JP2002107769A - 液晶表示素子および液晶配向方法 - Google Patents

液晶表示素子および液晶配向方法

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JP2002107769A
JP2002107769A JP2000301477A JP2000301477A JP2002107769A JP 2002107769 A JP2002107769 A JP 2002107769A JP 2000301477 A JP2000301477 A JP 2000301477A JP 2000301477 A JP2000301477 A JP 2000301477A JP 2002107769 A JP2002107769 A JP 2002107769A
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voltage
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smectic
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JP2000301477A
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Rieko Fukushima
理恵子 福島
Hitoshi Kobayashi
等 小林
Tatsuo Saishiyu
達夫 最首
Tsutomu Hasegawa
励 長谷川
Hajime Yamaguchi
一 山口
Takaki Takato
孝毅 高頭
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なコントラストを得る。 【解決手段】液晶表示素子は一対の電極基板5と、一対
の電極基板5間に挟持される無しきい値型電圧−透過率
特性のスメクチック液晶材料の液晶セル1とを備える。
特にこの液晶表示素子はスメクチック液晶材料の透過率
を最大にする飽和電圧の70%以下で0よりも大きい絶
対値を持つ一定の配向電圧を非画像表示状態においてス
メクチック液晶材料全体に印加する配向制御回路14を
さらに備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無しきい値型電圧
−透過率特性のスメクチック液晶材料を液晶セルとして
1対の電極基板間に挟持した液晶表示素子およびこのス
メクチック液晶材料の初期配向を1対の電極基板間にお
いて決定する液晶配向方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶(FLC)および反強誘電
性液晶(AFLC)のような自発分極を有するスメクチ
ック液晶材料は、表面安定化表示モードにおいて高い応
答性および広い視野角を得ることができ、次世代の液晶
表示素子の材料として期待されている。近年では、各画
素電極の電位が薄膜トランジスタのような画素スイッチ
を介して制御されるアクティブマトリクス方式でこのス
メクチック液晶材料を駆動して動画を表示させる試みが
盛んに行われている。この用途において、液晶材料は透
過率が印加電圧の変化方向に依存するヒステリシスを持
たないことが好ましく、例えば図8に示すように透過率
が印加電圧に対してV字型曲線に沿って変化する光学応
答特性の反強誘電性液晶(以下、V字型応答液晶と称
す)や高分子安定化強誘電性液晶が特に注目されてい
る。
【0003】液晶表示素子が自発分極を持つスメクチッ
ク液晶材料を用いて構成される場合、液晶分子が電極基
板間において極めて秩序度の高い層状構造で配列される
ことから、欠陥なく一様な液晶分子の初期配向を得るこ
とがTN液晶材料と比較して難しい。スメクチック液晶
材料は常温、すなわち室温で高い粘性を持つため、その
温度を高めて粘性を低下させた状態で電極基板間に注入
され、これに続く徐冷処理で室温までゆっくり冷却され
る。例えばV字型応答液晶は、この徐冷処理においてI
so相、SA相、SC相という順の相系列で転移す
る。Iso相は液晶分子が単なる液体として無秩序に配
列された状態である。このIso相からSA相への相転
移に伴い、層構造が形成される。SA相は巨視的な分子
の並び方向を示す単位ベクトルであるディレクタが層の
面に対して直角で、層内の分子位置に規則性がない状態
である。SC相はディレクタが層の面に対して少し傾
いて層毎にねじれており、層内の分子位置にも規則性が
ある状態である。上述したV字型の光学応答特性はこの
SC相を2.5μm以下のギャップのセルに挟持した
状態で得られるため、ここではSC相をV字型応答相
と呼ぶ。
【0004】ところで、SA相からSC相への相転移
では、スメクチック層間隔が温度低下に依存した体積収
縮を緩和するように変化し、スメクチック層が図9に示
すようにセル断面において折れ曲がったシェブロン構造
または図10に示すようにセル平面において折れ曲がっ
た水平シェブロン構造となる。スメクチック層がセル断
面において折れ曲がると、図9に示すC1配向およびC
2配向という2種の配向のいずれかが各層の折曲方向お
よびプレチルト角の関係に従って得られる。従って、徐
冷処理での取り扱いが、欠陥のない一様な液晶分子の初
期配向を得るために重要である。強誘電性液晶の場合、
プレチルト角の制御により全スメクチック層をC1配向
に揃えた後で電圧印加によりシェブロン構造を図11に
示す擬似ブックシェルフ構造に遷移させて表示素子とし
て用いる技術が知られる。他方、V字型応答液晶の場
合、その分子配列を考慮し全スメクチック層をC2配向
にすることが好ましい。本出願人の特願平10−184
903によれば、リブ構造および略平行ラビングを組み
合わせた制御によりほぼ全てのスメクチック層をC2配
向に設定できる。また、特願平09−174677で
は、徐冷処理がV字型応答液晶を最大透過率に設定する
飽和電圧以上の配向電圧を印加しながら行われる。例え
ばV字型応答を示すスメクチック液晶の場合、スメクチ
ック層が一旦シェブロン構造になると、このシェブロン
構造はこの印加電圧の下で擬似ブックシェルフ構造に遷
移せず、水平シェブロン構造に遷移する。ちなみに、ス
メクチック層構造はセル形成後に電極基板を介して加わ
る外力で壊れることがある。強誘電性液晶では、十分な
表示パネル強度を持たせてこのような配向破壊に対処し
ている。これに対し、反強誘電性液晶は強誘電性液晶と
比較して配向破壊に強く、電圧印加によりスメクチック
層構造をある程度回復させることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者達の考察に
よれば、特願平10−184903はセル構造を定めて
いるものの、徐冷処理において印加する配向電圧につい
て明確な基準を開示していないため、配向制御条件を最
適化できない。また、特願平09−174677のよう
に飽和電圧以上の配向電圧を印加すると、これが結果的
に水平シェブロン構造を誘起することから、最大透過光
量と最小透過光量との比であるコントラストの改善に適
さない。
【0006】本発明の目的は上述のような事情に鑑み、
良好なコントラストを得ることができる液晶表示素子お
よび液晶配向方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一対の
電極基板と、これら電極基板間に挟持される無しきい値
型電圧−透過率特性のスメクチック液晶材料と、このス
メクチック液晶材料の透過率を最大にする飽和電圧の7
0%以下で0よりも大きい絶対値を持つ一定の配向電圧
を非画像表示状態においてスメクチック液晶材料全体に
印加する配向制御回路とを備える液晶表示素子が提供さ
れる。
【0008】さらに本発明によれば、無しきい値型電圧
−透過率特性のスメクチック液晶材料の温度を高めてこ
のスメクチック液晶材料を一対の電極基板間に注入する
注入処理と、この注入処理に続いて一対の電極基板から
スメクチック液晶材料全体に一定の配向電圧を印加しな
がらスメクチック液晶材料をゆっくり冷却する徐冷処理
とを備え、配向電圧がスメクチック液晶材料の透過率を
最大にする飽和電圧の70%以下で0よりも大きい絶対
値を持つ液晶配向方法が提供される。
【0009】また、上述の液晶配向方法において、さら
に非画像表示状態で前記無しきい値型電圧−透過率特性
のスメクチック液晶材料に、このスメクチック液晶材料
の透過率を最大にする飽和電圧の70%以下で0よりも
大きい絶対値を持つ配向電圧を印加する液晶配向方法が
提供される。
【0010】これら液晶表示素子および液晶配向方法に
よれば、無しきい値型電圧−透過率特性のスメクチック
液晶材料が飽和電圧Vsatの70%以下で0よりも大き
い絶対値を持つ配向電圧により徐冷処理あるいは非画像
表示状態で配向制御される。これにより、ほぼ全スメチ
ック層がC2配向となるようなシェブロン構造で配向さ
れるため、良好なコントラストを得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
液晶配向方法について発明に至る経緯と共に説明する。
この液晶配向方法はV字型応答液晶のような無しきい値
型電圧−透過率特性のスメクチック液晶材料の配向制御
を行うもので、材料温度を高めてこの液晶材料を一対の
電極基板間に液晶セルとして注入する注入処理と、この
注入処理に続いて一対の電極基板から液晶材料全体に一
定の配向電圧を印加しながら液晶材料をゆっくり冷却す
る徐冷処理とを備える。液晶材料は注入処理で粘性の低
いIso相となる温度まで高められ、徐冷処理でIso
相、SA相、SC相の順に相転移して常温、すなわち
室温に戻される。従来、液晶材料を徐冷処理で配向させ
るため、あるいは配向破壊された液晶材料を室温で再配
向させるために印加する配向電圧Eについて基準が明確
でなかった。このため、本願発明者達は、V字型応答液
晶の配向制御条件を最適化する目的で、様々な配向制御
条件を液晶配向方法として検討した。これにより、次の
(1)〜(3)の傾向があることが判明した。(1)配
向電圧Eの絶対値は液晶材料の透過率を最大にする飽和
電圧Vsatの70%以下で0よりも大きいことが好まし
い(すなわち、0<|E|≦0.7・|Vsat|)。
(2)配向電圧Eの周波数は75Hz以下で、印加時間
はこの周波数の1周期以上であることが好ましい。但
し、周波数が低すぎると、直流電圧が徐冷処理による相
転移時に印加されたり、長時間セルに印加されたりする
ことになる。これを避けるために、1/120秒以上の
周期となる周波数であることが好ましい。(3)徐冷速
度は−3℃/分以下であることが好ましい。この検討結
果はV字型応答液晶のセル内分子配列と応答速度の電圧
依存性から明らかである。
【0012】図1はV字型応答液晶のセル内分子配列を
示す。液晶セル1は各スメクチック層2が折れ曲がった
シェブロン構造を持つ。スメクチック層2において、液
晶分子3は分子長軸方向に垂直な双極子モーメントMの
集合体として自発分極を発生し、この自発分極が電場に
応答することにより運動する。この液晶分子3の運動軌
跡4はコーンと呼ばれる円錐状となる。液晶分子3は配
向電圧Eの無印加状態、すなわち0Vの電圧を印加した
状態で運動軌跡4上の角度φ=90゜または270゜に
位置して電極基板5にほぼ平行となる。スメクチック層
2の折れ曲がりに対応したコーンの傾きが大きいほど、
φ=90゜または270゜の位置が単安定化して、分子
長軸がスメクチック層2の法線方向に平行な配列を安定
化する。液晶分子3はさらに配向電圧Eの印加状態でφ
=0゜または180゜の位置になる。ここで、飽和電圧
Vsatに等しいかこれより高い電圧が配向電圧Eとして
印加された場合、自発分極がこの配向電圧Eに応答して
電場方向に平行に発現するよう、スメクチック層2を折
れ曲がった状態から図2に示すように立て直す。反強誘
電性液晶(AFLC)的な性質を示すV字型応答液晶で
は、シェブロン構造がこのスメクチック層2の立て直し
により強誘電性液晶(FLC)の場合の擬似ブックシェ
ルフ構造に遷移せず、水平シェブロン構造に遷移する傾
向がある。この水平シェブロン構造では、スメクチック
層2がセル平面において折れ曲がって液晶分子3の動き
を運動軌跡4上で2方向性にすることから、これが黒表
示時の光漏れを招く原因となる。そこで、全スメクチッ
ク層2をC2配列させた一様なシェブロン構造を得て液
晶分子1をφ=90゜または270゜近傍で運動させる
ことが重要となる。よって、30Hzの周波数、すなわ
ち1/60秒(ここで、60=30フレーム×2フィー
ルド)の周期で極性反転する矩形波として配向電圧Eを
5秒間印加する配向制御を様々な配向電圧Eについて行
い、各配向電圧Eに対する黒表示時の透過光量を測定し
たところ、図3に示すような関係が得られた。コントラ
ストを実用上良好な200という値にするには、透過光
量が0.5%以下である必要がある。この測定結果によ
れば、配向電圧Eを飽和電圧Vsatの70%を越えない
ように設定することによりこのコントラストを達成でき
ることがわかる。
【0013】次に、V字型応答液晶材料の応答特性は、
飽和電圧Vsat相当、またはそれ以上の電圧を印加した
場合に比較して、飽和電圧より低い電圧を印加した場合
の応答性が低下する傾向がある。この特性を踏まえて、
飽和電圧Vsatの1/2の絶対値の振幅を持つ交流の矩
形波として配向電圧Eを5秒間印加する配向制御を様々
な周波数について行い、各周波数に対する黒表示時の透
過光量を測定したところ、図4に示すような関係が得ら
れた。この測定結果によれば、配向電圧Eを75Hz以
下に設定することにより、コントラスト=200を達成
できることがわかる。
【0014】最後に、飽和電圧Vsatの1/2の絶対値
の振幅および30Hzの周波数を持つ交流の矩形波とし
て配向電圧Eを印加する配向制御を様々な印加時間につ
いて行い、各印加時間に対する黒表示時の透過光量を測
定したところ、図5に示すような関係が得られた。この
測定結果によれば、印加時間を1/30秒、すなわち1
周期分に設定することによりコントラスト=200を達
成できることがわかる。こうした検討を60Hzおよび
20Hzの周波数についても行ったが、同様の結果が得
られた。
【0015】配向電圧Eの印加はV字型応答液晶をIs
o相からSC相まで相転移させる徐冷処理と組み合わ
せることが好ましい。この徐冷処理の徐冷速度について
検討したところ、できるだけ時間をかけてV字型応答液
晶を室温に戻すことが有効であった。実際の製造では、
良好な配向状態を維持して製造時間を短縮する必要があ
る。これを考慮した場合、徐冷速度は−3℃/分以下、
好ましくは−1℃/分であることが実用上妥当である。
【0016】また、配向電圧Eの印加は室温においても
効果を有する。すなわち、電極基板間に挟持されるスメ
クチック液晶を備えた液晶表示素子に、その画像表示期
間外(非画像表示状態)で配向電圧Eを印加することで
スメクチック層の配向を整えることが可能である。ここ
で、非画像表示状態とは、液晶表示素子の電源投入から
入力画像信号を表示するまでの時間、使用者が液晶表示
素子の使用を終了してから電源切断までの時間、液晶表
示素子の画像表示待機状態などの入力画像信号に対応す
る画像表示をしていない期間を指し、この期間が配向制
御のために利用される。
【0017】非画像表示状態では、飽和電圧Vsatの7
0%以下の絶対値を持つ配向電圧Eが印加される。これ
により、液晶表示素子は非画像表示状態中にスメクチッ
ク層の配向を整えることができる。この間、液晶表示素
子は入力画像信号に対応する画像表示を行う代わりに、
画面全体を中間的階調にする。この配向制御中にこうし
た階調画面を使用者が視認できるようにしても良いし、
バックライトを消灯するなどして使用者が視認できない
ようにしても良い。さらに、画面全体を区分して得られ
る複数の領域を交代で選択し、配向電圧Eの印加を選択
領域の液晶材料に対して行いながら、残りの領域に任意
の画像を表示させることも可能である。また、配向電圧
Eを液晶材料全体に印加しながら走査線および信号線を
用いて複数の特定画素に配向電圧Eとは異なる電圧を印
加するようにし、これら特定画素により簡単な画像表示
をさせることも可能である。また、配向制御のための配
向電圧Eはこの配向電圧Eの周波数の1周期以上(30
Hzならば1/30秒以上)の印加時間だけ印加すれば
良く、この配向電圧Eの印加は非画像表示状態でいつ行
っても良い。
【0018】配向制御を上述したように使用段階で行う
ことで、使用中に乱れた液晶配向を随時整えることが可
能となる。また、出荷後の時間経過による表示画像の劣
化を改善することが可能である。
【0019】次に本発明の他の実施形態に係る液晶表示
素子について説明する。
【0020】図6はこの液晶表示素子の回路構成を示
す。この液晶表示素子は、画像を表示する液晶表示パネ
ル10およびこの液晶表示パネル10の動作を制御する
表示制御回路により構成される。液晶表示パネル10
は、一対の電極基板5と、これら電極基板5間に挟持さ
れる無しきい値型電圧−透過率特性のスメクチック液晶
材料の液晶セル1を有する。電極基板5の一方は、マト
リクス状に配置され各々複数の画素電極、複数の画素電
極の行に沿って形成される複数の走査線、複数の画素電
極の列に沿って形成される複数の信号線、これら信号線
および走査線の交差位置近傍に配置される複数の画素ス
イッチ素子を有する。電極基板5の他方は複数の画素電
極に対向する対向電極を有する。表示制御回路は、垂直
走査期間毎に垂直走査制御信号に従って複数の走査線に
順次走査信号を供給する走査線駆動回路11、走査信号
が1走査線に供給される水平走査期間毎に水平走査制御
信号に従って画像信号を複数の信号線に供給する信号線
駆動回路12、液晶パネル10の背面に配置されバック
ライト制御信号により点灯されるバックライト13、お
よび一定の配向電圧Eを非画像表示状態においてスメク
チック液晶材料全体に印加する配向制御回路14を有す
る。配向制御回路14はスメクチック液晶材料の透過率
を最大にする飽和電圧Vsatの70%以下で0よりも大
きい絶対値を持つ配向電圧Eを配向電圧信号として発生
するメモリ等の配向電圧信号発生部15、配向電圧信号
および画像信号の一方を選択するセレクタ回路16、お
よびバックライト制御信号の立上りおよび立下りからバ
ックライトの点灯および消灯をそれぞれ検出し、それぞ
れ配向電圧Eの周波数の1周期以上、すなわち1/30
秒以上の第1および第2所定時間だけ画像信号を配向電
圧信号に切換て出力することをセレクタ回路14に許可
するタイマ回路17を含む。配向電圧は60画像/秒と
いう画像表示レートに対応した周波数の矩形波であり、
垂直走査制御信号に同期して1フィールド毎、すなわち
1/60秒毎(ここで、60=30フレーム×2フィー
ルド)に極性反転される。また、バックライト制御信号
はANDゲート18を介してバックライト13に供給さ
れ、ANDゲート18はタイマ回路17の出力信号の反
転信号により制御される。尚、配向制御回路14はこの
液晶表示素子の製造段階で配向電圧Eを画像信号として
受け取るよう接続される。この場合、全スメチック層が
C2配向となる一様なシェブロン構造を得るため、配向
電圧Eは飽和電圧Vsatの70%以下で0よりも大きい
絶対値を持ち1/60秒毎に極性反転される矩形波に設
定され、徐冷処理がこの配向電圧Eを印加しながら行わ
れる。
【0021】図7はこの液晶表示素子の動作を示す。こ
の液晶表示装置では、バックライト制御信号が立ち上が
ると、タイマ回路17の出力信号がこれに応答して第1
所定時間だけ高レベルになる。この間、セレクタ回路1
6は配向電圧信号を信号線駆動回路12に供給する。信
号線駆動回路12は配向電圧信号により複数の信号線を
駆動し、走査線駆動回路11は画素スイッチ素子を行単
位に導通させ、これら信号線の配向電圧信号を対応行の
画素電極に印加する。これにより、スメクチック液晶材
料の配向制御が行われる。
【0022】タイマ回路17の出力信号が第1所定時間
の経過後に立ち下がると、セレクタ回路16は画像信号
を信号線駆動回路12に供給する。信号線駆動回路12
はこの画像信号により複数の信号線を駆動し、走査線駆
動回路11は画素スイッチ素子を行単位に導通させ、こ
れら信号線の画像信号を対応行の画素電極に印加する。
また、ANDゲート18はタイマ回路17の出力信号の
立下りに伴って高レベルのバックライト制御信号を出力
することによりバックライトを点灯させる。これによ
り、画像表示がバックライト13からの光を用いて行わ
れる。
【0023】さらに、バックライト制御信号が立ち下る
と、バックライト13がANDゲート18を介してこれ
を受け取って消灯する。タイマ回路17の出力信号はバ
ックライト制御信号の立下りに応答して第2所定時間だ
け高レベルになる。この間、セレクタ回路16は配向電
圧信号を信号線駆動回路12に供給する。信号線駆動回
路12は配向電圧信号により複数の信号線を駆動し、走
査線駆動回路11は画素スイッチ素子を行単位に導通さ
せ、これら信号線の配向電圧信号を対応行の画素電極に
印加する。これにより、スメクチック液晶材料の配向制
御が行われる。
【0024】この液晶表示素子では、配向電圧E=飽和
電圧Vsatの1/2、第1所定時間=5秒、第2所定時
間=60秒として、動画表示を8時間/1日の割合で3
0日間行った場合、初期コントラスト(最大透過光量/
最小透過光量)=200を30日後まで維持できた。ま
た、静止画像の表示を行いながら、外部のスクリーンセ
ーバ等でバックライト制御信号を25分毎に5分間ずつ
低レベルにして非表示状態を作ったところ、初期コント
ラスト=200を終日維持することができた。
【0025】比較例1として、配向電圧Eによる配向制
御を省略して動画表示を8時間/1日の割合で30日間
行った場合、初期コントラスト=200が30日後に1
95まで低下した。さらに比較例2として、配向電圧E
=飽和電圧Vsatに設定し、外部のスクリーンセーバ等
でバックライト制御信号を25分毎に5分間ずつ低レベ
ルにして非表示状態を作ったところ、初期コントラスト
=200が最終的に180まで低下した。
【0026】
【発明の効果】良好なコントラストを得ることができる
液晶表示素子および液晶配向方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶配向方法の配向
制御条件を適用したV字型応答液晶のセル内分子配列を
示す断面図である。
【図2】図1に示すスメクチック層の折れ曲がりがなく
なった状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す液晶セルに印加される配向電圧と黒
表示時の透過光量との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す液晶セルに印加される配向電圧の周
波数と黒表示時の透過光量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】図1に示す液晶セルに印加される配向電圧の印
加時間と黒表示時の透過光量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】本発明の他の実施形態に係る液晶表示素子の回
路構成を示す図である。
【図7】図6に示す液晶表示素子の動作を示すタイムチ
ャートである。
【図8】透過率が印加電圧に対してV字型曲線に沿って
変化するV字型応答液晶の光学応答特性を示すグラフで
ある。
【図9】図8に示す光学応答特性を持つV字型応答液晶
のSA相からSC*相への相転移を示す図である。
【図10】図9に示すシェブロン構造が水平シェブロン
構造に遷移した状態を示す図である。
【図11】図9に示すシェブロン構造が擬似ブックシェ
ルフ構造に遷移した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…液晶セル 5…電極基板 10…液晶表示パネル 11…走査線駆動回路 12…信号線駆動回路 13…バックライト 14…配向制御回路 15…配向電圧信号発生部 16…セレクタ回路 17…タイマ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 最首 達夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 長谷川 励 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 山口 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 高頭 孝毅 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2H088 GA02 HA28 JA17 JA20 KA25 LA00 MA02 2H090 KA14 KA15 MA01 MA02 MB14 2H093 NA15 NA31 NC42 ND04 NE04 NF17 NF20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極基板と、前記一対の電極基板
    間に挟持される無しきい値型電圧−透過率特性のスメク
    チック液晶材料と、前記スメクチック液晶材料の透過率
    を最大にする飽和電圧の70%以下で0よりも大きい絶
    対値を持つ一定の配向電圧を非画像表示状態において前
    記スメクチック液晶材料全体に印加する配向制御回路と
    を備えることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記配向制御回路はバックライト制御信
    号の変化に基づいてバックライトの点灯および消灯の少
    なくとも一方を検出し、この検出から所定時間だけ前記
    配向電圧の印加を許可するタイマ回路を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記配向制御回路はさらに前記タイマ回
    路の制御により画像信号を前記配向電圧の信号に切換え
    るセレクタ回路を含むことを特徴とする請求項2に記載
    の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記配向電圧は75Hz以下の周波数で
    極性反転される矩形波であることを特徴とする請求項1
    に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記所定時間は前記周波数の1周期以上
    に設定されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表
    示素子。
  6. 【請求項6】 無しきい値型電圧−透過率特性のスメク
    チック液晶材料の温度を高めてこのスメクチック液晶材
    料を一対の電極基板間に注入する注入処理と、前記注入
    処理に続いて前記一対の電極基板から前記スメクチック
    液晶材料全体に一定の配向電圧を印加しながら前記スメ
    クチック液晶材料をゆっくり冷却する徐冷処理とを備
    え、前記配向電圧が前記スメクチック液晶材料の透過率
    を最大にする飽和電圧の70%以下で0よりも大きい絶
    対値を持つことを特徴とする液晶配向方法。
  7. 【請求項7】 さらに非画像表示状態で前記無しきい値
    型電圧−透過率特性のスメクチック液晶材料に、このス
    メクチック液晶材料の透過率を最大にする飽和電圧の7
    0%以下で0よりも大きい絶対値を持つ配向電圧を印加
    することを特徴とする請求項6に記載の液晶配向方法。
  8. 【請求項8】 前記配向電圧は1/30秒以上の周期で
    極性反転されることを特徴とする請求項7に記載の液晶
    配向方法。
  9. 【請求項9】 前記非画像表示状態はバックライト消灯
    期間であることを特徴とする請求項7に記載の液晶配向
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100878991B1 (ko) * 2001-07-31 2009-01-15 소니 가부시끼 가이샤 액정 셀 시스템 및 액정 시스템 개선 방법
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