JP2002106096A - 電波吸収壁及び電波吸収壁を備えた外装壁 - Google Patents

電波吸収壁及び電波吸収壁を備えた外装壁

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JP2002106096A
JP2002106096A JP2000298328A JP2000298328A JP2002106096A JP 2002106096 A JP2002106096 A JP 2002106096A JP 2000298328 A JP2000298328 A JP 2000298328A JP 2000298328 A JP2000298328 A JP 2000298328A JP 2002106096 A JP2002106096 A JP 2002106096A
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radio wave
wave absorbing
wall
absorbing panel
nut
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JP2000298328A
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Naonobu Taniguchi
直延 谷口
Yoshiyuki Moriyama
義幸 森山
Yuji Matsumoto
勇二 松本
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Neomax Kiko Co Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Metals Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波吸収パネルの電波吸収性能を維持しなが
ら施工性、作業性を向上させる。更に、電波吸収パネル
の施工において色合せの手間が少なくてすむようにす
る。更に、電波吸収パネルの施工においてアルミジョイ
ナーを用いないようにする。 【解決手段】 面材に複数の電波吸収パネルを平面状に
配設して固定したことを特徴とする電波吸収壁を提供す
る。更に面材に電波吸収パネル固定補助桟を固着し、電
波吸収パネルの側部に段差部を形成するとともに、隣合
う前記電波吸収パネルの前記段差部が前記電波吸収パネ
ル固定補助桟に当設した状態で、前記電波吸収パネルを
前記電波吸収パネル固定補助桟に固定手段により取り付
けたことを特徴とする電波吸収壁を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層建築物の外壁
に用いられ、主にテレビ電波の不用反射電波を防止する
電波吸収壁、及びこの電波吸収壁を備えた外装壁に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高層建築物の外壁がテレビ電波を反射
し、この反射電波がテレビ放送の障害となり、テレビ画
面にいわゆるゴーストを生じさせる等の電波障害が問題
となっている。この対策としては、例えば、電波障害が
発生する地域に共同アンテナを設置することが行われて
いる。しかし、この方法ではその設備に多大の費用がか
かり、また地震などの自然災害で基地局やケーブルが破
壊されるという問題があった。そこで、建築物の外壁自
体に電波吸収機能を持たせた、いわゆる電波吸収パネル
が実用化されている。この電波吸収体としては、主にフ
ェライト板が用いられ、これら磁性体を埋め込んだ電波
吸収パネルについては種々提案されている。従来の電波
吸収パネルの一例を図9及び図10に基づいて説明す
る。図9(a)は従来の電波吸収パネル1の断面図、図
9(b)は前記従来の電波吸収パネル1が建築物に設置
された状態を横からみた断面図であり、図10は図9の
従来の電波吸収パネル1が建築物に設置された状態を上
からみた図である。図9(a)の従来の電波吸収パネル
1は、外側ケイ酸カルシュウム板2(第一層)、フェラ
イト板3と低誘電体(GAP部)であるリブ材4からな
る吸収体層5(第二層)と、内側ケイ酸カルシュウム板
6(第三層)と、金属製の反射板7(第四層)からな
る。吸収体層5はフェライト板3を幅と厚さとで構成さ
れる面どうしを合わせて入射電波の磁界方向(図9では
Y方向)に連続的に配置し、このフェライト板3の配置
を磁界方向と直交する電界方向(同じくX方向)に所定
のGAP率(X方向のフェライト板3寸法に対するリブ
材4寸法の比率)で繰り返すことにより形成される。図
9(b)に示すとおりこの電波吸収パネル1はビルのガ
ラスカーテンウオール用ガラス8と電波を反射するビル
の構造鋼9との間に設置される。このような構成によ
り、建築物の外壁に入射したテレビ電波は吸収体層5に
吸収されるか、或いは反射板7により入射電波と逆位相
に反射されて入射電波と打ち消し合って外壁からの反射
を抑制するのである。
【0003】そしてこの従来の電波吸収パネルが用いら
れるガラスカーテンウォールにおいては、その施工サイ
ズ(図9ではX方向)は1スパンが電波吸収パネルが取
り付けられるアルミサッシを含み6400mmであり、
その中間に方立と称する仕切り材を用いて、2等分し各
々を3200mmとした方策が主流である。図10のS
寸法は1/2スパン分である。このような場合にあって
は、施工現場での人手による作業効率や施工性を向上さ
せるため電波吸収パネルの1枚あたりの重量を50kg
程度に留めることが好ましく、それを超える重量になる
と人手による作業は困難になる。更に運送効率を向上さ
せるため電波吸収パネルの平積み梱包を可能ならしめる
こと等の要求から、前記2等分後の各々の横方向寸法を
更に三〜四分割した寸法にて電波吸収パネルを作成す
る。そして、電波吸収パネル同士を横方向につなぐアル
ミ製の部品であるアルミジョイナー10を用いて連結し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法は下記
のような問題点が有る。建築物の外観、意匠において壁
の色合わせは重要であり、特にガラスカーテンウオール
と呼ばれるガラスで形成する建物の外壁面で、連続する
同じ向きの外壁においては同じ色の壁材でも取り付け角
度のわずかな違いによる光の反射の違いのため色合わせ
の上で微妙な違い(色むら)を生じる。従って連続する
同じ向きの外壁に取り付けらる電波吸収パネルの取り付
け角度を同じ角度にそろえる必要があり、横方向短尺寸
法の電波吸収パネルを多数取り付ける従来の方式では、
色むらを無くすための多数の電波吸収パネルの取り付け
角度の調整に多大な手間を要した。また、アルミジョイ
ナーと電波吸収パネルとでは光の反射が違うために色む
らが生じるのでアルミジョイナーを用いないようにする
ことが求められていた。そこで本発明の目的は、電波吸
収性能を維持しながら施工性、作業性を向上させた電波
吸収壁及び電波吸収壁を備えた外装壁を提供することで
ある。更に本発明の目的は、色合せの手間が少なくてす
む電波吸収壁及び電波吸収壁を備えた外装壁を提供する
ことである。更に本発明の目的は、アルミジョイナーを
用いない電波吸収壁及び電波吸収壁を備えた外装壁を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の第一の発明は、面
材に複数の電波吸収パネルを平面状に配設して固定した
電波吸収壁であり、更に、面材に電波吸収パネル固定補
助桟を固着し、電波吸収パネルの側部に段差部を形成す
るとともに、隣合う前記電波吸収パネルの前記段差部が
前記電波吸収パネル固定補助桟に当設した状態で、前記
電波吸収パネルを前記電波吸収パネル固定補助桟に固定
手段により取り付けた電波吸収壁であり、更に、前記固
定手段は、前記電波吸収パネル固定補助桟に埋設したナ
ットと、電波吸収パネルを介して前記ナットと嵌合する
ボルトからなるものである。
【0006】本願の第二の発明は、面材に複数の電波吸
収パネルを平面状に配設して固定した電波吸収壁の外側
に、所定の間隔を設けてガラスカーテンウオール用ガラ
スを配置した電波吸収壁を備えた外装壁であり、更に、
面材に電波吸収パネル固定補助桟を固着し、電波吸収パ
ネルの側部に段差部を形成するとともに、隣合う前記電
波吸収パネルの前記段差部が前記電波吸収パネル固定補
助桟に当設した状態で、前記電波吸収パネルを前記電波
吸収パネル固定補助桟に固定手段により取り付けた電波
吸収壁の外側に、所定の間隔を設けてガラスカーテンウ
オール用ガラスを配置した電波吸収壁を備えた外装壁で
あり、更に、前記固定手段は、前記電波吸収パネル固定
補助桟に埋設したナットと、電波吸収パネルを介して前
記ナットと嵌合するボルトからなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電波吸収壁の実施の一形
態を図面に基づいて説明する。以下、本発明の実施の形
態の説明においては、建築物に電波吸収壁が設置された
ときに、建築物の外側になる方向又は面を外側、建築物
の内側になる方向又は面を内側と記すことにする。
【0008】図1は本発明の実施の形態の構成を示す斜
視図であり、矢印Xの向きを横方向にして建築物に設置
される横方向長尺寸法の面材11と、この面材11に平
面状に配設されて一体に固定される複数の横方向短尺寸
法の電波吸収パネル1の組み付け状態を示す。図1に示
すように、電波吸収壁は面材11の内側に4枚の電波吸
収パネル1を固定した状態から構成されている。また、
ナット12(図2に示す)を埋設した電波吸収パネル固
定補助桟13を接着剤で面材11の縦方向(Y方向)一
端から他端に亘って固着している。なお、面材11の外
側にはガラスカーテンウオール用ガラス8(図5に示
す)が配置される。
【0009】続いて、電波吸収壁の構成の詳細を図2に
基づいて説明する。図2は図1のA―A矢視図である。
本実施の形態においては、電波吸収壁は電波吸収パネル
1をケイ酸カルシウム板からなる厚さ6mmの面材11
の内側に固着して構成する。また電波吸収パネル1は、
厚さ4mmの外側ケイ酸カルシウム板2(第一層)の内
側に、厚さ10mmのフェライト板3と低誘電体(GA
P部)であるリブ材4(図3に示す)からなる吸収体層
5(第二層)、さらにその内側に後述の段差部14を備
えた厚さ25mmの内側ケイ酸カルシウム板6(第三
層)を配置し、そしてその内側に厚さ1mmのアルミシ
ートからなる反射板7(第四層)を配置する。第一層か
ら第四層までの各層は接着剤で固着する。この構成自身
は従来の電波吸収パネルと同様であり、それぞれの厚さ
等は対策すべき不要反射電波や耐火性、強度などの仕様
により適宜選択されるものである。なお本実施の形態で
は電波吸収パネル1の寸法を図1のY方向1060m
m、X方向(後述の第三層の外側ならびに前記第一層及
び第二層)770mmとして構成する。そして、電波吸
収パネル固定補助桟13には、後述するように、通し穴
20及びそれと同芯に坐ぐり21が形成されており、ナ
ット12及び回り止め材22が設置される。
【0010】本実施の形態においては、図1に示す4枚
の電波吸収パネル1a、1b、1c及び1dの内、中間
に配設された電波吸収パネル1b及び1cの内側ケイ酸
カルシウム板6の各両横側部、ならびに両端に配設され
た電波吸収パネル1a及び1dの内側ケイ酸カルシウム
板6の電波吸収パネル固定補助桟13に当接する側の横
側部には、Y方向に段差部14を備えている。したがっ
て、すなわち、同一の内側ケイ酸カルシウム板6(第三
層)において、外側のX方向寸法は内側のX方向寸法よ
り小さい。また、電波吸収パネル固定補助桟13に埋設
したナット12の位置と対応する電波吸収パネル1に形
成した段差部の端部には略半円状の切り欠き15を備え
ている。
【0011】また本実施の形態においては、外側ケイ酸
カルシウム板2(第一層)、吸収体層5(第二層)、内
側ケイ酸カルシウム板6(第三層)及び反射板7(第四
層)のY方向(図1に示す)の寸法は略一致するように
構成する。さらに、内側ケイ酸カルシウム板6(第三
層)の内側及び反射板7(第四層)のX方向(図1に示
す)寸法は略一致するように構成する。そして、内側ケ
イ酸カルシウム板6(第三層)の外側ならびに吸収体層
5(第二層)及び外側ケイ酸カルシウム板2(第一層)
のX方向寸法は略一致するように構成するので、電波吸
収パネル1b及び1cの各両横側部、ならびに電波吸収
パネル1a及び1dの電波吸収パネル固定補助桟13に
当接する側の横側部には前記段差部14の高面(外側)
に吸収体層5(第二層)と外側ケイ酸カルシウム板2
(第一層)が追加された段差部16が形成される。
【0012】さらに本実施の形態においては、電波吸収
パネル1に形成した段差部16の形状と電波吸収パネル
固定補助桟13の断面形状(正方形あるいは長方形)と
は略一致するように構成する。かつ、段差部16の低面
17のX方向の寸法Xa(図1に示す)は、電波吸収パ
ネル固定補助桟13のX方向寸法の略1/2になるよう
に構成し、隣接する2枚の電波吸収パネル1の段差部1
6が電波吸収パネル固定補助桟13にほぼ隙間が無い状
態で当接させるようにする。
【0013】さらに、本実施の形態では、下記のような
構成にする。 1)4枚の電波吸収パネル1の内側のX方向の合計寸法
と面材11のX方向寸法は略一致するように構成する。 2)電波吸収パネル1、面材11及び電波吸収パネル固
定補助桟13のY方向寸法は略一致するように構成す
る。 3)電波吸収パネル固定補助桟13は、面材11に接着
により固着されるものであるため、剥離することがない
様に、かつ長期に亘り十分な固着力を得るように勘案し
て、電波吸収パネル固定補助桟13の面材11と接する
部分のX方向寸法を適宜設定するようにする。 4)電波吸収パネル1の段差部16を電波吸収パネル固
定補助桟13に当接させた状態で4枚の電波吸収パネル
1が面材11に配置されたとき、電波吸収パネル1a及
び1dのX方向の端面(段差部16の無い面)が面材1
1のX方向の端面と略一致するように、間隔をおいて、
電波吸収パネル固定補助桟13を面材11に配置、固着
する。
【0014】そして電波吸収パネル1の段差部16が電
波吸収パネル固定補助桟13に当接するように複数の電
波吸収パネル11を面材1に配置し、更に、電波吸収パ
ネル1の反射板7(第四層)の内側に、ボルト穴を備え
た亜鉛メッキ鋼板製の(たとえば厚さ2mm、巾50m
mの)プレート18を配置する。プレート18と電波吸
収パネル固定補助桟13のY方向寸法は略一致するよう
に構成する。そして、プレート18のボルト穴にワッシ
ャ(図示せず)を添えて挿入したボルト19を、前記切
り欠き15に挿入して前記ナット12に締め付けること
を固定手段として、電波吸収パネル1を面材11に固定
する。
【0015】上記のような構成の、4枚の電波吸収パネ
ル1を平面状に配設した状態を示すのが図3である。な
お、図3は図1のB―B矢視図であり、内部構造を判り
やすくするために、面材11及び/又は外側ケイ酸カル
シウム板2の裏側になり実際には見えないフェライト板
3、リブ材4及び電波吸収パネル固定補助桟13を図示
し特にフェライト板3は斜線で示している。そして、フ
ェライト板3はX方向にリブ材4を挟んで不連続的に、
Y方向に連続的に配置する。フェライト板3とリブ材4
の方向、配置は対策すべき不要反射電波の仕様により適
宜選択されるものである。
【0016】続いて、電波吸収パネル1を電波吸収パネ
ル固定補助桟13に固定する手段の詳細について図2及
び図2のD−D矢視図である図4に基づいて説明する。
本実施の形態では、ナット12は円筒部12aと頭部1
2bから構成されるものを使用する。電波吸収パネル固
定補助桟13には、通し穴20及びそれと同芯に坐ぐり
21が形成されており、坐ぐり21のある側からナット
12を通し穴20に挿入し、接着固定する。ナット12
の円筒部12aが通し穴20に挿入できかつ通し穴20
から出っ張らないようするため通し穴20の内径寸法は
円筒部12aの外径寸法寸法より大きくし、通し穴20
の軸方向寸法は円筒部12aの軸方向寸法以上とする。
ナット12の頭部12bの平面形状は図4に示すように
正方形である。頭部12bが坐ぐり21に挿入でき、か
つ頭部12bが坐ぐり21から出っ張らないようにする
ために、坐ぐり21の深さ寸法は頭部12bの高さ寸法
以上とし、坐ぐり21の内径寸法は頭部12bの正方形
の平面形状の対角線寸法より大きくする。このような構
成により、電波吸収パネル固定補助桟13にナット12
を埋設する。また、ボルト19をねじ込むときにナット
12が共回りするのを防ぐためゴム製の回り止め材22
を坐ぐり21に接着固定する。回り止め材22の厚さ寸
法は坐ぐり21の深さ寸法よりも小さくする。回り止め
材22の平面形状の円周部の外径寸法は坐ぐり21の内
径寸法と略同じにすることが好ましい。
【0017】図5は図1のC―C矢視図であり、S寸法
は1/2スパンを示す。以下、図5の構成について説明す
る。前記のように、電波吸収パネル1は外側ケイ酸カル
シウム板2(第一層)の内側に、フェライト板3とリブ
材4からなる吸収体層5(第二層)、さらにその内側に
内側ケイ酸カルシウム板6(第三層)を配置し、そして
その内側に反射板7(第四層)を配置し、第一層から第
四層までの各層は接着剤で固着して構成する。4枚の電
波吸収パネル1a、1b、1c及び1dの内、中間に配
設された電波吸収パネル1b及び1cの各両横側部、な
らびに両端に配設された電波吸収パネル1a及び1dの
電波吸収パネル固定補助桟13に当接する側の横側部に
は、(図1の)Y方向に段差部16を備えている。電波
吸収パネル固定補助桟13が面材11の内側に接着され
る。また、電波吸収パネル固定補助桟13に埋設された
ナット12(図2に示す)の位置と対応する電波吸収パ
ネル1に形成した段差部の端部には略半円状の切り欠き
15(図1に示す)を備えている。そして電波吸収パネ
ル1の段差部16が電波吸収パネル固定補助桟13に当
接するように複数の電波吸収パネル11を面材1に配置
し、更に、電波吸収パネル1の反射板7(第四層)の内
側に、プレート18を配置し、プレート18のボルト穴
にワッシャ(図示せず)を添えて挿入したボルト19
を、前記切り欠き15に挿入して前記ナット12に締め
付けて、電波吸収パネル1を面材11の内側に固定す
る。そして、面材11の外側に、所定の間隔を設けてガ
ラスカーテンウオール用ガラス8を配置する。前記間隔
は使用するガラスの種類、断熱効果、デザイン等の関係
から建築設計で決定される。
【0018】次に、本発明の電波吸収壁の組み立て及び
取り付け方法について説明する。 1)工場において、前記第一層から第四層までの各層を
接着剤で固着して電波吸収パネル1を制作するととも
に、電波吸収パネル固定補助桟13の通し穴20及び坐
ぐり21にナット12及び回り止め材22を挿入、接着
してから、電波吸収パネル固定補助桟13を所定の間隔
をおいて接着剤で面材11に固着して補助桟付面材を制
作する。また、プレート18及びガラスカーテンウオー
ル用ガラス8も予め制作する。 2)電波吸収パネル1、補助桟付面材、プレート18、
ボルト19、ワッシャー及びガラスカーテンウオール用
ガラス8を建築工事現場に搬入する。 3)補助桟付面材を電波吸収パネル固定補助桟13を内
側にして設置場所に組み付けし、仮位置決めする。 4)電波吸収パネル1の段差部16を電波吸収パネル固
定補助桟13に当接して配置し、ナット12にプレート
18を介してワッシャーを添えてボルト19を締め付け
て一体の電波吸収壁とする。 5)電波吸収壁の外側に、所定の間隔を設けてガラスカ
ーテンウオール用ガラス8を取り付ける。 6)上記方法で、連続する同じ向きの外壁において電波
吸収壁及びガラスカーテンウオール用ガラス8を全数組
み付け後、色合わせのため、隣接する電波吸収壁相互の
光の反射を見ながら、光の反射が同じになるよう面材1
1の取り付け角度を微調整してから本位置決めする。
【0019】この様に構成することで、4枚の電波吸収
パネル1が面材11に固着一体化された電波吸収壁及び
電波吸収壁を備えた外装壁を容易に得ることができる。
また、補助桟付面材の電波吸収パネル固定補助桟13に
電波吸収パネル1の段差部16を当接するようにすれば
よいので、電波吸収パネル1の設置も容易であり、電波
吸収パネル1と面材11との固定もボルト19による緊
結で済み、施工性に極めて優れる。また、建築物に取り
付けて壁の色合せをするときにも従来のように横方向寸
法の短尺の多数の電波吸収パネルの角度調整に比べて、
本発明の横方向長尺の少数の電波吸収壁の角度調整更の
方が手間がかからない。更に、従来の電波吸収パネルの
連結部に用いられていたアルミジョイナーが不要になる
ので、アルミジョイナーと電波吸収パネルとの光の反射
の相違による色むらの発生を防止できる。
【0020】以上、本発明の実施の一形態について説明
したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでは
ない。実施の形態に記した寸法はこれに限定されるもの
ではなく、機能、生産性等を勘案して最適の寸法とすれ
ば良い。また、下記のような変形も可能である。 1)実施の形態では電波吸収パネル1の枚数は4とした
が、2又は3でも良く、或いは5以上でも良い。 2)実施の形態では電波吸収パネル1と面材11のY方
向寸法は略一致するように構成したが、電波吸収パネル
1のY方向寸法を面材11のY方向寸法よりも小さくし
ても良い。 3)実施の形態では電波吸収パネル1と電波吸収パネル
固定補助桟13のY方向寸法は略一致するように構成し
たが、電波吸収パネル固定補助桟13のY方向寸法を電
波吸収パネル1のY方向寸法よりも小さくしても良い。 4)実施の形態ではプレート18と電波吸収パネル固定
補助桟13のY方向寸法は略一致するように構成した
が、プレート18のY方向寸法を電波吸収パネル固定補
助桟13のY方向寸法よりも小さくしても良い。 5)実施の形態ではプレート18のボルト穴を3個所と
したが、2個所或いは4個所以上でも良く、該ボルト穴
個所数の増減に対応してナット12、切り欠き15、ボ
ルト19、ワッシャ、通し穴20、坐ぐり21及び回り
止め材22の数も増減すれば良い。 6)実施の形態ではボルト19を通すための切り欠き1
5の形状は略半円状としたが、四角型状でも良い。或い
は、図6(電波吸収パネル1と面材11の組み付け状態
を示し、特に電波吸収パネル1の段差部16 近傍を示
す斜視図)のように、2枚の電波吸収パネル1の段差部
16が電波吸収パネル固定補助桟13に当接した状態
で、電波吸収パネル1の横側部同士の間隔寸法Pがボル
ト19のねじ部の外径寸法よりも大きくなるようにして
も良い。 7)実施の形態ではプレート18は亜鉛メッキ鋼板製と
したが、ステンレス鋼板製でも良く、或いは難燃性の樹
脂製でも良い。 8)実施の形態では回り止め材22はゴム製としたが、
金属製でも良く、或いは樹脂製でも良い。 9)実施の形態ではナット12は電波吸収パネル固定補
助桟13に接着としたが、組み立てに支障無ければ接着
しなくても良い。 10)実施の形態ではナット12の円筒部12aの外周
はねじ山が無く、電波吸収パネル固定補助桟13のナッ
ト12用の通し穴20の内径寸法は円筒部12aの外径
寸法寸法より大きくしたが、円筒部12aの外周部をね
じ山のあるものとし、通し穴20の内径寸法を前記外周
部ねじ山の下穴寸法となるようにし、ナット12を通し
穴20にねじ込むセルフタッピング方式としても良い。
更に、ボルト19のねじ山及びナット12の内周部ねじ
山が円筒部12aの外周部ねじ山と逆ねじになるように
すれば、ボルト19をナット12にねじ込むときに外周
部ねじ山も通し穴20にねじ込まれる方向の回転力を受
けるので、回り止め材22が不要になり、より好まし
い。 11)実施の形態ではナット12は円筒部12aと頭部
12bから構成されるものを使用したが、次のようにし
ても良い。 ナット12を四角ナットまたは六角ナットとし、坐
ぐり21の代わりに、図7(電波吸収パネル固定補助桟
13にナット12を埋設する状態を示す斜視図)に示す
ような溝23を設け、この溝23の対向する面の幅寸法
W23とナット12(図7はナット12が四角ナットの
場合を示す)の平行な二側面の幅寸法W12との寸法関
係を、ナット12が溝23に挿入可能で、かつ挿入後、
溝23の対向する面とナット12の平行な二側面との隙
間が小さく、ボルト19ねじ込時のナット12供回りを
防止可能ならしめるように適切に決定する。そして、溝
23の深さ寸法はナット12の高さ寸法以上とし、かつ
ナットのねじ溝と通し穴20はボルト19ねじ込み可能
なように略同軸状になるような位置にナット12を接着
剤で溝23に固着する。 あるいは、前記の溝23を設ける代わりに、次のよ
うにしても良い。図8(電波吸収パネル固定補助桟13
にナット12を埋設する状態を示す斜視図)において電
波吸収パネル固定補助桟13は基板24と前記基板24
の外側に接着された複数の外板25から構成される。基
板24は前記通し穴20に対応する通し穴27を備え
る。前記外板25のX方向寸法は基板24のX方向寸法
と略一致させ、厚さ(Z方向)寸法はナット12の高さ
寸法以上とする。複数の外板25のY方向の対向する面
により形成される溝26の幅寸法W26とナット12
(図8はナット12が四角ナットの場合を示す)の平行
な二側面の幅寸法W12との寸法関係を、ナット12が
溝26に挿入可能で、かつ挿入後、溝26の対向する面
とナット12の平行な二側面との隙間が小さく、ボルト
19ねじ込時のナット12供回りを防止可能ならしめる
ように、複数の外板25のY方向寸法を適切に決定す
る。複数の外板25の内、Y方向両端の25a、25d
のY方向寸法は外板25a、25dのY方向両端部が基
板24のY方向両端部と略一致するか或いは、はみ出さ
ないように決定する。、かつナットのねじ溝と通し穴2
7はボルト19ねじ込み可能なように略同軸状になるよ
うな位置にナット12を接着剤で溝26に固着する。 12)実施の形態では、電波吸収パネル1を建築工事現
場で補助桟付面材に取り付けたが、電波吸収パネル1を
工場で補助桟付面材に取り付けてから建築工事現場に搬
入し、クレーンで吊り上げて設置場所に組み付けても良
い。
【0021】本発明においては、上記変形同士の組み合
わせ或いは実施の形態と変形との組み合わせは、任意に
行うことができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、電波吸収性能を維持し
ながら施工性、作業性を向上させた電波吸収壁及び電波
吸収壁を備えた外装壁を提供することができる。更に本
発明によれば、横方向長尺寸法で設置数量が少い方式と
することにより色合せの手間が少なくてすむ電波吸収壁
及び電波吸収壁を備えた外装壁を提供することができ
る。更に本発明によれば、アルミジョイナーを用いない
ので、アルミジョイナーと電波吸収パネルとの光の反射
の相違による色むらの発生を防止した電波吸収壁及び電
波吸収壁を備えた外装壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】図2のD−D矢視図である。
【図5】図1のC−C矢視図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形6)を示す図面であ
る。
【図7】本発明の実施の形態の変形11)を示す図面
である。
【図8】本発明の実施の形態の変形11)を示す図面
である。
【図9】従来の電波吸収パネルを示す図面である。
【図10】図9の従来の電波吸収パネルが建築物に設置
された状態を上からみた図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d 電波吸収パネル、2 外側ケイ
酸カルシウム板、3 フェライト板、4 リブ材、5
吸収体層、6 内側ケイ酸カルシウム板、7 反射板、
8 ガラスカーテンウオール用ガラス、9 構造鋼、1
0 アルミジョイナー、11 面材、12 ナット、1
2a 円筒部、12b 頭部、13 電波吸収パネル固
定補助桟、14、16 段差部、15 切り欠き、17
低面、18 プレート、19 ボルト、20、27
通し穴、21 坐ぐり、22 回り止め材、23、2
5、26 溝、24 基板、25、25a、25b、25
c、25d 外板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 勇二 群馬県多野郡吉井町多比良2977番地日立金 属機工株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DH01 FA04 FA09 GA24 GA42 GA63 HA11 HA20 HA21 HB01 HB02 HB03 HB04 HB07 HD11 HE01 LA01 LA04 2E002 NA04 NB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面材に複数の電波吸収パネルを平面状に
    配設して固定したことを特徴とする電波吸収壁。
  2. 【請求項2】 面材に電波吸収パネル固定補助桟を固着
    し、電波吸収パネルの側部に段差部を形成するととも
    に、隣合う前記電波吸収パネルの前記段差部が前記電波
    吸収パネル固定補助桟に当設した状態で、前記電波吸収
    パネルを前記電波吸収パネル固定補助桟に固定手段によ
    り取り付けたことを特徴とする電波吸収壁。
  3. 【請求項3】 前記固定手段は、前記電波吸収パネル固
    定補助桟に埋設したナットと、電波吸収パネルを介して
    前記ナットと嵌合するボルトからなることを特徴とする
    請求項2に記載の電波吸収壁。
  4. 【請求項4】 面材に複数の電波吸収パネルを平面状に
    配設して固定した電波吸収壁の外側に、所定の間隔を設
    けてガラスカーテンウオール用ガラスを配置したことを
    特徴とする電波吸収壁を備えた外装壁。
  5. 【請求項5】 面材に電波吸収パネル固定補助桟を固着
    し、電波吸収パネルの側部に段差部を形成するととも
    に、隣合う前記電波吸収パネルの前記段差部が前記電波
    吸収パネル固定補助桟に当設した状態で、前記電波吸収
    パネルを前記電波吸収パネル固定補助桟に固定手段によ
    り取り付けた電波吸収壁の外側に、所定の間隔を設けて
    ガラスカーテンウオール用ガラスを配置したことを特徴
    とする電波吸収壁を備えた外装壁。
  6. 【請求項6】 前記固定手段は、前記電波吸収パネル固
    定補助桟に埋設したナットと、電波吸収パネルを介して
    前記ナットと嵌合するボルトからなることを特徴とする
    請求項5に記載の電波吸収壁を備えた外装壁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112523407A (zh) * 2020-11-25 2021-03-19 江苏恒美幕墙材料有限公司 一种具有异形曲面菱形折拼的铝板幕墙

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