JP2002111217A - 両面配線板、及び多層配線板 - Google Patents

両面配線板、及び多層配線板

Info

Publication number
JP2002111217A
JP2002111217A JP2000300727A JP2000300727A JP2002111217A JP 2002111217 A JP2002111217 A JP 2002111217A JP 2000300727 A JP2000300727 A JP 2000300727A JP 2000300727 A JP2000300727 A JP 2000300727A JP 2002111217 A JP2002111217 A JP 2002111217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring board
double
resin
adhesive layer
metal foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000300727A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Aoki
仁 青木
Yoshitaka Okugawa
良隆 奥川
Kensuke Nakamura
謙介 中村
Masaaki Kato
正明 加藤
Hidetaka Hara
英貴 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2000300727A priority Critical patent/JP2002111217A/ja
Publication of JP2002111217A publication Critical patent/JP2002111217A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間接続部近傍の配線密度を低下させるこ
となく、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い両面配
線板を提供することを目的とする。 【解決手段】 絶縁層と第1の金属箔からなる2層構造
体の絶縁層にビアを形成する工程と、第1の金属箔を電
解めっき用リードとして、導体ポストを電解めっきによ
り形成する工程と、導体ポストの表面に接合用金属材料
を形成する工程と、絶縁層の表面または第2の金属箔の
表面の少なくとも一方に接着剤層を形成する工程と、導
体ポストと第2の金属箔とを、接着剤層を排除しながら
接合用金属材料により接合し、かつ、絶縁層と第2の金
属箔とを接着剤層により接着する工程と、第1及び第2
の金属箔をエッチングして配線パターンを形成する工程
とを含んでなる両面配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面の配線パター
ンの電気的接続と接着を同時に行うことにより製造され
た両面配線板、及びその両面配線板をコア基板としてい
る多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短
小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには
高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使
用される半導体パッケージは、従来にも増して益々小型
化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】従来の回路基板はプリント配線板と呼ば
れ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層
板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔を
パターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリル
で貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビ
アを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が
主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が
進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の
搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】このような背景により、近年、ビルドアッ
プ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線
板は、樹脂のみで構成される絶縁層と導体層(ビルドア
ップ層)とを積み重ねながら成形される。ビア形成方法
としては、従来のドリル加工に代わって、レーザ法、プ
ラズマ法、フォト法等多岐にわたり、小径のビアホール
を自由に配置することで、高密度化を達成するものであ
る。層間接続部としては、ブライドビア(Blind
Via)やバリードビア(Buried Via:ビア
を導電体で充填した構造)等があり、ビアの上にビアを
形成するスタックドビアが可能な、バリードビアホール
が特に注目されており、配線密度の高密度化に大きな役
割を果たしている。
【0005】ビルドアップ多層配線板のリジッド性を確
保するためにはコア基板が必要である。そのコア基板は
ドリル加工により貫通孔を開けて、貫通孔の壁面に銅め
っきを行ってビアを形成するような従来の製造方法によ
り層間接続しているため、配線密度の高密度化に対応で
きず、ビルドアップ層の高密度化が進んでも、結果的に
は、ビルドアップ多層配線板としての高密度化をコア基
板が妨げているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、両面配線板
の層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、層間接続
部近傍の配線密度を低下させることなく、確実に層間接
続でき、且つ信頼性の高い両面配線板とその両面配線板
をコア層に用いた多層配線板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の両面配線板は、
絶縁層と第1の金属箔からなる2層構造体の絶縁層にビ
アを形成する工程と、第1の金属箔を電解めっき用リー
ドとして、導体ポストを電解めっきにより形成する工程
と、導体ポストの表面に接合用金属材料を形成する工程
と、絶縁層の表面または第2の金属箔の表面の少なくと
も一方に接着剤層を形成する工程と、導体ポストと第2
の金属箔とを、接着剤層を排除しながら接合用金属材料
により接合し、かつ、絶縁層と第2の金属箔とを接着剤
層により接着する工程と、第1及び第2の金属箔をエッ
チングして配線パターンを形成する工程とを含んでなる
製造工程により得られることを基本とし、好ましくは、
導体ポストが銅からなり、さらには、接合用金属材料が
半田からなることが好ましい。さらには、第2の金属箔
の表面をソフトエッチングする工程を含んでなることが
好ましい。
【0008】また、本発明の両面配線板における接着剤
層は、表面清浄化機能を有することが好ましく、その接
着剤層に用いる第1の好ましい接着剤としては、少なく
とも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)
と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分
とし、さらには、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノ
ールノボラック樹脂、レゾール樹脂、及び、ポリビニル
フェノール樹脂から選ばれる、少なくとも1種であるこ
とが好ましく、また、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)が、接着剤層中に20wt%以上80wt%以下
含まれることが好ましい。また、第2の好ましい接着剤
としては、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有
し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合
物(D)とを必須成分とし、さらには、硬化剤として作
用する化合物(D)が、接着剤層中に1wt%以上10
wt%以下含まれることが好ましい。
【0009】本発明の多層配線板は、本発明の両面配線
板をコア基板としていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら
限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態で
ある両面配線板の製造方法の一例を説明するための図
で、図1(g)は得られる両面配線板120の構造を示
す断面図である。
【0011】本発明の両面配線板の製造方法のとして
は、まず、第1の金属箔101aと絶縁層102からな
る2層構造体110を用意する(図1(a))。2層構
造体110は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の
銅箔を全面エッチングして得ることができる。または、
第1の金属箔101a上に樹脂ワニスを印刷、カーテン
コート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライ
フィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等
の方法で積層することにより得ることができる。さらに
は、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)の
ような2層構造体を用意しても良い。なお、図1(a)
では、一例として市販のガラスエポキシ両面銅張積層板
の一方の銅箔をエッチングにより除去した例を示してお
り、図1(b)〜(g)についても同様である。
【0012】次に、絶縁層102にビア103を形成す
る(図1(b))。ビア103の形成方法は、この製造
方法に適する方法であればどのような方法でも良く、レ
ーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエ
ッチング等が挙げられる。また、絶縁層102を感光性
樹脂とした場合には、絶縁層102を選択的に感光し、
現像することでビア103を形成することもできる。レ
ーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザ、エ
キシマレーザなどを使用することができる。絶縁層10
2がガラスエポキシのように補強繊維を含む場合には、
樹脂とガラスクロスを貫通してビア103を形成するこ
とができる炭酸ガスレーザーを使用することが好まし
い。絶縁層102がポリイミド等の補強繊維を含まない
場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レ
ーザーを使用することが好ましい。
【0013】次に、第1の金属箔101aを電解めっき
用リード(給電用電極)として、導体ポスト104を電
解めっきにより形成する(図1(c))。この電解めっ
きにより、絶縁層102のビア103が形成されている
部分に、導体ポスト104が形成される。電解めっきに
より導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104
の先端の形状を自由に制御することができる。導体ポス
ト104の材質としては、この製造方法に適するもので
あればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニッケ
ル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。さらに
は、銅を用いることで、低電気抵抗で安定した導体ポス
ト104が得られる。
【0014】次に、導体ポスト104の表面(先端)
に、接合用金属材料105を形成する(図1(d))。
接合用金属材料105の形成方法としては、無電解めっ
きにより形成する方法、第1の金属箔101aを電解め
っき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形
成する方法、接合用金属材料105を含有するペースト
を印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印
刷用マスクを導体ポスト104に対して精度良く位置合
せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる
方法では、導体ポスト104の表面以外に接合用金属材
料105が形成されることがないため、導体ポスト10
4の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解め
っきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、
めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も
容易であるため、非常に好適である。接合用金属材料1
05の材質としては、図1(e)に示す第2の金属箔1
01bと金属接合可能な金属であればどのようなもので
もよく、例えば、半田が挙げられる。半田の中でも、S
nやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、P
d、Sb、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる
半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境
に優しいPbフリー半田である。
【0015】次に、絶縁層102の表面に、接着剤層1
06を形成する(図1(e))。接着剤層106の形成
は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニ
スを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接
塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネ
ート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられ
る。接着剤層106の機能は、詳細には後述の通りであ
るが、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能であ
る。前者は半田接合を実現するために必要な機能であ
り、後者は絶縁層102と第2の金属箔101bを接着
するために必要な機能であり、両者とも欠く事はできな
い。なお、図1(e)では、絶縁層102の表面に接着
剤層106を形成する例を示したが、第2の金属箔10
1b上に接着剤層106を形成しても構わない。もちろ
ん、絶縁層102と第2の金属箔101bの両表面に形
成しても構わない。
【0016】次に、絶縁層102及び第2の金属箔10
1bとを積層する(図1(f))。積層方法としては、
例えば、真空プレスを用いて、導体ポスト104が、接
着剤層106を排除して、接合用金属材料105により
第2の金属箔101bと金属接合するまで加圧し、更に
加熱して接着剤層106を硬化させて、絶縁層102と
第2の金属箔101bとを接着することができる。
【0017】最後に、第1及び第2の金属箔101a、
101bを選択的にエッチングすることにより、配線パ
ターン107を形成し、両面配線板120を得る(図1
(g))。
【0018】以上の工程により、導体ポスト104と接
合用金属材料105により、両面の配線パターン107
を電気的に導通させた両面配線板120を得ることがで
きる。
【0019】本発明による両面配線板の製造方法の最大
の特徴は、次に示す3点である。 (1)導体ポスト104を電解めっきにより形成するこ
とができる。 (2)最終的には選択的にエッチングして配線パターン
107となる第1の金属箔101aを、電解めっき用リ
ードとして使用するため、配線パターン107に特別な
電解めっき用リードを設ける必要が無い。 (3)ドリルにより貫通孔を形成することがないため、
層間接続として用いる導体ポスト104の密度を高める
ことができるだけでなく、配線パターン107の密度も
高めることができる。
【0020】続いて、本発明の両面配線板をコア基板と
する多層配線板について説明する。図2は、本発明の実
施形態である多層配線板の製造方法の一例を説明するた
めの図で、図2(c)は得られる多層配線板220の構
造を示す断面図である。
【0021】本発明の多層配線板の製造方法としては、
まず、図1の製造方法により得られる両面配線板120
をコア基板として用い、その両面に、回路基板210
a、210bを対向させる(図2(a))。ここで、両
面配線板120と回路基板210a、210bとを精度
良く位置合せしておくことが重要である。なお、回路基
板210a、210bは、図1(a)〜(d)と同様な
方法により得ることができ、図2(a)の場合、接着剤
層206a、206bも形成されている。接着剤層20
6a、206bの機能については、上述の接着剤層10
6と同様である。
【0022】次に、両面配線板120及び回路基板21
0a、210bとを積層する(図2(b))。積層方法
は、図1(f)に示す方法と同様である。
【0023】最後に、回路基板210a、210bに形
成されている金属箔201a、201bを選択的にエッ
チングすることにより、配線パターン207a、207
bを形成し、多層配線板220を得る(図2(c))。
【0024】以上の工程により、本発明の両面配線板1
20をコア基板とした多層配線板220を得ることがで
きる。ここでは、両面配線板120の両面に各1層ずつ
回路基板210a、210bを積層した多層配線板22
0について説明したが、図2(a)〜(c)に示す工程
を繰り返すことにより、より層数の多い多層配線板を得
ることもできる。
【0025】本発明による多層配線板の製造方法の最大
の特徴は、コア基板の高密度化が達成されているため、
多層配線板としても高密度化を実現することができ、従
来のように、コア基板が高密度化を妨げるようなことは
なくなる、ということである。
【0026】本発明に用いる接着剤層は、表面清浄化機
能を有しており、且つ絶縁信頼性の高いところに最も特
徴がある。表面清浄化機能としては、例えば、接合用金
属材料表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去機
能や、酸化膜の還元機能である。この接着剤層の表面清
浄化機能により、接合用金属材料と接続するための表面
との濡れ性が十分に高まる。そのため、接着剤層は、金
属表面を清浄化するために、接合用金属材料と接続する
ための表面に、必ず接触している必要がある。両表面を
清浄化することで、接合用金属材料が、被接合表面に対
して濡れ拡がろうとする力が働き、その接合用金属材料
の濡れ拡がりの力により、金属接合部における接着剤層
が排除される。これより、接着剤層を用いた金属接合に
は、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼
性は高いものとなる。
【0027】本発明に用いる第1の好ましい接着剤は、
少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂
(A)と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必
須成分としており、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)の、フェノール性水酸基は、その表面清浄化機能
により、接合用金属材料及び金属表面の酸化物などの汚
れの除去あるいは、酸化物を還元し、金属接合のフラッ
クスとして作用する。更に、その硬化剤として作用する
樹脂(B)により、良好な硬化物を得ることができるた
め、金属接合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲
気でも電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い金
属接合を可能とする。
【0028】本発明において第1の好ましい接着剤に用
いる、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有す
る樹脂(A)としては、フェノールノボラック樹脂、ア
ルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、及
び、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好まし
く、これらの1種以上を用いることができる。
【0029】フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
の、硬化剤として作用する樹脂(B)としては、エポキ
シ樹脂やイソシアネート樹脂などが用いられる。具体的
にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラッ
ク系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール
系、ナフトール系やレソルシノール系などのフェノール
ベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族な
どの骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイ
ソシアネート化合物が挙げられる。
【0030】本発明において第1の好まし接着剤に用い
る、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)は、接着剤
中に、20wt%以上80wt%以下で含まれることが
好ましい。20重量%未満であると、金属表面を清浄化
する作用が低下し、金属接合できなくなってしまう。ま
た、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、
接合強度と信頼性が低下する。また、接着剤層に用いる
樹脂に、硬化触媒、着色料や、無機充填材、各種のカッ
プリング剤などの各種添加剤を添加しても良い。
【0031】本発明に用いる第2の好ましい接着剤層
は、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つ
エポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物
(D)とを、必須成分としており、化合物(D)のイミ
ダゾール環は、三級アミンの不対電子に起因する表面清
浄化機能により、接合用金属材料及び金属表面の酸化物
などの汚れの除去あるいは、酸化膜を還元し、金属接合
のフラックスとして作用する。更に、イミダゾール環
は、エポキシ樹脂(C)をアニオン重合する際の硬化剤
としても作用するため、良好な硬化物を得ることがで
き、半田接合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲
気でも電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い金
属接合を可能とする。
【0032】本発明において第2の好ましい接着剤に用
いる化合物(D)の添加量は、接着剤中、1wt%以上
10wt%以下であることが好ましい。化合物(D)の
添加量が1wt%未満では表面清浄化機能が弱く、ま
た、エポキシ樹脂(C)を充分に硬化させることができ
ない。また、化合物(D)の添加量が10wt%より多
い場合は、硬化反応が急激に進行し、金属接合時におけ
る接着剤層の流動性が低下し、金属接合を阻害するため
好ましくない。さらに、得られる硬化物が脆く、十分な
強度の金属接合部が得られない。より好ましくは、化合
物(D)の添加量は1wt%以上5wt%以下が良い。
【0033】本発明において第2の好ましい接着剤に用
いるエポキシ樹脂(C)としては、ビスフェノール系、
フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラッ
ク系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール
系などの、フェノールベースのエポキシ樹脂や、脂肪
族、環状脂肪族や不飽和脂肪族などの骨格をベースとし
て変性されたエポキシ化合物が挙げられる。
【0034】本発明において第2の好ましい接着剤で用
いる化合物(D)としては、イミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、ビス(2−エチル−4
−メチル−イミダゾール)、2−フェニル−4−メチル
−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−
4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シ
アノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フェニルイミダゾール、あるいはトリアジン付
加型イミダゾール等が挙げられる。また、これらをエポ
キシアダクト化したものや、マイクロカプセル化したも
のも使用できる。これらは単独で使用しても2種類以上
を併用しても良い。
【0035】本発明において第2の好ましい接着剤に用
いるエポキシ樹脂(C)の配合量は、接着剤層全体の3
0〜99重量%が好ましい。30重量%未満であると、
十分な硬化物が得られない。接着剤層に用いる樹脂に、
シアネート樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、
マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を配合
しても良い。また、接着剤層に用いる樹脂に、無機充填
材の他、硬化触媒、着色料、各種のカップリング剤など
の各種添加剤を添加しても良い。
【0036】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。本発明の両面配線板の有効性を確認するため、下記
に示す実施例1及び2の接着剤ワニスを用いて両面配線
板を製造し、金属接合部の断面観察を行った。
【0037】実施例1(接着剤ワニスの調合例1) m,p−クレゾールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、
商品名PAS−1、OH当量120)100gと、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名
RE−404S、エポキシ当量165)140gを、シ
クロヘキサノン60gに溶解し、硬化触媒としてトリフ
ェニルフォスフィン(北興化学工業(株)製)0.2g
を添加し、接着剤ワニスを作製した。
【0038】実施例2(接着剤ワニスの調合例2) ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商
品名RE−404S、エポキシ当量165)30gと、
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、
商品名EOCN−1020−65、エポキシ当量20
0)70gを、シクロヘキサノン60gに溶解し、硬化
剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名2P
4MHZ−PW、融点192℃〜197℃)3.0g添
加し、接着剤ワニスを作製した。
【0039】両面配線板の製造 絶縁層厚みが0.1mm、銅箔厚みが12μmのガラス
エポキシ銅張積層板(住友ベークライト製、商品名EL
C)の一方の銅箔をエッチングにより全面除去し、2層
構造体(2層構造体110)を得た。次に、炭酸ガスレ
ーザーにより絶縁層(絶縁層102)に150μm径の
ビア(ビア103)を形成した。続いて、除去していな
い方の銅箔(第1の金属箔101a)を電解めっき用リ
ードとして、電解銅めっきすることによりビアを銅で充
填し、銅ポスト(導体ポスト104)を形成した。次
に、銅箔を電解めっき用リードとして、電解半田めっき
により銅ポスト上に10μm厚のSn−Pb共晶半田
(接合用金属材料105)を形成した。
【0040】次に、バーコートにより、上述の実施例1
及び2の接着剤ワニスを、絶縁層の表面、すなわちSn
−Pb共晶半田が形成された面に塗布後、80℃で20
分乾燥し、20μm厚の接着剤層(接着剤層106)を
形成した。次に、接着剤層の表面に12μm厚の銅箔
(銅箔101b)を重ねて、真空プレスにより220℃
の温度で加熱加圧して、銅ポストが接着剤層を貫通して
銅箔と半田接合し、接着剤層により絶縁層と銅箔を接着
した。ここで、重ねた銅箔の粗化面をソフトエッチング
液(NEケムキャット製、商品名PO−TG)を用いて
ソフトエッチングすることにより、粗化面に形成されて
いる防錆処理を除去したものと、ソフトエッチングを行
っていないものを、比較のためにサンプルとして作製し
た。最後に、両面の銅箔を選択的にエッチングすること
により配線パターン(配線パターン107)を形成し、
両面配線板(両面配線板120)を得ることができた。
【0041】金属接合部断面観察 得られた両面配線板の金属接合部の断面を電子顕微鏡に
より観察し、金属接合状態を評価した。その結果、銅箔
(第2の金属箔101b)の防錆処理を除去したサンプ
ルにおいては、銅ポスト(導体ポスト104)と銅箔
(第2の金属箔101b)が、Sn−Pb共晶半田(接
合用金属材料105)により金属接合していることが確
認できた。この結果は、実施例1及び2の接着剤層(接
着剤層106)のどちらについても確認できた。それに
対して、銅箔の防錆処理を除去していないサンプルにお
いては、実施例1及び2の接着剤層(接着剤層106)
のどちらについても、金属接合していないことを確認し
た。
【0042】以上述べたことから明らかなように、最終
的には選択的にエッチングして配線パターンとなる金属
箔を、電解めっき用リードとして使用するため、配線パ
ターンに特別な電解めっき用リードを設けることなく、
導体ポストを電解めっきにより形成することができる。
ドリルにより貫通孔を形成することがないため、層間接
続として用いる導体ポストの密度を高めることができる
だけでなく、配線パターンの密度も高めることができる
両面配線板が得られる。
【0043】
【発明の効果】本発明により、層間接続として用いる導
体ポストの密度を高めることができるだけでなく、配線
パターンの密度も高めることができる両面配線板を提供
することができ、さらにはその両面配線板をコア基板と
して用いることにより、配線パターンの密度を高めた多
層配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による両面配線板の製造方
法の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態である多層配線板の製造方
法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
101a 第1の金属箔 101b 第2の金属箔 103 ビア 104 導体ポスト 105 接合用金属材料 106 接着剤層 107 配線パターン 110 2層構造体 120 両面配線板 201a 金属箔 201b 金属箔 206a 接着剤層 206b 接着剤層 207a 配線パターン 207b 配線パターン 210a 回路基板 210b 回路基板 220 多層配線板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正明 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 原 英貴 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA07 AA15 AA17 BB24 BB25 BB34 BB44 BB48 BB54 BB67 CC01 CC03 CC04 DD02 DD43 DD76 ER18 GG08 5E346 AA43 CC04 CC09 CC32 CC41 DD02 DD03 DD12 DD45 EE02 EE06 EE12 EE33 FF06 FF07 FF08 FF09 FF10 FF14 GG15 GG22 HH25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層と第1の金属箔からなる2層構造
    体の絶縁層にビアを形成する工程と、第1の金属箔を電
    解めっき用リードとして、導体ポストを電解めっきによ
    り形成する工程と、導体ポストの表面に接合用金属材料
    を形成する工程と、絶縁層の表面または第2の金属箔の
    表面の少なくとも一方に接着剤層を形成する工程と、導
    体ポストと第2の金属箔とを、接着剤層を排除しながら
    接合用金属材料により接合し、かつ、絶縁層と第2の金
    属箔とを接着剤層により接着する工程と、第1及び第2
    の金属箔をエッチングして配線パターンを形成する工程
    とを含んでなる製造工程により得られることを特徴とす
    る両面配線板。
  2. 【請求項2】 導体ポストが、銅からなることを特徴と
    する請求項1記載の両面配線板。
  3. 【請求項3】 接合用金属材料が、半田からなることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の両面配線板。
  4. 【請求項4】 第2の金属箔の表面をソフトエッチング
    する工程を含んでなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の両面配線板。
  5. 【請求項5】 接着剤層が、表面清浄化機能を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の両面配
    線板。
  6. 【請求項6】 接着剤層が、少なくとも1つ以上のフェ
    ノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化剤とし
    て作用する樹脂(B)とを必須成分とする接着剤からな
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の
    両面配線板。
  7. 【請求項7】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノ
    ボラック樹脂、レゾール樹脂、及び、ポリビニルフェノ
    ール樹脂から選ばれる、少なくとも1種であることを特
    徴とする、請求項6記載の両面配線板。
  8. 【請求項8】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、接着剤中に、20wt%以上80wt%以下含まれ
    ることを特徴とする、請求項6又は7に記載の両面配線
    板。
  9. 【請求項9】 接着剤層が、エポキシ樹脂(C)と、イ
    ミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤と
    して作用する化合物(D)とを、必須成分とする接着剤
    からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
    記載の両面配線板。
  10. 【請求項10】 硬化剤として作用する化合物(D)
    が、接着剤層中に、1wt%以上10wt%以下含まれ
    ることを特徴とする、請求項9記載の両面配線板。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の両
    面配線板をコア基板としていることを特徴とする多層配
    線板。
JP2000300727A 2000-09-29 2000-09-29 両面配線板、及び多層配線板 Pending JP2002111217A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300727A JP2002111217A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 両面配線板、及び多層配線板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300727A JP2002111217A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 両面配線板、及び多層配線板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002111217A true JP2002111217A (ja) 2002-04-12

Family

ID=18782364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000300727A Pending JP2002111217A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 両面配線板、及び多層配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002111217A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134364A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Hitachi Cable Ltd 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板並びにそれを用いた電子装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134364A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Hitachi Cable Ltd 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板並びにそれを用いた電子装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3745335B2 (ja) 電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品
JP4427874B2 (ja) 多層配線板の製造方法および多層配線板
JP3906225B2 (ja) 回路基板、多層配線板、回路基板の製造方法および多層配線板の製造方法
JPH11204939A (ja) 多層回路基板及びその製造方法
JP2002329966A (ja) 多層配線板製造用配線基板及び多層配線板
JP4239451B2 (ja) 多層配線板の製造方法および多層配線板
WO2004012489A1 (ja) 回路基板、多層配線板、回路基板の製造方法および多層配線板の製造方法
JP2002111217A (ja) 両面配線板、及び多層配線板
JP2002335079A (ja) 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びに、それらの製造方法
JP2004297053A (ja) 層間接合部及びそれを有する多層配線板
JP2002033580A (ja) 多層配線板およびその製造方法
JP2007173343A (ja) 多層基板および電子機器
JP2006279066A (ja) 多層配線板およびその製造方法
JP4187981B2 (ja) 多層配線板の製造方法および多層配線板
JP2003218532A (ja) 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びに、それらの製造方法
JP2005039136A (ja) 回路基板および回路基板の接続方法
JP2002176265A (ja) 多層配線板およびその製造方法
JP4301152B2 (ja) バイアホール形成金属張積層板及びスルーホール形成アンクラッド板
JP4691850B2 (ja) 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びにそれらの製造方法
JP2004214227A (ja) 層間接続部及び多層配線板
JP4292905B2 (ja) 回路基板、多層基板、回路基板の製造方法および多層基板の製造方法
JP2003234577A (ja) 多層配線板
JP2004006687A (ja) 多層配線板製造用配線基板およびその製造方法、並びに多層配線板
JP2004228322A (ja) 多層フレキシブル配線板の製造方法
JP2004063908A (ja) 多層フレキシブル配線板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070326

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090414

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091013