JP2002105760A - 複合糸及び該複合糸を用いた製紙用織物 - Google Patents

複合糸及び該複合糸を用いた製紙用織物

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JP2002105760A
JP2002105760A JP2000300289A JP2000300289A JP2002105760A JP 2002105760 A JP2002105760 A JP 2002105760A JP 2000300289 A JP2000300289 A JP 2000300289A JP 2000300289 A JP2000300289 A JP 2000300289A JP 2002105760 A JP2002105760 A JP 2002105760A
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Kazuhisa Miyashita
和久 宮下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性質の異なる素材を用いてらせん状に複合す
ることにより、単一素材のみからなる糸とは異なった様
々な性質を備える複合糸及び該複合糸を用いた製紙用織
物を提供する。 【解決手段】 本発明の複合糸は、材質、物性の異なる
材料を用いてらせん状に配列して複合した構成であるこ
とから、単一素材のみで構成される従来の糸と比較し
て、単一素材のみでは実現できない様々な性質を付与す
ることができる。また、本発明の製紙用織物は、経糸及
び緯糸からなる織物層を2層以上有し、経糸や緯糸とし
てかかる複合糸を用いていることから、単一素材のみで
構成される従来の製紙用織物用糸を用いた製紙用織物と
比較して、平滑性、紙料支持性、脱水性、強度等の諸性
質を必要に応じて種々のものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合糸及び該複合
糸を用いた製紙用織物に関し、更に詳しくは、性質の異
なる素材を用いてらせん状に複合することにより、単一
素材のみからなる糸とは異なった様々な性質を備える複
合糸及び該複合糸を用いた製紙用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より製紙工程においては、ワイヤー
パートで脱水された湿紙を受け取ってプレスパートへ運
び、プレスロールの間を通してさらに水を絞り、同時に
湿紙の表面を平滑にしてドライパートに送るために製紙
用織物が利用されている。そして今日、抄造される紙の
品質向上及び抄速の高速化による生産効率向上の要請に
応えるために、平滑性、紙料支持性、脱水性、強度に優
れた製紙用織物の開発が求められている。
【0003】製紙用織物の平滑性、紙料支持性、脱水
性、強度等の諸性質は、製紙用織物の織り方、織物層の
構成の他、製紙用織物を構成する製紙用織物用糸の性質
によっても左右される。そして、製紙用織物を構成する
上記製紙用織物用糸としては、従来より、単一素材で構
成されている単糸が用いられている。しかし、単一素材
では、あらゆる性質に優れた素材というものはなく、あ
る性質には優れているが、ある性質には劣るというのが
通常である。よって、単一素材で構成されている単糸の
備える性質は、どうしてもその素材の性質によって限界
付けられてしまうという問題がある。
【0004】そこで従来より、製紙用織物用糸として、
単一素材ではなく、2以上の素材を複合させた複合糸が
開発されている。例えば、第1の高弾性率繊維材料と第
2の二成分繊維材料より成り、第2の二成分繊維材料は
鞘成分と芯成分を有していて、第1の高弾性材料が第2
の材料内に被覆される、又第2の二成分繊維材料が第1
の高弾性率繊維材料の周りを被覆し、かつ複合糸の長さ
に沿った第1の高弾性率材料を包込む、第1の高弾性率
繊維材料と少なくとも一つの第2の繊維材料より成る複
合糸が提案されている(特表2000−501796号
公報)。このような複合糸では、単一素材からなる単糸
と比べて、様々な性質を有する素材を用いていることか
ら、得られる複合糸についても、従来の単糸と比較し
て、様々な性質を備えるものとすることができる。
【0005】しかし、上記のように、単に第一素材に対
し、第二素材を被覆する芯鞘構造の複合糸では、鞘部分
の性質が一素材の単糸として形成される場合と比べて結
晶性や配向性等の性質が劣る構造となる場合があり、そ
の結果、鞘部分を構成する素材の特徴を生かし切れず、
素材の性質の強い方が複合糸の大半の特徴として現れ、
その他の素材の特徴が隠れてしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、性質の異なる素材を用いてら
せん状に複合することにより、単一素材のみからなる糸
とは異なった様々な性質を備える複合糸及び該複合糸を
用いた製紙用織物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するべく、糸の構成と性質との関係について鋭意検討
した結果、2成分以上の素材を用いる複合糸において、
2成分以上の素材をらせん状に配列し、各成分を貼り合
わせて単糸形状とした複合糸とすることにより、上記目
的を達成できることを見出して本発明を完成するに至っ
た。即ち、請求項1に係る発明の複合糸は、らせん状に
配列して貼り合わされた少なくとも2以上の複合糸素材
部を有することを特徴とする。
【0008】請求項1に係る発明の複合糸を構成する上
記「複合糸素材部」を構成する材料の種類については特
に限定はなく、通常は異種素材を用いるが、同種材料で
あり、且つ異なる物性を持つ素材を用いることもでき
る。特に、請求項2に係る発明に示すように、上記複合
糸素材として、異なった粘度の同種材料を用いると、各
複合糸素材の単一素材時に有する性質の中間辺りの性質
を備えた複合糸とすることができるので好ましい。上記
「複合糸素材部」を構成する材料として用いることがで
きるものとしては、例えば、ポリエステルモノフィラメ
ント、ナイロンモノフィラメント(6ナイロン、66ナ
イロン、610ナイロン、612ナイロン等)等が挙げ
られる。
【0009】また、上記「複合糸素材部」を構成する材
料の物性についても特に限定はなく、必要に応じて様々
な物性のものを用いることができる。例えば、上記複合
糸素材として同種材料を用いた場合、請求項3に係る発
明に示すように、いずれも1%時引っ張りモジュラスが
0.05g/d未満、好ましくは0.045g/d未
満、更に好ましくは0.03〜0.04g/d、破断時
のモジュラスが4.1g/d未満、好ましくは3.9g
/d未満、更に好ましくは3.5〜3.8g/dであ
り、且つ、破断時の伸度が50%を超えている物性の材
料を用いることができる。かかる物性の材料を用いるこ
とにより、単一素材からなる糸と比較して、延び易い性
質を付与することができるので好ましい。また、上記複
合糸素材として異種材料を用いた場合、請求項4に係る
発明に示すように、少なくとも1以上の材料は破断時の
モジュラスが1000g/d以上、好ましくは1300
g/d以上、更に好ましくは1500〜2000g/d
とすることができる。かかる物性とすることにより、単
一素材からなる糸と比較して、ヤング率が高く、高弾性
という性質を付与することができるので好ましい。
【0010】また、本発明の複合糸を構成する上記複合
糸素材部は、通常は、図1〜図6に示すように、外部に
露出しているが、請求項5に係る発明に示すように、ら
せん状に配列して貼り合わされた少なくとも2以上の複
合糸素材部を有し、且つ、該複合糸素材部のうちの少な
くとも1つはフィラメント状又はステープル状の糸から
なり、残りの複合糸素材部の少なくとも1つは上記フィ
ラメント状又はステープル状の糸を包み込むように配置
されているものとすることができる(図7〜図9参
照)。かかるらせん状の貼り合わせ構造とすることによ
り、単なる芯鞘構造とした場合と比較して、貼り合わさ
れた各素材の結晶性や配向が異なることから、フィラメ
ント、ステープルの素材の特徴を生かしつつ、周囲の素
材を生かして保護し、その結果、耐久性に優れ、糸の寿
命延長において有利な構造となることから好ましい。
【0011】請求項5に係る発明において、上記「フィ
ラメント状又はステープル状の糸」の材質については、
形状がフィラメント状又はステープル状である限り特に
限定はなく、ケブラー等のアラミドファイバー、カーボ
ンファイバー等を用いることができる。この中で、請求
項6に係る発明に示すように、スチール、ステンレス等
の金属繊維を用いると、強度を向上させると共に、伸び
が極端に抑えられる結果、寸法特性に非常に優れた複合
糸とすることができるので好ましい。また、上記「フィ
ラメント状又はステープル状の糸」の物性についても特
に限定はないが、請求項7に係る発明に示すように、モ
ジュラスを1000g/d以上、好ましくは1300g
/d以上、更に好ましくは1500〜2000g/dと
すると、かかる複合糸を用いて織られた織物の剛性及び
寸法安定性が著しく向上する結果、単層構造でも十分に
織物としての機能を発揮することができるので好まし
い。
【0012】また、請求項5に係る発明において、上記
フィラメント状又はステープル状の糸を包み込む複合糸
素材部を構成する材料については特に限定はなく、ポリ
エステルモノフィラメント、ナイロンモノフィラメント
(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612
ナイロン等)等のポリアミド等を用いることができる。
この中で、請求項8に係る発明に示すように、上記フィ
ラメント状又はステープル状の糸を包み込む複合糸素材
部を構成する材料として、少なくともポリアミド成分が
含まれている材料を用いると、外側のポリアミド成分が
耐摩耗性を有し、内側のフィラメント又はステープル状
の糸を保護する役割を果たすことができるので好まし
い。
【0013】本発明の複合糸の横断面形状については特
に限定はなく、複合糸を用いる分野に応じた様々な形状
とすることができる。例えば、請求項9に係る発明に示
すように、横断面形状として、円形状、だ円形状、又は
星型形状とすることができる。尚、ここで「だ円形状」
とは、完全に曲線のみで構成される数学的意味でのだ円
だけでなく、小判形のように、一部に直線を含んだ形状
も含まれる。
【0014】本発明の複合糸では、上記複合糸素材部が
らせん状に貼り合わされている。かかるらせん状に貼り
合わせた構成とすることにより、単に複数の複合糸素材
部を貼り合わせたり、あるいは、ある複合糸素材部を芯
として、その周囲を別の複合糸素材部で被覆した複合糸
と比べて、貼り合わされた各素材の結晶性や配向等の性
質の低下を防ぐことができる。その結果、複合糸を構成
する個々の素材の特徴が損なわれず、複合糸にしても元
の性質を維持することができるので好ましい。
【0015】また、本発明の複合糸では、複合糸素材部
がらせん状に貼り合わされていることから、各複合糸素
材部を構成する材料の材質、貼り合わせのらせんの傾斜
等により、請求項10に係る発明に示すように、単糸状
態で既に捲縮形状となるようにすることができる。ま
た、請求項11に係る発明に示すように、単糸状態では
捲縮形状を有しておらず、織られて一定の熱履歴を受け
ることで捲縮形状となるようにすることができる。複合
糸がかかる捲縮形状を備えることにより、織り込むこと
により織物層を形成する場合、必要以上に多層にしなく
ても、十分な強度とすることができるので好ましい。こ
こで、「捲縮形状」とは、図2及び図4に示すようにク
リンプがついた形状を意味する。この場合、クリンプの
大きさについては特に限定はない。また、「熱履歴」
は、複合糸に熱を加えるのであれば、その方法について
は特に限定はなく、通常は、熱風乾燥等のヒートセット
により行われる。尚、かかる捲縮形状は、貼り合わせの
らせんの傾斜や貼り合わせる各複合糸素材部を構成する
材料の材質を変えることにより、種々のものとすること
ができる。
【0016】本発明の複合糸は、通常は、平滑性、紙料
支持性、脱水性、強度等の様々な性質が要求される製紙
用織物用糸として好ましく用いることができるが、上記
のように、単一素材のみからなる糸とは異なった様々な
性質を付与することができることから、製紙用織物用糸
としてだけでなく、必要に応じた様々な物性であること
が要求される各種工業用用途に用いることができる。
【0017】請求項12に係る発明の製紙用織物は、上
記請求項1乃至11のいずれかに記載の複合糸を少なく
とも1種有することを特徴とする。請求項12に係る発
明の製紙用織物の構造については限定なく、単層構造で
もかまわないが、請求項13に係る発明に示すように、
2層以上の経糸及び緯糸からなる織物層で構成される多
層構造とすることもできる。かかる多層構造とすること
により、1層の織物層で構成される単層構造のものと比
較して、平滑性、紙料支持性及び耐摩耗性を向上させる
ことができるので好ましい。また、かかる多層構造とし
た場合、製紙面側織物層を構成する製紙面側緯糸が経糸
に織込まれることにより、隣の製紙面側緯糸との間に形
成される窪みを補うため、隣合う製紙面側緯糸の間に、
製紙面側緯糸よりも径の小さい補助緯糸を織込むことが
できる。かかる補助緯糸を織込むことにより上記窪みを
補う結果、織物構造に実質的変化を与えることなく、紙
料の支持性、平滑性を向上させて、表面性に優れた紙を
抄造することができる。更に、請求項12に係る発明の
製紙用織物の形状については特に限定はなく、無端状と
する他、有端状とすることもできる。
【0018】請求項12に係る発明の製紙用織物では、
上記請求項1乃至11のいずれかに記載の複合糸を含ん
でいればよく、例えば、経糸及び緯糸を織り込んで構成
される織物層を有する製紙用織物の場合、請求項14に
係る発明に示すように、上記経糸の全て又は一部に用い
たり、請求項15に係る発明に示すように、走行面側織
物層を構成する上記緯糸の全て又は一部に用いることが
できる。また、製紙面側織物層を構成する上記緯糸の間
に補助緯糸を織り込む場合、請求項16に係る発明に示
すように、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の複
合糸を補助緯糸として用いることができる。
【0019】請求項12に係る発明の製紙用織物では、
通常は、経糸及び緯糸を織り込んで構成される織物層を
有するが、経糸及び緯糸を織り込む際に形成されるナッ
クル部は、製紙用織物ひいては抄造される紙の表面性に
影響を与えることから、請求項17に係る発明に示すよ
うに、ナックル部を有しない織物層で構成される製紙用
織物とすることができる。このような織物層は、例え
ば、経糸と緯糸とを接着剤で貼り合わせることにより得
られる。また、請求項17に係る発明において、織物層
が2以上ある場合は、少なくとも1層がナックル部を有
しない織物層であればよく、製紙用織物ひいては抄造さ
れる紙の表面性に影響を与える製紙面側織物層をナック
ル部を有しない織物層とすることが好ましい。
【0020】本発明の製紙用織物は、製紙工程の様々な
過程で用いることができ、例えば、請求項18に係る発
明に示すように、ワイヤーパート、プレスパート、ドラ
イパート及びシュープレスパートのうちの少なくとも一
つのファブリックに適用することができる。この場合、
シュープレスパートのブランケットは、高加圧を受ける
ことから、加圧によって織物が内部崩壊して寿命が低下
する傾向にあることから、請求項19に係る発明に示す
ように、耐繰り返し圧縮と弾性に優れているゴム等のエ
ラストマー素材を少なくとも1成分含む複合糸素材部を
有する上記請求項1乃至11のいずれかに記載の複合糸
を含む製紙用織物をシュープレスパートのブランケット
に適用すると、高加圧に耐えられ、圧縮疲労が避けられ
る結果、製紙用織物の耐久性向上及び寿命延長を図るこ
とができるので好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合糸及び製紙用
織物について、実施例を挙げて具体的に説明する。 (1)実施例1 本実施例1の複合糸1aの側面図を図1に、A−A’断
面図を図2に示す。本実施例1の複合糸1aは、図1及
び図2に示すように、材質が高粘度タイプのナイロン6
で構成される第一複合糸素材部11と、低粘度タイプの
ナイロン6で構成される第二複合糸素材部12とをらせ
ん状に配置して貼り合わせた構成である。また、図2に
示すように、横断面形状はややだ円形状であり、径は
0.18mmである。
【0022】本実施例1の複合糸1aを用いた製紙用織
物2aの縦断面模式図を図3に示す。本実施例1の複合
糸1aを用いた製紙用織物2aは、製紙面側経糸31及
び製紙面側緯糸32が織込まれることにより構成される
製紙面側織物層3と、走行面側経糸41及び走行面側緯
糸42が織込まれることにより構成される走行面側織物
層4とからなり、接結部5が織込まれることにより、上
記製紙面側織物層3と走行面側織物層4を連結している
経糸2重緯糸2重の二層構造の製紙用織物である。そし
て、上記製紙面側経糸31、製紙面側緯糸32、走行面
側経糸41及び走行面側緯糸42は径が0.20mmで
ポリエステル製の単一素材で構成されている単糸であ
る。一方、接結糸5として、本実施例1の複合糸1aを
用いている。
【0023】(2)実施例2 本実施例2の複合糸1bの側面図を図4に、A−A’断
面図を図5に示す。本実施例2の複合糸1bは、図4及
び図5に示すように、材質がナイロン6で構成される第
一複合糸素材部11と、高弾性、高強度のアラミドファ
イバーで構成される第二複合糸素材部12とをらせん状
に配置して貼り合わせた構成である。また、図5に示す
ように、横断面形状は円形状であり、径は0.35mm
である。
【0024】本実施例2の複合糸1bを用いた製紙用織
物2bの縦断面模式図を図6に示す。本実施例2の複合
糸1bを用いた製紙用織物2bは、製紙面側緯糸31及
び製紙面側経糸32が織込まれることにより構成される
製紙面側織物層3と、走行面側経糸41及び走行面側緯
糸42が織込まれることにより構成される走行面側織物
層4とからなり、接結部5が織込まれることにより、上
記製紙面側織物層3と走行面側織物層4を連結している
経糸2重緯糸2重の製紙用織物である。そして、上記製
紙面側経糸31及び製紙面側緯糸32は径が0.25m
mでポリエステル製の単一素材で構成されている単糸で
ある。一方、走行面側緯糸42として、上記複合糸1b
を用いている。
【0025】(3)実施例の効果 本実施例1の製紙用織物2aでは、接結糸5として、材
質が高粘度タイプのナイロン6で構成される第一複合糸
素材部11と、低粘度タイプのナイロン6で構成される
第二複合糸素材部12とをらせん状に配置して貼り合わ
せた複合糸1aを使用している。このように、同一素材
で異なる特性の素材を用いてらせん状に配置して貼り合
わせた複合糸を用いることにより、接結力を維持すると
共に、製紙用織物の表面性を向上させることができる。
また、かかる複合糸1aを接結糸5として用いることに
より、耳カール(製紙用織物の幅方向の端部が上下どち
らかに反ること)を防止することができる。
【0026】また、本実施例2の製紙用織物2bでは、
走行面側緯糸42として、材質がナイロン6で構成され
る第一素材部11と、高弾性、高強度のアラミドファイ
バーとをらせん状に配置して貼り合わせた複合糸1bを
使用している。このように、異なる特性を有する異なっ
た素材を複合させた複合糸1bを用いることにより、製
紙用織物の耐摩耗性、耐久性を向上させることができ
る。
【0027】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更し
た実施例とすることができる。例えば、本発明の複合糸
及び本発明の製紙用織物で用いられる糸の径については
特に限定はなく、網厚、空隙量等の関係から、必要に応
じて種々の径とすることができる。また、本発明の製紙
用織物を構成する糸のうち、本発明の複合糸以外の糸の
材料についても限定はなく、例えば、ポリエステルモノ
フィラメント、ナイロンモノフィラメント(6ナイロ
ン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン
等)等を使用することができる。更に、本発明の複合糸
を構成する上記複合糸素材部は、通常は2成分である
が、特に2成分に限定されるものではなく、必要に応じ
て3成分、4成分、5成分等の3以上の成分とすること
ができる。また、本発明の製紙用織物においては、上記
織物層が層毎に別個に構成されているものとしたり、あ
るいは、編物とすることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の複合糸は、材質、物性の異なる
材料を用いて複合した構成であることから、単一素材の
みで構成される従来の糸と比較して、単一素材のみでは
実現できない様々な性質を付与することができる。ま
た、本発明の製紙用織物は、本発明の複合糸を用いてい
ることから、単一素材のみで構成される従来の製紙用織
物用糸を用いた製紙用織物と比較して、平滑性、紙料支
持性、脱水性、強度等の諸性質を必要に応じて種々のも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の複合糸の側面図である。
【図2】本実施例1の複合糸のA−A’断面図である。
【図3】本実施例1の製紙用織物の縦断面模式図であ
る。
【図4】本実施例2の複合糸の側面図である。
【図5】本実施例2の複合糸のA−A’断面図である。
【図6】本実施例2の製紙用織物の縦断面模式図であ
る。
【図7】本発明の複合糸の他の態様の平面図である。
【図8】本発明の複合糸の他の態様のA−A’断面図で
ある。
【図9】本発明の複合糸の他の態様のB−B’断面図で
ある。
【符号の説明】
1a,1b,1c;複合糸、11;第一複合糸素材部、
12;第二複合糸素材部、2a,2b;製紙用織物、
3;製紙面側織物層、31;製紙面側経糸、32;製紙
面側緯糸、4;走行面側織物層、41;走行面側経糸、
42;走行面側緯糸、5;接結糸。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 BA02 BA05 BA09 BA22 BA32 BA34 BA49 BA60 BC17 BD17 CA02 CA21 CA30 DD01 DD04 4L048 AA04 AA20 AA24 AA25 AA28 AA30 AA37 AA48 AB01 AB07 AB18 AC09 AC12 BA12 CA00 CA01 CA09 DA39 EB05 4L055 CE27 CE28 CE30 CE32 CE33 CF28 CF29 CF30 EA19 FA08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 らせん状に配列して貼り合わされた少な
    くとも2以上の複合糸素材部を有することを特徴とする
    複合糸。
  2. 【請求項2】 上記複合糸素材部を構成する材料は異な
    った粘度の同種材料である請求項1記載の複合糸。
  3. 【請求項3】 上記複合糸素材部を構成する材料は、い
    ずれも1%時引っ張りモジュラスが0.05g/d未
    満、破断時のモジュラスが4.1g/d未満であり、且
    つ、破断時の伸度が50%を超えている請求項2記載の
    複合糸。
  4. 【請求項4】 上記複合糸素材部を構成する材料は異種
    材料であり、且つ少なくとも1以上の材料は破断時のモ
    ジュラスが1000g/d以上である請求項1記載の複
    合糸。
  5. 【請求項5】 らせん状に配列して貼り合わされた少な
    くとも2以上の複合糸素材部を有し、該複合糸素材部の
    うちの少なくとも1つはフィラメント状又はステープル
    状の糸からなり、残りの複合糸素材部の少なくとも1つ
    は上記フィラメント状又はステープル状の糸を包み込む
    ように配置されていることを特徴とする複合糸。
  6. 【請求項6】 上記フィラメント状又はステープル状の
    糸は金属繊維である請求項5記載の複合糸。
  7. 【請求項7】 上記フィラメント状又はステープル状の
    糸のモジュラスは1000g/d以上である請求項5又
    は6に記載の複合糸。
  8. 【請求項8】 上記フィラメント状又はステープル状の
    糸を包み込む複合糸素材部を構成する材料として、少な
    くともポリアミド成分が含まれている請求項5乃至7の
    いずれかに記載の複合糸。
  9. 【請求項9】 横断面形状が円形状、だ円形状又は星型
    形状である請求項1乃至8のいずれかに記載の複合糸
  10. 【請求項10】 単糸状態が捲縮形状である請求項1乃
    至9のいずれかに記載の複合糸。
  11. 【請求項11】 単糸状態は捲縮形状を有しておらず、
    織られて一定の熱履歴を受けることで捲縮形状が発現す
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の複合糸。
  12. 【請求項12】 上記請求項1乃至11のいずれかに記
    載の複合糸を少なくとも1種有することを特徴とする製
    紙用織物。
  13. 【請求項13】 上記製紙用織物が経糸及び緯糸からな
    る織物層を2層以上有する請求項12記載の製紙用織
    物。
  14. 【請求項14】 上記経糸の全て又は一部が上記請求項
    1乃至11のいずれかに記載の複合糸である請求項13
    記載の製紙用織物。
  15. 【請求項15】 走行面側織物層を構成する上記緯糸の
    全て又は一部が上記請求項1乃至11のいずれかに記載
    の複合糸である請求項13又は14に記載の製紙用織
    物。
  16. 【請求項16】 製紙面側織物層を構成する上記緯糸の
    間に補助緯糸を有し、且つ、該補助緯糸が上記請求項1
    乃至11のいずれかに記載の複合糸である請求項13乃
    至15のいずれかに記載の製紙用織物。
  17. 【請求項17】 上記織物層がナックル部を有しない構
    造である請求項13乃至16のいずれかに記載の製紙用
    織物。
  18. 【請求項18】 ワイヤーパート、プレスパート、ドラ
    イパート及びシュープレスパートのうちの少なくとも一
    つのファブリックに適用される請求項12乃至17のい
    ずれかに記載の製紙用織物。
  19. 【請求項19】 エラストマー素材を少なくとも1成分
    含む複合糸素材部を有する上記請求項1乃至11のいず
    れかに記載の複合糸を含み、且つシュープレスパートの
    ブランケットに適用されることを特徴とする製紙用織
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210092015A (ko) * 2020-01-15 2021-07-23 가톨릭관동대학교산학협력단 생분해성 봉합사 및 이를 포함하는 수술용 봉합사
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