JP2002114813A - スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002114813A
JP2002114813A JP2001215435A JP2001215435A JP2002114813A JP 2002114813 A JP2002114813 A JP 2002114813A JP 2001215435 A JP2001215435 A JP 2001215435A JP 2001215435 A JP2001215435 A JP 2001215435A JP 2002114813 A JP2002114813 A JP 2002114813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peroxide
organic peroxide
polymerization
hydroperoxide
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001215435A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadanaga Ito
忠永 伊藤
Akihiko Kimura
昭彦 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kayaku Akzo Corp
Original Assignee
Kayaku Akzo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaku Akzo Corp filed Critical Kayaku Akzo Corp
Priority to JP2001215435A priority Critical patent/JP2002114813A/ja
Publication of JP2002114813A publication Critical patent/JP2002114813A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スチレンオリゴマー量が少ないスチレン系重合
体の製造方法を開発すること。 【解決手段】スチレン系重合体の製造において、ベンゼ
ン中の0.2モル濃度液における10時間半減期温度が
98〜230℃の有機過酸化物の存在下に、第2段階の
重合温度以降の重合工程を行うか、又は/及び後処理工
程を行うことによりスチレンオリゴマー量が少ない重合
体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系重合体
の塊状重合による製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、重合開始剤として、特定の分解温度を有する
有機過酸化物を用い、スチレンモノマーまたはこれと共
重合可能な他のモノマー、ゴム状重合体との単独重合も
しくは共重合を塊状重合で行うスチレン系重合体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系重合体の製造方法としては従
来から多くの提案がされている。有機過酸化物等の重合
開始剤を全く添加しない熱開始ラジカル重合または、近
年は生産性向上の観点から重合開始剤を添加するラジカ
ル重合で製造されている。重合の手段には塊状重合、懸
濁重合の二つがあるが、重合方法が簡単なことと懸濁剤
等の不純物混入がないことから塊状重合が主流となって
いる。塊状重合では、エチルベンゼン等の溶剤を添加す
る場合もある。また、ブタン等の発泡剤を添加し、発泡
体とすることもある。
【0003】スチレン系重合体は一般に成形加工性、寸
法安定性、着色性ならびに電気特性に優れている。こう
した特徴を生かして食品容器、電機部品、雑貨等といっ
た多岐の分野にわたって利用されている。スチレン系重
合体を製造するためのスチレンの重合は、多段階、通常
二段階あるいは三段階の温度工程を有するラジカル重合
で実施される。一般には、重合の第一工程では70〜1
20℃での熱重合あるいは1,1−ビス(ターシャリー
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)
シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等の有
機過酸化物の存在下に60〜120℃程度での重合が行
われる。第二工程では120〜170℃で、熱重合ある
いはターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキ
シルカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシベン
ゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、
ターシャリーブチルパーオキシ3,3,5−トリメチル
ヘキサノエート等の10時間半減期温度が100℃前後
の重合開始剤の存在下に重合が行われている。さらに、
必要に応じて第三工程として150℃〜180℃で熱重
合を行う場合もある。
【0004】こうした方法で得られた重合体中には、モ
ノマーの他に内分泌攪乱化学物質の疑いがあるスチレン
ダイマー、トリマーといったスチレンオリゴマーが40
00〜15000ppm程度残存する。以上の重合工程
に引き続いて、通常重合体中の未反応モノマーや溶媒を
回収するための200℃〜300℃で脱揮、熱処理など
の後処理工程を施す。こうした脱揮、熱処理工程におい
てもスチレンオリゴマーが生成される。そのため通常脱
揮、熱処理などの後処理工程を経て得られた重合体中に
は、内分泌攪乱化学物質の疑いがあるスチレンダイマ
ー、トリマーといったスチレンオリゴマーが10000
〜15000ppm程度残存する。内分泌攪乱化学物質
は、動物の発生過程での組織の分化、成長、生殖機能の
発達、恒常性を調節するといった内分泌腺から血液に分
泌されるホルモンの作用を攪乱させ、性器異常、生殖異
常の原因となると考えられている。さらに、人体にも蓄
積される可能性が示唆されている。そして上記のように
して得られた重合体を成形加工して得られる最終製品か
らのスチレンオリゴマーの漏出等も報告されており、重
合体中に残存するスチレンオリゴマー量を低減すること
が望まれている。また、残存オリゴマー量が多いと、成
形体の強度の低下といった物性への悪影響がでる可能性
がある。
【0005】これらのスチレンオリゴマーとしては1,
2−ジフェニルシクロブタン、2,4−ジフェニル−1
−ブテン、1,3−ジフェニルプロパン、2,4,6−
トリフェニル−1−ヘキセンや1−フェニル−4−
(1’−フェニルエチル)テトラリン等が存在する。
【0006】スチレンオリゴマー量を低減させる方法と
して、特開平9−111070号公報、特開平9−11
1073号公報では、重合体中の未反応モノマーや溶媒
の回収工程といった脱揮処理を改良する方法、熱処理を
行い強制的に分解する方法、ラジカル重合とアニオン重
合との組み合わせ、溶剤抽出、再沈等による精製などが
挙げられている。従来のこうした方法は処理工程が増え
るなどプロセスが複雑となる。そこで、より簡便な方法
つまり、重合工程(ラジカル重合工程)及び後処理工程
でのスチレンオリゴマー量を低減させる方法が求められ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、スチ
レン系重合体の製造において、処理工程を増やさずに、
ラジカル重合工程及び/若しくは重合体中の未反応モノ
マー又は溶媒等の回収のための脱揮及び熱処理といった
後処理工程で、スチレンオリゴマー量の生成を抑制する
と共に、従来品と遜色のない高重合度の優れた樹脂を効
率よく製造できるスチレン系重合体の製造方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、残存スチレ
ンオリゴマーの原因を検討した結果、使用する重合開始
剤、特に二段階あるいは三段階の重合温度を用いる塊状
重合によるスチレン系重合体の製造方法においては、第
二工程以降の温度で作用する重合開始剤の半減期温度が
大きく影響すること、また第一段階の重合開始剤と第二
段階以降の重合開始剤との組み合わせも影響すること等
を見出し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、 1.スチレン系モノマー又はスチレン系モノマーとそれ
と共重合可能なビニルモノマー若しくはゴム状重合体と
の混合物を、多段階の重合温度で塊状重合し、スチレン
系重合体を製造する方法において、ベンゼン中における
0.2モル濃度における10時間半減期温度(以下単に
10時間半減期温度若しくはベンゼン中における10時
間半減期温度という)が98〜230℃の有機過酸化物
を使用することを特徴とするスチレン系重合体の製造方
法、 2.120〜160℃での重合工程を有する重合方法に
おいて、10時間半減期温度が98〜135℃である有
機過酸化物を使用することを特徴とする上記1に記載の
スチレン系重合体の製造方法、 3.ベンゼン中における10時間半減期温度が98℃以
下で、かつ上記1に記載の有機過酸化物の該10時間半
減期温度より5℃以上低い有機過酸化物を併用ことを特
徴とする上記1又は2に記載のスチレン系重合体の製造
方法、 4.上記1に記載の有機過酸化物の10時間半減期温度
が120〜200℃の有機過酸化物、ジクミルパーオキ
サイド又はターシャリーブチルパーオキシベンゾエート
を使用することを特徴とする上記1〜3に記載のスチレ
ン系重合体の製造方法、
【0010】5.上記有機過酸化物がジアルキルパーオ
キサイドであることを特徴とする上記1〜4のいずれか
一項に記載のスチレン系重合体の製造方法、 6.上記ジアルキルパーオキサイドの10時間半減期温
度が120〜150℃であることを特徴とする上記5に
記載のスチレン系重合体の製造方法、 7.上記有機過酸化物がハイドロパーオキサイドである
ことを特徴とする上記1〜4のいずれか一項に記載のス
チレン系重合体の製造方法、 8.第一段階の重合温度で主として作用する有機過酸化
物として、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン
及びターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エートからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過
酸化物を使用し、10時間半減期温度が98〜230℃
の有機過酸化物として、ジ−クミルパーオキサイド又は
ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートを使用する
上記1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系重合体の
製造方法、
【0011】9.第一段階の重合温度で主として作用す
る有機過酸化物として、ターシャリーブチルパーオキシ
2−エチルヘキサノエートを使用し、10時間半減期温
度が98〜230℃の有機過酸化物として、3,6,9
−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−
トリパーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼ
ンモノハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオ
キサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、アセ
チルアセトンパーオキサイド、ターシャリーブチルクミ
ルパーオキサイド及びジターシャリーブチルパーオキサ
イドからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過酸
化物を使用する上記1〜5のいずれか一項に記載のスチ
レン系重合体の製造方法、 10.第一段階の重合温度で主として作用する有機過酸
化物として、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン又は1,
1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキ
サンを使用し、10時間半減期温度が98〜230℃の
有機過酸化物として、3,6,9−トリエチル−3,
6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナ
ン、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパー
オキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンモノハイドロパ
ーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、ターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャリーア
ミルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオ
キサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド及びタ
ーシャリーブチルクミルパーオキサイドからなる群から
選ばれる少なくとも一種の有機過酸化物を使用する上記
1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系重合体の製造
方法、 11. スチレン系モノマー又はスチレン系モノマーと
それと共重合可能なビニルモノマー若しくはゴム状重合
体との混合物を、重合し、スチレン系重合体を製造する
方法において、重合工程後の後処理工程を、ベンゼン中
における0.2モル濃度における10時間半減期温度が
120〜230℃の有機過酸化物の存在下に行うことを
特徴とする上記1〜10のいずれか一項に記載のスチレ
ン系重合体の製造方法。
【0012】12.重合工程用の有機過酸化物として、
ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
トを使用し、後処理工程用の有機過酸化物として、3,
6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,
4,7−トリパーオキソナン、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルハイドロパーオキサイド、クミルハイドロ
パーオキサイド、ターシャリーアミルハイドロパーオキ
サイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、
ジターシャリーブチルパーオキサイド及びターシャリー
ブチルクミルパーオキサイドからなる群から選ばれる少
なくとも一種の有機過酸化物を使用する上記11に記載
のスチレン系重合体の製造方法。 13.重合工程用の有機過酸化物として、1,1−ビス
(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサンを使
用し、後処理工程用の有機過酸化物として、3,6,9
−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−
トリパーオキソナン、クミルハイドロパーオキサイド、
ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャ
リーアミルハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブ
チルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオ
キサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイ
ドロパーオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも
一種の有機過酸化物を使用する上記11に記載のスチレ
ン系重合体の製造方法、 14.重合工程用の有機過酸化物として、1,1−ビス
(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサンを使用し、後処理工程用の有機過酸
化物として、3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、クミルハ
イドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパ
ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、
ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、ターシャ
リーブチルクミルパーオキサイド及び1,1,3,3−
テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドからなる群
から選ばれる少なくとも一種の有機過酸化物を使用する
上記11に記載のスチレン系重合体の製造方法、 15.上記11〜14における後処理工程が180℃〜
300℃である上記11〜14に記載されたスチレン系
重合体の製造方法。 16.上記1〜15のいずれか一項に記載されて製造方
法において製造されたスチレン系重合体、に関するもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
本発明におけるスチレン系単量体としては、スチレン、
α一メチルスチレン、クロロスチレン、ターシャリーブ
チルスチレン等の置換若しくは非置換スチレンなどが挙
げられる。これらのスチレン系モノマーは単独で若しく
は2種以上併用して塊状重合に使用してもよく、更に他
の共重合可能なビニルモノマー若しくは共重合可能なゴ
ム状重合体を併用してもよい。スチレンと他のモノマー
を併用する場合には、全モノマーの内、スチレンが50
重量%以上含まれることが望ましい。
【0014】本発明に用いられるスチレン系モノマーと
共重合可能なビニルモノマーとしては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のα、β−不飽和ニトリル化
合物、アクリル酸、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアクリル酸エステル、メタクリル酸、メチル
メタクリレート等のメタクリル酸エステル、N−フェニ
ルマレイミド等のマレイミド、ジメチルマレエート、ジ
メチルフマレート、ジビニルベンゼン等がある。これら
を一種または二種類以上の混合物として使用してもよ
い。
【0015】本発明におけるスチレンモノマーと共重合
可能なゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体やそれらの水素添加物等が挙げられ
る。
【0016】本発明で使用する有機過酸化物(重合開始
剤)の中で、第二段階の重合温度において主として作用
するベンゼン中における10時間半減期温度が98〜1
20℃である有機過酸化物(重合開始剤)としては、、
ジ−ターシャリーアミルパーオキサイド、ジ−ターシャ
リーヘキシルパーオキサイド、ジ−1,1,2,2−テ
トラメチルエチルパーオキサイド、ジ−1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキサイド、ジ−クミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシ
ャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(ターシ
ャリブチルパーオキシ)トリアジン等の対称ジアルキル
パーオキサイド若しくはターシャリーアミルターシャリ
ーヘキシルパーオキサイドのようなそれらの非対称ジア
ルキルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシ
ベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテー
ト、ターシャリーブチルパーオキシ3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート等のアルキルパーエステル、2,2
−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタン、4,
4−ジ−ターシャリーブチルパーオキシ吉草酸−n−ブ
チルエステル等のパーオキシケタール、ターシャリーブ
チルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート等のパ
ーカーボネート及びそれぞれの誘導体等を挙げることが
できる。
【0017】また、本発明で使用する有機過酸化物(重
合開始剤)の中で、主として第二段階の重合温度以降の
重合温度若しくは後処理工程で主として作用する該10
時間半減期温度が120℃以上で230℃以下の範囲に
入る有機過酸化物としては3,6,9−トリエチル−
3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソ
ナン等の環状ジ−アルキルパーオキサイド、ターシャリ
ーブチルターシャリーアミルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルターシャリーヘキシルパーオキサイド、1,
1,2,2−テトラメチルエチルターシャリーブチルパ
ーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルタ
ーシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチル
トリメチルシリルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ターシャリーブチルパーオキシハイドロパーオ
キシヘキサン、2−ターシャリーブチルパーオキシ−2
−イソプロピルフェニルプロパン、パラ−メンタンター
シャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルク
ミルパーオキサイド等の非対称型ジアルキルパーオキサ
イド、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド、1,3
−ビス−(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ター
シャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキ
ルパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオ
キサイド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイ
ド、ターシャリーヘキシルハイドロパーオキサイド、
1,1,2,2−テトラメチルエチルハイドロパーオキ
サイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロ
パーオキサイド、パラ−メンタンハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ヒドロキシハイドロパ
ーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビスハ
イドロパーオキシヘキサン、ジイソプロピルベンゼンモ
ノハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサ
イド等のハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド、また、いかな
る構造でもベンゼン中の0.2モル濃度液における10
時間半減期温度が120〜230℃で分解する過酸化結
合を有していればよい。
【0018】また、ジ−ターシャリーブチルパーオキシ
トリメチルアジペートのような非対称型アルキルパーエ
ステル等でもベンゼン中における10時間半減期温度が
98〜230℃の過酸化結合を有していればよい。これ
らの中で、好ましいものとしてはベンゼン中における1
0時間半減期温度が120〜230℃の有機過酸化物、
ジクミルパーオキサイド又はターシャリーブチルパーオ
キシベンゾエートである。
【0019】化学構造式でみると好ましいものとしては
非対称若しくは対称ジ(C4−C20)アルキルパーオ
キサイド又はハイドロパーオキサイド等があげられ、ジ
アルキルパーオキサイドの10時間半減期温度は120
℃〜150℃、ハイドロパーオキサイドの10時間半減
期温度は120℃〜200℃が好ましい。これらの本発
明で使用される有機過酸化物は、場合により1種類もし
くは2種類以上併用してもよい。
【0020】本発明で使用する好ましい有機過酸化物を
具体的に例示すれば下記の通りである。例えば10時間
半減期温度が120℃以下のものではジクミルパーオキ
サイド(DCP)又はターシャリーブチルパーオキシベ
ンゾエート(TBPB)等があげられる。10時間半減
期温度が120℃以上で135℃以下の範囲に入るもの
として例えば、3,6,9−トリエチル−3,6,9−
トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン(TEM
PN)、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド(T
BCP)、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド(D
TBP)、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイド
ロパーオキサイド(TMBHP)、ジ−イソプロピルベ
ンゼンモノハイドロパーオキサイド(DIPBHP)、
アセチルアセトンパーオキサイド(AAPO)等があげ
られる。これらの中で3,6,9−トリエチル−3,
6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン
(TEMPN)はより好ましい10時間半減期温度が1
35℃以上のものとしてはターシャリーブチルハイドロ
パーオキサイド(TBHP)、クミルハイドロパーオキ
サイド(CHP)、ターシャリーアミルハイドロパーオ
キサイド(TAHP)等があげられる。
【0021】本発明方法において、重合工程でのスチレ
ンオリゴマーの生成抑制は、多段階重合温度を使用する
スチレン系重合体の塊状重合であれば、何れも適用する
ことができる。通常は2〜5段階、工業的には2〜3段
階の重合温度を使用する塊状重合が一般的である。
【0022】本発明で使用する上記の有機過酸化物(重
合開始剤)の中で、10時間半減期温度が比較的低い方
のもの、例えば120℃以下のものは、多段階重合温度
を用いる塊状重合において、約120〜160℃での重
合工程、通常第2段階目における重合工程において主と
して作用し、それらより高温のものは使用される有機過
酸化物の10時間半減期温度、実際の重合温度及び重合
時間等により異なるが、第2段階の重合工程若しくは第
3段階以降の重合工程又は脱揮工程等の後処理工程で作
用する。
【0023】例えば重合工程でのオリゴマーの抑制には
その重合工程の重合温度、重合時間において十分作用す
る有機過酸化物を選択すればよく、通常、10時間半減
期温度が重合温度よりも5℃以上低く、好ましくは少な
くとも10℃程度低く、かつ第一重合工程で使用する有
機過酸化物の10時間半減期温度よりも、5℃以上、好
ましくは10℃以上高いものを選択して使用すればよ
い。
【0024】また、脱揮工程等の後処理工程でのオリゴ
マーの抑制には、重合の初期から該有機過酸化物を存在
させて重合を行うときは、重合温度では作用しないか、
作用しても少なくとも、後処理工程で実質的に抑制作用
を発揮する程度に該有機過酸化物が残存するように有機
過酸化物を選択するのがよい。実質的に作用する量であ
れば特に量は問わないが、一般的には仕込みモノマー量
に対する割合で、0.001質量%以上存在するのが好
ましい。脱揮工程等の後処理工程でのオリゴマーの抑制
には 通常10時間半減期温度が120℃〜230℃の
ものから選択される有機過酸化物を使用するのが好まし
い。重合の初期から該有機過酸化物を存在させて重合を
行うときは、通常最も高い重合温度よりも10時間半減
期温度が高いか、最も高い重合温度と10時間半減期温
度が略同等か若しくは、最高重合温度よりも10時間半
減期温度が少なくとも20℃以上低くないもの(例えば
最高重合温度が180℃であれば、160℃以上の10
時間半減期温度を有する有機過酸化物)、好ましくは1
0℃以上低くないもの、更に好ましくは5℃以上低くな
いものが使用される。本発明における脱揮工程等の後処
理工程でのオリゴマーの生成抑制は、塊状重合の際最も
効果的であるが、場合により、その他の重合法において
も適用可能である。
【0025】本発明で使用する上記の有機過酸化物(重
合開始剤)は、前記10時間半減期温度が98℃以下の
他の有機過酸化物等を併用しても良く、例えば前記10
時間半減期温度が98℃以下でかつ本発明で使用する上
記の有機過酸化物より該10時間半減期温度が5℃以上
低い、より好ましくは10℃以上低い有機過酸化物の併
用はオリゴマーを減少させるのにより好ましい。これら
の有機過酸化物は主として第一工程で作用するもので、
従来第一工程で使用される有機過酸化物がそのまま使用
出来る。そのようなものの好ましい例としては例えば
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(TMCH)、1,
1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン(TBCH)及びターシャリーブチルパーオキシ2
−エチルヘキサノエート(TBPO)等の有機過酸化物
があげられる。
【0026】第一工程で使用される有機過酸化物と第二
重合工程以降の重合工程、若しくは後処理工程で作用す
る有機過酸化物との好ましい組み合わせは下記の通りで
ある。 (1)第一段階の重合温度で主として作用する有機過酸
化物として、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン及びターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエートからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機
過酸化物を使用し、第二重合工程以降の重合工程、若し
くは後処理工程で作用する有機過酸化物である10時間
半減期温度が98〜230℃の有機過酸化物として、ジ
−クミルパーオキサイド又はターシャリーブチルパーオ
キシベンゾエートを使用する組み合わせ。
【0027】(2)第一段階の重合温度で主として作用
する有機過酸化物として、ターシャリーブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエートを使用し、10時間半減期
温度が98〜230℃の有機過酸化物として、3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベン
ゼンモノハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパー
オキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、アセ
チルアセトンパーオキサイド、ターシャリーブチルクミ
ルパーオキサイド及びジターシャリーブチルパーオキサ
イドからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過酸
化物を使用する組み合わせ。
【0028】(3)第一段階の重合温度で主として作用
する有機過酸化物として、1,1−ビス(ターシャリー
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン又は1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)シクロヘキサンを使用し、10時間半減期温度が9
8〜230℃の有機過酸化物として、3,6,9−トリ
エチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパ
ーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチルブチルハ
イドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンモノ
ハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイ
ド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ター
シャリーアミルハイドロパーオキサイド、アセチルアセ
トンパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサ
イド及びターシャリーブチルクミルパーオキサイドから
なる群から選ばれる少なくとも一種の有機過酸化物を使
用する組み合わせ等である。第二重合工程以降の重合工
程、若しくは後処理工程で作用する有機過酸化物とし
て、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル
−1,4,7−トリパーオキソナン(TEMPN)より
好ましい。
【0029】また、後処理工程でのスチレンダイマー等
の抑制に好ましい組み合わせは下記の通りである。 (1)重合工程用の有機過酸化物として、ターシャリー
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートを使用し、
後処理工程用の有機過酸化物として、3,6,9−トリ
エチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパ
ーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチルブチルハ
イドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイ
ド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、ター
シャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリ
ーブチルパーオキサイド及びターシャリーブチルクミル
パーオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一種
の有機過酸化物を使用する組み合わせ。
【0030】(2)重合工程用の有機過酸化物として、
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサンを使用し、後処理工程用の有機過酸化物とし
て、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル
−1,4,7−トリパーオキソナン、クミルハイドロパ
ーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサ
イド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、ジ
ターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチ
ルクミルパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメ
チルブチルハイドロパーオキサイドからなる群から選ば
れる少なくとも一種の有機過酸化物を使用する組み合わ
せ。
【0031】(3)重合工程用の有機過酸化物として、
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、後処理工
程用の有機過酸化物として、3,6,9−トリエチル−
3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソ
ナン、クミルハイドロパーオキサイド、ターシャリーブ
チルハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチルパ
ーオキサイド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサ
イド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド及び
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイドからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過
酸化物との組み合わせである。
【0032】また、場合により、該10時間半減期温度
が98℃〜135℃程度のものと、該10時間半減期温
度がそれより5℃以上、より好ましくは10℃以上高い
有機過酸化物の併用は工程の効率化若しくは後処理工程
でのスチレンダイマーの生成抑制等の点で、好ましい場
合がある。この高い半減期温度を有する有機過酸化物は
主として第3段階以降の重合温度工程若しくは後処理工
程で作用し、工程の効率化若しくは後処理工程でのスチ
レンダイマーの生成抑制等に寄与する。
【0033】本発明方法によりスチレン系重合体を製造
する代表的な方法は、下記のようにして行うことができ
る。第一工程を、70〜130℃で熱重合するかあるい
は60〜120℃程度で0.001〜1%程度(重合溶
液全体に対して)のベンゾイルパーオキサイド、ターシ
ャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(T
BPO)、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(TMC
H)、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)
シクロヘキサン(TBCH)等の有機過酸化物または、
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIB
N)等の他の重合開始剤の存在下に第一工程の重合を行
い、次いで第二工程の重合反応を、120〜160℃
で、10時間半減期温度が98℃〜135℃程度の有機
過酸化物の、0.001〜1質量%、より好ましくは、
0.01〜0.1質量%の存在下に行い、さらに、必要
に応じて、第三工程の重合反応を、160〜180℃で
熱重合または0.001〜1質量%、より好ましくは、
0.01〜0.1質量%の有機過酸化物等の重合開始剤
の存在下に行うことにより、スチレン系重合体を得るこ
とが出来る。
【0034】通常このようにして重合された重合体は、
スチレンモノマー、溶媒を使用した時は溶媒等含むの
で、重合工程に引き続いて、重合体中の未反応モノマー
や溶媒を回収するための180℃以上、好ましくは20
0℃〜300℃で脱揮、熱処理などの後処理工程を、1
0時間半減期温度が120℃〜230℃程度の有機過酸
化物の、0.001〜1質量%、より好ましくは、0.
005〜0.5質量%の存在下に行うことにより、スチ
レンダイマー等の少ないスチレン系重合体を得ることが
できる。
【0035】本発明で使用する上記の有機過酸化物は、
あらかじめ重合前に、必要に応じて、第一工程用の重合
開始剤等と共に、最初からモノマーに添加しておいて
も、重合の途中、例えば各工程の前で、各工程で使用す
る有機過酸化物(重合開始剤)を添加してもよい。ま
た、連続的な製造法においては、各工程において連続的
に添加してもよい。また、該有機過酸化物はそのまま添
加しても、またスチレンモノマー、エチルベンゼン等で
希釈若しくは溶解して添加してよい。
【0036】また、本発明方法によって塊状重合を行う
際に、必要に応じて、各種の助剤、例えば各種安定剤、
難燃剤、耐電防止剤、着色剤またはガラス繊維等の充填
剤及びプロパン、ブタン、ペンタン等の発泡剤等を共存
させて、重合を行い、または重合後それらを添加して、
それらの助剤やまたは発泡剤を含むスチレン系重合体と
してもよい。
【0037】本発明方法によって得られるスチレン系重
合体としては、用いるモノマーの種類及びモノマーに配
合するゴム状重合体の種類等により種々異なり、例え
ば、スチレン若しくは置換スチレン等のスチレン系モノ
マーのホモポリマー、スチレン系モノマーとそれらと共
重合可能なその他のビニル系モノマーとの共重合で得ら
れる共重合体、スチレン系モノマーにブタジエンゴム等
のゴム状重合体を混合し、該混合物の重合によって得ら
れるゴム変性スチレン重合体等が挙げられる。
【0038】本発明方法により、重合工程でのスチレン
オリゴマーの生成を抑制した場合、後処理前の重合体
で、スチレンオリゴマーの含量は例えば重合体全体に対
して3500ppm以下、より好ましくは3000pp
m以下、更には2500ppm以下と少ないスチレン系
重合体を、効率よく得ることができ、また後処理工程で
のスチレンオリゴマーの生成を抑制した場合、最終重合
体中におけるスチレンオリゴマーの含量は5000pp
m以下に押さえることができる。
【0039】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により詳細に説明
するが、これらは何れも例示であり、本発明を限定する
ものではない。なお、実施例1〜10は重合中における
スチレンオリゴマーの生成抑制に関するものであり、実
施例A1〜A11は後処理工程におけるスチレンオリゴ
マーの生成抑制に関するものである。
【0040】実施例1 スチレンの塊状重合 第一重合工程用の有機過酸化物として1,1−ビス(タ
ーシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン(純度90%)2.7×10−4g(ス
チレン100gあたり0.08ミリモル)及び第二重合
工程用の有機過酸化物として3,6,9−トリエチル−
3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソ
ナン(純度41%)3.4×10−4g(スチレン10
0gあたり0.053ミリモル)を含むスチレン1.0
gを窒素ガスでバブリングし溶存酸素を置換後、アンプ
ルに注入し、ドライアイス冷却下窒素ガスで空気部を置
換した後密封し、シリコンオイルバス中で110℃で3
時間保持し、続いて1時間かけて130℃に昇温し、1
30℃で2時間保持する。さらに、1時間かけて180
℃に昇温し、180℃で2時間保持し、重合を行った。
ここで、110℃の工程が第一、130℃の工程が第
二、180℃の工程が第三温度工程である。
【0041】なお、本実施例における有機過酸化物(重
合開始剤)の添加量は、一官能性有機過酸化物の添加モ
ル数で、スチレン100gあたり0.16ミリモルの割
合となるように添加した。即ち過酸化結合を二つ持つ
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンの場合は、半量の
0.8ミリモルとした。また、過酸化結合を三つ持つ
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナン場合は、1/3の0.
053ミリモルとした。以下の実施例においても同様に
した。
【0042】得られた反応物の未反応スチレンモノマー
量、スチレンオリゴマー量をガスクロマトグラフィー
で、また、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)で測定した。ここで、スチレンオリゴ
マーの定量は、1,2−ジフェニルシクロブタン、2,
4−ジフェニル−1−ブテン、1,3−ジフェニルプロ
パン、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセンや1−
フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリンの
標品(関東化学株製)を用いて行った。さらに、未反応
モノマー量を重合時間で除し、総括的な重合速度とし
た。それらの結果を表1に示した。
【0043】また、表1に記載した3,6,9−トリエ
チル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパー
オキソナンの10時間半減期温度は該化合物をベンゼン
中(0.1モル/L)で熱分解させて得られた10時間
半減期温度である。
【0044】実施例2 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンの代わりにターシャリーブチルク
ミルパーオキサイド(純度90%)3.7×10−4g
(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を使用し
た以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の
通りであった。
【0045】実施例3 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンの代わりにジ−クミルパーオキサ
イド(純度98%)4.4×10−4g(スチレン10
0gあたり0.16ミリモル)を使用した以外は実施例
1に準じて実施した。その結果は表1の通りであった。
【0046】実施例4 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンの代わりにジ−ターシャリーブチ
ルパーオキサイド(純度98%)2.4×10−4g
(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を使用し
た以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の
通りであった。
【0047】実施例5 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンの代わりにターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエート(純度98%)3.2×10−4
g(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を使用
した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1
の通りであった。
【0048】実施例6 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの代わりに1,1−ターシャリ
ーブチルパーオキシシクロヘキサン(純度75%)2.
8×10−4g(スチレン100gあたり0.08ミリ
モル)を、さらに、第二工程用重合開始剤である3,
6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,
4,7−トリパーオキソナンの代わりにジ−ターシャリ
ーブチルパーオキサイド(純度98%)2.4×10−
4g(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を使
用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は表
1の通りであった。
【0049】実施例7 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの代わりにターシャリーブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート(純度97%)
3.6×10−4g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を、さらに、第二工程用重合開始剤である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにターシャリ
ーブチルパーオキシベンゾエート(純度98%)3.2
×10−4g(スチレン100gあたり0.16ミリモ
ル)を使用した以外は実施例1に準じて実施した。その
結果は表1の通りであった。
【0050】実施例8 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンの代わりにジ−ターシャリーブチ
ルパーオキサイド(純度98%)2.4×10−4g
(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を、第三
工程で重合開始剤として、ターシャリーブチルハイドロ
パーオキサイド(純度80%)1.8×10−4g(ス
チレン100gあたり0.16ミリモル)を使用した以
外は実施例1に準じて実施した。その結果は表1の通り
であった。
【0051】実施例9 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンを使用せず、第二工程用重合開
始剤である3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリ
メチル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにジ
−ターシャリーブチルパーオキサイド(純度98%)
2.4×10−4g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を使用した以外は実施例1に準じて実施し
た。その結果は表1の通りであった。
【0052】実施例10 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンを使用せず、第二工程用重合開
始剤である3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリ
メチル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにジ
−ターシャリーブチルパーオキサイド(純度98%)
2.4×10−4g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を使用し、さらに、第三工程で重合開始剤と
して、クミルハイドロパーオキサイド(純度90%)
3.7×10−4g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を使用した以外は実施例1に準じて実施し
た。その結果は表1の通りであった。
【0053】比較例1 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンと第二工程用重合開始剤である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンを添加せず、第一、第
二、第三工程を熱重合で行った以外は実施例1に準じて
実施した。その結果は表1の通りであった。
【0054】比較例2 実施例1において第二工程用重合開始剤である3,6,
9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
−トリパーオキソナンを添加せず、第二、第三工程を熱
重合を行った以外は実施例1に準じて実施した。その結
果は表1の通りであった。
【0055】比較例3 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの代わりに1,1−ターシャリ
ーブチルパーオキシシクロヘキサン(純度75%)2.
8×10−4g(スチレン100gあたり0.08ミリ
モル)を使用し、さらに、第二工程用重合開始剤である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンを添加せず、第二、第
三工程を熱重合を行った以外は実施例1に準じて実施し
た。その結果は表1の通りであった。
【0056】比較例4 実施例1において第一工程用重合開始剤である1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの代わりにターシャリーブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート(純度97%)
3.6×10−4g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を、さらに、第二工程用重合開始剤である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンを添加せず、第二、第
三工程を熱重合を行った以外は実施例1に準じて実施し
た。その結果は表1の通りであった。
【0057】
【表1】
【0058】表中の略号は、以下を示す。 TMCH:1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン TBCH:1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン TBPO:ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート TEMPN:3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナン TBCP:ターシャリーブチルクミルパーオキサイド DCP:ジ−クミルパーオキサイド DTBP:ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド TBPB:ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート TBHP:ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド Mw:重量平均分子量 Mn:数平均分子量 −:重合開始剤なし RS:未反応モノマー スチレンオリゴマー量:1,2−ジフェニルシクロブタ
ン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、1,3−ジフェ
ニルプロパン、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセ
ンや1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テト
ラリンの合計量を示す。
【0059】表1の結果から、本発明により重合工程で
スチレンオリゴマーを抑制することにより、効率よく未
反応モノマー量を減少でき、かつ、得られる重合体(後
処理工程無し)は、分子量が従来のものと同等で、且つ
スチレンオリゴマー量の少ないものを得ることができ
る。また、重合速度が向上することから重合時間の短縮
も可能となる。
【0060】実施例A1 スチレンの塊状重合 1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(純度90%)2.
7×10−2g(スチレン100gあたり0.08ミリ
モル)と3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメ
チル−1,4,7−トリパーオキソナン(純度41%)
3.4×10−2g(スチレン100gあたり0.05
3ミリモル)を含むスチレン1.0gを窒素ガスでバブ
リングし、溶存酸素を置換した。その溶液をアンプルに
注入し、ドライアイス冷却下、窒素ガスで空気部を置換
した後に密封した。そのアンプルをシリコンオイルバス
中で110℃にて3時間保持した。続いて、1時間かけ
て130℃に昇温後、130℃で2時間保持する。さら
に、1時間かけて250℃に昇温後、250℃で40分
間保持し、重合、後処理を終えた。ここでは、110℃
の工程が第一重合段階、130℃の工程が第二重合段
階、250℃の工程が後処理工程を想定している。予
め、スチレンに溶解させた有機過酸化物のうち、1,1
−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサンは、その分解温度から第一重
合工程の重合開始剤として作用する。一方、3,6,9
−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−
トリパーオキソナンは、その分解温度から後処理工程で
主として作用する。また、有機過酸化物の添加量につい
ては、二官能性有機過酸化物と三官能性有機過酸化物で
次のように変えた。つまり、過酸化結合を二つ持つ1,
1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンのような二官能性有機過酸
化物の添加量は、一官能性有機過酸化物の添加モル数に
対して1/2のモル数とした。同様に過酸化結合を三つ
持つ3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル
−1,4,7−トリパーオキソナンのような三官能性有
機過酸化物の添加量は、一官能性有機過酸化物の添加モ
ル数に対して1/3のモル数とした。得られた反応物の
未反応スチレンモノマー量、スチレンオリゴマー量をガ
スクロマトグラフィーで、また、分子量をゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。こ
こで、スチレンオリゴマーの定量は、1,2−ジフェニ
ルシクロブタン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、
1,3−ジフェニルプロパン、2,4,6−トリフェニ
ル−1−ヘキセンや1−フェニル−4−(1’−フェニ
ルエチル)テトラリンの標品(関東化学株製)を用いて
行った。さらに、未反応モノマー量を重合時間で除し、
総括的な重合速度とした。それらの結果を表A1に示し
た。
【0061】半減期温度の測定 3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンをベンゼン中(0.2
モル/L)で熱分解させ、10時間半減期温度を求め
た。その結果も表A1に示した。
【0062】実施例A2 実施例A1において、後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンの代わりに1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド
(純度90%)2.6×10−2g(スチレン100g
あたり0.16ミリモル)を使用した以外は実施例A1
に準じて実施した。その結果は表A1の通りであった。
【0063】実施例A3 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりに1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(純度75%)2.8×10−2g(スチレン100g
あたり0.08ミリモル)を使用した以外は実施例A1
に準じて実施した。その結果は表A1の通りであった。
【0064】実施例A4 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりにターシャ
リーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(純度
97%)3.6×10−2g(スチレン100gあたり
0.08ミリモル)を用い、後処理工程用有機過酸化物
である3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチ
ル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりに1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド(純度90%)2.6×10−2g(スチレン100
gあたり0.16ミリモル)を使用した以外は実施例A
1に準じて実施した。その結果は表A1の通りであっ
た。
【0065】実施例A5 実施例A1において、後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにジ−イソプ
ロピルベンゼンモノハイドロパーオキサイド(純度55
%)5.7×10 −2g(スチレン100gあたり0.
16ミリモル)を使用した以外は実施例A1に準じて実
施した。その結果は表A1の通りであった。
【0066】実施例A6 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりに1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(純度75%)2.8×10−2g(スチレン100g
あたり0.08ミリモル)を用い、後処理工程用有機過
酸化物である3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりに
クミルハイドロパーオキサイド(純度80%)3.0×
10−2g(スチレン100gあたり0.16ミリモ
ル)を使用した以外は実施例A1に準じて実施した。そ
の結果は表A1の通りであった。
【0067】実施例A7 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりにターシャ
リーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(純度
97%)3.6×10−2g(スチレン100gあたり
0.08ミリモル)を用い、後処理工程用有機過酸化物
である3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチ
ル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイド(純度80%)
1.8×10−2g(スチレン100gあたり0.16
ミリモル)を使用した以外は実施例A1に準じて実施し
た。その結果は表A1の通りであった。
【0068】実施例A8 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりに1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(純度75%)2.8×10−2g(スチレン100g
あたり0.08ミリモル)を用い、後処理工程用有機過
酸化物である3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりに
ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド(純度85
%)2.0×10−2g(スチレン100gあたり0.
16ミリモル)を使用した以外は実施例A1に準じて実
施した。その結果は表A1の通りであった。
【0069】実施例A9 実施例A1において、後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにアセチルア
セトンパーオキサイド6.4×10−2g(この有機過
酸化物は、混合物であり正確な純度がわからないため、
添加量をスチレン100gあたりの過酸化結合の数を他
の実施例Aと合わせるように調製した)を使用した以外
は実施例A1に準じて実施した。その結果は表A1の通
りであった。
【0070】実施例A10 実施例A1において、第一重合工程の重合開始剤である
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンのかわりに1,1−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(純度75%)2.8×10−2g(スチレン100g
あたり0.08ミリモル)を用い、後処理工程用有機過
酸化物である3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナンの代わりに
ターシャリーブチルハイドロパーオキサド(純度80
%)1.8×10−2g(スチレン100gあたり0.
16ミリモル)を使用し、第二重合工程用重合開始剤と
して、ジークミルパーオキサイド(純度98%)4.4
×10−4g(スチレン100gあたり0.16ミリモ
ル)を加えた以外は実施例A1に準じて実施した。その
結果は表A1の通りであった。
【0071】実施例A11 実施例A1において、後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンの代わりにクミルハイ
ドロパーオキサイド(純度80%)3.0×10−2
(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を使用
し、第二重合工程用重合開始剤としてターシャリーブチ
ルクミルパーオキサイド(純度90%)3.7×10
−4g(スチレン100gあたり0.16ミリモル)を
加えた以外は実施例A1に準じて実施した。その結果は
表A1の通りであった。
【0072】比較例A1 実施例A1において、後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンを添加しない以外は実
施例A1に準じて実施した。その結果は表A1の通りで
あった。
【0073】比較例A2 実施例A1において後処理工程用有機過酸化物である
3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
1,4,7−トリパーオキソナンのかわりに2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン(純度95%)4.
0×10−2g(スチレン100gあたり0.16ミリ
モル)を使用した以外は実施例A1に準じて実施した。
その結果は表A1の通りであった。なお、2,3−ジメ
チル−2,3−ジフェニルブタンは有機過酸化物ではな
いが、熱により炭素ラジカルを発生することから比較例
Aに用いた。
【0074】
【表2】
【0075】表中の略号は、以下を示す。 PO−A:第一重合工程用有機過酸化物(重合開始剤) PO−B:第二重合工程用有機過酸化物(重合開始剤) PO−C:後処理工程用有機過酸化物 TMCH:1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン TBCH:1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン TBPO:ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート TEMPN:3,6,9−トリエチル−3,6,9−ト
リメチル−1,4,7−トリパーオキソナン TMBHP:1,1,3,3−テトラメチルブチルハイ
ドロパーオキサイド DIPBHP:ジ−イソプロピルベンゼンモノハイドロ
パーオキサイド CHP:クミルハイドロパーオキサイド TBHP:ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド TAHP:ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド AAPO:アセチルアセトンパーオキサイド DMDPB:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン DCP:ジ−クミルパーオキサイド TBCP:ターシャリーブチルクミルパーオキサイド Mw:重量平均分子量 Mn:数平均分子量 −:有機過酸化物なし RS:未反応モノマー 比A:比較例A ただし、スチレンオリゴマーは、1,2−ジフェニルシ
クロブタン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、1,3
−ジフェニルプロパン、2,4,6−トリフェニル−1
−ヘキセンや1−フェニル−4−(1’−フェニルエチ
ル)テトラリンの合計量で示した。
【0076】表A1の結果から、本発明による重合体
は、分子量が従来のものと同等で、且つスチレンオリゴ
マー量が少ないことがわかり、最終製品に残存する量も
低減できる。また、従来の製造法である比較例A1と比
べると、効率よく未反応モノマー量を減少できることも
わかり、重合時間の短縮も可能となる。
【0077】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来のスチレン系
重合体の製造工程の工程数を増やすこと無く、重合工程
中又は/及び後処理工程中のスチレンオリゴマーの生成
を抑制し、スチレン系重合体に含まれるスチレンオリゴ
マー量を減少させることができる。従って本件発明方法
は環境衛生面で特に優れている。また、本発明方法によ
り、重合工程中のスチレンオリゴマーの生成を抑制する
場合、重合速度が促進され、重合時間の短縮に繋がり、
製造の効率化が期待できる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系モノマー又はスチレン系モノマ
    ーとそれと共重合可能なビニルモノマー若しくはゴム状
    重合体との混合物を、多段階の重合温度で塊状重合し、
    スチレン系重合体を製造する方法において、ベンゼン中
    で0.2モル濃度における10時間半減期温度(以下単
    に10時間半減期温度という)が98〜230℃の有機
    過酸化物を使用することを特徴とするスチレン系重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】120〜160℃での重合工程を有する重
    合方法において、10時間半減期温度が98〜135℃
    である有機過酸化物を使用することを特徴とする請求項
    1に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】ベンゼン中における10時間半減期温度が
    98℃以下で、かつ請求項1に記載の有機過酸化物の該
    10時間半減期温度より5℃以上低い有機過酸化物を併
    用ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスチレン系
    重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の有機過酸化物の10時間
    半減期温度が120〜200℃の有機過酸化物、ジクミ
    ルパーオキサイド又はターシャリーブチルパーオキシベ
    ンゾエートを使用することを特徴とする請求項1〜3に
    記載のスチレン系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記有機過酸化物がジアルキルパーオキサ
    イドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一
    項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】上記ジアルキルパーオキサイドの10時間
    半減期温度が120〜150℃であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系重合体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】上記有機過酸化物がハイドロパーオキサイ
    ドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】第一段階の重合温度で主として作用する有
    機過酸化物として、1,1−ビス(ターシャリーブチル
    パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
    1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロ
    ヘキサン及びターシャリーブチルパーオキシ2−エチル
    ヘキサノエートからなる群から選ばれる少なくとも一種
    の有機過酸化物を使用し、10時間半減期温度が98〜
    230℃の有機過酸化物として、ジ−クミルパーオキサ
    イド又はターシャリーブチルパーオキシベンゾエートを
    使用する請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン
    系重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】第一段階の重合温度で主として作用する有
    機過酸化物として、ターシャリーブチルパーオキシ2−
    エチルヘキサノエートを使用し、10時間半減期温度が
    98〜230℃の有機過酸化物として、3,6,9−ト
    リエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリ
    パーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチルブチル
    ハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンモ
    ノハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサ
    イド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、タ
    ーシャリーアミルハイドロパーオキサイド、アセチルア
    セトンパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパー
    オキサイド及びジターシャリーブチルパーオキサイドか
    らなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過酸化物を
    使用する請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン
    系重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】第一段階の重合温度で主として作用する
    有機過酸化物として、1,1−ビス(ターシャリーブチ
    ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
    又は1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シ
    クロヘキサンを使用し、10時間半減期温度が98〜2
    30℃の有機過酸化物として、3,6,9−トリエチル
    −3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキ
    ソナン、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロ
    パーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンモノハイド
    ロパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、タ
    ーシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャリ
    ーアミルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパ
    ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド及
    びターシャリーブチルクミルパーオキサイドからなる群
    から選ばれる少なくとも一種の有機過酸化物を使用する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のスチレン系重合体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 スチレン系モノマー又はスチレン系モ
    ノマーとそれと共重合可能なビニルモノマー若しくはゴ
    ム状重合体との混合物を、重合し、スチレン系重合体を
    製造する方法において、重合工程後の後処理工程を、ベ
    ンゼン中における0.2モル濃度における10時間半減
    期温度が120〜230℃の有機過酸化物の存在下に行
    うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記
    載のスチレン系重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】重合工程用の有機過酸化物として、ター
    シャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートを
    使用し、後処理工程用の有機過酸化物として、3,6,
    9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7
    −トリパーオキソナン、1,1,3,3−テトラメチル
    ブチルハイドロパーオキサイド、クミルハイドロパーオ
    キサイド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイ
    ド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジタ
    ーシャリーブチルパーオキサイド及びターシャリーブチ
    ルクミルパーオキサイドからなる群から選ばれる少なく
    とも一種の有機過酸化物を使用する請求項11に記載の
    スチレン系重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】重合工程用の有機過酸化物として、1,
    1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキ
    サンを使用し、後処理工程用の有機過酸化物として、
    3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−
    1,4,7−トリパーオキソナン、クミルハイドロパー
    オキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
    ド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイド、ジタ
    ーシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチル
    クミルパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメチ
    ルブチルハイドロパーオキサイドからなる群から選ばれ
    る少なくとも一種の有機過酸化物を使用する請求項11
    に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  14. 【請求項14】重合工程用の有機過酸化物として、1,
    1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)3,3,5
    −トリメチルシクロヘキサンを使用し、後処理工程用の
    有機過酸化物として、3,6,9−トリエチル−3,
    6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナ
    ン、クミルハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチ
    ルハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチルパー
    オキサイド、ターシャリーアミルハイドロパーオキサイ
    ド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド及び1,
    1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
    ドからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機過酸化
    物を使用する請求項11に記載のスチレン系重合体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】請求項11〜14における後処理工程が
    180℃〜300℃である請求項11〜14に記載され
    たスチレン系重合体の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれか一項に記載さ
    れて製造方法において製造されたスチレン系重合体。
JP2001215435A 2000-08-02 2001-07-16 スチレン系重合体の製造方法 Pending JP2002114813A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001215435A JP2002114813A (ja) 2000-08-02 2001-07-16 スチレン系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000234801 2000-08-02
JP2000-234801 2000-08-02
JP2001215435A JP2002114813A (ja) 2000-08-02 2001-07-16 スチレン系重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002114813A true JP2002114813A (ja) 2002-04-16

Family

ID=26597246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001215435A Pending JP2002114813A (ja) 2000-08-02 2001-07-16 スチレン系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002114813A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519301A (ja) * 2003-03-04 2006-08-24 フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド スチレンのフリーラジカル重合における促進剤の使用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519301A (ja) * 2003-03-04 2006-08-24 フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド スチレンのフリーラジカル重合における促進剤の使用
JP4741473B2 (ja) * 2003-03-04 2011-08-03 フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド スチレンのフリーラジカル重合における促進剤の使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2911398A (en) Polymer hydroperoxides
KR100921640B1 (ko) 발포성 스티렌 중합체의 제조방법, 당해 방법에 적합한 수성 현탁액, 당해 방법으로 제조한 발포성 폴리스티렌 및 당해 폴리스티렌을 성형하여 제조한 제품
KR101093477B1 (ko) 스티렌을 중합시키기 위한 퍼옥사이드 투여 공정을포함하는 현탁 방법
US5990255A (en) High molecular weight polysytrene production by vinyl acid catalyzed free radical polymerization
JP2002114813A (ja) スチレン系重合体の製造方法
WO1999000432A1 (en) Improved acid catalyzed polymerization
US20030013815A1 (en) Process for preparation of elastomer modified polymer compositions with enhanced rubber phase volume fraction
US3357964A (en) Process for the polymerization of vinyl aromatic compounds
US6703460B1 (en) Use of sequential polyperoxides to produce polystyrene with high grafting
EP0862586B1 (en) A process for preparing a branched polymer from a vinyl aromatic monomer
JPH05500383A (ja) 第三アミルペルオキシ ピバレートを遊離基開始剤として用いる重合方法
KR100569219B1 (ko) 유화 중합체의 미반응 단량체량을 줄이는 방법
CA1075395A (en) Process for preparing impact resistant polyvinyl aromatics
JPH0433924A (ja) ポリメリックペルオキシド重合開始剤及びブロック共重合体の製造方法
JPH0153281B2 (ja)
JPH02240110A (ja) ビニル単量体用重合開始剤
JP2000044617A (ja) ビニル系重合体の製造方法
US5159034A (en) Polymerization process using tertiary-amylperoxy pivalate as the free radical initiator
JPH0662706B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法
JP3413852B2 (ja) スチレン系単量体の重合方法
MXPA97004364A (en) Production of high-weight polystyrene molecularmedial polymerization of radical-free radical with vinyl acid
JPS608304A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH03239704A (ja) ラジカル重合開始剤及びブロック共重合体の製造方法
JPH0221401B2 (ja)
JP2000501141A (ja) ビニル芳香族モノマーからの枝分かれポリマーの製造方法