JP2002106651A - 遊星歯車式変速装置 - Google Patents

遊星歯車式変速装置

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JP2002106651A
JP2002106651A JP2000300023A JP2000300023A JP2002106651A JP 2002106651 A JP2002106651 A JP 2002106651A JP 2000300023 A JP2000300023 A JP 2000300023A JP 2000300023 A JP2000300023 A JP 2000300023A JP 2002106651 A JP2002106651 A JP 2002106651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三段以上に変速することが可能な遊星歯車式
変速装置を提供する。 【解決手段】 第1の遊星歯車機構10のリングギヤ1
3と、第2の遊星歯車機構20のリングギヤ23に対し
て速度切替用の第1のボール16を選択的に係合してそ
の回転を阻止することによって、2通りの変速(減速)
を可能とした第1の二段変速機構50を構成する。ま
た、第1の二段変速機構50に対して、第3と第4の遊
星歯車機構30,40及び速度切替用の第2のボール3
6から構成される第2の二段変速機構60を軸方向に並
列に組み合わせることによって4段変速を可能とした遊
星歯車式変速装置100を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電気ドリル
等の電動工具に適用され、電動モータの回転を減速して
出力することが可能な遊星歯車式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動工具に用いられている遊星歯車式変
速装置は、例えば特許公報第2530638号に記載さ
れている。上記公報記載の変速装置は、遊星歯車式の二
段変速機構であって、遊星歯車機構における第1リング
ギヤと第2リングギヤとの固定と解放(フリー)を選択
的に行わせることによって、二段変速を可能としたもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電動工具の場合、通常
の作業であれば、上記のような遊星歯車式の変速装置に
よる低トルク高回転と、高トルク低回転との二段変速で
充分に対応できるものであるが、作業状況によっては、
低トルク高回転と、高トルク低回転との二段変速では、
対応し難いことがあり、必ずしも電動モータの能力を有
効に使用しているとは言い難い。すなわち、電動工具を
用いて、例えば孔開け、ネジ締め等の作業を行うに当た
っては、二段以上の変速を必要とすることがあり、公報
記載の遊星歯車式変速装置では、この変速要求に応えら
れなかった。
【0004】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、三段以
上に変速することが可能な遊星歯車式変速装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る遊星歯車式変速装置は、特許請求の範
囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。すなわち、
請求項1に記載の発明においては、二組の遊星歯車機構
と、その二組の遊星歯車機構におけるリングギヤのうち
のいずれか一方の回転を選択的に阻止する係止部材とに
よって二段変速機構を構成し、その二段変速機構を複数
軸方向に並設している。そして、軸方向に並設される二
段変速機構のうち、軸方向一端の二段変速機構における
サンギヤを入力軸に連結し、軸方向他端の二段変速機構
におけるキャリアを出力軸に連結し、更に隣接する二段
変速機構相互については、一方の二段変速機構における
遊星ギヤを支持するキャリアを他方の二段変速機構にお
けるサンギヤに連結したものである。従って、請求項1
に記載の発明によれば、各二段変速機構における係止部
材によるリングギヤの回転阻止を選択することによっ
て、四段以上でかつ2n段の変速が可能な遊星歯車式変
速装置を提供することができる。
【0006】また、請求項2に記載の発明においては、
前記各二段変速機構毎に備えられる係止部材がリングギ
ヤに選択的に係合又は離脱することによって回転を阻止
又は許容する構成とされ、係止部材は、操作部材の周方
向への回動操作によってリングギヤに対する係合・離脱
が切り替えられる構成となっている。従って、請求項2
の発明によれば、係止部材の切り替えのための操作部材
の操作領域が軸方向については不要となる。このため、
例えば電気ドリル等の電動工具に適用した場合には、機
長の短縮化を図る上で有利となる。
【0007】また、請求項3に記載の発明においては、
係止部材がギヤケースに対して軸方向にスライド可能に
取り付けられるとともに、前記ギヤケースに周方向に移
動可能に配置された回動リングと連携されており、そし
て、回動リングの周方向への移動操作に基づいて軸方向
へスライドされてリングギヤに対する係合・離脱が切り
替えられる構成となっている。このため、コンパクトな
構造の変速操作機構を達成することができる。
【0008】また、請求項4に記載の発明においては、
係止部材をボールから構成し、そのボールは回動リング
に設けた案内溝に係合され、回動リングの周方向への移
動に伴い案内溝を介して軸方向へ移動される構成となっ
ている。従って、請求項4に記載の発明によれば、回動
リングの周方向動作をボールの軸方向のスライド動作と
して円滑に変換するできることは勿論のこと、特に回動
リングの移動方向に対してボールの移動方向を自由に設
定することができる。すなわち、回動リングの移動方向
とボールの移動方向との間には、特定の制約を受けるも
のではないから、二段変速機構毎に備えられるボールに
対応した複数の案内溝を有する単一の回動リングを備え
ることによって、速度の切替操作を単一の操作部によっ
て行うことができる。
【0009】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項1〜4のいずれかに記載の発明が有する特徴を備え
た電動工具を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施の形態は、電動工具の一つ
である電気ドリルに適用したものである。図1は電気ド
リルにおける内部構造を示す縦断面図であり、遊星歯車
式変速装置が主体に示されている。図2は変速操作部を
主体に示す横断面図であり、図3は速度切替用の回動リ
ングの一部を展開して示す図である。図4〜図7は1速
〜4速の変速状態説明用の断面図である。
【0011】図1に示す電気ドリル1は、概ね円筒形状
に形成されたハウジング2を有しており、そのハウジン
グ2内に駆動源としての電動モータ3及び該電動モータ
3の回転を減速して出力する遊星歯車式変速装置100
が機長方向(図示左右方向)に横並びに内蔵されてい
る。次に、遊星歯車式変速装置100を説明する。本実
施の形態に係る遊星歯車式変速装置100は、二組の遊
星歯車機構を組み合わせて1つの二段変速機構を構成
し、更にその二段変速機構を軸方向に二組横並びに配置
することによって、1速〜4速までの四段の変速ができ
るように構成したものである。遊星歯車式変速装置10
0は、軸方向(機長方向)に横並びに配置される合計四
組の遊星歯車機構10,20,30,40を備えてい
る。そして、各組の遊星歯車機構10,20,30,4
0は、それぞれサンギヤ11,21,31,41、その
サンギヤ11,21,31,41に噛み合う遊星ギヤ1
2,22,32,42及びサンギヤ11,21,31,
41と同心で遊星ギヤ12,22,32,42が噛み合
うリングギヤ13,23,33,43の組み合わせによ
って構成されている。なお、以下の説明では、遊星歯車
機構10,20,30,40について、電動モータ3に
近い方(図示左側)から順に第1、第2、第3、第4の
遊星歯車機構といい、またその構成部材であるサンギヤ
11,21,31,41、遊星ギヤ12,22,32,
42及びリングギヤ13,23,33,43について
も、同様とする。
【0012】軸方向の一端(図示左端)に配置される第
1の遊星歯車機構10におけるサンギヤ11が電動モー
タ3の出力軸3aに連結されている。すなわち、電動モ
ータ3の出力軸3aが、遊星歯車式変速装置100の入
力軸となっており、従って、以下の説明では、電動モー
タ3の出力軸3aを入力軸3aという。第1のサンギヤ
11と、第2のサンギヤ21とは一体に形成されてい
る。また、第1の遊星ギヤ12と、第2の遊星ギヤ22
とは共通の軸15に個々に回転可能に取り付けられてい
る。
【0013】更に第1のリングギヤ13及び第2のリン
グギヤ23は、円筒形に形成されたギヤケース101に
対して個々に回動可能に支持されるとともに、ギヤケー
ス101に周方向への移動不能に支持されるボール(鋼
球)16によってその回転が選択的に阻止されるように
なっている。すなわち、第1及び第2のリングギヤ1
3,23の外周面には、図2に示すように、歯車の如き
凹凸が形成され、一方、ギヤケース101の内周面に
は、軸方向(機長方向)に沿って断面半球状のスライド
溝102が形成されている。そして、スライド溝102
にボール16が係合して周方向の移動を拘束された状態
で軸方向にスライドすることによって、第1と第2のリ
ングギヤ13,23のいずれか一方のリングギヤの凹部
17に係合することによって回転を阻止し、他方のリン
グギヤの凹部17から離脱することで回転を許容するよ
うになっている。このボール16が速度切替用として機
能するものであり、本発明でいう係止部材に対応する。
【0014】従って、第1のリングギヤ13がボール1
6の係合によって回転を阻止されたときは、入力軸3a
から入力される回転は、第1の遊星歯車機構10を経て
出力され、第2のリングギヤ23がボール16の係合に
よって回転を阻止されたときは、第2の遊星歯車機構2
0を経て出力されることになる。なお、ボール16が離
脱された側の遊星歯車機構は入力に対して空転する。こ
のように、第1と第2の二組の遊星歯車機構10,20
及び速度切替用のボール16によって、二通り、つまり
二段に変速が可能な第1の二段変速機構50が構成され
る。なお、第1の二段変速機構50におけるボール16
(以下、第1のボールという)は、同一円周上に少なく
とも1個(図は2個の場合を示す)配設される。
【0015】また、第3の遊星歯車機構30と、第4の
遊星歯車機構40及び速度切替用のボール36とによっ
て、第1の二段変速機構50と同様な構成の第2の二段
変速機構60が構成されている。すなわち、第3の遊星
歯車機構30におけるサンギヤ31と、第4の遊星歯車
機構40におけるサンギヤ41とは一体に形成され、ま
た、第3のサンギヤ31には第1及び第2の遊星ギヤ1
2,22の軸15を支持するキャリア18が一体に形成
されている。更に第3の遊星ギヤ32及び第4の遊星ギ
ヤ42が共通の軸35によって個々に回転可能に支持さ
れ、その軸35が出力軸37に固着されたキャリア19
によって支持されている。この出力軸37は、遊星歯車
式変速装置100の出力軸であると同時に、電気ドリル
1の出力軸でもある。出力軸37は入力軸3aと同一軸
線上においてギヤケース101によって回転可能に支持
されるとともに、ギヤケース101内では第3及び第4
の遊星ギヤ32,42及びキャリア18を回転可能に支
持し、ギヤケース101から突出される先端には図示省
略のドリル(先端工具)が装着されるようになってい
る。
【0016】また、第2の二段変速機構60における速
度切替用のボール36(以下、第2のボールという)
は、ギヤケース101に設けた前述のスライド溝102
に係合されており、軸方向に移動することによって、第
3のリングギヤ33の外周面と第4のリングギヤ43の
外周面に形成された凹部17に対して選択的に係合・離
脱することによって一方の回転を阻止し、他方の回転を
許容するものであり、本発明でいう係止部材に対応す
る。
【0017】従って、上記のように構成された第2の二
段変速機構60は、第3のリングギヤ33が回転を阻止
されたときは、前述の第1の二段変速機構50からキャ
リア18を経て入力される回転を第3の遊星歯車機構3
0からキャリア19を経て出力軸37へ出力し、第4の
リングギヤ43が回転を阻止されたときは、第4の遊星
歯車機構40を経て出力することになる。なお、第2の
二段変速機構60のボール16も同一円周上に少なくと
も1個配設される。
【0018】すなわち、本実施の形態における遊星歯車
式変速装置100は、二組の二段変速機構50,60を
直列に連携したものであり、そして、第1〜第4の遊星
歯車機構10〜40に係る各ギヤ11〜13,21〜2
3,31〜33,41〜43の歯数及び各遊星歯車機構
10〜40毎のギヤ比については、図9に示す如く設定
されている。
【0019】次に、速度切替用の第1と第2のボール1
6,36の係合・離脱を操作することによって出力軸3
7の回転速度を4段に切り替える変速操作機構70を説
明する。この変速操作機構70は第1及び第2のボール
16,36をスライド溝102に沿って案内するガイド
部材としての回動リング71と、その回動リング71を
周方向に移動操作(回動操作)するための操作部材を構
成する操作プレート72とからなる。図2に示すよう
に、回動リング71は、第1〜第4のリングギヤ13,
23,33,43の外周面と、ギヤケース101の内周
面との間に配置され、軸方向の動きを規制された状態で
周方向に移動可能とされている。操作プレート72は、
半リング状に形成されるとともに、ギヤケース101の
外周面とハウジング2の内壁面との間において、該ハウ
ジング2の内壁面側に形成された凹所2bに周方向への
移動可能に配置されている。そして、回動リング71の
外面側には、ギヤケース101及びハウジング2に設け
た開口2aから突出する突起71aが設けられ、その突
起71aが操作プレート72に形成された摘み72aの
凹部に嵌め込まれて結合されている。このため、操作プ
レート72と回動リング71とは、周方向へ一体的に移
動することになる。
【0020】また、回動リング71は、第1及び第2の
ボール16,36が係合する軸方向に配列される2列の
案内溝73,74を有する。この案内溝73,74は、
図3に示すように、回動リング71が周方向へ移動され
たとき、ボール16,36を軸方向へ移動させ得る形
状、すなわち、1速位置、2速位置、3速位置、4速位
置へ順次移動できる形状に設定されている。一方、ハウ
ジング2の内壁面には、操作プレート72を変速操作位
置に保持するための1速位置〜4速位置に対応する4個
の凹部2cが周方向に所定間隔で形成され、この凹部2
cに対して、操作プレート72の一端に設けた凸部72
bが係合することによって操作プレート72を変速操作
位置に保持するようになっている。図2には2速位置に
操作された状態が示されている。なお、変速操作位置
は、図3に示す如く、ハウジング2の外表面に数的に表
示され、作業者が目で確認可能となっている。
【0021】本実施の形態は上記のように構成したもの
であり、以下、その変速態様を説明する。図4には操作
プレート72が1速位置に操作された状態が示されてい
る。この状態では、第1の二段変速機構50において
は、ボール16が第2のリングギヤ23の凹部17に係
合してその回転を阻止しており、また、第2の二段変速
機構60においては、ボール36が第4のリングギヤ4
3の凹部17に係合してその回転を阻止している。従っ
て、入力軸3aから入力される回転は、第2の遊星歯車
機構20からキャリア18、第4の遊星歯車機構40、
キャリア19を経て出力軸37に出力される。このと
き、出力軸37は、第2の遊星歯車機構20のギヤ比に
第4の遊星歯車機構40のギヤ比を乗じた1/39.5
5の減速比で回転される。
【0022】また、図5には2速位置へ操作された状態
が示されている。2速位置では、第1のボール16が第
2のリングギヤ23の凹部17に係合され、第2のボー
ル36が第3のリングギヤ33の凹部17に係合されて
いる。従って、この場合には、入力軸3aから入力され
る回転は、第2の遊星歯車機構20からキャリア18、
第3の遊星歯車機構30、キャリア19を経て出力軸3
7に出力される。このとき、出力軸37は、第2の遊星
歯車機構20のギヤ比に第3の遊星歯車機構30のギヤ
比を乗じた1/22.78の減速比で回転される。
【0023】また、図6には3速位置へ操作された状態
が示されている。この場合には、第1のボール16が第
1のリングギヤ13の凹部17に係合され、第2のボー
ル36が第4のリングギヤ43の凹部17に係合されて
いる。従って、入力軸3aから入力される回転は、第1
の遊星歯車機構10からキャリア18、第4の遊星歯車
機構40、キャリア19を経て出力軸37に出力され
る。このとき、出力軸37は、第1の遊星歯車機構10
のギヤ比に第4の遊星歯車機構40のギヤ比を乗じた1
/14.40の減速比で回転される。
【0024】更に図7には4速位置へ操作さた状態が示
されている。この4速位置では、第1のボール16が第
1のリングギヤ13の凹部17に係合され、第2のボー
ル36が第3のリングギヤ33の凹部17に係合されて
いる。従って、入力軸3aから入力される回転は、第1
の遊星歯車機構10からキャリア18、第3の遊星歯車
機構30、キャリア19を経て出力軸37に出力され
る。このとき、出力軸37は、第1の遊星歯車機構10
のギヤ比に第3の遊星歯車機構30のギヤ比を乗じた1
/8.29の減速比で回転される。
【0025】このように、本実施の形態に係る遊星歯車
式変速装置100によれば、電気ドリル1のドリル回転
を、低速回転・高トルクから中トルク・中速回転の領域
を経て高速回転・低トルクまでの4段階に変速できる。
このため、作業状況に応じてドリルの回転速度を適宜切
り替えることによって効率よく孔開け作業を実施するこ
とができる。特に、本実施の形態においては、二組の二
段変速機構50,60を直列に連携したことによって、
減速比の高い遊星歯車式変速装置100を提供すること
ができる。
【0026】また、本実施の形態においては、操作プレ
ート72の周方向への回動操作によって切り替える構成
としたので、操作プレート72の操作領域が軸方向につ
いては不要となる。このため、電気ドリル1における機
長の短縮化を図る上で有利となる。また、第1及び第2
のボール16,36がギヤケース101に対して軸方向
にスライド可能に取り付けられ、回動リング71の周方
向への移動操作に基づいて軸方向へスライドされてリン
グギヤ13,23,33,43に対する係合・離脱が切
り替えられる構成となっているため、コンパクトな構造
の変速操作機構を達成することができる。
【0027】また、ボール16,36が回動リング71
に設けた案内溝73,74に係合され、回動リング71
の周方向への移動に伴い案内溝73,74を介して軸方
向へ移動される構成としたので、回動リング71の周方
向動作をボール16,36の軸方向のスライド動作とし
て円滑に変換するできることは勿論のこと、特に回動リ
ング71の移動方向に対してボール16,36の移動方
向を自由に設定することができる。すなわち、回動リン
グ71の移動方向とボール16,36の移動方向との間
には、特定の制約を受けるものではないから、二段変速
機構50,60毎に備えられる各ボール16,36に対
応した複数の案内溝73,74を有する単一の回動リン
グ71を備えることによって、変速操作は、単一の操作
プレート72によって行うことができる。
【0028】また、本実施の形態においては、図9に示
すように、ボール16,36の係合・離脱用として、リ
ングギヤ13,23,33,43の外周に形成される歯
車状の凹凸部を、幅方向の約半分の領域に限って設定し
ている。すなわち、隣接する第1と第2のリングギヤ1
3,23の対向面側及び第3と第4のリングギヤ33,
43の対向面側には、ボール16,36がリングギヤの
いずれの凹部17にも係合しない非係合領域17aを設
定している。このため、第1のボール16が第1と第2
のリングギヤ13,23に対して、また第2のボール3
6が第3と第4のリングギヤ33,43に対して同時に
係合することが回避され、回転中に変速操作した場合の
トラブルを防止することができる。
【0029】なお、本発明は、図示の実施の形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適
宜変更してもよい。例えば、リングギヤ13,23,3
3,43の凹部17に係合・離脱する係止部材としての
ボール16,36は、コロのようなものに変更すること
が可能である。また、本実施の形態では、変速操作部を
回動リング71によって構成し、その周方向の移動によ
ってボール16,36を軸方向に移動させる構成とした
が、変速操作部による変速操作は、軸方向の移動によっ
て行う構成に変更してもよい。また、二段変速機構5
0,60毎に変速操作部を備えてもよい。また、歯数及
びギヤ比は、あくまでも一例を示したに過ぎず、必要に
応じて適宜変更されることは当然である。
【0030】また、リングギヤ13,23,33,43
に対する係止部材の係脱方式は、側方からのスライド動
作による方式に限らず、外周面に対して、例えばピンを
径方向から抜き差しすることによって係脱する方式に変
更することが可能である。或いは、隣接し合う第1と第
2のリングギヤ13,23間又は第3と第4のリングギ
ヤ33,43間に、両側面に歯を有するストッパリング
を周方向の動きを拘束した状態で軸方向に移動可能に取
り付け、その歯をリングギヤの側面に設けた歯に噛み合
わせる方式に変更することも可能である。
【0031】また、二組の遊星歯車機構からなる一組の
二段変速機構を軸方向に二組並設し、それを直列に連携
することによって四段変速機構を構成したが、更に一組
の二段変速機構を追加すれば、23=八段変速機構を構
成することが可能である。要するに、二組の遊星歯車機
構からなる二段段変速機構を複数組み合わせによって、
四段以上から2n段までの変速が可能な遊星歯車式変速
装置を提供することができる。また、電動工具の一例と
して電気ドリル1を例示したが、本発明に係る遊星歯車
式変速装置100は、インパクトドライバ等その他の電
動工具の減速装置として広く適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
三段以上に変速することが可能な遊星歯車式変速装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気ドリルにおける内部構造を示す縦断面図で
ある。
【図2】変速操作部を主体に示す横断面図である。
【図3】速度切替用の回動リングの一部を展開して示す
図である。
【図4】1速の切替状態を示す説明図である。
【図5】2速の切替状態を示す説明図である。
【図6】3速の切替状態を示す説明図である。
【図7】4速の切替状態を示す説明図である。
【図8】遊星歯車機構の各ギヤの歯数及び遊星歯車機構
毎のギヤ比を示す図である。
【図9】ボールのリングギヤに対する非係合領域の説明
図である。
【符号の説明】
1 電気ドリル 10,20,30,40 遊星歯車機構 11,21,31,41 サンギヤ 12,22,32,42 遊星ギヤ 13,23,33,43 リングギヤ 16,36 ボール(係止部材) 17 凹部 18 キャリア 19 キャリア 50,60 二段変速機構 70 変速操作機構 71 回動リング 72 操作プレート 73,74 案内溝 100 遊星歯車式変速装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンギヤ、そのサンギヤに噛み合う遊星
    ギヤ及びサンギヤと同心で遊星ギヤが噛み合うリングギ
    ヤの組み合わせによって構成されるとともに軸方向に並
    設された二組の遊星歯車機構と、前記二組の遊星歯車機
    構における回転可能なリングギヤのうちの一つの回転を
    選択的に阻止する係止部材とによって構成される二段変
    速機構を軸方向に複数備えており、前記複数の二段変速
    機構のうち、軸方向の一端に配置される二段変速機構の
    サンギヤを入力軸に連結し、軸方向の他端に配置される
    二段変速機構における遊星ギヤを支持するキャリアを出
    力軸に連結し、隣接する二段変速機構相互間にあって
    は、一方の二段変速機構における遊星ギヤを支持するキ
    ャリアを他方の二段変速機構におけるサンギヤに連結し
    た遊星歯車式変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遊星歯車式変速装置で
    あって、前記各二段変速機構毎に備えられる係止部材
    は、リングギヤに対して係合又は離脱することで該リン
    グギヤの回転を阻止又は許容する構成とされ、係止部材
    のリングギヤに対する係合・離脱の切り替えは、周方向
    への回動操作可能に設けられた操作部材によって操作さ
    れる構成とした遊星歯車式変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の遊星歯車式変速装置で
    あって、前記係止部材は、ギヤケースに対して軸方向に
    スライド可能に取り付けられるとともに、前記ギヤケー
    スに周方向に移動可能に配置された回動リングと連携さ
    れており、該回動リングの周方向への移動に基づいて軸
    方向へ移動されてリングギヤに係合又は離脱される構成
    とした遊星歯車式変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の遊星歯車式変速装置で
    あって、前記係止部材がボールからなり、前記回動リン
    グにはボールと係合して該回動リングの周方向の移動に
    伴いボールを軸方向へ案内する案内溝が形成されている
    遊星歯車式変速装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の遊星歯
    車式変速装置を備えた電動工具。
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