JP2002110223A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池

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JP2002110223A
JP2002110223A JP2000296428A JP2000296428A JP2002110223A JP 2002110223 A JP2002110223 A JP 2002110223A JP 2000296428 A JP2000296428 A JP 2000296428A JP 2000296428 A JP2000296428 A JP 2000296428A JP 2002110223 A JP2002110223 A JP 2002110223A
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magnesium alloy
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Katsuya Kono
勝也 河野
Takeo Hamamatsu
太計男 浜松
Takashi Nagase
敬 長瀬
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池外装缶にマグネシウム合金を用いても、
マグネシウム合金が電解液に溶出しないようにして、軽
量で長寿命のアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 電池外装缶10をマグネシウム合金で構
成するとともに、アルカリ電解液の濃度を5.5mol
/l以上に規制している。マグネシウム合金で構成され
た電池外装缶10の質量はニッケルメッキを施した鉄缶
を使用した場合の約1/4程度に減少するため、軽量の
アルカリ蓄電池が得られるようになる。また、マグネシ
ウム合金は弱アルカリ〜強酸水溶液には易溶性である
が、ある程度以上の強アルカリ水溶液(5.5mol/
l以上)では酸化マグネシウムの不動態膜が形成される
ようになるため、マグネシウム合金の溶出が抑制され
て、長寿命のアルカリ蓄電池を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−水素蓄電
池、ニッケル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池
に係り、特に、正極と負極とセパレータからなる電極群
およびアルカリ電解液を収容する電池外装缶とアルカリ
電解液との組み合わせに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、二次電池の用途が拡大して、特
に、ノートブック型パソコン等の電子機器、あるいは携
帯電話、PHS等の小型通信機器等のコードレス化、ポ
ータブル化、軽量化に対応して用いられるようになっ
た。この種の機器はますます高性能化、高機能化、小型
化していることから、単位体積当たりの放電容量(Ah
/l)を大きくすることはもちろんのこと、単位質量当
りの放電容量(Ah/kg)を大きくすることが望まれ
ている。
【0003】二次電池を軽量化する有効な手段として
は、二次電池の電池外装缶(電池容器)の材質を鉄やス
テンレスからアルミニウムのように軽量な金属に変更す
ると効果が大きくなる。これは、二次電池の質量に対し
て電池外装缶の占める割合が大きいためである。そこ
で、電池外装缶を従来から使用されてきたニッケルメッ
キを施した鉄缶やステンレス缶からアルミニウム缶やア
ルミニウム合金缶に変更して、二次電池を効果的に軽量
化することが検討されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミニウ
ムやアルミニウム合金は有機電解液を用いるリチウム二
次電池に使用することができるが、アルカリ電解液を用
いるアルカリ蓄電池には使用することができないという
問題があった。これは、アルミニウムやアルミニウム合
金はアルカリ溶液に対して易溶性であるためである。ま
た、電池外装缶は負極端子を兼用することが一般的であ
るが、アルミニウムやアルミニウム合金をリチウム二次
電池の電池外装缶として使用する場合、アルミニウムや
アルミニウム合金とリチウムが反応して、脆いLiAl
などの金属間化合物を形成するため、電池外装缶を正極
端子にした構造に変更せざるを得ないという問題があっ
た。
【0005】そこで、アルミニウムやアルミニウム合金
に代えてマグネシウム合金をリチウム二次電池の電池外
装缶に用いることが、例えば特開平11−86805号
公報にて提案されるようになった。しかしながら、マグ
ネシウム合金はアルミニウムやアルミニウム合金と同様
に、有機電解液を用いるリチウム二次電池に使用するこ
とができるが、アルカリ電解液を用いるアルカリ蓄電池
には使用することができないという問題があった。これ
は、マグネシウム合金は多くの水溶液に対して易溶性で
あるためである。本発明は上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、電池外装缶にマグネシウム合金を用いて
も、マグネシウム合金が電解液に溶出しないようにし
て、軽量で長寿命のアルカリ蓄電池を提供できるように
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、本発明のアルカリ蓄電池は、
電池外装缶をマグネシウム合金で構成するとともに、ア
ルカリ電解液の濃度を5.5mol/l以上に規制する
ようにしている。
【0007】このように、電池外装缶をマグネシウム合
金で構成すると、マグネシウム合金の比重は小さいた
め、電池外装缶の質量はニッケルメッキを施した鉄缶を
使用した場合の約1/4程度に減少する。また、マグネ
シウム合金は弱アルカリ〜強酸水溶液には易溶性である
が、ある程度以上の強アルカリ水溶液では酸化マグネシ
ウムの不動態膜が形成されるようになる。このことか
ら、アルカリ電解液の濃度を5.5mol/l以上の強
アルカリの範囲に規制することで、マグネシウム合金の
溶出が抑制されるようになるため、軽量で長寿命のアル
カリ蓄電池を得ることが可能となる。
【0008】そして、マグネシウムを金属単独で用いる
と機械的強度が低いとともに、耐変形性も低く、また加
工性(塑性変形能)についても劣るというような難点を
有している。このため、マグネシウムに他の金属を添加
してマグネシウム合金として用いるようにしているが、
Mg−Al−Zn系合金またはMg−Zn−Zr系合金
は、機械的強度や塑性変形能に優れているため、電池外
装缶の構成材として用いることが有効である。
【0009】この場合、添加成分がアルカリ水溶液に溶
出する可能性があるため、マグネシウムの組成比を合金
質量の75wt%以上(添加成分は25wt%未満)に
規制する必要がある。このように添加成分を規制する
と、添加成分がアルカリ水溶液に溶出する前にマグネシ
ウムの不動態膜を外装缶の内面に形成することが可能と
なるため、添加成分をアルカリ水溶液に不溶とすること
が可能となる。
【0010】なお、Mg−Al−Zn系合金またはMg
−Zn−Zr系合金のように、マグネシウムを主体とす
るマグネシウム合金を用いると、これらの合金の融点は
約600℃〜700℃と低いため、一般の合成樹脂の場
合のように射出成型が可能となるので、射出成型機に複
数の金型を取り付けることによって一回の成形で複数個
の外装缶を効率的に製造することができ、効率よい大量
生産が可能となる。また、深絞り加工により形成する場
合には、現在の成形装置をそのまま使用できるため、製
造効率が低下するが高価な射出成型機を導入する必要が
ないため、安価に製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をニッケル−水素
蓄電池に適用した場合の一実施の形態を図に基づいて説
明する。なお、図1は角形ニッケル−水素蓄電池を模式
的に示す図であり、図1(a)は幅方向の縦断面図であ
り、図1(b)は図1(a)のA−A断面を示す厚み方
向の断面図である。また、図2は円筒形ニッケル−水素
蓄電池を模式的に示す縦断面図である。
【0012】1.電池外装缶 電池外装缶10,20は、アルミニウムが9質量部で、
亜鉛が1質量部で、マグネシウムが90質量部となるよ
うに各金属を含有するMg−Al−Zn合金を深絞り加
工あるいは射出成型により角形(箱形)あるいは円筒形
に形成されている。そして、電池外装缶10は角形(箱
形)に形成されており、電池外装缶20は円筒形に形成
されている。
【0013】なお、射出成型により形成する場合には、
チップ状のMg−Al−Zn合金をホッパー内に投入し
て、ヒーターにより600〜700℃に加熱されている
シリンダー内に供給して、シリンダー内でチクソトロピ
ー状態(半溶融)とし、高速射出システムおよびスクリ
ューによって射出ノズルから金型のキャビティ内に射出
して成形するようにしている。この射出成型において
は、効率よい大量生産が可能となる。また、深絞り加工
により形成する場合には、現在の成形装置をそのまま使
用できるため、製造効率が低下するが高価な射出成型機
を導入する必要がないため、安価に製造できる。
【0014】2.角形ニッケル−水素蓄電池 角形ニッケル−水素蓄電池は、上述のように角形に成形
されたMg−Al−Zn合金からなる電池外装缶10内
に、ニッケル正極板11と水素吸蔵合金負極板12とを
備えているとともに、これらの間にポリプロピレン製不
織布からなるセパレータ13を介在させてニッケル正極
板11と水素吸蔵合金負極板12とを交互に積層した電
極群を備えている。なお、水素吸蔵合金負極板12はパ
ンチングメタル等からなる帯状金属芯体の中央部連結部
12aが露出するように左右両側に負極活物質が塗着さ
れており、この中央部連結部12aでU字状に折曲され
て、セパレータ13を介してニッケル正極板11が挟持
されている。また、ニッケル正極板11の上部には導電
タブ11aが形成されている。
【0015】そして、各ニッケル正極板11の各導電タ
ブ11aは互いに溶接されているとともに、この溶接部
に正極集電体14が溶接されており、正極集電体14は
封口体16の略箱状の正極端子部材16cの下端部に溶
接されている。正極端子部材16cの上端部は正極キャ
ップ16eの底部を構成するフランジ部に溶接されてい
る。また、水素吸蔵合金負極板12の中央部連結部12
aは外装缶10の内底面に接続されている。ここで、外
装缶10の開口部には封口体16が配置されているとと
もに、外装缶10内には所定の濃度の水酸化カリウム
(KOH)水溶液からなるアルカリ電解液が充填されて
おり、この電池の定格容量は800mAhとなされてい
る。
【0016】なお、封口体16は、中央部に開孔部を備
えた略長方形状で金属製の蓋体16aと、この蓋体16
aの下面に配置されて中央部に開孔部を備えた略長方形
状で合成樹脂製の絶縁板16bと、これらの開孔部内に
挿入された略箱状の正極端子部材16cと、蓋体16a
と正極端子部材16cとの間に配置されて、蓋体16a
と正極端子部材16cとを絶縁するとともに、蓋体16
aと正極端子部材16cとの間を液密にするガスケット
16dと、正極端子部材16cの上部に配置されて正極
端子部材16cの上端部に溶接された正極キャップ16
eとから構成されている。
【0017】そして、このように構成される封口体16
を外装缶10の開口部に配置した後、蓋体16aの外周
部と外装缶10の上部内周面とをレーザ溶接することに
より、外装缶10内は液密に封口されることとなる。ま
た、正極キャップ16e内には弾性を有する弁体16f
が配置されており、電池内にガスが発生して電池内が所
定の圧力より上昇すると、弁体16fが弾性変形して正
極キャップ16eに設けられたガス抜孔16gを通し
て、電池内で発生したガスを放出するようになされてい
る。これにより、弁体16fは安全弁の作用をして電池
内の圧力上昇を防止することができるようになる。
【0018】なお、アルカリ電解液として、3mol/
lの水酸化カリウム(KOH)水溶液を充填したニッケ
ル−水素蓄電池を電池Aとし、3.5mol/lの水酸
化カリウム(KOH)水溶液を充填したニッケル−水素
蓄電池を電池Bとし、4.0mol/lの水酸化カリウ
ム(KOH)水溶液を充填したニッケル−水素蓄電池を
電池Cとし、4.5mol/lの水酸化カリウム(KO
H)水溶液を充填したニッケル−水素蓄電池を電池Dと
し、5.0mol/lの水酸化カリウム(KOH)水溶
液を充填したニッケル−水素蓄電池を電池Eとした。
【0019】また、5.5mol/lの水酸化カリウム
(KOH)水溶液を充填したニッケル−水素蓄電池を電
池Fとし、6.0mol/lの水酸化カリウム(KO
H)水溶液を充填したニッケル−水素蓄電池を電池Gと
し、6.5mol/lの水酸化カリウム(KOH)水溶
液を充填したニッケル−水素蓄電池を電池Hとし、7.
0mol/lの水酸化カリウム(KOH)水溶液を充填
したニッケル−水素蓄電池を電池Iとした。
【0020】3.マグネシウムの溶解度の測定 ついで、上述のようにして組み立てられた各電池A〜I
を分解して、各電池A〜Iの組立直後のアルカリ電解液
中のマグネシウム濃度(マグネシウムのアルカリ電解液
中への溶出量)を測定すると、下記の表1に示すような
結果となった。また、各電池A〜Iを用いて、60℃の
雰囲気で1日当たりの充電電気量を160mAhとして
7日間の連続充電試験を行った後、各電池A〜Iを分解
して、各電池A〜Iの連続充電試験後のアルカリ電解液
中のマグネシウム濃度(マグネシウムのアルカリ電解液
中への溶出量)を測定すると、下記の表1に示すような
結果となった。なお、表1において、缶溶解とは電池外
装缶10の一部が溶解して、電池外装缶10の一部に孔
が形成されたことを意味する。
【0021】
【表1】
【0022】上記表1の結果から明らかなように、アル
カリ電解液の濃度が高くなるほどアルカリ電解液中のマ
グネシウム濃度(マグネシウムのアルカリ電解液中への
溶出量)が小さくなることが分かる。また、連続充電試
験後のアルカリ電解液中のマグネシウム濃度(マグネシ
ウムのアルカリ電解液中への溶出量)は電池組立直後よ
りも大きくなっているが、アルカリ電解液の濃度が高く
なるほど溶出量が小さくなっていることが分かる。
【0023】これは、マグネシウム合金は弱アルカリ〜
強酸水溶液には易溶性であるが、ある程度以上の強アル
カリ水溶液では酸化マグネシウムの不動態膜が形成され
るようになるため、この不動態膜によりアルカリ電解液
への溶出が抑制されたことによるものと考えられる。こ
のことから、マグネシウムがアルカリ電解液中へ溶出す
ることを防止するためには、アルカリ電解液の濃度を
5.5mol/l以上に規定し、望ましくは6.0mo
l/l以上に規定することが好ましいということができ
る。
【0024】4.マグネシウム合金のマグネシウムの組
成比の検討 ついで、マグネシウム合金のマグネシウムの組成比とこ
の合金中に添加された金属のアルカリ電解液中への溶出
量の関係について検討した。ここで、合金質量100に
対して、マグネシウム量を70(アルミニウム量は27
で、亜鉛量は3)、75(アルミニウム量は22.5
で、亜鉛量は2.5)、80(アルミニウム量は18
で、亜鉛量は2)、85(アルミニウム量は13.5
で、亜鉛量は1.5)、90(アルミニウム量は9で、
亜鉛量は1)と変化させたMg−Al−Zn合金をそれ
ぞれ用い、上述と同様に深絞り加工あるいは射出成型に
より電池外装缶10をそれぞれ作製した。
【0025】ついで、これらの電池外装缶10をそれぞ
れ用いるとともに、これらの電池外装缶10内に6.0
mol/lの水酸化カリウム(KOH)水溶液を充填し
て、上述と同様にニッケル−水素蓄電池をそれぞれ組み
立てた。ここで、マグネシウム量を70とした電池外装
缶10を用いたニッケル−水素蓄電池を電池Jとし、マ
グネシウム量を75とした電池外装缶10を用いたニッ
ケル−水素蓄電池を電池Kとし、マグネシウム量を80
とした電池外装缶10を用いたニッケル−水素蓄電池を
電池Lとし、マグネシウム量を85とした電池外装缶1
0を用いたニッケル−水素蓄電池を電池Mとし、マグネ
シウム量を90とした電池外装缶10を用いたニッケル
−水素蓄電池を電池Gとした。
【0026】ついで、上述のようにして組み立てられた
各電池J〜MおよびGを分解して、各電池J〜Mおよび
Gの組立直後のアルカリ電解液中のアルミニウム濃度
(アルミニウムのアルカリ電解液中への溶出量)を測定
すると、下記の表2に示すような結果となった。また、
各電池J〜MおよびGを用いて、60℃の雰囲気で1日
当たりの充電電気量を160mAhとして7日間の連続
充電試験を行った後、各電池J〜MおよびGを分解し
て、各電池J〜MおよびGの連続充電試験後のアルカリ
電解液中のアルミニウム濃度(アルミニウムのアルカリ
電解液中への溶出量)を測定すると、下記の表2に示す
ような結果となった。
【0027】
【表2】
【0028】同様に、上述のようにして組み立てられた
各電池J〜MおよびGを分解して、各電池J〜Mおよび
Gの組立直後のアルカリ電解液中の亜鉛濃度(亜鉛のア
ルカリ電解液中への溶出量)を測定すると、下記の表3
に示すような結果となった。また、各電池J〜Mおよび
Gを用いて、60℃の雰囲気で1日当たりの充電電気量
を160mAhとして7日間の連続充電試験を行った
後、各電池J〜MおよびGを分解して、各電池J〜Mお
よびGの連続充電試験後のアルカリ電解液中の亜鉛濃度
(亜鉛のアルカリ電解液中への溶出量)を測定すると、
下記の表3に示すような結果となった。
【0029】
【表3】
【0030】上記表2および表3の結果から明らかなよ
うに、マグネシウム合金中のマグネシウムの質量比が高
くなるほどアルカリ電解液中のアルミニウムあるいは亜
鉛の濃度(アルミニウムあるいは亜鉛のアルカリ電解液
中への溶出量)が小さくなることが分かる。また、連続
充電試験後のアルカリ電解液中のアルミニウムあるいは
亜鉛の濃度(アルミニウムあるいは亜鉛のアルカリ電解
液中への溶出量)は電池組立直後よりも大きくなってい
るが、マグネシウム合金中のマグネシウムの質量比が高
くなるほど溶出量が小さくなっていることが分かる。
【0031】これは、マグネシウム合金中のマグネシウ
ムの質量比が高くなると、マグネシウム合金中のアルミ
ニウムあるいは亜鉛などの添加成分がアルカリ電解液中
に溶出する前に、マグネシウムの不動態層が電池外装缶
10の内表面に生成されるため、アルミニウムあるいは
亜鉛などの添加成分のアルカリ電解液中への溶出が減少
したと考えられる。そして、添加成分のアルカリ電解液
中への溶出量を減少させる効果を発揮させるためには、
マグネシウム合金中のマグネシウムの質量比を75wt
%以上に規定し、望ましくは80wt%以上に規定する
ことが好ましいということができる。
【0032】5.円筒形ニッケル−水素蓄電池 なお、上述においては、本発明を角形ニッケル−水素蓄
電池に適用する例について説明したが、本発明は角形に
限らず、円筒形ニッケル−水素蓄電池に適用することが
できるので、以下では円筒形ニッケル−水素蓄電池につ
いて説明する。円筒形ニッケル−水素蓄電池は、上述の
ように円筒形に成形されたMg−Al−Zn合金からな
る電池外装缶20内に、ニッケル正極板21と水素吸蔵
合金負極板22とを備えているとともに、これらの間に
ポリプロピレン製不織布からなるセパレータ23を介在
させて渦巻状に巻回された渦巻状電極群を備えている。
この渦巻状電極群の上端面には、ニッケル正極板21の
極板芯体であるパンチングメタル21aの端部が露出
し、また、下端面には水素吸蔵合金負極板22の極板芯
体であるパンチングメタル22aの端部が露出してい
る。
【0033】渦巻状電極群の上端面に露出するパンチン
グメタル21aの端部に円板状の正極集電体24が溶接
されており、正極集電体24から延伸したリード部24
aが封口体26の蓋体26bの底面に溶接されている。
また、渦巻状電極群の下端面に露出するパンチングメタ
ル22aの端部に負極集電体25が溶接されており、負
極集電体25は外装缶20の内底面に溶接されている。
外装缶20の上部には環状溝20bが形成されており、
この環状溝20bは渦巻状電極群の上端部に配置された
防振リング28を押圧している。なお、外装缶20内に
は所定の濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液からな
るアルカリ電解液が充填されている。
【0034】封口体26の周縁には絶縁ガスケット27
が嵌着されており、この封口体26を外装缶20の開口
部に配置した後、外装缶20の開口端縁20aを内方に
かしめることにより電池の封口がなされている。なお、
封口体26は正極キャップ(正極外部端子)26aと、
底面に円形状の下方突出部を形成してなる蓋体26b
と、これらの正極キャップ26aと蓋体26bとの間に
介在されるスプリング26cと弁板26dからなる弁体
を備えており、蓋体26bの中央にはガス抜き孔が形成
されていて安全弁の作用をするものである。
【0035】このように、円筒型に成形されたMg−A
l−Zn合金からなる電池外装缶20を用いても、上述
した角形の成形されたMg−Al−Zn合金からなる電
池外装缶10と同様に、マグネシウムがアルカリ電解液
中へ溶出することが防止されるとともに、アルミニウム
あるいは亜鉛などのマグネシウム合金の添加成分がアル
カリ電解液中へ溶出することが防止できるようになる。
この場合においても、上述した角形の電池外装缶10と
同様に、アルカリ電解液の濃度を5.5mol/l以上
に規定し、望ましくは6.0mol/l以上に規定する
ことが好ましい。また、マグネシウム合金中のマグネシ
ウムの質量比を75wt%以上に規定し、望ましくは8
0wt%以上に規定することが好ましい。
【0036】上述したように、本発明においては、電池
外装缶10,20をマグネシウム合金で構成しているの
で、電池外装缶10,20の質量はニッケルメッキを施
した鉄缶を使用した場合の約1/4程度に減少する。ま
た、マグネシウム合金は弱アルカリ〜強酸水溶液には易
溶性であるが、ある程度以上の強アルカリ水溶液では酸
化マグネシウムの不動態膜が形成されるようになる。こ
のため、本発明のようにアルカリ電解液の濃度を5.5
mol/l以上に規制すると、マグネシウム合金の溶出
が抑制されて、軽量で長寿命のアルカリ蓄電池を得るこ
とが可能となる。
【0037】なお、上述した実施の形態においては、マ
グネシウム合金として、アルミニウムが9質量部で、亜
鉛が1質量部で、マグネシウムが90質量部となるMg
−Al−Zn合金を用いる例について説明したが、アル
ミニウムと亜鉛とマグネシウムとの含有割合はこれに限
らず、適宜選択して用いるようにすればよい。ただし、
上述したように、アルミニウムと亜鉛の添加成分のアル
カリ電解液中への溶出量を減少させる効果を発揮させる
ためには、マグネシウム合金中のマグネシウムの質量比
を75wt%以上に規定し、望ましくは80wt%以上
に規定することが好ましい。
【0038】また、マグネシウム合金としては上述した
Mg−Al−Zn合金以外に、合金の融点が約600℃
〜700℃となるMg−Zn−Zr系合金を用いても、
Mg−Al−Zn合金を用いた場合とほぼ同様な結果が
得られる。この場合も、亜鉛とジルコニウムとマグネシ
ウムとの含有割合は適宜選択して用いるようにすればよ
い。ただし、上述したように、亜鉛とジルコニウムの添
加成分のアルカリ電解液中への溶出量を減少させる効果
を発揮させるためには、マグネシウム合金中のマグネシ
ウムの質量比を75wt%以上に規定し、望ましくは8
0wt%以上に規定することが好ましい。
【0039】また、上述した実施の形態においては、本
発明をニッケル−水素蓄電池に適用する例について説明
したが、本発明はニッケル−水素蓄電池に限らず、ニッ
ケル−カドミウム蓄電池などの他のアルカリ蓄電池にも
適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 角形ニッケル−水素蓄電池を模式的に示す図
であり、図1(a)は縦断面図であり、図1(b)は図
1(a)のA−A断面を示す断面図である。
【図2】 円筒形ニッケル−水素蓄電池を模式的に示す
縦断面図である。
【符号の説明】
10…電池外装缶(角形)、11…ニッケル正極板、1
1a…導電タブ、12…水素吸蔵合金負極板、12a…
中央部連結部、14…正極集電体、16…封口体、16
a…蓋体、16b…絶縁板、16c…正極端子部材、1
6d…ガスケット、16e…正極キャップ、16f…弁
体、16g…ガス抜孔、20…電池外装缶(円筒形)、
20a…開口端縁、20b…環状溝、21…ニッケル正
極板、21a…パンチングメタルの端部、22…水素吸
蔵合金負極板、22a…パンチングメタルの端部、24
…正極集電体、24a…リード部、25…負極集電体、
26…封口体、26a…正極キャップ、26b…蓋体、
26c…スプリング、26d…弁板、27…絶縁ガスケ
ット、28…防振リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 敬 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA02 CC06 DD03 KK02 KK06 5H028 AA06 AA07 BB04 EE01 FF00 HH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とセパレータとからなる電極
    群と、アルカリ水溶液からなるアルカリ電解液と、これ
    らの電極群およびアルカリ電解液を収容する開口部を有
    する有底の電池外装缶と、前記電池外装缶の開口部を密
    閉する封口体とを備えたアルカリ蓄電池であって、 前記電池外装缶はマグネシウム合金から構成されている
    とともに、 前記アルカリ電解液は濃度が5.5mol/l以上のア
    ルカリ水溶液であることを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記マグネシウム合金はMg−Al−Z
    n系合金またはMg−Zn−Zr系合金であることを特
    徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記マグネシウム合金はマグネシウムの
    含有量が合金の質量に対して75wt%以上であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルカリ
    蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ電解液は濃度が5.5mo
    l/l以上の水酸化カリウムを含む水溶液であることを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のア
    ルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記電池外装缶は射出成型あるいは深絞
    り加工により成形したものであることを特徴とする請求
    項1から請求項4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池。
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