JP2002107737A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

Info

Publication number
JP2002107737A
JP2002107737A JP2000304040A JP2000304040A JP2002107737A JP 2002107737 A JP2002107737 A JP 2002107737A JP 2000304040 A JP2000304040 A JP 2000304040A JP 2000304040 A JP2000304040 A JP 2000304040A JP 2002107737 A JP2002107737 A JP 2002107737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing material
viscosity
liquid crystal
crystal display
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000304040A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nakahara
真 中原
Daisuke Ikesugi
大輔 池杉
Takatoshi Kira
隆敏 吉良
Kazuya Yoshimura
和也 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000304040A priority Critical patent/JP2002107737A/ja
Publication of JP2002107737A publication Critical patent/JP2002107737A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧プレス法において、シール材中に気泡が
発生してもシール不良を生じない液晶表示素子の製造方
法を提供する。 【解決手段】 電極基板1,2のうち一方の電極基板上
にスクリーン印刷またはディスペンサによってシールパ
ターンを形成し、プリベーク(80〜100℃で10〜
30分間加熱)によって溶剤を乾燥させる。このときの
粘度が350Pa・s以下となるシール材3を用いる。
他方の電極基板上にスペーサ4を配置してクランプ治具
5で両基板を挟む。排気口6から真空ポンプ(図示せ
ず)などによって排気し、電極基板1,2間を真空状態
にするとともに加熱してシール材3を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シール材によって
仕切られる基板間の空間に液晶を封入して成る液晶表示
素子の製造方法に関し、特には、基板間を減圧し、大気
圧で基板を加圧してシールを行う液晶表示素子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の基板の貼合わせ工程で
は、熱硬化性エポキシ樹脂を主成分としたシール材を、
透明電極付きガラス基板上に、スクリーン印刷またはデ
ィスペンサによってパターン形成し、プリベークによる
シール材の溶剤乾燥工程(80〜100℃で15〜30
分間加熱)を経て、一対の基板を貼合わせて圧着固定
し、オーブン内もしくはホットプレート上において15
0〜200℃で60〜120分間加熱して圧着し、シー
ル材を硬化させる。
【0003】ここで、加熱圧着の工程には、電極基板間
を排気(減圧)することで、気圧を利用して加圧を行う
減圧プレス法と、貼合わされた一対の電極基板をプレス
機を用いて加熱圧着する加圧プレス法がある。
【0004】ただし、加圧プレス法では、機械的に圧力
をかけるため、プレス面の平行度がずれたり、熱による
歪みの影響を受けるため、均一性の点で、大気圧を利用
した減圧プレス法が好ましいとされ、減圧プレス法が主
流になりつつある。
【0005】また、前記プリベーク工程の目的は溶剤乾
燥であり、シール材の印刷性を保つために加えられてい
た溶剤をシールパターン形成後に除去することである。
シール材中に溶剤を残したまま加熱圧着すると、溶剤が
気化し、シール内に気泡が発生する。気泡を含んだシー
ルは信頼性が低下し、またその気泡が大きいとシール材
を貫通しシール破れになってしまう。
【0006】つまり、加熱によってシール材が硬化する
過程において、シール材の硬化開始後に溶剤が気化する
と、この気化した不純物としての溶剤がシール材中に閉
じ込められ、気泡が発生してしまう。また、この気化し
た溶剤がその後も膨張し続け、シール材中で破裂した場
合はシールエッジが乱れてしまうのである。
【0007】しかしながら、前述のプリベーク工程では
どうしても溶剤が除去しきれず、貼合わせ工程において
気化し、シール中に気泡が発生することがあり、生産を
行っている条件によっては、シール不良になるという問
題がある。特に、前述した減圧プレス法では、減圧によ
り溶剤の沸点が下がり、気化しやすくなることで気泡が
発生する傾向が強くなってしまい、ある真空度におい
て、溶剤成分が気化して膨張しようとするが、シール材
の粘度が高ければ膨張することができない。そして、加
熱による温度の上昇とともにシール材の粘度が下がり、
ある一定の粘度まで下がると溶剤成分の膨張を抑えられ
なくなり、気泡が発生する。
【0008】従来の気泡対策としては、特開平11−1
33436号公報記載の液晶表示素子の製造方法におい
て、減圧プレス法におけるシールエッジの乱れおよびシ
ール内気泡の発生などを抑えるために、シール材で囲ま
れた一対の電極基板間の排気を開始し、所定の圧力で一
定時間維持し、その後、加熱を開始してシール材の硬化
を行う。これによって、加熱時の基板間全体の圧力を同
圧にして気泡の発生を抑えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術を用いても貼合わせ工程後の生産品の排気口周
辺では、ほぼ全てのシール材中に気泡が見られ、常に不
具合となる要因が存在している。実際、シール内の気泡
発生によるシールパス(シール破れ)およびシール色ム
ラなどの問題が多発傾向にあり、工程条件のバラツキに
よっては大きな問題となる。
【0010】よって、上述のように、特に減圧プレス法
においては、加熱および減圧の条件を制御しても完全に
気泡の発生を防ぐことは非常に困難であり、シール不良
を防止することはできない。
【0011】本発明の目的は、減圧プレス法において、
シール材中に気泡が発生してもシール不良を生じない液
晶表示素子の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極基
板を、シール材を介して貼合わせ、前記一対の電極基板
間を排気することにより、大気圧による加圧を行うこと
でセルギャップを制御するとともに、加熱して前記シー
ル材を硬化させる液晶表示素子の製造方法において、加
熱を開始してから硬化開始温度に達するまでのシール材
は、シール材中の溶剤が気化して発生した気泡の跡が残
らない程度の粘性を維持することを特徴とする液晶表示
素子の製造方法である。
【0013】本発明に従えば、シール材中の溶剤が気化
して発生した気泡の跡が残らない程度の粘性を維持する
ので、気泡が発生してもシールエッジの乱れおよびシー
ル破れなどのシール不良を防ぐことができる。
【0014】また本発明は、一対の電極基板のどちらか
一方にシール材を塗布した後、予め加熱してシール材中
の溶剤を除去するプリベーク工程を有し、プリベークを
行ったシール材の40℃における粘度が350Pa・s
以下であることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、プリベークを行ったシー
ル材の40℃における粘度が350pa・s以下である
ので、減圧プレス時に発生した気泡が弾けても跡が残ら
ないような柔らかい粘性を維持することが可能である。
【0016】また本発明は、一対の電極基板のどちらか
一方にシール材を塗布した後、プリベークしてシール材
中の溶剤を除去し、前記一対の電極基板をシール材を介
して貼合わせ、前記一対の電極基板間を排気することに
より、大気圧による加圧を行うことでセルギャップを制
御するとともに、加熱して前記シール材を硬化させる液
晶表示素子の製造方法において、プリベークを行った前
記シール材の40℃における粘度が350Pa・s以下
であることを特徴とする液晶表示素子の製造方法であ
る。
【0017】本発明に従えば、プリベークを行ったシー
ル材の40℃における粘度が350pa・s以下である
ので、シール材中の溶剤が気化して発生した気泡の跡が
残らず、気泡が発生してもシールエッジの乱れおよびシ
ール破れなどのシール不良を防ぐことができる。
【0018】また本発明は、前記一対の電極基板間を排
気したときの最高真空度は、53.3kPa以上80k
Pa以下であることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、基板間の真空度が、5
3.3kPa以上80kPa以下であるので、確実にセ
ルギャップを制御することができる。
【0020】また本発明は、加熱中の前記シール材の粘
度増加開始時以降における前記一対の電極基板間の真空
度は、粘度増加開始時以前の最高真空度より低いことを
特徴とする。
【0021】本発明に従えば、シール材の粘度増加開始
時以降の基板間の真空度がシール材の粘度増加開始時以
前の真空度より低いので、粘度増加開始時以降の気泡の
発生を抑えることができる。
【0022】また本発明は、加熱中の前記シール材の最
低粘度が、2Pa・s以上であることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、加熱中のシール材の最低
粘度が2Pa・s以上であるので、シールパターン内外
の圧力差によるシールパターンの破れを防止することが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態では、減圧枚
葉プレスを用いた場合の説明を行う。
【0025】図1は、本発明の実施形態の一つである液
晶表示素子の製造方法における電極基板の貼合わせ方法
を示す断面図であり、一対の電極基板1,2、熱硬化性
樹脂および溶剤を含むシール材3、スペーサ4、排気口
6を設けたクランプ治具5から構成されている。シール
材3には、液晶を注入するための開口部(図示せず)が
設けられている。
【0026】図1において、クランプ治具5で電極基板
1,2を挟み、排気口6から電極基板1,2間の空気を
排気し、クランプ治具内と一対の電極基板間の圧力を下
げることによって、前記一対の電極基板1,2の外表面
を大気圧で均一に押圧し、セルギャップを制御するもの
である。以下に、基板貼合わせ方法を詳細に説明する。
【0027】まず、透光性基板上に所定の透明電極パタ
ーンを形成し、オーバーコート膜や配向膜を形成した
後、配向処理を施して電極基板1および電極基板2を形
成する。
【0028】そして、一方の電極基板上にスクリーン印
刷またはディスペンサによってシールパターンを形成
し、プリベーク(80〜100℃で10〜30分間加
熱)によって溶剤を乾燥させる。他方の電極基板上にス
ペーサ4を配置して図1に示すようにクランプ治具5で
両基板を挟む。
【0029】排気口6から真空ポンプ(図示せず)など
によって排気し、電極基板1,2間を真空状態にすると
ともに加熱してシール材3を硬化させる。
【0030】シール材3は、熱硬化性エポキシ樹脂を含
み、粘度調整などの作業性の面からその他の成分として
溶剤および充填剤などが添加されている。また、減圧加
熱開始からシール材が硬化し始める硬化開始温度に達す
るまでに、シール材中に発生した気泡は弾け、その跡が
残らないようにような柔らかい粘性を維持するよう設計
されている。このような粘性の調整方法は、通常行って
いる方法を適用することができ、主材である熱硬化性樹
脂の種類、フィラーの種類、粒度、配合量および表面処
理方法を調節することにより可能である。
【0031】図2は、プリベーク後のシール材3中の残
存溶剤気泡発生ポイントを示すグラフである。気泡は、
溶剤が気化しようとする膨張力とシール材の粘性力が等
しくなったときに発生する。図のAの曲線が示すよう
に、初期の粘性を低く保っておけば、低温かつ低粘度か
ら気泡が発生することになる。
【0032】図3は、シール材3のプリベーク後の粘度
の温度特性グラフである。グラフからわかるように、プ
リベーク後のシール材の粘度は、40℃付近からシール
材の硬化開始温度まで、低くなる傾向にあり、プリベー
ク後の粘度が高い材料(柔らかな粘性を維持できない材
料)では、溶剤が膨張する粘度に到達するまでに時間が
かかるため、気泡の発生が遅くなる。さらに、気泡が発
生したときには硬化開始温度に近づいているため、気泡
が弾けても修復する時間がなかったり、弾けることもで
きず、そのまま硬化するなどして気泡跡が残ることとな
る。
【0033】したがって、プリベーク後の粘度が、40
℃で350Pa・s以下(好ましくは250Pa・s以
下)となるような粘度の低いシール材3を用いてシール
パターンを形成することで、減圧プレスによる基板の貼
合わせ工程において、発生した気泡が弾けても跡が残ら
ず自然修復されるような、柔らかい粘性を維持すること
が可能で、気泡に起因する不良問題のない液晶表示素子
が製造できる。
【0034】ただし、プリベーク後、40℃での粘度が
150Pa・s以下に調整したシール材では、液晶表示
素子のシール材としての信頼性に問題があり、液晶表示
素子への採用は不適である。粘性を低く調整したシール
材は、化学変化を起こしやすく膨張してしまうので、セ
ルギャップが厚くなりシール材近傍に色ムラが生じる。
【0035】また、一般的な減圧プレス方式の減圧加熱
条件は、 減圧条件:53.3k〜80kPa(確実なセルギャッ
プ制御を可能にする範囲) 加温条件:150〜200℃(シール材を充分に硬化さ
せる温度範囲)となっている。
【0036】さらに、上記に加え、加熱中のシール材の
最低粘度が2Pa・s以上である特性を有することも重
要である。これは、シール材が柔らかすぎると、減圧時
にセル内外の圧力差によってセル外からセル内に向かっ
てシールが破れることを防ぐことができる。
【0037】また、シール材の初期粘度は、印刷性など
の条件より40Pa・s程度になるように調整した。
【0038】(実施例)以下では本発明のシール材を用
いた実施例(実施例1〜4)および本発明のシール材と
は温度特性の異なるシール材を用いた比較例(比較例1
〜6)について説明する。
【0039】・シール材粘度の測定方法 測定装置:ストレス制御式粘弾性測定装置 ReostressRS−75(HAAKE社製) 昇温速度:5℃/分(温特測定時) ・シール材の調製 主成分(硬化型エポキシ、固形エポキシなど) 使用溶剤(ジエチレンモノメチルエーテル、3−メチル
−3−メトキシブタノールなど) 溶剤含有量(8〜25%) 緩衝剤(シリコンゴム、アクリルゴムなど) フィラー(アルミナなど)
【0040】これらの成分の表面処理・配合量・粒度を
組合せることによって様々な温度特性を有するシール材
を調製した。
【0041】・実施例および比較例で共通に使用した部
材 電極基板には、外形寸法460mm×600mm、厚さ
0.7mmのソーダガラス板を使用しており、これら基
板上に種々の機能膜(カラーフィルタ・透明電極・保護
膜・配向膜など)を形成した。
【0042】シール材には、前述のように調製したシー
ル材を準備し、このシール材にシール内スペーサとなる
多数のガラスビーズ(直径6.9μm)を予め混入(重
量比8%)した。
【0043】以下に各工程に付いて説明する。 (1)シールパターン形成工程 一方の基板上に、スクリーン印刷法によって、図4に示
すようなシールパターン7を形成する。このシールパタ
ーン7は、液晶封入領域を囲むように矩形状に形成され
ている。また、この矩形状シールパターン7の短辺中央
部には液晶注入口8が形成され、そこには液晶注入時の
注入量を制御するためなどの“土手”が形成されてい
る。さらに、このときのシールパターンの幅は0.4m
mに設定されている。
【0044】(2)プリベーク工程 シールパターン形成後、溶剤乾燥工程として、90℃雰
囲気のオーブンに15分間放置した。
【0045】(3)スペーサ散布工程 上述のシールパターン形成工程と並行して、他方の基板
上にはスペーサを散布した。他方基板上のスペーサは、
プラスチックビーズで、130個/mmφの分布密度で
散布される。
【0046】(4)減圧プレス工程 次に、シールパターン7を形成し、スペーサ4を散布し
た両基板を貼合わし、電極基板の周縁部全周をクランプ
治具5にて挟み込んでチャンバに投入する。前記一対の
電極基板1,2の間隙を排気口6より排気することによ
って、チャンバ内の大気圧を利用して前記一対の電極基
板1,2を加圧する。さらに加熱を行うことによりシー
ル材を硬化させる。
【0047】図5は、本実施例に用いた減圧プレス工程
の減圧加熱のプロファイルを示す図である。
【0048】(a)スタート時には、加熱を行わず、圧
力のみ連続的にP1(60kPa)まで減圧しておき保
持する。シール材は充分に伸ばしておく。
【0049】(b)その後、圧力をP2(66.5kP
a)まで戻し、同時に加熱を開始する。このときの加熱
は連続的に行う。
【0050】(c)シール材の粘度が高くなる粘度増加
開始の手前の温度T1で温度を一定に保ち、同時に圧力
をP3(80kPa)まで段階的に戻す。※T1は、シ
ール材によって特有の温度であり、今回の実験に用いた
シール材では90〜120℃程度であった。
【0051】(d)圧力がP3になった段階で、加温熱
を段階的に進め、シール材が完全に硬化する温度T2
(170℃)で一定時間維持し、その後、段階的に温度
を下げる。
【0052】(e)大気圧に戻し、減圧加熱プロセスを
終了する。このようにして貼合わされた一対の電極基板
1,2を分断し、2つの液晶セルを得た後、液晶材料を
注入し、液晶表示素子を完成させた。
【0053】また、このときの真空度(圧力)として
は、53.3kPa以上80kPa以下であることが望
ましい。真空度が、53kPaより高いと基板間の間隔
を制御するスペーサが変形し、また80kPaより低い
と基板を押さえる圧力が不足し、確実にセルギャップを
制御することが難しくなる。
【0054】上記で述べた製造方法による液晶表示素子
を用いて、シール材の特性の違いによる効果を調べた。
【0055】使用したシール材とその結果を表1に示
す。
【表1】
【0056】比較例1〜4で用いたシール材は、プリベ
ーク後で40℃の粘度が350Pa・s以上、比較例5
で用いたシール材は、プリベーク後で40℃の粘度が1
50Pa・s以下、比較例6で用いたシール材は、プリ
ベーク後で加熱中の最低粘度が2Pa・s以下であっ
た。
【0057】比較例1では、従来使用されている三井化
学製のストラクトボンドXN−21−Sを用いており、
プリベーク後で40℃の粘度がやや高く、注入口近傍の
みに残存気泡跡が残っていることが確認された。これ
は、シールパターン内の真空引き(減圧)が注入口近傍
部より行われるため、この部分が最も影響を受けるもの
と考えられる。このことから、比較例1は、常に不具合
要因が潜んでいる状態であり、工程条件次第では、シー
ル内気泡による不具合が発生する可能性がある(量産時
突発的にシール内気泡による不良が発生する)。
【0058】比較例2,3では、プリベーク後で40℃
の粘度が高く、シールパターン全周に残存溶剤気泡の跡
があることが確認できた。これは、気泡の膨張力よりも
シールの粘性が上回ったため、気泡は弾けることができ
ず、あるいは弾けてもその跡が残ってしまったためと考
えられる。
【0059】また、比較例4では、プリベーク後で40
℃の粘度が高すぎて、減圧枚葉プレス法では、セルギャ
ップの制御が困難であった。
【0060】さらに、比較例4では、残存溶剤気泡跡は
確認できなかった。これは、シール材の粘度が高すぎる
ため、残存溶剤は気化しても気泡になることができなか
ったためと考えられる。
【0061】比較例5では、粘度が低く気泡跡は残ら
ず、500時間放置した時点で良品レベルであったが、
シール材の膨潤によってセルギャップが増加したため色
ムラが見られた。
【0062】比較例6では、残留気泡跡は確認されなか
ったものの、加熱中の最低粘度が低すぎるため、サンプ
ル40セルのうち28セルで貫通気泡跡が確認された。
【0063】実施例1〜4では、プリベーク後で40℃
の粘度が350Pa・s以下(150Pa・s以上)、
加熱中の最低粘度が2Pa・s以上であり、残存溶剤に
よる気泡および貫通気泡跡は確認されず、シールエッジ
の乱れおよびシール破れなどシール不良が生じない液晶
表示素子を製造することができた。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プリベー
クを行ったシール材の40℃における粘度が350pa
・s以下であるので、シール材中の溶剤が気化して発生
した気泡の跡が残らず、気泡が発生してもシールエッジ
の乱れおよびシール破れなどのシール不良を防ぐことが
できる。
【0065】また本発明によれば、基板間の真空度が、
53.3kPa以上80kPa以下であるので、確実に
セルギャップを制御することができる。
【0066】また本発明によれば、シール材の粘度増加
開始時以降の気泡の発生を抑えることができる。
【0067】また本発明によれば、加熱中のシール材の
最低粘度が2Pa・s以上であるので、シールパターン
内外の圧力差によるシールパターンの破れを防止するこ
とができる。
【0068】さらに、気泡発生に対するマージンが広く
なるので、生産工程のバラツキによる突発的な気泡発生
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一つである液晶表示素子の
製造方法における基板貼合わせの方法を示す断面図であ
る。
【図2】プリベーク後のシール材3中の残存溶剤気泡発
生ポイントを示すグラフである。
【図3】シール材3のプリベーク後の粘度の温度特性グ
ラフである。
【図4】本実施例のシールパターン7を示す図である。
【図5】本実施例に用いた減圧プレス工程の減圧加熱の
プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1,2 電極基板 3 シール材 4 スペーサ 5 クランプ治具 6 排出口 7 シールパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉良 隆敏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 吉村 和也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H089 LA49 MA04Y NA41 NA42 NA45 NA48 QA14 QA15 SA17 5G435 AA17 BB12 HH20 KK05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極基板を、シール材を介して貼
    合わせ、前記一対の電極基板間を排気することにより、
    大気圧による加圧を行うことでセルギャップを制御する
    とともに、加熱して前記シール材を硬化させる液晶表示
    素子の製造方法において、 加熱を開始してから硬化開始温度に達するまでのシール
    材は、シール材中の溶剤が気化して発生した気泡の跡が
    残らない程度の粘性を維持することを特徴とする液晶表
    示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 一対の電極基板の少なくとも一方にシー
    ル材を塗布した後、予め加熱してシール材中の溶剤を除
    去するプリベーク工程を有し、プリベークを行ったシー
    ル材の40℃における粘度が350Pa・s以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一対の電極基板の少なくとも一方にシー
    ル材を塗布した後、プリベークしてシール材中の溶剤を
    除去し、前記一対の電極基板をシール材を介して貼合わ
    せ、前記一対の電極基板間を排気することにより、大気
    圧による加圧を行うことでセルギャップを制御するとと
    もに、加熱して前記シール材を硬化させる液晶表示素子
    の製造方法において、 プリベークを行った前記シール材の40℃における粘度
    が350Pa・s以下であることを特徴とする液晶表示
    素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一対の電極基板間を排気したときの
    最高真空度は、53.3kPa以上80kPa以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載
    の液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱中の前記シール材の粘度増加開始時
    以降における前記一対の電極基板間の真空度は、粘度増
    加開始時以前の最高真空度より低いことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 加熱中の前記シール材の最低粘度が、2
    Pa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
JP2000304040A 2000-10-03 2000-10-03 液晶表示素子の製造方法 Pending JP2002107737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000304040A JP2002107737A (ja) 2000-10-03 2000-10-03 液晶表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000304040A JP2002107737A (ja) 2000-10-03 2000-10-03 液晶表示素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002107737A true JP2002107737A (ja) 2002-04-10

Family

ID=18785149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000304040A Pending JP2002107737A (ja) 2000-10-03 2000-10-03 液晶表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002107737A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096896A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Joyo Kogaku Kk 透光性基板の貼り合わせ方法およびその装置
JP2009133964A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Sekisui Chem Co Ltd 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子
JP2010277072A (ja) * 2009-04-28 2010-12-09 Nippon Kayaku Co Ltd 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096896A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Joyo Kogaku Kk 透光性基板の貼り合わせ方法およびその装置
JP2009133964A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Sekisui Chem Co Ltd 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子
JP2010277072A (ja) * 2009-04-28 2010-12-09 Nippon Kayaku Co Ltd 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6137559A (en) Method of manufacturing a liquid crystal display device using an airtight seal pattern
KR19980025831A (ko) 액정 표시 소자의 제조방법
JPH095762A (ja) 液晶パネルの製造法
JPS5957221A (ja) 表示素子の製造方法及び製造装置
JP2001356354A (ja) 液晶表示素子の製造方法
WO2018159257A1 (ja) シクロオレフィンポリマーの接合方法
JP2002107737A (ja) 液晶表示素子の製造方法
TWI712666B (zh) 用於黏合基材之方法及藉由彼所製造之用於顯示器之基材
TWI235863B (en) Manufacturing method of liquid crystal lattice
KR100533661B1 (ko) 액정셀 제조방법
JP2008026612A (ja) 表示装置の製造方法
JP3104703B1 (ja) 液晶素子の製造方法
JPS635322A (ja) 液晶表示器の製造方法
JP3653008B2 (ja) 液晶表示パネルの製造方法
JP3447485B2 (ja) 液晶パネルの製造方法
JP2006106036A (ja) パネルの製造方法
JPS62165622A (ja) 液晶表示装置の製造方法
JPH0527210A (ja) 液晶表示器の製造方法
JP2000275656A (ja) 液晶表示素子の製造方法および製造装置
JP3220651B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JPH10104562A (ja) 液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置
JP3277132B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
KR100240611B1 (ko) 액정 표시 소자의 제조 방법
JPH07128626A (ja) 液晶表示装置の作製方法
JP3516849B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050901

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051129

A521 Written amendment

Effective date: 20060130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060307