JP2002113829A - 高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート - Google Patents

高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート

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JP2002113829A JP2001146922A JP2001146922A JP2002113829A JP 2002113829 A JP2002113829 A JP 2002113829A JP 2001146922 A JP2001146922 A JP 2001146922A JP 2001146922 A JP2001146922 A JP 2001146922A JP 2002113829 A JP2002113829 A JP 2002113829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、耐久性、高周波融着性に優れ、かつ
良好な湿度バリヤー性を示し得る、基布/ポリオレフィ
ン樹脂ブレンドフィルム積層シートの提供。 【解決手段】 基布両面に、(i)メタロセン触媒を用
いてエチレンとC3 〜C 18α−オレフィンとを共重合し
て得た直鎖状低密度ポリエチレン共重合体樹脂と、(i
i)エチレンと、酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸
(エステル)から選ばれた共重合成分との共重合体樹脂
と、のブレンドを含むポリオレフィン樹脂ブレンド系組
成物のフィルムを積層して得られ、前記フィルム中の前
記共重合成分の合計含有量が5〜30重量%であり、フ
ィルムの密度が0.913〜0.938g/cm3 であ
り、必要により透湿度(JIS Z 0208)が10
g/m2 ・24時間以下の、高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブルコンテ
ナ、オイルフェンス、簡易水槽、スポーツ用着地マット
などの用途に用いられる軟質のポリオレフィン系樹脂ラ
ミネートシートに関する。本発明は、繊維布帛の両面に
柔軟性、機械的特性を有する特定のポリオレフィン系樹
脂フィルムを積層して得られる高周波融着可能なポリオ
レフィン系樹脂シートに関し、また高周波融着部の破壊
強度と耐熱クリープ性に優れたポリオレフィン系樹脂シ
ートに関し、さらに、湿度バリヤー性に優れたポリオレ
フィン系樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルコンテナ、オイルフ
ェンス、簡易水槽、スポーツ用着地マットなどの用途で
は軟質のポリ塩化ビニル樹脂製のシートを高周波融着し
て縫製されたものが使用されている。ポリ塩化ビニル樹
脂は柔軟かつ強靱で、透明性、加工性、コスト性に優れ
た合成樹脂材料として、これ以外の多岐分野においても
広く使用されている。しかし最近、ポリ塩化ビニル樹脂
製品の廃棄時、特に焼却処理に対してはダイオキシン発
生抑制の観点からポリ塩化ビニル樹脂製品を含めた全て
の合成樹脂製品を無闇に燃やす行為が考え直されてい
る。また、埋立て廃棄の場合にはポリ塩化ビニル樹脂の
可塑剤に用いられる事例の多いフタル酸エステル類に環
境ホルモン物質の疑いが持たれており、地下水系への混
入が危惧されている。こうした環境負荷に対する関心が
高まり、特にライフサイクルの短いポリ塩化ビニル樹脂
に対しては他の合成樹脂に置き換える動きが活発化し、
更に、リサイクルが容易な合成樹脂製品が望まれるよう
になっている。
【0003】現在、環境負荷因子の少ない汎用性の合成
樹脂としてポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン樹脂が注目されている。一般にポリオレフィン
樹脂は高結晶性ポリマーであるためシート状に成型した
時の風合いが硬くなり、折りたたみが困難であると同時
に、無理な折りたたみによってポリオレフィン系樹脂の
持つ降伏値を超えていまい、その結果、折り曲げ部に皺
痕を残し、自然回復し難い欠点がある。
【0004】このため例えば、従来のフレキシブルコン
テナをポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂仕様に
変えた場合には風合いが剛直となり、高度の柔軟性が要
求されるフレキシブルコンテナには硬すぎて実用に不適
切な樹脂材料であった。
【0005】これらの高結晶性ポリオレフィン樹脂の柔
軟化にはエチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレ
ン−プロピレン−共役ジエン系ゴム(EPDM)などの
非結晶ゴム成分をポリマーアロイ化する方法、又はこれ
らのポリマーアロイ樹脂に更にパラフィン系オイルなど
の軟化剤を添加する方法などが挙げられるが、この様な
結晶化度のことなる樹脂ブレンド系では結晶部と非結晶
部とで極端な海島構造を形成し、樹脂の機械的強度、中
でも特に引裂強度を極端に低下させる欠点がある。
【0006】また結晶性の低いポリオレフィン系樹脂が
着目され、例えばエチレンとα−オレフィンとをチーグ
ラー・ナッタ系触媒存在下でイオン重合して得られるエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂を用いた場合に
は、α−オレフィン分岐構造によって低密度化して柔軟
性が向上する。しかしチーグラー・ナッタ系触媒存在下
で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂は分子量分布が広く、高分子量に成長した高密度
成分と重合が途中で停止した低分子量の低密度成分を含
んでいて、特に高密度成分の結晶化が速く進行し、低分
子成分を結晶核外に排除する傾向が強く、そのため成型
物の表面に低分子量のベタつき成分をブリードさせる欠
点がある。このベタつき成分は汚れの原因となり好まし
いものではない。
【0007】一方、結晶性の低いポリオレフィン系樹脂
として、例えばエチレンと極性の酢酸ビニルとをラジカ
ル重合して得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
を用いた場合には、酢酸ビニルモノマー仕込比の増大に
より柔軟性を増すが、その反面、低い結晶性に由来して
湿度バリヤー性に劣り、水周り用途に適さないばかり
か、樹脂強度と耐摩耗強度を悪くするため、フレキシブ
ルコンテナ用、オイルフェンス用、簡易水槽用シートと
して十分な実用性が得られないという問題点がある。ま
た、例えばエチレンモノマーと極性のアクリル酸モノマ
ーとをラジカル重合して得られるエチレン−アクリル酸
系共重合体樹脂を用いた場合には、同様にアクリル酸モ
ノマー仕込比の増大の場合にのみ優れた柔軟性を得るこ
とが可能であるか、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
の場合よりも更に樹脂強度に乏しく、ブロッキングを著
しいものとする欠点がある。
【0008】このためエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂及び、エチレン−アクリル酸系共重合体樹脂にポリエ
チレンやエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂をブレ
ンドして樹脂強度の改善を図ったり、あるいはポリエチ
レンやエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂に高周波
融着性を付与する目的で極性成分を有するエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂または、エチレン−アクリル酸系
共重合体樹脂などをブレンドすることが汎用的に行われ
ている。しかし、これらの場合においても、ポリエチレ
ンまたは、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂に含
まれる低分子成分が経時的に成型品の表面にブリードし
て、ベタつきの原因となるのみならず、屋外使用時には
曝露汚れの原因となるという大きな問題を残している。
【0009】また一方で、極性成分を有するエチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂及び、エチレン−アクリル系共
重合体樹脂を中間層として、その表裏にポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体樹
脂などからなる薄肉の耐摩耗オレフィン系樹脂層を有す
る多層構造のフィルムが提案されていている。確かにこ
れらの多層構造のオレフィン系樹脂フィルムは透明性と
柔軟性に優れているが、共押出しT−ダイ法、あるいは
共押出しインフレーション法により各層樹脂の吐出比
と、延伸技術によって製造されるため、各層の厚み制御
が困難であり、従って中間層の厚みにバラツキを生じ易
く、高周波融着条件が安定しない欠点と、フィルムの最
外層に無極性のポリオレフィン層を有することで高周波
融着性が悪い欠点がある。また、これらの多層構造フィ
ルムは製造方法の制約が大きく、例えば着色種、添加剤
種の異なる小ロット多品種の対応には樹脂替えのコンパ
ウンドロスが大きく非合理である。
【0010】また更に、従来のフレキシブルコンテナ用
のシートとして、ポリオレフィン系樹脂組成物、特にエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂から製造され、高周波
融着製袋されたフレキシブルコンテナは、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製のフレキシブルコンテナに比べて接合部の
耐熱クリープ性に劣るため、50℃以上の原料を充填し
た時にコンテナ底部の縫製部が軟弱化して底抜け破壊す
る欠点がある。この縫製部の破壊は繊維布帛とエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルムとの実質的な接着性
の悪さにも起因しているため、この接着性の根本的改善
を目的として繊維布帛に対する熱可塑性樹脂接着剤の塗
布を検討した結果、ポリオレフィン系樹脂フィルムと良
好な接着性を付与させるには、繊維布帛に接着下処理を
行い、さらにポリオレフィン系樹脂フィルムの貼着面に
は特殊プライマーと接着剤の2種類の塗工剤の塗布を必
要とする煩雑な製造工程となった。この方法ではシート
の風合いが硬くなると同時に、引裂強度が低下するなど
悪影響が多く、現実性に乏しい方法であった。
【0011】また最近ではメタロセン系均一触媒によっ
て重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂の
応用が活発化してきているが、メタロセン系触媒重合エ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂は分子量分布が狭
く、結晶ラメラ構造が均一で薄いため融点が従来のエチ
レン−α−オレフィン共重合体樹脂に比べて5〜10℃
程度低い特徴を有している。この低融点化は、耐熱強度
の向上が要求されているフレキシブルコンテナ用途にお
いては好ましいことではない。従って従来のポリ塩化ビ
ニル樹脂製のフレキシブルコンテナ、オイルフェンス、
簡易水槽、スポーツ用着地マットの代替えとして、十分
な柔軟な風合いと耐久性と、高い湿度バリヤー性とを有
し、かつ高周波融着が容易に可能であるポリオレフィン
系樹脂製シート、そして更に高周波融着部の破壊強度と
耐熱クリープ性に優れたポリオレフィン系樹脂シートの
開発が強く望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の課題であった、フレキシブルコンテナ、オイルフェン
ス、簡易水槽、スポーツ用着地マットなどの用途に適
し、十分な柔軟な風合いと優れた湿度バリヤー性、及び
耐久性を有し、かつ高周波融着可能であるポリオレフィ
ン系樹脂製シート及び、高周波融着部の破壊強度と耐熱
クリープ性に優れたポリオレフィン系樹脂シートを提供
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく研究、検討を重ねた結果、メタロセン系触媒の
存在下でエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと
を共重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレンを主成
分とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び/又は
エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹
脂をブレンド成分として含み、かつ、酢酸ビニル成分と
(メタ)アクリル酸(エステル)成分の合計含有量が5
〜30重量%であり、密度が0.913〜0.938g
/cm3 のポリオレフィン系樹脂ブレンド系組成物からな
る特定の配合のフィルム層を、繊維布帛の両面に積層し
て得られるシートが良好な高周波融着性を有しているこ
と、さらに繊維布帛を特定のケイ素化合物含有組成物を
用いて前処理することにより、得られるシートの風合い
柔軟に維持し、かつ引裂強度を低下させることなくポリ
オレフィン系樹脂フィルムと繊維布帛との接着性を改善
し、また高周波融着部の破壊強度と耐熱クリープ性に優
れることを見いだして本発明を完成させるに至った。本
発明のポリオレフィン系樹脂シートは、10g/m2
24時間以下の透湿度(JIS Z 0208による)
を有することが好ましく、それにより高い湿度バリヤー
性を示し、水まわり用途に好適に用いることができる。
【0014】すなわち、本発明の高周波融着性ポリオレ
フィン系樹脂シートは、繊維布帛の両面に、メタロセン
系触媒の存在下でエチレンと炭素数3〜18のα−オレ
フィンとを共重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレ
ンからなる主成分と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂及び/又はエチレン−(メタ)アクリル酸(エステ
ル)共重合体樹脂からなるブレンド成分を含むものであ
って、このブレンド成分中のエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂に含有される酢酸ビニル成分と、エチレン−
(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂に含有さ
れる(メタ)アクリル酸(エステル)成分の合計量が、
前記主成分及びブレンド成分の合計量に対して、5〜3
0重量%であり、密度が0.913〜0.938g/cm
2 の、ポリオレフィン系樹脂ブレンドからなるフィルム
層を積層して形成されていることを特徴とするものであ
る。本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート
は、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドからなるフィル
ム層が、合成非晶質シリカを3〜20重量%含有するこ
とが好ましい。本発明の高周波融着性ポリオレフィン系
樹脂シートにおいて、前記繊維布帛が、ケイ素化合物含
有組成物によって前処理されていることが好ましい。本
発明の高周波融着性ポリオレフィン性樹脂シートにおい
て、前記ケイ素化合物含有組成物に含まれるケイ素化合
物が、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、シランカ
ップリング剤から選ばれた1種以上であることが好まし
い。本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート
において、前記繊維布帛がフィラメント糸条からなる空
隙率が5〜40%であることが好ましい。本発明の高周
波融着性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記メ
タロセン系触媒がシクロペンタジエニル誘導体または、
インデニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物とアル
キルアルミノキサンとを含むことが好ましい。本発明の
高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シートの透湿度(J
IS Z 0208による)が10g/m2 ・24時間
以下であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の高周波融着性ポリオレフ
ィン系樹脂シートは、メタロセン系触媒の存在下でエチ
レンと炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して
得られる直鎖状低密度ポリエチレンからなる主成分と、
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び/又はエチレン−
(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂からなる
ブレンド成分とを含み、かつ前記ブレンド成分中のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂に含有される酢酸ビニル
成分と、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共
重合樹脂に含有される(メタ)アクリル酸(エステル)
成分の合計量が、前記主成分及びブレンド成分の合計量
に対して、5〜30重量%であり、密度が0.913〜
0.938g/cm3 のポリオレフィン系樹脂ブレンドか
らなるフィルム層を繊維布帛の両面に積層して形成され
ている。または合成非晶質シリカを3〜20重量%含有
する前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層が繊
維布帛の両面に積層して形成されていてもよい。さらに
繊維布帛はケイ素化合物含有組成物により前処理がされ
ていてもよい。さらに、前記ポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドからなるフィルムの透湿度(JIS Z 020
8)は、10g/m2 ・24時間以下であることが好ま
しく、さらに好ましい透湿度は6g/m2 ・24時間以
下であり、さらに本発明の高周波融着性ポリオレフィン
系樹脂シートは、上記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルムを繊維布帛の両面に積層したシートの透湿度(J
IS Z 0208)が、10g/m2 ・24時間以下
であることが好ましく、さらに透湿度が6g/m2 ・2
4時間以下であることが好ましい。
【0016】ここで(メタ)アクリル酸(エステル)と
は、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸エステルを包含するものである。
【0017】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層に使用され
るポリオレフィン系共重合体樹脂としては、メタロセン
系触媒の存在下でエチレンと炭素数3〜18のα−オレ
フィンとを共重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレ
ンであるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が好ま
しい。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、エチ
レンモノマーと炭素数3〜18のα−オレフィンモノマ
ーをメタロセン系均一触媒の存在下、気相法、スラリー
液相法、または高圧法によって重合することにより得ら
れ、α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテ
ン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、テ
トラデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−
1、オクタデセン−1などが用いられるが、炭素数4〜
10のα−オレフィンが好ましい。また、これらのα−
オレフィンを1種または2種以上用いてエチレンモノマ
ーと共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重
合体樹脂を使用してもよい。これらのエチレン−α−オ
レフィン共重合体樹脂の密度は、0.880〜0.93
5g/cm3 であることが好ましく、さらに好ましい密度
範囲は0.890〜0.925g/cm3 である。
【0018】これらのエチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂は、1種のみならず、2種以上のエチレン−α−
オレフィン共重合体樹脂をブレンドして併用することも
でき、これらのエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
及び、ブレンド併用組成物のメルトインデックスは、
0.3〜20g/10min のものが本発明に適して使用
できる。メルトインデックスが、0.3g/10min 未
満であると本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹脂
シートの成形加工が極めて困難になり望ましくなく、2
0g/10min よりも高いと高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂膜材の強度及び耐熱性が劣るだけでなく、粘着
性を増してブロッキングを生じるため好ましくない。
【0019】本発明に使用するエチレン−α−オレフィ
ン共重合体樹脂の重合に使用できるメタロセン系触媒と
しては、シクロペンタジエニル誘導体、またはインデニ
ル誘導体を含有する有機遷移金属化合物が好ましく使用
できる。シクロペンタジエニル誘導体、またはインデニ
ル誘導体を含有する有機遷移金属化合物の遷移金属とし
ては、原子周期律表第IVB族から選ばれる、例えばジル
コニウム、チタニウム、ハフニウムであることが好まし
い。シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金
属化合物の具体例としては、ビス(n−プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1
−メチル−3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、1−メチル−1エチリデン
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,
4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウム
ジクロライドなどが例示できる。インデニル誘導体を含
有する有機遷移金属化合物の具体例としてはエチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、1,2−エチレンビス(テトラヒドロインデニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニ
ウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデ
ニル)ハフニウムジクロライド、などが例示できる。前
者のシクロペンタジエニル誘導体を含有するメタロセン
系触媒はシンジオタクシティが高く、また後者のインデ
ニル誘導体を含有するメタロセン系触媒はアイソタクシ
ティが高く、これらのメタロセン系触媒を使い分けるこ
とによってエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂の立
体規則性をコントロールして得ることができる。
【0020】また本発明に使用するエチレン−α−オレ
フィン共重合体樹脂の重合にはメタロセン系触媒の助触
媒としてアルキルアルミノキサンを併用することが重合
の活性効率の観点で好ましい。上記アルキルアルミノキ
サンとしてはメチルアルミノキサン、エチルアルミノキ
サン、イソブチルアルミノキサンなどが例示でき、例え
ば、アルキルアルミノキサンはトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウムと
水との縮合によって得られる−(Al(CH3 )−O
−)n −縮合物が使用できる。アルキルアルミノキサン
はメタロセン系触媒に対して金属原子数比(アルミニウ
ム原子/メタロセン系触媒の遷移金属原子)が100〜
1000であることが好ましく、また重合系内に使用さ
れるメタロセン系触媒量としては重合容積1リットルに
対して1×10-8〜1×10-3グラム原子の量で使用さ
れることが好ましい。また、必要に応じて重合活性を高
める目的で、従来公知のプロトン酸、ルイス酸、ルイス
酸性化合物を併用しても良い。プロトン酸、ルイス酸、
ルイス酸性化合物に特に限定はないが、ホウ素系化合物
が好ましく使用できる。
【0021】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層に使用でき
るエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び、エチレン−
(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂として
は、ラジカル重合法により製造された共重合体樹脂が使
用できる。エチレンモノマーとラジカル重合し得るモノ
マーとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸など
の不飽和カルボン酸、及びそのエステル化物や酸無水物
が挙げられる。不飽和カルボン酸のエステル化物として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げ
られる。これらのモノマーは、1種のみならず2種以上
用いることができる。また具体的には、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂としては、エチレンモノマーと酢酸
ビニルモノマーとの重合によって得られるもの、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂とし
ては、エチレンモノマーとアクリル酸モノマーとの重合
によって得られるエチレン−アクリル酸共重合体樹脂、
エチレンモノマーとアクリル酸エステルモノマーとの重
合によって得られるエチレン−アクリル酸エステル共重
合体樹脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸モノマー
との重合によって得られるエチレン−メタアクリル酸共
重合体樹脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸エステ
ルモノマーとの重合によって得られるエチレン−メタア
クリル酸エステル共重合体樹脂など、及びこれらの2種
類以上の混合物が挙げられる。
【0022】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層に使用され
るポリオレフィン系共重合体樹脂として好ましくは、酢
酸ビニル成分含有量が5〜60重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂もしくは、(メタ)アクリル酸(エス
テル)成分含有量が5〜60重量%のエチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂、または、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂と(メタ)アクリル酸(エ
ステル)共重合樹脂との重量比100:1〜1:100
のブレンド物によって得られる酢酸ビニル成分と(メ
タ)アクリル酸(エステル)成分の合計量として5〜6
0重量%を含有するポリオレフィン系樹脂共重合体組成
物であることが好ましい。これらのポリオレフィン系共
重合体樹脂のメルトインデックスは、0.3〜20g/
10min のものが本発明に適して使用できる。メルトイ
ンデックスが、0.3g/10min 未満であると本発明
の高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シートの成形加工
が極めて困難になり望ましくなく、20g/10min よ
りも高いと高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シートの
強度及び耐熱性が劣るだけでなく、粘着性を増してブロ
ッキングを生ずるため好ましくない。
【0023】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層は、前記エ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂と、上記ポリオレ
フィン系共重合体樹脂のブレンドにおいて重量比10
0:10〜100:100のブレンド物によって得られ
るポリオレフィン系樹脂ブレンド組成物であって、この
ポリオレフィン系樹脂ブレンド組成物に酢酸ビニル成分
と、(メタ)アクリル酸(エステル)成分の合計量とし
て5〜30重量%を含有することが好ましい。エチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂とポリオレフィン系共重
合体樹脂のブレンドにおいて重量比が100:10未
満、すなわちポリオレフィン系共重合体樹脂ブレンド比
が10未満だと、得られるポリオレフィン系樹脂シート
の高周波融着性が不十分となり好ましくなく、また10
0:100を越えるブレンド重量比、すなわちポリオレ
フィン系共重合体樹脂ブレンド比が100を越えると、
得られるポリオレフィン系樹脂シートの強度及が不十分
となり好ましくなく、また、湿度バリヤー性が不十分に
なることがある。また同時にポリオレフィン系樹脂ブレ
ンド層に含まれる酢酸ビニル成分と、(メタ)アクリル
酸(エステル)成分の合計量が5重量%未満だと得られ
るポリオレフィン系樹脂膜材の高周波融着性が不十分と
なり好ましくなく、30重量%を越えると得られるポリ
オレフィン系樹脂シートの強度及び耐熱クリープ性が不
十分となり好ましくなく、また、湿度バリヤー性が不十
分になることがある。
【0024】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層に使用され
るエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂と、ポリオレ
フィン系共重合体樹脂の上記ブレンド組成物の密度は
0.913〜0.938g/cm 3 であることが好まし
く、特に0.916〜0.933g/cm3 の範囲である
ことが好ましい。密度が0.938g/cm3 を越えると
結晶化度が大きくなると同時に風合いが硬くなり、また
フィルムが乳濁化して良好な着色発色性が得らなくな
る。また密度が0.913g/cm3 未満では、柔軟性は
良好に得られるが、フィルム強度と耐熱性が低下して十
分な摩耗強度が得られなくなり、また高周波融着性を悪
くするため好ましくない。本発明の高周波融着性ポリオ
レフィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド
層には、その他のメタロセン系触媒ポリオレフィン系樹
脂として、メタロセン触媒の存在下、プロピレンモノマ
ーの自己重合によって得られるアイソタクティックポリ
プロピレン樹脂、あるいはシンジオタクティックポリプ
ロピレン樹脂を耐衝撃強度改善及び樹脂摩耗強度の改善
などの目的で5〜10重量%程度を使用することもでき
る。
【0025】また、本発明の高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層には
合成非晶質シリカを3〜20重量%含んでいても良い。
合成非晶質シリカ(二酸化ケイ素)としては、ケイ酸ソ
ーダと鉱酸(硫酸)及び塩類を、水溶液中で反応させる
湿式法によって得られる合成非晶質シリカを使用するこ
とが好ましい。この合成非晶質シリカは、シリカ表面の
シラノール基(Si−OH基)に水素結合で結合する水
分と、シラノール基自体が含有する水酸基として存在す
る水分を結合水分として有するため含水シリカとして、
シリカの他の乾式合成法やエアロゲル合成法によって得
られる水分含有率の極めて少ない無水シリカと区別され
るものである。本発明の高周波融着性ポリオレフィン系
樹脂シートにおいて、ポリオレフィン系樹脂ブレンド層
形成用コンパウンドに配合して用いられる合成非晶質シ
リカの平均凝集粒径としては、特に制約はないが、平均
凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μmのも
の、好ましくは2〜10μmの合成非晶質シリカを用い
ることができる。また、合成非晶質シリカの含水率とし
ては、3〜15重量%のもの、好ましくは5〜10重量
%の合成非晶質含水シリカを用いることができる。合成
非晶質シリカの配合量が3重量%より少ないと、得られ
るポリオレフィン系樹脂シートの融着接合体の耐熱破壊
強度が不十分となることがあり、また合成非晶質シリカ
の配合量が20重量%を超えると、ポリオレフィン系樹
脂ブレンド層フィルムの成型流動性を悪くして加工が困
難となり、また、得られるポリオレフィン系樹脂シート
のフィルム強度を著しく低下させ、十分な接合部強度が
得られなくなる。本発明の高周波融着性ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド層は上記
合成非晶質シリカを3〜25重量%含ませることによっ
て、より高周波融着性を容易とし、さらに融着接合体の
耐熱クリープ性を向上させることができる。
【0026】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
は、有機系顔料及び/又は無機系顔料によって着色され
たものが使用できる。有機系顔料としては従来公知のも
のが使用でき、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系
顔料、染付けレーキ顔料、アントラキノン系顔料類、チ
オインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインド
リノン系顔料、キノフタロン系顔料など、その他ニトロ
ソ顔料、アリザリンレーキ顔料、金属錯塩アゾメチン顔
料、アニリン系顔料などが例示できる。また無機系顔料
としては例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ル
チル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄、
酸化鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム、スピネル型
(XY24 )構造酸化物、ルチル型〔Ti(XY)O
2 〕構造酸化物などの金属酸化物、硫化亜鉛と硫酸バリ
ウムの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化亜鉛
などの金属硫化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫
酸鉛などの金属硫酸化物、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛
白)などの金属炭酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウ
ムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)、水酸化アル
ミニウムと硫酸バリウムの複合物(グロスホワイト)な
どの金属水酸化物、クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸バリ
ウムなどのクロム酸金属塩、その他カーボンブラック、
チタンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ホワイト
カーボン、ケイ藻土、タルク、クレー、アルミニウム粉
末、着色アルミニウム粉末、金属蒸着フィルムの破砕
体、銀白色雲母チタン、着色雲母チタン、二色性干渉雲
母チタンなどが例示できる。これらの顔料は2種以上を
組み合わせて使用でき、添加量に制限はない。また、表
裏のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の着色が
異なった組み合わせであっても良い。
【0027】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層に
は必要に応じて添加剤を配合して用いることができる。
特にポリオレフィン系樹脂の耐久性を向上させる目的で
紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加するこ
とが好ましい。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系及び、アニリ
ド系の紫外線吸収剤が挙げられ、酸化防止剤としてはヒ
ンダードフェノール系、アミン系、及びフォスファイト
系の酸化防止剤が挙げられる。また光安定剤としてはヒ
ンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。その他フィ
ルム成型時の加工性を向上させる目的でリン酸エステル
系、脂肪族アミド系、モンタン酸系の滑剤を添加するこ
とが好ましい。
【0028】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムは、
従来公知の成型加工方法、例えばT−ダイス押出法、イ
ンフレーション法、カレンダー法などによって加工する
ことができる。ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
のコンパウンドは、公知の方法、例えば、バンバリーミ
キサー、ニーダー、二軸混練機などを用いて溶融混練
後、単軸押出機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方
法、さらには、この造粒コンパウンドに単軸押出機、二
軸押出機などで有機系顔料、無機系顔料、光輝性顔料な
どの着色剤、及び各種添加剤を溶融混合造粒した高濃度
のマスターバッチを作製しておき、タンブラーブレンダ
ー、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーのような混
合機を用いてドライブレンドし、混合後、更に単軸押出
機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方法を採用する
事ができる。
【0029】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムは、
上記コンパウンドを用いてT−ダイ押出法、インフレー
ション法、カレンダー法などの加工技術によって製造す
ることができるが、特に有機系顔料、無機系顔料などに
よって着色されたフィルムの製造、あるいは色替え作業
の多い加工には、カレンダー法がコンパウンドロスが少
なく簡便で適している。本発明の高周波融着性ポリオレ
フィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルムはカレンダー法によって100〜200℃の温度
範囲でフィルムの成型加工を行うのが好ましい。カレン
ダー加工するポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの
厚みは、80〜500μm、特に130〜300μmで
あることが好ましい。厚みがこの範囲よりも薄いと成型
加工が困難な上に繊維布帛にラミネートした時に繊維布
帛の織交点部でフィルムの頭切れを起こし、防水性を損
なうでけでなく、シートの耐久性を悪くする。本発明の
高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シートの厚みに制限
はないが、80〜500μmのポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルムを1〜4枚用いて繊維布帛とラミネート
することが好ましい。特に130〜300μmのフィル
ムを2枚用いて繊維布帛の両面にポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層が形成されるものが好ましい。
【0030】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートに使用できる繊維布帛としては、織布、編布の
いずれでもよく、織布としては平織、綾織、繻子織など
が挙げられるが、特に平織織布が得られるポリオレフィ
ン系樹脂シートの経・緯物性バランスに優れるため好ま
しい。繊維布帛の経糸・緯糸の糸条は合成繊維、天然繊
維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2種以上から
成る混用繊維のいずれによって製織されても良いが、加
工性と汎用性を考慮するとポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、芳香族
ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊
維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維などの糸条が好ま
しく使用できる。また、これらの繊維糸条は、マルチフ
ィラメント糸条、短繊維紡績糸条、モノフィラメント糸
条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形
状でも使用できるが、マルチフィラメント糸条が最も好
ましい。また無機繊維としてはガラス繊維、シリカ繊
維、アルミナ繊維、炭素繊維などのマルチフィラメント
糸条が使用できる。本発明の高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂シートに使用される繊維織布としては、ポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニ
ロン繊維、及びこれらの混用繊維からなるマルチフィラ
メント繊維糸条による平織織布であることが好ましい。
【0031】マルチフィラメント糸条の紡糸法として
は、上記ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなど
の熱可塑性樹脂を溶融温度(融点)以上の温度に加熱し
て流動性の粘重な溶融液化し、これを特定の口径(0.
2〜0.6mmφ程度)の細孔を多数有する紡糸口金を通
過させて空気、窒素、水などの不活性冷却媒体中に押出
して急激に冷却固化させて長繊維紡糸原糸とする従来公
知の溶融紡糸法及び設備を用いて製造する方法が挙げら
れる。この未延伸の長繊維紡糸原糸は80〜100℃の
加熱延伸、または常温近傍の冷延伸によって3.0〜
5.0倍に延伸し、繊維のミクロ構造を配列、結晶化さ
せて繊維に強度を持たせることができる。この延伸工程
は紡糸工程に組み込まれていても良く、また、延伸工程
とマルチフィラメントの撚糸工程が同時に行われること
が好ましい。更に必要に応じて熱処理2段延伸がされて
いても良い。これらの溶融紡糸速度は使用する熱可塑性
樹脂の種類と設備により紡糸速度が各々異なるため、特
に規定はないが、例えばポリエステル樹脂から溶融紡糸
する場合の紡糸速度としては、1000〜10000m
/min 、特に2000〜6000m/min の速度で紡糸
されたものが好ましく使用できる。
【0032】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートの繊維布帛に使用されるマルチフィラメント糸
条としては125〜2000デニールのもの、特に25
0〜1000デニールのマルチフィラメント糸条が使用
できる。マルチフィラメント糸条が125デニール未満
では得られるシートの引裂強力に劣り、また2000デ
ニールを超えると破断強力及び引裂強力は向上するが、
糸の径が太くなりそれに伴って、シートが厚くなると同
時に、繊維布帛の織交点の凹凸が大きくなり平滑性に劣
り好ましくない。また本発明の高周波融着性ポリオレフ
ィン系樹脂シートに使用する繊維布帛は目抜け平織であ
ることが好ましい。繊維布帛の経糸及び緯糸の打込み本
数に特に限定はないが、125〜2000デニールのマ
ルチフィラメント糸条を、経糸・緯糸1インチ当たり8
〜38本打込んで得られる織布、例えば500デニール
のマルチフィラメント糸条の場合1インチ当たり14〜
24本打ち込み本数で得られる平織織布、1000デニ
ールのマルチフィラメント糸条の場合1インチ当たり1
2〜22本程度の打込みで得られる平織織布が例示でき
る。
【0033】また、本発明の高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂シートの繊維布帛は3軸織物及び、4軸織物を
使用することもできる。3軸織物としては上記マルチフ
ィラメント糸条から選ばれた3本の糸条から構成され、
互いの糸条の交差角が60°となるように製織された織
布が挙げられる。3軸織物としては経糸と2本のバイア
ス(斜)糸から構成された織布が加工方向の織組織の安
定性が高く好ましい。また4軸織物としては上記マルチ
フィラメント糸条から選ばれた4本の糸条から構成さ
れ、互いに直交する経糸と緯糸とを含み、さらに経糸と
緯糸とに45°の角度で交差する2本のバイアス糸とを
含んで製織された織布が挙げられる。これら3軸織物及
び、4軸織物による繊維布帛の経糸、(緯糸)、バイア
ス糸の打込み本数に特に限定はないが、125〜200
0デニールのマルチフィラメント糸条を経糸、(緯
糸)、バイアス糸を1インチ当たり8〜38本打込んで
得られる織布、例えば500デニールのマルチフィラメ
ント糸条の場合1インチ当たり10〜24本の打ち込み
本数で得られる3軸織物または4軸織物、1000デニ
ールのマルチフィラメント糸条の場合1インチ当たり8
〜22本程度の打込み本数で得られる3軸織物または4
軸織物が例示できる。
【0034】また、これらの繊維布帛の空隙率(目抜
け)は、5〜40%のものが好ましく適している。空隙
率が5%未満だと糸密度が込みすぎて得られるシートの
フレキシブル性に劣り、また繊維布帛の表裏面に形成さ
れる2枚のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム相互
のブリッジ融着性を低下させ、動的耐久性を悪くするた
め好ましくない。また、空隙率が40%を越えるとフレ
キシブル性とフィルムのブリッジ融着性は向上するが、
経緯方向の繊維糸条の含有量が少なくなりすぎて得られ
るシートの寸法安定性に劣るだけでなく、シートの引裂
き強度が低下するため実用性に欠けるものとなり好まし
くない。空隙率は繊維布帛の単位面積中に占める繊維糸
条の面積を百分率として求め、100から差し引いた値
として求めることができる。空隙率は経方向10cm×緯
方向10cmを単位面積として求めることが好ましい。
【0035】また、本発明の高周波融着性ポリオレフィ
ン系樹脂シートに使用する繊維布帛としてはケイ素化合
物含有組成物によって前処理された繊維布帛を使用して
も良い。ケイ素化合物含有組成物としては、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、シランカップリング剤から
選ばれた1種以上からなる組成物、及び合成非晶質シリ
カ、コロイダルシリカ、シランカップリング剤から選ば
れた1種以上と熱可塑性樹脂との組成物が挙げられる。
これらのケイ素化合物のうち合成非晶質シリカとして
は、1000℃以上の高温加熱または焼成による乾式法
によって生成するシリカ粒子表面の吸着水及び、水酸基
の含有量の少ない無水シリカ、ケイ酸ナトリウムと鉱酸
からシリカゲルを生成させ、シリカゲル中の水分をアル
コールのような有機溶媒で置換したオルガノゾルを乾燥
させるエアロゲル法によって得られるシリカ、ケイ酸ナ
トリウムと鉱酸及び、塩類を水溶液中で反応させる湿式
法により得られるシリカなどが使用できる。これらのシ
リカは平均粒子径が1〜20μm程度のものが好ましく
使用できる。前記繊維布帛の下処理は合成非晶質シリカ
を水中に均一分散させたSiO2 含有濃度10〜30重
量%のシリカ水溶液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引
上げると同時にニップロールを通過させ、余分なシリカ
水溶液を除去し、水分を乾燥させて行うことができる。
また繊維布帛に対する付着率としては特に限定はない
が、付着率が3〜10重量%であることが好ましい。こ
の時、合成非晶質シリカとシランカップリング剤とを併
用することが好ましい。
【0036】コロイダルシリカとしてはケイ酸ナトリウ
ム溶液を陽イオン交換することによって得られるBET
平均粒子径10〜50nmの水分散媒コロイド状のシリカ
ゾル(SiO2 )または、有機系溶剤を分散媒とするB
ET平均粒子径10〜50nmのコロイド状シリカゾル
(SiO2 )が使用できる。前記繊維布帛の下処理はS
iO2 含有濃度5〜30重量%のコロイダルシリカ浴中
に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同時にニップロ
ールを通過させ、余分なコロイダルシリカを除去し、水
分または有機系溶剤を乾燥させて行うことができる。ま
た繊維布帛に対する付着率としては特に限定はないが、
付着率が3〜10重量%であることが好ましい。この時
コロイダルシリカとシランカップリング剤とを併用する
ことが好ましい。
【0037】シランカップリング剤としては、一般式:
XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以上の異な
った反応基を有する化合物で、例えば、X=アミノ基、
ビニル基、エポキシ基、クロル基、メルカプト基など
(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、エトキシ基など
である。またこれらの加水分解物、及びアルコキシシラ
ン化合物との共加水分解化合物なども使用できる。具体
的にシランカップリング剤としては、ビニルトリクロル
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、特
にエポキシ系シランカップリング剤を使用することが好
ましい。
【0038】シランカップリング剤は1〜5重量%濃度
で使用し、蟻酸、酢酸などの酸を用いてpH3〜5の条件
に調整されることが好ましい。前記繊維布帛の下処理は
シランカップリング剤水溶液浴中に繊維布帛を浸漬し、
浴から引上げると同時にニップロールを通過させ、余分
なシランカップリング剤水溶液を除去し、水分を乾燥さ
せて行うことができる。この時、合成非晶質シリカまた
はコロイダルシリカとを併用することが好ましく、繊維
布帛に対する付着率としては特に限定はないが、付着率
が3〜10重量%であることが好ましい。
【0039】上記ケイ素化合物と共に用いられる熱可塑
性樹脂としては、熱可塑性樹脂のエマルジョン、ディス
パージョンなどの水分散体の形態、または有機系溶剤中
に可溶化させた形態ものが使用でき、アイオノマー樹
脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性
体樹脂などが使用できる。特にメタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、無水イタコン
酸、無水マレイン酸、N−メチルマレイミドなどによっ
て変性されたエチレン系共重合体樹脂、及びアクリル系
共重合体樹脂であることが好ましい。また必要に応じて
フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリ
ウレタン系樹脂、アリルフタレート系樹脂などの熱硬化
性樹脂をブレンドして使用することもできる。前記繊維
布帛の下処理はこれらの熱可塑性樹脂エマルジョンまた
はディスパージョン中に前記ケイ素化合物を混合した水
系処理液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同
時にニップロールを通過させ、余分なケイ素化合物含有
組成物を除去し、水分を乾燥させて行うことができる。
また溶剤系熱可塑性樹脂の場合も同様の方法によって下
処理を行うことができる。熱可塑性樹脂固形分とケイ素
化合物の固形分重量比に特に制限はないが、熱可塑性樹
脂:ケイ素化合物(合成非晶質シリカ)/10〜50:
90〜50重量%程度であることが好ましい。
【0040】これらケイ素化合物含有組成物によって下
処理された繊維布帛には前記合成非晶質シリカを3〜2
5重量%含有するポリオレフィン系樹脂ブレンド系組成
物からなるフィルム層を積層することが好ましく、本発
明は、さらには上記熱可塑性樹脂:ケイ素化合物/10
〜50:90〜50重量%からなるケイ素化合物含有組
成物が少なくともシランカップリング剤を含み、かつ、
前記合成非晶質シリカを3〜25重量%含有するポリオ
レフィン系樹脂ブレンド系組成物からなるフィルム層が
積層されていることが好ましい。
【0041】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートは上記繊維織布の両面にポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルムが積層されていることが好ましい。積
層の方法としては、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルムと繊維布帛との間に接着剤層を設けても良いし、接
着剤なしで積層しても良い。本発明の高周波融着性ポリ
オレフィン系樹脂シートに用いる積層方法は、ポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルムの成型加工と同時に繊維
布帛の片面ずつに熱ラミネートするカレンダートッピン
グ法またはT−ダイ押出ラミネート法、あるいはカレン
ダー法、T−ダイ押出法、インフレーション法などによ
りポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを一担成型加
工した後に、ラミネーターを使用して2枚のポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルムを一度に熱圧着して繊維布
帛との積層を行う方法などが挙げられるが、本発明の高
周波融着性ポリオレフィン系樹脂シートの製造には、カ
レンダー法によって成型加工されたポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルムと繊維布帛との熱圧着による製造方
法が、効率的かつ経済的であり好ましい。このとき繊維
布帛の目抜け空隙部を介在して表と裏の2枚のポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルムが熱溶融ブリッジするた
めに、特別な接着剤の塗布及び余分な工程を必要とせず
に良好な密着性と耐久性が得られる。
【0042】本発明の高周波融着性ポリオレフィン系樹
脂シートの接合は、高周波ウエルダーによる融着によっ
て接合を容易に行うことができる。高周波ウエルダー接
合法としては、具体的には、2枚以上の本発明のポリオ
レフィン系樹脂シートまたは、本発明のポリオレフィン
系樹脂シートと熱融着しうる他の熱可塑性樹脂成型物の
一部とを重ね合わせ、2ヶ所の電極(一方の電極は、ウ
エルドバーである)間に置き、接合する部分にウエルド
バーを加圧しながら電極に高周波(1〜200MHz)で発
振する電位差を印加し、ウエルドバーで加圧、印加した
部分に発生する熱可塑性樹脂の分子摩擦熱により、これ
らの重ね合わせ部分を熱融着して接着、シールするもの
で、この場合熱可塑性樹脂の誘電損率すなわち、誘電率
(ε)と誘電正接(tanδ)との積量(ε.tan
δ)が高周波で発振する内部分子摩擦熱の大きさに関係
している。誘電正接は、熱可塑性樹脂により吸収された
高周波電磁放射線エネルギーが熱に変換される部分の関
数であり、誘電損率は少なくとも0.01以上であるこ
とが好ましい。高周波ウエルダー融着機としては市販の
機種、例えば、山本ビニター(株)のYC−7000F
T,YF−7000など、精電舎電子工業(株)のKM
−5000TA,KA−7000TEなど、クインライ
ト電子精工(株)のLW−4000W,LW−4060
Sなどが使用できる。
【0043】
【実施例】次ぎに実施例、及び比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例の範囲
に限定されるものではない。下記実施例、及び比較例に
おいて本発明のポリオレフィン系樹脂シートのブロッキ
ング性、防汚性、高周波ウエルダー融着性、接合部強
度、耐熱クリープ性及び湿度バリヤー性などの評価のた
めの試験方法は下記の通りである。
【0044】(I)ポリオレフィン系樹脂のブロッキン
グ性の評価 東洋精機製作所(株)製のプレス機(2段自動式ラボプ
レス:15ton)を用い、温度150℃×圧縮圧100kg
f /cm2 ×(加熱圧縮時間3min +水冷圧縮時間2min)
の成型条件で表面が平滑な1.0mm厚×150mm×15
0mmサイズのポリオレフィン系樹脂プレスシートを得
た。得られたプレスシートを2枚重ねてガラス板で挟み
1kgの加重を乗せて50℃のギアーオブン中に24時間
静置した。24時間後、室温状態に戻した試料を1イン
チ幅にカットして、その剥離強力を求め比較した。また
剥離状態を下記判定基準より評価した。 ○:ブロッキングが認められない。(2枚のシートは容
易に分離する) △:ややブロッキングを生じている。(剥離面の外観が
変化する程度) ×:ブロッキングを生じている。(2枚のシートの分離
が困難である)
【0045】(II)ポリオレフィン系樹脂の防汚性の評
価 ポリオレフィン系樹脂シートを4月〜7月の3ヵ月間屋
外で南向き30°に曝露し、その汚れ度合いをブランク
とのΔE値(JISZ−8729)で評価した。
【0046】(III)高周波ウエルダー融着性の評価 2枚のポリオレフィン系樹脂シートの端末を4cm幅で直
線状に重ね合わせ、4cm×30cmのウエルドバー(歯
形:凸部は等間隔4cm幅直線状賦型9本/25.4mm、
凸部高さ0.5mm:凹部は等間隔4cm幅直線状賦型9本
/25.4mm、凹部深さ0.5mm)を装着した高周波ウ
エルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000
型:出力7KW)を用いてポリオレフィン系樹脂シートの
高周波融着接合を行った。また融着接合部を含む3cm幅
の試料を採取し、融着接合部の剪断試験(JISl−1
096)を行い、接合部の破壊状態を以下の判定基準に
よって評価した。 <高周波融着性> ○:融着が容易である。 ※ウエルダー融着条件:融着時間5秒、冷却時間5秒陽
極電流0.8A、ウエルドバー温度40〜50℃ △:融着条件を強く、かつ長くすることで融着可能であ
る。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒
陽極電流1.0A、ウエルドバー温度40〜60℃ ×:融着条件を強く、かつ長く設定しても融着しない。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒
陽極電流1.3A、ウエルドバー温度40〜60℃ <剪断による接合部の破壊状態> ○:本体破壊する。 △:接合部破壊する。 ×:接合部の糸抜け破壊する。
【0047】(IV)耐熱クリープ性の評価 耐熱クリープ性試験は前記試験(III)において作製され
たウエルダー融着シートより、重ね合わせ幅4cmを含
む、試験片幅3cm、試験片長30cmの試験片を採取し、
これを耐熱クリープ試験片とし、クリープ試験機(東洋
精機製作所(株)製:100LDR型)を使用して60
℃×25kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ性試験を評
価した。 ○:24時間経過後、接合部の破壊はなく25kgf の荷
重に耐えていた。 ×:24時間以内に接合部が剪断破壊した。 (V)ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム、及びポ
リオレフィン系樹脂シートの湿度(水蒸気)バリヤー性
の評価 ポリオレフィン系樹脂シート又はフィルム25cm2 を透
過する水分量を、JIS Z 0208に規定された試
験方法によって測定し、その透湿度(g/m2・24時
間)を算出し、下記基準により評価した。 ◎:透湿度5(g/m2 ・24時間)以下:湿度バリヤ
ー性に優れている。 ○:透湿度5.1〜10(g/m2 ・24時間):湿度
バリヤー性が良好。 ×:透湿度10(g/m2 ・24時間)を越える:湿度
バリヤー性が不十分。
【0048】実施例1 メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリ
エチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF270:MF
R2.0:密度0.907:日本ポリケム(株))60
重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)
(商標:エバテートK2010:MFR3.0:VA含
有量25重量%:住友化学工業(株))40重量部から
なるポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部に対
し、リン酸エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研フ
ァインケミカル(株))を1.0重量部、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共
同薬品(株))を0.3重量部、ヒンダードアミン系光
安定剤(商標:チヌビン770:チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ(株))を0.2重量部と、着色顔料を3
重量部〔(有機系顔料カラードペレット:商標:HCM
1617ブルー:シアニンブルー(α)含有率20重量
%:大日精化工業(株))1重量部+無機系顔料カラー
ドペレット:商標:HCM2060ホワイト:二酸化チ
タン(R)60重量%:大日精化工業(株))2重量
部〕とを配合したコンパウンドをバンバリーミキサーで
溶融混練した後、150℃に設定した熱ロール(2本ロ
ール)で5分間均一に混練した後、この混練組成物から
0.2mm厚の密度が0.924であり、かつ、酢酸ビニ
ル成分を10重量%含有する青色のポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルムを150℃の条件にてカレンダー圧
延成型した。次にこの混練組成物から得られた青色フィ
ルムを下記下処理を施したポリエステル平織織布(T
−75475:750デニールポリエステルマルチフィ
ラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本
/2.54cm:空隙率20%:質量129.3g/m
2 :帝人(株))の両面に140℃に設定したラミネー
ターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.52mm、質量4
99g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0049】 <ポリエステル平織織布の下処理剤組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子系3μm 10重量部 商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部
【0050】上記下処理剤の浴中にポリエステル平織
織布(T−75475:質量125g/m2 )を浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は129.3g/m2 であっ
た。(合成非晶質シリカ:熱可塑性樹脂/10:20)
【0051】実施例2 実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
の組成を、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)50重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(2)(商標:エバフレックスP1905:M
FR2.5:VA含有量19重量%:三井デュポンポリ
ケミカル(株))50重量部の合計量100重量部に置
き換えた以外は実施例1と同様の配合及び、手順に従っ
て0.2mm厚の密度が0.928であり、かつ、酢酸ビ
ニル成分を10重量%含有する青色のポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルムを得た。次に実施例1と同一の下
処理剤の浴中にポリプロピレン平織織布(MS−31
14:質量110g/m2 )を浸漬し、織布を引き上げ
ると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30
g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行
った。下処理によって得られたポリプロピレン平織織布
の質量は114.3g/m2 であった。(合成非晶質シ
リカ:熱可塑性樹脂/10:20)この下処理を施した
ポリプロピレン繊維平織織布(MS−3114:680
デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経
糸26本/2.54cm×緯糸25本/2.54cm:空隙
率18%:質量:114.3g/m2 :三菱レイヨン
(株))の両面に前記青色のポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルムを140℃に設定したラミネーターで熱圧
着して貼り合わせ、厚さ0.53mm、質量487g/m
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0052】実施例3 実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
の組成を、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))40重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂(1)(商標:エバテートK2010:MFR3.
0:VA含有量25重量%:住友化学工業(株))60
重量部の合計量100重量部に置き換え、合成非晶質シ
リカ(商標:ニップシールE200:日本シリカ工業
(株):含水率6重量%:平均粒子径3μm)を5.3
重量部配合した以外は実施例1と同様の配合及び、手順
に従って0.2mm厚の密度が0.931であり、かつ、
酢酸ビニル成分を15重量%含有する青色に着色したポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次にこの
青に着色したフィルムを下記下処理を施したポリエス
テル平織織布(T−75475:750デニールポリエ
ステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.5
4cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率20%:質量1
30.64g/m2 :帝人(株))の両面に140℃に
設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ
0.52mm、質量500g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0053】 <ポリエステル平織織布の下処理剤組成> 商標:スノーテックスC:日本シリカ工業(株): 無水ケイ酸含有率20重量%:平均粒子径10〜20nm 100重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部
【0054】上記下処理剤の浴中にポリエステル平織
織布(T−75475:質量125g/m2 )を浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は129.5g/m2 であっ
た。(無水ケイ酸:シランカップリング剤/20:3)
【0055】実施例4 実施例2のポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
の組成を、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)30重量部と、エチレン−メチルメタアク
リレート共重合体樹脂(商標:アクリフトWH206:
MFR2.0:MMA含有量20重量%:住友化学工業
(株))70重量部の合計量100重量部に置き換え、
合成非晶質シリカ(商標:ニップシールE200:日本
シリカ工業(株):含水率6重量%:平均粒子径3μ
m)を5.3重量部配合した以外は実施例1と同様の配
合及び、手順に従って0.2mm厚の密度が0.931で
あり、かつ、酢酸ビニル成分を14重量%含有する青に
着色したポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得
た。次に実施例3と同一の下処理剤の浴中にポリプロ
ピレン平織織布(MS−3114:質量110g/m
2 )を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロール
で絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100
℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得
られたポリプロピレン平織織布の質量は114.5g/
2 であった。(無水ケイ酸:シランカップリング剤/
20:3)この下処理を施したポリプロピレン繊維平織
織布(MS−3114:680デニールポリプロピレン
マルチフィラメント:糸密度経糸26本/2.54cm×
緯糸25本/2.54cm:空隙率18%:質量:11
4.5g/m2 :三菱レイヨン(株))の両面に前記青
色のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを140℃
に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ
0.53mm、質量486g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0056】実施例5 実施例1のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))60重量部をそのままに、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂(1)(商標:エバテートK2010:
MFR3.0:VA含有量25重量%:住友化学工業
(株))40重量部を20重量部に減量し、減量分をエ
チレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:
アクリフトWH206:MFR2.0:MMA含有量2
0重量%:住友化学工業(株))20重量部で補い、ま
た、合成非晶質シリカ(商標:ニップシールE200:
日本シリカ工業(株):含水率6重量%:平均粒子径3
μm)を5.3重量部配合した以外は実施例1と同様の
配合を行い0.2mm厚の密度が0.920であり、か
つ、酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合
計含有量が9重量%である青に着色したポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルムを得た。次にこの混練組成物か
ら得られた青色フィルムを下記下処理を施したポリエ
ステル平織織布(T−75475:750デニールポリ
エステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.
54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率20%:質量
127.4g/m2 :帝人(株))の両面に140℃に
設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ
0.52mm、質量498g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0057】 <ポリエステル平織織布の下処理剤組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子系3μm 10重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部
【0058】上記下処理剤の浴中にポリエステル平織
織布(T−75475:質量125g/m2 )を浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は127.4g/m2 であっ
た。(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤/1
0:3)
【0059】実施例6 実施例2のポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
の組成を、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)60重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(2)(商標:エバフレックスP1905:M
FR2.5:VA含有量19重量%:三井デュポンポリ
ケミカル(株))20重量部、さらに、エチレン−メチ
ルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:アクリフトW
H206:MFR2.0:MMA含有量20重量%:住
友化学工業(株))20重量部からなる合計100重量
部に変更し、また、合成非晶質シリカ(商標:ニップシ
ールE200:日本シリカ工業(株):含水率6重量
%:平均粒子径3μm)を5.3重量部配合した以外は
実施例1と同様の配合及び手順に従って0.2mm厚の密
度が0.924であり、かつ、酢酸ビニル成分とメチル
メタアクリレート成分の合計含有量が8重量%である青
に着色したポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得
た。次に実施例5と同一の下処理剤の浴中にポリエス
テル平織織布(AKE−6140:質量145g/m
2 )を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロール
で絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100
℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得
られたポリエステル平織織布の質量は114.5g/m
2 であった。(合成非晶質シリカ:シランカップリング
剤/10:3)この下処理を施したポリエステル繊維平
織織布(AKE−6140:1000デニールポリエス
テルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54
cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18%:質量:1
45g/m2 :旭化成(株))の両面に前記青色のポリ
オレフィン系樹脂ブレンドフィルムを140℃に設定し
たラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.57
mm、質量520g/m2 のポリオレフィン系樹脂シート
を得た。
【0060】実施例7 実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
の組成を、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))30重量部とメタロセン系触媒の存在下重合さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エス
コーレン350D60:MFR1.0:密度0.91
7:エクソンケミカル社)40重量部と、さらに、エチ
レン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:ア
クリフトWH206:MFR2.0:MMA含有量20
重量%:住友化学工業(株))30重量部からなる合計
100重量部に変更し、また、合成非晶質シリカ(商
標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株):含
水率6重量%:平均粒子径3μm)を5.3重量部配合
した以外は実施例1と同様の配合及び手順に従って0.
2mm厚の密度が0.919であり、かつ、メチルメタア
クリレート成分の含有量が6重量%である青に着色した
ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次にこ
の混練組成物から得られた青色フィルムを下記下処理剤
を施したポリエステル平織織布(T−75475:7
50デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度
経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空
隙率20%:質量129.6g/m2 :帝人(株))の
両面に140℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼
り合わせ、厚さ0.52mm、質量500g/m2 のポリ
オレフィン系樹脂シートを得た。
【0061】 <ポリエステル平織織布の下処理剤組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子系3μm 10重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部
【0062】上記下処理剤の浴中にポリエステル平織
織布(T−75475:質量125g/m2 )を浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は129.6g/m2 であっ
た。(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可
塑性樹脂/10:3:20)
【0063】実施例8 実施例7のポリオレフィン系樹脂ブレンド組成のエチレ
ン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:アク
リフトWH206:MFR2.0:MMA含有量20重
量%:住友化学工業(株))30重量部を、エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂(1)(商標:エバテートK2
010:MFR3.0:VA含有量25重量%:住友化
学工業(株))30重量部に変更し、また、合成非晶質
シリカ(商標:ニップシールE200:日本シリカ工業
(株):含水率6重量%:平均粒子径3μm)を5.3
重量部配合した以外は実施例1と同様の配合及び手順に
従って0.2mm厚の密度が0.919であり、かつ、酢
酸ビニル成分の含有量が7.5重量%である青に着色し
たポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。
【0064】次に実施例7と同一の下処理剤の浴中に
ポリエステル平織織布(AKE−6140:質量145
g/m2 )を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップ
ロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで
100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によ
って得られたポリエステル平織織布の質量は149.6
g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:シランカップ
リング剤:熱可塑性樹脂/10:3:20)この下処理
を施したポリエステル繊維平織織布(AKE−614
0:1000デニールポリエステルマルチフィラメン
ト:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.
54cm:空隙率18%:質量:149.6g/m2 :旭
化成(株))の両面に前記青色のポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルムを140℃に設定したラミネーターで
熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.57mm、質量518g
/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0065】実施例1〜8の試験結果を表1に示す。
【表1】
【0066】実施例1〜実施例8の効果 実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートは何
れも高周波ウエルダー性(融着性)に優れていて、上記
試験(III)の高周波融着では陽極電流値が0.8A、融
着時間5秒、冷却時間5秒、ウエルドバー温度40〜5
0℃の条件で容易に融着接合を行うことが可能であっ
た。これら接合部の剪断破壊の状態は実施例1〜6では
本体破壊までには至らなかったが、本体破壊強度と同等
の強度での接合部破壊であり、特に実施例7,8に関し
ては本体破壊する程の強固な接合部であることを確認し
た。またシートの引裂強度に関しては繊維布帛の下処理
タイプによる強弱傾向が観られ、実施例1,2及び実施
例7,8の熱可塑性樹脂をバインダー成分として含む下
処理タイプの例で、幾分引裂強度が低めであったが、実
用的には全く問題のない値であった。また更に、耐熱ク
リープ性試験(IV)を評価したところ、実施例1〜実施
例8のポリオレフィン系樹脂シートは何れも60℃×2
5kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ試験に合格した。
一方、これらのシートに使用したポリオレフィン系樹脂
プレスシートのブロッキング性の評価(I)は剥離面の
外観(ツヤ)が変化する程度の極く弱いブロッキングが
認められたが、実用的には問題のないレベルであった。
また実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シート
の湿度バリヤー性の評価(V)は何れも透湿度(JIS
Z 0208)が10g/m2 ・24時間以下であり、
特に実施例1,2,5,6,7,8で得られたシートの
透湿度は5g/m2 ・24時間以下を有する優れた湿度
バリヤー性を示した。さらに実施例1〜実施例8のポリ
オレフィン系樹脂シートの屋外曝露(II)による汚れ試
験の結果、長期の曝露によって汚れの付着が認められた
が、水洗いによって表面的な汚れの除去は可能であっ
た。実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シート
は全て風合いが柔らかく、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製の
シートの風合いに遜色のないものであった。
【0067】比較例1 実施例1のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))60重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z−N
触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(1)(商標:スミカセンα FZ202:MFR
2.0:密度0.921:住友化学工業(株))60重
量部と置き換えた。さらに実施例1で行ったポリエステ
ル平織織布(T−75475:750デニールポリエス
テルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54
cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率20%:質量12
5g/m2 :帝人(株))への下処理を省略した。そ
れ以外は実施例1と同様の配合、及び手順に沿って厚さ
0.52mm、質量500g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0068】比較例2 実施例2のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)50重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z
−N触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂(2)(商標:ジェイレクスBF1390:M
FR0.5:密度0.922:日本ポリオレフィン
(株))50重量部と置き換えた。さらに実施例2で行
ったポリプロピレン繊維平織織布(MS−3114:6
80デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密
度経糸26本/2.54cm×緯糸25本/2.54cm:
空隙率18%:質量:110g/m2 :三菱レイヨン
(株))への下処理を下記ウレタン系樹脂処理剤に変
更して行った。それ以外は実施例2と同様の配合、及び
手順に沿って厚さ0.53mm、質量489g/m2 のポ
リオレフィン系樹脂シートを得た。
【0069】 <ウレタン系樹脂下処理> 商標:パーミュセンWF−41−083:スタール・ジャパン(株) ポリカーボネート型ポリウレタンエマルジョン(固形分40重量%) 100重量部 商標:ケミタイトDZ−22:日本触媒(株):アジリジン化合物(固形分2 5重量%) 10重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部
【0070】上記ウレタン系樹脂下処理剤の浴中にポリ
プロピレン繊維平織織布(MS−3114:三菱レイヨ
ン(株))を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップ
ロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで
100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によ
って得られたポリプロピレン平織織布の質量は119.
3g/m2 であった。
【0071】比較例3 実施例3のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))40重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z−N
触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(1)(商標:スミカセンα FZ202:MFR
2.0:密度0.921:住友化学工業(株))40重
量部と置き換えた。さらに実施例3で行ったポリエステ
ル平織織布(T−75475:750デニールポリエス
テルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54
cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率20%:質量12
5g/m2 :帝人(株))への下処理を省略した。そ
れ以外は実施例3と同様の配合、及び手順に沿って厚さ
0.52mm、質量500g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0072】比較例4 実施例4のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)30重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z
−N触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂(2)(商標:ジェイレクスBF1390:M
FR0.5:密度0.922:日本ポリオレフィン
(株))30重量部と置き換えた。さらに実施例4で行
ったポリプロピレン繊維平織織布(MS−3114:6
80デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密
度経糸26本/2.54cm×緯糸25本/2.54cm:
空隙率18%:質量:110g/m2 :三菱レイヨン
(株))への下処理を下記エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(EVA)系処理剤に変更して行った。それ以
外は実施例4と同様の配合、及び手順に沿って厚さ0.
53mm、質量492g/m2 のポリオレフィン系樹脂シ
ートを得た。
【0073】 <EVA系樹脂下処理> 商標:スミカフレックスS−456:住友化学工業(株) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン(固形分55重量%) 100重量部 商標:ケミタイトDZ−22:日本触媒(株):アジリジン化合物(固形分2 5重量%) 10重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部
【0074】上記EVA系樹脂下処理剤の浴中にポリプ
ロピレン繊維平織織布(MS−3114:三菱レイヨン
(株))を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロ
ールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで1
00℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によっ
て得られたポリプロピレン平織織布の質量は122g/
2 であった。
【0075】比較例5 実施例5のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))60重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z−N
触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(1)(商標:スミカセンα FZ202:MFR
2.0:密度0.921:住友化学工業(株))60重
量部と置き換えた。さらに実施例5で行ったポリエステ
ル平織織布(T−75475:750デニールポリエス
テルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54
cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率20%:質量12
5g/m2 :帝人(株))への下処理を省略した。そ
れ以外は実施例5と同様の配合、及び手順に沿って厚さ
0.52mm、質量498g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。
【0076】比較例6 実施例6のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エスコーレン3
50D60:MFR1.0:密度0.917:エクソン
ケミカル社)60重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z
−N触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂(2)(商標:ジェイレクスBF1390:M
FR0.5:密度0.922:日本ポリオレフィン
(株))60重量部と置き換えた。さらに実施例6で行
ったポリエステル繊維平織織布(AKE−6140:1
000デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密
度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:
空隙率18%:質量:145g/m2 :旭化成(株))
への下処理を下記アクリル系樹脂処理剤に変更して行
った。それ以外は実施例6と同様の配合、及び手順に沿
って厚さ0.57mm、質量520g/m2 のポリオレフ
ィン系樹脂シートを得た。
【0077】 <アクリル系樹脂下処理> 商標:アクロナールYJ−1510D:三菱油化バーディッシェ(株) スチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体樹脂エマルジョン(固形分5 0重量%) 100重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部
【0078】上記アクリル系樹脂下処理剤の浴中にポリ
エステル繊維平織織布(AKE−6140:旭化成
(株))を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロ
ールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで1
30℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によっ
て得られたポリエステル平織織布の質量は156g/m
2であった。
【0079】比較例7 実施例7のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF2
70:MFR2.0:密度0.907:日本ポリケム
(株))30重量部をチーグラー・ナッタ触媒(Z−N
触媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(1)(商標:スミカセンα FZ202:MFR
2.0:密度0.921:住友化学工業(株))30重
量部と置き換え、また併用のメタロセン系触媒の存在下
重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)(商
標:エスコーレン350D60:MFR1.0:密度
0.917:エクソンケミカル社)の40重量部をチー
グラー・ナッタ触媒(Z−N触媒)の存在下で重合され
た直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:ジェイ
レクスBF1390:MFR0.5:密度0.922:
日本ポリオレフィン(株))40重量部と置き換えた。
さらに実施例7で行ったポリエステル平織織布(T−7
5475:750デニールポリエステルマルチフィラメ
ント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/
2.54cm:空隙率20%:質量125g/m 2 :帝人
(株))への下処理を省略した。それ以外は実施例7
と同様の配合、及び手順に沿って厚さ0.52mm、質量
500g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0080】比較例8 実施例8のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)及び(2)を比較例7と
同様のチーグラー・ナッタ触媒(Z−N触媒)の存在下
で重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)及び
(2)に置き換えた。さらに実施例8で行ったポリエス
テル繊維平織織布(AKE−6140:1000デニー
ルポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本
/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18
%:質量:149.6g/m2 :旭化成(株))への下
処理を下記ポリエステル系樹脂処理剤に変更して行っ
た。それ以外は実施例8と同様の配合、及び手順に沿っ
て厚さ0.57mm、質量518g/m2 のポリオレフィ
ン系樹脂シートを得た。
【0081】 <ポリエステル系樹脂下処理> 商標:バイロナールMD1250:東洋紡績(株) ポリエステル系樹脂エマルジョン(固形分30重量%) 100重量部 商標:ケミタイトDZ−22:日本触媒(株):アジリジン化合物(固形分2 5重量%) 10重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部
【0082】上記ポリエステル系樹脂下処理剤の浴中に
ポリエステル繊維平織織布(AKE−6140:旭化成
(株))を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロ
ールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで1
30℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によっ
て得られたポリエステル平織織布の質量は152.5g
/m2 であった。
【0083】比較例1〜8の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0084】比較例1〜比較例8の効果 比較例1〜比較例8では、それぞれ実施例1〜実施例8
のポリオレフィン系樹脂ブレンド組成に用いたメタロセ
ン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂を、チーグラー・ナッタ触媒(Z−N触媒)の存在
下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に全て置
き換えた。その性能を上記(I)〜(IV)の試験により
評価した結果、これらの比較例のポリオレフィン系膜材
は何れの膜材も実施例1〜実施例8同等の優れた高周波
融着性を有していたが、耐熱ブロッキング性に劣り、フ
ィルム同士の癒着が観られ、実用に不安のあるものであ
った。また、比較例1〜比較例8のポリオレフィン系樹
脂シートの屋外曝露(II)による汚れ試験の結果、長期
の曝露によってかなりの汚れ付着が認められた。この曝
露汚れは水洗いによっても除去が困難であった。また、
さらに比較例1〜比較例8のポリオレフィン系樹脂シー
トは、本発明に用いられるメタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の代りに、チー
グラー・ナッタ触媒(Z−N触媒)の存在下で重合され
た直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いたことによっ
て、シートの湿度バリヤー性が不十分なものとなった。
【0085】また、参考比較例として、比較例1,3,
5,7の繊維布帛への下処理を省いたシートにおいて
は、これら接合部の剪断破壊の状態は全て糸抜け破壊
(本体破壊強度の50〜65%)の極めて脆弱なもので
あった。また繊維布帛の処理剤を実施例のケイ素化合物
含有組成物からケイ素化合物非含有の熱可塑性樹脂系に
変更し、その処理濃度を高めた比較例2,4,6,8で
はシートの引裂強度が大きく低下してしまうだけでな
く、風合いが極めて硬くなり、実用性に乏しいものであ
った。また更に、耐熱クリープ性試験(IV)を評価した
ところ、比較例1,3,5,7の繊維布帛への下処理を
省いたポリオレフィン系樹脂シートでは何れも60℃×
25kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ試験に耐えるこ
とができなかった。唯一、比較例2,8のポリオレフィ
ン系樹脂シートは耐熱クリープ試験に耐えたが、上述の
様に比較例2,8のポリオレフィン系樹脂シートでは引
裂強度が低く実用性に問題のあるものであった。
【0086】
【発明の効果】本発明は、従来技術では不可能とされて
いた、柔軟な風合いと優れた耐久性を有し、かつ高周波
融着可能であるポリオレフィン系樹脂製シート、及び高
周波融着部の破壊強度と耐熱クリープ性に優れたポリオ
レフィン系樹脂シートを容易に得ることを可能にするも
のである。また、本発明のポリオレフィン系樹脂シート
は良好な湿度バリヤー性を有し得るものである。従って
本発明により得られるポリオレフィン系樹脂製シート
は、フレキシブルコンテナ、オイルフェンス、簡易水
槽、スポーツ用着地マットなど、従来軟質ポリ塩化ビニ
ル樹脂製品が使用されてきた用途にも適して用いること
ができ、また新規の産業資材用シートとして幅広い分野
において使用が可能な極めて有用なシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 31/04 31/04 S 33/06 33/06 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA18 AA28 AA28X AA33 AA33X AA82 AB26 BA01 BC01 BC11 4F100 AA20B AA20C AH06A AK03 AK63B AK63C AK68B AK68C AK70B AK70C AL05A AL05B AL05C BA03 BA06 BA10B BA10C DG07A DG11A EJ46 EJ64A GB15 GB56 GB87 JA12B JA12C JA20 JD15 JK13 JK17 JL00 4J002 BB051 BB062 BB072 BF032 BG042 BG052 DJ016

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛の両面に、メタロセン系触媒の
    存在下でエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと
    を共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレンからな
    る主成分と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び/
    又はエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合
    体樹脂からなるブレンド成分とを含み、かつ、前記ブレ
    ンド成分中の酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸(エステ
    ル)との合計量が、前記主成分とブレンド成分との合計
    量に対して5〜30重量%であり、密度が0.913〜
    0.938g/cm3 のポリオレフィン系樹脂ブレンドか
    らなるフィルム層を積層して形成されていることを特徴
    とする高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドから
    なるフィルム層が、合成非晶質シリカを3〜20重量%
    含有する、請求項1に記載の高周波融着性ポリオレフィ
    ン系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 前記繊維布帛が、ケイ素化合物含有組成
    物によって前処理されている、請求項1又は請求項2に
    記載の高周波融着性ポリオレフィン系樹脂シート。
  4. 【請求項4】 前記ケイ素化合物含有組成物に含まれる
    ケイ素化合物が、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
    カ、シランカップリング剤から選ばれた1種以上であ
    る、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高周波
    融着性ポリオレフィン系樹脂シート。
  5. 【請求項5】 前記繊維布帛がフィラメント糸条からな
    る空隙率が5〜40%である、請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の高周波融着性ポリオリフィン系樹脂
    シート。
  6. 【請求項6】 前記メタロセン系触媒がシクロペンタジ
    エニル誘導体または、インデニル誘導体を含有する有機
    遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンとを含む、請
    求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高周波融着性
    ポリオレフィン系樹脂シート。
  7. 【請求項7】 透湿度(JIS Z 0208による)
    が10g/m2 ・24時間以下である、請求項1〜請求
    項6のいずれか1項に記載の高周波融着性ポリオレフィ
    ン系樹脂シート。
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JP2015184180A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 沸騰水型原子力プラントにおける炉内機器の搬出方法
CN116120841A (zh) * 2023-03-22 2023-05-16 深圳市东升塑胶制品有限公司 一种金属与pvc塑料复合用热熔胶膜及其制备方法

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