JP2002106127A - あご付きパラペットを有する屋上の改修防水構造とその工法 - Google Patents

あご付きパラペットを有する屋上の改修防水構造とその工法

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隆良 今井
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包定 朽木
Takefumi Kinoshita
武文 木下
Sadao Kurihara
貞雄 栗原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あご付きパラペットを有する屋上の防水層の
改修を、煩雑な作業である旧防水層の撤去を要すること
なく可能とし、撤去に伴う騒音、塵埃等、あるいは廃材
等の発生を皆無となすとともに、降雨対策をせず要静穏
な作業環境の下に低廉費用、短い工期で新規な防水層を
構築する。 【解決手段】 パラペットのあご部と屋上平担部との間
に固設した立ち上がり部と、平面部における既存防水部
もしくは保護コンクリ−ト層および前記立ち上がり部を
被覆するとともにパラペット天端においてその端部を納
めた重設防水層と、を具えたことを特徴とするあご付き
パラペットを有する屋上の改修防水構造とその工法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、水切りあごを具
えたパラペットを有する屋上の防水層の改修技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、水切りあごを具えたパラペット
を有する屋上の防水層を示す一部切欠断面図である。
図において、1は建造物の屋上下地部、2は屋上の周囲
端部に形成されたパラペットで、内側端部に水切りのた
めのあご3が形成されている。4は、屋上下地部1から
パラペット2の内壁部にかけて張設された防水層であ
る。 防水層4の上面には断熱層5が形成されており、
さらに断熱層5上面には保護層としてのコンクリ−ト層
が敷設されている。 なお、7はパラペット2の内壁部
にかけて張設された防水層4の保護層としてのブロック
壁である。
【0003】さて、屋上防水機能の不具合現象は、一般
的に平坦部に発生することは稀であり、その多くは防水
層の端末部分のある立ち上がり部で発生する。 すなわ
ち、図2において、保護層7に囲繞されたパラペット2
の内壁部に立ち上げられた防水層の部分で発生する。し
たがって、補修ないし改修工事にあたっては、立ち上が
り部の防水層を保護層も含めて撤去して、躯体下地部を
露出させたうえ、新たに防水層を立ち上がり部に形成す
る工法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の改修工法には、次のような不都合があり、その改善
策が永く求められてきている。 すなわち、 (イ)旧防水層の撤去は、所定の工期と費用を要し、こ
れは保護層がある場合にはさらに増加する。 (ロ)撤去工事には、騒音、塵埃等の発生が不可避であ
り、これらは特に建造物が居住用のものである場合には
看過できない問題となる。 (ハ)防水層等の撤去に伴い廃材が発生するが、環境整
備の見地から建築廃材等の取り扱い処理に厳しい規制が
なされている現今では、その適正処理に少なからぬ費用
を要する。 (ニ)防水層等の撤去作業中、あるいは撤去後にあって
は、常に降雨対策が必要であるが、必ずしも十全を期し
難く漏水等の発生の虞がある。 (ホ)さらに、パラペットの多くは、その全高が40c
m内外であり、したがってあご下部分のパラペット内壁
長は相当程度低くなるから、この部分の保護層、防水層
をの除去は、作業時には不自然な姿勢での煩雑な作業と
ならざるを得ず、時として撤去作業の完全を為し難いケ
−スも生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、あご付きパ
ラペットを有する屋上の改修防水構造を、パラペットの
あご部と屋上平面部との間に固設した立ち上がり部と、
屋上平面部における既存防水部もしくは保護コンクリ−
ト部および前記立ち上がり部を被覆するとともにパラペ
ット天端においてその端部を納めた重設防水層と、を具
えて構成することにより、上記従来の課題を解決しよう
とするものである。
【0006】前記改修防水構造において、前記立ち上が
り部は、パラペットの見付け部分から屋上平面部に至る
垂直面に張設固定した板状体で構成し、この板状体の上
端はパラペット側部にビス固定もしくは粘着テ−プ固定
するとともに下端は平面部に固定した挟持金具に嵌合さ
せて構成することがある。
【0007】また、本願に係る改修防水工法は、(イ)
パラペットのあご部と屋上平面部との間に立ち上がり部
を固設する工程、(ロ)平面部における既存防水部もし
くは保護コンクリ−ト部および前記立ち上がり部を被覆
する重設防水層を形成するとともにパラペット天端にお
いてその端部を納める工程、を具えて、上記従来の課題
を解決しようとするものである。
【0008】さらにまた、前記改修防水工法において、
前記立ち上がり部は、パラペットの見付け部分から屋上
平面部に至る垂直面に張設固定した板状体で構成し、こ
の板状体の上端はパラペット側部にビス固定もしくは粘
着テ−プ固定するとともに下端は平面部に固定した挟持
金具に嵌合させて構成することがある。
【0009】
【発明の実施形態】以下、図面に基づいて本願発明の実
施形態を説明する。 なお、説明において前記図2と同
一箇所または相当箇所には同一符号を付して重複説明は
省略する。図1は、発明の一実施形態に係る改修防水構
造を示す一部切欠断面図である。図において、8は、パ
ラペット2のあご部3と屋上平面部における保護コンク
リ−ト層6との間に固設した立ち上がり部としての平滑
なボ−ド板であり、ケイカル板、アスファルト成型板、
防腐処理合板等が使用されている。 ボ−ド板8の上端
はあご部3の内側部にビス止めされ、下端部は平面部に
固定した挟持金具11の挟持部11aに嵌合支持されて
いる。
【0010】9は、後述の重設防水層を定着させるため
に対象面、すなわちパラペット2の上端面、ボ−ド板8
の表面、平坦部における保護コンクリ−ト層6上面に塗
布される周知のプライマ−である。10は、プライマ−
9上に形成された新たな防水層としての重設防水層であ
り、平坦部の既存防水層4、ボ−ド板8の表面を被覆し
その端部はパラペット2の頂部の外端まで張設されてい
る。 この重設防水層10としては、アスファルト防水
層、塗膜防水層、高分子系シ−ト防水層等が種々の施工
条件に対応して選択される。 重設防水層10の端部
は、パラペット2の天端すなわち頂部の外端まで延設固
着されるが、該実施形態ではさらに接合端の所要箇所に
水切金具12をビス止めして端部の雨仕舞の強化を図っ
ている。
【0011】次に、前述した防水構造につき、図1を中
心にその工法を施工手順にしたがい説明する。まず、平
坦部の保護コンクリ−ト層6の平坦部を適宜に清拭した
後、平坦部のの保護コンクリ−ト層6の所定箇所に挟持
金具11をビス止めする。次いで、用意した立ち上がり
部としてのボ−ド板8の下端を挟持金具11の挟持部1
1aに嵌合し、上端はあご部3の側面にビス固定する。
この際、パラペット2の立ち上がり部における既存の防
水層4およびこれの保護層7は既存のままに放置する。
ボ−ド板8を所定通りに設置した後、新たな防水層とし
ての重設防水層を形成する箇所、すなわち平坦面のの保
護コンクリ−ト層6表面、ボ−ド板8、パラペット2頂
部にプライマ−剤を塗布する。 プライマ−層の形成の
後、新たな防水層としての重設防水層を、平坦部の既存
防水層4、ボ−ド板8の表面に張設し、この重設防水層
の端部はパラペット2の頂部の外端まで延設固着する。
端部は、場合によっては水切金具により雨仕舞を補強す
る。なお、重設防水層は、アスファルト防水層、塗膜防
水層、高分子系シ−ト防水層等が種々の施工条件に応じ
て選択し、各々周知の工法により施工されることにな
る。
【0012】
【発明の効果】本願発明にあっては、以上説明したよう
に、あご付きパラペットを有する屋上の防水層の改修
を、煩雑な作業である旧防水層の撤去を要することなく
可能としたので、撤去に伴う騒音、塵埃等、あるいは廃
材等の発生を皆無となり、静穏な改修作業が可能となり
廃材の適正処理という問題も回避でき、また、防水層等
の撤去作業中、あるいは撤去後における煩わしい降雨対
策も不要であり改修に要する工期、費用を大幅に低減に
資するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 改修前の屋上防水構造の断面図である。
【図2】 本願発明の1実施形態に係る防水構造の斜視
図である。
【符号の説明】
1.........屋上下地部 2.........パラペット 3.........水切りあご 4.........既存防水層 6.........保護コンクリ−ト層 8.........立ち上がり部(ボ−ド板) 10........重設防水層 11........挟持金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朽木 包定 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル −フィング株式会社内 (72)発明者 木下 武文 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル −フィング株式会社内 (72)発明者 栗原 貞雄 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル −フィング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あご付きパラペットを有する屋上の改修
    防水構造であって、パラペットのあご部と屋上平面部と
    の間に固設した立ち上がり部と、屋上平面部における既
    存防水部もしくは保護コンクリ−ト部および前記立ち上
    がり部を被覆するとともにパラペット天端においてその
    端部を納めた重設防水層と、を具えたことを特徴とする
    あご付きパラペットを有する屋上の改修防水構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記立ち上がり部
    は、パラペットの見付け部分から屋上平面部に至る垂直
    面に張設固定した板状体で構成し、この板状体の上端は
    パラペット側部にビス固定もしくは粘着テ−プ固定する
    とともに下端は平面部に固定した挟持金具に嵌合させた
    ことを特徴とするあご付きパラペットを有する屋上の改
    修防水構造。
  3. 【請求項3】 あご付きパラペットを有する屋上の改修
    防水工法であって、(イ)パラペットのあご部と屋上平
    面部との間に立ち上がり部を固設する工程、(ロ)平面
    部における既存防水部もしくは保護コンクリ−ト部およ
    び前記立ち上がり部を被覆する重設防水層を形成すると
    ともにパラペット天端においてその端部を納める工程、
    を具えてなるあご付きパラペットを有する屋上の改修防
    水工法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記立ち上がり部
    は、パラペットの見付け部分から屋上平面部に至る垂直
    面に張設固定した板状体で構成し、この板状体の上端は
    パラペット側部にビス固定もしくは粘着テ−プ固定する
    とともに下端は平面部に固定した挟持金具に嵌合させた
    ことを特徴とするあご付きパラペットを有する屋上の改
    修防水工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018009317A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 日新工業株式会社 出の浅い水切りあご付きパラペットの防水工法、及び同工法で使用する水切金具

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