JP2002107985A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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JP2002107985A
JP2002107985A JP2000294121A JP2000294121A JP2002107985A JP 2002107985 A JP2002107985 A JP 2002107985A JP 2000294121 A JP2000294121 A JP 2000294121A JP 2000294121 A JP2000294121 A JP 2000294121A JP 2002107985 A JP2002107985 A JP 2002107985A
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oxide particles
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Chigusa Miyake
千草 三宅
友男 ▲崎▼村
Tomoo Sakimura
Hirofumi Hayata
裕文 早田
Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は黒ポチ等の画像欠陥を発生しない、
且つ電位安定性の良好な電子写真感光体の製造方法を提
供する事であり、更に、詳しくは黒ポチ等の画像欠陥を
発生させない、繰り返し電位安定性が良好な中間層を有
する電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、該電
子写真感光体を用いた、画像形成方法、画像形成装置及
びプロセスカートリッジの提供。 【解決手段】 導電性支持体上に中間層、感光層を有す
る電子写真感光体の製造方法において、該中間層は、表
面が疎水化処理された無機酸化物粒子の懸濁液を湿式ジ
ェットミルで処理を行うことにより作製された無機酸化
物粒子分散液を塗布して形成されることを特徴とする電
子写真感光体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる電子写真感光体の製造方
法、電子写真感光体、及び該電子写真感光体を用いた画
像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真画像形成方式は、ハロゲンラン
プを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを
光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近
はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また
通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への
展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急
激に主流となりつつある。
【0003】デジタル方式の画像形成では、デジタル電
気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像とし
て書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザ
ーやLEDが用いられている。
【0004】しかし、レーザー光による潜像画像形成に
は基体表面での反射による干渉縞の発生という特有の画
像問題が知られている。デジタル方式の書き込みでは露
光ビーム径が小さく従って書き込み速度が遅いため、露
光部分を現像する反転現像との組み合わせが主に用いら
れているが、この反転現像を用いた画像形成方法の特有
の問題として本来、白地部として画像が得られるべきと
ころに、トナーが付着してカブリを生じる現象、即ち、
感光体の局部的な欠陥による黒ポチ等の発生が知られて
いる。
【0005】これらの問題を解決するため中間層を用い
る技術が開発されている。例えば、導電性支持体と感光
層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を
樹脂中に分散した構成を有する電子写真感光体が知られ
ている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた
中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−30
3846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理され
た酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有
カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9
−258469号の有機珪素化合物で表面処理された酸
化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロ
ジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン等が
挙げられる。しかしこれらの技術を用いても高温高湿
や、低温低湿の厳しい環境下では尚、黒ポチの発生防止
が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の
上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得ら
れないといった問題が発生している。
【0006】一方、これら疎水化処理された酸化チタン
に代表される無機酸化物粒子を中間層のバインダー樹脂
中に分散させる方法としては、ビーズミル、サンドミル
等のメディア媒体型分散機、コロイドミル等の撹拌型分
散機、超音波分散機など各種分散機が検討されてきた。
しかし、このようなメディア媒体型分散機、撹拌型分散
機、超音波分散機などには、一長一短があり、良好な分
散を達成しているとはいえない。
【0007】即ち、メデイア型分散機では 1)無機酸化物粒子に施した表面処理がメディアとの摩
耗により剥がれてしまう。
【0008】2)1)に起因して分散性が低下し、凝集
体が生成したり分散安定性が損なわれたりする。
【0009】3)1)に起因して表面処理により得よう
とした所望の性能が得られない。 4)所望の性能を引き出すためには処理に長時間かか
る。
【0010】攪拌型分散機では 5)動力が弱く、所望の性能を出す粒径まで粒径にまで
分散することができない。
【0011】超音波分散機では 6)工業的な規模では分散効率が悪く、所望の性能を得
るためには長時間を要し実用的でない。
【0012】以上、上記各分散機には少なくとも1つ或
いは複数の問題点を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑み、黒ポチ等の画像欠陥を発生しない、
且つ電位安定性の良好な電子写真感光体の製造方法を提
供する事であり、更に、詳しくは黒ポチ等の画像欠陥を
発生させない、繰り返し電位安定性が良好な中間層を有
する電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、該電
子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及び
プロセスカートリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
ついて、鋭意検討を行った結果、表面処理された無機酸
化物粒子を分散させた中間層の黒ポチの防止効果を高め
るためには、中間層の無機酸化物粒子が表面処理を損な
うことなく、一次粒子または一次粒子近くまで分散され
ていて且つ均一な分散体に成っているのが必要不可欠で
あることを見出し本発明を達成した。
【0015】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採ることにより達成される。 1.導電性支持体上に中間層、感光層を有する電子写真
感光体の製造方法において、該中間層は、表面が疎水化
処理された無機酸化物粒子の懸濁液を湿式ジェットミル
で処理を行うことにより作製された無機酸化物粒子分散
液を塗布して形成されることを特徴とする電子写真感光
体の製造方法。
【0016】2.前記懸濁液の分散媒がバインダ樹脂を
溶解した分散媒であることを特徴とする前記1に記載の
電子写真感光体の製造方法。
【0017】3.前記疎水化処理された無機酸化物粒子
の懸濁液濃度が5〜70質量%であることを特徴とする
前記1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0018】4.前記無機酸化物粒子が酸化チタンであ
ることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の
電子写真感光体の製造方法。
【0019】5.前記1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法により得られることを特徴とする電子写真感光
体。
【0020】6.電子写真感光体、及び帯電工程、露光
工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程を有し、
繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、該電子
写真感光体が前記5に記載の電子写真感光体であること
を特徴とする画像形成方法。
【0021】7.電子写真感光体、及び帯電手段、露光
手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有し、
繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該電子
写真感光体が前記5に記載の電子写真感光体であること
を特徴とする画像形成装置。
【0022】8.電子写真感光体、及び帯電手段、露光
手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有し、
繰り返し画像形成を行う画像形成装置に用いられるプロ
セスカートリッジが、少なくとも前記5に記載の電子写
真感光体と前記帯電手段、露光手段、現像手段、転写手
段、クリーニング手段の少なくとも1つを一体として有
しており、該画像形成装置に出し入れ可能に設計された
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0023】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の中間層の無機酸化物粒子の分散に使用される湿式
ジェットミルとしては、耐圧容器内に密封状態で配置さ
れたノズルへ被処理液を高圧で圧送し、該ノズル内で渦
巻状のジェット流を形成することにより、無機酸化物粒
子を分散するタイプのものが好ましく用いられる。
【0024】上記において、無機酸化物粒子の中間層懸
濁液濃度は5〜70質量%、より実用的には10〜65
質量%の範囲が好ましい。
【0025】ここで上記無機酸化物粒子の中間層懸濁液
濃度とは中間層懸濁液を構成する無機酸化物粒子、バイ
ンダー樹脂、溶媒等の全成分の質量を100%とし、そ
の中の無機酸化物粒子の質量%を意味する。
【0026】本発明におけるバインダー樹脂は本発明の
無機酸化物粒子の分散を安定に維持でき、水、或いは有
機溶媒に溶解可能な絶縁性樹脂が用いられる。ここで絶
縁性樹脂とは樹脂単独で常温常湿(24℃、60%)
下、比抵抗が1010Ω・cm以上のものを示す。又、該
樹脂の中間層懸濁液濃度は1〜20質量%、実用的には
2〜15%の範囲が好ましい。
【0027】本発明の分散媒は特に限定されず、使用用
途に応じて各種有機溶剤、水の中から単独、或いは複数
混合して使用することができ、また使用用途に応じて各
種添加剤を添加することができる。
【0028】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明で用いられる湿式ジェットミルとは、任意の方法で高
速流を発生させ、液体同士または流体と流路壁との衝突
を起こさせると共に、高速流によって生じる乱流・剪断
及びキャビテーション効果などを有効に活用し、被処理
物質を微粒化して乳化・分散を促進する機能を備えた装
置を総称するもので、この様な湿式ジェットミルとして
は高圧ホモジナイザーがあり、具体的には、プランジャ
ーポンプやロータリーポンプ等によって被処理液をノズ
ルから噴射させ、固定板に高速で衝突させる方式と、噴
射される被処理液同士を正面から衝突させる方式があ
る。そして被処理液が流路内を高速で通過し或いは衝突
しながら通過する際に乱流・剪断を受け、被処理流体中
に含まれる分散質は破砕されると共に、衝突直後に減圧
解放されるときにキャビテーション効果が生じ、急激な
放圧による衝撃を受けて分散質内部からの破砕が起こ
り、被処理液中の分散質は著しく微粒化される。
【0029】この様な湿式ジェットミルとしては、「高
圧ホモジナイザー」として市販されているバルププレー
トによる高速噴射を利用したタイプ(APVゴーリン社
製、ラニー社製、ソアビ社製、日本精機社製など)、ス
リット状に形成した流路内で高速衝突させるタイプ
(「マイクロフルイダイザー」マイクロフルイディクス
社製)、90°位相させて連通せしめた夫々一文字の流
路内で高速衝突を起こさせるタイプ(「ナノマイザー」
ナノマイザー社製)、同一ノズル内で流体同士の衝突回
数を複数回発生させるタイプ(「ナノメーカー」エスジ
ー・エンジニアリング社製)、偏平流路素子内で流体同
士を衝突させるタイプ(「アクア」アクアテック社
製)、或いは、対向するオリフィスから非球面構造の部
屋へ噴出させて衝突させるタイプ(「アルティマイザ
ー」スギノマシン社製)などが挙げられる。
【0030】これらの湿式ジェットミルは、それぞれ装
置タイプの特性により、無機酸化物粒子の種類により、
分散効果に多少の差を生じるが、前述した様な従来のメ
ディア媒体型分散機をはじめとする分散装置を用いた場
合に比べると、飛躍的に高い効率で微粒化が進んだ安定
な分散体を得ることができる。
【0031】従って、本発明で使用する湿式ジェットミ
ルのタイプは特に制限されないが、なかでも特に好まし
いのは、株式会社ジーナスによって開発され「ジーナス
PY」として市販されている湿式ジェットミルを挙げる
ことができる。
【0032】本発明の表面が疎水化処理された無機酸化
物粒子とは無機酸化物粒子の表面がチタンカップリング
剤、シランカップリング剤、高分子脂肪酸又はその金属
塩等の疎水化処理剤により疎水化処理されたものを云
う。
【0033】本発明で用いられる無機酸化物粒子として
は、疎水化処理する前の導電率(最密充填で測定した導
電率)がC〜Dの金属粒子、或いは金属酸化物粒子等が
好ましく、例えば、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化セリウム、酸化第二鉄、硫化亜鉛、ヨウ化
カリウム、酸化マグネシウム、硫化カドミウム、硫酸
銅、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウ
ム、塩化銀、硫酸ニッケル、チオシアン酸アンモニウ
ム、アスベスチン、クレー、カオリン、陶土−酸性白土
−磁土(珪酸アルミニウム)、バライト、マイカ粉、ア
ンチモン白、リトポン・オル亜鉛華、黒酸化鉄、二酸化
マンガン、クロム黒、赤色酸化鉄、べんがら、鉄丹、チ
タン黄、酸化クロム、コバルトクロム緑、酸化錫、酸化
ジルコニウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム;珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化
チタン、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タ
ングステン、炭化ジルコニウム、ホウ化ジルコニウム、
ホウ化チタン等これらのうち1種を、又は必要に応じて
2種以上が用いられる。中でも、導電性支持体からのキ
ャリアの注入を抑えて、黒ポチ防止効果に優れる酸化チ
タン粒子が好ましい。
【0034】本発明に用いられる無機酸化物粒子の平均
粒径は数平均一次粒径が10nm以上500nm以下の
範囲が好ましい。数平均一次粒径が前記範囲の無機酸化
物粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且
つこのような塗布液から形成された中間層は十分な電位
安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
【0035】前記無機酸化物粒子の数平均一次粒径は透
過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ラ
ンダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像
解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0036】本発明で用いられる無機酸化物粒子として
は、一次粒子の比表面積が10〜90m2/g(簡易B
ET法による測定値)のものが用いられる。しかし、比
表面積が10m2/g未満の本発明の無機酸化物粒子を
用いても均一な分散性を有する中間層を製造することは
可能である。これらは単独で使用してもよく或いは併用
することも可能であり、併用する場合の混合比率は特に
限定されない。
【0037】本発明の無機酸化物粒子の疎水化処理剤と
しては以下のような化合物が挙げられる。
【0038】即ち、チタンカップリング剤としては、テ
トラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス
(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテート
チタネートなどがある。更に、シランカップリング剤と
しては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキ
シシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチ
ルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ド
デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチ
ルフェニルトリメトキシシラン、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン、ヘキシルシランなどが挙げられる。
【0039】本発明の無機酸化物粒子の疎水化処理の他
の1つはフッ素原子を有するシランカップリング剤によ
る表面処理である。該フッ素原子を有するシランカップ
リング剤による表面処理は湿式法で行うのが好ましい。
【0040】即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原
子を有するシランカップリング剤を溶解または懸濁さ
せ、この中に未処理の無機酸化物粒子を添加し、このよ
うな溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合に
よっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て
乾燥し、無機酸化物粒子表面をフッ素原子を有するシラ
ンカップリング剤で被覆する。なお、有機溶剤や水に対
して無機酸化物粒子を分散した懸濁液に前記フッ素原子
を有するシランカップリング剤を添加しても構わない。
【0041】本発明に用いられるフッ素原子を有するシ
ランカップリング剤としては、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシ
ラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジク
ロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフル
オロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,
6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等
が挙げられる。
【0042】又、脂肪酸及びその金属塩としては、ウン
デシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、ヘプタ
デカン酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸が挙げられ、そ
の金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウ
ム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との
塩が挙げられる。
【0043】これら化合物は、無機酸化物粒子に対して
1〜10質量%添加し被覆することが良く、好ましく
は、3〜7質量%である。また、これらの材料を組み合
わせて使用することもでき、通常無機酸化物粒子表面に
単分子層又はそれに近い層で形成される。
【0044】本発明の無機酸化物粒子の疎水化処理の1
つは複数回の表面処理であり、且つ該複数回の表面処理
の中で、最後の表面処理が有機カップリング剤(前記チ
タンカップリング剤、シランカップリング剤等)による
表面処理である。該複数回の表面処理の中で、最初の処
理がアルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、及び
ジルコニア(ZrO2)の少なくとも1種以上の表面処
理が行われ、最後に有機カップリング剤による表面処理
を行われることが好ましい。このような少なくとも2回
以上の表面処理が行われることによって、無機酸化物粒
子表面が均一に表面被覆され、該表面処理された無機酸
化物粒子を中間層に用いると、分散性が良好で、黒ポチ
等の画像欠陥を発生させない良好な中間層を得ることが
できる。
【0045】前記無機酸化物粒子のアルミナ、シリカ、
及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法
で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの
表面処理は以下のように作製することができる。
【0046】例えば酸化チタン粒子(数平均一次粒子
径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分
散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又
は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後アル
カリ、又は酸を添加して中和し、無機酸化物粒子の表面
にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗
浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記
水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場
合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和する事ができ
る。一方水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミ
ニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ム等のアルカリで中和する事ができる。
【0047】次に行われる有機カップリング剤による表
面処理は以下のような湿式法で行うのが好ましい。
【0048】即ち、有機溶剤や水に対して有機カップリ
ング剤(前記チタンカップリング剤、シランカップリン
グ剤等)を溶解または懸濁させ、前記金属酸化物で処理
された酸化チタン粒子を添加し、このような溶液を数分
から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処
理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チ
タン粒子表面をチタン化合物基、或いはケイ素化合物基
等で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタン
粒子を分散した懸濁液に有機カップリング剤(前記チタ
ンカップリング剤、シランカップリング剤等)を添加し
ても構わない。
【0049】次に、本発明の中間層の構成について記載
する。本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設
けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改良、及
び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能を有す
る。該中間層のバインダー樹脂としては、前記した比抵
抗が10(10乗)Ω・cm以上の絶縁性樹脂が好まし
いが、中でもポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバイ
ンダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましい。
【0050】本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μm
が好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポ
チの発生しない、電子写真特性の良好な中間層を形成で
きる。
【0051】本発明の中間層を形成するために作製する
中間層塗布液に用いられる分散溶媒としては他の感光層
の作製に用いられる溶媒としても用いられ、下記のよう
な溶媒が挙げられる。
【0052】即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹
脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−
ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イ
ソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエ
チレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリ
クロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、1−ブタノール、イソプロパノール、
1−プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチル
スルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発
明はこれらに限定されるものではないが、メタノール、
1−ブタノール等が好ましく用いられる。また、これら
の溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いるこ
ともできる。
【0053】以下に本発明に好ましく用いられる中間層
以外の感光体の構成について記載する。
【0054】導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0055】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0056】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0057】以下、本発明の電子写真感光体の好ましい
感光層構成について記載する。 感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記下引層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では下引き層の上に電荷発生層
(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取
ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の
順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好
ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感
光体構成である。
【0058】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を
一種又は複数種含有する。その他の物質としては必要に
よりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0059】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0060】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、シリコン変
性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バ
インダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹
脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。
これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う
残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は
0.01μm〜2μmが好ましい。
【0061】電荷輸送層 電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤
を含有しても良い。
【0062】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものが好ましく、更に好ましくは0.25(e
V)以下である。
【0063】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0064】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並び
に、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含
む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N
−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられ
る。
【0065】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0066】上記では本発明の最も好ましい感光体の層
構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成
でも良い。
【0067】前記中間層を含め、本発明の電子写真感光
体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、
スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用い
られるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力
溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためス
プレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型が
その代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−
90250号及び特開平3−269238号公報に詳細
に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0068】図1は本発明の画像形成装置の一例として
の断面図である。図1において50は像担持体である感
光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布
し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地
されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロン
の帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電を
コロナ放電によって与えられる。この帯電器52による
帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくす
ために発光ダイオード等を用いた露光部51による露光
を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0069】感光体への一様帯電ののち像露光器53に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等
を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0070】その静電潜像は次いで現像器54で現像さ
れる。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとか
ら成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、
マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリ
ーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば
前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂
をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリ
ル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と
荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる
着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーと
からなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリ
ーブ541上に100〜600μmの層厚に規制されて
現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感
光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイア
ス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行わ
れる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接
触の状態で現像される。
【0071】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0072】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)
58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写さ
れる。
【0073】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって
除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して
定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ロー
ラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち
排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお
前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は記録紙P
の通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次な
るトナー像の形成に備える。
【0074】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器62のブレード621の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部51による
除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。
【0075】尚、70は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0076】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0077】プロセスカートリッジには、一般には以下
に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがあ
る。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像
器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも
1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可
能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別
体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又
は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着
脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感
光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリ
ッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0078】又、上記画像形成装置は、感光体ドラム
と、帯電器、現像器、クリーニング器あるいはリサイク
ル部材等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジ
を搭載する形態にすることもできる。
【0079】次に、転写紙は代表的には普通紙である
が、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定
されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0080】像露光は、電子写真画像形成装置を複写機
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッター
アレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどによ
り行われる。
【0081】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器53は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0082】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0083】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0084】実施例1 中間層塗布液の作製 中間層塗布液1〜3の作製 ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1質量部、酸
化チタン(数平均粒径50nm:メチルハイドロジェン
ポリシロキサン5質量%処理)3質量部、メタノール1
0質量部を同一容器中に加えた溶液を3つ作製し、それ
ぞれを湿式ジェットミル分散機(ジーナスPY)、メデ
ィア型分散機(ペイントシェーカ:東洋精機(株)
製)、攪拌型分散機(ホモジナイザーAM−7:日本精
機(株)製)を用いて分散して、中間層塗布液1、2、
3を作製した。各分散機の使用条件は上記中間層塗布液
が最適となる条件で分散を行った。
【0085】評価1(分散安定性評価) 実施例1の中間層塗布液1〜3をガラスビーカ内に7日
間静置し、酸化チタンの沈降度合いを比較した。
【0086】分散安定性評価は中間層塗布液の固形分質
量濃度の減少量で判定。 A:2%未満 B:2%以上、7%未満 C:7%以上で評価した。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】実施例2 中間層塗布液4〜6の作製 ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1質量部、酸
化チタン(数平均粒径30nm:フェニルシラン5質量
%処理)3質量部、メタノール10質量部を同一容器中
に加えた溶液を3つ作製し、実施例1と同様に各種分散
機を用いて分散し、中間層塗布液4〜6を作製した。こ
の中間層塗布液の分散安定性の評価を実施例1と同様に
行った。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】表1、表2の結果より、湿式ジェットミル
分散とメディア型分散機で分散した中間層塗布液は分散
液の保存安定性が良好であるが、攪拌型分散機で分散し
た中間層塗布液は酸化チタンの沈降が大きいことが明ら
かである。
【0091】実施例3 中間層塗布液7〜12の作製 無機酸化粒子として酸化チタンを用い、表面処理(5質
量%処理)、バインダー及び溶剤の種類を表3に示すよ
うにして、中間層塗布液7〜12を作製した。これらの
中間層の分散機としては全て湿式ジェットミル分散機を
用いた。得られた中間層塗布液の分散安定性を実施例1
と同様に評価し、その結果を表3に記した。
【0092】
【表3】
【0093】表3より、疎水化処理のレベルによって中
間層塗布液の分散安定性が異なることが明らかである。
即ち、表面処理を全く実施しない酸化チタンを用いた中
間層塗布液7、8は分散安定性が不十分であり、更に1
回の表面処理酸化チタンを用いた中間層塗布液9、10
よりも、2回の表面処理酸化チタンを用いた中間層塗布
液11、12の方が分散安定性が良好である。
【0094】実施例4 感光体1〜12の作製 円筒形アルミニウム基体6本上に上記中間層塗布液1〜
12を浸漬塗布し、4μmの乾燥膜厚で中間層を設け
た。その上にCuKα線のX線回折スペクトル(ブラッ
グ角2θ±0.2度)が27.2度に最大回折ピークを
有するチタニルフタロシアニン化合物2部、ブチラール
樹脂1部、酢酸t−ブチル70部、4−メトキシ−4−
メチル−2−ペンタノン30部をサンドミルを用いて分
散した液を浸漬塗布し、乾燥膜厚約0.3μmの電荷発
生層を形成した。次いで電荷輸送剤(化合物A);0.
65部、ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z20
0」(三菱ガス化学社製)1部をジクロロエタン7.5
部に溶解した液を電荷発生層上に浸漬塗布して乾燥膜厚
約24μmの電荷輸送層を形成し、110℃にて70分
乾燥して電子写真感光体1〜12を作製した。
【0095】
【化1】
【0096】評価2 各感光体をKonica7050改造機(スコロトロ
ン、レーザー露光、LED除電光)を用いて一般環境
(19℃、30%RH)、高温高湿(30℃、83%R
H)、低温低湿(7℃、21%RH)それぞれの環境に
おいて帯電、露光、除電の連続繰り返しサイクルを60
00回行い、スタート時、及び終了直前の露光部電位を
測定した。各環境をとおして測定したレーザー露光の露
光部電位の最小値と最大値の差を表4にΔVL(V)と
して示す。
【0097】
【表4】
【0098】評価3 感光体1〜12の一般環境(NN;19℃、30%R
H)、高温高湿(HH;30℃、83%RH)、低温低
湿(LL;7℃、21%RH)の各環境における画像特
性の変化を確認するため以下の加速実験を行った。各感
光体をKonica7050複写機(スコロトロン帯電
器、レーザ露光、反転現像、静電転写、爪分離、クリー
ニングブレードを採用プロセスを有する)に取り付け、
スコロトロン帯電器のグリッド帯電電圧を−1000
V、反転現像の現像バイアスを−800Vに設定して、
各環境でA4紙10,000の連続画像複写を行いスタ
ート時、終了時に黒ポチ画像欠陥の評価を行った。表5
に結果を示す。
【0099】黒ポチ画像欠陥評価基準 A:NN、HH、LLとも黒ポチ画像欠陥発生なし B:NN、HH、LLのどれか1つの環境で黒ポチ画像
欠陥発生 C:NN、HH、LLの2つ以上の環境で黒ポチ画像欠
陥発生
【0100】
【表5】
【0101】表4、表5で明らかなように、本発明の疎
水化処理された無機酸化物粒子を含有し、湿式ジェット
ミル分散機で分散した中間層塗布液で作製された中間層
を有する中間層を有する本発明の電子写真感光体は電気
特性を損なうことなく、反転現像プロセスにおける黒ポ
チ発生を顕著に改善している。一方、本発明外の分散機
で分散された中間層塗布液で作製された中間層を有する
電子写真感光体や、疎水化処理をされていない無機酸化
物粒子を有する中間層の電子写真感光体では露光部電位
の上昇が本発明のものに比し高かったり、或いは黒ポチ
画像欠陥の発生が多く見られる。
【0102】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明に
より以下の課題を達成した。
【0103】1)高温高湿から低温低湿まで様々な使用
環境に対する感度の変動が少ない 2)黒ポチなどの画像欠陥が発生しない 3)中間層塗布液の安定性に優れる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としての断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 57 給紙ローラー 58 転写ローラー(転写器) 59 分離ブラシ(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ
フロントページの続き (72)発明者 濱口 進一 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H068 AA44 CA29 EA05 EA13 FA27 4D075 AE03 DC19 EA05 EB35 EC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に中間層、感光層を有す
    る電子写真感光体の製造方法において、該中間層は、表
    面が疎水化処理された無機酸化物粒子の懸濁液を湿式ジ
    ェットミルで処理を行うことにより作製された無機酸化
    物粒子分散液を塗布して形成されることを特徴とする電
    子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記懸濁液の分散媒がバインダ樹脂を溶
    解した分散媒であることを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記疎水化処理された無機酸化物粒子の
    懸濁液濃度が5〜70質量%であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無機酸化物粒子が酸化チタンである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
    造方法により得られることを特徴とする電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体、及び帯電工程、露光工
    程、現像工程、転写工程、クリーニング工程を有し、繰
    り返し画像形成を行う画像形成方法において、該電子写
    真感光体が請求項5に記載の電子写真感光体であること
    を特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体、及び帯電手段、露光手
    段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有し、繰
    り返し画像形成を行う画像形成装置において、該電子写
    真感光体が請求項5に記載の電子写真感光体であること
    を特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体、及び帯電手段、露光手
    段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有し、繰
    り返し画像形成を行う画像形成装置に用いられるプロセ
    スカートリッジが、少なくとも請求項5に記載の電子写
    真感光体と前記帯電手段、露光手段、現像手段、転写手
    段、クリーニング手段の少なくとも1つを一体として有
    しており、該画像形成装置に出し入れ可能に設計された
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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