値Iが停止電流値IL以下になったときに、ポンプ
装置10の吐出し動作により汚水貯留凹部3内の汚水が
減少してその水位WLが停止水位LWLを下回ったと判
断して、一次側電源回路開閉部32にオフ信号を与え
る。これにより、閉状態の一次側電源回路33が開状態
となり、インバータ部35への一次側電力供給が遮断さ
れ、インバータ部35から誘導電動機11aへの電力供
給が遮断されてポンプ装置10による汚水の吐出しが停
止されるようになる。
【0035】かかる運転タイミング制御部31によるポ
ンプ装置10の起動及び停止タイミングの制御により、
汚水貯留凹部3内の汚水の水面は、停止水位LWLと起
動水位HWLとの間で上下変動することになる。
【0036】なお、この運転タイミング制御部31に与
えられた水位検出信号は、インバータ部35にも与えら
れる。
【0037】インバータ部35は、誘導電動機11aに
所定出力周波数及び所定出力電圧の電力を供給するため
のインバータ主回路部36と、このインバータ主回路部
36からの出力周波数や出力電圧を制御するためのイン
バータ制御回路部37とを備える。
【0038】インバータ主回路部36は、商用の交流電
源を直流に変換するコンバータ回路や平滑化された直流
電源を所定周波数及び所定電圧の交流電源に変換するイ
ンバータ回路等を有しており、入力側が一次側電源回路
33を介して商用電源等に接続されると共に、出力側が
二次側回路34を介して誘導電動機11aに接続され、
インバータ制御回路部37より与えられる設定指令に応
じた出力周波数及び出力電圧で誘導電動機11aを駆動
可能に構成される。
【0039】インバータ制御回路部37は、CPU、R
OMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュ
ータが使用され、その演算動作はすべて予め格納された
ソフトウェアプログラムによって実行されるものであ
り、水位検出部20からの水位検出信号に基づいて、汚
水貯留凹部3内の汚水の水位WLと所定の目標水位CW
Lとの大小を比較判断し、汚水の水位WLが目標水位C
WLよりも大きいときには、汚水の吐出量を増加させる
一方、汚水の水位WLが目標水位CWLよりも小さいと
きには、汚水の吐出量を減少させるように、インバータ
制御回路部37を通じてポンプ装置10の駆動を制御す
る吐出量制御部としての機能を有する。
【0040】即ち、このインバータ制御回路部37は、
一次側電源回路33を介して一次側の電力供給が開始さ
れると、インバータ主回路部36に所定の起動周波数f
0の設定指令を与える。これにより、インバータ主回路
部36は、起動周波数f0で誘導電動機11aを駆動す
る。なお、この起動周波数f0としては、インバータ部
35の基底周波数が定められ、また、本インバータ部3
5及び誘導電動機11aとしては、この基底周波数で運
転されるポンプ装置10による汚水のポンプ装置10の
吐出量を、流入管5を通って流入する汚水の最大量より
も大きくすることができるものが選定される。
【0041】そして、ポンプ装置10による汚水の吐出
し期間中に、水位検出部20により与えられる水位検出
信号の検出電流値Iと所定の目標電流値Icとの大小を
比較する。ここで、所定の目標電流値Icは、上記停止
水位LWLと起動水位HWLの中間に目標水位CWLが
設定されている場合において(図1参照)、汚水貯留凹
部3内の汚水の水位WLが目標水位CWLと同一レベル
になったときに、水位検出部20が出力する検出電流値
Iと同じに設定されている。そして、検出電流値Iが目
標電流値Icよりも大きいと判断したときには、その検
出時点での出力周波数fよりもΔfだけ増大させた出力
周波数fの設定指令をインバータ主回路部36に与え
る。つまり、汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが、目
標水位CWLを上回った状態にあるときにはインバータ
主回路部36からの出力周波数fを増加させることによ
り誘導電動機11aを増速させて吐出量を増加させる。
これにより、やがてポンプ装置10による汚水の吐出量
が当該流入量を上回って汚水の水位WLが低下して目標
水位CWLに近づき或は下回るようになる。
【0042】また、検出電流値Iが目標電流値Icより
も小さいと判断したときには、その時点における出力周
波数fよりもΔfだけ減少させた出力周波数fの設定指
令をインバータ主回路部36に与える。つまり、汚水貯
留凹部3内の汚水の水位WLが、目標水位CWLを下回
った状態にあるときにはインバータ制御回路部37から
の出力周波数fを減少させることにより誘導電動機11
aを減速させて吐出量を減少させる。これにより、やが
て汚水の流入量がポンプ装置10による汚水の吐出量を
上回って汚水の水位WLが上昇し目標水位CWLに近づ
き或は上回るようになる。
【0043】また、検出電流値Iと目標電流値Icとが
同じと判断したときには、その時点における出力周波数
fと同じ出力周波数fの設定指令をインバータ主回路部
36に与える。つまり、汚水貯留凹部3内の汚水の水位
WLが、目標水位CWLと同レベルの状態にあるときに
は、吐出量をそのまま維持して、目標水位CWLのまま
に維持しようとする。
【0044】なお、検出電流値Iが目標電流値Icより
も大きい場合又は小さい場合において、出力周波数fの
増減量Δfは、検出電流値Iと目標電流値Icとの差分
Δi(=Ic−I)に拘らず一定の値であってもよい
し、また、差分Δiに応じた増減量Δf(差分Δiに対
して単純増加関係にある増減量Δf)であってもよい。
【0045】ところで、汚水貯留凹部3内に流れ込む汚
水の量が極端に少ない場合或は汚水の流れ込みが無い場
合には、汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが目標水位
CWLよりも低い状態が継続して、出力周波数fが0に
近づいてポンプ装置10の吐出量が0に近づいていくこ
とになる。しかしながら、インバータ制御によるポンプ
装置10では、所定の周波数以下では水の吸込、吐出に
不都合が生じる。このため、インバータ制御回路部37
には、ポンプ装置10の吐出量を減少させる際に、その
吐出量が所定の最低運転吐出量以下である場合には、そ
の吐出量を当該最低運転吐出量のまま維持させる機能が
付加されている。
【0046】即ち、出力周波数fを減少させようとする
場合にその時点での出力周波数が前記最低運転吐出量に
対応する下限周波数fm(例えば、インバータ部35の
基底周波数の20パーセント周波数)以下と判断した場
合には、当該出力周波数fを減少させることなく、その
時点における出力周波数fと同じ出力周波数f(下限周
波数fm)の設定指令をインバータ主回路部36に与え
る。これにより、インバータ主回路部36からの出力周
波数が前記下限周波数fmのままとなって、ポンプ装置
10ではこれに応じた最低運転吐出量での汚水の吐出が
継続してなされることになる。
【0047】本マンホールポンプシステムは、以上のよ
うに構成されており、次にこのマンホールポンプシステ
ムの動作について説明する。
【0048】まず、運転タイミング制御部31の動作に
ついて図4を参照して説明する。なお、初期設定とし
て、この運転タイミング制御部31のメモリには、予め
起動電流値Ih及び停止電流値ILがストアされている。
【0049】ポンプ装置10が運転していない状態から
説明すると、この状態においては、ステップS1におい
て、検出電流値Iが起動電流値Ih以上か否かが判断さ
れる。このステップS1は、検出電流値Iが起動電流値
Ih以上になるまで繰り返し行われ、検出電流値Iが起
動電流値Ih以上になって汚水貯留凹部3内の汚水の水
位WLが起動水位HWLを上回ったと判断されると、ス
テップS2に進んで、運転タイミング制御部31から一
次側電源回路開閉部32にオン信号が与えられて、開状
態の一次側電源回路33が閉状態となってインバータ部
35に電力供給が開始される。これにより、インバータ
部35から誘導電動機11aに電力供給が開始されて、
ポンプ装置10による吐出が開始されることになる。
【0050】また、このようにポンプ装置10が運転を
開始した後は、ステップS3において、検出電流値Iが
停止電流値IL以下か否かが判断される。このステップ
S3の判断は、検出電流値Iが停止電流値IL以下とな
るまで繰り返し行われ、検出電流値Iが停止電流値以下
になって汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが停止水位
LWLを下回ったと判断されると、ステップS4に進ん
で、一次側電源回路開閉部32にオフ信号が与えられ
て、閉状態の一次側電源回路33が開状態となり、イン
バータ部35への一次側電力供給が遮断される。これに
より、インバータ部35から誘導電動機11aへの電力
供給が遮断されてポンプ装置10による汚水の吐出しが
停止されるようになる。
【0051】このように、ポンプ装置10の運転が停止
されると、ステップS1に戻って、上記S1以下の処理
が繰り返し行われる。
【0052】次に、ポンプ装置10の運転中の動作であ
るインバータ部35のインバータ制御回路部37の動作
について図5を参照して説明する。なお、初期設定とし
て、このインバータ制御回路部37のメモリには、予め
目標電流値Ic及び下限周波数fmがストアされているも
のとする。
【0053】まず、インバータ部35に一次側電力の供
給が開始されると、ステップS11において、所定の起
動処理を経て起動周波数f0による運転が開始される。
次に、ステップS12に進んで検出電流値Iと目標電流
値Icとの比較がなされる。ここで、検出電流値Iが目
標電流値Icよりも大きく汚水の水位WLが目標水位C
WLを上回っていると判断されると、ステップS13に
進んで、その時点での出力周波数fよりもΔfだけ増大
させた出力周波数fの設定指令をインバータ主回路部3
6に与え、ポンプ装置10による汚水の吐出量を増加さ
せる。また、ステップS12において、検出電流値Iと
目標電流値Icとが同じで汚水の水位WLと目標水位C
WLとが同レベルと判断されると、ステップS14に進
んで、その時点における出力周波数fと同じ出力周波数
fの設定指令をインバータ主回路部36に与え、汚水の
吐出量を同じにしたままポンプ装置10の運転を継続さ
せる。また、ステップS12において、検出電流値Iが
目標電流値Icよりも小さく汚水の水位WLが目標水位
CWLを下回っていると判断されると、ステップS15
に進んで、その時点での出力周波数fが所定の下限周波
数fmよりも大きいか否かが判断され、下限周波数fmよ
りも大きいと判断されたときには、ステップS16に進
んでその時点における出力周波数fよりもΔfだけ減少
させた出力周波数fの設定指令をインバータ主回路部3
6に与え、ポンプ装置10による汚水の吐出量を減少さ
せる。一方、ステップS15においてその時点での出力
周波数fが所定の下限周波数fmよりも大きくないと判
断されると、ステップS14に進んで当該下限周波数f
mの設定指令をインバータ主回路部36に与え、最低運
転吐出量でポンプ装置10の運転を継続させる。
【0054】そして、上記ステップS13,S14,S
16のいずれかの処理を経た後、上記ステップS12に
戻って、ステップS12以下の処理が繰り返し行われ
る。
【0055】従って、ポンプ装置10の運転開始後、汚
水貯留凹部3内の汚水の水位WLが下がってきて、目標
水位CWLを下回ると、上記ステップS12,ステップ
S15,ステップS16の処理により、ポンプ装置10
による汚水の吐出量が徐々に減少して、やがて吐出量が
流入量よりも少なくなって、汚水の水位WLが上昇す
る。この状態が継続すると、汚水の水位WLが目標水位
CWLを上回るようになる。すると今度は、ステップS
12からステップS13に至る処理によりポンプ装置1
0による汚水の吐出量が徐々に増加するので、やがて吐
出量が流入量よりも多くなって、汚水の水位WLが下降
するようになる。これらの処理を繰返すことにより、汚
水の水位WLが目標水位CWLに収束していくようにな
る。
【0056】運転タイミング制御部31及びインバータ
部35のインバータ制御回路部37は、それぞれ上述の
ように動作するものであり、従って、汚物の流入量の変
動に対して、本マンホールポンプシステムの全体的な動
作は、図6のタイムチャートに示すようになる。
【0057】即ち、汚水貯留凹部3の汚物の水位WLが
停止水位LWLである状態において、時刻t1から流入
管5を通って一定流入量で汚水の流入が開始され、時刻
t2において汚水の水位WLが起動水位HWLになる
と、検出電流値Iが起動電流値Ihとなり、運転タイミ
ング制御部31で検出電流値Iが起動電流値Ih以上で
あると判断されて(図4のステップS1)、一次側電源
回路33が閉状態となって(図4のステップS2)、所
定の起動周波数f0による所定の吐出量でのポンプ装置
10の運転が開始される。
【0058】そして、上記図5のステップS12〜S1
6の処理が繰り返し行われると、時刻t3以降で、汚水
の流入量と吐出量とが釣合って汚水貯留凹部3内の汚水
の水位WLが目標水位CWLに保たれる状態となる。
【0059】この後、時刻t4において、汚水の流入が
停止すると、汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが低下
し、図5のステップS16の処理が行われ吐出量が減少
し、時刻t5において最低運転吐出量になると、水位W
Lが停止水位LWLになる時刻t6まで、最低運転吐出
量での吐出がなされる。そして、水位WLが停止水位L
WLに達した時刻t6において、ポンプ装置10の運転
が停止される。
【0060】また、時刻t7において再度汚水の流入が
開始され、時刻t8で汚水の水位WLが起動水位HWL
に達すると、運転タイミング制御部31で検出電流値I
が起動電流値Ih以上であると判断されて(図4のステ
ップS1)、一次側電源回路33が閉状態となって(図
4のステップS2)、所定の起動周波数f0による所定
の吐出量でのポンプ装置10の運転が再開される。
【0061】そして、上記図5のステップS12〜S1
6の処理が繰り返し行われると、時刻t9以降では、汚
水の流入量と吐出量とが釣合って汚水貯留凹部3内の汚
水の水位WLが目標水位CWLに保たれる状態となる。
【0062】この状態で、時刻t10において、汚水の
流入量がさらに増加すると、水位WLが上昇して目標水
位CWLを上回るので、時刻t11において一旦、図5
のステップS12からS13に進む処理が行われて吐出
量が増加する。そして、上記図5のステップS12〜S
16の処理が繰り返し行われると、時刻t12以降で
は、汚水の流入量と吐出量とが釣合って汚水貯留凹部3
内の汚水の水位WLが目標水位CWLに保たれる状態と
なる。
【0063】また、この状態で、時刻t13において汚
水の流入量が減少すると、水位WLが下降して目標水位
CWLを下回るので、時刻t14において、一旦図5の
ステップS12からステップS15,ステップS16に
進む処理が行われて吐出量が減少する。そして、この
後、図5のステップS12〜S16の処理が繰り返し行
われると、時刻t15以降では、汚水の流入量と吐出量
とが釣合って汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが目標
水位CWLに保たれる状態となる。
【0064】この後、時刻t16において、汚水の流入
量が停止すると、汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが
低下し、図5のステップS16の処理が行われ吐出量が
減少し、時刻t17において最低運転吐出量になると、
水位WLが停止水位LWLになる時刻t18まで、最低
運転吐出量での吐出がなされる。
【0065】以上のように構成された本マンホールポン
プシステムによると、底部に流入管5を通って流入する
汚水を貯留するための汚水貯留凹部3が設けられた汚水
槽1と、汚水貯留凹部3よりも上側に設けられたポンプ
本体部11と、ポンプ本体部11の汚水吸込口11cか
ら汚水貯留凹部3内に向けて延設された吸込管12とを
有し、汚水貯留凹部3内に貯留された汚水を吸込管12
を介して吸込んで吐出管18を通って汚水槽の外部に吐
出するポンプ装置10と、汚水貯留凹部3内に貯留され
た汚水の水位WLを検出してその水位WLに応じた水位
検出信号を出力する水位検出部20と、水位検出部20
からの水位検出信号に基づいて、汚水の水位WLが汚水
貯留凹部3内で上下するようにポンプ装置10の駆動を
制御する、具体的には、予め汚水貯留凹部3内における
起動水位HWLと停止水位LWLとが設定され、水位検
出部20からの水位検出信号に基づいて、汚水貯留凹部
3内の汚水の水位WLが起動水位HWLに達したと判断
したときにポンプ装置10による汚水の吐出を開始させ
る一方、この汚水の吐出により汚水貯留凹部3内の汚水
の水位WLが停止水位LWLを下回ったと判断したとき
にポンプ装置10による汚水の吐出を停止させる運転タ
イミング制御部31と、を備えているため、汚水の水面
を汚水槽1の底部に形成された汚水貯留凹部3内の起動
水位HWLと停止水位LWL間で上下変動させる範囲内
で、汚水が汚水貯留凹部3内に貯留されることになる。
このため、汚水が汚水貯留凹部3内でのみ滞留されるの
で、その滞留時間を可及的に短くして、悪臭やスカム等
の発生を防止することができる。
【0066】しかも、汚水の吐出を開始する起動水位H
WLを汚水貯留凹部3内に設定し、ポンプ装置10のポ
ンプ本体部11を汚水貯留凹部3よりも上側に設けてい
るので、ポンプ装置10や汚水槽1内壁のうち汚水に浸
る部分を可及的に少なくして、それらへの汚物の付着を
防止することができる。
【0067】ところで、このように汚水を汚水貯留凹部
3内の起動水位HWLと停止水位LWL間に滞留させる
ようにした場合、ポンプ装置10が運転・停止を頻繁に
繰り返し易くなり、誘導電動機11aの起動・停止時の
発熱が著しいことになる。
【0068】このため、本マンホールポンプシステムで
は、インバータ制御回路部37により、汚水貯留凹部3
内の起動水位HWLと停止水位LWL間に目標水位CW
Lを設定しておき、水位検出部20からの水位検出信号
に基づいて汚水貯留凹部3内の汚水の水位WLが目標水
位CWLよりも大きいか否かを判断し、汚水の水位WL
が目標水位CWLよりも大きいときには、吐出量を増加
させる一方、汚水の水位WLが目標水位CWLよりも小
さいときには、汚水の吐出量を減少させるようにしてい
る。これにより、汚水の流入量の増減に応じて汚水貯留
凹部3内の汚水の水位WLを目標水位CWLに近づけて
いくことができ、汚水の水位WLが停止水位LWLを下
回り難くなり、ポンプ装置10の停止,起動頻度を少な
くすることができる。
【0069】また、この汚水貯留凹部3の開口を、吸込
管12を挿入可能な孔25aが形成された蓋体25によ
って覆っておくようにすると、汚水貯留凹部3内で汚水
等が発生する悪臭の外部への漏れを防止することができ
る。
【0070】なお、ポンプ装置10の駆動を制御する各
機能は、物理的に一の制御手段に統合してあってもよい
し、また、必要に応じて各機能が物理的に複数の制御手
段に割振られていてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1〜請
求項4記載のマンホールポンプシステムによると、底部
に流入管を通って流入する汚水を貯留するための汚水貯
留凹部が設けられた汚水槽と、前記汚水貯留凹部よりも
上側に設けられたポンプ本体部と、前記ポンプ本体部の
汚水吸込口から前記汚水貯留凹部内に向けて延設された
吸込管とを有し、前記汚水貯留凹部内に貯留された汚水
を前記吸込管を介して吸込んで吐出管を通って汚水槽の
外部に吐出するポンプ装置と、前記汚水貯留凹部内に貯
留された汚水の水位を検出してその水位に応じた水位検
出信号を出力する水位検出部と、前記水位検出部からの
検出信号に基づいて、前記汚水貯留凹部内における汚水
の水位が当該汚水貯留凹部内で上下変動するように前記
ポンプ装置の駆動を制御する運転タイミング制御部と、
を備えているため、汚水の水面を汚水槽の底部に形成さ
れた汚水貯留凹部内の起動水位と停止水位間で上下変動
させる範囲内で、当該汚水が汚水貯留凹部内に貯留され
ることになる。このため、当該汚水が汚水貯留凹部内で
のみ滞留されてその滞留時間を可及的に短くして、悪臭
やスカム等の発生を防止することができる。
【0072】しかも、汚水の吐出を開始する起動水位
を、汚水貯留凹部内に設定し、ポンプ装置のポンプ本体
部を汚水貯留凹部よりも上側に設けているので、ポンプ
装置や汚水槽内壁のうち汚水に浸る部分を可及的に少な
くして、当該ポンプ装置や汚水槽内壁等への汚物の付着
を防止することができる。
【0073】なお、請求項2記載のように、運転タイミ
ング制御部で、予め前記汚水貯留凹部内における汚水の
上限水位である起動水位と下限水位である停止水位とが
設定され、前記水位検出部からの水位検出信号に基づい
て、前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が前記起動水位に
達したと判断したときに前記ポンプ装置による汚水の吐
出を開始させる一方、この汚水の吐出により前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が前記停止水位を下回ったと判断
したときに前記ポンプ装置による汚水の吐出を停止させ
るようにすれば、汚水の水位が当該汚水貯留凹部内で上
下変動するように前記ポンプ装置の駆動を制御すること
ができる。
【0074】また、請求項3記載のように、予め前記汚
水貯留凹部内における汚水の目標水位が前記起動水位と
前記停止水位間に設定され、前記水位検出部からの水位
検出信号に基づいて前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が
前記目標水位よりも大きいか否かを判断し、前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が前記目標水位よりも大きいとき
には、吐出量を増加させる一方、前記汚水貯留凹部内の
汚水の水位が前記目標水位よりも小さいときには、汚水
の吐出量を減少させるように前記ポンプ装置の駆動を制
御する吐出量制御部を、さらに備えた構成とすれば、汚
水の流入量の増減に応じて汚水貯留凹部内の汚水の水位
を目標水位に近づけていくことができる。このため、汚
水の水位が停止水位を下回り難くなり、ポンプ装置の停
止,起動頻度を少なくすることができる。
【0075】さらに、請求項4記載のように、前記汚水
貯留凹部の開口が、前記吸込管を挿入可能な孔が形成さ
れた蓋体によって覆われていると、その汚水貯留凹部内
からの悪臭の漏れを防止することができる。
【0076】また、請求項5,6記載のマンホールポン
プシステムの制御方法によると、流入する汚水を貯留す
るための汚水貯留凹部が底部に設けられた汚水槽と、前
記汚水貯留凹部よりも上側に設けられたポンプ本体部
と、前記ポンプ本体部の汚水吸込口から前記汚水貯留凹
部内に向けて延設された吸込管とを有し、前記汚水貯留
凹部内に貯留された汚水を前記吸込管を介して吸込んで
外部に向けて吐出するポンプ装置と、を備えたマンホー
ルポンプシステムで、前記汚水貯留凹部内における汚水
の水位が、前記汚水貯留凹部内における汚水の上限水位
である起動水位に達したと判断したときに前記ポンプ装
置による汚水の吐出を開始させる一方、この汚水の吐出
により前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が前記汚水貯留
凹部内における汚水の下限水位である停止水位を下回っ
たと判断したときに前記ポンプ装置による汚水の吐出を
停止させるようにしているため、汚水の水面を汚水槽の
底部に形成された汚水貯留凹部内の起動水位と停止水位
間で上下変動させる範囲内で、当該汚水が汚水貯留凹部
内に貯留されることになる。このため、当該汚水が汚水
貯留凹部内でのみ滞留されてその滞留時間を可及的に短
くして、悪臭やスカム等の発生を防止することができ
る。しかも、ポンプ装置や汚水槽内壁のうち汚水に浸る
部分を可及的に少なくして、当該ポンプ装置や汚水槽内
壁等への汚物の付着を防止することができる。
【0077】特に、請求項6記載のように、前記汚水貯
留凹部内の汚水の水位が、前記起動水位と前記停止水位
間に設定された汚水の目標水位よりも大きいときには、
汚水の吐出量を増加させる一方、前記汚水貯留凹部内の
汚水の水位が前記目標水位よりも小さいときには、汚水
の吐出量を減少させるようにすれば、汚水の流入量の増
減に応じて汚水貯留凹部内の汚水の水位を目標水位に近
づけていくことができる。このため、汚水の水位が停止
水位を下回り難くなり、ポンプ装置の停止,起動頻度を
少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマンホールポンプシステムを示す一
部断面側面図である。
【図2】水位検出部の特性例を示す図である。
【図3】ポンプ制御盤を示すブロック図である。
【図4】運転タイミング制御部の動作を示すフローチャ
ートである。
【図5】インバータ制御回路部の動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】流入量に対する吐出量,水位及び検出電流値の
関係を示すタイムチャートである。
【図7】従来のマンホールポンプシステムを示す一部断
面側面図である。
【符号の説明】
1 汚水槽 3 汚水貯留凹部 5 流入管 10 ポンプ装置 11 ポンプ本体部 12 吸込管 20 水位検出部 25 蓋体 30 ポンプ制御盤 31 運転タイミング制御部 32 一次側電源回路開閉部 33 一次側電源回路 34 二次側回路 35 インバータ部 36 インバータ主回路部 37 インバータ制御回路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D063 AA07 DA01 DA13 DC06 3H045 AA06 AA09 AA12 AA23 BA00 BA25 CA16 CA29 DA01 DA07 EA34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入管を通って流入する汚水を貯留する
    ための汚水貯留凹部が底部に設けられた汚水槽と、 前記汚水貯留凹部よりも上側に設けられたポンプ本体部
    と、前記ポンプ本体部の汚水吸込口から前記汚水貯留凹
    部内に向けて延設された吸込管とを有し、前記汚水貯留
    凹部内に貯留された汚水を前記吸込管を介して吸込んで
    吐出管を通って汚水槽の外部に吐出するポンプ装置と、 前記汚水貯留凹部内に貯留された汚水の水位を検出して
    その水位に応じた水位検出信号を出力する水位検出部
    と、 前記水位検出部からの検出信号に基づいて、前記汚水貯
    留凹部内における汚水の水位が当該汚水貯留凹部内で上
    下変動するように前記ポンプ装置の駆動を制御する運転
    タイミング制御部と、 を備えるマンホールポンプシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマンホールポンプシステ
    ムであって、 前記運転タイミング制御部は、 予め前記汚水貯留凹部内における汚水の上限水位である
    起動水位と下限水位である停止水位とが設定され、前記
    水位検出部からの水位検出信号に基づいて、前記汚水貯
    留凹部内の汚水の水位が前記起動水位に達したと判断し
    たときに前記ポンプ装置による汚水の吐出を開始させる
    一方、この汚水の吐出により前記汚水貯留凹部内の汚水
    の水位が前記停止水位を下回ったと判断したときに前記
    ポンプ装置による汚水の吐出を停止させるものであるマ
    ンホールポンプシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のマンホール
    ポンプシステムであって、 予め前記汚水貯留凹部内における汚水の目標水位が前記
    起動水位と前記停止水位間に設定され、前記水位検出部
    からの水位検出信号に基づいて前記汚水貯留凹部内の汚
    水の水位が前記目標水位よりも大きいか否かを判断し、
    前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が前記目標水位よりも
    大きいときには、吐出量を増加させる一方、前記汚水貯
    留凹部内の汚水の水位が前記目標水位よりも小さいとき
    には、汚水の吐出量を減少させるように前記ポンプ装置
    の駆動を制御する吐出量制御部を、さらに備えたマンホ
    ールポンプシステム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    マンホールポンプシステムであって、 前記凹部の開口が、前記吸込管を挿入可能な孔が形成さ
    れた蓋体によって覆われたマンホールポンプシステム。
  5. 【請求項5】 流入する汚水を貯留するための汚水貯留
    凹部が底部に設けられた汚水槽と、前記汚水貯留凹部よ
    りも上側に設けられたポンプ本体部及び前記ポンプ本体
    部の汚水吸込口から前記汚水貯留凹部内に向けて延設さ
    れた吸込管とを有し、前記汚水貯留凹部内に貯留された
    汚水を前記吸込管を介して吸込んで外部に向けて吐出す
    るポンプ装置と、を備えたマンホールポンプシステムの
    制御方法であって、 前記汚水貯留凹部内における汚水の水位が、前記汚水貯
    留凹部内における汚水の上限水位である起動水位に達し
    たと判断したときに前記ポンプ装置による汚水の吐出を
    開始させる一方、この汚水の吐出により前記汚水貯留凹
    部内の汚水の水位が前記汚水貯留凹部内における汚水の
    下限水位である停止水位を下回ったと判断したときに前
    記ポンプ装置による汚水の吐出を停止させるマンホール
    ポンプシステムの制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5のマンホールポンプシステムの
    制御方法であって、 前記汚水貯留凹部内の汚水の水位が、前記起動水位と前
    記停止水位間に設定された汚水の目標水位よりも大きい
    ときには、汚水の吐出量を増加させる一方、前記汚水貯
    留凹部内の汚水の水位が前記目標水位よりも小さいとき
    には、汚水の吐出量を減少させるマンホールポンプシス
    テムの制御方法。
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