JPH0942390A - 遊星変速装置 - Google Patents
遊星変速装置Info
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- JPH0942390A JPH0942390A JP7190776A JP19077695A JPH0942390A JP H0942390 A JPH0942390 A JP H0942390A JP 7190776 A JP7190776 A JP 7190776A JP 19077695 A JP19077695 A JP 19077695A JP H0942390 A JPH0942390 A JP H0942390A
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- gears
- ring gear
- ring
- gear
- planetary
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リングギアのスラスト面における摺動抵抗を
低減して出力効率を高める。 【解決手段】 同一の遊星キャリア4によって支持され
るとともに夫々異なるサンギア11,12とリングギア
31,32とに噛合する2種の遊星ギア21,22を備
え、共に遊転自在とされている上記2種のリングギア3
1,32の選択的回転固定によって変速を行う遊星変速
装置であり、上記リングギア31,32のスラスト面に
摺動抵抗低減部を設けている。摺動抵抗低減部として
は、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸部37を
用いることができる。摺動抵抗に基づく機構損失を少な
くして出力効率を高くすることができる。
低減して出力効率を高める。 【解決手段】 同一の遊星キャリア4によって支持され
るとともに夫々異なるサンギア11,12とリングギア
31,32とに噛合する2種の遊星ギア21,22を備
え、共に遊転自在とされている上記2種のリングギア3
1,32の選択的回転固定によって変速を行う遊星変速
装置であり、上記リングギア31,32のスラスト面に
摺動抵抗低減部を設けている。摺動抵抗低減部として
は、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸部37を
用いることができる。摺動抵抗に基づく機構損失を少な
くして出力効率を高くすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遊星変速装置、殊に
リングギアの回転の阻止によって変速を行う遊星変速装
置に関するものである。
リングギアの回転の阻止によって変速を行う遊星変速装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速装置には各種構造のものがあるが、
一般的には入力軸から出力軸に至るまでのギアの組み合
わせの変更によって減速比が異なる出力を取り出すこと
ができるようにしたものが用いられており、特に電動ド
リルドライバーのような電動工具においては、入力軸と
出力軸とを同心に配置することができるとともに得られ
る減速比に比してコンパクトにまとめることができる遊
星機構を用いた遊星変速装置が多用されている。
一般的には入力軸から出力軸に至るまでのギアの組み合
わせの変更によって減速比が異なる出力を取り出すこと
ができるようにしたものが用いられており、特に電動ド
リルドライバーのような電動工具においては、入力軸と
出力軸とを同心に配置することができるとともに得られ
る減速比に比してコンパクトにまとめることができる遊
星機構を用いた遊星変速装置が多用されている。
【0003】この遊星変速装置において、遊星機構にお
けるリングギアを遊転自在としておき、このリングギア
が自由に回転する状態と、リングギアの回転を阻止した
状態とにおいて異なる減速比が得られるようにしたもの
がある。たとえば、特開昭63−101545号公報な
どに示されているように、入力軸に歯数の異なる二つの
サンギアを固着するとともに、これらサンギアに夫々噛
合する2種の遊星ギアを単一の遊星キャリアで支持し、
さらに両種遊星ギアに夫々噛合する2つのリングギアを
設けて、共に遊転自在となっている両リングギアのう
ち、一方のリングギアの回転を阻止した状態と、他方の
リングギアの回転を阻止した状態とによって、異なる減
速比の出力を得られるようにしたものがある。
けるリングギアを遊転自在としておき、このリングギア
が自由に回転する状態と、リングギアの回転を阻止した
状態とにおいて異なる減速比が得られるようにしたもの
がある。たとえば、特開昭63−101545号公報な
どに示されているように、入力軸に歯数の異なる二つの
サンギアを固着するとともに、これらサンギアに夫々噛
合する2種の遊星ギアを単一の遊星キャリアで支持し、
さらに両種遊星ギアに夫々噛合する2つのリングギアを
設けて、共に遊転自在となっている両リングギアのう
ち、一方のリングギアの回転を阻止した状態と、他方の
リングギアの回転を阻止した状態とによって、異なる減
速比の出力を得られるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この遊星変速装置の場
合、一方が固定、他方が自由回転状態となる2種のリン
グギアは、軸方向に並ぶとともに、軸方向対向面が互い
に接触することになり、この摺動接触面における抵抗が
機構損失につながっていた。また、グリス等が配されて
いる場合、グリスが却って上記問題を助長することも生
じている。
合、一方が固定、他方が自由回転状態となる2種のリン
グギアは、軸方向に並ぶとともに、軸方向対向面が互い
に接触することになり、この摺動接触面における抵抗が
機構損失につながっていた。また、グリス等が配されて
いる場合、グリスが却って上記問題を助長することも生
じている。
【0005】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところはリングギアのスラスト
面における摺動抵抗を低減して出力効率を高めた遊星変
速装置を提供するにある。
であり、その目的とするところはリングギアのスラスト
面における摺動抵抗を低減して出力効率を高めた遊星変
速装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、同一
の遊星キャリアによって支持されるとともに夫々異なる
サンギアとリングギアとに噛合する2種の遊星ギアを備
えており、共に遊転自在とされている上記2種のリング
ギアの選択的回転固定によって変速を行う遊星変速装置
において、上記リングギアのスラスト面に摺動抵抗低減
部を設けたことに特徴を有している。この摺動抵抗低減
部としては、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸
部を用いることができるほか、リングギアのスラスト面
の断面を円弧状とすることで形成されたものであっても
よい。前者の凸部としては、断面円弧状のものや、半球
状のものを好適に用いることができる。
の遊星キャリアによって支持されるとともに夫々異なる
サンギアとリングギアとに噛合する2種の遊星ギアを備
えており、共に遊転自在とされている上記2種のリング
ギアの選択的回転固定によって変速を行う遊星変速装置
において、上記リングギアのスラスト面に摺動抵抗低減
部を設けたことに特徴を有している。この摺動抵抗低減
部としては、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸
部を用いることができるほか、リングギアのスラスト面
の断面を円弧状とすることで形成されたものであっても
よい。前者の凸部としては、断面円弧状のものや、半球
状のものを好適に用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施例に基づ
いて詳述すると、図示の遊星変速装置は、図2に示す電
動ドリルドライバー用のもので、そのモータ6からチャ
ック50に至るまでの動力伝達機構及び変速機構につい
てまず説明すると、図1及び図3に示すように、ギアケ
ース1の一端開口側に配されるモータ6の出力軸60に
は、歯数の異なる二つのサンギア11,12が固着され
ており、軸方向に並ぶこれらサンギア11,12には夫
々複数個、図示例では3個ずつの遊星ギア21,22が
噛み合っている。互いに歯数が異なる両遊星ギア21,
22は共にキャリア4によって支持されたもので、遊星
ギア21はサンギア11の回りに等間隔で、遊星ギア2
2はサンギア12の回りに等間隔で支持されており、両
遊星ギア21,22は個々に自転を行なうものの、同じ
公転を行なうものとなっている。
いて詳述すると、図示の遊星変速装置は、図2に示す電
動ドリルドライバー用のもので、そのモータ6からチャ
ック50に至るまでの動力伝達機構及び変速機構につい
てまず説明すると、図1及び図3に示すように、ギアケ
ース1の一端開口側に配されるモータ6の出力軸60に
は、歯数の異なる二つのサンギア11,12が固着され
ており、軸方向に並ぶこれらサンギア11,12には夫
々複数個、図示例では3個ずつの遊星ギア21,22が
噛み合っている。互いに歯数が異なる両遊星ギア21,
22は共にキャリア4によって支持されたもので、遊星
ギア21はサンギア11の回りに等間隔で、遊星ギア2
2はサンギア12の回りに等間隔で支持されており、両
遊星ギア21,22は個々に自転を行なうものの、同じ
公転を行なうものとなっている。
【0008】そして出力軸60と同心に配されているリ
ングギア31に遊星ギア21がかみ合っており、同じく
出力軸60と同心に配されているリングギア32が遊星
ギア22とかみ合っている。軸方向に並ぶこれら2つの
リングギア31,32のうち、リングギア31は図3に
示すようにその外周面に複数個の係合突起35が周方向
において等間隔に形成されたもので、ギアケース1に対
して遊転自在とされている。またリングギア32もギア
ケース1に対して遊転自在とされたものであるととも
に、このリングギア32は、ギアケース1を外レース3
30とするワンウェイクラッチ33の内レース331を
兼ねたものとなっている。
ングギア31に遊星ギア21がかみ合っており、同じく
出力軸60と同心に配されているリングギア32が遊星
ギア22とかみ合っている。軸方向に並ぶこれら2つの
リングギア31,32のうち、リングギア31は図3に
示すようにその外周面に複数個の係合突起35が周方向
において等間隔に形成されたもので、ギアケース1に対
して遊転自在とされている。またリングギア32もギア
ケース1に対して遊転自在とされたものであるととも
に、このリングギア32は、ギアケース1を外レース3
30とするワンウェイクラッチ33の内レース331を
兼ねたものとなっている。
【0009】ここにおけるワンウェイクラッチ33は、
上述のようにギアケース1を外レース330、リングギ
ア32を内レース331とするとともに、両レース33
0,331間に形成された楔状空間にローラ332を配
したものとして形成されたフリーホイール型のもので、
狭くなる方向が異なる2種の楔状空間を備えるともに、
両種楔状空間の間に正逆切換リング76から突設させた
駆動片77を位置させており、ギアケース1に対して正
逆切換リング76を回転させて、駆動片77の両側に位
置する一対のローラ332,332のうちのいずれを駆
動片77で押圧するかによって、内レース331である
リングギア32の回転可能方向を切り換えることができ
るものとなっている。
上述のようにギアケース1を外レース330、リングギ
ア32を内レース331とするとともに、両レース33
0,331間に形成された楔状空間にローラ332を配
したものとして形成されたフリーホイール型のもので、
狭くなる方向が異なる2種の楔状空間を備えるともに、
両種楔状空間の間に正逆切換リング76から突設させた
駆動片77を位置させており、ギアケース1に対して正
逆切換リング76を回転させて、駆動片77の両側に位
置する一対のローラ332,332のうちのいずれを駆
動片77で押圧するかによって、内レース331である
リングギア32の回転可能方向を切り換えることができ
るものとなっている。
【0010】すなわち、正逆切換リング76が一方向に
回転して駆動片77が図3(a)に示すように左側のロー
ラ332を楔状空間の広い方に押し込んでいる時、右側
のローラ332はばね(図示せず)による付勢で楔状空
間の狭い部分に位置しており、この状態では図中矢印で
示す右回りのリングギア32(内レース331)の回転
は可能であるが、リングギア32の左回りの回転は阻止
される。駆動片77によって図中右側のローラ332を
図中右方に押す時には、逆にリングギア32(内レース
331)の左回りの回転が可能となるとともに右回りの
回転は阻止される。
回転して駆動片77が図3(a)に示すように左側のロー
ラ332を楔状空間の広い方に押し込んでいる時、右側
のローラ332はばね(図示せず)による付勢で楔状空
間の狭い部分に位置しており、この状態では図中矢印で
示す右回りのリングギア32(内レース331)の回転
は可能であるが、リングギア32の左回りの回転は阻止
される。駆動片77によって図中右側のローラ332を
図中右方に押す時には、逆にリングギア32(内レース
331)の左回りの回転が可能となるとともに右回りの
回転は阻止される。
【0011】ギアケース1内には、上記遊星機構及び正
逆切換リング76とワンウェイクラッチ33の他に、切
換リング70が配設されている。軸方向にスライド自在
とされている切換リング70は、複数個の突起71が周
方向において等間隔で設けられたもので、一方向に移動
した時にリングギア31外周面の上記複数の係合突起3
5に複数の突起71を係合させて、リングギア31の回
転を阻止し、そのスライドで係合突起35と突起71と
の係合が解除された時、リングギア31の回転を許す。
逆切換リング76とワンウェイクラッチ33の他に、切
換リング70が配設されている。軸方向にスライド自在
とされている切換リング70は、複数個の突起71が周
方向において等間隔で設けられたもので、一方向に移動
した時にリングギア31外周面の上記複数の係合突起3
5に複数の突起71を係合させて、リングギア31の回
転を阻止し、そのスライドで係合突起35と突起71と
の係合が解除された時、リングギア31の回転を許す。
【0012】切換リング70の上記軸方向スライドは、
ソレノイドのような電磁駆動部材7と切換レバー65と
によってなされる。切換レバー65はU字形をなすとと
もに、両側片が遊星機構の軸方向と直交する方向の軸6
6,66によってギアケース1に揺動自在に支持された
もので、中央部が電磁駆動部材7に連結された切換レバ
ー65の両側片先端が、切換リング70外周面から突設
された一対の連結軸72,72に夫々連結されている。
ソレノイドのような電磁駆動部材7と切換レバー65と
によってなされる。切換レバー65はU字形をなすとと
もに、両側片が遊星機構の軸方向と直交する方向の軸6
6,66によってギアケース1に揺動自在に支持された
もので、中央部が電磁駆動部材7に連結された切換レバ
ー65の両側片先端が、切換リング70外周面から突設
された一対の連結軸72,72に夫々連結されている。
【0013】上記両遊星ギア21,22を支持している
キャリア4は、サンギア41を一体に備えており、この
サンギア41の回転はサンギア41とリングギア43と
に噛み合う遊星ギア42を支持しているキャリア44に
伝達され、更にキャリア44の回転はオートロック機構
55を通じて出力軸5に伝達される。ここにおけるオー
トロック機構55は、モータの回転を止めた時に出力軸
5をギアケース16に対して自動的にロックしてしま
い、モータを回転させればこのロックを自動的に解除す
る機能をもつものであるが、この点については説明を省
略する。また、上記リングギア43も遊転自在として、
このリングギア43に図2に示すクラッチばね47のば
ね圧力でボール48を係合させることで、負荷トルクが
所定値以上になった時に出力軸5とサンギア41とを切
り離してしまうトルクリミッターを構成しているのであ
るが、この点についても説明を省略する。
キャリア4は、サンギア41を一体に備えており、この
サンギア41の回転はサンギア41とリングギア43と
に噛み合う遊星ギア42を支持しているキャリア44に
伝達され、更にキャリア44の回転はオートロック機構
55を通じて出力軸5に伝達される。ここにおけるオー
トロック機構55は、モータの回転を止めた時に出力軸
5をギアケース16に対して自動的にロックしてしま
い、モータを回転させればこのロックを自動的に解除す
る機能をもつものであるが、この点については説明を省
略する。また、上記リングギア43も遊転自在として、
このリングギア43に図2に示すクラッチばね47のば
ね圧力でボール48を係合させることで、負荷トルクが
所定値以上になった時に出力軸5とサンギア41とを切
り離してしまうトルクリミッターを構成しているのであ
るが、この点についても説明を省略する。
【0014】今、図3(a)に示すように、切換リング7
0の各突起71が各係合突起35に係合してリングギア
31の回転を阻止しており、且つリングギア32が図中
矢印で示す方向について回転可能にワンウェイクラッチ
33が設定されている時、モータ6を回転させれば、そ
の回転出力は、回転が阻止されているリングギア31と
噛み合った遊星ギア21を通じてキャリア4に伝達され
る。この時、リングギア32は出力軸5と逆方向に空転
するが、この空転は図中矢印で示す回転が許されている
方向である。
0の各突起71が各係合突起35に係合してリングギア
31の回転を阻止しており、且つリングギア32が図中
矢印で示す方向について回転可能にワンウェイクラッチ
33が設定されている時、モータ6を回転させれば、そ
の回転出力は、回転が阻止されているリングギア31と
噛み合った遊星ギア21を通じてキャリア4に伝達され
る。この時、リングギア32は出力軸5と逆方向に空転
するが、この空転は図中矢印で示す回転が許されている
方向である。
【0015】そして、電磁駆動部材7を作動させること
で図3(b)に示すように切換リング70を移動させて各
係合突起35と各突起71との係合を解除すれば、リン
グギア31がフリーとなるとともに、負荷につながった
キャリア4の停止がサンギア11,12に噛み合う遊星
ギア21,22の自転でリングギア31,32を回転さ
せようとするが、この時のリングギア32の回転方向
は、上記空転時とは逆方向に、つまりワンウェイクラッ
チ33によって回転が阻止されている方向となるため
に、この時点からリングギア32と噛み合った遊星ギア
22を通じてキャリア4、そして出力軸5に動力が伝達
される。
で図3(b)に示すように切換リング70を移動させて各
係合突起35と各突起71との係合を解除すれば、リン
グギア31がフリーとなるとともに、負荷につながった
キャリア4の停止がサンギア11,12に噛み合う遊星
ギア21,22の自転でリングギア31,32を回転さ
せようとするが、この時のリングギア32の回転方向
は、上記空転時とは逆方向に、つまりワンウェイクラッ
チ33によって回転が阻止されている方向となるため
に、この時点からリングギア32と噛み合った遊星ギア
22を通じてキャリア4、そして出力軸5に動力が伝達
される。
【0016】サンギア12の歯数がサンギア11の歯数
より少なく且つ遊星ギア22の歯数が遊星ギア21の歯
数より多くなっていることから、高速回転低トルク状態
から低速回転高トルク状態に切り換えられたことにな
る。なお、リングギア32の回転阻止についても、リン
グギア31の場合と同様に切換リング70を用いること
で行ってもよいが、図示例のようにワンウェイクラッチ
33を利用した場合、リングギア32の回転を止めるに
あたって、リングギア31の係止突起35から切換リン
グ70が離れるだけで、リングギア32の回転阻止のた
めに衝突が生じる部材が不要となるために、動作中の変
速であるにもかかわらず、スムーズで且つ騒音の無い変
速を行うことができる低速回転高トルク状態から高速回
転低トルク状態への復帰は、電動ドリルドライバーとい
う性質上、モータ6を停止させている状態で行えばよ
く、このために、リングギア31の回転阻止に際しての
係止突起35と突起71との衝突が問題となることはな
い。
より少なく且つ遊星ギア22の歯数が遊星ギア21の歯
数より多くなっていることから、高速回転低トルク状態
から低速回転高トルク状態に切り換えられたことにな
る。なお、リングギア32の回転阻止についても、リン
グギア31の場合と同様に切換リング70を用いること
で行ってもよいが、図示例のようにワンウェイクラッチ
33を利用した場合、リングギア32の回転を止めるに
あたって、リングギア31の係止突起35から切換リン
グ70が離れるだけで、リングギア32の回転阻止のた
めに衝突が生じる部材が不要となるために、動作中の変
速であるにもかかわらず、スムーズで且つ騒音の無い変
速を行うことができる低速回転高トルク状態から高速回
転低トルク状態への復帰は、電動ドリルドライバーとい
う性質上、モータ6を停止させている状態で行えばよ
く、このために、リングギア31の回転阻止に際しての
係止突起35と突起71との衝突が問題となることはな
い。
【0017】正逆切換リング76を回転させることで、
ワンウェイクラッチ33による回転規制方向を逆にする
とともにモータ6の回転方向を逆にした時には、当初、
切換リング70によって回転が止められているリングギ
ア31に噛み合う遊星ギア21を通じてキャリア4に動
力が伝達され、この時、リングギア32はワンウェイク
ラッチ33における回転可能方向に空転し、負荷の増大
の検出で電磁駆動部材7が作動してリングギア31がフ
リーとなれば、ワンウェイクラッチ33によって回転が
阻止されているリングギア32とこれに噛み合う遊星ギ
ア22を通じてキャリア4に動力が伝達される。ワンウ
ェイクラッチ33は一つだけであるものの、その回転阻
止方向を切り換えられるようにすることで、電動ドリル
ドライバーに求められる正転と逆転とにおいて、同じ動
作を得られるようにしているわけである。
ワンウェイクラッチ33による回転規制方向を逆にする
とともにモータ6の回転方向を逆にした時には、当初、
切換リング70によって回転が止められているリングギ
ア31に噛み合う遊星ギア21を通じてキャリア4に動
力が伝達され、この時、リングギア32はワンウェイク
ラッチ33における回転可能方向に空転し、負荷の増大
の検出で電磁駆動部材7が作動してリングギア31がフ
リーとなれば、ワンウェイクラッチ33によって回転が
阻止されているリングギア32とこれに噛み合う遊星ギ
ア22を通じてキャリア4に動力が伝達される。ワンウ
ェイクラッチ33は一つだけであるものの、その回転阻
止方向を切り換えられるようにすることで、電動ドリル
ドライバーに求められる正転と逆転とにおいて、同じ動
作を得られるようにしているわけである。
【0018】なお、図示例における正逆切換リング76
は、図2に示す回転方向切換ロッド8と、ギアケース1
に軸91で軸支されて一端を回転方向切換ロッド8に、
他端を正逆切換リング76に係合させた切換レバー90
とによってなされる。ここにおける回転方向切換ロッド
8は、図2に示すスイッチユニットSWとも連動してお
り、モータ6の回転方向の切り換えも同時になされる。
スイッチユニットSWは、トリガースイッチ9を引いた
際のモータ6への通電制御や、トリガースイッチ9を引
く量に応じたモータ6の回転速度制御も行うものである
が、この点については説明を省略する。
は、図2に示す回転方向切換ロッド8と、ギアケース1
に軸91で軸支されて一端を回転方向切換ロッド8に、
他端を正逆切換リング76に係合させた切換レバー90
とによってなされる。ここにおける回転方向切換ロッド
8は、図2に示すスイッチユニットSWとも連動してお
り、モータ6の回転方向の切り換えも同時になされる。
スイッチユニットSWは、トリガースイッチ9を引いた
際のモータ6への通電制御や、トリガースイッチ9を引
く量に応じたモータ6の回転速度制御も行うものである
が、この点については説明を省略する。
【0019】ここにおいて、軸方向に並ぶ2種のリング
ギア31,32は、一方が回転する時、他方は固定され
て回転が阻止されているわけであり、このために両リン
グギア31,32の軸方向対向面は互いに摺動接触する
わけであるが、両リングギア31,32の対向面のうち
の一方には、摺動抵抗低減のための凸部37を設けてあ
る。図4はリングギア32の両端面32a,32bのう
ちのリングギア31との対向面である端面32a側に、
断面形状が台形状である凸部37を複数個、等間隔に設
けたものを示している。この場合、両リングギア31,
32は凸部37の頂面においてのみ接触するために、接
触抵抗が少なくなる。
ギア31,32は、一方が回転する時、他方は固定され
て回転が阻止されているわけであり、このために両リン
グギア31,32の軸方向対向面は互いに摺動接触する
わけであるが、両リングギア31,32の対向面のうち
の一方には、摺動抵抗低減のための凸部37を設けてあ
る。図4はリングギア32の両端面32a,32bのう
ちのリングギア31との対向面である端面32a側に、
断面形状が台形状である凸部37を複数個、等間隔に設
けたものを示している。この場合、両リングギア31,
32は凸部37の頂面においてのみ接触するために、接
触抵抗が少なくなる。
【0020】凸部37として、図5に示すように、断面
形状が円弧状となるものを用いれば、リングギア31と
の接触は凸部37の頂点における線接触でなされること
になるために、接触面積がより小さくなり、図6に示す
ように、凸部37を半球状のものとすれば、リングギア
31との接触は凸部37の頂点における点接触でなされ
るために、接触面積は更に小さくなる。
形状が円弧状となるものを用いれば、リングギア31と
の接触は凸部37の頂点における線接触でなされること
になるために、接触面積がより小さくなり、図6に示す
ように、凸部37を半球状のものとすれば、リングギア
31との接触は凸部37の頂点における点接触でなされ
るために、接触面積は更に小さくなる。
【0021】複数個の凸部37に代えて、図7に示すよ
うに、リングギア32の端面32aの断面形状そのもの
を円弧状としてもよい。この場合、リングギア31との
接触は、円弧の頂点をつないだ円を描く頂線38におい
てなされる。リングギア32側にではなく、リングギア
31側のリングギア32との対向面側に上記凸部37等
の摺動抵抗低減部を設けてもよいのはもちろんである。
また負荷の増大等に伴う自動変速を得るのに有利な電磁
駆動部材7によって切換リング70を駆動して変速を行
うものを示したが、手動で切換リング70を移動させて
変速を行うものであってもよく、さらにリングギア32
の固定にワンウェイクラッチ33を利用したものを示し
たが、これに限るものでもない。図1中の突部13は、
ギアケース1に対する蓋部材10の位置決め並びに心出
しの機能も有するものである。
うに、リングギア32の端面32aの断面形状そのもの
を円弧状としてもよい。この場合、リングギア31との
接触は、円弧の頂点をつないだ円を描く頂線38におい
てなされる。リングギア32側にではなく、リングギア
31側のリングギア32との対向面側に上記凸部37等
の摺動抵抗低減部を設けてもよいのはもちろんである。
また負荷の増大等に伴う自動変速を得るのに有利な電磁
駆動部材7によって切換リング70を駆動して変速を行
うものを示したが、手動で切換リング70を移動させて
変速を行うものであってもよく、さらにリングギア32
の固定にワンウェイクラッチ33を利用したものを示し
たが、これに限るものでもない。図1中の突部13は、
ギアケース1に対する蓋部材10の位置決め並びに心出
しの機能も有するものである。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明においては、リング
ギアのスラスト面に摺動抵抗低減部を設けていることか
ら、摺動抵抗に基づく機構損失を少なくして出力効率を
高くすることができる。そして上記摺動抵抗低減部とし
て、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸部を用い
る時、接触面積の制御を簡単に行うことができ、殊に凸
部として半球状のものや断面円弧状のものを用いる時に
は、接触面積を非常に小さくすることができて、摺動抵
抗の低減が容易である。
ギアのスラスト面に摺動抵抗低減部を設けていることか
ら、摺動抵抗に基づく機構損失を少なくして出力効率を
高くすることができる。そして上記摺動抵抗低減部とし
て、リングギアのスラスト面に設けた複数の凸部を用い
る時、接触面積の制御を簡単に行うことができ、殊に凸
部として半球状のものや断面円弧状のものを用いる時に
は、接触面積を非常に小さくすることができて、摺動抵
抗の低減が容易である。
【0023】また摺動抵抗低減部が、リングギアのスラ
スト面の断面を円弧状とすることで形成したものである
時には、摺動抵抗低減部をリングギアに形成することが
切削加工によって容易に行えるものである。
スト面の断面を円弧状とすることで形成したものである
時には、摺動抵抗低減部をリングギアに形成することが
切削加工によって容易に行えるものである。
【図1】本発明一実施例の縦断面図である。
【図2】同上の部分破断側面図である。
【図3】同上の動作説明のためのもので、(a)は変速前
の状態の分解斜視図、(b)は変速後の状態の分解斜視図
である。
の状態の分解斜視図、(b)は変速後の状態の分解斜視図
である。
【図4】同上のリングギアの斜視図である。
【図5】同上のリングギアの他例の斜視図である。
【図6】同上のリングギアの別の例の斜視図である。
【図7】同上のリングギアの更に別の例の斜視図であ
る。
る。
11,12 サンギア 21,22 遊星ギア 31,32 リングギア 37 凸部
Claims (5)
- 【請求項1】 同一の遊星キャリアによって支持される
とともに夫々異なるサンギアとリングギアとに噛合する
2種の遊星ギアを備えており、共に遊転自在とされてい
る上記2種のリングギアの選択的回転固定によって変速
を行う遊星変速装置において、上記リングギアのスラス
ト面に摺動抵抗低減部を設けたことを特徴とする遊星変
速装置。 - 【請求項2】 摺動抵抗低減部は、リングギアのスラス
ト面に設けた複数の凸部であることを特徴とする請求項
1記載の遊星変速装置。 - 【請求項3】 凸部は断面円弧状であることを特徴とす
る請求項2記載の遊星変速装置。 - 【請求項4】 凸部は半球状であることを特徴とする請
求項2記載の遊星変速装置。 - 【請求項5】 摺動抵抗低減部は、リングギアのスラス
ト面の断面を円弧状とすることで形成されたものである
ことを特徴とする請求項1記載の遊星変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190776A JPH0942390A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 遊星変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190776A JPH0942390A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 遊星変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0942390A true JPH0942390A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16263545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7190776A Pending JPH0942390A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 遊星変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0942390A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7882900B2 (en) | 2007-08-29 | 2011-02-08 | Positec Power Tools (Suzhou) Co., Ltd | Power tool with signal generator |
CN107859715A (zh) * | 2017-12-07 | 2018-03-30 | 东莞市领亚自动化科技有限公司 | 一种新型行星齿轮减速器 |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP7190776A patent/JPH0942390A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7882900B2 (en) | 2007-08-29 | 2011-02-08 | Positec Power Tools (Suzhou) Co., Ltd | Power tool with signal generator |
US7882899B2 (en) | 2007-08-29 | 2011-02-08 | Positec Power Tools (Suzhou) Co., Ltd | Power tool having control system for changing rotational speed of output shaft |
CN107859715A (zh) * | 2017-12-07 | 2018-03-30 | 东莞市领亚自动化科技有限公司 | 一种新型行星齿轮减速器 |
CN107859715B (zh) * | 2017-12-07 | 2023-08-15 | 东莞市领亚自动化科技有限公司 | 一种新型行星齿轮减速器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031007 |