JP2002105405A - 低voc水性塗料組成物 - Google Patents

低voc水性塗料組成物

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JP2002105405A
JP2002105405A JP2000300416A JP2000300416A JP2002105405A JP 2002105405 A JP2002105405 A JP 2002105405A JP 2000300416 A JP2000300416 A JP 2000300416A JP 2000300416 A JP2000300416 A JP 2000300416A JP 2002105405 A JP2002105405 A JP 2002105405A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵安定性に優れ、少量の造膜助剤の添加で十
分な造膜性を長期に亘って持続し、さらに優れた耐汚染
性を有する塗膜を形成可能な低VOC水性塗料組成物を
提供する。 【解決手段】反応性シリル基を有し、Tgが−20〜1
0℃である合成樹脂エマルション、及び反応性シリル基
を有する合成樹脂エマルション及び片末端が−OH基で
あるポリオキシアルキレン鎖を有し、水酸基価が5〜1
50KOHmg/gであるポリシロキサン化合物を主成
分とし、標準圧力で沸点が250℃以下の揮発性有機化
合物(VOC)が1%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、土木構築
物や、それらに用いられる建築土木資材等の各種被塗物
への塗装仕上、及び、被塗物表面の既存塗膜への改装、
改修塗装仕上に使用することができ、主に建築物、土木
構造物等の躯体保護を行うことを特徴とする低VOC水
性塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、室内環境に関わる健康障害が問題
視されており、シックハウス症候群や新築病と言われる
健康障害の要因の一つとして、塗料や接着剤に含まれる
VOCの影響が指摘されている。
【0003】1997年4月、社団法人日本塗料工業会
では、室内用建築塗料に使用されるエマルション塗料に
対しては、塗料中の総VOCを1%以下に設定する目標
基準を発表した。今回は、自主的な目標基準の設定に限
定しているが、今後さらにその範囲が拡大され、より具
体的なガイドラインが作成されるものと考えられる。さ
らに、外装用途においてもVOCによる悪臭や健康問題
が顕著化する時期が来ると予測され、低VOCのエマル
ション塗料への流れが急速に進みつつある。
【0004】しかしながら、エマルション塗料ではポリ
マーどうしの融着によって皮膜が形成されるため、塗装
環境温度よりもポリマーのTgが高い場合には、造膜性
が著しく低下し、これを補うために造膜助剤の助けを借
りることになり、高VOCの塗料となってしまう。ま
た、Tgの低いポリマーを使用した場合には、造膜性は
向上するが、塗膜はべたつき、汚れやすくなるという欠
点がある。
【0005】そこで、Tgの低いポリマーを使用した場
合でも耐汚染性を向上する手法として、シリコン成分の
導入による架橋性の付与が提案されている。この方法
は、合成樹脂エマルション中に反応性シリル基含有化合
物を導入し、該官能基どうしを反応させることによっ
て、汚染物質の染み込み抵抗性を向上させるものであ
る。しかし、シリコン成分の増量に伴い、残存する反応
性シリル基どうしが貯蔵中に反応し、経時での粘度上昇
を招き、塗装不可能となる問題が生じることがあり、さ
らに塗装可能な場合でも、造膜性が低下し、割れが発生
するという問題が生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みなされたものであり、貯蔵安定性に優れ、少量
の造膜助剤の添加で十分な造膜性を長期に亘って持続
し、さらに優れた耐汚染性を有する塗膜を形成可能な低
VOC水性塗料組成物を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ため、本発明者らは鋭意検討を行い、その結果、反応性
シリル基を有し、Tgが−20〜10℃である合成樹脂
エマルション、及び特定のポリシロキサン化合物とを組
み合わせることが有効であることを見出し、本発明の完
成に至った。
【0008】すなわち本発明は、(A)反応性シリル基
を有し、Tgが−20〜10℃である合成樹脂エマルシ
ョン、(B)片末端が−OH基であるポリオキシアルキ
レン鎖を有し、水酸基価が5〜150KOHmg/gで
あるポリシロキサン化合物、を主成分とし、(A)の固
形分100重量部に対し、(B)を0.1〜8.0重量
部含有し、VOCが1%以下であることを特徴とするの
低VOC水性塗料組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに詳細に説明する。
【0010】本発明では、シックハウス症候群、新築病
といった健康障害の要因の一つであるVOCを1%以下
とすることができる。
【0011】エマルション塗料におけるVOC成分とし
ては主として造膜助剤などがあげられるが、本発明で
は、(A)反応性シリル基を有し、ガラス転移温度が−
20〜10℃である合成樹脂エマルション(以下「A」
という。)、(B)片末端が−OH基であるポリオキシ
アルキレン鎖を有し、水酸基価が5〜150KOHmg
/gであるポリシロキサン化合物(以下「B」とい
う。)を特定比率で組み合わせることにより、少量の造
膜助剤の添加で低温下の塗装においても十分な造膜性を
有するとともに、長期保存後においてもその造膜性が保
持され、さらに耐汚染性にも優れた塗料を得ることがで
きる。
【0012】<「A」成分>「A」において、シリル基
を導入する方法としては、特に限定されず各種の方法を
採用することができるが、例えば、 反応性シリル基含有ビニル系単量体を共重合する方
法、 反応性シリル基含有ビニル系単量体を共重合した後
に、シラン化合物を反応させる方法、 樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有
するカップリング剤を反応させる方法、 樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有
するカップリング剤を反応させた後に、シラン化合物を
反応させる方法、等があげられる。
【0013】反応性シリル基としては、珪素原子にアル
コキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、
ハロゲン等が結合したものである。
【0014】、における反応性シリル基含有ビニル
系単量体としては、反応性シリル基と重合性二重結合を
含有する化合物であり、例えば、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリ
ルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビ
ニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエー
テル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、
メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル等があ
げられ、これらの1種または2種以上を使用することが
できる。
【0015】、におけるシラン化合物としては、反
応性シリル基を一分子中に2個以上有するものが用いら
れ、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシラ
ン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブト
キシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルト
リエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラ
ン等の3官能アルコキシシラン類;ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキ
シシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピル
ジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニル
ジエトキシシラン等の2官能アルコキシシラン類;テト
ラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリ
クロロシラン、プロピルトリクロロシラン、フェニルト
リクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジ
クロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロ
ロシラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセ
トキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチ
ルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン
等のアセトキシシラン類などがあげられ、これらの1種
または2種以上を使用することができる。また、反応性
シリル基を一分子中に1個有する化合物を併用すること
もできる。
【0016】、における官能基の組み合わせとして
は、水酸基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネ
ート基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基とエポ
キシ基、アルコキシシリル基どうし等があげられる。カ
ップリング剤は、例えば、一分子中に、少なくとも1個
以上の反応性シリル基とそのほかの置換基を有する化合
物であり、具体的には、β−(3、4エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート
官能性シランなどがあげられ、これらの1種または2種
以上を使用することができる。
【0017】「A」におけるシリル基の重量比率は、通
常、「A」の樹脂固形分中にSiO 換算で0.1〜7
0重量%であるが、本発明では特に、0.3〜30重量
%である場合に特に有効である。「A」におけるシリル
基の重量比率が0.1重量%より少ない場合は、耐汚染
性に劣る傾向となり、70重量%より多い場合は、貯蔵
安定性、造膜性に劣る傾向となる。
【0018】なお、SiO換算とは、Si−O結合を
もつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼
成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて
表したものである。一般に、アルコキシシランやシリケ
ート等は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノー
ルとなり、さらにシラノールどうしやシラノールとアル
コキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この
反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。こ
れらの反応は一般式、 RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→n
SiO+(2n+2)ROH という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシ
リカ成分の量を換算したものである。
【0019】「A」の共重合モノマーとしては、特に限
定されないが、アクリル系モノマーを好適に用いること
ができる。アクリル系モノマーとしては、、例えば、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのア
ルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メ
タ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸などのエチ
レン性不飽和カルボン酸;ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系単量
体;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリル
アミドなどのアミド含有(メタ)アクリル系単量体;ア
クリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリル
系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ基含有(メタ)アクリル系単量体等があげられる。
【0020】「A」においては、前記モノマーの他に、
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルト
ルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体;マレイン
酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸
などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレン
スルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有ビ
ニル単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸
無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンな
どの塩素含有単量体;ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどの水酸基含
有アルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノア
リルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテ
ルジエチレングリコールモノアリルエーテルなどのアル
キレングリコールモノアリルエーテル;エチレン、プロ
ピレン、イソブチレンなどのα−オレフィン;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルなどのビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテルなどのビニルエーテル;エチルアリ
ルエーテル、ブチルアリルエーテルなどのアリルエーテ
ル等を用いることもできる。この他、エチレン性不飽和
二重結合含有紫外線吸収剤、エチレン性不飽和二重結合
含有光安定剤等を用いることもできる。
【0021】重合に用いる乳化剤としては、アニオン
性、カチオン性、ノニオン性、両性、ノニオン−カチオ
ン性、ノニオン−アニオン性のもの、あるいは非反応性
のもの、反応性を有するものから適宜選択し、単独ある
いは併用して使用する。このうち、ポリオキシアルキレ
ン鎖と不飽和二重結合とを有する反応性乳化剤の使用
は、貯蔵安定性、造膜性、さらには耐水性を向上させる
ことができ、好ましいものである。
【0022】重合開始剤としては、通常のラジカル開始
剤を使用することができ、過硫酸アンモニウム塩などの
過硫酸塩、過酸化水素と亜硫酸水素ナトリウムなどとの
組み合わせからなるレドックス開始剤、さらに第一鉄
塩、硝酸銀などの無機系開始剤を混合させた系、また
は、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタール酸パーオキ
シドなどの二塩基酸過酸化物、アゾビスブチロニトリル
などの有機系開始剤などが挙げられる。重合開始剤の使
用量は、通常、単量体100重量部に対して0.01〜
5重量部程度である。
【0023】「A」成分のTgは−20℃〜10℃であ
る。Tgがこの範囲にあることにより、低VOCの塗料
とすることが可能となり、更に造膜性、耐汚染性に優れ
る塗膜を形成することができる。Tgが−20℃より低
い場合は耐汚染性が低下する傾向となり、10℃より高
い場合は1%以下の造膜助剤の添加では低温下での塗装
の場合に造膜性を確保することが難しい。また、「A」
成分の重量平均分子量は30000以上、さらには50
000以上であることが望ましい。分子量が30000
以上であることにより、耐候性、耐汚染性、耐水性等を
向上させることができる。
【0024】<「B」成分>「B」は、本発明組成物の
貯蔵安定性を向上させ長期に亘って造膜性を確保させる
成分であり、さらには形成塗膜に耐汚染性を付与する機
能も有する。
【0025】「B」は、ポリシロキサンからなる主鎖
に、片末端が−OH基であるポリオキシアルキレン鎖を
側鎖及び/または末端に有する化合物であり、下記式に
示す構造の何れか一方または両方を有するものである。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】(R、Rはアルキル基またはフェニル
基、Rはアルキレン基またはフェニレン基、Rは炭
素数1〜4のアルキレン基で、炭素数は同一でも異なっ
てもよい。nは1以上の整数。)
【0029】「B」は、例えば、アリル化ポリエーテル
化合物とメチルハイドロジェンシリコーンオイルのヒド
ロシリル化反応により製造することができる。
【0030】「B」の水酸基価は、5〜150KOHm
g/gであり、さらには10〜100KOHmg/g、
より好ましくは40〜80KOHmg/gである。水酸
基価が5KOHmg/gより小さい場合および150K
OHmg/gより大きい場合は、貯蔵安定性や造膜性の
低下する傾向となる。
【0031】アルキレンオキサイドとしては、メチレン
オキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等があげられ、このうちエチレ
ンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドが好ま
しく使用される。
【0032】「B」の数平均分子量は1000〜500
00であることが望ましい。このうち、アルキレンオキ
サイド鎖の数平均分子量は40〜30000であること
が望ましい。アルキレンオキサイド鎖の数平均分子量が
40より小さい場合は、貯蔵安定性、造膜性、耐汚染性
において十分な物性が得られない。逆に30000より
大きい場合は、耐水性、耐汚染性、耐候性が低下してし
まう。
【0033】「B」の含有量は、「A」の固形分100
重量部に対し、0.1〜8.0重量部である。「B」の
含有量が0.1重量部より小さい場合は、貯蔵安定性、
造膜性、耐汚染性において十分な物性が得られない。
8.0重量部より大きい場合は、貯蔵安定性、造膜性、
耐水性、耐候性、リコート性が低下してしまう。
【0034】本発明では、特定の水酸基価およびポリオ
キシアルキレン鎖を有する「B」を特定量含有するた
め、「B」の末端−OH基およびポリオキシアルキレン
鎖が、「A」の反応性シリル基と適度に相互作用し、貯
蔵中における該反応性シリル基どうしの急速な反応を抑
制するものと推測される。また、塗料貯蔵中において
も、(A)成分のシリル基どうしの反応による粘度変動
を、(B)成分の立体障害効果により抑制することがで
きる。さらに、本発明では、(B)成分のポリオキシア
ルキレン鎖によって塗膜表面が親水化され、耐汚染性を
付与することもできる。
【0035】本発明では、塗料中のVOCを1%以下で
使用することができる。VOCとしては、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレ
ート、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル等があげられ、これら
の1種または2種以上を使用することができる。本発明
組成物に添加するVOCとしては、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、
プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル等の造膜性に優れ、毒
性の低いものが好ましい。
【0036】本発明組成物には、上述の成分の他に、必
要に応じて通常塗料に用いられる無機系着色顔料、有機
系着色顔料、体質顔料などを配合することができる。ま
た、本発明に影響しない程度の可塑剤、防腐剤、防黴
剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降
防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤などの添加剤を単独あるいは併用して配
合することもできる。この際に、塗料中の総VOCが1
%以下となる様に、十分注意する必要がある。
【0037】無機系着色顔料としては、例えば、酸化チ
タン、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄
色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等、有機
系着色顔料としては、例えば、アゾ系、ナフトール系、
ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナク
リドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイ
ミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等が
使用できる。体質顔料としては、例えば、重質炭酸カル
シウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム等の体質顔料をあげることができる。
なお、顔料を用いる際の分散剤として、特に限定されな
いが、ポリオキシアルキレン鎖を有するアニオン性分散
剤は割れ防止性、貯蔵安定性、有光沢塗料での高光沢を
確保するために好適に用いられる。
【0038】本発明組成物は、新規、塗膜改装工事等に
使用可能であり、建築物内装面、外装面、土木構築物表
面に適用する事が可能である。基材としては、一般的な
建材として用いられているものなら特に限定しないが、
例えば石膏ボード、珪酸カルシウム板、合板、石綿スレ
ート板、コンクリート、サイディングボード、押出成形
板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用する
ことができる。
【0039】また、本発明組成物は、主に建築物、土木
構築物等の躯体の保護に使用するものである。この際、
本発明の水性塗料組成物は、最終の仕上面に施されてい
るものであり、基材に直接塗装することもできるし、何
らかの表面処理(シーラー、サーフェーサー、フィラー
等による下地処理等)を施した上に塗装することも可能
であるが、特に限定されるものではない。
【0040】塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗
装、ローラー塗装、ロールコーター、フローコーター等
種々の方法により塗装することができる。さらには、建
材表面に工場等においてプレコートすることも可能であ
る。
【0041】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。
【0042】[塗料の作製]表1、2に示すような原料
を使用して、表3に示す配合にて塗料を作製し、各試験
を行った。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】[試験方法] 貯蔵安定性 作製した塗料組成物を50℃の恒温槽に14日間貯蔵
後、粘度変化を確認した。評価は以下の通り。 ◎:粘度変化10%未満 ○:粘度変化10%以上〜30%未満 △:粘度変化30%以上〜50%未満 ○:粘度変化50%以上 造膜性 上記の条件で貯蔵した塗料組成物を5℃に調整後、3
00×100×3mmのフレキシブル板に乾燥膜厚が4
0μmとなるようにスプレー塗装し、5℃環境下で乾燥
後の塗膜の表面状態を目視にて評価した。評価は以下の
通りである。 ○:クラックなし ×:クラックが認められる
【0047】耐雨筋汚染性 300×100×3mmのフレキシブル板に、SKクリ
ヤーシーラー(アクリル樹脂エマルション系下塗材;エ
スケー化研株式会社)を乾燥膜厚30μmとなるように
スプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った後、上
記の条件で貯蔵した塗料組成物を乾燥膜厚が40μm
となるようにスプレー塗装し試験体を作製した。作製し
た試験体を、標準状態で7日間乾燥養生した後、水平面
に対して10度に傾斜し、かつ長さ600mmで深さ1
0mmの溝が35mmピッチで刻まれた屋根を有する架
台に、屋根に降った雨が塗膜表面に筋状に流れ落ちるよ
うに垂直に取り付け、その状態で6ヶ月間暴露し、雨筋
汚れの状態を目視にて評価した。評価は以下の通りであ
る。 ○:ほとんど雨筋汚染なし △:僅かに雨筋汚染が認められる ×:明らかに雨筋汚染が認められる
【0048】汚れの染み込み抵抗性 300×100×3mmのフレキシブル板に、SKクリ
ヤーシーラー(アクリル樹脂エマルション系下塗材;エ
スケー化研株式会社)を乾燥膜厚30μmとなるように
スプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った後、上
記の条件で貯蔵した塗料組成物を乾燥膜厚が40μm
となるようにスプレー塗装し試験体を作製した。作製し
た試験体を、標準状態で7日間乾燥養生した後、、塗膜
面に15重量%カーボンブラック水分散ペースト液を、
直径20mm、高さ5mmとなるように滴下し、50℃
の恒温室中に2時間放置した。その後流水中にて洗浄
し、塗膜表面の汚染の程度を目視にて評価した。評価は
以下の通りである。 ◎:痕跡なし ○:ほとんど痕跡なし △:僅かに痕跡が認められる ×:明らかに痕跡が認められる [試験結果]
【表4】
【0049】試験結果を表4に示す。本発明組成物であ
る実施例1〜4では、いずれの試験においても良好な結
果であった。一方、ポリシロキサン化合物を含まない比
較例1、ガラス転移温度が本発明の範囲外でポリシロキ
サン化合物を含まない比較例2、3、反応性シリル基及
びポリシロキサン化合物を含まない比較例4では、いず
れも十分な結果を得ることができなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、塗料の貯蔵安定性に優
れるとともに、造膜性及び耐汚染性に優れ、さらにVO
Cが1%以下である低VOC水性塗料組成物を得ること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)反応性シリル基を有し、ガラス転移
    温度(以下「Tg」という。)が−20〜10℃である
    合成樹脂エマルション、(B)片末端が−OH基である
    ポリオキシアルキレン鎖を有し、水酸基価が5〜150
    KOHmg/gであるポリシロキサン化合物、を主成分
    とし、(A)の固形分100重量部に対し、(B)を
    0.1〜8.0重量部含有し、標準圧力で沸点が250
    ℃以下の揮発性有機化合物(以下「VOC」という。)
    が1%以下であることを特徴とする低VOC水性塗料組
    成物。
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