JP2002107065A - 耐火物の火炎溶射補修方法 - Google Patents
耐火物の火炎溶射補修方法Info
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- JP2002107065A JP2002107065A JP2000295996A JP2000295996A JP2002107065A JP 2002107065 A JP2002107065 A JP 2002107065A JP 2000295996 A JP2000295996 A JP 2000295996A JP 2000295996 A JP2000295996 A JP 2000295996A JP 2002107065 A JP2002107065 A JP 2002107065A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工業窯炉の耐火物を火炎溶射補修する際に、
内張り耐火物を損傷せず、又、耐火物中の黒鉛を酸化さ
せることなく、溶射補修層と内張り耐火物とを強固に接
着させ、耐用性の高い溶射補修層を得る。 【解決手段】 耐火物表面の温度を1000℃以上に昇
温し、耐火物表面の温度が1000℃以上の状態で、そ
の耐火物の表面に向けて耐火物微粉末を溶射して溶射補
修層を形成する。
内張り耐火物を損傷せず、又、耐火物中の黒鉛を酸化さ
せることなく、溶射補修層と内張り耐火物とを強固に接
着させ、耐用性の高い溶射補修層を得る。 【解決手段】 耐火物表面の温度を1000℃以上に昇
温し、耐火物表面の温度が1000℃以上の状態で、そ
の耐火物の表面に向けて耐火物微粉末を溶射して溶射補
修層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼製造で使用さ
れる転炉や取鍋などの溶融金属容器からゴミ焼却灰など
を溶融する灰溶融炉などの工業窯炉における耐火物の火
炎溶射による補修方法に関するものである。
れる転炉や取鍋などの溶融金属容器からゴミ焼却灰など
を溶融する灰溶融炉などの工業窯炉における耐火物の火
炎溶射による補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉、AOD炉、取鍋、タンディッシ
ュ、真空脱ガス炉、及び、コークス炉などの工業窯炉で
は、溶鋼、溶融スラグ、乾留石炭などの高温物質を内部
に保持するので、内壁として使用される内張り耐火物は
通常1000℃以上の温度にされされ、更に収容した溶
鋼、溶融スラグ、乾留石炭などを排出するので、内壁の
耐火物の温度は著しく変化する。従って、内張り耐火物
は溶融物により溶損するだけでなく、熱スポーリングに
よる亀裂や剥離などの損傷が発生する。このため、一炉
代の延命を図るためには、稼働期間の中間段階で補修す
ることが極めて重要になっている。
ュ、真空脱ガス炉、及び、コークス炉などの工業窯炉で
は、溶鋼、溶融スラグ、乾留石炭などの高温物質を内部
に保持するので、内壁として使用される内張り耐火物は
通常1000℃以上の温度にされされ、更に収容した溶
鋼、溶融スラグ、乾留石炭などを排出するので、内壁の
耐火物の温度は著しく変化する。従って、内張り耐火物
は溶融物により溶損するだけでなく、熱スポーリングに
よる亀裂や剥離などの損傷が発生する。このため、一炉
代の延命を図るためには、稼働期間の中間段階で補修す
ることが極めて重要になっている。
【0003】この補修方法として、内張り耐火物の損傷
部に熱間で補修材料を吹き付ける火炎溶射補修が行われ
ている。火炎溶射補修は、修復すべき内張り耐火物とほ
ぼ同様な組成である補修用耐火物微粉末を高速・高温の
火炎中に通し、溶融または半溶融状態にして損傷部分に
溶射接着するものである。この火炎溶射法による補修方
法の利点は、緻密で且つ高強度の溶射補修層を瞬時に形
成させることが可能であり、溶射補修層の高い耐用性が
期待できる点である。
部に熱間で補修材料を吹き付ける火炎溶射補修が行われ
ている。火炎溶射補修は、修復すべき内張り耐火物とほ
ぼ同様な組成である補修用耐火物微粉末を高速・高温の
火炎中に通し、溶融または半溶融状態にして損傷部分に
溶射接着するものである。この火炎溶射法による補修方
法の利点は、緻密で且つ高強度の溶射補修層を瞬時に形
成させることが可能であり、溶射補修層の高い耐用性が
期待できる点である。
【0004】しかし、耐用性の高い溶射補修層を得るた
めには、内張り耐火物と溶射補修層とを強固に接着させ
ることが重要であり、そのため、特開昭55−1160
83号公報には、内張り耐火物の表面に付着したスラグ
や地金を火炎ガスにより溶融除去処理した後、耐火物微
粉末を火炎溶射する方法が開示されている。同号公報に
よれば、内張り耐火物と溶射補修層との間に存在するス
ラグ層が少なくなるので、スラグ層の溶融化に伴う溶射
補修層と内張り耐火物との剥離が妨げられ、且つ、スラ
グ層との反応による溶射補修層自体の耐用性の低下が妨
げられ、耐用性を高めることができるとしている。
めには、内張り耐火物と溶射補修層とを強固に接着させ
ることが重要であり、そのため、特開昭55−1160
83号公報には、内張り耐火物の表面に付着したスラグ
や地金を火炎ガスにより溶融除去処理した後、耐火物微
粉末を火炎溶射する方法が開示されている。同号公報に
よれば、内張り耐火物と溶射補修層との間に存在するス
ラグ層が少なくなるので、スラグ層の溶融化に伴う溶射
補修層と内張り耐火物との剥離が妨げられ、且つ、スラ
グ層との反応による溶射補修層自体の耐用性の低下が妨
げられ、耐用性を高めることができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭55−1160
83号に開示された方法は、火炎溶射された溶射補修層
を内張り耐火物と強固に接着する点においては顕著な効
果があるが、反面、内張り耐火物がMgO−C煉瓦など
の黒鉛含有耐火物の場合には、付着スラグや地金を火炎
ガスにより除去する際、内張り耐火物中の黒鉛が酸化
し、内張り耐火物自体が損傷する。又、付着スラグを溶
融させて除去するので、内張り耐火物と溶融した付着ス
ラグとが反応し、内張り耐火物が溶損されるなどの問題
点がある。
83号に開示された方法は、火炎溶射された溶射補修層
を内張り耐火物と強固に接着する点においては顕著な効
果があるが、反面、内張り耐火物がMgO−C煉瓦など
の黒鉛含有耐火物の場合には、付着スラグや地金を火炎
ガスにより除去する際、内張り耐火物中の黒鉛が酸化
し、内張り耐火物自体が損傷する。又、付着スラグを溶
融させて除去するので、内張り耐火物と溶融した付着ス
ラグとが反応し、内張り耐火物が溶損されるなどの問題
点がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、工業窯炉の耐火物を火炎溶射
補修する際に、内張り耐火物を損傷せず、又、内張り耐
火物が黒鉛含有耐火物であっても耐火物中の黒鉛を酸化
させることなく、溶射補修層と内張り耐火物とを強固に
接着させ、耐用性の高い溶射補修層を得ることができる
火炎溶射補修方法を提供することである。
その目的とするところは、工業窯炉の耐火物を火炎溶射
補修する際に、内張り耐火物を損傷せず、又、内張り耐
火物が黒鉛含有耐火物であっても耐火物中の黒鉛を酸化
させることなく、溶射補修層と内張り耐火物とを強固に
接着させ、耐用性の高い溶射補修層を得ることができる
火炎溶射補修方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による耐火物の火
炎溶射補修方法は、耐火物表面の温度を1000℃以上
に昇温し、耐火物表面の温度が1000℃以上の状態
で、その耐火物の表面に向けて耐火物微粉末を溶射する
ことを特徴とするものである。
炎溶射補修方法は、耐火物表面の温度を1000℃以上
に昇温し、耐火物表面の温度が1000℃以上の状態
で、その耐火物の表面に向けて耐火物微粉末を溶射する
ことを特徴とするものである。
【0008】上記課題を解決するため、被溶射面にスラ
グが付着した状態でも火炎溶射による溶射補修層を強固
に接着させる方法を検討した。その結果、溶融状態又は
半溶融状態で飛来する耐火物微粉末が急激に冷却されて
固化しないようにすれば、溶射補修層を強固に接着させ
ることができるものと考えた。そこで、後述する実施例
に示す転炉側壁の火炎溶射補修の際に、被溶射面の付着
スラグを除去することなく、被溶射面の表面温度を70
0℃〜1300℃に変更して溶射吹き付けし、溶射補修
層の耐用性を調査した。その調査結果を図1に示す。
グが付着した状態でも火炎溶射による溶射補修層を強固
に接着させる方法を検討した。その結果、溶融状態又は
半溶融状態で飛来する耐火物微粉末が急激に冷却されて
固化しないようにすれば、溶射補修層を強固に接着させ
ることができるものと考えた。そこで、後述する実施例
に示す転炉側壁の火炎溶射補修の際に、被溶射面の付着
スラグを除去することなく、被溶射面の表面温度を70
0℃〜1300℃に変更して溶射吹き付けし、溶射補修
層の耐用性を調査した。その調査結果を図1に示す。
【0009】図1で明らかなように、被溶射面である転
炉内張り耐火物の表面温度が1000℃以上になると、
耐用回数が急激に増加して20ヒート以上になることが
分かった。即ち、被溶射面を1000℃以上として火炎
溶射補修を実施することで、飛来した溶融状態又は半溶
融状態の耐火物微粉末が徐々に冷却されて、溶射補修層
と付着スラグとの接触面積が増加し、溶射補修層と内張
り耐火物との接着力が高まり、耐用性が増加するものと
思われる。被溶射面となる耐火物の表面温度を1000
℃以上とした場合には、付着スラグは溶射補修層の接着
力を高める役目を果たしているといえる。
炉内張り耐火物の表面温度が1000℃以上になると、
耐用回数が急激に増加して20ヒート以上になることが
分かった。即ち、被溶射面を1000℃以上として火炎
溶射補修を実施することで、飛来した溶融状態又は半溶
融状態の耐火物微粉末が徐々に冷却されて、溶射補修層
と付着スラグとの接触面積が増加し、溶射補修層と内張
り耐火物との接着力が高まり、耐用性が増加するものと
思われる。被溶射面となる耐火物の表面温度を1000
℃以上とした場合には、付着スラグは溶射補修層の接着
力を高める役目を果たしているといえる。
【0010】このように、本発明では被溶射面に付着す
るスラグを除去することなく火炎溶射補修を行うので、
補修により内張り耐火物自体を損傷させることがなく、
又、内張り耐火物が黒鉛含有耐火物であっても耐火物中
の黒鉛を酸化させることがない。又、付着スラグが溶射
補修層の接着力を高め、溶射補修層と内張り耐火物との
接着力が向上し、耐用性の高い溶射補修層を得ることが
できる。更に、補修時に付着スラグを除去する必要がな
いので、補修時間を大幅に短縮することができる。
るスラグを除去することなく火炎溶射補修を行うので、
補修により内張り耐火物自体を損傷させることがなく、
又、内張り耐火物が黒鉛含有耐火物であっても耐火物中
の黒鉛を酸化させることがない。又、付着スラグが溶射
補修層の接着力を高め、溶射補修層と内張り耐火物との
接着力が向上し、耐用性の高い溶射補修層を得ることが
できる。更に、補修時に付着スラグを除去する必要がな
いので、補修時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明では、工業窯炉の内張り耐火物の火
炎溶射補修を行う際に、被溶射面となる耐火物の表面温
度が1000℃以上の状態で火炎溶射補修を実施する。
に説明する。本発明では、工業窯炉の内張り耐火物の火
炎溶射補修を行う際に、被溶射面となる耐火物の表面温
度が1000℃以上の状態で火炎溶射補修を実施する。
【0012】転炉などの高温の工業窯炉でも、溶鋼の精
錬中には内張り耐火物の表面は1000℃以上の高温と
なるが、通常、補修時には被溶射面となる耐火物の表面
温度は1000℃未満まで低下する。そのため、火炎溶
射補修に先立って、耐火物表面を予熱する。この予熱
は、火炎溶射装置を用いて溶射材料である耐火物微粉末
を噴射せず、火炎のみで予熱しても良く、又、専用の予
熱装置により行っても良い。当然ではあるが、予熱しな
くても、被溶射面となる内張り耐火物の表面温度が10
00℃以上の場合には、予熱する必要はない。又、火炎
溶射装置としては、プロパンガス、アセチレン、水素、
灯油などを燃料とする慣用の火炎溶射装置を用いる。
錬中には内張り耐火物の表面は1000℃以上の高温と
なるが、通常、補修時には被溶射面となる耐火物の表面
温度は1000℃未満まで低下する。そのため、火炎溶
射補修に先立って、耐火物表面を予熱する。この予熱
は、火炎溶射装置を用いて溶射材料である耐火物微粉末
を噴射せず、火炎のみで予熱しても良く、又、専用の予
熱装置により行っても良い。当然ではあるが、予熱しな
くても、被溶射面となる内張り耐火物の表面温度が10
00℃以上の場合には、予熱する必要はない。又、火炎
溶射装置としては、プロパンガス、アセチレン、水素、
灯油などを燃料とする慣用の火炎溶射装置を用いる。
【0013】被溶射面となる内張り耐火物を余りに高い
温度まで予熱すると、付着スラグが溶融し始め、このス
ラグが内張り耐火物を溶損する。又、スラグが溶融して
被溶射面に存在しなくなると、耐火物表面に直接溶射す
ることになり、耐火物表面を急激に熱するため、耐火物
内にこの熱衝撃による亀裂を発生させてしまい、耐火物
の耐用が低下するので好ましくない。通常、スラグの融
点は1300℃よりも高温であるので、従って、予熱温
度の上限を1300℃とすることが好ましい。
温度まで予熱すると、付着スラグが溶融し始め、このス
ラグが内張り耐火物を溶損する。又、スラグが溶融して
被溶射面に存在しなくなると、耐火物表面に直接溶射す
ることになり、耐火物表面を急激に熱するため、耐火物
内にこの熱衝撃による亀裂を発生させてしまい、耐火物
の耐用が低下するので好ましくない。通常、スラグの融
点は1300℃よりも高温であるので、従って、予熱温
度の上限を1300℃とすることが好ましい。
【0014】又、本発明者らの経験から、溶射補修層と
内張り耐火物との接着を強固にするためには、内張り耐
火物の予熱時に急激にその表面温度を上昇させない方が
良いことを確認している。従って、予熱時には、60℃
/min以下、望ましくは30℃/min以下の昇温速
度で予熱することが好ましい。
内張り耐火物との接着を強固にするためには、内張り耐
火物の予熱時に急激にその表面温度を上昇させない方が
良いことを確認している。従って、予熱時には、60℃
/min以下、望ましくは30℃/min以下の昇温速
度で予熱することが好ましい。
【0015】溶射材料としては、工業窯炉の内張り耐火
物の組成と同質の組成の耐火材料を用いることとする
が、一般に、工業窯炉ではスラグに対する耐蝕性の高い
塩基性耐火物が内張り耐火物として用いられることが多
く、この場合には、溶射材料としてマグネシア質耐火
物、特に、SiO2 を5mass%以下含有する電融マグネ
シアを用いることが好ましい。電融マグネシアが若干の
SiO2 を含有することによって付着スラグとの馴染み
が格段に良くなり、溶射補修層としての接着性が向上
し、更に、本来電融マグネシアが有する高い耐食性と相
まって、耐用性の高い溶射補修層を形成させることがで
きる。
物の組成と同質の組成の耐火材料を用いることとする
が、一般に、工業窯炉ではスラグに対する耐蝕性の高い
塩基性耐火物が内張り耐火物として用いられることが多
く、この場合には、溶射材料としてマグネシア質耐火
物、特に、SiO2 を5mass%以下含有する電融マグネ
シアを用いることが好ましい。電融マグネシアが若干の
SiO2 を含有することによって付着スラグとの馴染み
が格段に良くなり、溶射補修層としての接着性が向上
し、更に、本来電融マグネシアが有する高い耐食性と相
まって、耐用性の高い溶射補修層を形成させることがで
きる。
【0016】以上説明したようにして、鉄鋼製造で使用
される転炉や取鍋などの溶融金属容器からゴミ焼却灰な
どを溶融する灰溶融炉などの工業窯炉における内張り耐
火物の損傷部を火炎溶射補修することにより、補修時の
内張り耐火物の損傷や、黒鉛質耐火物中の黒鉛を酸化す
ることなく、耐用性の高い溶射補修層を形成することが
できる。尚、本発明を適用可能な工業窯炉としては、上
記以外に、例えばAOD炉、タンディッシュ、真空脱ガ
ス炉、混銑車、電気炉、コークス炉、焼却炉、誘導炉、
加熱炉などがある。
される転炉や取鍋などの溶融金属容器からゴミ焼却灰な
どを溶融する灰溶融炉などの工業窯炉における内張り耐
火物の損傷部を火炎溶射補修することにより、補修時の
内張り耐火物の損傷や、黒鉛質耐火物中の黒鉛を酸化す
ることなく、耐用性の高い溶射補修層を形成することが
できる。尚、本発明を適用可能な工業窯炉としては、上
記以外に、例えばAOD炉、タンディッシュ、真空脱ガ
ス炉、混銑車、電気炉、コークス炉、焼却炉、誘導炉、
加熱炉などがある。
【0017】
【実施例】容量が250トンの製鋼用上吹き酸素転炉の
側壁を精錬の合間に火炎溶射補修する際に、転炉の側壁
表面温度を700℃〜1300℃に変更して火炎溶射補
修を実施し、溶射補修層の耐用性に及ぼす側壁表面温度
の影響を調査した。転炉側壁はMgO−C煉瓦によって
内張りされており、溶射には酸素−プロパンの火炎溶射
装置を使用した。転炉側壁の表面温度は放射温度計によ
って測定した。
側壁を精錬の合間に火炎溶射補修する際に、転炉の側壁
表面温度を700℃〜1300℃に変更して火炎溶射補
修を実施し、溶射補修層の耐用性に及ぼす側壁表面温度
の影響を調査した。転炉側壁はMgO−C煉瓦によって
内張りされており、溶射には酸素−プロパンの火炎溶射
装置を使用した。転炉側壁の表面温度は放射温度計によ
って測定した。
【0018】溶銑の脱炭精錬を行い、脱炭精錬により得
られた溶鋼を出鋼し、更に炉内の溶融スラグを排滓した
転炉の側壁損傷部を火炎溶射装置により加熱して昇温し
た。この加熱は、火炎溶射装置から補修用耐火物微粉末
を噴射せずに、酸素とプロパンのみを供給して行った。
転炉側壁部の昇温速度は20〜30℃/minとした。
尚、転炉側壁温度がすでに目標温度である場合には、加
熱を実施しなかった。
られた溶鋼を出鋼し、更に炉内の溶融スラグを排滓した
転炉の側壁損傷部を火炎溶射装置により加熱して昇温し
た。この加熱は、火炎溶射装置から補修用耐火物微粉末
を噴射せずに、酸素とプロパンのみを供給して行った。
転炉側壁部の昇温速度は20〜30℃/minとした。
尚、転炉側壁温度がすでに目標温度である場合には、加
熱を実施しなかった。
【0019】そして、側壁損傷部の表面温度を目標温度
の状態として火炎溶射補修を実施した。補修用耐火物微
粉末としては、SiO2 を2mass%含有する電融マグネ
シアを用い、平均粒径90〜95μmに調整し、250
kg/Hrの速度で火炎中に供給した。又、火炎溶射時
には、500Nm3 /Hrの酸素と、100Nm3 /H
rのプロパンを供給した。その時の、火炎温度は最高温
度部位で約2500℃であった。
の状態として火炎溶射補修を実施した。補修用耐火物微
粉末としては、SiO2 を2mass%含有する電融マグネ
シアを用い、平均粒径90〜95μmに調整し、250
kg/Hrの速度で火炎中に供給した。又、火炎溶射時
には、500Nm3 /Hrの酸素と、100Nm3 /H
rのプロパンを供給した。その時の、火炎温度は最高温
度部位で約2500℃であった。
【0020】火炎溶射補修後は、転炉内に溶銑を装入し
て脱炭精錬を行った。各ヒートの脱炭精錬終了後に補修
部を遠隔カメラにて観察し、溶射補修層の有無を観察し
た。そして、溶射補修層の面積の1/2以上が溶損など
によって無くなった時点をその溶射補修層の耐用回数と
した。図1に、このようにして調査した耐用回数と内張
り耐火物の表面温度との関係を示す。
て脱炭精錬を行った。各ヒートの脱炭精錬終了後に補修
部を遠隔カメラにて観察し、溶射補修層の有無を観察し
た。そして、溶射補修層の面積の1/2以上が溶損など
によって無くなった時点をその溶射補修層の耐用回数と
した。図1に、このようにして調査した耐用回数と内張
り耐火物の表面温度との関係を示す。
【0021】図1に示すように、溶射補修層の耐用回数
は、火炎溶射補修時の転炉内張り耐火物の表面温度に依
存することが分かり、火炎溶射補修時の転炉内張り耐火
物の表面温度を1000℃以上にすることで、安定した
長期間の耐用回数が得られることが分かった。
は、火炎溶射補修時の転炉内張り耐火物の表面温度に依
存することが分かり、火炎溶射補修時の転炉内張り耐火
物の表面温度を1000℃以上にすることで、安定した
長期間の耐用回数が得られることが分かった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、耐火物の表面温度が1
000℃以上の状態で、その耐火物の表面に溶射補修層
を形成させるので、被溶射面に付着していたスラグが溶
射補修層の接着力を高めて、溶射補修層と内張り耐火物
との接着が強固になり、耐用性の高い溶射補修層を得る
ことができる。又、被溶射面にスラグが付着したまま火
炎溶射を行うので、補修により内張り耐火物自体を損傷
させることがなく、更に、内張り耐火物が黒鉛含有耐火
物であっても耐火物中の黒鉛を酸化させることがない。
その結果、内張り耐火物の耐用性が延長し、耐火物コス
トを削減することができ、工業上有益な効果がもたらさ
れる。
000℃以上の状態で、その耐火物の表面に溶射補修層
を形成させるので、被溶射面に付着していたスラグが溶
射補修層の接着力を高めて、溶射補修層と内張り耐火物
との接着が強固になり、耐用性の高い溶射補修層を得る
ことができる。又、被溶射面にスラグが付着したまま火
炎溶射を行うので、補修により内張り耐火物自体を損傷
させることがなく、更に、内張り耐火物が黒鉛含有耐火
物であっても耐火物中の黒鉛を酸化させることがない。
その結果、内張り耐火物の耐用性が延長し、耐火物コス
トを削減することができ、工業上有益な効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】火炎溶射補修時の転炉内張り耐火物の表面温度
が溶射補修層の耐用回数に及ぼす影響を示す図である。
が溶射補修層の耐用回数に及ぼす影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 4/02 C23C 4/02 4/10 4/10 (72)発明者 田野 学 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E014 BB02 4K002 BC02 4K013 CA09 CF19 4K031 AA04 AB02 AB06 AB08 BA07 CB42 DA01 EA07 EA10 EA11 4K051 AB03 LA04
Claims (1)
- 【請求項1】 耐火物表面の温度を1000℃以上に昇
温し、耐火物表面の温度が1000℃以上の状態で、そ
の耐火物の表面に向けて耐火物微粉末を溶射することを
特徴とする耐火物の火炎溶射補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295996A JP2002107065A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 耐火物の火炎溶射補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295996A JP2002107065A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 耐火物の火炎溶射補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002107065A true JP2002107065A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18778337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000295996A Pending JP2002107065A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 耐火物の火炎溶射補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002107065A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010280848A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | コークス炉の炭化室における炉壁のコーティング方法 |
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2000
- 2000-09-28 JP JP2000295996A patent/JP2002107065A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010280848A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | コークス炉の炭化室における炉壁のコーティング方法 |
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