JP2002113098A - 防曇性医療用材料およびそれを用いた輸液器具ないし輸血器具 - Google Patents

防曇性医療用材料およびそれを用いた輸液器具ないし輸血器具

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JP2002113098A
JP2002113098A JP2000308161A JP2000308161A JP2002113098A JP 2002113098 A JP2002113098 A JP 2002113098A JP 2000308161 A JP2000308161 A JP 2000308161A JP 2000308161 A JP2000308161 A JP 2000308161A JP 2002113098 A JP2002113098 A JP 2002113098A
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JP
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medical material
photocatalyst
infusion
antifogging
blood
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JP2000308161A
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English (en)
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Akira Mochizuki
明 望月
Hiroshi Araki
浩 荒木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】点滴筒や輸液チューブなどの輸液器具または輸
血器具に使用し、輸液剤や輸血用血液からの水蒸気によ
っても内面が曇らない防曇性医療用材料を提供する。 【解決手段】光触媒を含むポリマー材料で構成された、
または内表面が光触媒で被覆された防曇性医療用材料で
あり、光触媒は酸化チタン系触媒であることが望まし
く、特に、可視光線下に触媒作用を発現し、かつ安定し
た酸素欠陥を有する二酸化チタン系触媒が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇性医療用材
料、および防曇性医療用材料を用いた点滴筒や輸液チュ
ーブなどの輸液器具または輸血器具に関する。
【0002】
【従来の技術】脱水時の水分補給や栄養補給、感染症に
対する抗生剤の投与、出血時の輸血等、医療現場におい
ては種々の輸液剤や血液が日常的に投与されている。投
与に当たっては点滴速度を確認するために点滴筒付きの
点滴チューブが使用されているが、輸液剤や輸血用血液
から水蒸気が点滴筒の内面にて結露し点滴筒が曇るた
め、輸液剤の滴下状態の確認が困難になる。また、光セ
ンサ等を利用した自動輸液速度調節装置等を使用する場
合には、こうした曇りによる液滴の検出エラーが発生す
る等の問題が生じている。
【0003】従来、点滴筒の材質には、主に加工しやす
さの観点からポリ塩化ビニル樹脂が使用されてきたが、
廃棄後の焼却処分時にダイオキシン等の有害物質を産生
したり、ニトログリセリン等の薬剤を吸着してしまう等
の理由から、今日ではポリプロピレン(PP)製のもの
が一般的に使用されるようになっている。しかし、PP
は撥水性が高いため、ポリ塩化ビニル樹脂製点滴以上に
内面に結露しやすく曇りやすいことがが指摘されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このように
一般的に行われている輸液剤や血液の投与時において、
長期間の使用に対しても曇らない防曇性医療用材料、お
よび防曇性医療用材料を用いた点滴筒や輸液チューブな
どの輸液器具または輸血器具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により解決される。
【0006】(1)本発明は、管状の医療用材料であっ
て、少なくとも一部が光触媒を含むポリマー材料で構成
されたことを特徴とする防曇性医療用材料である。
【0007】(2)本発明は、管状の医療用材料であっ
て、内表面の少なくとも一部が光触媒で被覆されたこと
を特徴とする防曇性医療用材料である。
【0008】(3)本発明は、前記光触媒が酸化チタン
系触媒である上記(1)乃至(2)に記載の防曇性医療
用材料である。
【0009】(4)本発明は、前記酸化チタン系触媒
が、可視光線下に触媒作用を発現し、かつ安定した酸素
欠陥を有する二酸化チタンである上記(1)乃至(3)
に記載の防曇性医療用材料である。
【0010】(5)本発明は、上記(1)乃至(4)に
記載の防曇性医療用材料からなる輸液器具または輸血器
具である。
【0011】(6)本発明は、上記(1)乃至(4)に
記載の防曇性医療用材料からなる点滴筒である。
【0012】(7)本発明は、上記(1)乃至(4)に
記載の防曇性医療用材料からなるチューブである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、光触媒を含むポリマー
材料で構成された防曇性医療用材料、または内表面が光
触媒で被覆された管状の防曇性医療用材料、およびこれ
らの防曇性医療用材料から構成され輸液剤または血液な
どの液体が貯溜または流通できる点滴筒や輸液チューブ
などの輸液器具または輸血器具であり、光触媒が触媒作
用を発現することにより水蒸気による曇りを防止できる
ものである。
【0014】光触媒は可視光線や紫外光線により活性化
することにより医療用材料の表面の水蒸気による曇りを
防止できるものであれば、種々のものが利用できる。具
体的には、例えば、二酸化チタン、硫化カドミウム、ニ
オブ系層間化合物、ルテニウム錯体などからなる触媒が
あげられ、特に二酸化チタン系触媒が安定性、活性の強
さ、価格等の点で望ましい。
【0015】また、光触媒は、特に、可視光線下に触媒
作用を発現するものが望ましい。通常、本発明に係る輸
液器具または輸血器具を使用する病室等では、紫外光を
獲得する事は種々の困難を伴うため、紫外光により触媒
作用を発現するものよりも、蛍光灯、白熱灯等の可視光
によって触媒作用が発現できるものが、本発明の曇り防
止の効果を発揮するためには非常に有効だからである。
【0016】可視光線下に触媒作用を発現する二酸化チ
タン系触媒としては、安定した酸素欠陥を有する二酸化
チタン系触媒があげられる。この場合、二酸化チタンの
格子構造は、アナターゼ型、ルチル型のいずれでもよい
が、アナターゼ型がより望ましい。
【0017】これらの二酸化チタン系触媒は、可視光線
下で活性化された後、遮光下でも優れた活性を示すが、
活性力が弱くなった場合にも、再度可視光線下で活性化
させることにより、その効果を維持することができる。
具体的には、一週間程度遮光下においても、その活性が
維持できる。
【0018】安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン系
触媒とは、チタン原子(Ti)1個に対し2個の酸素原
子(O)を有する二酸化チタンの結晶格子において、格
子中の酸素原子が外れ、かつ酸素原子が外れた状態で安
定に存在するのものをいう。つまり、O/Ti比が2以
下のものであり、不足した酸素原子を空気中の酸素等に
より埋め合わすことがない安定なものである。
【0019】上述した安定した酸素欠陥を有する二酸化
チタン系触媒は、二酸化チタンを水素プラズマ処理又は
希ガス類元素プラズマ処理をすることで得られれ、ま
た、希ガス元素イオンを注することによっても得られ
る。原料となる二酸化チタンとしては湿式法、例えば硫
酸法で製造した二酸化チタン及び乾式法で製造した二酸
化チタンが利用できる。こうして得られた二酸化チタン
系触媒は、可視光線下に触媒作用を発現し、かつ安定し
た酸素欠陥を有し、X線光電子分光法によって得られる
チタンと酸素の原子数比(O1s/Ti2p(各原子に
帰属されるピークの面積比))が1.5〜1.95であ
る。
【0020】また、安定した酸素欠陥を有する二酸化チ
タン触媒は、触媒活性の安定化のため、その表面に一価
のイオンを含有するものであることが望ましい。一価の
イオンとしては水素イオン、及びアルカリ金属イオン
(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシ
ウムの各イオン)からなる群から選ばれる少なくとも一
種があげられる。これらの一価のイオンを含有させる方
法としてはイオン注入法が用いられる。注入量としては
可視光線照射下での活性が発現できる程度以上であれば
特に制限はない。
【0021】なお、二酸化チタン系触媒において、酸素
欠陥を有する部分は触媒活性との関係で少なくとも触媒
の固体表層に存在すればよく、その量は光触媒の可視光
線照射下での活性を考慮し適時決定するこができる。
【0022】本発明の防曇性医療用材料は、少なくとも
一部に光触媒を含むポリマー材料を管状にすること、ま
たは管状のポリマー材料の内表面の少なくとも一部を光
触媒で被覆することにより得られる。ポリマー材料とし
ては、光触媒を混合または被覆できるものであれば、特
に限定しない。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリブテン、SEBS、SISなどのポリオレフ
ィン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミドなどの熱可塑性透明軟質材料があげられ
る。
【0023】光触媒を含むポリマー材料としては、球
形、破砕型等の形状とした光触媒の粒を、ポリマー材料
へ溶融混合したものがあげられる。光触媒の粒の粒径
は、望ましくは100μm以下であり、10μm以下が
より望ましい。また、光触媒の添加により透明性が損な
われるような場合には、可視光の波長以下の粒径を持っ
た光触媒を利用することでこの問題を改善できる。
【0024】なお、光触媒を含むポリマー材料は、他の
層を積層し多層構造としたものであってもよく、光触媒
を含むポリマー材料を内層と、光触媒を含まないポリマ
ー材料を外層とするものを多層成形加工によって得るこ
とができる。
【0025】管状のポリマー材料の内表面の少なくとも
一部を光触媒で被覆する方法としては、光触媒を含有す
る塗料をスプレーする方法、あるいは塗布する方法が利
用でき、また光触媒を含有した層を表層とする多層成形
品を該表層が内表面となるように管状に成形することに
よっても得られる。
【0026】それぞれの場合において光触媒の添加量
は、防曇性医療用材料の内表面の曇りを防止できる量が
必要であり、これは光触媒を含ませる、または被覆する
ポリマー材料の部分(例えば、表面のみに含ませるか、
あるいはある程度の深さの内部にまで含ませるか)や、
光強度や触媒活性度により影響されるので一概に規定で
きないが、概ね0.1〜30重量%とすることで本発明
の目的を達成できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を更に具体的に説
明する。
【0028】(実施例1)市販の輸液セット(テルモ社
製)に組み込まれている点滴筒の内面に、市販の二酸化
チタンを含むコーティング剤(AC−227、日本曹達
(株))を塗布し、内表面が光触媒で被覆された点滴筒
を得た。次に得られた点滴筒の外部から1mW/cm2
の紫外線(366nm)を照射し、触媒を活性化させた
後、被長時間に亙る輸液試験として、80ml/hの速
度で生理的食塩水の点滴試験を行い、2時間後、6時間
後、12時間後、24時間後の点滴筒の曇り具合を観察
した。その結果、24時間後においても曇りの発生は認
められなかった。
【0029】(実施例2)市販の輸液セット(テルモ社
製)に組み込まれている点滴筒の内面に可視光線対応型
二酸化チタン(O1s/Ti2p=1.75)を含むコ
ーティング剤を塗布し、内表面が可視光線下に触媒作用
を発現する光触媒で被覆された点滴筒を得た。得られた
点滴筒に長時間に亙る輸液試験として、80ml/hの
速度で生理的食塩水の点滴操作を光触媒を活性化させる
ため蛍光灯下で行い、2時間後、6時間後、12時間
後、24時間後の点滴筒の曇り具合を観察した。その結
果、24時間後においても曇りの発生は認められなかっ
た。
【0030】なお、蛍光灯下で光触媒を活性化した後、
遮光下でも同様な試験を行ったが上述した試験と同様な
効果が得られた。さらに遮光下、一週間後でも曇りの発
生は認められなかった。
【0031】(比較例1)二酸化チタンをコーティング
していない輸液用点滴筒を用いた以外は、実施例1と全
く同様の試験を行った。その結果、時間と共に曇りが増
加し、6時間後には液滴の検出が困難になった。
【0032】
【発明の効果】本発明の防曇性医療用材料は水蒸気など
による曇りを防止することができ、本発明の防曇性医療
用材料を用いた点滴筒や輸液チューブなどの輸液器具ま
たは輸血器具は、輸液作業または輸血作業であってもそ
の内表面の輸液剤や輸血用血液に由来する水蒸気による
曇りを防止することができる。そのため、輸液作業また
は輸血作業中の点滴速度が適正であるかどうかの確認が
容易に行えるようになる。このことから、長時間の輸液
作業または輸血作業においても点滴速度の異常をいち早
く発見することができるようになると共に、自動点滴速
度調節装置の使用時にも液滴の検出エラーが発生しにく
くなる等、臨床上有用な器具を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管状の医療用材料であって、少なくとも一
    部が光触媒を含むポリマー材料で構成されたことを特徴
    とする防曇性医療用材料。
  2. 【請求項2】管状の医療用材料であって、内表面の少な
    くとも一部が光触媒で被覆されたことを特徴とする防曇
    性医療用材料。
  3. 【請求項3】前記光触媒が酸化チタン系触媒である請求
    項1乃至2に記載の防曇性医療用材料。
  4. 【請求項4】前記酸化チタン系触媒が、可視光線下に触
    媒作用を発現し、かつ安定した酸素欠陥を有する二酸化
    チタン系触媒である請求項1乃至3に記載の防曇性医療
    用材料。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4に記載の防曇性医療用材料
    からなる輸液器具または輸血器具。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4に記載の防曇性医療用材料
    からなる点滴筒。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4に記載の防曇性医療用材料
    からなるチューブ。
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