JP2002106703A - エンジンを搭載した車両の駆動制御装置 - Google Patents

エンジンを搭載した車両の駆動制御装置

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JP2002106703A
JP2002106703A JP2000299414A JP2000299414A JP2002106703A JP 2002106703 A JP2002106703 A JP 2002106703A JP 2000299414 A JP2000299414 A JP 2000299414A JP 2000299414 A JP2000299414 A JP 2000299414A JP 2002106703 A JP2002106703 A JP 2002106703A
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engine
speed
ratio
air
fuel
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JP2000299414A
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English (en)
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Junichi Taga
淳一 田賀
Yoichi Kuji
洋一 久慈
Masayuki Kuroki
雅之 黒木
Kaei Nakayama
佳映 中山
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンを搭載した車両に対して、トルクシ
ョックの発生をより有効に防止することができ、さらに
は燃費性能の向上を図ることができる手段を提供する。 【解決手段】 エンジンを搭載した車両においては、コ
ントロールユニットにより、変速比は、加速時にエンジ
ンの運転状態が領域IIに入るのを抑制(防止)するよう
に制御される。これにより、加速時には空燃比(A/
F)が領域Iから領域IIに移行するのが抑制される。し
たがって、加速時に空燃比(A/F)がリーンな状態か
ら理論空燃比ないしはリッチな状態に変化するのが抑制
され、トルクショックの発生が有効に防止される。ま
た、空燃比(A/F)がより長くリーンな状態に保持さ
れるので、燃費性能が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを搭載し
た車両の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両(自動車)にはエンジンの
出力トルクを変速して車輪側に伝達する変速機が設けら
れるが、かかる変速機としては多段式の自動変速機(A
T)が広く用いられている。しかしながら、多段式の自
動変速機では、変速段の切り換え時にトルクショックが
生じるといった問題がある。また、変速段はさほど多く
設定することができないので、車両の運転状態に最も適
した変速比で変速を行うことができない場合が多く、燃
費性能があまりよくないといった問題がある。
【0003】そこで、近年、変速比を無段で連続的に変
化させることができる無段変速機(CVT)、例えばベ
ルト式CVTあるいはトロイダル型CVTを搭載して、
変速に伴うトルクショックの発生を防止するとともに、
燃費性能の向上を図るようにした車両が普及しつつある
(例えば、特開平8−178045号公報、特開平10
−281275号公報、特開平7−279701号公報
参照)。
【0004】ところで、近年、地球の温暖化防止あるい
は省エネルギ等の観点から自動車の燃費性能の向上が強
く求められている。そこで、ガソリンエンジンにおい
て、運転状態に応じて空燃比をリーンにして燃費性能を
高めるようにしたエンジン、いわゆるリーンバーンエン
ジンが広く用いられている。かかるリーンバーンエンジ
ンでは、例えば低負荷・低回転領域では空燃比が理論空
燃比よりもリーン側に設定され、それ以外の運転領域で
は空燃比が理論空燃比又はこれよりもリッチ側に設定さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リーン
バーンエンジンでは、運転状態によっては、空燃比を切
り換える際にトルクショックが発生するといった問題が
ある。このため、CVTとリーンバーンエンジンとを搭
載した車両では、変速に起因するトルクショックは防止
されるものの、その他の原因によるトルクショックは有
効に防止することができないといった問題がある。ま
た、燃費性能のさらなる向上が求められているといった
社会環境もある。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、エンジンを搭載した車両に対
して、トルクショックの発生をより有効に防止すること
ができ、さらには燃費性能の向上を図ることができる手
段を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかる、エンジンを搭載した車両の
駆動制御装置は、(i)エンジンから出力される動力
(トルク)を変速して車輪に伝達する一方、該変速の変
速比を変えることができるようになっている自動変速機
(例えば、無段変速機(CVT)、多段式変速機(AT)
等)と、(ii)車両の走行状態に基づいて変速比を制御
する変速比制御手段とが設けられている、エンジンを搭
載した車両の駆動制御装置において、(iii)エンジン
の運転状態に応じて、エンジン負荷が所定の基準負荷未
満でありかつエンジン回転数が所定の基準回転数未満で
ある第1運転領域では空燃比を理論空燃比よりも大きい
値(λ>1)に設定する一方、エンジン負荷が基準負荷
以上であるか又はエンジン回転数が基準回転数以上であ
る第2運転領域では空燃比を理論空燃比以下の値(λ≦
1)に設定する空燃比制御手段が設けられ、(iv)変速
比制御手段が、加速時にエンジンの運転状態が第2運転
領域に入るのを抑制(防止)するように変速比を制御す
るようになっていることを特徴とするものである。
【0008】この車両の駆動制御装置では、加速時には
空燃比が第1運転領域から第2運転領域に移行するのが
抑制される。したがって、加速時に空燃比がリーンな状
態から理論空燃比ないしはリッチな状態に変化するのが
抑制され、トルクショックの発生が有効に防止される。
また、空燃比がより長くリーンな状態に保持されるの
で、燃費性能が高められる。
【0009】上記車両の駆動制御装置においては、変速
比制御手段が、加速時にエンジンの運転状態が第1運転
領域内において基準負荷近傍に至った後でエンジン回転
数が増大するように変速比を制御するようになっている
のが好ましい。このようにすれば、エンジンの運転状態
を加速初期からトルクが大きい運転領域に滞在させるこ
とができ、加速性が良好となる。
【0010】また、上記車両の駆動制御装置において
は、変速比制御手段が、加速時にエンジンの運転状態が
上記第1運転領域内において基準負荷近傍に至る前に基
準回転数近傍に至ったときは、この後エンジンの運転状
態が基準負荷近傍に向かうように変速比を制御するよう
になっていてもよい。この場合、良好な加速性を長時間
にわたって確保することができる。
【0011】エンジンが、燃焼室に臨んで配置された燃
料噴射弁を備えているガソリンエンジンである場合は、
上記車両の駆動制御装置の空燃比制御手段は、第1運転
領域では圧縮行程後期でのみ燃料が噴射され、第2運転
領域では少なくとも吸気行程から圧縮行程前期にかけて
の期間に燃料が噴射されるように、燃料噴射弁を制御す
るようになっているのが好ましい。このようにすれば、
燃焼室内での燃料の成層化が促進され、空燃比をよりリ
ーンにすることができるので、燃費性能を一層高めるこ
とができる。
【0012】上記いずれの車両の駆動制御装置において
も、変速比制御手段は、加速時にエンジンの運転状態が
第1運転領域内において上記基準負荷近傍で高回転側に
入っているときに、さらに継続してトルク増大が要求さ
れたときには、エンジンの運転状態が第2運転領域に移
行するように変速比を制御するようになっているのが好
ましい。このようにすれば、トルク要求がとくに強い場
合には、トルクショックの防止に優先してトルク確保が
行われるので、加速性が一層良好となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1に示すように、車両(図示せず)に
搭載されたガソリンエンジン1(以下、「エンジン1」
という。)は、吸気弁2が開かれたときに、吸気通路3
から燃焼室4内に燃料燃焼用のエアを吸入するようにな
っている。そして、この燃焼室4内のエア中に、所定の
タイミングで燃料噴射弁5から燃料(ガソリン)が噴射
され、混合気が形成される。なお、燃料噴射弁5は、燃
焼室4に臨んで配置された、いわゆる直噴式の燃料噴射
弁である。
【0014】この混合気は、ピストン6によって圧縮さ
れ、所定のタイミングで点火プラグ7により点火されて
燃焼する。燃焼ガスすなわち排気ガスは、排気弁8が開
かれたときに排気通路9に排出される。排気通路9に
は、排気ガスを浄化するために、第1排気ガス浄化装置
10(触媒コンバータ)と第2排気ガス浄化装置11
(触媒コンバータ)とが介設されている。なお、第1排
気ガス浄化装置10のやや上流には、排気通路9内の排
気ガス中の酸素濃度、ひいては空燃比(A/F)を検出す
るリニアO2センサ12(普通のλO2センサでもよい)が
設けられている。
【0015】他方、吸気通路3には、エアの流れ方向に
みて、上流側から順に、エア中のダスト等を除去するエ
アクリーナ13と、エア流量を検出するエアフローセン
サ14と、エアを絞るスロットル弁15(エレキスロッ
トル)と、エアの流れを安定させるサージタンク16と
が設けられている。
【0016】また、排気通路9内の排気ガスの一部をE
GRとして吸気通路3に戻すEGR通路17が設けら
れ、このEGR通路17に、EGRガス流量を制御する
EGR制御弁18が介設されている。さらに、この車両
には、エンジン1と、この後説明するCVT23(図2
参照)とを制御するコントロールユニットCUが設けら
れている。このコントロールユニットCUは、特許請求
の範囲に記載された変速比制御手段、空燃比制御手段等
を含む総合的な制御装置であって、各種制御情報に基づ
いて、後で説明する空燃比制御(燃料噴射制御)、変速
比制御、EGR制御、スロットル開度制御等の各種制御
を行うようになっている。
【0017】以下、エンジン1から駆動車軸(駆動輪)
までのトルク伝達機構(エンジン1から出力されるトル
クの変速機構を含む)を説明する。図2に示すように、
このトルク伝達機構においては、エンジン1で生成され
たトルクは、エンジン出力軸20から、エンジン1の回
転数変動を吸収するためのダンパ21を介して、ハーフ
トロイダルCVT23の入力軸22(以下、「CVT入
力軸22」という。)に伝達される。
【0018】ハーフトロイダルCVT23には、CVT
入力軸22に同軸に取り付けられた入力ディスク24
と、CVT入力軸22まわりに遊嵌された出力ディスク
25と、入力ディスク24のトルクを出力ディスク25
に伝達するパワーローラ26とが設けられている。な
お、出力ディスク25は、スラストベアリング27によ
り回転自在に保持されている(固定部によって支持され
ている)。パワーローラ26は、詳しくは図示していな
いが、その軸線Jまわりに回転できるようになってい
る。そして、パワーローラ26は、その周面を入力ディ
スク24の凹状周面と出力ディスク25の凹状周面とに
当接させている。
【0019】ここで、入力ディスク24が回転すると、
これに伴ってパワーローラ26が軸線Jまわりに回転さ
せられ、さらにパワーローラ26によって出力ディスク
25が回転させられ、入力ディスク24のトルクが出力
ディスク25に伝達される。このとき、入力ディスク2
4から出力ディスク25へのトルク伝達における変速比
(トルク比)は、パワーローラ26と当接している位置に
おける出力ディスク25の半径r2と、パワーローラ2
6と当接している位置における入力ディスク24の半径
1の比r2/r1によって決定される。そして、詳しく
は図示していないが、パワーローラ26と両ディスク2
4、25との当接位置は、パワーローラ26の傾転角に
よって決まり、この傾転角を調節することによって、ハ
ーフトロイダルCVT23の変速比を、所定の範囲内で
任意に設定できるようになっている。つまり、ハーフト
ロイダルCVT23の変速比は、無段で自在に変化させ
ることができる。
【0020】そして、出力ディスク25のトルクすなわ
ちハーフトロイダルCVT23の出力トルクは、出力デ
ィスク25に同軸に取り付けられたCVT出力ギヤ28
と、該CVT出力ギヤ28と噛み合っている第1発進ク
ラッチギヤ29とを介して発進クラッチ30のインナデ
ィスクに伝達される。さらに、発進クラッチ30のアウ
タディスク(ケーシング)には第2発進クラッチギヤ3
1が取り付けられている。この第2発進クラッチギヤ3
1は、2つの中間ギヤ32、33を介して、差動装置3
5に取り付けられた差動装置入力ギヤ34と係合してい
る。かくして、出力ディスク25のトルクすなわちハー
フトロイダルCVT23の出力トルクは、発進クラッチ
30がオンされたときには駆動車軸36に伝達される。
なお、発進クラッチ30がオフされたときには、トルク
は伝達されない。
【0021】以下、基本的には図3〜図6に示すフロー
チャートを参照しつつ、コントロールユニットCUによ
って実行される、燃料噴射制御(空燃比制御)と変速比
制御とEGR制御とスロットル開度制御とを含む車両の
駆動制御の具体的な制御方法を説明する。まず、図7を
参照しつつ、本発明にかかる車両の駆動制御の基本概念
を説明する。この車両の駆動制御においては、ハーフト
ロイダルCVT23の変速比は、車両の走行状態ないし
は運転状態に基づいて制御される。EGR値(例えば、
EGR量、EGR率等)は、エンジントルクが所定の設
定値未満のときは所定値以上となるように制御され、エ
ンジントルクが設定値以上のときは所定値未満となるよ
うに制御される。
【0022】また、エンジントルクが基準トルクT1
満でありかつエンジン回転数が基準回転数Ne1未満で
ある領域I(リーンバーン領域)では、運転状態に応じ
て、空燃比(A/F)が理論空燃比(λ=1)よりも大
きくなる(λ>1)ように制御される。すなわち、リー
ンバーンが行われる。他方、エンジントルクが基準トル
クT1以上であるか又はエンジン回転数が基準回転数N
1以上である領域II(非リーンバーン領域)では、空
燃比(A/F)が理論空燃比以下(λ≦1)となるよう
に制御される。なお、図7中の領域III(領域Iに含ま
れる)は、耐EGR性が悪い領域を示している。
【0023】そして、変速比は、加速時にエンジン1の
運転状態が領域IIに入るのを抑制(防止)するように制
御される。これにより、加速時には空燃比(A/F)が
領域Iから領域IIに移行するのが抑制される。したがっ
て、加速時に空燃比(A/F)がリーンな状態から理論
空燃比ないしはリッチな状態に変化するのが抑制され、
トルクショックの発生が有効に防止される。また、空燃
比(A/F)がより長くリーンな状態に保持されるの
で、燃費性能が高められる。
【0024】具体的には、変速比は、例えばグラフG1
で示すように、加速時にエンジン1の運転状態が領域I
内において基準トルクT1近傍に至った後でエンジン回
転数が増大するように制御される。これにより、エンジ
ン1の運転状態を加速初期からトルクが大きい運転領域
に滞在させることができる。
【0025】また、変速比は、例えばグラフG2で示す
ように、緩やかな加速時にエンジン1の運転状態が領域
I内において基準トルクT1近傍に至る前に基準回転数
Ne1近傍に至ったときは、この後エンジン1の運転状
態が、エンジン1によって駆動される駆動車輪のトルク
(つまり、変速機の出力トルク)が、等トルクか、それ
より所定値だけの小トルク分だけ増大された状態で、が
基準トルクT1近傍に向かうように制御される。これに
より、良好な加速性を長時間にわたって確保することが
できる。なお、図7中の一点鎖線は、駆動車輪が等トル
クの場合の特性、すなわち等トルクラインを示してい
る。
【0026】さらに、変速比は、加速時にエンジン1の
運転状態が領域I内において基準トルク近傍で高回転側
に入っているときにさらに継続してトルク増大が要求さ
れたときには、エンジン1の運転状態が領域IIに移行す
るように制御される。これにより、トルク要求がとくに
強い場合には、トルクショックの防止に優先してトルク
確保が行われる。なお、図7では(後記の図9(c)も
同様)、運転状態をエンジン回転数とトルク(エンジン
トルク)とで表示しているが、トルク(エンジントル
ク)に代えて、アクセル開度、吸入エア量、負荷等を用
いてもよい。
【0027】以下、本発明にかかる車両の駆動制御の一
部をなす燃料噴射制御の制御方法を説明する。図3に示
すように、この燃料噴射制御では、まずステップS1で
各種データが入力された後、ステップS2でアクセル開
度αと車速Vとに基づいて目標トルクTrが設定(セッ
ト)される。ここで、目標トルクTrは、例えば図8
(a)に示すように、アクセル開度αが大きいときほ
ど、また車速Vが高いときほど大きくなるように設定さ
れる。
【0028】続いて、ステップS3で、ハーフトロイダ
ルCVT23の変速制御を考慮して、アクセル開度変化
量Δαに応じて目標トルクTrが、次の式1により、目
標エンジントルクTerに変換される。 Ter=k×Tr……………………………………………式1 式1において、kは変換係数であり、この変換係数k
は、例えば図8(b)に示すように、アクセル開度変化
量Δαに応じて設定される。なお、アクセル開度変化量
Δαが小さいときに(マイナス側)変換係数kを小さく
するのは、減速中は早めに低負荷にして燃費性能を高め
るためである。また、アクセル開度変化量Δαが大きい
ときに(プラス側)変換係数kを小さくするのは、高負
荷となって空燃比(A/F)がリッチとなるのを防止す
るためである。なお、この場合のトルク不足分は、ハー
フトロイダルCVT23で早めにエンジン回転数Neを
高めることにより補償される(トルクは確保される)。
【0029】次に、ステップS4で燃料噴射弁5の基本
噴射量PBASEが設定(セット)された後、ステップS5
でアクセル開度変化量Δαが、所定の基準アクセル開度
変化量Δα0より大きいか否かが判定される。ここで、
ΔαがΔα0よりも大きければ、すなわち急加速であれ
ば、ステップS6で噴射量補正値Paccに所定の正の値
Aがセットされる。つまり、空燃比(A/F)がほぼ理
論空燃比かこれよりもリッチとなるように、燃料噴射量
が増やされる。他方、ΔαがΔα0以下であれば、すな
わち急加速でなければ、ステップS7で噴射量補正値P
accに0がセットされる。
【0030】次に、ステップS8で、次の式2により燃
料噴射量PTが設定(セット)される。 PT=PBASE+Pacc……………………………………………式2 続いて、ステップS9で噴射時期が設定(セット)され
た後、ステップS10で噴射が実行され、今回のルーチ
ンは終了する(リターン)。
【0031】ここで、燃料噴射は、以下のように行われ
る。すなわち、図8(c)中の理論空燃比領域(λ=1
領域)では、燃料噴射は2回に分けられ、1回は吸入行
程〜圧縮行程前半に実行され(噴射量Pl、噴射時期I
l)、もう1回は圧縮行程後半に実行される(噴射量P
t、噴射時期It)。なお、燃料噴射を吸気行程で1回
だけ実行するようにしてもよい。
【0032】図8(c)中のリッチ領域では、燃料噴射
は吸気行程で1回だけ行われる(Pl及びIlセット、
Pt=0、It=0)。また、図8(c)中のリーン領
域では、燃料噴射は圧縮行程後半(後期)で1回だけ行
われる(Pt及びItセット、Pl=0、Il=0)。
この場合、点火プラグ7回りでは燃料が濃くなり、その
周辺では燃料が薄くなるように(ほほ空気となるよう
に)、すなわち燃料が成層化されるように、燃料噴射時
期が設定される。例えば、エンジン回転数、燃料噴射量
又は目標トルクが大きいときほど、燃料噴射時期が進角
される。ここで、燃料噴射時期を固定してもよい。な
お、急加速時、すなわちΔαがΔα0よりも大きいとき
は、全燃料が吸気行程で噴射される。
【0033】以下、本発明にかかる車両の駆動制御の一
部をなす変速比制御の制御方法を説明する。図4に示す
ように、この変速比制御では、まずステップS11で各
種データが入力される。続いて、ステップS12で、例
えば図9(a)に示すような変速マップを用いて、エン
ジン回転数Neと車速Vとに基づいて、基本変速比R
BASEが設定(セット)される。
【0034】次に、ステップS13で、アクセル開度変
化量Δαが基準アクセル開度変化量Δα0より大きいか
否かが判定される。ここで、ΔαがΔα0よりも大きけ
れば、すなわち急加速であれば、ステップS27で、基
本変速比RBASEが最終変速比R Tとされる。他方、Δα
がΔα0以下であれば、ステップS14で、アクセル開
度変化量Δαがほぼ0であるか否かが判定され、Δαが
ほぼ0であれば、すなわちほぼ定常状態であれば、前記
のステップS27が実行される。ステップS27が実行
された後は、後で説明するステップS26が実行され
る。
【0035】他方、Δαがほぼ0でなければ、すなわち
普通の加速、減速であれば、ステップS15で変速比補
正値mが設定(セット)される。この変速比補正値m
は、例えば図9(b)に示すように、アクセル開度変化
量Δαに応じて設定される。なお、アクセル開度変化量
Δαが小さいときに(マイナス側)変速比補正値mを大
きくするのは、減速中は早めに低負荷にして燃費性能を
高めるためである。また、アクセル開度変化量Δαが大
きいときに(プラス側)変速比補正値mを大きくするの
は、変速比を早めに高めてエンジン回転数を上昇させる
ためである。
【0036】次に、ステップS16で、エンジン1の運
転状態が判定される。続いて、ステップS17で、エン
ジン1の運転状態が、図9(c)中のAゾーンに入って
いるか否かが判定される。このAゾーンは、加速時に残
留EGRにより燃費性能の低下あるいは失火の発生が惹
起されやすい領域をやや低負荷側に拡張した領域であ
る。エンジン1の運転状態がAゾーンに入っていれば、
ステップS18で変速比補正値mが所定値aだけ加算さ
れる。これは、エンジン回転数を迅速に高めてエンジン
1の運転状態が、残留EGRにより燃費性能の低下ない
しは失火の発生が惹起されやすい領域に入るのを防止す
るためである。
【0037】他方、エンジン1の運転状態がAゾーンに
入っていなければ、ステップS19で、加速開始後所定
時間以内(例えば、0.5秒以内あるいは1秒以内)で
あるか否かが判定される。そして、加速開始後所定時間
内であれば、ステップS20で、エンジン1の運転状態
が、図9(c)中のBゾーンに入っているか否かが判定
される。このBゾーンは、耐EGR性の悪い領域(前記
の図7中の領域III)の低負荷側の一部を低回転側に拡
張したものである。エンジン1の運転状態がBゾーンに
入っていれば、ステップS21で変速比補正値mが所定
値bだけ減算される。これは、エンジン負荷迅速に高め
ることによってエンジン回転数の上昇を抑制し、エンジ
ンの運転状態が、耐EGR性の悪い領域に入るのを防止
するためである。
【0038】エンジン1の運転状態がBゾーンに入って
いなければ、ステップS22で、エンジン1の運転状態
が、図9(c)中のCゾーンに入っているか否かが判定
される。このCゾーンは、非リーンバーン領域(前記の
図7中の領域III)を基準回転数Ne1よりも低回転側に
やや拡張したものである。エンジン1の運転状態がCゾ
ーンに入っていれば、ステップS23で変速比補正値m
が所定値cだけ減算される。これは、エンジン回転数を
低下させ(すなわち、エンジントルクを駆動車輪の等ト
ルクラインにほぼ沿うように、あるいはこのラインより
も駆動車輪のトルクが上昇するように変化させ)、エン
ジン1の運転状態が高回転側で非リーンバーン領域に入
るのを防止するためである。これにより、エンジン1の
運転状態は、例えば矢印J1で示すように移行させられ
る。
【0039】このように、変速比補正値mが修正された
後、ステップS24でこの変速比補正値mに対してなま
し処理が施される。これは、急激なアクセル操作に対し
て、変速比の変化あるいはエンジントルクの変化(つま
り、最終的なトルク変化)が追従できるようにするため
である。
【0040】次に、ステップS25で、次の式3によ
り、最終変速比が設定され、続いてステップS26で変
速比が調整され(変化させられ)、今回のルーチンは終
了する(リターンする)。 RT=RBASE×m……………………………………………………式3 なお、変速比の調整は、ライン圧制御により、トラニオ
ンを調整してパワーローラ26を傾転させることにより
行われる。
【0041】以下、本発明にかかる車両の駆動制御の一
部をなすEGR制御の制御方法を説明する。図5に示す
ように、このEGR制御では、まずステップS31で各
種データが入力される。次に、ステップS32で、例え
ば図10(a)〜(c)に示すようなEGRマップを用
いて目標EGR率EGRBASEが設定(セット)され、続
いてステップS33で、目標EGR率EGRBASEに応じ
てEGR弁18が駆動され、今回のルーチンは終了する
(リターンする)。
【0042】ここで、図10(b)及び図10(c)
は、それぞれ、図10(a)に示すマップのA−A線断
面プロフィールを及びB−B線プロフィールを示してい
る。また、図(b)及び図10(c)中のE1〜E5は、
それぞれ、図10(a)に示すマップ中の領域E1〜E5
に対応する。なお、領域E3は、前記の領域IIに相当す
る。
【0043】以下、本発明にかかる車両の駆動制御の一
部をなすスロットル開度制御の制御方法を説明する。図
6に示すように、このスロットル開度制御では、まずス
テップS41で各種データが入力される。次に、ステッ
プS42で、例えば図11(a)〜(c)に示すような
スロットル開度マップを用いて目標スロットル開度Tv
BASEが設定(セット)され、続いてステップS43で、
目標スロットル開度TvBASEに応じてスロットル弁15
(エレキスロットル弁)が駆動され、今回のルーチンは
終了する(リターンする)。
【0044】ここで、図11(b)及び図11(c)
は、それぞれ、図11(a)に示すマップのC−C線断
面プロフィールを及びD−D線プロフィールを示してい
る。また、図11(b)及び図11(c)中のF1〜F3
は、それぞれ、図11(a)に示すマップ中の領域F1
〜F3に対応する。
【0045】以上、本発明によれば、加速時に空燃比が
リーンな状態から理論空燃比ないしはリッチな状態に変
化するのが抑制され、トルクショックの発生が有効に防
止される。また、空燃比がより長くリーンな状態に保持
されるので、燃費性能が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる駆動制御装置を備えた車両に
搭載されるガソリンエンジンのシステム構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンから車両の駆動車軸への
トルク伝達機構を示すスケルトン図である。
【図3】 燃料噴射制御の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図4】 変速比制御の制御方法を示すフローチャート
である。
【図5】 EGR制御の制御方法を示すフローチャート
である。
【図6】 スロットル開度制御の制御方法を示すフロー
チャートである。
【図7】 図1に示すエンジンの、加速時における運転
状態の移行態様を示す図である。
【図8】 (a)は目標トルクの、アクセル開度及び車
速に対する依存特性を示す図であり、(b)は変換係数
kのΔαに対する依存特性を示す図であり、(c)は空
燃比の、目標エンジントルク及びエンジン回転数に対す
る依存特性を示す図である。
【図9】 (a)は変速比の制御特性を示す図であり、
(b)は補正値mのΔαに対する依存特性を示す図であ
り、(c)は図1に示すエンジンの、加速時における運
転状態の移行態様を示す図である。
【図10】 (a)は目標EGR率の、目標エンジント
ルク及びエンジン回転数に対する依存特性を示す図であ
り、(b)は目標EGR率の目標エンジントルクに対す
る依存特性を示す図であり、(c)は目標EGR率のエ
ンジン回転数に対する依存特性を示す図である。
【図11】 (a)は空燃比の、目標エンジントルク及
びエンジン回転数に対する依存特性を示す図であり、
(b)はスロットル開度の目標エンジントルクに対する
依存特性を示す図であり、(c)はスロットル開度のエ
ンジン回転数に対する依存特性を示す図である。
【符号の説明】
CU…コントロールユニット、1…ガソリンエンジン、
2…吸気弁、3…吸気通路、4…燃焼室、5…燃料噴射
弁、6…ピストン、7…点火プラグ、8…排気弁、9…
排気通路、15…スロットル弁、17…EGR通路、1
8…EGR制御弁、23…ハーフトロイダルCVT。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 305 F02D 41/02 305 335 335 // F16H 59:34 F16H 59:34 59:68 59:68 59:74 59:74 63:06 63:06 (72)発明者 黒木 雅之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 中山 佳映 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA19 AA21 AA35 AB01 AC19 AD03 AD10 AD37 AD51 AE31 AF01 3G093 AA01 AA05 BA02 BA19 CB01 CB06 DA06 DB05 EB03 3G301 HA01 HA15 JA02 JA04 KA12 LB04 LB11 LC10 MA18 NB06 NB20 NC02 ND02 PA11Z PF01Z PF03Z PF08Z 3J552 MA09 MA13 MA15 NA01 NB02 PA14 PA21 RB15 SB02 UA07 VB01Z VC01W VC02Z VC03Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから出力される動力を変速して
    車輪に伝達する一方、該変速の変速比を変えることがで
    きるようになっている自動変速機と、 車両の走行状態に基づいて上記変速比を制御する変速比
    制御手段とが設けられている、エンジンを搭載した車両
    の駆動制御装置において、 エンジンの運転状態に応じて、エンジン負荷が所定の基
    準負荷未満でありかつエンジン回転数が所定の基準回転
    数未満である第1運転領域では空燃比を理論空燃比より
    も大きい値に設定する一方、エンジン負荷が上記基準負
    荷以上であるか又はエンジン回転数が上記基準回転数以
    上である第2運転領域では空燃比を理論空燃比以下の値
    に設定する空燃比制御手段が設けられ、 上記変速比制御手段が、加速時にエンジンの運転状態が
    上記第2運転領域に入るのを抑制するように変速比を制
    御するようになっていることを特徴とするエンジンを搭
    載した車両の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 上記変速比制御手段が、加速時にエンジ
    ンの運転状態が上記第1運転領域内において上記基準負
    荷近傍に至った後でエンジン回転数が増大するように変
    速比を制御するようになっていることを特徴とする、請
    求項1に記載のエンジンを搭載した車両の駆動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 上記変速比制御手段が、加速時にエンジ
    ンの運転状態が上記第1運転領域内において上記基準負
    荷近傍に至る前に上記基準回転数近傍に至ったときは、
    この後エンジンの運転状態が上記基準負荷近傍に向かう
    ように変速比を制御するようになっていることを特徴と
    する、請求項1に記載のエンジンを搭載した車両の駆動
    制御装置。
  4. 【請求項4】 上記エンジンが、燃焼室に臨んで配置さ
    れた燃料噴射弁を備えているガソリンエンジンであっ
    て、 上記空燃比制御手段が、上記第1運転領域では圧縮行程
    後期でのみ燃料が噴射され、上記第2運転領域では少な
    くとも吸気行程から圧縮行程前期にかけての期間に燃料
    が噴射されるように、上記燃料噴射弁を制御するように
    なっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    1つに記載のエンジンを搭載した車両の駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 上記変速比制御手段が、加速時にエンジ
    ンの運転状態が上記第1運転領域内において上記基準負
    荷近傍で高回転側に入っているときに、さらに継続して
    トルク増大が要求されたときには、エンジンの運転状態
    が上記第2運転領域に移行するように変速比を制御する
    ようになっていることを特徴とする、請求項1〜4のい
    ずれか1つに記載のエンジンを搭載した車両の駆動制御
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9561802B2 (en) 2014-06-05 2017-02-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for vehicle

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