JP2002115163A - 長繊維不織布の製造方法 - Google Patents

長繊維不織布の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、均一かつ十分な収縮性を有す
る不織布が得られる新規な製造方法を提供する。 【解決手段】 1種類以上の繊維形成性重合体を口金か
ら紡出するに際して少なくとも1つ該繊維形成性重合体
に該繊維形成性重合体と実質的に非相溶でかつ分子量が
2000以上の不飽和モノマーからなる付加重合体を該
繊維形成性重合体に対して0.2〜10重量%含有さ
せ、次いで該紡出糸条を牽引流体により見かけの紡速を
2500m/分以上として牽引した後開繊し、捕集面に
堆積させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、品位の良好な長繊
維不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、長繊維からなる不織布は、短繊維
からなる不織布に比べて強力が高く、その製造方法も原
綿供給部、開繊装置、カード機、クロスレイ機などの一
連の大型設備を必要としないという利点がある為、土木
用や農業用をはじめとして生活関連資材、衣料用など多
岐にわたって使用されている。近年では構成する繊維を
より細くし、柔らかさ、繊維表面積をより向上させ、品
質やそれに基づく性能を向上させたものが種々提案され
ている。
【0003】また、かかる長繊維不織布においては、さ
らに柔らかい風合を得るため不織布を構成する繊維の繊
度を低くすることが検討されてきている。例えばその方
法とは、あらかじめ極細繊維を発生可能な複合繊維を用
いて不織布を形成し、その後分割割繊や抽出などの工程
を経て極細繊維不織布とする方法などが提案されている
(特開平3−213555号公報、特開昭49−147
74号公報、特開平10−53948号公報、特許第2
916590号公報など)。
【0004】さらに、以上のような長繊維不織布、特に
上記のような極細繊維からなる不織布においては、より
優れた品位、風合いとするため、緻密化して繊維間空隙
を狭くする方法がとられており、このため交絡処理など
して得られた不織布を熱収縮させる方法が一般に多く用
いられてきた。しかし、上記長繊維不織布を構成する繊
維の収縮率を上げるためには紡速を下げて繊維を低配向
化させることにより達成されるが、紡速を下げると生産
性が低下するという問題が生じる。さらに、紡糸直結型
のスパンボンド法において、紡速は繊維を細化するイジ
ェクターやエアサッカー内の牽引流体の流速で決定さ
れ、低紡速化は牽引流体の流速を下げることにつなが
り、牽引流体と共に補集ネット上に堆積される繊維群の
開繊性が大幅に低下し、品位が低下する、つまり目付斑
が発生するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術が有する問題点を解消し、生産性に優れ、均一で、か
つ、十分な熱収縮性を有するため緻密な構造の不織布が
得られる新規な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、1種類以上の繊維形成性重合体を口金
から紡出するに際して少なくとも1つ該繊維形成性重合
体に該繊維形成性重合体と実質的に非相溶でかつ分子量
が2000以上の不飽和モノマーからなる付加重合体を
該繊維形成性重合体に対して0.2〜10重量%含有さ
せ、次いで該紡出糸条を牽引流体により見かけの紡速を
2500m/分以上として牽引した後開繊し、捕集面に
堆積させることを特徴とする長繊維不織布の製造方法に
より達成できることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする不織布の製造
方法は、1種類以上の繊維形成性重合体を口金から紡出
し、紡出糸条を牽引流体により牽引した後開繊し、捕集
面に堆積させる方法である。
【0008】ここでいう繊維形成性重合体としては、例
えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−1
2、ナイロン−610、ナイロン−46等のポリアミド
重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レンレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
等のポリエステル重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン重合体等を挙げることができる。
【0009】上記重合体には、本発明の目的を奏する範
囲内であればカーボンブラック、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、マイカ、金属
微細粉、有機顔料、無機顔料などを添加しても良く、こ
れらの添加剤には熱可塑性重合体への着色効果と共に該
重合体の溶融粘度を高くまたは低くする効果もあり、繊
維横断面を調節する際に有効である。
【0010】本発明においては、上記繊維成形性重合体
1種類のみを口金から紡出しても良いし、2種類以上の
繊維成形性重合体を混合、あるいは複合化して口金から
紡出しても良い。特に、熱収縮してより緻密な品位の高
い長繊維不織布とすることができる、分割により極細繊
維を発現する複合繊維であることが好ましい。このた
め、上記で製造方法において、二種類以上の繊維形成性
重合体成分を、それぞれ成分が他の成分を複数個に分割
する繊維横断面形状を有する剥離分割型複合繊維に溶融
複合紡出させることがより好ましい。ここでいう極細繊
維とは、単糸が0.0001〜1デシテックスの細繊度
繊維をいう。
【0011】紡出糸条が剥離分割型複合繊維の場合、該
複合繊維は、一成分がポリアミド重合体であり、他の一
成分がポリエステル重合体である、二成分からなる剥離
分割型複合繊維であることがより望ましい。その際、剥
離分割型複合繊維の分割数は、工程性や、製編織または
ニードルパンチ後の剥離分割性を考慮し、8〜24分割
が特に好ましい。また、剥離分割型複合繊維の1成分の
全体に対する配合の割合は、繊維の分割性および紡糸性
の面から30〜70%が好ましく、特に40〜60%が
好ましい。この範囲を超えると樹脂の粘度バランスの調
整が困難なためセクション不良となり、分割率が低下す
る恐れが生じるからである。
【0012】上記のように2種類以上の重合体を複合化
する場合は、繊維断面の形成を容易にするため、上記二
成分の吐出時の溶融粘度をほぼ同等とすることが好まし
い。この際、溶融粘度調整剤などを配合することで調整
しても良い。
【0013】本発明においては、繊維形成性重合体に、
剥離分割型複合繊維のように2種類以上の繊維形成性重
合体成分からなる場合はこれを構成する該成分の少なく
とも一成分に、該成分と実質的に非相溶の不飽和モノマ
ーからなる付加重合体が含有され、その際該付加重合体
の分子量、含有量が以下要件を満足していることが、優
れた生産性と開繊性が得られる見かけの紡速2500m
/分以上でも、高い収縮率を維持できる上で肝要であ
る。つまり、かかる要件を同時に満足させることによ
り、目付斑がなく、かつ十分な収縮率を有する、品位の
高い長繊維不織布を製造することができるのである。
【0014】上記の不飽和モノマーからなる付加重合体
としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリアク
リレート、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリス
チレン、ポリオクダデイセン−1、ポリビニルベンジ
ル、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレンなど、あるいはこれらの誘導体を
挙げることができる。特にポリメチルメタクリレートや
ポリスチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)が好
ましい。さらに、ポリメチルメタクリレートはメルトフ
ローレート(MFR)が0.1〜6.0g/10分(A
STM−D1238に準拠、230℃、3.8kg荷
重)、アイソタクチック型ポリスチレンはMFRが1〜
20g/10分(ASTM−D1238に準拠、230
℃、3.8kg荷重)、シンジオタクチック型ポリスチ
レンはMFRが1〜30g/10分(ASTM−D12
38に準拠、300℃、2.16kg荷重)、ポリ(4
−メチル−1−ペンテン)は、MFRが5〜40g/1
0分(ASTM−D1238に準拠、260℃、5kg
荷重)であることが一層好ましい。
【0015】また、上記不飽和モノマーからなる付加重
合体は、その分子量が2000以上であることが必要で
ある。分子量が2000よりも小さいと、被添加繊維形
成性重合体に対して応力担持体としての効果が発現しな
い。一方、分子量が20万を超えると、被添加繊維形成
性重合体中の分散が困難となり、曳糸性が低下する他、
繊維としての物性も低下する傾向にあり、分子量は20
万以下が好ましい。より好ましい分子量の範囲は500
0以上15万以下である。
【0016】さらに、上記不飽和モノマーからなる付加
重合体の添加量は、被添加繊維形成性重合体に対して
0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%あ
る。添加量が0.2重量%未満では見かけの紡速を25
00m/分以上とした場合、十分な収縮率を達成できな
い。一方、10重量%超えると曳糸性が悪化し、繊維と
しての物性も低下する。
【0017】本発明の不飽和モノマーからなる付加重合
体は、剥離分割型複合繊維の場合、これを構成する繊維
形成性重合体の内、少なくとも1成分以上に添加されて
いる必要がある。例えば2成分からなる剥離分割型繊維
の場合、片方のみへの添加でも、見かけの紡速2500
m/分以上で高い収縮率を実現できる。
【0018】添加にあたっては、任意の方法を採用する
ことができ、例えば繊維形成重合体の重合過程で行って
も良く、また、繊維形成性重合体と溶融混合してそのま
ま紡糸する、あるいは溶融混合してチップ化して溶融紡
糸する、チップ状態で混合して溶融紡糸するなどいずれ
の方法を用いても良い。いずれの方法を用いるにしても
溶融中に混合を十分に行い、繊維形成性重合体中で不飽
和モノマーからなる付加重合体が細かく均一に分散する
様配慮することが好ましい。混練を十分に行うことによ
り上記工程での高収縮化の効果がより顕著なものとな
る。
【0019】紡出糸条の繊維横断面形状は、円形、楕円
形、矩形、多葉断面形状、中空断面形状など公知の横断
面形状をいずれも採用することができる。
【0020】また、複合繊維の形状としては、用途によ
って、長繊維状、短繊維状のいずれを選択しても良く、
捲縮や他の形態が付与されていても良い。
【0021】紡出糸条を牽引した後開繊する方法として
は、コロナ放電による帯電や接触帯電などの従来公知の
方法で繊維を帯電させるのが好ましい。
【0022】捕集面に堆積されたウェブは、他の短繊維
を混綿、または長繊維を積層、混合することも可能であ
る。混綿またはされる場合の素材としては、特に限定は
されないが、例えば、レーヨン等の再生繊維、アセテー
ト等の半合成繊維、ウール等の天然繊維、ナイロン−
6、ナイロン−66等のポリアミド繊維、ポリエチレン
テレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維
等から任意に1あるいは2種以上選択して使用すること
ができる。もちろん繊維形状等も限定されず、上記の熱
可塑性樹脂を組み合わせた芯鞘型複合繊維、剥離分割型
複合繊維、異形断面を有する繊維等を任意に用いること
ができる。
【0023】上記のようにして得られたウェブは、交絡
または接着により繊維同士が固定されるが、三次元的に
機械交絡が施されることが収縮性のうえで好ましい。こ
の場合は、必要に応じて弱熱圧着され、一旦巻き取った
後、またはそのまま連続で三次元的に機械的交絡処理が
施される。ウェブの交絡処理はニードルパンチ等のよう
にバーブ付の針でパンチングする方法、あるいは高圧水
流によって繊維を交絡させる従来の方法によってなされ
る。
【0024】紡出糸条が剥離分割型複合繊維の場合、上
記ウェブの交絡後、あるいは交絡前に分割割繊処理が施
される。分割割繊の程度は用途により選択されるもので
あるが、分割処理方法としては主として機械的方法によ
る処理がコスト的、工程的に好ましく用いられる。高圧
流体処理による方法は交絡と割繊処理が同時に行える点
で好ましい。また、機械的な分割処理としては、ローラ
ー間で加圧する方法、超音波処理を行う方法、衝撃を与
える方法など公知の方法を用いることができる。さら
に、化学的な分割処理としては、該剥離分割型複合繊維
を構成する少なくとも1成分を膨潤させるような薬液、
または少なくとも1成分を溶解するような薬液により浸
漬処理するなど従来公知の方法を用いることができる。
これらの分割処理は単独で行っても、組み合わせても良
い。
【0025】本発明においては、不織布を構成する繊維
の収縮率としては5%以上が好ましく、より好ましくは
10%以上である。特に、上記繊維が単独の繊維形成性
重合体からなる繊維と比較して、剥離分割型複合繊維の
場合は十分な収縮率が得られない傾向にあるが、本発明
によれば上記のような高い収縮率を達成できる。さら
に、本発明においては得られる不織布を構成する繊維の
下記式で表される収縮率増加率X(%)が10%以上で
あることが好ましく、これにより十分な収縮が得られ、
より品位の高い不織布とすることができる。 X(%)=(Sa(%)/So(%)−1)×100 (但し、Saは上記付加重合体を含む繊維の沸水中の収
縮率(%)、Soは実質的に上記付加重合体を含まない
繊維の沸水中の収縮率(%)を示す。)
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例により限定される
ものではない。
【0027】(1)複合繊維の破断強度および破断伸度 ウェブから単繊維を10本ランダムに抜き取り、気温2
5℃、湿度60%の恒温恒湿に保たれた部屋に1昼夜保
存した後、島津製作所製引張試験機テンシロンにサンプ
ル長さ100mm(つかみ間隔100mm)で把持し、
引張速度200mm/分で伸長し、切断時の荷重値をサ
ンプルの繊度で除した値を引張破断強度、伸長率を破断
伸度とする。
【0028】(2)収縮率 ウェブから単繊維を10本ランダムに抜き取り、気温2
5℃、湿度60%の恒温恒湿に保たれた部屋に1昼夜保
存した後、長さ約60cmの輪状として荷重0.044
cN/dtexで長さ(Lo)を測定し、荷重をはずし
て沸水中に30分間浸漬し、その後再度荷重をかけて長
さ(L)を測定後、次式により収縮率S(%)を求め
た。 S(%)=(L−Lo)/Lo×100
【0029】(3)メルトフローレート(MFR) ASTM−D1238に準拠して求めた。
【0030】(4)不織布目付の均一性(cv%) 不織布を幅2cm、長さ20cmの小片に、幅が不織布
の幅方向となるように切り取って重量を測定し、その標
準偏差を重量の平均値で除したものを%で表す。
【0031】(5)不織布の収縮性 孔径0.2mmのオリフィスが0.8mmの間隔で設け
られたノズルから水圧7MPaの柱状水流を不織布の表
裏面にそれぞれ2回ずつ噴射したものを、85℃の温水
バスに緊張状態とならない様に浸漬し、触感と目視によ
る評価を行った。
【0032】(6)見かけの紡速 口金からの繊維形成性重合体の吐出量と、捕集面に堆積
されたウェブ中の繊維の繊度とから換算した。
【0033】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
(PET;o−クロロフェノール中の極限粘度0.6
4)を、エクストルーダーにて溶融させた。その際、エ
クストルーダー中でこのポリエチレンテレフタレートに
対してサイドストリームから溶融状態でMFR=2.
5、分子量60000のポリメチルメタクリレート(P
MMA)をPET中の含有量が2重量%となるよう導入
し、合流させ混合分散させた。その後、ポリエチレンテ
レフタレートを、単孔当たりの吐出量を2g/分にて中
空口金より吐出し、エジェクター圧力を0.25MPa
として高速牽引した後、−30kVで高電圧印加処理
後、空気流とともに分散板に衝突させ、フィラメントを
開繊し、補集ネットコンベアーに堆積させ、幅1mのウ
ェブを得た。さらに得られたウェブを連続で上下130
℃のエンボスカレンダーにて軽く熱圧着を行った。得ら
れた不織布は目付が50g/m2で均一性に優れたもの
であった。得られたウェブ中の繊維、および不織布の物
性を表1に示す。
【0034】[実施例2]ナイロン−6(Ny6;m−
クレゾール中の極限粘度1.1)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET;o−クロロフェノール中の極限粘度
0.64)とを、エクストルーダーにて溶融させた。そ
の際、エクストルーダー中でナイロン−6に対してサイ
ドストリームから溶融状態でMFR=2.5、分子量6
0000のポリメチルメタクリレート(PMMA)を2
重量%の添加率となるよう導入し、合流させ混合分散さ
せた。その後、該ポリアミドと該ポリエステルとを口金
内で合流させ、単孔当たりの吐出量を2g/分にて中空
口金より吐出し、エジェクター圧力を0.25MPaと
して高速牽引した後、−30kVで高電圧印加処理後、
空気流とともに分散板に衝突させ、フィラメントを開繊
し、図1に示すような16分割の多層貼合せ型断面をも
つ剥離分割型複合繊維からなるウェブとして補集ネット
コンベアーで幅1mで補集した。さらに得られたウェブ
を連続で上下100℃のエンボスカレンダーにて軽く熱
圧着を行った。両成分の重量率は48/52であり、両
成分は互いに相手成分によって16分割されており、不
織布を分割、収縮処理した後の不織布の目付は50g/
2であった。得られたウェブ中の繊維、および不織布
の物性を表1に示す。
【0035】[実施例3〜7、比較例1〜5]実施例2
で、添加剤の種類、添加量、不飽和モノマーからなる付
加重合体を添加する繊維形成性重合体、換算紡速を表1
のように変更した以外は実施例2と同様にして、ウェブ
を得、さらに不織布とした。得られたウェブ中の繊維、
および不織布の物性を表1に示す。表1でPstはアイ
ソタクチック型ポリスチレンを示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の長繊維不織布の製造方法によれ
ば、2500m/分以上の紡速でも十分な収縮性を達成
できるため、生産性を落とすことなく、均一で緻密な品
位の良い外観、構造を有する不織布を得ることができ
る。また、本発明によれば、上記長繊維不織布を構成す
る繊維を剥離分割型複合繊維とした場合、従来よりも収
縮率の高い複合繊維を得ることができ、さらにかかる複
合繊維は分割して極細繊維化できることから、一層緻密
な不織布が得られ、該不織布は格段に優れた品位や風合
を達成できる。かくして、本発明により得られる長繊維
不織布は人工皮革基布、ワイパー、フィルター、医療衛
生材料などに好適に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の剥離分離型複合繊維の断面拡
大図の一例を示す。
【符号の説明】
1 ナイロン−6 2 ポリエチレンテレフタレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 DD03 FF05 4L041 AA07 BA04 BA06 BA09 BA41 BD11 CA06 CA21 DD01 4L047 AA17 AA21 AA23 AA27 AB03 AB08 BA08 CC03 CC12 CC14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上の繊維形成性重合体を口金か
    ら紡出するに際して少なくとも1つ該繊維形成性重合体
    に該繊維形成性重合体と実質的に非相溶でかつ分子量が
    2000以上の不飽和モノマーからなる付加重合体を該
    繊維形成性重合体に対して0.2〜10重量%含有さ
    せ、次いで該紡出糸条を牽引流体により見かけの紡速を
    2500m/分以上として牽引した後開繊し、捕集面に
    堆積させることを特徴とする長繊維不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 2種類以上の繊維形成性重合体成分を、
    それぞれの成分が他の成分を複数個に分割した繊維横断
    面形状を有する剥離分割型複合繊維を紡出する請求項1
    記載の長繊維不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 複合繊維が分割処理により単糸0.00
    01〜1デシテックスの極細繊維を発生可能なものであ
    る請求項2記載の長繊維不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】 複合繊維が、一成分がポリアミド重合体
    であり、他の一成分がポリエステル重合体である二成分
    からなる剥離分割型複合繊維である請求項2または3記
    載の長繊維不織布の製造方法。
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