JP2006098489A - 微細パターンを有する光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザ光を用いた2光束干渉露光により、基板中心部から周辺部に至るまでレジストに所望のパターン形成して、基板に微細パターンを形成する方法を提供する。
【解決手段】 この発明の製造方法は、レーザ光を光学系を用いて2光束に分岐させると共に、再び交差させてレジストを塗布した基板の主面に照射して、干渉露光させた後、現像して前記レジストに微細パターンを形成し、微細パターンが形成されたレジストをマスクとしてエッチングを行い前記基板の主面に微細パターンを形成する微細パターンを有する光学素子の製造方法であって、前記レーザ光の照度が低いほどレジスト30の膜厚が薄くなるように、基板3の主面に塗布するレジスト31の膜厚に照度分布に対応した膜厚分布を設け、このレジスト31に2光束干渉露光によりレーザ光を照射し、現像してレジストパターン32を得る。
【選択図】 図11
【解決手段】 この発明の製造方法は、レーザ光を光学系を用いて2光束に分岐させると共に、再び交差させてレジストを塗布した基板の主面に照射して、干渉露光させた後、現像して前記レジストに微細パターンを形成し、微細パターンが形成されたレジストをマスクとしてエッチングを行い前記基板の主面に微細パターンを形成する微細パターンを有する光学素子の製造方法であって、前記レーザ光の照度が低いほどレジスト30の膜厚が薄くなるように、基板3の主面に塗布するレジスト31の膜厚に照度分布に対応した膜厚分布を設け、このレジスト31に2光束干渉露光によりレーザ光を照射し、現像してレジストパターン32を得る。
【選択図】 図11
Description
この発明は、反射防止構造や回折格子などの微細パターンを有する光学素子の製造方法に関するものである。
従来より、ガラス、プラスチックなどの透光性材料を用いた光学ピックアップ、非球面レンズ等の光学素子においては、基板の光入射面に反射を防止するための表面処理が施されている。この表面処理としては、薄膜の誘電体膜を重畳させた多層膜を透光性基板表面に真空蒸着等により成膜する方法や、光学素子表面に微細で且つ緻密な凹凸を設ける方法がある。
光学素子表面に微細で且つ緻密な凹凸形状からなる反射防止構造は、微細パターンを設けたレジストを用いてエッチングで形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、光学フィルタなどに用いられる回折格子は、周期が1μm以下の非常に微細なパターンで形成されている。
反射防止構造や回折格子など非常に微細なパターンを形成する場合、基板上にフォトレジストを塗布して、レーザによる2光束干渉露光により、干渉縞をフォトレジストに転写し、このフォトレジストをマスクとしてエッチングにより形成される。
従来の2光束干渉露光により、基板上に微細パターンを形成する方法につき図12を参照して説明する。
まず、基板101の主面上にレジストをスピンコート塗布し、基板101上に所定の膜厚レジスト膜102を形成する(図12(b)参照)。
そして、塗布したレジスト膜102に対して2光束干渉露光装置を用いて露光し、現像を行いレジストパターン103を形成する(図12(c)参照)。
次に、図12(d)に示すように、上記レジストパターン103をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)により、基板101をパターニングして、基板101の主面上に微細パターンを形成する。その後、レジストパターン103を除去して、反射防止構造などの微細パターン104を設けた光学素子が得られる(図12(e)参照)。
特開2001−272505号公報
ところで、図12(a)に示すように、レーザ光2を用いた2光束干渉露光装置では、レーザ光の分布がガウス分布を持つ。このため、露光中心から遠ざかるほど照度が低下し、基板外周部では照度不足になりパターンの開口が不十分になり、基板に所望の大きさ、深さのエッチングが行えないという難点があった。
この発明は、上記した従来の問題点を鑑みなされたものにして、レーザ光を用いた2光束干渉露光により、基板中心部から周辺部に至るまでレジストに所望のパターン形成して、基板に微細パターンを形成する方法を提供することを課題とする。
この発明の製造方法は、レーザ光を光学系を用いて2光束に分岐させると共に、再び交差させてレジストを塗布した基板の主面に照射して、干渉露光させた後、現像して前記レジストに微細パターンを形成し、微細パターンが形成されたレジストをマスクとしてエッチングを行い前記基板の主面に微細パターンを形成する微細パターンを有する光学素子の製造方法であって、前記露光光の照度が低いほどレジストの膜厚が薄くなるように、前記基板の主面に塗布するレジストの膜厚に照度分布に対応した膜厚分布を設けることを特徴とする。
また、この発明は、レジストを塗布する塗布装置の基板ステージが温度制御可能に形成され、レジスト塗布時の基板温度が基板ステージの中心部が高く周辺に向かうに連れて低くなるように楕円状又は円状の温度分布になるように基板ステージの温度を制御することを特徴とする。
前記微細パターンは反射防止構造であることを特徴とする。
以上説明したように、この発明によれば、レーザ光の分布がガウス分布を持っていても、照射されるレーザの照度分布に対応した膜厚のレジストを基板上に設けることで、基板の周縁部においても所望のパターンの開口を得ることができ、基板に微細パターンを形成することができる。
以下、この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明に用いられる2光束干渉露光装置の概略を示す構成図、図2は、基板上での干渉露光状態を示す説明図である。図1、図2に従いこの発明に用いられる2光束干渉露光につき説明する。
2光束干渉露光装置は、図1に示すように、一条のレーザ光2を出射するレーザ装置1と、基板3を支持する基板ステージ4とを有するとともに、レーザ装置1から出射されたレーザ光2を2光束のレーザ光2a、2bに分岐させた後、基板ステージ4に支持される基板3の主面に再び交差させて干渉露光させる光学系5を有している。
光学系5は、レーザ装置1から出射したレーザ光2の通過または遮蔽を行わせる露光シャッタ5aと、露光シャッタ5aを通過したレーザ光2を2光束のレーザ光2a,2bに分岐する偏光ビームスプリッタ5bと、レーザ光を案内する第1から第4の反射ミラー5c〜5f、露光部50a、50b等からなる。
このレーザ装置1は、s偏光光のレーザ光2を出射する。レーザ装置1から出射したレーザ光2がシャッタ5aを通過して第1反射ミラー5c、第2反射ミラー5dで方向を変え、絞り5gで所定のビームに絞られた後、λ/2位相差板5hに入射し、s偏光光の偏光面が45度傾けられる。45度傾けられたレーザビームが偏光ビームスプリッタ5bに与えられ、s偏光成分は反射、p偏光成分は透過してレーザ光2が2光束のレーザ光2a、2b分岐される。分岐されたp偏光光はλ/2位相差板5iにより、s偏光光に偏光される。それぞれのレーザ光2a、2bは第4反射ミラー5e、第5反射ミラー5fにより、露光部50a、50bに案内される。露光部50a、50bは、絞り51、対物レンズ52、ピンホール53、平凸レンズ54を備える。第4反射ミラー5e、第5反射ミラー5fにより案内された2つのレーザ光2a、2bを露光部50a、50bを介して基板3の主面に再び交差させて干渉露光させる。また、露光部50a、50bからのレーザ光の入射角θは同じになるように露光される。
干渉露光による微細パターンのピッチは、図2に示すように、ピッチ(Δ)=λ/2・sinθとなる。よって、形成するピッチは前記入射角θを変化させることによって変更することができる。
表1に、レーザ装置1から出射するレーザの波長(λ)が266nmの場合の入射角(θ)を変更させたときのピッチ(Δ)と、干渉縞の水平と垂直の比を示す。
表1より、入射角(θ)を変更させることで、ピッチ(Δ)を変化させることができる。干渉露光を行う場合には、基板3を照射光に対して所定角度に傾けるために、基板3上では楕円状の照度分布になる。入射角が大きくなるほど円から楕円形状になり、水平と垂直の比が大きくなる。
一方、レーザ光の照度分布は前述したように、ガウス分布を持つ。このため、露光中心から遠ざかるほど照度が低下する。図3は、照射光の入射角(θ)と基板上のレーザの照度分布の関係を示し、(a)は入射角(θ)が30度、(b)は入射角(θ)が45度、(c)は入射角(θ)が60度の時の照度分布である。図3は中心部の照度を100として中心から遠ざかる照度を示している。図3から分かるように、照度分布は露光中心から遠ざかるほど照度が低下し、入射角が大きくなるほど楕円形状の照度分布になる。
この発明は、上記した事実に基づき、基板3上に塗布するレジストの膜厚を照度が低いほど膜厚が薄くなるように、照度分布に対応してレジストの膜厚を制御し、照度分布の低下があっても確実な開口を有するパターンを形成するものである。
レジストは塗布時の基板温度が高くなるほど塗布される膜厚は厚くなる。このため、この発明では、レジストの塗布時の基板温度に楕円状または円状の勾配を持たせるように、レジスト塗布装置の基板ステージの中心ほど温度が高くなるように、楕円状または円状の温度分布が可能なように、温度調節装置を設けている。
図4、図5は、この発明の製造方法の実施形態に使用されるレジスト塗布装置を示し、図4は縦断面図、図5は、基板ステージの一例を示す平面図である。
レジスト塗布装置の基板ステージ4には、基板を基板ステージ4上に吸着するため真空チャック用の真空ポンプ45に連なるノズル45aが複数個設けられている。基板ステージ4は、熱伝導性に優れた材質、例えば、アルミニウムで構成された本体に温度調整部が内蔵されている。また、基板ステージ4はモータ48により回転可能に構成されている。
温度調節部は、基板ステージ4の中心部にから外周部に向けて同心円状に設けられた複数の温度制御素子40〜44で構成されている。温度制御素子40〜44は、ヒーターユニットやペルチェ素子で構成されている。この実施形態では、図5に示すように、中心部の温度制御素子40は1つの素子で構成されているが、それより外側の温度制御素子41〜44は、径方向に4つのゾーンに分割されている。すなわち、第1のゾーンは内周から外周に向かって4つの温度素子41a〜44a、第2のゾーンは内周から外周に向かって4つの温度素子41b〜44b、第3のゾーンは内周から外周に向かって4つの温度素子41c〜44c、第4のゾーンは内周から外周に向かって4つの温度素子41d〜44d、に分割され、各素子が温度コントローラ46の制御に基づき、照度分布に対応した温度分布を格納した温度分布データメモリ47からのデータに基づき、基板ステージ4の温度分布が制御される。
このように、温度制御部を同心円状で且つ径方向で分割し、それぞれを独自で制御することで、楕円状の照度分布にも対応した温度分布が容易に得られる。
図6に、東京応化製の商品名「TDUR−P0009」のレジストを用いて、基板温度とレジストの膜厚との関係を測定した結果を示す。測定は、上記レジストを回転数4000rpmで膜厚600nmの厚みなる量で塗布した。
図6に示すように、基板温度により塗布されるレジストの膜厚が変化し、温度が低くなるほどレジスト膜厚は薄くなる。
図7は、図4,図5に示した塗布装置の温度制御素子40〜44を制御し、中心からの半径位置でそれぞれ温度が相違するようにした半径位置と温度との関係を示す特性図である。この図7では、4つの条件の温度設定を行った。
図8は、図7に示す基板ステージの温度でレジストを塗布したときのレジストの膜厚を測定した結果を示す。レジストの塗布は図6と同様に、東京応化製の商品名「TDUR−P0009」のレジストを用いて、回転数4000rpmで膜厚600nmの厚みなる量で塗布した。図8に示すように、基板ステージの温度を中心部から周辺部に至るまで変化させると、その温度変化に対応してレジストの膜厚を変化させることができる。
レーザ光の照度分布に応じて、基板ステージの温度制御素子40〜44を制御することで、照度分布に対応して、照度の低いところはレジストの膜厚を所望の膜厚より薄くする。例えば、図9に示すような照度分布に対応したレジストの膜厚を形成する場合、図10に示すように、基板ステージ4の温度制御素子の第1のゾーンと第3のゾーン、第2のゾーンと第4のゾーンをそれぞれ外周側で温度を低くすることで、塗布装置の基板ステージ4に載置された基板3上に照度分布に応じた膜厚のレジストを塗布することができる。なお、図9においては、最大膜厚を100で規格化して示している。
以下、この発明の製造方法につきずに従いさらに説明する。
図11は、この発明にかかる光学素子の製造方法を工程別に示す断面図であり、この実施形態では、微細な凹凸を有する反射防止パターンを基板3の主面上に形成するものである。図11の(a)に示すように、2光束干渉露光装置に用いるレーザ光の照度分布は、ガウス分布を持つ。このため、露光中心から遠ざかるほど照度が低下する。そこで、この実施形態においては、レーザ光の照度分布に対応して、基板3の主面上に塗布するレジスト31の膜厚を変化させる。この図11(a)に示す例では、中央部から両端に行く従いレーザ光の照度分布が低下しているので、レジスト3の膜厚も中央部から両端に行くに従い楕円状に薄くなるように制御する。
図11(b)に示すように、例えば、合成石英ガラスなどからなる基板3を図4、図5に示す塗布装置の基板ステージ4上に載置し、基板ステージ4の温度制御素子40〜44を制御して、基板ステージ4にレーザ光の照度分布に対応した温度勾配を設定する。そして、基板3上にレジスト31を塗布する。このレジスト塗布は、レジストとして、例えば、東京応化製商品名「TDUR−P009」を用いて、回転数4000rpmでスピンコート塗布し、基板3の中央部の位置のレジストの膜厚600nmになるようにして、照度分布に応じて膜厚が薄くしたレジスト膜31を形成した。
続いて、図11(c)に示すように、塗布したレジスト膜31に対して露光、現像を行いレジストパターン32を形成する。この実施形態においては、露光装置として、2光束干渉露光装置(λ=266nm)を用い、露光パワー750mJで1回目の露光を行い、基板を90度回転させて露光パワー750mJで多重露光した。そして、東京応化製商品名「NMD−W」で現像し、250nmピッチで円錐状の突起が多数形成されたレジストパターン32を形成した。この露光現像工程において、照度が不足する周辺部分のレジスト31の膜厚は薄いので、両端部に至るまで所望の開口を有するレジストパターンが形成される。
次に、図11(d)に示すように、上記レジストパターン30をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)により、基板3をパターニングする。この実施形態では、RIEエッチング装置として、ULVAC製の商品名「NLD−800」を用い、エッチングガスとして、C4F8とCH2F2の混合ガスを用い、アンテナ電源1500W、バイアス電源400W、二酸化シリコン膜(SiO2)のエッチングレート12nm/secとして、加工深さ500nmの円錐状の溝を形成した。
その後、図11(e)に示すように、酸素プラズマアッシングでレジスト32を除去すると、基板3の主面上に微細な凹凸パターンからなる反射防止構造33が形成される。
上記した実施形態においては、基板上に微少な凹凸からなる反射防止構造を形成する場合について説明したが、これに限らず、回折格子、フレーズド格子など2光束干渉露光装置を用いて基板上に微細なパターンを形成する光学素子にこの発明は適用できる。また、1次元格子の場合には、X,Y方向の照度分布に依存して楕円状に膜厚分布が変化するようにレジストを塗布すればよく、また、2次元格子の場合には、X,Y方向の平均の照度分布に依存にして、同心円状に膜厚分布が変化するようにレジストを塗布すればよい。
また、上記した実施形態においては、光学素子の直接微細パターンを形成する場合につき説明したが、金型を用いて光学素子を形成する場合には、上記した図11の(e)に示す状態からメッキを施し、かかるメッキにより、スタンパ金型を形成すればよい。
1 レーザ装置
3 基板
4 基板ステージ
31 レジスト
32 レジストパターン
3 基板
4 基板ステージ
31 レジスト
32 レジストパターン
Claims (3)
- レーザ光を光学系を用いて2光束に分岐させると共に、再び交差させてレジストを塗布した基板の主面に照射して、干渉露光させた後、現像して前記レジストに微細パターンを形成し、微細パターンが形成されたレジストをマスクとしてエッチングを行い前記基板の主面に微細パターンを形成する微細パターンを有する光学素子の製造方法であって、前記露光光の照度が低いほどレジストの膜厚が薄くなるように、前記基板の主面に塗布するレジストの膜厚に照度分布に対応した膜厚分布を設けることを特徴とする微細パターンを有する光学素子の製造方法。
- レジストを塗布する塗布装置の基板ステージが温度制御可能に形成され、レジスト塗布時の基板温度が基板ステージの中心部が高く周辺に向かうに連れて低くなるように楕円状又は円状の温度分布になるように基板ステージの温度を制御することを特徴とする請求項1に記載の微細パターンを有する光学素子の製造方法。
- 前記微細パターンは反射防止構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細パターンを有する光学素子の製造方法。
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2004
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