JP2002105177A - 光硬化型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
光硬化型エポキシ樹脂組成物Info
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- JP2002105177A JP2002105177A JP2000300332A JP2000300332A JP2002105177A JP 2002105177 A JP2002105177 A JP 2002105177A JP 2000300332 A JP2000300332 A JP 2000300332A JP 2000300332 A JP2000300332 A JP 2000300332A JP 2002105177 A JP2002105177 A JP 2002105177A
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Abstract
品接着に用いても位置精度が高くかつ位置ずれが少な
い、特に光硬化型接着剤として好適に用いられる光硬化
型エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂
及びビスフェノール型エポキシ樹脂、光硬化剤として光
カチオン重合開始剤、添加剤としてシランカップリング
剤、及び光増感剤とを少なくとも含有することを特徴と
する光硬化型エポキシ樹脂組成物。
Description
型エポキシ樹脂組成物に関する。
組成物が、接着剤、コーティング剤等として各種の分野
で用いられるようになってきている。このような樹脂組
成物を微細な部品接着に使用した場合、硬化接着の際に
硬化収縮が大きいと部品の接合ずれを引き起こすことが
多くなってきている。そこで、硬化時に低硬化収縮性で
ある紫外線硬化型樹脂組成物が望まれている。
は、従来、脂環式エポキシ樹脂とビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とから選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹
脂と、カチオン性紫外線重合開始剤と、エポキシ基を有
するシランカップリング剤とを含有する紫外線硬化型エ
ポキシ樹脂組成物(特開平2−113022号公報)、
あるいはビスフェノール型エポキシ樹脂及び脂環式エポ
キシ樹脂からなるエポキシ樹脂と、カチオン性光重合開
始剤と、シランカップリング剤及び屈折率1.54〜
1.56のシリカ粉末からなる添加剤を含有する光硬化
性樹脂組成物(特開平6−57103号公報)が提案さ
れている。
は、紫外線のみで硬化をさせており、実際には完全に硬
化が進行していないため接着強度が低く、特に後者の場
合、シリカ粉末を添加することで収縮率は低下させるこ
とが出来るものの、接着強度が更に低下したり、硬化物
が硬くて脆くなるので実用上問題が生じる。
フッ素系エポキシ樹脂に無機充填剤を多量に添加し、収
縮率を低下させた樹脂組成物(特開平6−73159号
公報)や、脂環式エポキシ樹脂を主成分とする耐熱光学
樹脂(特開平6−228274号公報)があるが、これ
らは硬化物が硬く脆くなるために実用上問題が生じる。
さらに、湿気硬化付与をした紫外線硬化型シリコーン系
接着剤(特開平8−320402号公報)もあるが、こ
れは紫外線で仮硬化後、湿気で本硬化を行うため低収縮
性であるが、本硬化に非常に時間がかかり効率が悪い。
また、アクリル系紫外線硬化樹脂では、10%以上の大
きな硬化収縮性を有し、無機充填剤を添加しても硬化収
縮率を5%以下にすることは困難である。
紫外線硬化型樹脂組成物では、種々要求仕様には対応出
来ていないのが現状である。
性で、接着強度が高く、微細な部品接着に用いても位置
精度が高くかつ位置ずれが少ない、特に光硬化型接着剤
として好適に用いられる光硬化型エポキシ樹脂組成物を
提供することをその課題とする。
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、請求項1の発明によれば、エポ
キシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール
型エポキシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤、
添加剤としてシランカップリング剤、及び光増感剤を少
なくとも含有することによって、低硬化収縮性で、接着
強度が高く、硬化性が高い光硬化型エポキシ樹脂組成物
となる。
樹脂がメチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド及び/
又はビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)
アジペートを使用することで光カチオン重合反応性に優
れ、ビスフェノール型エポキシ樹脂がビスフェノールA
型エポキシ樹脂であることで接着強度が高く、更に種類
が豊富であり材料選択の幅が広く、安価であり、光カチ
オン重合開始剤が芳香族スルホニウム塩であることで、
特に300nm以上の長波長域にも紫外線吸収特性を有
することから、紫外線硬化性に優れ、シランカップリン
グ剤がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで
あることで接着強度を向上させ、光増感剤がベンゾフェ
ノンであることによって硬化性、反応性を向上させ、低
硬化収縮性で、接着強度が高く、硬化性が高い光硬化型
エポキシ樹脂組成物となる。
A型エポキシ樹脂が液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂と固形又は半固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂で
あることで、特に接着強度と収縮性とを向上させ、更に
粘度を向上することによりポッティング作業性を向上さ
せた光硬化型エポキシ樹脂組成物となる。
物を添加することで、硬化速度の調整や可撓性が高くな
ることより接着強度を向上させることが出来る光硬化型
エポキシ樹脂組成物となる。
ポキシ樹脂組成物を少量光照射硬化し、仮接着をし、加
熱により本硬化することで硬化収縮性を低下させ、より
接着強度を向上させる光硬化型エポキシ樹脂組成物の硬
化方法を実現出来る。
る。本発明の光硬化型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、光硬化剤として光カチオン重合開始剤、添
加剤としてシランカップリング剤、及び光増感剤とを少
なくとも含有することを特徴とする。
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
アルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂などが挙げられる。特にビスフェノールA型
エポキシ樹脂を使用する場合、市販ビスフェノールA型
エポキシ樹脂の種類が豊富で要求特性に応じて、使い分
けることができ、接着強度を向上させるので好ましい。
ば4〜7員環の環状脂肪族基を有する脂環式エポキシ化
合物が挙げられ、具体的には、4−ビニルシクロヘキセ
ンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス
−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ
ート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エー
テル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル
メチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイ
ド等の5員環や6員環の環状脂肪族基とエポキシ基をそ
れぞれ1〜2個有する脂環族エポキシ化合物が好ましく
使用される。また、多官能脂環式エポキシ樹脂、3官
能、4官能の脂環式エポキシ樹脂を使用しても良く、こ
れらを用いると、さらに架橋密度を向上させることがで
き、硬化性を向上させることが出来る。特にメチル化ビ
ニルシクロヘキセンジオキサイドを使用すると低粘度で
あるため配合物の粘度調整に有効であり、光カチオン重
合性も高いので、硬化性に優れる。また、メチル基が立
体障害となり、類似構造のビニルシクロヘキセンジオキ
サイドよりも反応性を抑制しているので、反応速度を制
御しやすく、硬化収縮性も制御出来る。また、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペー
トを併用することで、可撓性を付与することができ、接
着強度を向上することが出来る。これらの理由でメチル
化ビニルシクロヘキセンジオキサイド及びビス−(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペートを使
用することが好ましい。更に希釈効果のあるメチル化ビ
ニルシクロヘキセンジオキサイドは固形ビスフェノール
A型エポキシ樹脂混合の際に特に有効である。
がビスフェノール型エポキシ樹脂よりも高く、硬化反応
性を向上させるのに有効である。また、ビスフェノール
型エポキシ樹脂は脂環式エポキシ樹脂に比べて、接着強
度高く出来る。更にこの脂環式エポキシ樹脂とビスフェ
ノール型エポキシ樹脂を混合することで、混合比によっ
て硬化反応を制御することが可能となり、所要の接着条
件に合わせることも出来る。硬化反応を抑制することで
結果として硬化収縮率を低下させることが出来る。
エポキシ樹脂としては、例えば油化シェル製#100
1:エポキシ当量450−500、#1004:エポキ
シ当量875−975、東都化成製YD−017:エポ
キシ当量1750−2100、YD−020H:エポキ
シ当量5000−5500等幅広いエポキシ当量の固形
エポキシ樹脂等が挙げられ、これらも混合して用いても
良い。これら固形又は半固形ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂は液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と混合す
るのが好ましい。混合は、例えば、加熱した液状ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂中に粉砕した固形ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂を投入し、溶解する。その後、放
冷して、混合エポキシ樹脂を得る。場合によっては、放
冷過程で反応性希釈剤などを混合することもある。な
お、この場合、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合比は限定さ
れない。
オン重合開始剤であれば良く、常温で液状又は固体のも
のを用いることができ、例えば、芳香族ヨードニウム塩
や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩を挙げることが
出来る。芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェ
ニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウ
ムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。芳香族
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニ
ウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルス
ルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、4,4′−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェ
ニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフル
オロアンチモネート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロ
キシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフ
ィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p
−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサ
ントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−
トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサン
トンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ
−ジフェニルスルフィド−ヘキサフルオロホスフェー
ト、4−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−
4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−
ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−ter−ブ
チルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)
スルホニオ−ジフェニルスルフィド−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート等を挙げることが出来
る。
香族スルホニウム塩は300nm以上の長波長域にも紫
外線吸収特性を有することから、紫外線硬化性に優れ、
接着強度を良好とする硬化物を与えることが出来、好ま
しい。
アンチモン塩系開始剤のうち、旭電化製SP−170は
厚膜硬化性があり、接着剤として配合するには好まし
い。これらの光カチオン重合開始剤は単独あるいは混合
して使用してもよい。光カチオン重合開始剤を使用する
ことで、常温硬化による接着が可能となり、部材の耐熱
性あるいは膨張による歪を考慮する必要が減少し、部材
を良好に接着することが出来る。また、光カチオン重合
開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ樹脂に混
合しても保存安定性に優れ、作業性が良い。
シ樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好まし
くは3〜15重量部である。1重量部未満であると硬化
が不十分となり、接着強度不足となる。また、20重量
部以上であると硬化物中のイオン性物質が多くなり、構
成部材が金属である場合、部材を腐食する可能性が高
く、好ましくない。また、場合によっては熱カチオン重
合開始剤も併用して使用することが可能である。
ニル化合物、有機硫黄化合物、過流化物、レドックス系
化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光
還元性色素などが挙げられる。具体的な光増感剤として
は、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニル
アセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノ
ン、2,4−ジクロルベンゾフェノン、o−ベンゾイル
安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロルチオ
キサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオ
キサントン誘導体;2−クロルアントラキノン、2−メ
チルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メ
チルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン
誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン;ベンジ
ル;フルオレノン;キサントン;ウラニル化合物;ハロ
ゲン化合物等が挙げられる。これらに限定されるもので
はない。また、これらは単独でも混合して使用しても良
い。光増感剤は光カチオン重合エポキシ樹脂組成物を1
00重量部とした場合に0.1〜20重量部含有するこ
とで効果が増し、有効である。光増感剤を使用すること
で、光硬化性、光反応性が向上し、接着強度を向上させ
ることが出来る。特に光増感剤としてベンゾフェノンを
使用すると光硬化反応速度を制御でき、条件に応じた硬
化接着が可能となる。
化合物、分子に2個以上の水酸基を有する化合物を添加
することができ、これらは硬化速度の調整や可撓性が高
くなることより接着強度を向上させることが出来る。分
子中に2個以上の水酸基を有する化合物としては、フェ
ノール性水酸基以外の酸性基の存在しないものが好まし
く、例えば水酸基以外の官能基を有しないポリオール化
合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラク
トンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポ
リオール化合物、ポリカーボネートポリオール等を挙げ
ることが出来る。これら化合物の混合量としてはエポキ
シ樹脂、光カチオン重合開始剤、添加剤の総量を100
重量部とした場合に60重量部以下、好ましくは50重
量部以下である。これらの化合物の分子量は48以上、
好ましくは62以上、さらに好ましくは200以上であ
り、1000以下程度である。
を添加することも出来る。反応性希釈剤としては、低粘
度なエポキシ反応性希釈剤であれば使用することが出来
る。特に反応性基が2官能以上であることが好ましく、
例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリ
シジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチル
グリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタ
ノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジル
エーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは単独
でも用いても、混合して用いても良い。なお、硬化性を
向上させる場合は低粘度な脂環式エポキシ樹脂、4−ビ
ニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド等を用いると良い。固形ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂を混合する場合は粘度調整が必要であり、有
効である。また、2官能以上であれば、硬化物の架橋密
度を向上させ、硬化性を向上させることが出来るので、
より好ましい。反応性希釈剤の量は、固形又は半固形ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して1
00重量部以下が好ましい。この量が100重量部を越
えると、希釈効果はあるものの、ベースエポキシ樹脂組
成物の硬化物のそのもの特性が変化し、接着強度が低下
したり、硬化性が低下する。
ランカップリング剤を使用することでガラス部材への濡
れ性が向上し、接着強度が向上する。しかし、アミノシ
ランカップリング剤はカチオン重合を阻害するので、硬
化性が劣り、接着強度も出ないので、好ましくはない。
具体的には効果的なシランカップリング剤としては、例
えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン等のビニルシランカップリング剤、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアク
リルシランカップリング剤、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシ
ラン等の一般式 RSi(OR’)3 〔式中、Rは1個又は2個以上のハロゲン原子が置換し
てもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキ
ル基を示し、R’は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖
状のアルキル基を示す。〕で表されるアルキルトリアル
コキシシラン等を挙げることが出来る。なお、特にこれ
らに限定されるものではない。
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン等のエポキシシランカップリング剤が光硬化
型エポキシ樹脂組成物に配合されるとなじみやすく、接
着強度を向上させることが出来る。これらシランカップ
リング剤の添加量は、本発明の光硬化型エポキシ樹脂組
成物により大きく変化するが、光硬化型エポキシ樹脂組
成物の合計を100重量部とした際、10重量部以下が
好ましい。また、10重量部を越えると、樹脂の凝集力
が低下し、結果として接着強度や信頼性が低下する。
混合量で任意に調整でき、塗工、ポッティングなどの作
業性を良好にする。これら配合は各々相互に作用し、硬
化前の粘度制御や、光硬化性、後加熱硬化性や硬化収縮
性、接着性に効果があり、各配合種のみでは発現しにく
い特性をも達成出来る。
法、接着方法について、更に詳しく説明する。まず、光
硬化型エポキシ樹脂組成物の紫外線照射量についてであ
るが、エポキシ樹脂組成物により変化するため、それぞ
れの硬化条件によって、決定される。光硬化型エポキシ
樹脂組成物が硬化する照射量であれば良く、硬化物の接
着強度が良好である硬化条件を満たしていれば良い。し
かし、これらエポキシ樹脂系の光硬化では光照射のみで
は完全に硬化することが難しく、光照射後に加熱により
完全に反応を終了させる必要がある。完全に硬化はせず
とも接着強度はある程度出るが、完全に硬化しないと強
度的には弱いものである。また、完全硬化でないと未反
応物質が場合によっては出てくる可能性があり、好まし
くない。そこで、光照射後に加熱処理し、完全に硬化を
終了させることが好ましい。
成物の硬化温度域で良い。例えば常温〜150℃で30
分−7日間の範囲が好適である。光硬化型エポキシ樹脂
組成物の配合により変化するが、特に高い温度域であれ
ばあるほど光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の
熱処理で効果がある。また、低温であればあるほど長時
間の熱処理を要する。このような熱アフターキュアする
ことで、水分や被着有機物をエージング処理になるとい
う効果も出る。
剤を配合しており、光照射がなければ、重合は開始しに
くく、長く、作業性が良い。また、これらエポキシ樹脂
組成物の塗布方法について述べると、各部位、部材によ
って異なるが、一般に使用される均一塗工方法であれば
良く、例えばスクリーン印刷法、スピンコート法、転写
法、ディスペンサー方式などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これら方法にあわせた粘度調
整を本発明の光硬化型エポキシ樹脂組成物はすることが
でき、有効である。例えば、ポッティング接着をするた
めに、ディスペンサー方式で使用する場合は高粘度が要
求されるが、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配
合比を増加することで達成出来る。
光があたらず、硬化反応が進み難い場合が多く、この光
硬化型エポキシ樹脂組成物は光照射後に熱処理すること
ができ、完全に反応を終了させることが出来るので、接
着強度も高く、未反応物で他部品に悪影響を及ぼすこと
もない。このように用途に合わせた接着が可能となる。
実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。以
下において、「部」と「%」は重量基準である。なお、
得られた光硬化型エポキシ樹脂組成物は以下のような試
験で評価した。
なお、接着条件は各実施例、比較例に記載した。 (i)硬化性:ガラス板上に塗布し、高圧水銀灯にて1
J/cm2照射し、目視評価で硬化したものを○、表面
のみ硬化したもの、又は表面にべとつきのあるものを
△、全く硬化しなかったものを×とした。 (ii)接着性:圧縮せん断強度試験 ガラス/ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス板:
20mm*25mm*5mm)を接着(接着面積:2c
m2)後、1mm/minの速度で圧縮せん断強度を測
定した。 ○:50kgf/cm2以上、△:10−50kgf/
cm2、×:10kgf/cm2 (iii)接着信頼性:圧縮せん断強度試験 硬化接着後、サンプルを環境試験(80℃4h及び60
℃60%100h)を実施後、圧縮せん断強度試験を行
った。 ○:50kgf/cm2以上、△:10−50kgf/
cm2、×:10kgf/cm2 (iv)硬化収縮率(%):電子比重計にて、硬化前後の
光硬化型エポキシ樹脂組成物の比重を測定し、(固体比
重/液体比重−1)×100から算出し、硬化収縮率が
4%未満のものを○、4%以上−8%未満のものを△、
8%を超えるものを×とした。
れをガラス面上に塗布し、貼り合わせ、高圧水銀灯にて
1J/cm2照射後、アフターキュア硬化条件:150
℃30分で接着強度試験サンプルを作製した。なお、硬
化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃
加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサン
プルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表
1に示した。
業製、WR8120T3)を使用して、実施例1と同様
にサンプルを作製し、前記評価方法に従い、評価した結
果を表1に示した。なお、接着硬化条件は3J/cm2
とした。
れをガラス面上に塗布し、貼り合わせ、高圧水銀灯にて
1J/cm2照射後、アフターキュア硬化条件:150
℃30分で接着強度試験サンプルを作製した。なお、硬
化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃
加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサン
プルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表
1に示した。
イン製、Y−877)を使用して、実施例2と同様にサ
ンプルを作製し、前記評価方法に従い、評価した結果を
表1に示した。なお、接着硬化条件は3J/cm2とし
た。
れをガラス面上に塗布し、貼り合わせ、高圧水銀灯にて
1J/cm2照射後、アフターキュア硬化条件:150
℃30分で接着強度試験サンプルを作製した。なお、硬
化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃
加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサン
プルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表
1に示した。
ボンド製、TB3018)を使用して、実施例3と同様
にサンプルを作製し、前記評価方法に従い、評価した結
果を表1に示した。なお、接着硬化条件は4.5J/c
m2とした。
れをガラス面上に塗布し、貼り合わせ、高圧水銀灯にて
1J/cm2照射後、アフターキュア硬化条件:150
℃30分で接着強度試験サンプルを作製した。なお、硬
化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃
加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサン
プルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表
1に示した。
イン製、Y−878−1)を使用して、実施例4と同様
にサンプルを作製し、前記評価方法に従い、評価した結
果を表1に示した。なお、接着硬化条件は3J/cm2
とした。
れをガラス面上に塗布し、貼り合わせ、高圧水銀灯にて
1J/cm2照射後、アフターキュア硬化条件:150
℃30分で接着強度試験サンプルを作製した。なお、硬
化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃
加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサン
プルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表
1に示した。
ボンド製、TB3014C)を使用して、実施例5と同
様にサンプルを作製し、前記評価方法に従い、評価した
結果を表1に示した。なお、接着硬化条件は2J/cm
2とした。
高く、特に光硬化型接着剤として好適に用いられる光硬
化型エポキシ樹脂組成物を提供することが出来、特に接
着位置ずれ抑制や精度の良い光硬化接着に対応出来る。
環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂、
硬化剤として光カチオン重合開始剤、添加剤としてシラ
ンカップリング剤、光増感剤を少なくとも含有すること
によって、低硬化収縮性で、接着強度が高く、硬化性が
高い光硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することが出来
る。
メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド及びビス
(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペー
トを使用することで光カチオン重合反応性に優れ、ビス
フェノール型エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキ
シ樹脂であることで接着強度が高く、更に種類が豊富で
あり材料選択の幅が広く、安価であり、光カチオン重合
開始剤が芳香族スルホニウム塩であることで、特に30
0nm以上の長波長域にも紫外線吸収特性を有すること
から、紫外線硬化性に優れ、シランカップリング剤がγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで接着強度
を向上させ、光増感剤がベンゾフェノンであることによ
って硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着
強度が高く、硬化性が高い光硬化型エポキシ樹脂組成物
を提供することが出来る。
ポキシ樹脂が液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と固
形又は半固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるこ
とで、特に接着強度と収縮性とを向上させ、更に粘度を
向上することによりポッティング作業性を向上させた光
硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することが出来る。
加することで、硬化速度の調整や可撓性が高くなること
より接着強度を向上させることが出来る光硬化型エポキ
シ樹脂組成物を提供することが出来る。
組成物を少量光照射硬化し、仮接着をし、加熱により本
硬化することで硬化収縮性を低下させ、より接着強度を
向上させる光硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化方法を提
供することが出来る。
Claims (5)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂
及びビスフェノール型エポキシ樹脂、光硬化剤として光
カチオン重合開始剤、添加剤としてシランカップリング
剤、及び光増感剤とを少なくとも含有することを特徴と
する光硬化型エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 該脂環式エポキシ樹脂が、メチル化ビニ
ルシクロヘキセンオキサイド及び/又はビス(3,4−
エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペートであり、
該ビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂であり、該光カチオン重合開始剤が、芳
香族スルホニウム塩であり、該シランカップリング剤
が、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであ
り、該光増感剤が、ベンゾフェノンであることを特徴と
する請求項1に記載の光硬化型エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 該ビスフェノールA型エポキシ樹脂が、
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と固形又は半固形
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とす
る請求項2に記載の光硬化型エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリオール化合物が添加されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化型
エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化
型エポキシ樹脂組成物を光照射硬化後に加熱することを
特徴とする光硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化方法。
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