JP2002105196A - アルキレンオキシド重合用触媒の製造方法 - Google Patents

アルキレンオキシド重合用触媒の製造方法

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JP2002105196A
JP2002105196A JP2000295914A JP2000295914A JP2002105196A JP 2002105196 A JP2002105196 A JP 2002105196A JP 2000295914 A JP2000295914 A JP 2000295914A JP 2000295914 A JP2000295914 A JP 2000295914A JP 2002105196 A JP2002105196 A JP 2002105196A
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Japan
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polymerization
alkylene oxide
fine particles
organometallic
compound
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Application number
JP2000295914A
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English (en)
Inventor
Terunori Matsushita
輝紀 松下
Masashi Yukitake
雅士 雪竹
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アルキレンオキシド重合用触媒の製造方法。 【構成】多価アルコールをイオン性界面活性剤によって
ミセル形成することで不活性媒質中に可溶化状態にし超
微分散させ、このミセル系中で、超微分散させた多価ア
ルコールを反応場として有機亜鉛化合物と一価アルコー
ルを反応させて有機金属微粒子を合成する際、反応系内
に粒子状添加剤としてフュームドシリカを添加すること
を特徴として有機金属微粒子を調製する。また、得られ
た有機金属微粒子を用いてアルキレンオキシドの重合に
用いると、嵩比重の大きいアルキレンオキシド重合体が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機金属微粒子、その
製造方法、重合用触媒およびアルキレンオキシド重合体
の製造方法に関する。さらに詳しくは、高い反応速度に
おいて高分子量の重合体及び共重合体を生成させるのに
有効な有機金属微粒子、その再現性の良い製造方法、該
微粒子を含んでなる重合用触媒および該触媒を用いたア
ルキレンオキシド重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量の重合体及び共重合体を生成す
るためにアルキレンオキシド化合物等の重合は長い間に
わたって知られており、且つこの課題に関する参考文献
は数百に上る。アルキレンオキシドは鉄のような遷移金
属類並びにマグネシウム、アルミニウム、亜鉛及びカル
シウムのような金属類の酸化物及び/又は水酸化物を包
含する金属原子をベースとする広範囲にわたる触媒を使
用して重合されてきた。米国特許2,971,988
(1961年2月14日)には、カルシウムをベースと
し、アンモニア改質したアミド/金属アルコキシド系の
触媒が開示されている。しかしながら、このような触媒
はアンモニア及びアミンの不快臭を有する生成重合体を
残すことが度々あり、該不快臭は除去困難である。ま
た、触媒調製操作が煩雑であり、加熱エージング等の後
処理を行わないと触媒活性が出にくい等の問題を抱えて
いる。
【0003】また、一方で亜鉛系の触媒の研究も行われ
てきた。例えば、有機亜鉛化合物を多価アルコールと反
応させて得られる生成物に更に、一価アルコールを反応
させた生成物、または、一価アルコールと反応させて得
られる生成物に更に多価アルコールを反応させた生成物
(特公昭45−7751号公報、特公昭53−2731
9号公報)が、アルキレンオキシドの単独重合または二
種類以上のアルキレンオキシドの共重合に対して優れた
触媒活性を示し、重合度の高い重合体が得られることが
知られている。しかし、これらの方法では、重合速度、
得られた重合体の重合度等の再現性が悪く、十分な収率
が得られなかったり重合生成物が塊状化する等、工業的
に安定に製造することはできないという問題点が指摘さ
れている。その上、重合度においてもまだ十分満足のい
くものではない。一方、分散助剤としての各種微細粒子
金属酸化物並びに非イオン界面活性剤を不活性媒質中の
接触状態において、有機亜鉛化合物と多価アルコールを
反応させた生成物(EP239,973、米国特許4,
667,013)を触媒として使用することにより、再
現性良く重合体を得るという方法が試みられているが、
触媒の調製操作が非常に煩雑であるという欠点が指摘さ
れている。
【0004】具体的には、界面活性剤を用いているにも
かかわらず、逆ミセルを形成していないために、ヘキサ
ン溶媒中にヘキサン溶媒に不溶な1,4−ブタンジオー
ルのような多価アルコールを分散させるために、長時間
の攪拌が必要であり、1,4−ブタンジオールをより細
かい液滴として分散させるためには、攪拌条件も高度な
技術および/または熟練を必要とするため、活性の高い
触媒を調製するには特定の技術者のみにしか実施するこ
とはできない。
【0005】また、前記のEP239,973、米国特
許4,667,013には、1,4−ブタンジオールを
代表とする多価アルコールを「水系」とし、炭化水素系
溶媒を「油系」とするW/O系の逆ミセルを反応場とす
るアルキレンオキシドを重合する重合用触媒に関する開
示は全くなされていない。また、WO99/51610
には、1,4−ブタンジオールを代表とする多価アルコ
ールを「水系」とし、炭化水素系溶媒を「油系」とする
W/O系の逆ミセルを反応場とするアルキレンオキシド
を重合する重合用触媒に関する開示されている。この方
法は、高い重合活性を有する点では有益な方法である。
しかし、粒子状添加剤を不活性媒質に添加せずに有機金
属微粒子を調製している。この方法で得た有機金属微粒
子をアルキレンオキシド重合体を合成する触媒として用
いた場合、嵩比重の小さなアルキレンオキシド重合体し
か得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、重合反応速度が速く、且つ生産効率の良い
アルキレンオキシドの重合用有機金属微粒子を簡便な方
法で再現性良く製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題の概要】本発明者らは、前述の状況に鑑み、有機
金属化合物と多価アルコールおよび/または一価アルコ
ールとから重合度の高いアルキレンオキシド重合体を安
定して再現性良く、短い重合時間で製造する方法につい
て鋭意研究を重ねた。その結果、多価アルコールをイオ
ン性界面活性剤によってミセル形成することで不活性媒
質中に可溶化状態にし超微分散させ、このミセル系中
で、超微分散させた多価アルコールを反応場として有機
亜鉛化合物と一価アルコールを反応させる際、フューム
ドシリカをはじめとする粒子状添加剤を加えることを特
徴とする。粒子状添加剤を加えて調製された有機金属微
粒子をアルキレンオキシド重合用触媒として用いてアル
キレンオキシドの重合を行うと、嵩比重の大きなアルキ
レンオキシド重合体が得られる。嵩比重の大きなアルキ
レンオキシド重合体が得られるため、重合反応中に粉体
の凝集を起こすことなく、高濃度のスラリーとして、速
やかに重合を行い完結させることができることを本発明
者らは見出した。また、ヘキサンのような無極性の不活
性媒質には、疎水性の粒子状添加剤を組み合わせて有機
金属微粒子を調製し、この有機金属微粒子をアルキレン
オキシド重合用触媒として用いてアルキレンオキシドの
重合を行うと、嵩比重の大きなアルキレンオキシド重合
体が得られる。また、トルエンのような微極性の不活性
媒質には、親水性の粒子状添加剤を組み合わせて有機金
属微粒子を調製し、この有機金属微粒子をアルキレンオ
キシド重合用触媒として用いてアルキレンオキシドの重
合を行うと、嵩比重の大変大きなアルキレンオキシド重
合体が得られる。
【0008】
【課題を解決するための手段】<有機金属微粒子につい
て>本発明において反応場となるミセルは、O/W型の
ミセルであっても、W/O型のいわゆる逆ミセルであっ
てもよい。いずれの型のミセルとなるかは、反応場とす
る化学種によって変わるため、特に限定されない。ま
た、反応場とする化学種も特に限定されない。有機金属
化合物を反応場とする場合もあれば、ポリオールを反応
場とする場合もあり、さらに、一価アルコールを反応場
とする場合もある。本発明における有機金属化合物は、
一般式(1): RxM …(1) (式中、Rは、炭素数1以上の炭化水素基;Mは、ポー
リング(Pauling)の電気陰性度0.5〜3.0を示す
金属;xは、Mの原子価である。)で表される有機金属
化合物(I)である。金属Mは、ポーリング(Paulin
g)の電気陰性度0.5〜3.0を示す金属であれば特
に限定はない。好ましくは、0.8〜2.5。より好ま
しくは0.9〜2.0。最も好ましくは1.0〜1.6
である。電気陰性の範囲が前述の範囲外であった場合、
アルキレンオキシドを重合させるのに十分な触媒活性が
でないため好ましくない。ただし、アルキレンオキシド
以外のイオン重合性モノマーを重合させる場合は、この
限りではない。
【0009】金属Mの具体例としては、Li、Be、N
a、Mg、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Si、Ga、G
e、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Te、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、
Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、bi、Po、F
r、Ra、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、
Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr等が挙げら
れる。これらの金属の1種または必要に応じて2種以上
併用することができる。中でもBe、Mg、Ca、S
r、Ba、Ra、Zn、Alから選ばれる金属であると
より高い活性の触媒が調製されるため好ましい。本発明
における有機金属化合物(I)の具体例としては、ジメ
チル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジ−イソプ
ロピル亜鉛、ジブチル亜鉛、ジ−イソブチル亜鉛、ジ−
t−ブチル亜鉛、ジペンチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジ
ヘプチル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジ−2−エチルヘキシ
ル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジトリル亜鉛、ジシクロブチ
ル亜鉛、ジシクロペンチル亜鉛、ジ−メチルシクロペン
チル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、メチルフェニル亜
鉛、エチルフェニル亜鉛、カルシウムアミド、カルシウ
ムアミド変性物、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリイソ
ヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジ
イソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムイソプロ
ポキシド、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエト
キシド、アルミニウム−n−プロポキシド、アルミニウ
ムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、
アルミニウムイソブトキシド、アルミニウム−n−ペン
トキシド、アルミニウムイソペントキシド、アルミニウ
ム−2−ブトキシド、アルミニウム−t−ブトキシド、
アルミニウム−t−ペントキシド、水酸化アルミニウ
ム、亜鉛ジメトキシド、亜鉛ジエトキシド、亜鉛ジイソ
プロポキシド、亜鉛ジ−n−プロポキシド、亜鉛ジ−n
−ブトキシド、亜鉛ジイソブトキシド、亜鉛ジ−n−ペ
ントキシド、亜鉛ジイソペントキシド、亜鉛ジ−2−ブ
トキシド、亜鉛ジ−t−ブトキシド、亜鉛ジ−t−ペン
トキシド、水酸化亜鉛、水素化カルシウム、ジエチルカ
ルシウム、ジエチルカルシウム、カルシウムジメトキシ
ド、カルシウムジエトキシド、カルシウムジイソプロポ
キシド、カルシウムジ−n−プロポキシド、カルシウム
ジ−n−ブトキシド、カルシウムジイソブトキシド、カ
ルシウムジ−n−ペントキシド、カルシウムジイソペン
トキシド、カルシウムジ−2−ブトキシド、カルシウム
ジ−t−ブトキシド、カルシウムジ−t−ペントキシ
ド、水酸化カルシウム、ジメチルマグネシウム、ジエチ
ルマグネシウム、マグネシウムジメトキシド、マグネシ
ウムジエトキシド、マグネシウムジイソプロポキシド、
マグネシウムジ−n−プロポキシド、マグネシウム、マ
グネシウムジ−n−ブトキシド、マグネシウムジイソブ
トキシド、マグネシウムジ−n−ペントキシド、マグネ
シウムジイソペントキシド、マグネシウムジ−2−ブト
キシド、マグネシウムジ−t−ブトキシド、マグネシウ
ムジ−t−ペントキシド、水酸化マグネシウム、n−ブ
チルエチルマグネシウム等が挙げられる。これらの有機
金属化合物の1種または必要に応じて2種以上併用する
ことができる。中でもジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ
プロピル亜鉛、ジ−イソプロピル亜鉛、ジブチル亜鉛、
ジ−イソブチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエ
チルカルシウム、ジエチルカルシウム、ジメチルマグネ
シウム、ジエチルマグネシウム、n−ブチルエチルマグ
ネシウムから選ばれる少なくとも1種以上であると、化
合物(II)、特にポリオールおよび/または一価アル
コールとの反応性が良く微粒子の調製が容易になるため
好ましい。また、得られる有機金属微粒子がより高い触
媒活性を示すため好ましい。特に本発明の有機金属微粒
子をアルキレンオキシドの重合用触媒として用いる場
合、ジアルキル亜鉛を用いることが好ましい。ジアルキ
ル亜鉛以外の例えばジアルキルマグネシウムを用いた場
合、ポリオールとの反応性が低いため、十分な重合活性
を有する重合触媒の調製が困難である。また、アルキル
アルミニウムを用いた場合、ある程度活性を持った重合
触媒は調製されるが、到達分子量が低くなる傾向があ
り、そのため、分子量が高く有用なアルキレンオキシド
重合体が得られない。
【0010】本発明において化合物(II)は、炭素数
1以上の活性水素を持つ化合物および水からなる群より
選ばれる少なくとも一種の化合物である。炭素数1以上
の活性水素を持つ化合物としては、水酸基、チオール
基、アミン基、カルボキシル基、スルホン基等の置換基
を持った、炭素数1以上の化合物であれば特に限定され
ないが、中でも、ポリオールがより高い活性を示す触媒
を与えるため好ましく、水、ポリオールとともに化合物
(II)として一価アルコールを併用することが特に好
ましい。
【0011】ポリオールの具体例としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2−ヒドロキシエト
キシイソプロパノール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シ
クロペンタンジオール、メチルシクロペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、グリセリン、レゾルシ
ン、カテコール、ヒドロキノン等が挙げられる。これら
のポリオールの1種または必要に応じて2種以上を併用
することができる。また、これらのチオアルコールも例
として挙げられる。本発明の有機金属微粒子をアルキレ
ンオキシドの重合用触媒として用いる場合、炭素数2〜
6の脂肪族ポリオールを用いることが好ましい。炭素数
が前述の範囲でない脂肪族のポリオールを用いてアルキ
レンオキシドの重合用触媒を調製した場合、アルキレン
オキシドを重合させる触媒活性が十分に出ないために好
ましくない。中でもエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ペンタ
ンジオールから選ばれる少なくとも1種以上が好まし
い。
【0012】一価アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、フェノ
ール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、エチルヘキサノール、ノナール、デ
カノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリメチル
ノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノー
ル、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、グリシドール、フルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α−テ
ルピネオール、アビエチルアルコール、トリクロロエタ
ノール、トリフルオロエタノール等が挙げられる。これ
らの一価アルコールの1種または必要に応じて2種以上
併用することができる。また、これらのチオアルコール
も例として挙げられる。本発明の有機金属微粒子をアル
キレンオキシドの重合用触媒として用いる場合、炭素数
1〜10の一価のアルコールを用いることが好ましい。
炭素数が前述の範囲より大きい場合、置換基が嵩高すぎ
てジアルキル亜鉛等の調製剤と十分に反応できないた
め、目的とする重合用触媒の調製が適切に行われなくな
るため、アルキレンオキシドへの重合活性が十分にでな
いために好ましくない。中でもメタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコ
ール、ヘキサノールから選ばれる少なくとも1種以上が
好ましい。一価アルコールを使用することで得られる微
粒子がより高い触媒活性を示すが、場合によっては、一
価アルコールを使用しなくても高い触媒活性を示す場合
があるため、一価アルコールの使用は必須ではない。本
発明ではミセルは不活性媒質中に形成させることが好ま
しい。不活性媒質とは、化合物(I)および/または化
合物(II)に対して不活性な物質をいい、後述する可
溶化剤により該化合物(I)および/または(II)が
ミセルを形成して溶解するものである。 <不活性媒質について>本発明の不活性媒質は、炭素数
2〜20の脂肪族炭化水素と炭素数6〜30の芳香族炭
化水素とからなる群より選ばれた1種以上であれば特に
限定はない。具体的には、n−ペンタン、n−ブタン、
イソブタン、工業用ヘキサン、n−ヘキサン、イソヘキ
サン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n
−デカン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、石
油ベンジン、リグロイン、ガソリン、灯油、石油スピリ
ット、石油ナフサ、2−ペンテン、混合ペンテン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベ
ンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、テト
ラアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベン
ゼン、アミルトルエン、コールタールナフサ、ソルベン
トナフサ、p−シメン、ナフタリン、テトラリン、デカ
リン、ビフェニル、ジペンテン、テレビン油、ピネン、
p−メンタン、パイン油、ショウノウ油、塩化メチル、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチ
ル、塩化エチレン、塩化エチリデン、1,1,1−トリ
クロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テ
トラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロ
エタン、塩化ビニリデン、1,2−ジクロロプロパン、
塩化ブチル、塩化アミル、混合塩化アミル、ジクロロペ
ンタン、塩化ヘキシル、塩化−2−エチルヘキシル、臭
化メチル、臭化エチル、臭化エチレン、テトラブロムエ
タンクロムブロムメタン、エチレンクロロブロミド、ク
ロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4−ト
リクロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロムベン
ゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、α−
クロロナフタレン、塩素化ナフタレン、フルオロジクロ
ロメタン、ジクロロジフルオロメタン、フルオロトリク
ロロメタン、トリフルオロモノブロムメタン、ジフルオ
ロクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタン、エチルエーテル、ジクロロエチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテ
ル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、メ
チルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、n−
ブチルフェニルエーテル、アミルフェニルエーテル、
o,m,p−クレジルメチルエーテル、p−t−アイル
フェニル−n−アミルエーテル、エチルベンジルエーテ
ル、1,4−ジオキサン、トリオキサン、フラン、フル
フラール、ジオキソラン、2−メチルフラン、テトラヒ
ドロフラン、シネオール、メチラール、ジエチルアセタ
ール、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミル
ケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケト
ン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケト
ン、ジイソブチルケトン、2,6,8−トリメチルノナ
ノン−4、アセトン油、アセトニルアセトン、メシチル
オキシド、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、メ
チルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジプノン、シ
ョウノウ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ
酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−
n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸−
n−アミン、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、
酢酸メトキシブチル、酢酸第二ヘキシル、酢酸−2−エ
チルブチル、酢酸メチルイソブチルカルビノール、酢酸
−2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチ
ルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブチル、
プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪
酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、オキシイソ酪酸エチ
ル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル、イソ吉草酸イソアミ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベ
ンジル、ケイ皮酸エチル、サリチル酸メチル、アジピン
酸オクチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シ
ュウ酸ジアミル、マロン酸ジエチル、酒石酸ジブチル、
クエン酸トリブチル、セバシン酸ジオクチル、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベ
ンゼン、ニトロアニソール、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、アニリン、トルイジ
ン、アセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、
ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、モルホリ
ン、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、プロパンスル
ホン、リン酸トリエチル等が挙げられる。
【0013】これらの1種または必要に応じて2種以上
併用することもできる。中でもシクロヘキサン、n−ヘ
キサン、トルエン、工業用ヘキサン、n−ヘプタン、ベ
ンゼン、キシレンから選ばれる不活性媒質であると、得
られる有機金属微粒子がより高い活性の触媒活性を示す
ため好ましい。さらに、トルエン、ベンゼン、キシレン
から選ばれる不活性媒質を用いて得られた有機金属微粒
子を用いてアルキレンオキシドを重合するとより嵩比重
の大きいアルキレンオキシド重合体が得られるため好ま
しい。
【0014】本発明では、可溶化剤により化合物(I)
および/または(II)がミセルを形成して不活性媒質
中に可溶化する。このような可溶化剤としては、界面活
性剤であれば特に限定はない。界面活性剤は、カチオン
性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤
のいずれかのイオン性界面活性剤が好ましく、中でもア
ニオン性界面活性剤は、不活性媒質とポリオールのミセ
ルまたは逆ミセル形成に適しているため好ましい。
【0015】また、界面活性剤の具体例としては、脂肪
酸石鹸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸のナト
リウム塩および/またはカリウム塩)、N−アシル−N
−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−ア
ラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチ
ド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン
重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合
物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハ
ク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
コハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィン
スルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル
−5−スルホイソフタレートナトリウム塩、硫酸化油、
高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシ
サルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロ
ールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族
アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウ
ム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾ
リウム塩、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルア
ミンオキシドビストリデシルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシル
スルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキル
アミングアニジンポリオキシエタノール、スルホコハク
酸ジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、スル
ホコハク酸ジナトリウムエトキシ化ノニルフェノール半
エステル、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、N
−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、N
−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシル
スルホコハク酸アミドテトラナトリウム、硫酸化ノニル
フェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールのアンモ
ニウム塩、モノ&ジドデシルジフェニルオキシドジスル
ホン酸ジナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム中和
縮合物、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フルオロ
アルキルカルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホ
ニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔フルオロアルキ
ルオキシ〕−1−アルキルスルホン酸ナトリウム、3−
〔ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ〕−1
−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−〔3−(パーフ
ルオロオクタンスルホンアミド)プロピル〕−N,N−
ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイ
ン、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタ
ノールアミド、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、N
−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオ
ロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキルスル
ホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアン
モニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホ
ニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチ
ルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフ
ルオロアルキルエチルリン酸エステル、ポリオキシエチ
レンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルの硫酸エ
ステル塩等が挙げられる。
【0016】上記界面活性剤は、1種または必要に応じ
て2種以上を併用しても良い。
【0017】本発明において可溶化剤の添加量は、反応
場とする化学種によって任意に変わるため、特に限定は
ない。例えば、イオン性界面活性剤の添加量は、ポリオ
ールおよび/または一価アルコールに対して0.1重量
%以上添加することが好ましく、より好ましくは5重量
%以上、さらに好ましくは20重量%以上である。イオ
ン性界面活性剤の添加量が前述の範囲より少ない場合、
不活性媒質中にポリオールおよび/または一価アルコー
ルが十分にミセル形成できないため、界面活性剤の添加
効果が現れなかったり、活性の高い触媒が調製できない
ため好ましくない。逆にイオン性界面活性剤の添加量が
極端に多い場合、ミセル形成の際に、ミセル形成に関与
しない無駄な界面活性剤が多くなる。これは、不活性媒
質中に残るため、不活性媒質と共に回収して次の触媒調
製に用いることができる。
【0018】本発明において有機金属微粒子の調製は、
通常窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、炭酸ガス等の
不活性ガス雰囲気下で行われる。微粒子の調製における
反応系内活性プロトン量は、500ppm以下が好まし
い。反応系内活性プロトン量とは、反応器等に付着して
いる湿気、不活性媒質・ポリオール・一価アルコール・
不活性ガス・有機金属等の原料に含まれる水分、および
微粒子の調製に不必要なアルコール化合物やカルボン酸
化合物等の酸性化合物のことを示す。反応系内活性プロ
トン量は、より好ましくは、200ppm以下、さらに
好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50pp
m以下である。反応系内活性プロトン量が前述の範囲よ
り多いとき有機金属化合物と活性プロトンが反応して、
重合に必要な活性を持った触媒が調製できないか、また
は、重合活性があっても、あまり活性の高い触媒が調製
できないため好ましくない。
【0019】本発明における微粒子の調製方法として
は、例えば、初めに第一段階として、不活性媒質中で有
機金属化合物とポリオールを反応させ、次いで第二段階
として一価アルコールを反応させる方法が好ましいが、
逆に第一段階を有機金属化合物と一価アルコールとの反
応とし、第二段階でポリオールと反応させても良い。
【0020】有機金属化合物とポリオールの割合は、当
量比で有機金属化合物1.0に対し、ポリオールは通常
0.1〜1.8倍当量である。好ましくは0.3〜1.
1倍当量、より好ましくは0.4〜0.9倍当量であ
る。ポリオールの量が前述の範囲外であると、重合速度
が極端に低下する。
【0021】有機金属化合物と一価アルコールの割合
は、当量比で有機金属化合物1.0に対し、一価アルコ
ールは通常0.0〜1.0倍当量である。好ましくは
0.1倍当量以上であるが、0.0倍当量でも触媒活性
を示す。また、一価アルコールの量が前述の範囲より多
い場合は、微粒子の調製が終わった後に、減圧脱揮等の
手段により、過剰な一価アルコールを取り除けば良い。
微粒子の調製を行う温度は、−50〜300℃であるこ
とが好ましい。より好ましくは0〜200℃、さらに好
ましくは20〜150℃である。触媒調製温度が前述の
範囲より低い場合、有機金属化合物と化合物(II)と
の反応速度が著しく低くなり、微粒子の調製を行う時間
が長くなったり、十分に反応しないため、重合活性が低
下するため好ましくない。一方、前述の範囲より高い場
合、触媒活性が著しく低下し、重合時間が非常に長くな
るため好ましくない。
【0022】微粒子調製の後に、加熱処理を行うことが
できるが、必ず行わなくてはいけないということはな
い。この加熱処理は、ミセルを反応場とせずに行う旧来
の触媒調製においては特に有効であるが、本発明ではミ
セルを反応場とするため加熱処理が必ずしも有効である
とは限らない。加熱処理を行うと、該微粒子を重合触媒
として用いたアルキレンオキシドの重合反応において、
アルキレンオキシド重合体が非常に再現性良く、しかも
極く少量の触媒量で短時間のうちに取得できるようにな
り、また条件によっては従来得られていた重合体に比べ
て、以外にも著しく重合度の高いアルキレンオキシド重
合体が得られる場合がある。加熱処理を行う際には、高
沸点の炭化水素系溶剤を用いたり、オートクレーブを用
いて加圧下で100℃以上に加熱処理しても良い。加熱
処理の温度は、通常20〜200℃である。20℃より
低温の場合は加熱処理を行わない場合とほとんど同じ結
果となり、例えば重合速度および得られた重合体の重合
度等の再現性が悪く、200℃を超える温度の場合は、
触媒活性が著しく低下し、重合時間が非常に長くなるた
め好ましくない。
【0023】本発明の逆ミセルおよび/またはミセル内
部に構築したdropletの半径は、1.0μm以下であれ
ば特に問題はない。好ましくは、0.5μm以下、さら
に好ましくは、0.1μm以下である。逆ミセルおよび
/またはミセル内部に構築したdropletの半径が前述の
範囲より大きい場合、反応場内に存在する化合物(I)
および(II)が多すぎて、凝集し、粒径の大きな有機
金属粒子しか得られないため好ましくない。このような
触媒は、重合活性が低く、可溶化剤を用いて調製を行う
意味がない。本発明の有機金属微粒子に含まれるイオン
性界面活性剤の量は、特に限定はないが、0.01重量
%以上が好ましい。より好ましくは0.1重量%以上、
さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは5重量
%以上である。本発明の有機金属微粒子に含まれる界面
活性剤の量が前述の範囲より少ないと、イオン性界面活
性剤による帯電抑制効果が低減するため好ましくない。
不活性媒質として有機溶剤を使用した時や沈殿重合のよ
うに粉体が擦れ合いながら重合を行う反応の場合、静電
気による帯電を抑制しないと、静電気による有機溶剤へ
の着火が起こるため、非常に保安上の問題がある。ま
た、重合反応中の静電気の発生は、生成ポリマーの凝集
を引き起こすため好ましくない。
【0024】有機金属微粒子の調製に際しては、反応系
内に不純物として含まれる活性プロトン量は、少なけれ
ば少ないほど良い。反応系内に不純物として含まれる活
性プロトン量が多いと、有機金属化合物が不純物として
含まれる活性プロトンと反応し、本来反応させるはずで
あった化合物(II)との反応率が低下するため、有機
金属微粒子が目的とする構造を取りにくくなる。有機金
属微粒子を触媒と用いる場合、触媒活性が全く出なかっ
たり、触媒活性が低くなったり、また、重合活性に対し
ての再現性が著しく低下するため好ましくない。不純物
として含まれる活性プロトンの具体例としては、水、ア
ルコール化合物、カルボン酸化合物が主として挙げられ
るが、その他にも有機金属化合物(I)と反応する置換
基を持つ化学種であれば、不純物として含まれる活性プ
ロトンと成り得る。 <粒子状添加剤について>本発明の粒子状添加剤は、有
機金属微粒子の担体として働く場合あり、有機金属微粒
子の表面処理剤として働く場合がある。また、有機金属
微粒子の生成過程で、不活性媒質中に分散させる分散剤
として働く場合もある。これらの担体・表面処理剤・分
散剤としての効果または作用を有機金属微粒子に及ぼす
ことで、有機金属微粒子を重合用触媒として用いて合成
されたアルキレンオキシド重合体の嵩比重は大きくな
る。嵩比重が大きいことは、粉体輸送の面で非常に有用
なことである。また、アルキレンオキシド重合体を合成
する際の反応器の中のアルキレンオキシド重合体の仕上
がり濃度を高くすることができるので、嵩比重が大きい
ことは生産効率に対しても有益である。
【0025】さらに、嵩比重が小さいと、アルキレンオ
キシド重合体を合成する際の反応器の中のアルキレンオ
キシド重合体が凝集して攪拌不良が起き、得られたアル
キレンオキシド重合体も凝集したものになり好ましくな
い。また、重合時に蓄熱が起こり、反応熱の制御が困難
になるため安全上も問題がある。
【0026】本発明の粒子状添加剤としては特に限定は
ない。具体的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、タル
ク、フュームドシリカ、フュームドアルミナ、フューム
ドマグネシア、フュームドチタニア、フュームドジルコ
ニア、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸鉛、炭酸マグネ
シウム、珪藻土、マイカ等が挙げられる。これらの1種
または2種以上を併用しても良い。中でもフュームドシ
リカを用いて得られた有機金属微粒子を重合触媒として
アルキレンオキシドを重合すると、嵩比重が大きいアル
キレンオキシド重合体が得れるため好ましい。
【0027】粒子状添加剤は、表面処理されていても良
い。表面処理により、親水性であったり、疎水性であっ
てもよい。もちろん、表面処理により親水性と疎水性の
両方が混在していても良い。親水性の粒子状添加剤は、
ヘキサン等の無極性の脂肪族炭化水素系有機溶媒への分
散性があまり良くないので、ホモミキサーや超音波を使
用して分散性を上げても良い。また、前記可溶化剤を用
いて分散させても良い。一方、疎水性の粒子状添加剤
は、ヘキサン等の無極性の脂肪族炭化水素系有機溶媒へ
の分散性は比較的良好である。通常の混合でも充分、分
散する。さらに、分散性を高めるためにホモミキサーや
超音波を使用して分散性を上げても良い。また、前記可
溶化剤を用いて分散させても良い。また、本発明の粒子
状添加剤は、脂肪族炭化水素系有機溶媒および芳香族炭
化水素系有機溶媒をはじめとする前記不活性媒質と組み
合わせることで、相乗効果を生み出す。例えば、芳香族
炭化水素とフュームドシリカを用いて有機金属微粒子を
合成し、この有機金属微粒子を用いてアルキレンオキシ
ドの重合を行うと得られたアルキレンオキシド重合体の
著しく嵩比重が大きくなる。
【0028】本発明の粒子状添加剤の1次粒子の平均粒
径は、特に限定はない。好ましくは0.1mm以下、よ
り好ましくは1μm以下、さらに好ましくは10nm以
下、最も好ましくは1nm以下である。本発明に係る粒
子状添加剤の1次粒子の平均粒径が前述の範囲より大き
い場合、表面積が小さくなり、粒子状添加剤の前述の働
きである担体・表面処理剤・分散剤としての効果が低減
するため好ましくない。
【0029】本発明の粒子状添加剤の比表面積は、1m
2/g以上あれば特に限定はない。好ましくは10m2
g以上。より好ましくは50m2/g以上、さらに好ま
しくは100m2/g以上、最も好ましくは200m2
gである。粒子状添加剤の比表面積が前述の範囲より小
さい場合、粒子状添加剤の前述の働きである担体・表面
処理剤・分散剤としての効果が低減するため好ましくな
い。
【0030】本発明の粒子状添加剤に含まれる水分は、
少なければ少ないほど好ましい。一般に疎水性の粒子状
添加剤に含まれる水分は少なく。親水性の粒子状添加剤
に含まれる水分は多い。また、表面積が大きくなる程、
吸着水も多くなる。粒子状添加剤に含まれる水分の除去
方法は、特に限定はない。例えば、加熱下で乾燥する方
法、加熱しながら減圧する方法、不活性媒質に粒子状添
加剤を混合し水と不活性媒質を共沸除去する方法等があ
る。
【0031】粒子状添加剤の添加量は、特に限定はない
が、金属Mに対して1重量%〜2,000重量%である
と好ましい。より好ましくは5重量%〜1,000重量
%、さらに好ましくは20重量%〜600重量%、最も
好ましくは40重量%〜400重量%である。粒子状添
加剤の添加量が、前述の範囲より小さい時、添加量が少
なすぎて、粒子状添加剤の前述の働きである担体・表面
処理剤・分散剤としての効果が低減するか、もしくは全
く効果が無くなるため好ましくない。一方、粒子状添加
剤の添加量が、前述の範囲より大きい時、添加量が多す
ぎて、有機金属微粒子を合成する反応液が増粘してしま
い、化合物(I)と化合物(II)の反応率が低下し、
イオン重合性モノマーの重合に有用な有機金属微粒子を
得ることができないため好ましくない。
【0032】粒子状添加剤を使用するに際して、前記不
活性媒質を用いれば特に問題ない。しかし、粒子状添加
剤と不活性媒質の組み合わせで相乗効果が表れる。例え
ば、溶解度パラメーター[δ:(cal・cm-3)1/2] 6.0
0〜8.20の無極性溶媒には、疎水性のフュームドシ
リカを組み合わせて、有機金属微粒子を調製し、この有
機金属微粒子をアルキレンオキシド重合用触媒として用
いてアルキレンオキシドの重合を行うと、嵩比重の大き
なアルキレンオキシド重合体が得られる。具体的には、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘ
プタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタ
ン、メチルペンタン等と疎水性フュームドシリカの組み
合わせが挙げられる。一方、溶解度パラメーター[δ:
(cal・cm-3)1/2] 8.20〜9.30の微極性溶媒に
は、疎水・親水いずれのフュームドシリカを組み合わせ
ても良いが、特に疎水性のフュームドシリカを組み合わ
せて、有機金属微粒子を調製し、この有機金属微粒子を
アルキレンオキシド重合用触媒として用いてアルキレン
オキシドの重合を行うと、嵩比重の大きなアルキレンオ
キシド重合体が得られる。具体的には、トルエン、ベン
ゼン、エチルベンゼン、キシレン、エチルメチルケト
ン、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、エチ
ルプロピオネート等と疎水性フュームドシリカの組み合
わせが挙げられる。 <重合について>本発明の有機金属微粒子は、重合用触
媒として非常に有用である。
【0033】本発明の有機金属微粒子を重合用触媒とし
て重合されるモノマーは、特に限定はないが、本発明の
有機金属微粒子は、イオン重合性を示すため、イオン重
合性モノマーを重合するのに適している。
【0034】イオン重合性モノマーとしては、アニオン
重合性、開環重合性や配位アニオン重合性、カチオン重
合性を有している反応性モノマーであれば特に限定はな
い。アニオン重合性モノマーとしては、環状エーテル化
合物、アルデヒド化合物、オレフィン化合物、ラクトン
化合物、ラクタム化合物、チオエーテル化合物、カーボ
ネート化合物、酸無水物、アミン化合物、ヘテロ多重結
合化合物等が挙げられる。アルデヒド化合物の具体例と
しては、アセトアルデヒド、グリオキシル酸メチル、グ
リオキシル酸エチル、グリオキサール、ホルムアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ブチル
アルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒ
ド、イソバレルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、カプ
ロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、カプリルアルデヒ
ド、ペラルゴンアルデヒド、カプリンアルデヒド、ウン
デシルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、トリデシルア
ルデヒド、ミリスチンアルデヒド、ペンタデシルアルデ
ヒド、パルミチンアルデヒド、マルガリンアルデヒド、
ステアリンアルデヒド、スクシンジアルデヒド、アクロ
レイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−
トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、m−トルアルデ
ヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、α−
ナフトアルデヒド、β−ナフトアルデヒド、フルフラー
ル等が挙げられる。
【0035】ヘテロ多重結合化合物の具体例としては、
二酸化炭素、二酸化硫黄、一酸化炭素、一酸化硫黄、一
酸化窒素、二酸化窒素、二硫化炭素、カルボニル化合
物、チオカルボニル化合物、ニトロソ化合物、ニトリル
化合物、ケテン化合物、イソシアン酸化合物、チオイソ
シアン酸化合物、イソニトリル化合物、キノン化合物、
イミン化合物、ジシレン化合物等が挙げられる。
【0036】環状チオエーテル化合物の具体例として
は、チオエチレンオキシド、チオプロピレンオキシド、
チオシクロヘキセンオキシド、チオスチレンオキシド、
チオエポキシブタン、チオエポキシブテン、チオエピク
ロルヒドリン、チオアリルグリシジルエーテル、チオフ
ェニルグリシジルエーテル、チオテトラヒドロフラン、
チオオキセタン、チオジオキソラン、チオジオキサン等
が挙げられる。
【0037】オレフィン化合物のスチレン、p−メトキ
シスチレン、N,N’−ジメチル−p−スチレンビニル
ナフタレン等のスチレン類、アセチレン、アセチレン化
合物、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレ
ン、ビニルフェノール、イソプレン等の不飽和炭化水素
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エ
ステル等が挙げられる。ラクトン化合物の具体例として
は、ε−カプロラクトン、プロピオラクトン、ブチロラ
クトン、δ−バレロラクトン、クマリン、ジメチルプロ
ピオラクトン、カプリロラクトン、ラウロラクトン、パ
ルミトラクトン、ステアロラクトン、クロトラクトン、
α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン、ラ
クチド、グリコリド等が挙げられる。
【0038】ラクタム化合物の具体例としては、β−プ
ロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、2−ピペリド
ン、スクシンイミド、δ−バレロラクタム、ε−カプロ
ラクタム、ヘプトラクタム、ラクチミド、ラクチム等が
挙げられる。
【0039】アミンの具体例としては、エチレンイミ
ン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられ
る。
【0040】カーボネート化合物の具体例としては、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げ
られる。
【0041】酸無水物の具体例としては、無水コハク
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル
酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、ブタン−1,2,3,4−テ
トラカルボン酸二酸無水物、二無水ピロメリット酸、ビ
フェニルテトラカルボン酸二酸無水物、p−ターフェニ
ル3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二酸無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカ
ルボン酸二酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二酸無水物,3,4,9,10−ペリレ
ンテトラカルボン酸二酸無水物、2,3,4,5−テト
ラヒドロフランテトラカルボン酸二酸無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二酸無水物等が挙げ
られる。
【0042】環状エーテル化合物の具体例としては、エ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセン
オキシド、スチレンオキシド、ブチレンオキシド、エポ
キシブタン、エポキシブテン、エピクロルヒドリン、ア
リルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、オキセタン、ジオキソラン、
ジオキサン等が挙げられる。
【0043】前述のイオン重合性モノマーは、1種を用
いてホモポリマーを合成しても良いし、または2種以上
を用いて共重合体を合成してもよい。
【0044】経済性および反応しやすさを考慮すると、
環状エーテルが好ましく、中でもエチレンオキシドおよ
びプロピレンオキシドが好ましい。より好ましくはエチ
レンオキシドが経済性および反応性の両面で優れてい
る。必要によりエチレンオキシドの一部または全部を他
の環状エーテルで置換したものでもよい。好ましくは5
〜100%、さらに好ましくは5〜50%を置換しても
よい。
【0045】所望によりイオン重合性モノマーから成る
ポリマーを効率よく製造することができる。
【0046】本発明の有機金属微粒子を重合用触媒とし
て用いた重合反応は、任意の所望の方法で行うことがで
き、バッチ法、連続法、半連続法又はそれらの組み合わ
せとすることができる。触媒は全部を1度に、又は反応
中に少しずつ分割に添加したり、もしくは連続的に添加
することができる。同様に、モノマーを反応器に連続的
に添加することができる。重合は無溶媒において、又は
不活性媒質中もしくは希釈剤の存在下において行うこと
ができる。不活性媒質中もしくは希釈剤は特に限定はな
く、重合反応及び触媒と反応不活性であれば使用可能で
ある。不活性媒質中もしくは希釈剤の具体例としては、
ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、クロロ
ホルム、メチルシクロペンタン等が挙げられる。
【0047】重合反応後に、使用可能であることが知ら
れており、しかも有害性の無い任意の添加剤を添加する
ことができる。これらの添加剤は当業界に周知であり、
例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、充
填剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0048】本発明において使用できる酸化防止剤とし
ては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、
リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げらる。
【0049】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6一(4−
ヒドロキシ−3,5−t−プチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン、ペンタエリスリチルーテトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−プチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕(商品名 IRGANOX lO
lO)、2,2−チオ−ジエチレンピス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、3,9−ビス−〔2−(3−(3−t一プチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオ
ニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(商品
名 Sumllizer GA−80)、トリエチレン
グリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品名
IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品名
IRGANOX 259)、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)〕メタン、オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート(商品名 IRGANOX lO76)、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォ
ネート−ジエチルエステル(商品名 IRGANOX
1222)、N,N’−ヘキサメチレンービス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムア
ミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンジルフォスフォネートージエチルエステル、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス
(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸エチル)カルシウム(商品名 IRGANOX 1
425WL)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(商品名
IRGANOX 3114)、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、2,2−ビス〔4−(2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナモイルオキ
シ))エトキシフェニル〕プロパン、2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
【0050】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル−3,3−チオジプロピオネート(商品名 S
UMILIZER TPL−R)、ジミリスチル−3,
3−チオジプロピオネート(商品名 SUMILIZE
R TPM)、ジステアリル−3,3−チオジプロピオ
ネート(商品名 SUMILIZER TPS)、ペン
タエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオジプロピ
オネート(商品名 SUMILIZER TP−D)、
ジトリデシル−3,3−チオジプロピオネート(商品名
SUMILIZER TL)、2−メルカブトペンゾ
イミダゾール(商品名 SUMILIZER MB)等
が挙げられる。
【0051】リン糸酸化防止剤としては、例えば、次に
示すような化合物が挙げられる:トリフェニルフォスフ
ァイト、トリラウリルフォスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイ
ト、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニ
ルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホス
ファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、テト
ラキス(2,4−ジ−t−プチルフェニル)−4,4−
ピフェニレンフォスフォナイト(商品名 IRGAFO
S P−EPQFF)、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト(商品名 IRGAFOS
168)、ジステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホ
スファイト、ジオクチルペンタエリスリトール−ジ−ホ
スファイト、ジイソデシルペンタエリスリトール−ジ−
ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−プチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−プチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイト(商品名 アデカ
スタブ PEP−36)、テトラキス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフオスフ
オナイト(商品名 SANDOSTAB P−EPQ)
などの次亜リン酸、亜リン酸およびそのエステル類;リ
ン酸ジフェニル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニ
ル、リン酸ジベンジル、リン酸トリエチル、リン酸トリ
メチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリス(4−t−ブチルフェニル)、リン酸トリス
(ブトキシエチル)、リン酸トリ−n−ブチルなどのリ
ン酸およぴそのエステル類;次亜リン酸、ポリリン酸な
ど。アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−
α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジ−β−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシ
ル−N’−フェニレン−p−フェニレンジアミン、N−
フェニレン−N’−イソ−プロピル−p−フェニレンジ
アミン、アルドール−α−ナフチルアミン、2,2,4
−トリメチル1,2−ジハイドロキノン重合体、6−エ
トキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン等が挙げられる。
【0052】上記酸化防止剤は、単独あるいは2種以上
を併用することができる。例えば、リン系の酸化防止剤
とイオウ系の酸化防止剤とアミン系の酸化防止剤を組み
合わせても良い。
【0053】帯電防止剤の具体例としては、前記のアニ
オン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活
性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。帯電防止
剤は、ポリマー生成後に添加しても良いし、また、重合
反応時に反応系内に存在しても良い。本発明の有機金属
粒子を含む重合用触媒は、前記界面活性剤を使用してい
るため、重合反応中に生じる静電気の帯電を抑制する働
きがある。そのため、本発明の有機金属粒子を含む重合
触媒を用いてアルキレンオキシドの重合を行うと、帯電
を抑制させる各種添加剤が無くても帯電が抑制され、凝
集の少ないアルキレンオキシド重合体を得ることができ
る。また、重合時に凝集を抑える目的で、炭酸ガスやフ
ュームドシリカの様な添加剤を用いても良い。
【0054】重合時および/または重合後、分子量を調
整するする目的で、ラジカル発生剤を添加しても良い。
ラジカル発生剤は、例えば、2,2’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、過酸化水素、オゾン、過安息香酸、過酢酸、m−
クロロ過安息香酸、2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メ
チルブチルニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘ
キセン−1−カルボニトリル)、1−[1−シアノ−1
−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、2,2’−ア
ゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシ
メチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミ
ド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−ア
ゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオ
ンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メ
チルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シ
クロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,
2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’
−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェ
イトジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−(3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)プロパ
ン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−
[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−
2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2’−
アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ジン)ジ−ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N
−(2−カルボエチル)−2−メチル−プロピオンアミ
ジン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミドオキシム)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブ
チレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)、アゾジ−t−オクタン、イソブチルパーオキシ
ド、α,αビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、
ジ−n−プロピルパーオキシジカルボネート、ジイソプ
ロピルパーオキシジカルボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボ
ネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオ
キシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオ
キシジカルボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオ
キシジカルボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカ
ノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカルボネー
ト、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)
ジカルボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ヘ
キシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピ
バレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キシド、オクタノイルパーオキシド、ラウリルパーオキ
シド、ステアロイルパーオキシド、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト、過コハク酸等が挙げられる。これらのうち1種また
は2種以上を添加しも良い。
【0055】前記ラジカル発生剤の使用量は、分解を行
う前のアルキレンオキシド重合体の分子量および分解に
よって所望とされる減成されたアルキレンオキシド重合
体の分子量によって任意に決まる。ラジカル発生剤の使
用量が分解を行う前のアルキレンオキシド重合体に対し
て多く使用されれば、より小さい分子量のアルキレンオ
キシド重合体が得られる。
【0056】ラジカル発生剤の添加温度は、特に限定は
ないが、アルキレンオキシド重合体を粉体のまま得るに
は、アルキレンオキシド重合体の融点より低い温度が好
ましい。また、ラジカル発生剤は、重合に使用される溶
媒である不活性媒質中で添加しても良いし、無溶媒のア
ルキレンオキシド重合体そのものに添加しても良い。重
合に使用される溶媒である不活性媒質中で添加した方
が、より効果的に分子量は減成するため好ましい。
【0057】本発明の有機金属微粒子を重合溶媒として
重合を行う場合、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール、t−ブタノール、フェノール、アミルアルコー
ル、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチ
ルヘキサノール、ノナール、デカノール、ウンデカノー
ル、ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テト
ラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノー
ル、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、グリシドール、フルフリルアルコール、テトラヒド
ロフルフリルアルコール、α−テルピネオール、アビエ
チルアルコール、トリクロロエタノール、トリフルオロ
エタノール等のアルコール類や酢酸、ギ酸等のカルボキ
シル基含有化合物を連鎖移動剤として用いて、分子量を
調整しても良い。
【0058】本発明の重合温度は、特に限定は無い。重
合は約−50〜150℃で行うことが可能であり、好ま
しくは−10〜65℃、さらに好ましくは0〜45℃で
ある。これらの温度は当業界において好ましい温度であ
るとして公知であり、しかも該使用温度は本発明に対し
て臨界的ではない。
【0059】本発明の重合圧力は、特に限定はなく、大
気圧下、減圧下や加圧下で行うことができる。好ましい
圧力範囲は、大気圧下〜1.0MPaであり、その範囲
内であると重合操作が行い易いために好ましい。しか
し、その範囲外でも重合を行うことは可能である。
【0060】本発明の重合操作は、通常窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気
下で行われる。重合操作における反応系内活性プロトン
量は、500ppm以下が好ましい。反応系内活性プロ
トン量とは、反応器等に付着している湿気、不活性媒質
・前記環状エーテル・前記調製触媒等の原料に含まれる
水分および重合反応に不必要なアルコール化合物やカル
ボン酸化合物等の酸性化合物のことを示す。反応系内活
性プロトン量は、より好ましくは、200ppm以下、
さらに好ましくは、100ppm以下、最も好ましくは
50ppm以下である。反応系内活性プロトン量が前述
の範囲より多いとき有機金属と活性プロトンが反応して
重合に必要な活性を持った触媒が低減してしまい重合活
性が低下もしくは触媒自体が失活するため好ましくな
い。
【0061】重合に使用される触媒の量は、特に制限は
ないが、供給される単量体のモル数に対し金属Mを基準
にして0.001〜10.0モル%の範囲で供給させる
ことができる。また得られたアルキレンオキシド重合体
は、塊状化することなく細かい粒状物として容易に溶媒
から分離除去することができる。
【0062】本発明の有機金属微粒子を重合用触媒とし
て用いる場合、イオン重合性モノマーに対する使用量
は、重合で得られるポリマーの分子量や重合方法による
ため、特に限定はない。各種イオン重合性モノマーや重
合方法等に応じて、適切な使用量で重合を行えばよい。
等に応じて、適切な使用量で重合を行えばよい。
【0063】本発明の有機金属微粒子を重合用触媒とし
て用いる場合、粉体状では空気中の水分により加水分解
しやすく、触媒活性が損なわれるため、有機溶媒中に分
散した分散液(スラリー)として用いることが好まし
い。
【0064】本発明の有機金属微粒子をスラリーとする
ための有機溶媒は、有機金属微粒子と反応しない不活性
物質であれば特に限定されない。具体的には、n−ペン
タン、n−ペンタン、n−ブタン、イソブタン、工業用
ヘキサン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、2,2
−ジメチルブタン、石油エーテル、石油ベンジン、リグ
ロイン、ガソリン、灯油、石油スピリット、石油ナフ
サ、2−ペンテン、混合ペンテン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミ
ルベンゼン、トリアミルベンゼン、テトラアミルベンゼ
ン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルト
ルエン、コールタールナフサ、ソルベントナフサ、p−
シメン、ナフタリン、テトラリン、デカリン、ビフェニ
ル、ジペンテン、テレビン油、ピネン、p−メンタン、
パイン油、ショウノウ油、塩化メチル、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、塩化エチレ
ン、塩化エチリデン、1,1,1−トリクロロエタン、
1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テト
ラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、塩化ビ
ニリデン、1,2−ジクロロプロパン、塩化ブチル、塩
化アミル、混合塩化アミル、ジクロロペンタン、塩化ヘ
キシル、塩化−2−エチルヘキシル、臭化メチル、臭化
エチル、臭化エチレン、テトラブロムエタンクロムブロ
ムメタン、エチレンクロロブロミド、クロロベンゼン、
o−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼ
ン、ブロムベンゼン、o−ジブロムベンゼン、o−クロ
ロトルエン、p−クロロトルエン、α−クロロナフタレ
ン、塩素化ナフタレン、フルオロジクロロメタン、ジク
ロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ト
リフルオロモノブロムメタン、ジフルオロクロロエタ
ン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオ
ロエタン、エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、
イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソア
ミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、メチルフェニル
エーテル、エチルフェニルエーテル、n−ブチルフェニ
ルエーテル、アミルフェニルエーテル、o,m,p−ク
レジルメチルエーテル、p−t−アイルフェニル−n−
アミルエーテル、エチルベンジルエーテル、1,4−ジ
オキサン、トリオキサン、フラン、フルフラール、ジオ
キソラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、シ
ネオール、メチラール、ジエチルアセタール、アセト
ン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n
−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル
−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−
ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチル
ケトン、2,6,8−トリメチルノナノン−4、アセト
ン油、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、ホロ
ン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキ
サノン、アセトフェノン、ジプノン、ショウノウ、ギ酸
メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチ
ル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−
n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、
酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸−n−アミン、
酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸メトキシ
ブチル、酢酸第二ヘキシル、酢酸−2−エチルブチル、
酢酸メチルイソブチルカルビノール、酢酸−2−エチル
ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキ
シル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン
酸エチル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イ
ソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−ブチ
ル、酪酸イソアミル、オキシイソ酪酸エチル、ステアリ
ン酸ブチル、ステアリン酸アミル、アセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベンジル、ケイ皮
酸エチル、サリチル酸メチル、アジピン酸オクチル、シ
ュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジアミ
ル、マロン酸ジエチル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリ
ブチル、セバシン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ニトロメタン、
ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ニト
ロアニソール、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、アニリン、トルイジン、アセトアミ
ド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン、キノリン、モルホリン、二硫化炭素、
ジメチルスルホキシド、プロパンスルホン、リン酸トリ
エチル等が挙げられる。これらの1種または必要に応じ
て2種以上併用することもできる。それぞれ、有機金属
微粒子を含んだスラリーを使用する状況に合わせて適宜
選択することができる。
【0065】前記スラリーをアルキレンオキシド重合体
の合成の目的に使用する場合、有機溶媒がn−ペンタ
ン、n−ヘキサン、工業用ヘキサン、イソヘキサン、n
−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ブタ
ン、イソブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタ
ンであると、生成ポリマーであるアルキレンオキシド重
合体の粉体が乾燥しやすいことと、アルキレンオキシド
重合体に溶解しないため、粉体のまま凝集させることな
く取り扱えるために好ましい。
【0066】本発明の有機金属微粒子は重合用触媒とし
ての他、種々の用途に用いることができる。例えば、エ
ステル交換用の触媒;ゴム、プラスチック等の充填剤、
滑剤、改質剤その他の添加剤;さらには印刷インキ、塗
料、顔料等の色剤、改質剤等として使用できる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0068】実施例および比較例で実施した評価方法は
以下の通りである。 (嵩比重)200mlのガラス製メスシリンダーに粉体
処理された約10gのアルキレンオキシド重合体を投入
した。投入したアルキレンオキシド重合体の重量〔g〕
とその時の体積〔ml〕より、嵩比重〔g/ml〕を求
めた。 (凝集度)目視により、アルキレンオキシド重合体の凝
集度合いを比較した。
【0069】○:凝集物なし △:所々に凝集物がある ×:凝集物量が多い (蓄熱)アルキレンオキシドの重合中に、蓄熱による温
度上昇があるか観測した。 (実施例1)よく乾燥して、よく窒素置換した500m
lのフラスコに1,4−ブタンジオール(和光純薬工業
株式会社)を1.25g、脱水した34重量%リカコー
ルM−75(化学名:ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム:東邦理化株式会社)のヘキサン溶液を90.8
g、ヘキサン20gを仕込み、室温で約30分間撹拌を
行い、1,4−ブタンジオールをリカコールM−75で
逆ミセル化することにより、ヘキサンに可溶化させ、無
色透明の液体とした。あらかじめ乾燥しておいた2.1
9gのアエロジルR974(日本アエロジル株式会社)
を上記で得られた液体に加え、マグネティックスターラ
ーで撹拌し分散させた。
【0070】前述の無色溶液を室温で撹拌しながら、2
0.2重量%のジエチル亜鉛ヘキサン溶液(東ソー・ア
クゾ株式会社)13.4gをシリンジにて約20分で滴
下した。滴下終了後、室温で約1時間撹拌を行った。そ
の後、50℃で約1時間撹拌した。室温まで冷却し、メ
タノール(和光純薬工業株式会社)0.56gと脱水ヘ
キサン(和光純薬工業株式会社)9.18gの混合溶液
をシリンジにて、約10分で滴下した。その後、40℃
で約1時間撹拌した。有機金属微粒子は、ヘキサンスラ
リーとして得られた。
【0071】次に、1Lのオートクレーブに脱水ヘキサ
ン533mlを仕込み、上記操作で得られた有機金属微
粒子を含むスラリーの全量の1/20を入れ、エチレン
オキシドを18g仕込み25℃で重合反応を始めた。重
合開始後25分から、175gのエチレンオキシドを約
8時間かけてフィードした。フィード終了後、3時間熟
成した。アルキレンオキシド重合体35重量%のヘキサ
ンスラリーが得られた。濾過後、窒素中で乾燥すること
によって、粉体状のアルキレンオキシド重合体が得られ
た。得られたアルキレンオキシド重合体粒子の嵩比重は
0.20g/ml、凝集度は○であった。結果をまとめ
て表1に示した。 (実施例2〜3)アエロジルR974の添加量を変えた
以外は、実施例1と同様にして粉体状のアルキレンオキ
シド重合体を得た。嵩比重、凝集度を評価し、結果をま
とめて表1に示した。 (実施例4〜5)アエロジルR974の添加量を変え、
触媒調製溶媒にトルエンを用いた以外は、実施例1と同
様にして粉体状のアルキレンオキシド重合体を得た。嵩
比重、凝集度を評価し、結果をまとめて表1に示した。 (実施例6)アエロジル300を用いた以外は、実施例
1と同様にして粉体状のアルキレンオキシド重合体を得
た。嵩比重、凝集度を評価し、結果をまとめて表1に示
した。 (実施例7)ホモミキサーを用いて20mlヘキサン中
に分散させた2.19gのアエロジル300を用いた以
外は、実施例1と同様にして粉体状のアルキレンオキシ
ド重合体を得た。嵩比重、凝集度を評価し、結果をまと
めて表1に示した。 (比較例1)アエロジルを無添加にした以外は、実施例
1と同様にして粉体状のアルキレンオキシド重合体を得
た。嵩比重、凝集度を評価し、結果をまとめて表1に示
した。
【0072】
【表1】
【0073】実施例と比較例が示す通り、粒子状添加剤
としてアエロジルを添加してない場合および添加量が少
ない場合には、蓄熱、凝集が観測され、嵩比重も小さい
アルキレンオキシド重合体が得られる。しかしながら、
粒子状添加剤として用いたアエロジルの添加量を増やす
ことで蓄熱、凝集がなく、嵩比重の大きなアルキレンオ
キシド重合体が得られる。有機金属微粒子の調製溶媒に
トルエンを用いた場合の方がヘキサンを用いた場合より
も嵩比重の高いアルキレンオキシド重合体が得られる。
また、粒子状添加剤であるアエロジルが溶媒に分散し難
い場合は、ホモミキサーなど強力な攪拌機を用いること
によって分散性を大幅に改善することができ、蓄熱、凝
集の回避、嵩比重の向上に効果がある。
【0074】
【発明の効果】本発明によって下記の効果が得られる。 1.本発明によって有機金属微粒子が容易に合成するこ
とが可能である。 2.本発明によって得られた有機金属微粒子を重合用触
媒として用いるとアルキレンオキシドを主とするイオン
重合性モノマーの重合を行うことが可能である。 3.本発明によって得られた有機金属微粒子を重合用触
媒として用いると嵩比重の大きいアルキレンオキシド重
合体が得られる。 4.本発明によって得られた有機金属微粒子を重合用触
媒として用い、重合を行うと、重合反応中に蓄熱を起こ
さずにアルキレンオキシド重合体が得られる。 5.本発明によって得られた有機金属微粒子を重合用触
媒として用い、重合を行うと、凝集が無いアルキレンオ
キシド重合体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン性界面活性剤を用いて得られたミセ
    ルを反応場とし、下記一般式(1): RxM …(1) (式中、Rは、炭素数1以上の炭化水素基;Mは、ポー
    リング(Pauling)の電気陰性度0.5〜3.0を示す
    金属;xは、Mの原子価である。)で表される有機金属
    化合物(I)と、炭素数1以上の活性水素を持つ化合物
    および水からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合
    物(II)とを反応させ、アルキレンオキシド重合用触
    媒としての有機金属微粒子を不活性媒質中で製造するに
    際し、粒子状添加剤を添加することを特徴とする、アル
    キレンオキシド重合用有機金属微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記粒子状添加剤がフュームドシリカであ
    る請求項1記載のアルキレンオキシド重合用有機金属微
    粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記不活性媒質が、炭素数2〜20の脂肪
    族炭化水素と炭素数6〜30の芳香族炭化水素とからな
    る群より選ばれたる1種以上である請求項1または2記
    載のアルキレンオキシド重合用有機金属微粒子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの製造方法によっ
    て、アルキレンオキシド重合用有機金属微粒子を製造
    し、得られたアルキレンオキシド重合用触媒を用いて、
    ポリエチレンオキシドを合成する、ポリエチレンオキシ
    ドの合成方法。
  5. 【請求項5】イオン性界面活性剤を用いて得られたミセ
    ルを反応場とし、下記一般式(1): RxM …(1) (式中、Rは、炭素数1以上の炭化水素基;Mは、ポー
    リング(Pauling)の電気陰性度0.5〜3.0を示す
    金属;xは、Mの原子価である。)で表される有機金属
    化合物(I)と、炭素数1以上の活性水素を持つ化合物
    および水からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合
    物(II)とを反応させてイオン重合性モノマー用重合
    触媒としての有機金属微粒子を不活性媒質中で製造する
    に際し、粒子状添加剤を添加することを特徴とする、イ
    オン重合性モノマー重合用有機金属微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかの製造方法によっ
    て、イオン重合性モノマー用重合有機金属微粒子を用い
    て、イオン重合性モノマーの重合を行うことを特徴とす
    る、イオン重合性モノマーの重合方法。
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