JP3809811B2 - 平板瓦の差替え方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、平板瓦の差替え方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、屋根上に重ね葺きした樹脂製等の平板瓦の補修に有用な、一部の平板瓦のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量素材からなる平板瓦が屋根葺きにしばしば使われており、特に増改築においては軽量な樹脂製平板瓦がその取扱いの容易さ等から多用されてきている。
【0003】
このような平板瓦は、たとえば図5に例示したように、軒先側から順に重ね葺き施工されるが、まず下段の平板瓦(1)をその後端部(つまり棟側の端部)において桟木(2)等の屋根下地材にビス止めする。このとき、上段の平板瓦(1)の先端部(つまり軒側の端部)を固定するための瓦固定金具(3)をビス止めと同時に取り付ける手法が採用されることがある。
【0004】
具体的には、瓦固定金具(3)は、たとえば図6に例示したようにその平板先端に棟方向へ折れ曲がった瓦差込み部(31)を有し、後端にはビス用開口部(32)を有しており、下段の平板瓦(1)をビス止めする際にビス(4)を瓦固定金具(3)のビス用開口部(32)を通して桟木(2)等の屋根下地材にねじ込むことで、下段の平板瓦(1)の後端部を屋根下地材上に固定するとともに瓦固定金具(3)をもその平板瓦(1)の後端部上に固定する。そして、上段の平板瓦(1)を、その先端部を下段の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)に差し込むように載置し、後は同様に後端部を瓦固定金具(3)とともにビス止めする。
【0005】
このような瓦固定金具(3)の存在により、平板瓦(1)の後端部はビス止めにより強固に固定され、先端部は瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)によりしっかりと保持されることになる。この手法は、特に樹脂製等の軽量な平板瓦(1)の重ね葺きに有用であり、瓦固定金具(3)による瓦先端部の保持固定によって、強風時に瓦先端部が浮いてバタツキが生ずるのを効果的に防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のとおりに優れた瓦固定金具(3)を用いた重ね葺き手法にあっても、実用上以下のような改良すべき点があった。
【0007】
すなわち、重ね葺き後、平板瓦(1)の破損等によって一部を差替え補修する必要が生じ得るが、その際に瓦先端部を保持している瓦固定金具(3)が差替え時には邪魔となってしまい、一部の平板瓦(1)のみの差替えを簡単には行えないのである。
【0008】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑み、瓦固定金具(3)を用いた重ね葺き手法により重ね葺いた平板瓦(1)に対して、補修等が必要な一部の平板瓦(1)のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、下段の平板瓦の後端部を瓦固定金具とともに屋根下地材にビス止め固定し、瓦固定金具に上段の平板瓦の先端部を差し込んで保持するようにして重ね葺いた平板瓦の差替え方法であって、下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開け、この孔を通して下段の平板瓦および瓦固定金具をビス止めしているビスを外し、上段の平板瓦と下段の平板瓦との間から瓦固定金具を取り外し、下段の平板瓦を差し替え、瓦固定金具を上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し戻し、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする、ことを特徴とする平板瓦の差替え方法を提供する。
【0010】
また、この出願の発明は、第2には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、孔にコーキング材を塗布した後にビスをねじ込むことを特徴とする平板瓦の差替え方法、第3には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きなビスを用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第4には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きく、且つパッキンを有するビスを用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第5には、下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開ける際、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込むことで上段の平板瓦上にビス止め位置を示すことのできるビス止め位置設定治具を用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第6には、ビス止め位置設定治具として、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込まれる差込み片と、当該差込み片が差し込まれた際に上段の平板瓦上にてビス止め位置を示す位置指示片とを有するものを用いることを特徴とする平板瓦の差込み方法をも提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴を有するものであるが、以下に図面に沿ってその実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0012】
前述の図5〜図7に例示したように、下段の平板瓦(1)の後端部を瓦固定金具(3)とともに桟木(2)等の屋根下地材にビス止め固定し、瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)に上段の平板瓦(1)の先端部を差し込んで保持するようにして重ね葺いた平板瓦(1)がある場合において、平板瓦(1)の差替えの必要が生じた際には、たとえば図1に例示したように、この出願の発明に従った以下の手順で差替えを行う。
【0013】
▲1▼ まず、下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)(図示していない)のビス止め位置と一致する位置にて上段の平板瓦(1)に孔(11)を開ける。
【0014】
▲2▼ 開けた孔(11)を通して下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)をビス止めしているビス(4)を外す。当然、孔(11)はビス(4)よりも若干大きめに開ける必要がある。
【0015】
▲3▼ 上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間から瓦固定金具(3)を取り外す。ビス(4)を外してあるので瓦固定金具(3)は上下段の隙間から引き抜けばよい。
【0016】
▲4▼ そして、下段の平板瓦(1)を差し替える。差し替える元の平板瓦(1)については、後端部はビス(4)を外してあるので固定されていないが、先端部は下々段つまりさらに一段下の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)(図示していない)に差し込まれているのでその差込みを外す必要がある。これは、たとえば差し替える元の平板瓦(1)を上方に押し上げるようにして、あるいは切込みを入れるなどして外すことができる。新しい平板瓦(1)については、元の平板瓦(1)があった位置にて、後端部を上段の平板瓦(1)の先端部裏側に差し込むとともに先端部を下々段の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)(図示していない)に差し込むようにして載置する。
【0017】
▲5▼ 後は、瓦固定金具(3)(図示していない)を、上段の平板瓦(1)と新たな平板瓦(1)との間に差し戻し、
▲6▼a 上段の平板瓦(1)に開けた孔(11)を通して、差し戻した瓦固定金具(3)とともに差し替えた新たな下段の平板瓦(1)をビス止めする。
【0018】
▲6▼b この再ビス止めに際しては、孔(11)からの漏水を防止すべく、孔(11)の周囲にコーキング材(12)を塗布してから、ビス(5)をねじ込むことが好ましい。
【0019】
また、たとえば図2に例示したように、元のビス(4)よりもネジ頭が大きなビス(5)を用いる、あるいは元のビスよりもネジ頭が大きく且つパッキン(51)を有するビス(5)を用いることもより好ましい態様である。孔(11)は元のビス(4)を取り出すためにそのネジ頭径aよりある程度大きな径となっているため、孔(11)の径に対応した若干大きいネジ頭径bのビス(5)を用いる必要があり、さらにはビス(5)自体にパッキン(51)を具備することで、孔(11)にコーキング材(12)を塗布しない場合でもパッキン(51)により防水効果が得られ、コーキング材(12)を塗布した場合では二重の防水効果が得られる。なお、新たなビス(5)は、上段の平板瓦(1)上から屋根下地材へねじ込むため、元のビス(4)よりも長いものである必要もある。
【0020】
ところで、下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)のビス止め位置で上段の平板瓦(1)に孔を開ける際(上記ステップ▲1▼)、ビス(4)は上段の平板瓦(1)の裏側に隠れているので、外からビス止め位置を視認できない。
【0021】
そこで、正確なビス止め位置を上段の平板瓦(1)上からでも把握できるようにすべく、たとえば図3および図4に例示したように、瓦固定金具(3)位置にて上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間に差し込むことで上段の平板瓦(1)上にビス止め位置を示すことのできるビス止め位置設定治具(6)を用いてもよい。
【0022】
より具体的には、このビス止め位置設定治具(6)は、たとえば、瓦固定金具(3)位置にて上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間に差し込まれる差込み片(61)と、当該差込み片(61)が差し込まれた際に上段の平板瓦(1)上にてビス止め位置を示す位置指示片(62)とを有するものとすることができる。差込み片(61)は、上下段瓦間に差し込まれる際に正確に瓦固定金具(3)の位置に一致するように、差込み時に瓦固定金具(3)に沿って入り込む切欠き部(611)を持っている。また、位置指示片(62)は、差込み片(61)が差し込まれた際に上段の平板瓦(1)上にてビス止め位置を正確に示すことのできる位置に位置指示穴(621)を持っている。これら差込み片(61)および位置指示片(62)は立上り片(63)で連結されて立上り片(63)の上下端から同一方向(差込み時で言うと棟方向)に向かって延びており、差込み片(61)が切欠き部(611)を瓦固定金具(3)位置に合わせて上下段瓦間に差し込まれ(図3▲1▼参照)、立上り片(63)が上段の平板瓦(1)の先端に当接した状態にて(図3▲2▼参照)、位置指示片(62)が上段の平板瓦(1)上を棟方向へ延びて位置指示孔(621)が裏側に隠れているビス(4)と丁度合った部位に位置するようになっている。
【0023】
後は、位置指示孔(621)から上段の平板瓦(1)上にマーキング(7)を行えば(図3▲2▼▲3▼参照)、正確なビス止め位置を把握でき、孔(11)開けをミスなく正確に行うことができる。
【0024】
単純な定規を用いて位置決めすることも可能ではあるが、平板瓦(1)が凹凸形状を有している場合には正確な位置を計れないため、凹凸形状の影響を受けない上記ビス止め位置設定治具(6)を用いる方が好ましい。
【0025】
なお、ビス止め位置設定治具(6)は、たとえば、平板瓦(1)に同梱する施工説明書にとじ込むようにしても、施工説明書型紙で作成しておくようにしてもよい。
【0026】
もちろん、この出願の発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、瓦固定金具を用いた重ね葺き手法により重ね葺いた平板瓦に対して、補修等が必要な一部の平板瓦のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法が提供され、瓦固定金具による瓦先端部のバタツキを防止するという効果はそのままに、差替え補修等を簡単に実現できるようになる。これにより樹脂製等の軽量な平板瓦のより一層の普及を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明を説明するための図であり、▲1▼〜▲6▼は各補修ステップを例示している。
【図2】補修前の元のビスおよび補修後の新たなビスを例示した断面図である。
【図3】この出願の発明を説明するための別の図であり、▲1▼〜▲3▼はビス止め位置の位置決めステップを例示している。
【図4】ビス止め位置設定治具を例示した図である。
【図5】瓦固定金具を用いた平板瓦の重ね葺きを説明するための図である。
【図6】瓦固定金具を例示した図である。
【符号の説明】
1 平板瓦
11 孔
12 コーキング材
2 桟木
3 瓦固定金具
31 瓦差込み部
32 ビス用開口部
4 ビス
5 ビス
51 パッキン
6 ビス止め位置設定治具
61 差込み片
611 切欠き部
62 位置指示片
621 位置指示孔
63 立上り片
7 マーキング
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、平板瓦の差替え方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、屋根上に重ね葺きした樹脂製等の平板瓦の補修に有用な、一部の平板瓦のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量素材からなる平板瓦が屋根葺きにしばしば使われており、特に増改築においては軽量な樹脂製平板瓦がその取扱いの容易さ等から多用されてきている。
【0003】
このような平板瓦は、たとえば図5に例示したように、軒先側から順に重ね葺き施工されるが、まず下段の平板瓦(1)をその後端部(つまり棟側の端部)において桟木(2)等の屋根下地材にビス止めする。このとき、上段の平板瓦(1)の先端部(つまり軒側の端部)を固定するための瓦固定金具(3)をビス止めと同時に取り付ける手法が採用されることがある。
【0004】
具体的には、瓦固定金具(3)は、たとえば図6に例示したようにその平板先端に棟方向へ折れ曲がった瓦差込み部(31)を有し、後端にはビス用開口部(32)を有しており、下段の平板瓦(1)をビス止めする際にビス(4)を瓦固定金具(3)のビス用開口部(32)を通して桟木(2)等の屋根下地材にねじ込むことで、下段の平板瓦(1)の後端部を屋根下地材上に固定するとともに瓦固定金具(3)をもその平板瓦(1)の後端部上に固定する。そして、上段の平板瓦(1)を、その先端部を下段の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)に差し込むように載置し、後は同様に後端部を瓦固定金具(3)とともにビス止めする。
【0005】
このような瓦固定金具(3)の存在により、平板瓦(1)の後端部はビス止めにより強固に固定され、先端部は瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)によりしっかりと保持されることになる。この手法は、特に樹脂製等の軽量な平板瓦(1)の重ね葺きに有用であり、瓦固定金具(3)による瓦先端部の保持固定によって、強風時に瓦先端部が浮いてバタツキが生ずるのを効果的に防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のとおりに優れた瓦固定金具(3)を用いた重ね葺き手法にあっても、実用上以下のような改良すべき点があった。
【0007】
すなわち、重ね葺き後、平板瓦(1)の破損等によって一部を差替え補修する必要が生じ得るが、その際に瓦先端部を保持している瓦固定金具(3)が差替え時には邪魔となってしまい、一部の平板瓦(1)のみの差替えを簡単には行えないのである。
【0008】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑み、瓦固定金具(3)を用いた重ね葺き手法により重ね葺いた平板瓦(1)に対して、補修等が必要な一部の平板瓦(1)のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、下段の平板瓦の後端部を瓦固定金具とともに屋根下地材にビス止め固定し、瓦固定金具に上段の平板瓦の先端部を差し込んで保持するようにして重ね葺いた平板瓦の差替え方法であって、下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開け、この孔を通して下段の平板瓦および瓦固定金具をビス止めしているビスを外し、上段の平板瓦と下段の平板瓦との間から瓦固定金具を取り外し、下段の平板瓦を差し替え、瓦固定金具を上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し戻し、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする、ことを特徴とする平板瓦の差替え方法を提供する。
【0010】
また、この出願の発明は、第2には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、孔にコーキング材を塗布した後にビスをねじ込むことを特徴とする平板瓦の差替え方法、第3には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きなビスを用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第4には、上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きく、且つパッキンを有するビスを用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第5には、下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開ける際、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込むことで上段の平板瓦上にビス止め位置を示すことのできるビス止め位置設定治具を用いることを特徴とする平板瓦の差替え方法、第6には、ビス止め位置設定治具として、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込まれる差込み片と、当該差込み片が差し込まれた際に上段の平板瓦上にてビス止め位置を示す位置指示片とを有するものを用いることを特徴とする平板瓦の差込み方法をも提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴を有するものであるが、以下に図面に沿ってその実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0012】
前述の図5〜図7に例示したように、下段の平板瓦(1)の後端部を瓦固定金具(3)とともに桟木(2)等の屋根下地材にビス止め固定し、瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)に上段の平板瓦(1)の先端部を差し込んで保持するようにして重ね葺いた平板瓦(1)がある場合において、平板瓦(1)の差替えの必要が生じた際には、たとえば図1に例示したように、この出願の発明に従った以下の手順で差替えを行う。
【0013】
▲1▼ まず、下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)(図示していない)のビス止め位置と一致する位置にて上段の平板瓦(1)に孔(11)を開ける。
【0014】
▲2▼ 開けた孔(11)を通して下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)をビス止めしているビス(4)を外す。当然、孔(11)はビス(4)よりも若干大きめに開ける必要がある。
【0015】
▲3▼ 上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間から瓦固定金具(3)を取り外す。ビス(4)を外してあるので瓦固定金具(3)は上下段の隙間から引き抜けばよい。
【0016】
▲4▼ そして、下段の平板瓦(1)を差し替える。差し替える元の平板瓦(1)については、後端部はビス(4)を外してあるので固定されていないが、先端部は下々段つまりさらに一段下の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)(図示していない)に差し込まれているのでその差込みを外す必要がある。これは、たとえば差し替える元の平板瓦(1)を上方に押し上げるようにして、あるいは切込みを入れるなどして外すことができる。新しい平板瓦(1)については、元の平板瓦(1)があった位置にて、後端部を上段の平板瓦(1)の先端部裏側に差し込むとともに先端部を下々段の平板瓦(1)上の瓦固定金具(3)の瓦差込み部(31)(図示していない)に差し込むようにして載置する。
【0017】
▲5▼ 後は、瓦固定金具(3)(図示していない)を、上段の平板瓦(1)と新たな平板瓦(1)との間に差し戻し、
▲6▼a 上段の平板瓦(1)に開けた孔(11)を通して、差し戻した瓦固定金具(3)とともに差し替えた新たな下段の平板瓦(1)をビス止めする。
【0018】
▲6▼b この再ビス止めに際しては、孔(11)からの漏水を防止すべく、孔(11)の周囲にコーキング材(12)を塗布してから、ビス(5)をねじ込むことが好ましい。
【0019】
また、たとえば図2に例示したように、元のビス(4)よりもネジ頭が大きなビス(5)を用いる、あるいは元のビスよりもネジ頭が大きく且つパッキン(51)を有するビス(5)を用いることもより好ましい態様である。孔(11)は元のビス(4)を取り出すためにそのネジ頭径aよりある程度大きな径となっているため、孔(11)の径に対応した若干大きいネジ頭径bのビス(5)を用いる必要があり、さらにはビス(5)自体にパッキン(51)を具備することで、孔(11)にコーキング材(12)を塗布しない場合でもパッキン(51)により防水効果が得られ、コーキング材(12)を塗布した場合では二重の防水効果が得られる。なお、新たなビス(5)は、上段の平板瓦(1)上から屋根下地材へねじ込むため、元のビス(4)よりも長いものである必要もある。
【0020】
ところで、下段の平板瓦(1)および瓦固定金具(3)のビス止め位置で上段の平板瓦(1)に孔を開ける際(上記ステップ▲1▼)、ビス(4)は上段の平板瓦(1)の裏側に隠れているので、外からビス止め位置を視認できない。
【0021】
そこで、正確なビス止め位置を上段の平板瓦(1)上からでも把握できるようにすべく、たとえば図3および図4に例示したように、瓦固定金具(3)位置にて上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間に差し込むことで上段の平板瓦(1)上にビス止め位置を示すことのできるビス止め位置設定治具(6)を用いてもよい。
【0022】
より具体的には、このビス止め位置設定治具(6)は、たとえば、瓦固定金具(3)位置にて上段の平板瓦(1)と下段の平板瓦(1)との間に差し込まれる差込み片(61)と、当該差込み片(61)が差し込まれた際に上段の平板瓦(1)上にてビス止め位置を示す位置指示片(62)とを有するものとすることができる。差込み片(61)は、上下段瓦間に差し込まれる際に正確に瓦固定金具(3)の位置に一致するように、差込み時に瓦固定金具(3)に沿って入り込む切欠き部(611)を持っている。また、位置指示片(62)は、差込み片(61)が差し込まれた際に上段の平板瓦(1)上にてビス止め位置を正確に示すことのできる位置に位置指示穴(621)を持っている。これら差込み片(61)および位置指示片(62)は立上り片(63)で連結されて立上り片(63)の上下端から同一方向(差込み時で言うと棟方向)に向かって延びており、差込み片(61)が切欠き部(611)を瓦固定金具(3)位置に合わせて上下段瓦間に差し込まれ(図3▲1▼参照)、立上り片(63)が上段の平板瓦(1)の先端に当接した状態にて(図3▲2▼参照)、位置指示片(62)が上段の平板瓦(1)上を棟方向へ延びて位置指示孔(621)が裏側に隠れているビス(4)と丁度合った部位に位置するようになっている。
【0023】
後は、位置指示孔(621)から上段の平板瓦(1)上にマーキング(7)を行えば(図3▲2▼▲3▼参照)、正確なビス止め位置を把握でき、孔(11)開けをミスなく正確に行うことができる。
【0024】
単純な定規を用いて位置決めすることも可能ではあるが、平板瓦(1)が凹凸形状を有している場合には正確な位置を計れないため、凹凸形状の影響を受けない上記ビス止め位置設定治具(6)を用いる方が好ましい。
【0025】
なお、ビス止め位置設定治具(6)は、たとえば、平板瓦(1)に同梱する施工説明書にとじ込むようにしても、施工説明書型紙で作成しておくようにしてもよい。
【0026】
もちろん、この出願の発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、瓦固定金具を用いた重ね葺き手法により重ね葺いた平板瓦に対して、補修等が必要な一部の平板瓦のみを簡単に差し替えることのできる、新しい平板瓦の差替え方法が提供され、瓦固定金具による瓦先端部のバタツキを防止するという効果はそのままに、差替え補修等を簡単に実現できるようになる。これにより樹脂製等の軽量な平板瓦のより一層の普及を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明を説明するための図であり、▲1▼〜▲6▼は各補修ステップを例示している。
【図2】補修前の元のビスおよび補修後の新たなビスを例示した断面図である。
【図3】この出願の発明を説明するための別の図であり、▲1▼〜▲3▼はビス止め位置の位置決めステップを例示している。
【図4】ビス止め位置設定治具を例示した図である。
【図5】瓦固定金具を用いた平板瓦の重ね葺きを説明するための図である。
【図6】瓦固定金具を例示した図である。
【符号の説明】
1 平板瓦
11 孔
12 コーキング材
2 桟木
3 瓦固定金具
31 瓦差込み部
32 ビス用開口部
4 ビス
5 ビス
51 パッキン
6 ビス止め位置設定治具
61 差込み片
611 切欠き部
62 位置指示片
621 位置指示孔
63 立上り片
7 マーキング
Claims (6)
- 下段の平板瓦の後端部を瓦固定金具とともに屋根下地材にビス止め固定し、瓦固定金具に上段の平板瓦の先端部を差し込んで保持するようにして重ね葺いた平板瓦の差替え方法であって、
下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開け、
この孔を通して下段の平板瓦および瓦固定金具をビス止めしているビスを外し、
上段の平板瓦と下段の平板瓦との間から瓦固定金具を取り外し、
下段の平板瓦を差し替え、
瓦固定金具を上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し戻し、
上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする、
ことを特徴とする平板瓦の差替え方法。 - 上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、孔にコーキング材を塗布した後にビスをねじ込む請求項1記載の平板瓦の差替え方法。
- 上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きなビスを用いる請求項1または2記載の平板瓦の差替え方法。
- 上段の平板瓦に開けた前記孔を通して瓦固定金具とともに差し替えた下段の平板瓦をビス止めする際、元のビスよりもネジ頭が大きく、且つパッキンを有するビスを用いる請求項1または2記載の平板瓦の差替え方法。
- 下段の平板瓦および瓦固定金具のビス止め位置で上段の平板瓦に孔を開ける際、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込むことで上段の平板瓦上にビス止め位置を示すことのできるビス止め位置設定治具を用いる請求項1ないし4のいずれかに記載の平板瓦の差替え方法。
- ビス止め位置設定治具は、瓦固定金具位置にて上段の平板瓦と下段の平板瓦との間に差し込まれる差込み片と、当該差込み片が差し込まれた際に上段の平板瓦上にてビス止め位置を示す位置指示片とを有するものである請求項5記載の平板瓦の差込み方法。
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