JP2002113569A - アルミニウム部材と銅部材の接合方法および熱交換装置とその製造方法 - Google Patents

アルミニウム部材と銅部材の接合方法および熱交換装置とその製造方法

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JP2002113569A
JP2002113569A JP2000304668A JP2000304668A JP2002113569A JP 2002113569 A JP2002113569 A JP 2002113569A JP 2000304668 A JP2000304668 A JP 2000304668A JP 2000304668 A JP2000304668 A JP 2000304668A JP 2002113569 A JP2002113569 A JP 2002113569A
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Shosuke Iwasaki
岩崎省介
Takeshi Koyama
小山健
Keiji Miki
三木啓治
Seikin Tasaka
田坂誠均
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  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム部材と銅部材を強固に接合する方
法、およびヒートシンク等の熱交換装置とその製造方法
の提供。 【解決手段】銅製の部材(基板3)とアルミニウム製の
部材(放熱部の底板2-2)とをつなぐ接合層4の中に、
アルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金の少
なくとも1種の粒子を介在させる。この接合層4は、強
度および熱伝導性に優れているので、アルミニウム部材
と銅部材の組合せからなる熱交換装置、例えばヒートシ
ンク、として熱交換効率が高く耐久性に富むものが製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金(この明細書では、これらをまとめ
て「アルミニウム」と総称することがある)製の部材
と、銅または銅合金(この明細書では、これらをまとめ
て「銅」と総称することがある)製の部材との接合方法
に関する。また、本発明は、このアルミニウム部材と銅
部材とを備えた熱交換装置とその製造方法に関する。こ
こでいう熱交換装置とは、熱の発生源から伝熱によって
熱を移動させる装置一般を意味し、例えば半導体デバイ
スの冷却に使用されるヒートシンクのように、各種機器
の放熱を助ける装置を含む。
【0002】
【従来技術】一般に、アルミニウム部材同士のように同
材質の部材の接合には、融接、ろう接等、各種の接合方
法が確立され実用化されている。しかし、異種材料の接
合においては、適用できる接合方法および接合材料の組
合せが限定される。特にアルミニウム部材と銅部材の接
合では、接合界面にアルミニウムと銅を主成分とする非
常に脆い合金相が生成するため、十分な接合部性能、特
に接合強度および熱伝導特性を得る接合方法は確立され
ていないのが現状である。
【0003】アルミニウム部材と銅部材との接合が問題
となる機器としては、各種の熱交換装置がある。アルミ
ニウムも銅も熱伝導性に優れているので、熱交換装置で
はこれらを組み合わせて使用することが多い。その一例
に集積回路(LSI)のような半導体デバイスから発生
する熱を奪って冷却するためのヒートシンクがある。以
下、これを例にして説明する。
【0004】ヒートシンクは、概略、図5および図6に
示す構造のものである。図5に示す熱交換装置1は、放
熱部2を構成するアルミニウム製のフィン2-1と底板2-2
とから成るもので、その底板中央部に半導体デバイス等
の発熱源7を配置し、その熱を底板2-2からフィン2-1へ
伝導させて放熱する。このような装置では、矢印で示す
ように、発熱源からの熱の流れは中央部のフィンに集中
しがちで、多数のフィンに均等に伝わり難いために放熱
効率が低い。これを改良したのが図6に示す構造のもの
である。
【0005】図6に示すのは、底板2-2と発熱源7との
間に熱拡散用の板(本明細書ではこれを「基板」とい
う)3をおいたものである。この基板3は、アルミニウ
ムよりも熱伝導率の大きい銅または銅合金製である。従
って、発熱源7からの熱は、基板内を拡散し、多数のフ
ィン2-1に均等に伝わって放熱の効率が高まる。
【0006】上記の図6に示すヒートシンクの問題点
は、基板3と放熱部の底板2-2との接合にある。即ち、
前者は銅、後者はアルミニウムであるから、いわゆる異
材接合となるが、接着剤による接合、ろう付け、はんだ
付け等の通常の接合では、接合強度が不十分である。ア
ルミニウムと銅では熱膨脹率が異なるから、加熱−冷却
の繰り返しによって接合部には熱疲労が発生し、脆弱な
接合部はこれに耐えきれず剥離してしまう。また、接合
層自体が熱伝導性のよいものでないと、それ自体が熱抵
抗層となって熱交換装置としての本来の機能を十分に発
揮しえなくなる。
【0007】なお、放熱部は前記のとおりアルミニウム
製であり、しかも多数の薄いフィンを備えているので、
基板との接合前後あるいは接合中に加圧して接合強度を
高めるという手段も採り難い。
【0008】特開平11−204968号公報には、予
め放熱装置の銅部材とアルミニウム部材とをAg(銀)を
利用して接合した合わせ部材を作製し、この合わせ部材
にフィン部を接合するという発明が開示されている。こ
の発明は、前記の接合の問題点を解決するのに有効なも
のと思われるが、製造工程が複雑である上に、作製でき
る放熱装置の形状が限られ、設計の自由度に乏しいとい
う難点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、アルミニウム製の部材と銅製の部材とを強固に接合
する新しい方法を提供することにある。本発明のもう一
つの目的は、アルミニウム製の放熱部と、銅製の基板と
からなる熱交換装置であって、これらの接合強度に優
れ、上述の欠点のない熱交換装置およびその製造方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の接合方法は下記
(1)のとおりであり、また、本発明の熱交換装置および
その製造方法は、それぞれ下記(2)および(3)のとおりで
ある。
【0011】(1)アルミニウムまたはアルミニウム合金
製の部材と銅または銅合金製の部材との間にインサート
材ならびにアルミニウム、アルミニウム合金、銅または
銅合金の少なくとも1種の粒子を介在させ、上記インサ
ート材の融点よりは高く、上記粒子の融点よりは低い温
度で非酸化性雰囲気中で加熱することを特徴とするアル
ミニウムまたはアルミニウム合金製の部材と銅または銅
合金製の部材の接合方法。
【0012】(2)銅または銅合金製の基板、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金製の放熱部および上記の基板
と放熱部とをつなぐ接合層とからなる熱交換装置であっ
て、上記の接合層がアルミニウム、アルミニウム合金、
銅および銅合金の少なくとも1種の粒子を含むことを特
徴とする熱交換装置。
【0013】(3)銅または銅合金製の基板と、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金製の放熱部との間にインサ
ート材およびアルミニウム、アルミニウム合金、銅およ
び銅合金の中の少なくとも1種の粒子を介在させ、上記
インサート材の融点よりは高く、上記粒子の融点よりは
低い温度で非酸化性雰囲気中で加熱することを特徴とす
る熱交換装置の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】説明の都合上、まず、本発明の熱
交換装置を、その一例である図示のヒートシンクを具体
例として説明する。
【0015】本発明の熱交換装置は、図1〜3に例示す
るように、下記の構造を特徴とするものである。
【0016】図1は、本発明の熱交換装置の一例を示す
模式的断面図で、これは半導体デバイス7のヒートシン
クとして使用されるものである。この装置1は、放熱部
2と基板3と、これらの接合層4とからなる。
【0017】放熱部2は多数のフィン2-1と底板2-2から
なり、これらは一体成形されていてもよく、また底板2-
2にフィン2-1をろう付け等の手段で取り付けたものであ
ってもよい。材質はアルミニウムまたはその合金(例え
ば、JISの1000番系、3000番系、6000番系の合金)であ
る。フィンの形状にも何ら制約はない。
【0018】基板3は銅または銅合金である。この基板
は、先に図6によって説明したように、発熱源(この場
合は半導体デバイス7)からの熱を広範囲に拡散させて
放熱効率を高めるためのものであるから、熱伝導率の大
きい銅または銅合金を用いるのである。材質は例えばJI
SのC1020、C1100、C1201等でよい。
【0019】本発明装置の大きな特徴は、接合層4にあ
る。図2は接合層を明示するための図1のA部の拡大図
であり、図3は更に図2のB部を拡大して示した図であ
る。図3に示すように接合層の中には粒子5が存在す
る。この粒子は、アルミニウムもしくはアルミニウム合
金または銅もしくは銅合金の粒子である。これらの2種
以上を混合して用いてもよい。粒子5の間の間隙6は、
後述するインサート材が溶融して凝固した合金で埋めら
れている。
【0020】図3は模式図であるから、粒子5は規則的
に配列されているが、実際にはランダムな配置となる。
粒子の形状は球形に限られないが、稠密に充填されるよ
うに球に近い形状が望ましい。粒子の大きさは、粒子を
球形とみなしてその直径が20〜100μmであることが望
ましい。もちろん大きさの異なる粒子が混合していても
構わない。
【0021】接合層の厚さは、20〜1000μm程度がよ
く、その中で粒子が占める割合は体積比で10%以上、で
きるだけ大きい方がよい。10%未満では、後述する粒子
の効果が小さい。望ましいのは50%以上である。上限
は、最も効率的に充填したとして、約80%程度となろ
う。
【0022】接合作業時には上記粒子の融点よりも低い
温度で加熱するから、粒子はほぼ原形のまま接合層中に
存在する。そして、その粒子間の空隙には溶融したイン
サート材の融液が浸透して金属結合により粒子同士およ
びアルミニウム部材(底板2-2)と銅部材(基板3)を
強固に接合する。
【0023】上記のような構造をもつ接合層は、基板3
と放熱部の底板2-2との接合強度に優れるとともに熱伝
導性にも優れる。その理由は未だ十分に解明できていな
いが、次のように考えられる。
【0024】本発明方法で接合した銅部材(基板3)と
アルミニウム部材(放熱部の底板2-2)との間の接合層
4には、図3に示したようにアルミニウムまたは銅の粒
子5が存在する。この粒子は、製造工程で使用した粒子
がほぼそのまま残留したものである。従って、粒子はア
ルミニウムまたは銅そのもの特性、即ち、放熱部の材料
であるアルミニウムまたは基板の材料である銅と同等の
強度、延性を備えている。このような粒子が接合層中に
多数存在することによって、接合層全体が高強度で可撓
性に富むものとなり、前記の熱応力に耐えるものとな
る。
【0025】前述のように、接合層は熱伝導性のよいも
のでなければならないのであるが、本発明装置の接合層
はその点でも優れている。即ち、粒子5はもともと熱伝
導率の大きいアルミニウムまたは銅であるから、接合層
自体の熱伝導性も優れている。ただし、接合層中に空孔
が多いと、それが熱伝導を妨げる。従って、粒子5は稠
密に、少なくとも粒子同士が接触するような密度で存在
し、かつ粒子5の間の空隙6は、インサート材が溶融、
凝固した合金で埋められている必要がある。
【0026】次に本発明の接合方法について説明する。
【0027】本発明の接合方法は、アルミニウム部材と
銅部材とを接合する方法である。アルミニウム部材は、
例えば前記のヒートシンクの放熱部底板2-2であり、銅
部材は同じく基板3である。図4に示すように、これら
アルミニウム部材と銅部材との間にインサート材8とア
ルミニウムまたは銅の粒子5とを挟んで、このインサー
ト材の融点よりは高く、粒子の融点よりは低い温度で加
熱する。
【0028】加熱は、非酸化性雰囲気、例えば、真空
中、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気中、また
は水素等の還元性雰囲気中で行う。加熱時間は、インサ
ート材が完全溶融するのに必要な時間以上であればよ
く、加熱中に加圧する必要はない。この加圧が不要であ
るということは、特にアルミニウム製のフィンを備え、
変形しやすいヒートシンクのような機器の接合には有利
である。
【0029】インサート材としては、通常のアルミニウ
ム部材同士のろう付けに用いられるAl−Si−Mg系のろう
材を使用することができるが、溶融したときに、粒子間
の空隙を毛細管現象によって速やかに満たし得るような
流動性に富むものが望ましい。また、アルミニウムおよ
び銅との接合性に優れ、かつこれらと反応して脆い合金
相を生成することのないものが望ましい。これらの特性
を備えたインサート材としては、通常のAl−Si−Mg系ろ
う材または工業用純アルミニウムにGeを10〜60質量%の
範囲で含有させたもの、またはさらにCuを0.2〜5質量
%の範囲で含有させたものがある。
【0030】なお、銅部材の接合面には銀またはニッケ
ルによるコーティングを施してもよい。このコーティン
グは、後述するインサート材が溶融した後に再凝固する
際の脆化相(前記の脆いCu−Al合金相)の生成を防止す
る作用を有する。コーティングの方法には特に制限はな
く、例えば電解メッキ、無電解メッキ、気相メッキ、ス
パッタリング等が利用できる。なお、コーティングの厚
さは50μm以上が望ましい。
【0031】インサート材の量は粒子間の空隙を満たす
に足りる量であればよい。通常、シートの厚さで0.2mm
以下でよい。
【0032】粒子としては、JISの1000番系、3000番
系、6000番系のアルミニウムまたはアルミニウム合金、
C1020のような工業用純銅のアトマイズ粉が使用でき
る。これらの粒子をアルミニウム部材(底板2-2)と銅
部材(基板3)との間に配置するには、様々な方法が利
用できる。例えば、接合温度で揮発する有機系バインダ
ーと混合した粒子をいずれかの部材の接合面またはイン
サート材の表面に接着してもよく、また、かかるバイン
ダーで粒子を固めたシートを準備しておき、これを銅部
材(基板3)の上にインサート材のシートと重ねて配置
し(どちらを上にしてもよい)、これらの上にアルミニ
ウム部材(放熱部2)を重ね置きしてもよい。
【0033】上記の方法で製造した熱交換装置の接合部
には、製造当初に使用した粒子が溶融することなくほぼ
原形のままで存在する。それによって、前記の優れた接
合部の特性が確保される。なお、粒子とインサート材と
の反応によって粒子表面がわずかに溶融することがあっ
ても差し支えはない。
【0034】本発明の熱交換装置の製造方法について
は、すでに上記の接合方法の説明中に例示したので、以
下簡単に説明する。図1に示すヒートシンクの場合、放
熱部2は、通常の方法でアルミニウムまたはその合金で
作製すればよい。放熱部は一体物でなく、フィン2-1と
底板2-2とを別に作製して接合したものであってもよ
い。フィンの形状も任意である。基板3は銅またはその
合金の板で、その厚さは任意である。
【0035】接合作業時の加熱温度は、前記のとおり、
インサート材の融点よりも高く、粒子5の融点よりも低
い範囲に設定するが、この範囲内でも温度が高いとアル
ミニウム製放熱部の変形等のおそれのない400〜600℃程
度の加熱温度(接合温度)を選ぶのが望ましい。
【0036】
【実施例】[実施例1]アルミニウム母材(工業用純ア
ルミニウム…JIS 1050相当)と銅母材(工業用純銅…JI
S C1020相当)を接合する試験を行った。使用したアル
ミニウム粒子、銅粒子およびインサート材は下記のもの
である。
【0037】アルミニウム粒子:工業用純アルミニウム
(JIS 1050相当)のアトマイズ粉、
平均粒径は50μm 銅粒子:工業用純銅(JIS C1020相当)のアトマイズ
粉、平均粒径は50μm インサート材:Al−Si−Mg系のアルミニウム合金ろう
(JIS 4004相当)の箔材、厚さ0.1mm。
【0038】なお、アルミニウム粒子または銅粒子は、
インサート材の表面に400℃で完全に揮発するバインダ
ーを用いてインサート材表面が完全に被われるように塗
布した。
【0039】まず、銅母材の表面に厚さ約100μmの無
電解ニッケルメッキを施し、その上に上記の粒子を塗布
したインサート材を粒子側がメッキ面に接触するように
載置した。そのインサート材の上にアルミニウム母材を
載せて、5×10-5Torrの真空中で530℃×1時間の加熱
を行った。
【0040】上記の接合処理の後、接合体から直径10m
m、長さ200mmの丸棒試験片を、接合部が長さの中心にな
るように採取し、静的単軸引張破壊試験を行った。試験
数は5である。
【0041】なお、比較のために、アルミニウムまたは
銅の粒子を用いず、上記のインサート材だけで接合する
試験も実施した。接合条件は上記と全く同じにした。表
1に5回の試験による破断強度の最小値、最大値および
平均値を示す。
【0042】上記の試験では、全ての試験片が接合部で
破断したが、表1に示すとおり、使用する粒子がアルミ
ニウム、銅のいずれであっても破断強度に大差はなく、
その値はアルミニウム母材強度(引張強度は約7kgf/mm
2)の約50%に達する。一方、これらの粒子を使用しな
いで接合した比較例では、破断強度が著しく低く、その
平均値はアルミニウム母材強度の約1/5にすぎない。
【0043】なお、試験後に試験片の接合部を顕微鏡観
察したところ、本発明例では約100μmの厚さの接合層
の中にアルミニウムまたは銅の粒子がほぼ原形のまま残
存していることが確認された。
【0044】ヒートシンクとして使用する場合、通常の
使用条件ではアルミニウム底板(図1の2-2)と基板
(同、3)との間の接合層(同、4)には、アルミニウ
ムと銅の熱膨張率の差によって約2kg/mm2程度の熱応力
が発生する。上記本発明例では、破断強度が3kg/mm2
上であるから、十分な耐熱応力性を有していることが明
らかである。
【0045】
【表1】 [実施例2]図1に示す形状のヒートシンク(概略寸法
は、幅52mm、長さ52mm、高さ12mm)を実施例1の方法で
作製した。そのヒートシンクの基板3の下面中央に、発
熱体である半導体デバイスを模擬したシートヒーター
(発熱面が1辺10.4mmの正方形)を取り付けて強制対流
冷却を行い冷却性能を測定した。ヒートシンクの各部の
材料、寸法等は下記のとおりである(図1および図2参
照)。
【0046】フィン2-1の材質と数:工業用純アルミニ
ウム(JIS 1050相当)、数:15 フィン2-1の寸法:高さ(h)10.0mm、厚さ(t1)0.7m
m、間隔(w)2.8mm底板2-2の厚さ(t2)1.0mm 基板3の材質:工業用純銅(JIS C1020相当)、基板3
の厚さ(t3):1.0mm。
【0047】作製したヒートシンクは実施例1に示した
インサート材、アルミニウム粒子および銅粒子を用いる
接合方法によるもの各1個と、比較例として示したこれ
らの粒子を使用せずに接合したもの1個である。接合層
の厚さ(t4)は、いずれも約100μmであった。
【0048】強制冷却試験は、フィン2-1と同じ高さで
幅が65mmのダクトにヒートシンクの正面(図1の紙面に
直角の面)を取り付け、シートヒーターを30Wで発熱さ
せた上、ダクト内に平均流速1.5m/sで冷却空気を流して
行った。この試験中に空気入り口温度と基板3のシート
ヒータ側表面の温度との平均温度差を測定したところ、
40.6℃で、熱抵抗にして1.35℃/Wであった。
【0049】一方、前記の実施例1の比較例の方法で作
製したヒートシンクを用いて同様に試験を行ったとこ
ろ、上記の平均温度差は53.2℃であり、熱抵抗は1.77℃
/Wであった。
【0050】上記の試験結果から、接合層の中にアルミ
ニウム粒子または銅粒子を含むヒートシンクでは、放熱
部底板と基板との間の接合層の熱抵抗が著しく小さく、
これらの粒子を接合層中に含まない場合に比較して冷却
性能が約1.3倍であることがわかる。
【0051】
【発明の効果】実施例にも示したとおり、本発明の方法
によれば、アルミニウム部材と銅部材という異種材料の
部材が強固に接合できる。この方法で形成された接合層
は、熱抵抗も小さいので、熱交換装置のように優れた熱
伝導を必要とする機器の接合に好適である。例えば、銅
製の基板を備え放熱効率が高く、かつ耐久性に富むヒー
トシンクがこの方法によって容易かつ安価に製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換装置の一例(ヒートシンク)の
概略縦断面図である。
【図2】図1のA部の拡大図である。
【図3】図2のB部の拡大図である。
【図4】本発明の接合方法の一例を説明するための図で
ある。
【図5】従来のヒートシンクの一例を示す縦断面図であ
る。
【図6】従来のヒートシンクの改良例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1…熱交換装置(ヒートシンク) 2…放熱部、2-1…放熱部のフィン、2-2…放熱部の底板 3…基板 4…接合層 5…アルミニウムまたは銅の粒子 6…粒子間の間隙 7…発熱体(半導体デバイス) 8…インサート材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 21/08 F28F 21/08 E // B23K 103:18 B23K 103:18 (72)発明者 三木啓治 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密工 業株式会社内 (72)発明者 田坂誠均 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金製の
    部材と銅または銅合金製の部材との間にインサート材な
    らびにアルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合
    金の中の少なくとも1種の粒子を介在させ、上記インサ
    ート材の融点よりは高く、上記粒子の融点よりは低い温
    度で非酸化性雰囲気中で加熱することを特徴とするアル
    ミニウムまたはアルミニウム合金製の部材と銅または銅
    合金製の部材の接合方法。
  2. 【請求項2】銅または銅合金製の基板、アルミニウムま
    たはアルミニウム合金製の放熱部および上記の基板と放
    熱部とをつなぐ接合層とからなる熱交換装置であって、
    上記の接合層がアルミニウム、アルミニウム合金、銅お
    よび銅合金の中の少なくとも1種の粒子を含むことを特
    徴とする熱交換装置。
  3. 【請求項3】銅または銅合金製の基板と、アルミニウム
    またはアルミニウム合金製の放熱部との間にインサート
    材ならびにアルミニウム、アルミニウム合金、銅および
    銅合金の中の少なくとも1種の粒子を介在させ、上記イ
    ンサート材の融点よりは高く、上記粒子の融点よりは低
    い温度で非酸化性雰囲気中で加熱することを特徴とする
    熱交換装置の製造方法。
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