JP2002114558A - 成形された耐熱性断熱部材の製造方法、予備成形物の製造方法、成形された耐熱性断熱部材、電気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断熱部材、それに使用される水硬化性組成物及び真空脱水プレス成形用成形型 - Google Patents

成形された耐熱性断熱部材の製造方法、予備成形物の製造方法、成形された耐熱性断熱部材、電気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断熱部材、それに使用される水硬化性組成物及び真空脱水プレス成形用成形型

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JP2002114558A
JP2002114558A JP2000301569A JP2000301569A JP2002114558A JP 2002114558 A JP2002114558 A JP 2002114558A JP 2000301569 A JP2000301569 A JP 2000301569A JP 2000301569 A JP2000301569 A JP 2000301569A JP 2002114558 A JP2002114558 A JP 2002114558A
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Toshikatsu Ago
利勝 吾郷
Heikichi Iwasaki
平吉 岩崎
Muneo Koyama
宗男 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気蓄熱暖房器に好適な軽い耐熱性断熱部材
(比重が0.2〜0.85)を安価に高性能に外観良く
製造する。 【解決手段】 水と反応可能な石膏50〜70重量%、
無機軽量骨材10〜30重量%及び珪酸カルシウム10
〜30重量%を含む100重量%粉末組成物に対し、所
定量の水を添加してなる水硬化性組成物を用意する第1
工程;水硬化性組成物を成形型を使って成形することに
より予備成形物を成形する第2工程;並びに予備成形物
を成形型から外して養生する第3工程;で製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形された耐熱性断熱
部材の製造方法、予備成形物の製造方法、成形された耐
熱性断熱部材、電気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断
熱部材、それに使用される水硬化性組成物及び真空脱水
プレス成形用成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、北海道を中心に電気蓄熱暖房器が
提案されている(例えば、特開平11−51488)。
これは、深夜の余剰電力を利用して電気ヒーターにより
熱を発生させ、この熱で蓄熱体(レンガ)を温めて、そ
こに熱を蓄えておき、昼間、その蓄熱体で室内から取り
込んだ空気を温め、この温められた空気(熱風)を室内
に放出することにより、室内を暖房しようとするもので
ある。
【0003】蓄熱体の周囲には、空気の通路空間を開け
て断熱部材が配置されており、蓄熱体に蓄えられた熱が
逃げないように工夫されている。断熱部材はやや複雑な
形状をしており、当然のことながら、耐熱性が要求さ
れ、800℃程度の熱を受けても燃えないこと、形が崩
れないことが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、電気蓄
熱暖房器の開発者から要請を受け、電気蓄熱暖房器用の
耐熱性断熱部材の研究開発に着手した。このとき、前記
開発者から示された課題は次の通りであった。 (イ)断熱部材はやや複雑な形状をしているが、石油系
ストーブと競合可能な価格の電気蓄熱暖房器を実現すべ
く、製造コスト(材料費、加工費)が安価であること。
(ロ)軽いこと。(ハ)有機繊維は強度を高めるが、有
機繊維を含まないこと(有機繊維は800℃程度の熱風
にさらされたとき、焦げて不快な臭いを出す)。(ニ)
高温域(800℃付近)での断熱性に優れること。
(ホ)表面性状が滑らかで、粉っぽくなく、外観が良い
こと。
【0005】
【課題を解決するための手段】鋭意研究の結果、本発明
者らは、以下に説明する本発明(複数)を発明した。 (1)発明1:水と反応可能な石膏50〜70重量%、
無機軽量骨材10〜30重量%及び珪酸カルシウム10
〜30重量%を含む100重量%粉末組成物に対し、所
定量の水を添加してなる水硬化性組成物を用意する第1
工程;前記水硬化性組成物を成形型を使って成形するこ
とにより予備成形物を成形する第2工程;並びに前記予
備成形物を前記成形型から外して養生する第3工程;か
らなることを特徴とする比重が0.2〜0.85で、か
つ有機繊維を含まない、成形された耐熱性断熱部材の製
造方法。 (2)発明2:水の前記所定量が前記石膏100重量部
当たり200〜400重量部と多めであって、前記成形
型が発泡金属又は多孔質金属でできており、かつ前記成
形が真空脱水成形であり、その成形圧が0を含み、0〜
2940kPa(0〜30kgf/平方センチメート
ル)であることを特徴とする発明1記載の製造方法。 (3)発明3:水硬化性組成物をプレス成形型を使って
プレス成形することにより予備成形物を製造する方法に
おいて、前記成形型が発泡金属又は多孔質金属でできて
おり、かつ前記プレス成形が真空脱水プレス成形である
ことを特徴とする予備成形物の製造方法。 (4)発明4:前記金属がアルミニウムであり、かつ、
アルマイト化されていることを特徴とする発明2又は3
記載の製造方法。 (5)発明5:水の前記所定量が前記石膏100重量部
当たり20〜200重量部と少なめであって、前記成形
型が連続気泡を含まない通常のものであり、かつ前記成
形が大気圧下での通常のプレス成形であり、その成形圧
が9.8〜2940kPa(0.1〜30kgf/平方
センチメートル)であることを特徴とする発明1記載の
製造方法。 (6)発明6:石膏50〜70重量%、無機軽量骨材1
0〜30重量%及び珪酸カルシウム10〜30重量%を
含み、比重が0.2〜0.85で、かつ有機繊維を含ま
ない、成形された耐熱性断熱部材。 (7)発明7:石膏50〜70重量%、無機軽量骨材1
0〜30重量%及び珪酸カルシウム10〜30重量%を
含み、比重が0.2〜0.85で、かつ有機繊維を含ま
ない、電気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断熱部材。 (8)発明8:水と反応可能な石膏50〜70重量%、
無機軽量骨材10〜30重量%及び珪酸カルシウム10
〜30重量%を含む100重量%粉末組成物に対し、所
定量の水を添加してなる水硬化性組成物。 (9)発明9:発泡金属又は多孔質金属からなる、真空
脱水プレス成形用成形型。 (10)発明10:前記金属がアルミニウムであり、か
つ、アルマイト化されていることを特徴とする発明9記
載の真空脱水プレス成形用成形型。
【0006】本発明は、成形型を使った成形(機械加工
が不要)により断熱部材を製造することと、原料と組成
を工夫することで、課題(イ):製造コストと(ホ):
表面性状を解決し、原料と組成を工夫することで、課題
(ロ):軽さ=小さな比重と(ニ):高温域での断熱性
を解決し、有機繊維を使用せずとも強度が得られるよう
に原料と組成を工夫することで、課題(ハ):臭いを解
決したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を構成要件ごとに更に詳し
く説明する。 (1)石膏 水と反応可能な石膏(硫酸カルシウム)とは、半水ない
し無水石膏を指す。半水ないし無水石膏(粉末)は、水
と反応して固化し二水石膏となる。二水石膏は105〜
150℃を越えると、半水石膏に戻る。原料とする石膏
は、当然のことながら、粉末である。
【0008】(2)無機軽量骨材 無機軽量骨材としては、例えば、パーライト、バームキ
ュライト、膨張頁岩、軽石、シラスバルーン、スラグの
造粒発泡物、アルミナ中空骨材、けいそう土などが挙げ
られる。何れも粉末ないし果粒(3mm以下が好まし
い)のものを原料として使用する。
【0009】(3)珪酸カルシウム 結晶型により、トベルモライト型、ゾノトライト型、ワ
ラストライト型などがある。原料とする珪酸カルシウム
は、当然のことながら粉末である。
【0010】(4)粉末組成物 水と反応可能な石膏50〜70重量%、無機軽量骨材1
0〜30重量%、珪酸カルシウム10〜30重量%を混
ぜ合わせ、100重量%とすることで粉末組成物が得ら
れる。組成物には、上記3成分のほか、本発明の目的に
反しない限り、適宜、セメント、炭酸カルシウム、ケイ
酸マグネウシム、マイカ、砂、着色剤、無機繊維(例え
ば、セラミック繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維等)等
を添加しても良い。
【0011】(5)水硬化性組成物 水硬化性組成物には水が多めのタイプと少なめのタイプ
と2種ある。水が多めのタイプでは、石膏100重量部
当たり、200〜400重量部の水を前記粉末組成物に
添加する。水が少なめのタイプでは、石膏100重量部
当たり、20〜200重量部の水を粉末組成物に添加す
る。添加し均一に混ぜれば、水硬化性組成物が得られ
る。水が多めのタイプの場合、組成物はスラリー状であ
る。少なめのタイプの場合、組成物は粉状でパサパサで
ある。本発明の目的に反しないかぎり、水のほかに、適
宜、各種強化剤(樹脂エマルジョン系、合成ゴム系エマ
ルジョン)や、界面活性剤、粘度調整剤、硬化促進剤、
減水剤等を添加しても良い。水は石膏と反応して前記組
成物を硬化させる。反応する水は比較的僅かであるが、
水は水硬化性組成物に流動性を与え、成形性を良くし、
成形物の表面をきめ細かく、きれいにする利点があるの
で、当量より多めに混ぜる。しかし、多すぎる水は、硬
化物を乾燥させるのに時間を取らせる問題や、硬化物の
強度を低下させる問題を引き起こす。本発明では、これ
らの利点と問題との両立を図るため、2つのタイプに分
ける。
【0012】(6)真空脱水成形 水が多めの水硬化性組成物の場合、乾燥時間を短くする
ため、本発明は、特殊な成形法(真空脱水成形)を採用
する。真空脱水(プレス)成形、それ自身は、例えば、
特開2000−6120(松下電工)や同61918
(同社)、同211958(旭化成)により知られてい
る。本発明は、このとき最適な成形型である発泡金属又
は多孔質金属からなる成形型を使用する。発泡金属又は
多孔質金属からなる成形型を使用して、水の多めの水硬
化性組成物を真空脱水プレス成形することにより、予備
成形物を成形(製造)する方法は初めてであり、これも
本発明の一つを構成する。成形圧は0でも良く、0〜2
940kPa(0〜30kgf/平方センチメートル)
が好ましい。発泡金属又は多孔質金属は連通する微細空
孔を有しており、そのため、成形型を通して反応に寄与
しない多めの水を、成形中に脱水することができる。そ
のため型の周囲を真空に引く(減圧する)。真空度は一
般に133〜99,750パスカル(=1〜750mm
Hg)が適当で、なかでも39,900〜53,200
パスカル(=300〜400mmHg)が好ましい。成
形中に、ある程度水硬化反応が進み、ある程度の強度を
持った予備成形物が得られる。そのため、得られた予備
成形物は型から外したり、次の養生工程に運ぶと言った
取扱いをしても、型が崩れることはない。型を使う予備
成形はできるだけ短い方が生産性が高い。そのため、予
備成形のとき、水硬化反応を促進するため、組成物を3
0〜100℃程度に加熱してもよい。105℃を越える
と、二水石膏が半水石膏(脆い)に戻ってしまうので、
硬化しなくなる恐れがある。従って、40〜80℃が好
ましい。予備成形の時間は一般に30〜60分である。
【0013】(7)発泡金属又は多孔質金属からなる真
空脱水(プレス)成形用の成形型 これ自身新規性があり、本発明の一つを構成する。発泡
金属又は多孔質金属それ自身は知られており、前者は、
例えば、神鋼鋼線工業株式会社から商品名「アルポラ
ス」(比重0.2〜0.5)として入手可能である。後
者は粉末焼結法により入手可能であり、例えば、特開平
10−46209(エスデーシー社)に開示されてい
る。
【0014】(8)アルマイト化 ただ、素材金属がアルミニウムの場合、型としては強度
が弱い嫌いがあり、本発明者らはこれをアルマイト化し
てから真空脱水成形用の成形型とすることを発明した。
アルマイト化することで強度が大幅に向上する。従っ
て、発泡アルミニウムからなり、かつ、アルマイト化さ
れていることを特徴とする真空脱水プレス成形用の成形
型も本発明の一つを構成する。アルマイト化自身は知ら
れており、例えば、陽極酸化処理により実行することで
でき、例えば、特公平1−19479や同5−1403
3等に開示されている。
【0015】(9)プレス成形 水が少なめの水硬化性組成物の場合、特殊な成形法(真
空脱水成形)を採用せずとも、予備成形物を得る時間は
短い。この場合、連通する微細空孔を含まない通常の型
(安価)を使用することができ、また、成形も真空では
なく大気圧下での通常のプレス成形で良い(安価)。プ
レス成形(予備成形)のとき、水硬化反応を促進するた
め、組成物を30〜100℃程度好ましくは30〜40
℃に加熱してもよい。予備成形の時間は、一般に3〜6
0分である。プレス成形時のプレス圧力は、9.8〜2
940キロ・パスカル(=0.1〜30kgf/平方セ
ンチメートル)が適当である。余り高くすると、目的と
する軽い比重の部材が得られなくなる恐れがある。逆に
余り低くすると、成形物の表面性状が粗くなり粉ぽくな
るほか、場合により強度が小さい。
【0016】(10)養生 既に知られているように、予備成形物が型を長く占拠す
ることは生産性を悪くする。本発明も予備成形物が得ら
れたなら、それを型から外して養生させる。このような
養生工程自身は知られており、これにより成形物は強度
を増し、最終目的物として使用可能となる。養生工程
は、予備成形物を常温〜80℃で5〜30時間程度放置
する工程である。この常圧養生に代えて、或いはその前
又はその後に、オートクレーブ養生を行ってもよい。オ
ートクレーブ養生工程では、予備成形物を圧力:98〜
980キロ・パスカル(=1〜10kgf/平方センチ
メートル)、温度60〜100℃のオートクレーブ中に
5〜15時間放置する。
【0017】こうして、目的とする「比重が0.2〜
0.85で、かつ有機繊維を含まないでも強度のある、
成形された耐熱性断熱部材」が得られる。この後、場合
により多少の機械加工を施すことにより形状を修正して
も良い。
【0018】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明する。ここでは、実験なので複雑な形状の断熱部材
ではなく、単なる直方体(板状)の断熱部材を製造す
る。
【0019】
【実施例1】(発泡金属からなるプレス成形型)神鋼鋼
線工業株式会社製の発泡アルミニウムである商品名「ア
ルポラス」を、厚さ50mm×縦140mm×横140
mmの板状に切り出した。この板状に、深さ30mm×
縦100mm×横100mmのプール状の窪みを掘り予
備型を作成した。このとき、窪みの側壁及び底の厚みが
20mmとなるようにした。次に予備型をアルマイト化
し成形型とした。アルマイト化は、下記組成の電解浴中
に予備型を漬け、予備型を陽極に、別のアルミニウム材
を陰極につなぎ、電解浴の温度を2〜5℃とし、両極間
に電流密度5A/デシ平方メートルの定電流を約30分
間流し、予備型(発泡アルミニウム製)表面に陽極酸化
皮膜(酸化アルミニウム皮膜)を形成した。これによ
り、アルマイト化を終え強靱な成形型が得られた。成形
型は連通する微細空孔を有しており、そこを通して成形
物から水分を抜くことができる。 〔電解浴〕 ・硫酸 −−−−−−−−−180 g/リットル(処理液) ・溶存アルミニウム −−− 5 g/リットル(処理液) ・硫酸ニッケル −−−−− 5 g/リットル(処理液) ・アクリルエステル組成物 15 g/リットル(処理液) ・水 −−−−−−−−−− 残部 〔アクリルエステル組成物〕 ・ヒドロキシプロピルメタクリレート −−−−−−−68 重量% ・ネオペンチルグリコールジメタクリレート −−−−10 重量% ・ポリプロピレングリコールメタクリレート −−−−19.5重量% ・1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル −− 1 重量% ・ブチルパーオキシオクトエイト −−−−−−−−− 1 重量% ・ハイドロキノンモノメチルエーテル −−−−−−500 ppm ・ジシアンジアミド −−−−−−−−−−−−−−− 0.3重量%
【0020】
【実施例2】(通常のプレス成形型)厚さ50mm×縦
140mm×横140mmの鉄板を用意した。この鉄板
に、深さ30mm×縦100mm×横100mmのプー
ル状の窪みを掘り予備型を作成した。このとき、窪みの
側壁及び底の厚みが20mmとなるようにした。
【0021】
【実施例3〜5と比較例1】(成形)半水石膏(粉
末)、バームキュライト(果粒)、珪酸カルシウム(S
i:Caの含有比を二酸化ケイ素:CaOの重量比で表
すと、45:40のもので粉末)、それに硬化促進剤と
して、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム及び塩化ナトリ
ウムが重量比で2:2:1で混ざったものを用意した。
次に表1に示す割合(%は重量%)で上記石膏、バーム
キュライト、珪酸カルシウムをそれぞれ秤量し、他に硬
化促進剤を石膏100重量部当たり0.4重量部を秤量
し、これら4成分を均一に混ぜて粉末組成物を得た。次
に粉末組成物に、石膏100重量部当たり表1に記載の
割合(部は重量部)の水を秤量して添加し均一に混合す
ることにより、水硬化性組成物を得た。この組成物はい
ずれも水分が多く、スラリー状であった。次に実施例1
のプレス成形型(発泡)を用意し、これを一回り大きな
鉄の箱に入れ、この成形型の窪み(深さ30mm×縦1
00mm×横100mm)の中に上記水硬化性組成物を
入れ、その上に、この窪みの開口部(縦100mm×横
100mm)より僅かに小さい鉄板(厚さ約10mm)
を載せ、鉄板の上から加圧(プレス)した。そして、鉄
の箱と成形型との間を真空に引き、真空度を39,90
0〜53,200パスカル(=300〜400mmH
g)とした。また、鉄の箱を外部から加熱することで、
組成物を130℃に加熱した。その後、加圧を解き、成
形型の中の予備成形物を取り出した。そして、室温で2
4時間放置し養生した。こうして得られた成形物(断熱
部材)は、外観検査の結果、いずれも表面性状が良好
(滑らかな肌を持つ)で、しかも、爪で引っ掻いても崩
れることがなく硬かった。その後、比重、曲げ強度、断
熱性を測定した。曲げ強度は、断熱部材にとって余り重
要ではないので196kPa(2kgf/平方センチメ
ートル)あれば合格とした。断熱性については、150
0℃のガスバーナーで成形物(断熱部材)の表面を30
分加熱した後、裏面(厚さ約30mm)に手を触れ続け
ることができた場合(約40℃以下)に合格とし、そう
でない場合を不合格とした。この結果を表1に示す。
【表1】 比較例1は断熱性の点で不合格である。
【0022】
【実施例6〜8と比較例2】(成形)上記実施例と同じ
石膏、バームキュライト、珪酸カルシウム、それに硬化
促進剤を用意した。次に表2に示す割合(%は重量%)
で上記石膏、バームキュライト、シリカをそれぞれ秤量
し、他に硬化促進剤を石膏100重量部当たり0.4重
量部を秤量し、これら4成分を均一に混ぜて粉末組成物
を得た。次に粉末組成物に、石膏100重量部当たり表
1に記載の割合(部は重量部)の水を秤量して添加し均
一に混合することにより、水硬化性組成物を得た。しか
し、この組成物はいずれも水分が少なく、粉に近かっ
た。次に実施例2のプレス成形型(通常)を用意し、こ
の成形型の窪み(深さ30mm×縦100mm×横10
0mm)の中に上記水硬化性組成物を入れ、その上に、
この窪みの開口部(縦100mm×横100mm)より
僅かに小さい鉄板(厚さ約10mm)を載せ、鉄板の上
から加圧(プレス)した。このとき、成形型を外部から
加熱することで組成物を50℃に加熱した。その後、加
圧を解き、成形型の中の予備成形物を取り出した。この
予備成形物を室温で24時間放置し養生した。こうして
得られた成形物(断熱部材)は、外観検査の結果、実施
例6〜7は表面性状が良好(滑らかな肌を持つ)で、し
かも、釘で引っ掻いても傷がつかない程に硬かった。そ
れに対して、比較例2は柔らかく崩れ易く不良であっ
た。その後、実施例3〜5と同様に比重、曲げ強度、断
熱性を測定した。この結果を表2に示す。
【表2】 比較例2は表面性状及び曲げ強度の点で総合評価は不合
格である。
【0023】
【発明の効果】以上、本発明によれば、比重が0.2〜
0.85と軽く、それでいて有機繊維を含まないでも強
度があり、高温域(800℃付近)での断熱性が良好
で、800℃の熱風に長時間さらされても変化がないと
う言う優れた耐熱性を示し、表面性状も外観が美しく、
しかも所定の形状をした断熱部材が安価に製造される。
本発明の部材は、電気蓄熱暖房器用の断熱部材として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/14 (C04B 28/14 14:02 14:02 B 14:04 14:04 Z 22:08 22:08 A 22:14 22:14 A 22:12) 22:12) 103:14 103:14 111:40 111:40 (72)発明者 吾郷 利勝 大阪府豊中市上野東1丁目1番1号の14 (72)発明者 岩崎 平吉 滋賀県近江八幡市池田本町930番地の7 (72)発明者 小山 宗男 大阪府岸和田市東ヶ丘町808番地の912 Fターム(参考) 4G012 PA02 PA03 PA07 PB06 PB09 PB10 PB11 PC04 PC15 PE02 PE03 PE05 4G019 LA04 LB01 LD02 4G053 AA07 CA04 CA16 EB01 EB16 4G054 AA02 BA22 BA38 (54)【発明の名称】 成形された耐熱性断熱部材の製造方法、予備成形物の製造方法、成形された耐熱性断熱部材、電 気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断熱部材、それに使用される水硬化性組成物及び真空脱水プ レス成形用成形型

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と反応可能な石膏50〜70重量%、無
    機軽量骨材10〜30重量%及び珪酸カルシウム10〜
    30重量%を含む100重量%粉末組成物に対し、所定
    量の水を添加してなる水硬化性組成物を用意する第1工
    程;前記水硬化性組成物を成形型を使って成形すること
    により予備成形物を成形する第2工程;並びに前記予備
    成形物を前記成形型から外して養生する第3工程;から
    なることを特徴とする比重が0.2〜0.85で、かつ
    有機繊維を含まない、成形された耐熱性断熱部材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 水の前記所定量が前記石膏100重量部
    当たり200〜400重量部と多めであって、前記成形
    型が発泡金属又は多孔質金属でできており、かつ前記成
    形が真空脱水成形であり、その成形圧が0を含み、0〜
    2940kPa(0〜30kgf/平方センチメート
    ル)であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水硬化性組成物をプレス成形型を使って
    プレス成形することにより予備成形物を製造する方法に
    おいて、 前記成形型が発泡金属又は多孔質金属でできており、か
    つ前記プレス成形が真空脱水プレス成形であることを特
    徴とする予備成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属がアルミニウムであり、かつ、
    アルマイト化されていることを特徴とする請求項2又は
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水の前記所定量が前記石膏100重量部
    当たり20〜200重量部と少なめであって、前記成形
    型が連続気泡を含まない通常のものであり、かつ前記成
    形が大気圧下での通常のプレス成形であり、その成形圧
    が9.8〜2940kPa(0.1〜30kgf/平方
    センチメートル)であることを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 石膏50〜70重量%、無機軽量骨材1
    0〜30重量%及び珪酸カルシウム10〜30重量%を
    含み、比重が0.2〜0.85で、かつ有機繊維を含ま
    ない、成形された耐熱性断熱部材。
  7. 【請求項7】 石膏50〜70重量%、無機軽量骨材1
    0〜30重量%及び珪酸カルシウム10〜30重量%を
    含み、比重が0.2〜0.85で、かつ有機繊維を含ま
    ない、電気蓄熱暖房器用の成形された耐熱性断熱部材。
  8. 【請求項8】 水と反応可能な石膏50〜70重量%、
    無機軽量骨材10〜30重量%及び珪酸カルシウム10
    〜30重量%を含む100重量%粉末組成物に対し、所
    定量の水を添加してなる水硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 発泡金属又は多孔質金属からなる、真空
    脱水プレス成形用成形型。
  10. 【請求項10】 前記金属がアルミニウムであり、か
    つ、アルマイト化されていることを特徴とする請求項9
    記載の真空脱水プレス成形用成形型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017536996A (ja) * 2014-11-03 2017-12-14 クィリッツ ホールディングス ゲーエムベーハー 成形絶縁部品の製造方法、該方法により製造された成形絶縁部品、及び該方法を利用する成形絶縁部品を製造するための鋳型
CN112341115A (zh) * 2020-10-21 2021-02-09 中国地质大学(武汉) 一种利用磷石膏制备无纸面无纤维高强石膏板的方法

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