JP2002110392A - 高圧放電ランプ点灯方法、高圧放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents
高圧放電ランプ点灯方法、高圧放電ランプ点灯装置および照明装置Info
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Abstract
減して光出力のちらつきを抑制した高圧放電ランプ点灯
方法、高圧放電ランプ点灯装置およびこれを用いた照明
装置を提供する。 【解決手段】安定点灯状態において、半周期の後半部の
平均値a2が前半部の平均値a1より大きくて、かつ、
後半部に電流パルスを含まない電流波形を有する交流ラ
ンプ電流を供給して高圧放電ランプを点灯する。また、
半周期の前半部に最小値をbとし、a/bを1.1〜
4.0にしてもよい。さらに、極性反転直前の瞬時値を
cとし、c/aを1.1〜1.5にしてもよい。
Description
灯方法、高圧放電ランプ点灯装置およびこれを用いた照
明装置に関する。
交流ランプ電流を高圧放電灯に供給して高圧放電灯を点
灯するに当たり、ランプ電流の半周期の所定分の1で電
流パルスを発生させ、この電流パルスの極性を前記ラン
プ電流の極性と同一にするとともに、この電流パルスを
その発生した半周期の後の部分でこのランプ電流に重畳
する高圧放電灯点灯方法が記載されている。そして、電
流パルスの平均振幅およびランプ電流の平均振幅間の比
を0.6〜2の範囲とし、電流パルスの持続時間および
ランプ電流の半周期の比を0.05〜0.15の範囲と
することにより、良好な結果を得ることができるとして
いる。
プを流れる電流の全量は電流パルスによってランプ電流
の半周期の所定数分の1の終端で増大するため、電極の
温度は著しく高い値に上昇する。この高温度のため、放
電アークが各陰極フェーズで電極の同一個所から発生す
るので、放電アークの安定性が増大する旨記述されてい
る。
場合、電流パルスが流れたことにより、短時間だけ電極
の温度が著しく上昇するのに伴って、光出力も著しく増
大する。このため、たとえば回転式RGBカラーフィル
ターおよびディジタル・マイクロミラー・デバイス(商
品名「DMD」)を用いて、RGBの三原色画像をタイ
ムシェアリングにより重ね合わせて投影することによ
り、カラー画像を得るディジタル・ライト・プロセッシ
ング(商品名「DLP」)方式のように、極めて短時間
の光出力を利用する場合、電流パルスの重畳による光出
力の急激な変化は、それがたとえ短時間であっても、画
像に色や明るさのちらつきを生じるという問題がある。
ては、従来技術は、光出力のちらつき低減の作用、効果
を得ることができない。
電極を加熱する際に電極物質がスパッタリングにより消
耗しやすい。このため、透光性放電容器の内壁面が黒化
して透過率が低下するので、光出力が減退して高圧放電
ランプの寿命が短くなるという問題もある。
出力の変化を低減して光出力のちらつきを抑制した高圧
放電ランプ点灯方法、高圧放電ランプ点灯装置およびこ
れを用いた照明装置を提供することを目的とする。
電ランプ点灯方法は、安定点灯状態において、半周期の
後半部の平均値が前半部の平均値より大きくて、かつ、
後半部に電流パルスを含まない電流波形を有する交流ラ
ンプ電流を供給して高圧放電ランプを点灯することを特
徴としている。
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
プは、少なくとも透光性放電容器、一対の電極および放
電媒体を備えている。透光性放電容器は、石英ガラスま
たは透光性セラミックスなどの耐火性および気密性を備
えた材料からなる。一対の電極は、透光性放電放電容器
の内部に離間対向して封装されている。放電によって発
生した光出力の集光性を高めるためには、電極間距離を
短く設定するのが好ましい。放電媒体は、イオン化して
放電に寄与する媒体であり、金属ハロゲン化物、水銀お
よび希ガスなどを選択的に用いることができる。たとえ
ば、メタルハライドランプにおいては、発光金属のハロ
ゲン化物、緩衝気体としての水銀および希ガスを用いる
か、水銀に代えて比較的蒸気圧が高くて、発光の少ない
亜鉛、鉄、アルミニウムなどの金属のハロゲン化物を組
み合わせることができる。また、高圧水銀ランプにおい
ては、水銀および希ガスを用いる。さらに、希ガス放電
ランプにおいては、希ガスたとえばキセノンを用いる。
流は、これが高圧放電ランプに通流することによって高
圧放電ランプを交流点灯する。本発明において、ランプ
電流は、その半周期の波形を前半部すなわち前側の1/
4周期と後半部すなわち後側の1/4周期とに分けて見
たときに、前半部の平均値より後半部の平均値の方が大
きいのが第1の特徴である。両平均値の差は、5〜50
%程度であっても差し支えない。しかし、10〜30%
の範囲で特に良好な結果が得られる。なお、平均値は、
ランプ電流の波形を積分して求めることができる。ま
た、「ランプ電流」とは、高圧放電ランプの一対の電極
を通じて流れる電流の全てをいい、どの回路手段から出
力されたかは問わない。さらに、ランプ電流の基本波形
は、矩形波であるのが好ましい。
スを含んでいないのが第2の特徴である。したがって、
ランプ電流の後半部は、相対的に瞬時値の変化が少な
い。たとえば、後半部の前端から終端に向かって瞬時値
が、殆ど一定な態様、ほぼ直線的に上昇する態様、段階
的に上昇する態様、飽和しながら上昇する態様、勾配が
大きくなりながら上昇する態様などであることを許容す
る。なお、ランプ電流が高周波のリップルを含んでいる
場合には、その包絡線をもってランプ電流の変化を判断
するものとする。
も1/8周期にわたり瞬時値が低下しないように制御さ
れているのが好ましい。
は、ランプ電流の後半部の平均値が前半部のそれより相
対的に大きいことにより、半周期の後半において、その
終端にかけて電極の加熱を十分に行なえる。その結果、
ランプ電流の極性が反転して次の半周期になった際に電
極温度を所要の程度まで高く維持することができる。こ
のため、陽極フェーズから陰極フェーズに切り替った際
に、陰極スポットが電極表面を移動するのが抑制され
て、放電の安定性が向上する。
り行なわれるものではなく、比較的瞬時値の変化の少な
い連続的な電流により行なわれるので、光出力の瞬時的
な変化が著しく低減する。このため、本発明により点灯
される高圧放電ランプをディジタル・ライト・プロセッ
シング方式に用いた場合であっても、明るさや色のちら
つきが生じにくくなる。
ルスによる電極物質のスパッタリングを生じくいので、
従来技術におけるような寿命の短縮がない。
は、請求項2記載の高圧放電ランプ点灯方法において、
交流ランプ電流は、極性反転直後に最大値を有している
ことを特徴としている。
状をなしている部分によって形成されているのが好まし
い。極性反転直後のパルス状をなした部分であれば、極
性反転の際に生じる点灯回路の過渡現象により、容易に
形成することができる。
電流の極性転換直後に最大値を有していることによっ
て、高圧放電ランプのランプ電圧が安定化される。ラン
プ電圧が変動すると、明るさのちらつきを生じるので、
ランプ電圧の安定化により、明るさのちらつきも低減す
る。
は、請求項2記載の高圧放電ランプ点灯方法において、
交流ランプ電流は、最大値をdとし、半周期の平均値を
aとしたとき、d/aが下式を満足することを特徴とし
ている。
との比率をもって規定している。すなわち、d/aが
1.05未満の場合、ランプ電圧の安定化作用が少なく
なる。また、1.8超の場合、光出力のちらつきが生じ
やすい。なお、好ましくは1.3〜1.6である。
は、請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ラン
プ点灯方法において、交流ランプ電流は、半周期の前半
部に最小値を含んでいることを特徴としている。
電流の半周期の前半部に最小値が存在することにより、
前半部の平均値に対して後半部の平均値を相対的に大き
くしやすくなる。
は、安定点灯状態において、半周期の前半部に最小値b
を有するとともに、半周期の平均値をaとしたときに、
a/bが下式を満足する交流ランプ電流を供給して高圧
放電ランプを点灯することを特徴としている。
と、半周期の平均値aとの比a/bを数値規定すること
により、半周期の後半部の終端にかけて電極を前半部よ
り多目に加熱してその温度を所要に高めるようにしてい
る。a/bが1.1未満であると、後半部における電極
の加熱が少なくなる。これに対して、a/bが4.0超
になると、後半部における電極の加熱が多すぎる。ま
た、前半部から後半部にかけてランプ電流の急激な変化
を生じやすくなり、短時間光出力のちらつきを生じる。
なお、a/bは、好ましくは1.1〜1.7である。
おけるのとほぼ同様な作用、効果が得られる。
は、安定点灯状態において、半周期の平均値をaとし、
極性転換直前の瞬時値をcとしたとき、c/aが下式を
満足する交流ランプ電流を供給して高圧放電ランプを点
灯することを特徴としている。
と、半周期の平均値aとの比c/aを数値規定すること
により、半周期の後半部の終端にかけて電極を前半部よ
り多目に加熱してその温度を所要に高めるようにしてい
る。c/aが1.11未満であると、後半部における電
極の加熱が少ない。これに対して、c/aが1.5超に
なると、後半部における電極の加熱が多すぎる。また、
前半部から後半部にかけてランプ電流の急激な変化を生
じやすくなり、短時間光出力のちらつきを生じる。な
お、「極性転換直前の瞬時値」とは、急峻な立下りを除
いた部分の瞬時値をいう。
おけるのとほぼ同様な作用、効果が得られる。
は、請求項5または6記載の高圧放電ランプ点灯方法に
おいて、交流ランプ電流は、半周期の中央近傍に最大値
があることを特徴としている。
は、半周期の中央を中心としてその前後に半周期の10
%の幅を有する範囲をいう。なお、最大値は、ランプ電
流の瞬時値の変化が緩やかな連続的な波形部分により形
成されていてもよいし、電流パルスにより形成されてい
てもよい。ただし、電流パルスにより最大値が形成され
る場合、ディジタル・ライト・プロセッシング方式のよ
うな短時間の光出力を利用する方式より透過形液晶式プ
ロジェクション方式のようなタイムシェアリングを行な
わない場合に好適である。
により電極の温度上昇が半周期の早い位相から開始され
るので、半周期の終端まで電極温度を維持するようにす
れば、光出力のちらつきを抑制することができる。半周
期の終端まで電極温度を維持するようにするには、たと
えばランプ電流の半周期の後半部における平均値を前半
部の平均値より大きくするなどにより可能になる。
は、請求項7記載の高圧放電ランプ点灯方法において、
最大値をdとし、半周期の平均値をaとしたとき、d/
aが下式を満足することを特徴としている。
好適な範囲を規定している。d/aが1.3未満である
と、電極の温度上昇が十分でなくなる。また、d/aが
1.8超であると、電極材料のスパッタリングが多くな
り、透光性放電容器の黒化を生じやすくなる。
は、高圧放電ランプと;請求項1ないし8のいずれか一
記載の交流ランプ電流を高圧放電ランプに供給する点灯
回路と;を具備していることを特徴としている。
圧放電ランプ点灯方法を実施するための高圧放電ランプ
点灯装置を規定している。すなわち、点灯回路から高圧
放電ランプに対して交流ランプ電流を供給する。しか
し、点灯回路の具体的な回路構成は限定されない。
置は、請求項9記載の高圧放電ランプ点灯装置におい
て、点灯回路は、直流電源、入力端が直流電源に接続す
る直流−直流間変換回路、および直流−直流間変換回路
の直流出力電圧を交流電圧に変換する極性反転回路を備
えていることを特徴としている。
圧放電ランプ点灯方法を実施するための高圧放電ランプ
点灯装置の好適な回路構成を規定している。
源および整流化直流電源のいずれであってもよい。整流
化直流電源は、低周波交流電源たとえば商用交流電源を
整流手段により整流して直流を得る。整流手段は、半波
整流および全波整流のいずれであってもよい。整流出力
をさらに平滑化して出力してもよいし、非平滑状態で出
力してもよい。
において、「直流−直流間変換回路」とは、直流電源の
直流出力を所要電圧の直流電圧に変換する手段をいう。
直流−直流間変換を行なうには、たとえば直流をいった
ん所望電圧の高周波パルスに変換し、高周波パルスを整
流して所望電圧の直流電圧に変換する。この種の変換方
式を用いた直流−直流間変換回路としては、種々の回路
方式が既知であり、基本的にはいずれの回路方式をも許
容する。たとえば、チョッパ形、フォワード形、プッシ
ュプル形およびブリッジ形などの回路方式を用いること
ができる。チョッパ形の直流−直流間変換回路として
は、降圧形、昇圧形および逆極性形の回路方式のいずれ
であってもよい。
本体と;照明装置本体に配設される請求項9または10
記載の高圧放電ランプ点灯装置と;を具備していること
を特徴としている。
ランプの発光を利用するあらゆる装置を含む広い概念で
あり、したがって液晶プロジェクタ、オーバーヘッドプ
ロジェクタなどの光投射装置、自動車ヘッドライト、照
明器具、表示装置などであることを許容する。もちろ
ん、照明器具は屋内用および屋外用のいずれであっても
よい。また、「照明装置本体」とは、照明装置から高圧
放電ランプ点灯装置を除いた残余の部分をいう。また、
高圧放電ランプ点灯装置のうち点灯回路は、照明装置本
体から離間した位置に配設することができる。
施の形態を説明する。
の第1の実施形態における高圧放電ランプを示す正面図
である。
る態様を示す波形図である。
る他の態様を示す波形図である。
2は一対の電極、3は封着金属箔、4は導入導体、5は
口金、6は接続導体である。
り、中央の包囲部1aおよび両端の第1および第2の減
圧封止部1b、1cからなる。第1および第2の封止部
1b、1cは、包囲部1aの両端に減圧封止構造により
一体に接続して形成されている。
bを備えている。電極軸部2aは、0.45mmの純タ
ングステン棒である。コイル部2bは、0.15mmの
純タングステン線を電極軸部2aの先端部に巻装されて
いる。そして、電極間距離は、約1.4mmに設定され
ている。
止部長は20mmである。そして、封着金属箔3は、そ
の先端部に電極軸2aの基端を、基端部に導入導体4の
先端を、それぞれ溶接して電極マウントを形成した状態
で、透光性放電容器1の両端の第1および第2の減圧封
止部1b、1cの内部に気密に埋設されている。
Br2からなる。なお、CH2Br 2のハロゲンは、透
光性放電容器1の包囲部1aの単位内容積当たりの濃度
が8以上になるように封入されている。
着金属箔3の基端に先端が溶接し、基端が第1の減圧封
止部1bから外部に露出している。なお、導入導体4
は、図において左右対称構造であるが、右側の導入導体
は後述する口金5内に位置しているため外部から見えな
い。
備えている。筒体5aは、黄銅などの金属からなり、そ
の一端部が第1の減圧封止部1bの端部に口金セメント
によって固着されている。ねじ端子5bは、周囲にねじ
溝が形成され、基端が筒体5aに固着されて筒体5aか
ら外部へ突出しているとともに、その内部で対応する導
入導体4と接続している。
bから外部へ突出している導入導体4に先端が溶接して
いる。
圧が90V、定格ランプ電流が1.1A、安定時の放電
媒体中の水銀蒸気圧力が10MPa以上になる。
に、基本波形が矩形波で、半周期すなわち1/2周期の
平均値がa、その前半部1/4周期の平均値がa1、後
半部1/4周期の平均値がa2であるとともに、a1<
a2の関係にある。
極性反転直後に最大値d、約90°/4の位相に最小値
bがある。また、最大値dは、パルス状部分により形成
されている。さらに、最小値bから90°にかけて緩や
かに瞬時値が上昇している。
135°までの1/8周期のかけて瞬時値が飽和しなが
ら上昇し、135°から180°までの1/8周期の間
は瞬時値が一定である。さらに、極性反転直前の瞬時値
がcで、後半部の90°から180°までの位相期間の
間瞬時値は低下していない。さらにまた、最小値bから
極性反転直前の瞬時値cまでの間瞬時値が上昇ないし平
坦になっている。
の瞬時値cおよび最大値dの相互関係について見ると、
下式に示すとおりである。
形態における図2の(a)に示す態様に対応する実際の
交流ランプ電流を示す波形図である。この場合の交流ラ
ンプ電流は、後述する高圧放電ランプ点灯装置により点
灯しているため、チョッパ動作による高周波リップルが
重畳している。そして、交流ランプ電流の平均値a、最
小値b、極性反転直前の瞬時値cおよび最大値dの相互
関係は、上記と接近しているが、下式に示すとおりであ
った。なお、動作周波数は100Hzである。
察した結果、陰極輝点の移動は認められなかった。この
ことは、明るさや色のちらつきが生じないことを意味す
る。また、点灯5000時間でも透光性放電ランプの黒
化は殆ど観察されなかった。このことは、高圧放電ラン
プの寿命が長くなることを意味する。
に示す交流ランプ電流波形の第2の態様は、後半部1/
4周期において、90°から135°までの1/8周期
の瞬時値が直線的に上昇している点で(a)と異なる。
第3の態様は、前半部の最小値bから極性反転直前の瞬
時値cにかけて飽和しながら緩やかに上昇している点で
(a)と異なる。
第4の態様は、前半部の最小値bから極性反転直前の瞬
時値cにかけて直線に上昇している点で(c)と異な
る。
第5の態様は、前半部の最小値bから極性反転直前の瞬
時値cにかけて勾配が徐々に大きくなりながら上昇して
いる点で(c)、(d)と異なる。
の第2の実施形態における交流ランプ電流の許容される
種々の態様を示す波形図である。
大値を有していない交流ランプ電流によって高圧放電ラ
ンプを点灯する点で第1の実施形態と異なる。すなわ
ち、(a)の態様は、前半部の波形が直線的に増加し、
後半部の波形が矩形状をなした波形である。
直線的に増加する波形である。
し、後半部が矩形状をなす波形である。
み、その前後が段階的に増加し、後半部が矩形状をなす
波形である。
い交流ランプ電流を形成するには、高圧放電ランプと直
列にインダクタを挿入して、突入電流を抑制すればよ
い。
の第3の実施形態における交流ランプ電流の波形を示す
波形図である。なお、図2の(a)と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。本実施形態は、交
流ランプ電流の半周期の中央近傍に最大値dが存在して
いる点で第1の実施形態と異なる。平均値a、a1、a
2、最小値b、極性反転直前の瞬時値cおよび最大値d
の相互関係は、下式に示すとおりであった。
して、交流ランプ電流の波形を制御することによって、
a/b、c/aおよびd/aの値を変化させて点灯した
場合における陰極輝点の移動の有無および透光性放電容
器の黒化について試験した結果を表1ないし表3を参照
して説明する。なお、表中、陰極輝点の移動および黒化
についての評価記号の評価内容を以下に示す。 <陰極輝点の移動> ○:陰極輝点の移動が認められない △:若干認められる ×:顕著な移動が認められる <透光性放電容器の黒化> ◎:点灯5000時間まで黒化が認められない ○:点灯2000時間まで黒化が認められない △:点灯1000時間まで黒化が認められない ×:点灯初期の500時間未満で黒化が認められた
形態を示す回路図である。図において、ASは交流電
源、RDCは直流電源、TCは直流−直流間変換回路、
PTCは極性反転回路、IGはイグナイタ、HPLは高
圧放電ランプである。
用交流電源からなる。
る。
パ回路BTC、制御回路CC、出力電圧検出回路VDお
よび出力電流検出回路CVからなる。
よびスイッチング手段の直列回路と、スイッチング手段
に並列接続されたダイオードおよび平滑コンデンサの直
列回路とからなる既知の回路構成である。
発振機能、交流ランプ電流が所望の波形になるように出
力特性データを予め記憶するメモリ機能、ならびにメモ
リ機能から読み出した出力特性データと後述する出力電
圧検出回路VDおよび出力電流検出回路CDの各検出信
号とに基づいて演算してドライブ信号をPWM制御する
演算機能などを有している。そして、降圧チョッパ回路
BTCのスイッチング手段のオン、オフを制御する。
路BTCの出力端間に接続された抵抗器R1、R2の直
列回路からなる分圧回路のうち抵抗器R2の両端電圧を
制御回路CCに帰還信号として制御入力するように構成
されている。
路BTCの出力端に直列に接続された抵抗器R3の両端
電圧を制御回路CCに帰還入力するように構成されてい
る。そうして、制御回路CCは、降圧チョッパ回路BT
Cを定電力制御するとともに、所定の交流ランプ電流を
形成するために、交流ランプ電流の周期と同期して直流
出力を所定に制御する。
ンバータFBIおよびドライブ回路DCからなる。フル
ブリッジ形インバータFBIは、ブリッジ接続されたス
イッチング手段Q1ないしQ4からなる。ドライブ回路
DCは、発振器OSCおよびインバータIVからなり、
スイッチング手段Q1ないしQ4に対してドライブ信号
を供給して、スイッチング手段Q1、Q3とQ2、Q4
とを交互に所定の動作周波数でスイッチングさせる。
の始動時に始動用高電圧パルスを印加する。
を備えている。
給される商用100V交流電圧は、直流電源RDCにお
いてたとえば200V直流電圧に変換されてから、直流
−直流間変換回路TCの入力端に印加される。直流−直
流間変換回路TCは、そのスイッチング手段が制御回路
CCにより制御されて高周波スイッチングすることによ
り、直流電圧をチョッピングして、いったんたとえば5
0kHzの高周波パルスに変換する。そして、出力電圧
検出回路VDおよび出力電流検出回路CDの検出信号に
基づいてスイッチングのデューティを制御することによ
り定電力制御を行なう。また、併せて極性反転回路PT
Cの動作と同期し、かつ、予め記憶している出力特性デ
ータに基づいて演算して、交流ランプ電流の半周期の波
形が所定の特性になるように、出力電圧のデューティを
制御する。さらに、パルス電圧は平滑化されて、降圧さ
れた直流電圧を出力する。
路PTCの入力端に印加される。極性反転回路PTC
は、そのフルブリッジ形インバータFBIが動作をし
て、その出力端にたとえば100Hzで、基本波形が矩
形波で、かつ、半周期の波形が所定に制御された交流ラ
ンプ電流を安定点灯時に出力する。そして、交流ランプ
電流は、高圧放電ランプHPLに供給される。
プ電流の供給により点灯する。なお、直流−直流間変換
回路TCに含まれるインダクタが限流インピーダンスと
して作用する。
ランプに供給される交流ランプ電流は、その半周期の波
形が図4に示すようになる。
の第2の実施形態を示す回路図である。
す回路図である。
同一符号を付して説明は省略する。本実施形態は	、
極性反転回路PTCの動作と同期して、直流−直流間変
換回路TCの出力を制御することによって、交流ランプ
電流の半周期の波形を所望形状に整形するための好適な
回路構成を備えている点で異なる。
よびタイマTMを備えている。
検出回路VDの抵抗器R2と直列に接続して直流−直流
間変換回路TCの出力端間に接続されている。そして、
図9に示すように、抵抗器R4、フォトカプラPCおよ
び抵抗器R5の直列回路と、フォトカプラPCおよび抵
抗器R5の直列回路に並列接続した抵抗器R6および図
示極性のツェナーダイオードZDの並列回路と、抵抗器
R5に並列接続したコンデンサC1とから構成されてい
る。フォトカプラPCは、後述するタイマTMに連動す
る。
イブ回路DCに同期して、交流ランプ電流の半周期ごと
にタイマ動作を行ない、半周期の開始時にオンし、約1
/4周期後にオフする。タイマTMのオンで、フォトカ
プラPCの発光ダイオードがオンし、オフで発光ダイオ
ードがオフする。
連動してタイマTMが動作するので、交流ランプ電流の
極性反転すると、これに同期してその後フォトカプラP
Cが1/4周期の間オンする。フォトカプラPCがオン
すると、極性反転同期切換回路PFBの合成抵抗が小さ
くなる。しかも、コンデンサC1が抵抗器R4、R5お
よびR2を介して充電されるので、充電に伴って合成抵
抗が徐々に大きくなっていき、やがて飽和する。
置の第2の実施形態における出力電流検出回路CDの出
力電圧波形を示す波形図である。時間t1とt4の間が
交流ランプ電流の半周期すなわちT/2、時間t1とt
3の間がタイマTMのオン時間、時間t3とt4の間が
オフ時間である。また、時間t1からt2までの時間の
間コンデンサC1が充電される。
時間t1からt3までの始めの1/4周期の間は、フォ
トカプラPCがオンするので、出力電圧検出回路VDの
抵抗器R2の両端間から得られる検出電圧が相対的に高
くなる。加えて、コンデンサC1の充電に伴って時間と
ともに検出電圧が低下する。この検出電圧が帰還信号と
して制御回路CCに制御入力するため、制御回路CC中
の演算機能がオンデューティを小さくように指令する
が、コンデンサC1の充電に伴って徐々に高周波パルス
のオンデューティが大きくなっていく。その結果、半周
期の始めの1/4周期の間の直流−直流間変換回路TC
の出力は、小さい状態から徐々に大きく変化する。
期の間は、フォトカプラPCがオフするので、抵抗器R
2の両端の検出電圧が相対的に低くなる。このため、制
御回路CCの演算機能がオンデューティを大きな値に一
定にするように指令する。その結果、半周期の終わりの
1/4周期の間の直流−直流間変換回路TCの出力は、
概ね大きい状態に固定される。なお、ツェナーダイオー
ドZDは、高圧放電ランプHPLの始動時にフォトカプ
ラPCを過電圧の印加による破壊から保護する。
6に示すように制御される。なお、半周期の立ち上がり
および1/4周期の始めがパルス状になっているが、こ
れは過渡現象によるものである。
形態としての液晶プロジェクタを示す概念的断面図であ
る。
す一部断面正面図である。なお、図1と同一部分につい
ては同一符号を付して説明は省略する。
22は液晶表示手段、23は画像制御手段、24は光学
系、25は高圧放電ランプ点灯装置、26は本体ケー
ス、27はスクリーンである。
である。安定点灯時の交流ランプ電流は、図6に示す本
発明の第2の実施形態における波形である。
晶によって表示するもので、その背面から高圧放電ラン
プ装置21によって照明される。
駆動および制御するもので、要すればテレビジョン受信
機能をも備えることができる。
た光をスクリーン27に投射する。
ランプ装置21を点灯する。
6を収納する。
ように、高圧放電ランプ11、凹形反射鏡12、無機質
接着剤13、中継端子14、ワイヤハーネス15、前面
カバー16を備えている。高圧放電ランプ11は、図1
に示す構成を備えている。凹形反射鏡12は、内面が凹
形をなすガラス基体12a、可視光反射・熱線透過膜1
2bおよび筒状部12cからなる。ガラス基体12a
は、内面の凹形部が回転放物面を基本とする曲面に形成
され、頂部の外側に筒部12cが一体に突出して形成さ
れている。可視光反射・熱線透過膜12bは、ダイクロ
イック反射膜からなる。
り付けるには、口金5を筒状部12cに挿入し、高圧放
電ランプ11の発光中心を凹形反射鏡12の焦点に合致
させて口金5と筒状部12cとの間に無機質接着剤13
を介在させて両者を固着する。高圧放電ランプ11の一
方の電極2側の導入導体5に接続導体6を溶接して凹形
反射鏡12の背面側へ導出させている。すなわち、接続
導体6は、鏡面の一部に形成した通孔12dを通って凹
形反射鏡12の背面側へ導出されている。中継端子14
は、凹形反射鏡13の外面の通孔12dの近傍に固着さ
れている。そして、高圧放電ランプ11に接続している
接続導体6とワイヤハーネス15との接続を中継してい
る。
よび一対の絶縁被覆導線15b、15cからなる。コネ
クタ15は、図示を省略している点灯装置の出力端のコ
ネクタに着脱可能に結合して接続するとともに、絶縁被
覆導線15b、15cの一端に接続している。絶縁被覆
導線15bは、その他端が中継端子14に接続してい
る。絶縁被覆導線15cは、その他端が口金5のねじ端
子5bにローレット付きナット5cによって締め付けら
れて接続している。
り、凹形反射鏡12の前面開口端に接着されている。
15aを点灯装置に接続して、高圧放電ランプ11を点
灯すると、高圧放電ランプ11から発生した光線は、凹
形反射鏡12の可視光反射・熱線反射膜12bに入射
し、そのうち可視光は反射して光軸と平行に出射し、前
面カバー16を通過して照明に利用される。これに対し
て、熱線は可視光反射・熱線透過膜12bを透過し、さ
らにガラス基体12aを透過して凹形反射鏡12の背面
側へ放散されるので、液晶表示体などの温度上昇を抑制
することができる。
形態としてのディジタル・ライト・プロセッシング方式
によるプロジェクタの光学系を示す斜視的概念図であ
る。
放電ランプ装置31、回転カラーフィルタ32、コンデ
ンサレンズ33、ディジタル・マイクロミラー・デバイ
ス34およびプロジェクションレンズ35からなる。
2に示すのと同一構造であり、光源として機能する。安
定点灯時の交流ランプ電流は、図4に示す本発明の第1
の実施形態における波形である。
緑色(G)および青色(B)の三原色フィルタが円盤状
に120°間隔で配列され、高圧放電ランプ装置31か
ら集光して投光される光の焦点位置に配置され、かつ、
図示しない回転機構によって高速回転する。したがっ
て、回転カラーフィルタ32を透過した光は、RGBに
タイムシェアされる。
シェアされた光を後述するディジタル・マイクロミラー
・デバイス34に入射させる。
4は、微小ミラーが多数整列し、画像信号に応じて各微
小ミラーを個別に機械的に変位させるように構成されて
いて、コンデンサレンズ33から微小ミラーに入射した
光を所定方向へ反射させたり、非所定方向へ反射させた
りする。そして、一つの微小ミラーは、画像の1画素を
構成する。
ル・マイクロミラー・デバイス34から所定方向へ反射
された光すなわちカラー画像をスクリーンへ投射する。
定点灯状態において、半周期の後半部の平均値が前半部
の平均値より大きくて、かつ、後半部に電流パルスを含
まない電流波形を有する交流ランプ電流を供給して高圧
放電ランプを点灯することにより、半周期の後半の電極
加熱が比較的瞬時値の変化の少ない連続的で相対的に大
きな電流により行なわれるので、光出力の瞬時的な変化
が著しく低減し、ディジタル・ライト・プロセッシング
方式に用いた場合であっても、明るさや色のちらつきが
生じにくくなるとともに、半周期の終端近くにおける電
流パルスによる電極物質のスパッタリングを生じくいの
で、寿命の短縮がない高圧放電ランプ点灯方法を提供す
ることができる。
ンプ電流が極性転換直後に最大値を有していることによ
り、高圧放電ランプのランプ電圧が安定化されるととも
に、明るさのちらつきも低減する高圧放電ランプ点灯方
法を提供することができる。
プ電流が最大値をdとし、半周期の平均値をaとしたと
き、d/aが下式を満足することにより、ランプ電圧の
安定化に好適な高圧放電ランプ点灯方法を提供すること
ができる。
ランプ電流は、半周期の前半部に最小値を含んでいるこ
とにより、前半部の平均値に対して後半部の平均値を相
対的に大きくしやすくなる高圧放電ランプ点灯方法を提
供することができる。
おいて、半周期の前半部に最小値bを有するとともに、
半周期の平均値をaとしたときに、a/bが下式を満足
する交流ランプ電流を供給して高圧放電ランプを点灯す
ることにより、請求項1とほぼ同様な効果を有する高圧
放電ランプ点灯方法を提供することができる。
期の平均値をaとし、極性反転直前の瞬時値をcとした
とき、c/aが下式を満足する交流ランプ電流を供給し
て高圧放電ランプを点灯することにより、請求項1とほ
ぼ同様な効果を有する高圧放電ランプ点灯方法を提供す
ることができる。
期の中央近傍に最大値があることにより、電極の温度上
昇が半周期の早い位相から開始されるので、半周期の終
端まで電極温度を維持するようにすれば、光出力のちら
つきを抑制する高圧放電ランプ点灯方法を提供すること
ができる。
dとし、半周期の平均値をaとしたとき、d/aが下式
を満足することにより、比d/aの好適な範囲を有する
高圧放電ランプ点灯方法を提供することができる。
ないし8のいずれか一記載の交流ランプ電流を高圧放電
ランプに供給する点灯回路とを具備していることによ
り、請求項1ないし8の効果を有する高圧放電ランプ点
灯装置を提供することができる。
路は、直流電源、入力端が直流電源に接続する直流−直
流間変換回路、および直流−直流間変換回路の直流出力
電圧を交流電圧に変換する極性反転回路を備えているこ
とにより、好適な回路構成を備えた高圧放電ランプ点灯
装置を提供することができる。
と、照明装置本体に配設される請求項9または10記載
の高圧放電ランプ点灯装置とを具備していることによ
り、請求項1ないし8の効果を有する照明装置を提供す
ることができる。
形態における高圧放電ランプを示す正面図
波形図
示す波形図
形態における図2の(a)に示す態様に対応する実際の
交流ランプ電流を示す波形図
形態における交流ランプ電流の許容される種々の態様を
示す波形図
形態における交流ランプ電流の波形を示す波形図
形態を示す回路図
形態を示す回路図
施形態における出力電流検出回路CDの出力電圧波形を
示す波形図
液晶プロジェクタを示す概念的断面図
面図
ディジタル・ライト・プロセッシング方式によるプロジ
ェクタの光学系を示す斜視的概念図
Claims (11)
- 【請求項1】安定点灯状態において、半周期の後半部の
平均値が前半部の平均値より大きくて、かつ、後半部に
電流パルスを含まない電流波形を有する交流ランプ電流
を供給して高圧放電ランプを点灯することを特徴とする
高圧放電ランプ点灯方法。 - 【請求項2】交流ランプ電流は、極性反転直後に最大値
を有していることを特徴とする請求項1記載の高圧放電
ランプ点灯方法。 - 【請求項3】交流ランプ電流は、最大値をdとし、半周
期の平均値をaとしたとき、d/aが下式を満足するこ
とを特徴とする請求項2記載の高圧放電ランプ点灯方
法。 1.05≦d/a≦1.80 - 【請求項4】交流ランプ電流は、半周期の前半部に最小
値を含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれか一記載の高圧放電ランプ点灯方法。 - 【請求項5】安定点灯状態において、半周期の前半部に
最小値bを有するとともに、半周期の平均値をaとした
ときに、a/bが下式を満足する交流ランプ電流を供給
して高圧放電ランプを点灯することを特徴とする高圧放
電ランプ点灯方法。 1.1≦a/b≦4.0 - 【請求項6】安定点灯状態において、半周期の平均値を
aとし、極性反転直前の瞬時値をcとしたとき、c/a
が下式を満足する交流ランプ電流を供給して高圧放電ラ
ンプを点灯することを特徴とする高圧放電ランプ点灯方
法。 1.1≦c/a≦1.5 - 【請求項7】交流ランプ電流は、半周期の中央近傍に最
大値があることを特徴とする請求項5または6記載の高
圧放電ランプ点灯方法。 - 【請求項8】最大値をdとし、半周期の平均値をaとし
たとき、d/aが下式を満足することを特徴とする請求
項7記載の高圧放電ランプ点灯方法。 1.3≦d/a≦1.8 - 【請求項9】高圧放電ランプと;請求項1ないし8のい
ずれか一記載の交流ランプ電流を高圧放電ランプに供給
する点灯回路と;を具備していることを特徴とする高圧
放電ランプ点灯装置。 - 【請求項10】点灯回路は、直流電源、入力端が直流電
源に接続する直流−直流間変換回路、および直流−直流
間変換回路の直流出力電圧を交流電圧に変換する極性反
転回路を備えていることを特徴とする請求項9記載の高
圧放電ランプ点灯装置。 - 【請求項11】照明装置本体と;照明装置本体に配設さ
れる請求項9または10記載の高圧放電ランプ点灯装置
と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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