JP2002110071A - 陰極線管用ガラスファンネル及びそれを用いた陰極線管用ガラスバルブ - Google Patents

陰極線管用ガラスファンネル及びそれを用いた陰極線管用ガラスバルブ

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JP2002110071A
JP2002110071A JP2000303267A JP2000303267A JP2002110071A JP 2002110071 A JP2002110071 A JP 2002110071A JP 2000303267 A JP2000303267 A JP 2000303267A JP 2000303267 A JP2000303267 A JP 2000303267A JP 2002110071 A JP2002110071 A JP 2002110071A
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ray tube
glass
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flat surface
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Takayuki Noda
隆行 野田
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な補強作業を要せず、ファンネルに対し
て防爆帯の締め付け力による十分な補強作用を付与で
き、陰極線管の軽量化、薄型化を図るための強度補償を
可能とする優れた防爆性能を有する陰極線管用ガラスフ
ァンネルとそれを用いた陰極線管用ガラスバルブを提供
する。 【解決手段】 パネルが接合されるシールエッジ面3が
形成された略矩形の広開口部4とネックが接合される狭
開口部とを有する略漏斗形の陰極線管用ガラスファンネ
ルにおいて、広開口部4付近のファンネル外壁面1′の
少なくともコーナー部に、防爆帯が締着されるための管
軸に略平行な平坦面10が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管用ガラスファ
ンネルと、それを用いた陰極線管用ガラスバルブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5、図6に示すように、陰極線管用ガ
ラスファンネル1は、パネル2が接合されるシールエッ
ジ面3が形成された略矩形の広開口部4とネック5が接
合される狭開口部6とを有する略漏斗形を呈しており、
前記ファンネル1の広開口部4にはパネル2が、また、
狭開口部6にはネック5が接合されることにより陰極線
管用ガラスバルブ7が構成される。
【0003】パネル2は画像が映し出されるフェース部
2aとフェース部2aからブレンド部2bを介して略垂
直方向に延在するスカート部2cとからなり、スカート
部2cの端面がファンネル1の広開口部4のシールエッ
ジ面3に封着用ガラスを介して接合される。
【0004】陰極線管用ガラスバルブ7は、その内部を
排気され真空容器として使用されることから、ガラスバ
ルブ7の外表面には大気圧による応力負荷が生じ、非球
殻の三次元構造体であるガラスバルブ7には、図7に示
すように、ガラスバルブ外側への矢印で表した引張応力
の領域と内側への矢印で表した圧縮応力の領域が併存し
た複雑な応力分布を生じる。かかるガラスバルブ7の表
面にクラックが生じると、このクラックがガラスバルブ
7の引張応力の発生領域を伝播することによって爆縮に
至る。この爆縮は、機械的衝撃等によりクラックが伝播
したガラスバルブ7の圧縮応力の発生領域にあるガラス
が、一気に内方へ押し込まれることにより破壊するとい
う現象である。
【0005】かかる爆縮を防止するために、図8に示す
ように、パネル2のスカート部2cに防爆帯8として金
属帯を締着することが行われている。例えば、焼き嵌め
方式といわれる防爆補強では、パネルのスカート部の全
周より若干短い金属帯を加熱により膨張させて、スカー
ト部の外周に嵌め込み、金属帯が常温に復したときにパ
ネルの側周方向から締め付け力を与えられるようにして
いる。また、上記の防爆帯は、パネルとファンネルの接
合部を跨いで締着されるタイプのものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パネル
2のスカート部2cに防爆帯8を締着させた従来のガラ
スバルブ7にあっては、防爆帯8の締め付け力は、スカ
ート部2cからフェース部2a端にかけては作用するも
のの、ファンネル1側には直接的にその補強作用を及ぼ
し得るものではなかった。また、図9に示すようにパネ
ル2とファンネル1の接合部を跨いで防爆帯8が締着さ
れる補強構造においては、従来の陰極線管用ガラスファ
ンネル1は、ファンネル外壁面1′全体が曲面にて形成
されていることから、上記の防爆帯8とファンネル外壁
面1′との間に間隙9が生じ、ファンネル1に対する防
爆帯8の締め付け作用は十分なものとはいえなかった。
斯様な問題に対して、例えば前記間隙に接着材等の充填
材を充填させたり、或いは、ファンネル外壁面の曲面に
沿わせた防爆帯を用いることが考えられるが、前者の場
合には、補強作業の工程増加、作業性の点から効率的で
はなく、また、後者の場合には防爆帯となる金属帯をフ
ァンネル外壁面の曲率に一致した曲面に形成することに
かなりの困難性を伴う。
【0007】また、従来はガラス肉厚を厚くすることで
強度上の問題を回避しているものの、最近では陰極線管
の軽量化の点から、ガラスバルブを構成するパネル、フ
ァンネルの薄肉化が進められ、薄肉化による強度補償の
点からもガラスバルブの補強強度の向上が必要とされて
いる。
【0008】また、陰極線管の管軸方向における薄型化
に伴い、ヨーク部の偏向角度が120°以上という超広
角のファンネルが用いられるが、この場合、ファンネル
の形状は従来の丸みをおびた形状に比べて、管軸方向に
かなり扁平化された形状になることから、かかるファン
ネルを用いたガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内
部の真空排気時に、ファンネル側に負荷される引張応
力、圧縮応力も相当大きくなるため、一旦、ガラスバル
ブに傷が入りクラックが伝播すると、ファンネル側で爆
縮に至る可能性がより増大する。
【0009】従って、本発明の目的は、煩雑な補強作業
を要せず、ファンネルに対して防爆帯の締め付け力によ
る十分な補強作用を付与でき、陰極線管の軽量化、薄型
化を図るための強度補償を可能とする優れた防爆性能を
有する陰極線管用ガラスファンネルとそれを用いた陰極
線管用ガラスバルブを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題及び
目的に鑑みてなされたもので、パネルが接合されるシー
ルエッジ面が形成された略矩形の広開口部とネックが接
合される狭開口部とを有する略漏斗形の陰極線管用ガラ
スファンネルにおいて、広開口部付近のファンネル外壁
面の少なくともコーナー部に、防爆帯が締着されるため
の管軸に略平行な平坦面が形成されてなることを特徴と
する陰極線管用ガラスファンネルである。本発明におい
て、管軸とは、前記広開口部の幾何学的中心を通り、前
記シールエッジ面に垂直な直線をいう。
【0011】また、本発明は、シールエッジ面が形成さ
れた略矩形の広開口部と狭開口部とを有する略漏斗形の
陰極線管用ガラスファンネルと、該ファンネルの広開口
部のシールエッジ面に接合されたパネルと、ファンネル
の狭開口部に接合されたネックとで構成され、内部が真
空排気された陰極線管用ガラスバルブにおいて、前記フ
ァンネルの広開口部付近のファンネル外壁面の少なくと
もコーナー部に、防爆帯が締着されるための管軸に略平
行な平坦面が形成されてなり、該平坦面に防爆帯が当接
緊締されてなることを特徴とする陰極線管用ガラスバル
ブである。
【0012】本発明において、前記平坦面は、ファンネ
ルの成形と同時に形成しても、また成形後に改めて研削
加工等により加工形成してもよいが、生産効率の観点か
らは、ファンネル成形用の成形型に前記平坦面の成形部
を形成しておき、ファンネルの成形と同時に平坦面を形
成するのがより好ましく、この場合、成形型には通常、
ファンネル取り出しのための抜け勾配が形成されている
ことを鑑みると、前記平坦面は、ファンネルの成形型と
なる底型と胴型との型合わせによりファンネル外壁面に
形成されるモールドマッチラインからシールエッジ面の
縁部の領域内において形成することがより好ましい。ま
た、防爆帯の締着の観点からすれば、前記平坦面はでき
るだけ管軸に平行に近い面であることが望まれるが、成
形型からのファンネル取り出しの観点からは、先記した
ように成形型に幾らかの抜け勾配がつけられている方が
望ましいことから、両観点に鑑みると、ファンネルの成
形と同時に平坦面を形成する場合には、防爆帯の締め付
け力が最も効くコーナー部においては平坦面の傾斜角度
を0°〜1°とし、各辺部中央に向けて前記傾斜角が漸
増するように形成しておくと更に好ましい。
【0013】また、通常、パネルとファンネルとの封着
工程において両部材を封着するための封着用ガラスは両
部材の間隙外方に流れ出るが、流動した封着用ガラスが
ファンネルのモールドマッチラインの段部にまで及ばな
いようにし、また、防爆帯の締着工程において防爆帯の
縁と封着用ガラスが干渉(接触等)しないようにするこ
とが、封着強度や接触傷等の防止の点からより好まし
く、かかる目的から、本発明において前記平坦面の管軸
方向高さは、シールエッジ面幅よりも大きくすることが
より好ましい。
【0014】また、本発明において前記平坦面は、より
好ましくは、平坦面の任意の点で、管軸方向の接線と管
軸とのなす角度が0°以上5°以下の範囲で管軸に平行
或いはファンネルの広開口部側に向けて内方に傾斜した
面に形成される。これにより、平坦面に当接緊締される
防爆帯のファンネルに対する締め付け力は管軸に垂直方
向或いは若干ファンネルのヨーク部側に向けて作用する
ため、ガラスバルブの真空排気によりファンネル側に生
じる引張応力及び圧縮応力による応力変形をより効果的
に抑制でき、クラック伝播によるファンネル側での爆縮
を抑止する上で、より効果的である。
【0015】また、本発明において、ファンネルに形成
される平坦面は、防爆帯の内表面積の内、モールドマッ
チラインからシールエッジ面の縁部の領域にかかる内表
面積の60%以上の面積を有することが、防爆帯の締着
安定性の点からより好ましい。
【0016】なお、前記平坦面は、広開口部付近のファ
ンネル外壁面の全周に形成されてもよく、また、その場
合において、平坦面は必ずしも全周に亘って同一高さで
形成される必要はない。
【0017】
【作用】本発明によれば、広開口部付近のファンネル外
壁面の少なくともコーナー部に、防爆帯が締着されるた
めの平坦面が形成されていることにより、煩雑な補強作
業を要せず、防爆帯を安定してファンネル外壁面に当接
締着することができる。これによって、防爆帯の締め付
け力が直接的にファンネルに作用し、ガラスバルブの真
空変形に対する十分な復元力を付与できる。従って、ガ
ラスバルブの真空排気によりファンネル側に生じる引張
応力及び圧縮応力の応力変形を効果的に抑制でき、クラ
ック伝播によるファンネル側での爆縮を防止できること
から、陰極線管の軽量化、薄型化による強度補償を可能
し、偏向角度が120°以上といった超広角ファンネル
に適用しても優れた防爆性能を奏する。
【0018】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいて説明
する。
【0019】図1は本発明にかかる陰極線管用ガラスフ
ァンネルの斜視図、図2はその要部拡大断面図、図3は
陰極線管用ガラスファンネルの成形工程の説明図、図4
はかかる陰極線管用ガラスファンネルを用いたガラスバ
ルブの説明図である。なお、先記した内容と重複する部
位には同符号を用い、その説明については省略する。
【0020】陰極線管用ガラスファンネル1には、その
広開口部4付近のファンネル外壁面1′に、全周に亘っ
て、防爆帯8が締着されるための管軸Zに略平行な平坦
面10が形成されている。平坦面10は、平坦面10の
任意の点で、管軸方向の接線と管軸とのなす角度が0°
以上5°以下の範囲で、管軸に平行或いはファンネル1
の広開口部4側に向けて内方に傾斜して形成されてい
る。
【0021】かかる平坦面10は図3に示すように、プ
ランジャー11によるファンネル1の成形用金型に平坦
面成形部を形成して、ファンネル1のプレス成形と同時
に形成され、成形型となる底型12と胴型13との型合
わせによりファンネル外壁面1′に形成されるモールド
マッチラインMからシールエッジ面3の縁部の領域にお
いて、そのコーナー部では0°〜1°の傾斜角度であ
り、各辺部中央に向けて傾斜角度が漸増して形成されて
いる。また、平坦面10は、その管軸方向高さがシール
エッジ面3幅よりも大きく、且つ防爆帯8の内表面積の
内、モールドマッチラインMからシールエッジ面3の縁
部の領域にかかる内表面積の60%以上の面積を有して
いる。
【0022】かかる陰極線管用ガラスファンネル1にパ
ネル2及びネック5を接合し、内部を真空排気されたガ
ラスバルブ7には、図4に示すように、焼き嵌め方式に
よりパネル2のスカート部2c及びファンネル1の平坦
面に、金属帯からなる防爆帯8を当接緊締してある。
【0023】(実施例1)アスペクト比が16:9の対
角径76cm(32インチ)で偏向角度130°のファ
ンネルにおいて、広開口部付近のファンネル外壁面の全
周に亘ってシールエッジ面の縁部からモールドマッチラ
インの領域に平坦面を形成した。シールエッジ面幅2
0.0mmに対して、平坦面の管軸方向高さは50.0
mmに形成され、平坦面の任意の点で、管軸方向の接線
と管軸とのなす角度が、コーナー部において1.0°
で、短辺中央部において1.5°、長辺中央部において
2.0°に漸増するように形成された管軸に略平行な平
坦面とした。
【0024】かかる陰極線管用ガラスファンネルに、パ
ネルフェース部の中央肉厚20.5mm、シールエッジ
肉厚20.0mm、全高75.0mmのフラットパネル
を接合するとともに、ファンネルの狭開口部にネックを
接合して、ガラスバルブを作製し、ガラスバルブの内部
を真空排気した後、焼き嵌め方式によりパネルのスカー
ト部及びファンネルの平坦面に金属帯からなる防爆帯を
当接緊締した。パネル側の防爆帯は、板厚1.2mm、
幅60.0mm、折り返し幅40.0mmの金属帯を使
用し、ファンネル側の防爆帯は板厚1.2mm、幅6
0.0mmの金属帯を使用し、パネル側、ファンネル側
ともに防爆帯は、モールドマッチラインを15.0mm
越えて締着させた。
【0025】(実施例2)実施例1と同サイズのファン
ネルにおいて、広開口部付近のファンネル外壁面の全周
に亘ってシールエッジ面の縁部からモールドマッチライ
ンの領域に平坦面を形成した。シールエッジ面幅20.
0mmに対して、平坦面の管軸方向高さは22.0mm
に形成され、平坦面の任意の点で、管軸方向の接線と管
軸とのなす角度が、コーナー部において0.5°で、短
辺中央部において1.0°、長辺中央部において1.5
°に漸増するように形成された管軸に略平行な平坦面と
した。
【0026】かかる陰極線管用ガラスファンネルに実施
例1と同様のパネル及びネックを接合して、ガラスバル
ブを作製し、ガラスバルブの内部を真空排気した後、焼
き嵌め方式によりパネルのスカート部及びファンネルの
平坦面に金属帯からなる防爆帯を当接緊締した。パネル
側の防爆帯は、板厚1.2mm、幅60.0mm、折り
返し幅40.0mmの金属帯を使用し、ファンネル側の
防爆帯は板厚3.0mm、幅24.0mmの金属帯を使
用し、防爆帯はパネル側のモールドマッチラインを1
5.0mm、ファンネル側のモールドマッチラインを
7.0mm越えて締着させた。
【0027】(実施例3)実施例1と同サイズのファン
ネルにおいて、広開口部付近のファンネル外壁面の全周
に亘ってシールエッジ面の縁部からモールドマッチライ
ンの領域に平坦面を形成した。シールエッジ面幅20.
0mmに対して、平坦面の管軸方向高さは18.0mm
に形成され、平坦面の任意の点で、管軸方向の接線と管
軸とのなす角度が、全周において0.5°となるように
形成された管軸に略平行な平坦面とした。
【0028】かかる陰極線管用ガラスファンネルに実施
例1と同様のパネル及びネックを接合して、ガラスバル
ブを作製し、ガラスバルブの内部を真空排気した後、焼
き嵌め方式によりパネルのスカート部及びファンネルの
平坦面に金属帯からなる防爆帯を当接緊締した。パネル
側の防爆帯は、板厚1.2mm、幅60.0mm、折り
返し幅40.0mmの金属帯を使用し、ファンネル側の
防爆帯は板厚3.0mm、幅18.0mmの金属帯を使
用し、防爆帯はパネル側のモールドマッチラインを1
5.0mm、ファンネル側のモールドマッチラインを
5.0mm越えて締着させた。
【0029】(比較例)アスペクト比が16:9の対角
径76cm(32インチ)で偏向角度130°のファン
ネルにおいて、ファンネル外壁面全体が曲面で形成さ
れ、平坦面が形成されていない従来の陰極線管用ガラス
ファンネルを用いて、実施例1と同様のパネル及びネッ
クを接合して、ガラスバルブを作製した。
【0030】かかる陰極線管用ガラスファンネルにおい
ては、ファンネルの外壁面全体が曲面で形成されている
が故に防爆帯を安定締着させ得る部位がないことから、
パネル側にのみ防爆帯を当接緊締した。パネル側の防爆
帯は、板厚1.2mm、幅60.0mm、折り返し幅4
0.0mmの金属帯を使用し、パネルのモールドマッチ
ラインを15.0mm越えて締着させた。
【0031】表1及び表2に上記実施例及び比較例の仕
様を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】各例のファンネルを用いたガラスバルブに
ついて、UL1418(米国安全規格)によるボールイ
ンパクトテスト法及びミサイル法による防爆性能の比較
試験を行った結果を表3に示す。但し、ミサイル法は、
ダイヤモンドカッターで長さ10cmのスクラッチをパ
ネルフェース部の有効画面表示端近くの長辺側上下2箇
所に入れた後、最大20ジュールのエネルギーを与える
ようミサイル状の鋼鉄製物体によりフェース部を衝撃す
る。その際、飛散するガラス片の大小により合否判定を
う試験法である。また、ボールインパクト法は、直径4
0mmの鋼球を5.5ジュールのエネルギーでパネルフ
ェース部の有効画面に振り子状に落下させ、その際飛散
するガラス片の大小により合否判定を行う試験方法であ
る。
【0035】
【表3】
【0036】ボールインパクト法において、実施例1及
び2では、パネルを起点として生じたクラックがファン
ネル側に伝播しても、ファンネルの爆縮、ファンネルガ
ラスの脱落等は生じず、規格外はなかった。また、実施
例3については、パネルを起点として生じたクラックの
ファンネル側への進展が多く、ファンネルガラスの部分
的脱落を生じたものが、一部発生したもののパネルを突
き破ることによるガラス片の飛散は生じず、規格外はな
かった。しかしながら、比較例については、パネルを起
点として生じたクラックのファンネル側への進展によ
り、ファンネルガラスが脱落し、パネルを突き破る規格
外となる製品が2割発生した。
【0037】また、ミサイル法において、実施例1で
は、スクラッチ部分を起点として生じたクラックがファ
ンネルに伝播しても、ファンネルの爆縮、ファンネルガ
ラスの脱落等は生じず、規格外はなかった。実施例2で
は、ミサイルインパクト後、暫くした後、ファンネルガ
ラスの脱落を生じたものが一部発生したもののパネルを
突き破ることによるガラス片の飛散は生じず、規格外は
なかった。実施例3では、ミサイルインパクトの直後
に、ファンネルガラスの脱落を生じたものが、一部発生
したもののパネルを突き破ることによるガラス片の飛散
は生じず、規格外はなかった。しかしながら、比較例に
ついては、スクラッチ部分を起点として生じたクラック
のファンネル側への進展により、ファンネルの爆縮を生
じたものが5割発生し、これらは全て、パネルを突き破
ることにより規格外となった。
【0038】従って、表3に示すように、ボールインパ
クト法においては、比較例ではパネル側を起点として生
じたクラックがファンネルに伝播して爆縮に至った結
果、規格外となった製品が2割あったのに対し、実施例
ではパネルを起点として生じたクラックがファンネル側
に伝播してもファンネル側の防爆帯の締め付け力により
クラックの進展が抑止されることで爆縮に至らず、規格
外の製品は発生しなかった。また、ミサイル法において
も比較例ではスクラッチ部分を起点として生じたクラッ
クがファンネルに伝播して爆縮に至った結果、規格外と
なった製品が5割に及んだのに対し、実施例では規格外
の製品はなかった。
【0039】また、上記のミサイル法による試験におい
て、破壊には至らず、ミサイル状の鋼鉄製物体による打
刻点のみが残った実施例及び比較例に対し、ファンネル
のネックシール部からヨーク部に亘ってサンドペーパー
(#320)により加傷を行い、最大20ジュールのエ
ネルギーを与えるようミサイル状の鋼鉄製物体によりパ
ネルフェース部を衝撃して、比較試験を行った結果を表
4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】実施例1では、加傷部起点で破壊してもフ
ァンネルの爆縮は生じなかった。実施例2では、加傷部
であるヨーク部がガラスバルブ内に吸い込まれたものが
一部発生したが、ファンネルの爆縮に至るものはなかっ
た。また、実施例3では、全数において、加傷部である
ヨーク部がガラスバルブ内に吸い込まれたが、ファンネ
ルの爆縮に至るものはなかった。しかしながら、比較例
においては、加傷部起点で破壊し、ファンネルが爆縮を
生じ、ファンネルガラス片がパネルを突き破ることによ
り規格外となったものが6割発生した。
【0042】従って、表4に示すように、ファンネル側
加傷によるミサイル法においては、比較例ではファンネ
ル側を起点としたクラック伝播により爆縮に至った結
果、規格外となった製品が6割あったのに対し、実施例
では爆縮を生じず、規格外となった製品はなかった。
【0043】上記防爆試験の結果からも本発明にかかる
実施例が補強強度的に極めて優れていることが確認でき
た。
【0044】なお、本発明は、上記実施例のアスペクト
比、サイズ、偏向角度に限定されるものでなく、他の仕
様においても適用できることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、広開口部付近のファン
ネル外壁面の少なくともコーナー部に、防爆帯が締着さ
れるための平坦面が形成されていることにより、煩雑な
補強作業を要せず、防爆帯を安定してファンネル外壁面
に当接締着することができる。これによって、防爆帯の
締め付け力が直接的にファンネルに作用して、十分な補
強作用、ガラスバルブの真空変形に対する十分な復元力
を付与できる。従って、ガラスバルブの真空排気により
ファンネル側に生じる引張応力及び圧縮応力の応力変形
を効果的に抑制でき、クラック伝播によるファンネル側
での爆縮を防止できることから、陰極線管の軽量化、薄
型化による強度補償を可能し、偏向角度が120°以上
といった超広角ファンネルに適用しても優れた防爆性能
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる陰極線管用ガラスファンネルの
斜視図である。
【図2】本発明にかかる陰極線管用ガラスファンネルの
要部拡大断面図である。
【図3】陰極線管用ガラスファンネルの成形工程の説明
図である。
【図4】本発明にかかる陰極線管用ガラスファンネルを
用いたガラスバルブの説明図である。
【図5】従来の陰極線管用ガラスファンネルの斜視図で
ある。
【図6】陰極線管用ガラスバルブの斜視図である。
【図7】陰極線管用ガラスバルブに負荷される応力分布
の説明図である。
【図8】防爆補強された従来の陰極線管用ガラスバルブ
の説明図である。
【図9】防爆帯の締着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 陰極線管用ガラスファンネル 2 パネル 3 シールエッジ面 4 広開口部 5 ネック 6 狭開口部 7 陰極線管用ガラスバルブ 8 防爆帯 10 平坦面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルが接合されるシールエッジ面が形
    成された略矩形の広開口部とネックが接合される狭開口
    部とを有する略漏斗形の陰極線管用ガラスファンネルに
    おいて、広開口部付近のファンネル外壁面の少なくとも
    コーナー部に、防爆帯が締着されるための管軸に略平行
    な平坦面が形成されてなることを特徴とする陰極線管用
    ガラスファンネル。
  2. 【請求項2】 前記平坦面は、ガラスファンネルの成形
    型となる底型と胴型との型合わせによりファンネル外壁
    面に形成されるモールドマッチラインからシールエッジ
    面の縁部の領域において形成されてなることを特徴とす
    る請求項1記載の陰極線管用ガラスファンネル。
  3. 【請求項3】 前記平坦面の管軸方向高さは、シールエ
    ッジ面幅よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の
    陰極線管用ガラスファンネル。
  4. 【請求項4】 前記平坦面は、該平坦面の任意の点で、
    管軸方向の接線と管軸とのなす角度が0°以上5°以下
    の範囲で管軸に平行或いはファンネルの広開口部側に向
    けて内方に傾斜した面であることを特徴とする請求項1
    〜3記載の陰極線管用ガラスファンネル。
  5. 【請求項5】 シールエッジ面が形成された略矩形の広
    開口部と他端に形成された狭開口部とを有する略漏斗形
    の陰極線管用ガラスファンネルと、該ファンネルの広開
    口部のシールエッジ面に接合されたパネルと、ファンネ
    ルの狭開口部に接合されたネックとで構成され、内部が
    真空排気された陰極線管用ガラスバルブにおいて、前記
    ファンネルの広開口部付近のファンネル外壁面の少なく
    ともコーナー部に、防爆帯が締着されるための管軸に略
    平行な平坦面が形成されてなり、該平坦面に防爆帯が当
    接緊締されてなることを特徴とする陰極線管用ガラスバ
    ルブ。
  6. 【請求項6】 前記平坦面は、ガラスファンネルの成形
    型となる底型と胴型との型合わせによりファンネル外壁
    面に形成されるモールドマッチラインからシールエッジ
    面の縁部の領域において形成されてなることを特徴とす
    る請求項5記載の陰極線管用ガラスバルブ。
  7. 【請求項7】 前記平坦面の管軸方向高さは、シールエ
    ッジ面幅よりも大きいことを特徴とする請求項6記載の
    陰極線管用ガラスバルブ。
  8. 【請求項8】 前記平坦面は、該平坦面の任意の点で、
    管軸方向の接線と管軸とのなす角度が0°以上5°以下
    の範囲で管軸に平行或いはファンネルの広開口部側に向
    けて内方に傾斜した面であることを特徴とする請求項5
    〜7記載の陰極線管用ガラスバルブ。
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