JP2002107941A - 光加工方法、光加工装置、光デバイス、及びスタンパ - Google Patents

光加工方法、光加工装置、光デバイス、及びスタンパ

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JP2002107941A
JP2002107941A JP2000301055A JP2000301055A JP2002107941A JP 2002107941 A JP2002107941 A JP 2002107941A JP 2000301055 A JP2000301055 A JP 2000301055A JP 2000301055 A JP2000301055 A JP 2000301055A JP 2002107941 A JP2002107941 A JP 2002107941A
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Japan
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photoresist film
light beam
optical processing
substrate
processing method
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JP2000301055A
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Akira Miyamae
章 宮前
Kimio Nagasaka
公夫 長坂
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジスト膜を光加工するに好適な光加
工方法を提供する。 【解決手段】 基板上に塗布された感光性材料に対し
て、光源と、光源からの光を集光する集光手段とからな
る露光手段により露光を行い、露光後に現像を行ってパ
ターンを形成する光加工方法において、該集光手段によ
って集光された光の焦点位置と開口数により設定される
集光ビームの立体的プロファイルを、現像後に形成され
るべき加工形状として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光デバイス用基板
等の光加工方法、該光加工方法を使用する製造装置、及
び該光加工方法により製造される光デバイス及びスタン
パに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光加工により基板をパターニング
する方法として、露光ビームがもつ光強度の二次元的分
布を利用して、形成されるべき溝形状を制御する方法が
知られている。また、グレーレベルマスクや複数のマス
クを用いた多重露光の方法により露光強度に分布をもた
せ、任意の形状を作成する方法も知られている。
【0003】例えば、特公平4−47911では、露光
強度の二次元的分布に応じて溝形状が変化することを利
用して、台形溝形状を制御する方法が開示されている。
【0004】これは、図12に示すように、対物レンズ
40により集光された光20は、光の回折効果のため焦
平面1において一点に集中せず、スポットディスク2を
形成する。スポットディスクの径方向での光強度分布3
は、ガウシアン分布又はそれに準じた分布となる。すな
わち、スポットディスク2の中央部ではエネルギー密度
が高く、外周部になるにつれエネルギー密度が低くな
る。このため、例えば図11のように、基板50上にフ
ォトレジスト51を塗布し、フォトレジスト膜表面を露
光ビーム20の焦平面1に一致させて露光すると、現像
後に形成される溝形状は上辺が底辺よりも長い台形形状
となる。また、上記スポットディスクの光強度分布は集
光ビームの焦平面位置又は開口数に依存する為、露光ビ
ームの開口数やフォーカス位置を変えることにより溝の
形状を制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板に
塗布されるフォトレジスト膜の厚みが相対的に厚くなる
と、フォトレジスト膜内部での光エネルギーの吸収効果
により、フォトレジスト膜表面での光強度分布と現像後
に得られる溝形状の深さが必ずしも一致しなくなるとい
う現象が起こり、側壁面が所望に傾斜した溝を得ること
が困難となる。
【0006】よって、本発明は、相対的に厚膜に形成さ
れたフォトレジスト膜に、所望に傾斜した溝形状や所望
の傾斜面を有する三次元パターンを形成することを可能
とする光加工方法を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、相対的に厚膜に形成され
たフォトレジスト膜に、所望に傾斜した溝形状や所望の
傾斜面を有する三次元パターンを形成することを可能と
する光加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基板上に塗布されたフォトレジスト膜に
光ビームを照射して露光を行い、更に現像を行って前記
フォトレジスト膜に三次元パターンを形成する光加工方
法であって、上記光ビームを上記フォトレジスト膜に収
束する対物レンズの焦点位置を、上記フォトレジスト膜
に形成されるべき三次元パターンの底部位置に設定し露
光することを特徴とする。
【0009】かかる構成とすることによって、上記フォ
トレジスト膜に上記三次元パターンとして上記対物レン
ズと上記基板間に形成される収束光ビームの立体的形状
に沿った形状を得ることが可能となる。
【0010】本発明は、基板上に塗布されたフォトレジ
スト膜に光ビームを照射して露光を行い、更に現像を行
って前記フォトレジスト膜に三次元パターンを形成する
光加工方法であって、上記光ビームを上記フォトレジス
ト膜に収束する対物レンズの焦点位置を、上記フォトレ
ジスト膜に形成されるべき三次元パターンの底部位置に
設定し、上記対物レンズを通過する光ビームの幅を調整
して露光することを特徴とする。
【0011】かかる構成とすることによって、上記フォ
トレジスト膜に上記三次元パターンとして上記対物レン
ズと上記基板間に形成される収束光ビームの立体的形状
に沿った形状を得ることが可能となる。
【0012】好ましくは、上記フォトレジスト膜の厚み
は、光の回折によるスポットディスクの大きさの影響が
無視できる範囲とすることが好ましく、具体的には3μ
m〜20μmの範囲とすることが好ましい。
【0013】本発明は、対物レンズと基板間に形成され
る収束光ビームの立体的形状を、フォトレジスト膜に形
成されるべき三次元パターンの形成に利用することが可
能であるから、断面がV字状の溝パターン、円錐状又は
多角錐状の部分的な溝パターン、若しくは少なくとも一
方又は一部の壁面が傾斜するパターン等を、上記フォト
レジスト膜に形成するのに都合が良い。
【0014】本発明は、基板上に塗布されたフォトレジ
スト膜に光ビームを照射して露光を行い、更に現像を行
って前記フォトレジスト膜に三次元パターンを形成する
光加工方法であって、上記光ビームが上記フォトレジス
ト膜に収束する対物レンズの焦点位置を、上記フォトレ
ジスト膜に形成されるべき三次元パターンの底部位置に
設定し、上記光ビームが上記フォトレジスト膜表面から
該フォトレジスト膜中の焦点位置に至るまでにそのエネ
ルギの略85〜95%を失うようにし、露光することを
特徴とする。
【0015】かかる構成とすることによって、上記フォ
トレジスト膜に上記三次元パターンとして上記対物レン
ズと上記基板間に形成される収束光ビームの立体的形状
に沿った形状を、より正確に得ることが可能となる。
【0016】好ましくは、上記フォトレジスト膜は、上
記光エネルギの吸収率を制御するため、例えば上記光ビ
ームを吸収する色素などの光吸収剤を含む。
【0017】更に好ましくは、上記フォトレジスト膜の
エネルギ吸収率は、上記フォトレジスト膜に形成される
べき三次元パターンの深さに対応して設定される。
【0018】本発明は、基板上に塗布されたフォトレジ
スト膜に光ビームを照射して露光を行い、更に現像を行
って上記フォトレジスト膜に三次元パターンを形成する
光加工装置であって、上記光ビームを上記フォトレジス
ト膜に照射して露光を行う露光手段と、上記光ビームを
上記フォトレジスト膜に集光する集光手段と、上記光ビ
ームの幅を制限するビーム幅制限手段と、指定に応じて
上記光ビームの焦点位置と上記光ビームの幅の設定を行
う制御手段とを備え、上記制御手段は、上記光ビームの
焦点位置及び上記光ビームの幅を調整して、上記集光手
段と上記基板間に形成される集光光ビームの立体的形状
を決定することを特徴とする。
【0019】かかる構成とすることにより、上記ビーム
幅制限手段により決定される上記集光光の集光角度と、
現像後に形成されるべき溝形状の側面が基板表面となす
傾斜角度を略一致させることが可能である。
【0020】本発明の光加工方法は、光線方向制御素
子、回折格子、ホログラム素子、分光素子等の光デバイ
ス又はスタンパ等の製造に適する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0022】図1は、本発明の露光工程を説明するブロ
ック図である。
【0023】同図において、レーザ装置10により出射
されたレーザビーム20は、ミラー30、31、32で
反射して対物レンズ40に入射する。上記レーザ装置1
0は、図示しない音響光学モジュレータ(AOM)等の
手段により強度変調が可能である。
【0024】対物レンズ40を透過したレーザビーム2
0はスピンナ等によりフォトレジストを塗布してフォト
レジスト膜が形成された基板50に集光(あるいは収
束)され、基板50の表面にスポット60を形成する。
【0025】対物レンズ40と基板50の相対距離はフ
ォーカスサーボ機構により設定される。フォーカスサー
ボ系70は、半導体レーザ71、2分割フォトダイオー
ド72、制御回路73及びフォーカスアクチュエータ7
4等により構成されている。
【0026】半導体レーザ71を出射したレーザビーム
は、ミラー32で反射した後、対物レンズ40の周端部
を透過し、基板50で反射して、対物レンズ40の反対
側の周端部を透過し、再びミラー32で反射して2分割
フォトダイオード72に入射する。ここで、対物レンズ
40と基板50の相対的距離が変化すると、2分割フォ
トダイオード72への入射光の光軸位置が変化するた
め、この2つのフォトダイオードの出力に差が生じる。
この出力の差分を誤差信号として、制御回路73で増幅
してフォーカスアクチュエータ74に印加することによ
り、合焦位置のフィードバック制御が行われ、対物レン
ズ40と基板50の相対距離の制御が行われる。通常は
露光中にスポットサイズが変化しない様に、対物レンズ
40と基板50の相対距離が一定となるように制御を行
っている。制御部73において、形成すべき三次元パタ
ーンの指定された深さに対応して、上記誤差信号の直流
成分をオフセット量として加えることによって、基準位
置からの焦点位置の偏倚量を設定することで可能であ
る。尚、半導体レーザ71のレーザビームは、記録(露
光)用レーザビーム20とは波長が異なるため、基板5
0に塗布された感光性材料を感光することはなく、ま
た、干渉等による悪影響もない。
【0027】対物レンズ40により集光された集光ビー
ムの開口数は、開口制限手段75により設定される。該
開口制限手段75は、例えば、絞り機構によって構成さ
れ、コントローラ76により該絞り機構を駆動すること
によって、所望の開口面積とすることが可能である。上
記開口制限手段の開口部の形状は円状に限られず、多角
形状等であっても良い。
【0028】対物レンズ40、ミラー32、及びフォー
カスサーボ系70を搭載した可動台80が、基板50の
半径方向に一定速度で徐々に移動すると、基板上に集光
するレーザビームのスポット位置は可動光学台80の移
動量に応じて変化する。上記可動光学台80の移動は、
モータ等を用いた送り機構によりなされる。同時に、基
板50はターンテーブル90に搭載されてモータで回転
する。この回転は、スポット60が線速度一定で基板上
を走査するように、図示しないスピンドルサーボによっ
て制御される。このようなスポットの走査により露光軌
跡61が形成される(連続溝を形成する場合)。なお、
上記基板を載置するテーブルは、必要に応じてX−Yス
テージ等により水平面内を移動するようにしても良い。
また、光源はレーザ装置10に限定されず、ハロゲンラ
ンプ等の他の光源を用いても良い。更に、露光ビームの
基板上への照射は、所望する加工形状に応じて、連続的
照射でも、パルス状の断続的照射等であってもよく、必
要に応じて、それらの照射モードの組み合わせであって
もよい。上述した構成において、ミラー32、対物レン
ズ40、開口制限手段75、コントローラ76は集光手
段に対応し、フォーカスサーボ系70、可動光学台80
は露光手段に対応する。
【0029】本発明の露光工程で形成される開口形状が
円状である集光ビームの立体的プロファイルの一例を図
2に示す。対物レンズに入射した露光ビーム20は、対
物レンズにより集光される。該集光ビームは、対物レン
ズ位置での照射領域101たる円を底辺とし、焦点10
2を頂点とする円錐状のプロファイル103を形成す
る。本発明においては、焦点102を形成されるべきパ
ターンの形状の底部に一致させて露光する。これによ
り、フォトレジスト膜中を集光ビームが透過した領域に
含まれることとなるフォトレジストを感光させることが
でき、集光ビームの立体的なプロファイルをそのまま加
工形状に利用することができる。
【0030】本発明において光ビームの幅の制御は、例
えば絞り等の開口制限手段を制御することにより行われ
る。ここに、上記開口制限手段で光ビームの幅を制御さ
れた状態での対物レンズの開口数(NA)は、nを露光
空間を満たす媒質の屈折率とし、θを焦点のスポットデ
ィスクの中心が上記絞りを見張る角の半分として、NA
=n・sinθで定義される。
【0031】図3は、NAの設定が可能な開口制限手段
の説明図である。まず、対物レンズの上方近傍にNAを
制限するための開口制限手段75としての絞り機構を設
ける。該開口制限手段に入射した光ビームは、その開口
部以外の部分では遮断され、対物レンズには入射しな
い。該開口部に入射した光ビームは対物レンズ40に入
射し、レンズの集光作用を受け焦点位置に集光する。集
光ビームの焦点を頂点とし、対物レンズの水平断面上を
露光ビームが照射する部分を底面として形成される円錐
の頂点の角度2θは、上記開口制限手段の開口部の開口
面積と、レンズと焦点位置の相対距離、により決まる。
従って開口制限手段の開口面積を変化させることでNA
を制御することが可能となる。なお、図3では開口制限
手段を対物レンズの上方に配置したが、開口制限手段を
対物レンズの下方近傍に設けても同様の効果を得ること
ができる。
【0032】上述したように、本発明は集光ビームの立
体的プロファイルを、集光ビームの焦点位置と開口数
(NA)により決定することで、集光ビームの立体的形
状を加工形状として利用するものである。
【0033】以下に、デフォーカス量及びNA値がパタ
ーン形状に及ぼす効果について説明する。
【0034】図13は、得られる溝形状に及ぼすデフォ
ーカス量の効果を説明する図である。図13(a)及び
同図(b)は、NAを一定としてデフォーカス量を変え
た場合に得られるV形状溝を比較した結果である。デフ
ォーカス量が比較的小さい場合(図13(a)左側)に
は、深さの浅いV形状溝が得られる。これに対して、デ
フォーカス量が大い場合(図13(a)右側)には、フ
ォトレジスト膜のより基板側で焦点を形成するため、よ
り深さの深いV形状溝を得ることができる。
【0035】図14は、得られる溝形状に及ぼすNAの
効果を説明するための図である。図14(a)及び同図
(b)は、フォトレジスト膜中での焦平面位置が等し
く、NA値が異なる条件下でV形状溝を形成した場合の
説明図である。NA値の比較的小さな場合(図14
(a)左側)には、集光する光ビームの立体的なプロフ
ァイルは先端の角度θがより鋭角的になり、V形状溝の
斜面(側壁面)が基板となす角度(α1)が大きいのに
対して、NA値が比較的大きい場合(図14(a)右
側)には、光ビームの先端の角度θが非鋭角的になり、
得られるV形状溝は緩やかな形状となり、斜面が基板と
なす角度(α2)は小さくなる。
【0036】露光時の焦点近傍での集光ビームの広がり
(スポットディスクの直径)は、光の波長を351nm
(クリプトンレーザ)、NAを0.9とした場合には
0.32μm(0.3μm程度)であり、ビームの頂角
は約68°となり、数ミクロン以上(例えば3μm以
上)の溝深さに対しては無視することが可能な小さい値
に留まる。従って、本発明によれば、集光ビームの立体
的形状を、加工されるべきV溝形状として利用すること
が可能となる。
【0037】このように、本発明は、露光ビームの三次
元的な強度分布を利用してフォトレジスト膜を露光する
ものであり、これにより集光ビームの立体的なプロファ
イルをそのまま加工形状に利用することができる。
【0038】次に、フォトレジスト膜の光吸収が、形成
されるべき形状に及ぼす効果について説明する。光吸収
が相対的に少ないフォトレジスト膜と相対的に多いフォ
トレジスト膜を用いて露光した場合に得られる形状を説
明したのが図8及び図9である。
【0039】フォトレジスト膜の光吸収が少ない場合
(図8)には、加工される溝の頂点(底部)に到達する
光ビームは大きな光強度を有する。これと同時に、露光
ビームが集光されることにより照射面積が小さくなるた
め、光エネルギーを照射面積で除して得られる、単位面
積当たりの光強度が上昇する。この結果、溝の頂点より
も基板側に位置するフォトレジストを感光させるに十分
な光エネルギーをもった露光ビームがフォトレジスト膜
中を透過する結果、図8(b)に示したように、現像後
に得られる円錐の頂点は所望する形状以上に加工される
場合がある。
【0040】一方、フォトレジスト膜の光吸収が大きい
場合(図9)には、露光ビームがフォトレジスト膜中を
進行するに伴い、入射ビームが初期に有していた光エネ
ルギーは光の進行と共に急激に減衰する。従って、露光
ビームの強度は、設計形状である溝の頂点に一致させた
焦点に到達する以前に、フォトレジストを感光させるに
要する光エネルギーの閾値以下となり、露光不十分なフ
ォトレジスト領域が生じる。従って、かかる露光後に現
像を行うと、図9(b)のような形状となり、所望する
形状が得られない。従って、現像後に得られる形状を設
計形状に一致させるためには、フォトレジスト膜の光吸
収率を、加工の深さを考慮して最適化することが有効で
ある。
【0041】図10は、フォトレジスト膜の深さ方向で
の単位面積当たりの光強度の関係を、フォトレジスト膜
の光吸収率をパラメータとして示したものである。
【0042】横軸は、加工形状の最深部と最表面の相対
的距離(深さ)に対する、露光ビームの侵入深さ、との
比をとり規格化深さとした。また、縦軸は、入射ビーム
の初期エネルギーをIとし、規格化深さに相当する位
置での光エネルギーをIとし、更に、規格化深さに相当
する位置での照射面積をsとした場合のI/(I
s)をパワー密度とした。吸収率が89%の場合に最も
均一な分布が得られ、その結果、良好な形状を作成する
ことが可能となった。また、上記フォトレジスト膜の吸
収率85〜95%は実用的な範囲である。
【0043】フォトレジスト膜の光吸収率をどの程度に
設定するかは、露光ビームの波長、加工形状、及び加工
形状深さに依存する。従って、所望する光吸収率を有す
るフォトレジスト膜は、上記諸条件を考慮して、色素等
の光吸収剤をフォトレジストに添加して調合することに
より得ることが可能である。
【0044】このように、フォトレジスト膜の光吸収率
を加工パターンの深さに対応して選定することによっ
て、形成パターンの形状(特に、側壁面形状)を、光ビ
ームのプロファイルを、より正確にトレースしたものと
することが可能となる。
【0045】本発明において、フォトレジスト膜の厚み
は、光の回折によるスポットディスクのサイズ(直径)
の影響が低減され無視できる範囲となることが好まし
く、具体的には3〜20μmの範囲とすることが特に好
ましい。
【0046】図4乃至図7は、本発明によりパターンを
作成する場合の例を説明する図である。
【0047】図4は、V溝作成方法を説明する図であ
る。開口部の形状を円状とし、対物レンズの開口面積及
び集光ビームの焦点位置を前述の方法で設定する。フォ
トレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成した基板
を載置したテーブルを回転させながら、対物レンズで集
光した露光ビームを連続的に照射してフォトレジスト膜
を露光する。上記露光後のフォトレジスト膜に現像処理
すると、図4のように円弧状のV溝62が作成される。
また、螺旋状のV溝を形成するには、上記テーブルの回
転に加え、稼働光学台を移動させながら露光しても良
い。更に、直線状のV溝を形成するには、X−Yステー
ジ等に基板を載置しXY平面内で基板を移動させながら
露光しても良い。
【0048】図4の例において音響光学モジュレータ
(AOM)等の手段により露光ビームに強度変調をか
け、パルス状の集光ビームで露光すれば、図5のよう
に、パルス周期に応じて相互に間隔を有するドット状の
円錐形状63のパターンが作成される。形成される円錐
形状63は、前述したように、集光ビームの立体的プロ
ファイルに一致する。
【0049】また、開口制限手段の開口部の形状を任意
の形状とすることで、該形状を有する溝を形成すること
が可能である。図6は、絞り等の開口制限手段により開
口形状を四角型77とし、図5に示した露光条件同様に
基板を載置したテーブルを回転させながら、パルス状に
強度変調した集光ビームで露光した場合を例示した図で
ある。形成されるパターンは、開口制限手段により開口
形状を四角形とした結果、四角錐形状64のドット状パ
ターンが得られる。
【0050】図7(a)乃至(c)は、斜面をもつパタ
ーンを作成する一例を図示したものである。図7(a)
は本発明による斜面をもつパターンの形成例、同図
(b)は上記パターンの断面図、同図(c)は上記パタ
ーンを形成する際の現像後のフォトレジスト膜の斜面と
集光ビーム形状との関係を説明する図である。
【0051】本図の例では、図7(a)に示すように、
基板を載置したターンテーブルの回転に加え、可動光学
台を基板の径方向に移動させることでビームスポットを
基板の半径方向に走査して連続的な露光を施す(本図で
は露光ビームは21、22、23の順で走査している)
ことにより、基板表面に対して傾斜する壁面を有する形
状65のパターニングを行った例である。かかる条件で
露光を施し、その後現像を施すことで得られるパターン
は、その断面が、集光ビームが走査したフォトレジスト
膜領域52と未走査のフォトレジスト膜領域51の界面
に斜面を有するパターンとなる(図7(b))。このよ
うに、基板上の所望の露光領域で集光ビームを走査させ
ることにより、集光ビームの立体的形状から定まるビー
ム走査領域と未走査領域の界面が、形成されるべきパタ
ーンの斜面に対応するパターンを形成することができる
(図7(c))。なお、所望により上記ターンテーブル
の回転に加え、可動光学台を移動させながら露光しても
良く、更にX―Yステージ等に基板50を載置してXY
平面内で基板を移動させながら露光しても良い。
【0052】上述したように、本発明の光加工方法は対
物レンズと基板間に形成される収束光ビームの立体的形
状を、加工されるべき三次元パターンの形成に利用する
ことを可能とするので、光線方向制御素子、回折格子、
ホログラム素子、分光素子等の光デバイスやスタンパ等
の製造に特に有効である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
露光用光源から発せられる光の集光位置と開口数を調整
することで集光ビームの立体的プロファイルを設定し、
このプロファイルにより、厚膜塗布された感光性材料を
露光することとしたので、集光ビームの立体的なプロフ
ァイルで現像後の溝形状を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の露光装置の説明図である。
【図2】図2は、集光ビームの立体的プロファイルの説
明図である。
【図3】図3は、開口制限手段の説明図である。
【図4】図4は、本発明によるV溝形状パターンの形成
例である。
【図5】図5は、本発明による円錐形状パターンの形成
例である。
【図6】図6は、本発明による角錐形状パターンの形成
例である。
【図7】図7(a)は、本発明による斜面をもつパター
ンの形成例である。図7(b)は、本発明による斜面を
もつパターンの断面図である。図7(c)は、本発明に
より斜面をもつパターンを形成する際の、現像後の感光
性材料の斜面と集光ビーム形状との関係の説明図であ
る。
【図8】図8は、フォトレジスト膜の光吸収が少ない場
合の、集光ビーム形状と現像後の溝形状の関係を説明す
る図である。
【図9】図9は、フォトレジスト膜の光吸収が多い場合
の、集光ビーム形状と現像後の溝形状の関係を説明する
図である。
【図10】図10は、パターンの溝深さに対する露光ビ
ームのパワー密度の関係をフォトレジスト膜の光吸収率
依存性として求めた結果である。
【図11】図11は、従来の溝形状作成法の説明図であ
る。
【図12】図12は、従来の溝の角度の調整法の説明図
である。
【図13】図13は、露光ビームのデフォーカス量が、
得られるパターン形状に及ぼす効果の説明図である。
【図14】図14は、NA値が、得られるパターン形状
に及ぼす効果の説明図である。
【符号の説明】
10 光源 20 レーザビーム 40 対物レンズ 50 基板 60 スポット 70 フォーカスサーボ系 80 可動光学台 90 ターンテーブル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に塗布されたフォトレジスト膜に光
    ビームを照射して露光を行い、更に現像を行って前記フ
    ォトレジスト膜に三次元パターンを形成する光加工方法
    であって、 前記光ビームを前記フォトレジスト膜に収束する対物レ
    ンズの焦点位置を、前記フォトレジスト膜に形成される
    べき三次元パターンの底部位置に設定することによっ
    て、 前記フォトレジスト膜に前記三次元パターンとして前記
    対物レンズと前記基板間に形成される収束光ビームの立
    体的形状に沿った形状を得る、ことを特徴とする光加工
    方法。
  2. 【請求項2】基板上に塗布されたフォトレジスト膜に光
    ビームを照射して露光を行い、更に現像を行って前記フ
    ォトレジスト膜に三次元パターンを形成する光加工方法
    であって、 前記光ビームを前記フォトレジスト膜に収束する対物レ
    ンズの焦点位置を、前記フォトレジスト膜に形成される
    べき三次元パターンの底部位置に設定し、 前記対物レンズを通過する光ビームの幅を調整すること
    によって、 前記フォトレジスト膜に前記三次元パターンとして前記
    対物レンズと前記基板間に形成される収束光ビームの立
    体的形状に沿った形状を得る、ことを特徴とする光加工
    方法。
  3. 【請求項3】前記フォトレジスト膜の厚みが3μm以上
    20μm以下の範囲内である、請求項1又は2記載の光
    加工方法。
  4. 【請求項4】前記収束光ビームの立体的形状が円錐状又
    は角錐状である、請求項1乃至3のいずれかに記載の光
    加工方法。
  5. 【請求項5】前記フォトレジスト膜に形成されるべき三
    次元パターンは、断面がV字状の溝パターンである請求
    項4記載の光加工方法。
  6. 【請求項6】前記フォトレジスト膜に形成されるべき三
    次元パターンは、円錐状又は多角錐状の部分的な溝パタ
    ーンである請求項4記載の光加工方法。
  7. 【請求項7】前記フォトレジスト膜に形成されるべき三
    次元パターンは、少なくとも一方又は一部の壁面が傾斜
    するパターンである、請求項4記載の光加工方法。
  8. 【請求項8】前記光ビームが前記フォトレジスト膜表面
    から前記フォトレジスト膜中の焦点位置に至るまでにそ
    のエネルギの略85〜95%を失うようにした、請求項
    1乃至7のいずれかに記載の光加工方法。
  9. 【請求項9】前記フォトレジスト膜に形成されるべき三
    次元パターンの深さに対応して前記フォトレジスト膜の
    エネルギ吸収率を設定する、請求項1乃至8のいずれか
    に記載の光加工方法。
  10. 【請求項10】基板上に塗布されたフォトレジスト膜に
    光ビームを照射して露光を行い、更に現像を行って前記
    フォトレジスト膜に三次元パターンを形成する光加工装
    置であって、 前記光ビームを前記フォトレジスト膜に照射して露光を
    行う露光手段と、 前記光ビームを前記フォトレジスト膜に集光する集光手
    段と、 前記光ビームの幅を制限するビーム幅制限手段と、 指定に応じて前記光ビームの焦点位置と前記光ビームの
    幅の設定を行う制御手段と、を備え、 前記制御手段は、前記光ビームの焦点位置及び前記光ビ
    ームの幅を調整して、前記集光手段と前記基板間に形成
    される集光光ビームの立体的形状を決定する、 ことを特徴とする光加工装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至9のいずれかに記載された
    光加工方法によって製造された光デバイス。
  12. 【請求項12】請求項1乃至9のいずれかに記載された
    光加工方法によって製造されたスタンパ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051631A1 (ja) * 2002-12-03 2004-06-17 Fujitsu Limited 磁気転写用マスタ媒体およびその製造方法
JP2009048208A (ja) * 2008-10-27 2009-03-05 Kagawa Univ 傾斜構造体の製造方法およびこの方法で製造される金型用母型

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