JP2002105077A - ヒダントサイジン製造中間体 - Google Patents

ヒダントサイジン製造中間体

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JP2002105077A
JP2002105077A JP2001222413A JP2001222413A JP2002105077A JP 2002105077 A JP2002105077 A JP 2002105077A JP 2001222413 A JP2001222413 A JP 2001222413A JP 2001222413 A JP2001222413 A JP 2001222413A JP 2002105077 A JP2002105077 A JP 2002105077A
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methyl
same
lower alkyl
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Masao Shiosaki
正生 汐崎
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた除草活性及び植物成長抑制活性を有する
ヒダントサイジン及びチオヒダントサイジンを、安価な
試薬を用いながら、容易で、緩和で、しかも、収率よく
合成するための新規な中間体を見い出すことを目的とす
る。 【解決手段】下記の構造式(1)で表わされる化合物。 【化1】 (式中、R1は、カルボキシ基の保護基を示し、R2、R
3及びR4は、同一又は異なって、水酸基の保護基を示す
か、或は、R2及びR3、又は、R3及びR4が一緒になっ
てジオールの保護基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強い除草活性及び
植物成長抑制活性を有する化合物(ヒダントサイジン(H
ydantocidin)及びチオヒダントサイジン(Tiohydantocid
in))を合成するための中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】ストレプトマイセス属に属する微生物が
強い除草活性及び植物成長抑制活性を有する化合物(ヒ
ダントサイジン(Hydantocidin))を生産することが知ら
れており、該化合物は、特開昭62-12789号公報に開示さ
れている。また、チオヒダントサイジンは、このヒダン
トサイジンのジアザスピロ環の2個の酸素原子のうちの
1個が硫黄原子に置換した構造を持ち、ヒダントサイジ
ンと同等の強い活性をもつ化合物として知られている
(三共研究所年報第49巻91-119頁(1997年))。
【0003】ヒダントサイジンは、動物、魚類及び微生
物に対して際立った安全性を示し、また、土壌中で速や
かに分解されることから、環境にやさしい除草剤という
ことができるが、微生物を用いた醗酵によっては、実用
に供するほどの量を得ることが困難であった。
【0004】一方、化学的な製造方法としては、次に示
すような方法が知られている。
【0005】Shigeru Mio et al. ;Tetrahedron Vol.
47. No. 12/13. pp. 2133-2144, 1991 特開平2-85287号公報 特開平7-109280号公報 特開平7-196679号公報 特開平7-304791号公報 しかしながら、これらの合成方法はいずれも最終生成物
の収率において十分満足できるものではなく、また、工
業的に行うためには、大量合成の際にも容易でかつ緩和
に進行し、さらに、安価な試薬を用いる方法であること
が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、強い
除草活性及び植物成長抑制活性を有する化合物であるヒ
ダントサイジン及びチオヒダントサイジンを、除草剤と
して工業的に生産できるように、安価な試薬を用いなが
ら、容易で、緩和で、しかも、収率よく合成する方法を
見い出すことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を続けた結果、優れた除草活
性及び植物成長抑制活性を有するヒダントサイジン及び
チオヒダントサイジンを、安価な試薬を用いながら、容
易で、緩和で、しかも、収率よく合成するための新規な
中間体を見い出し、本発明を完成した。
【0008】本発明の新規な中間体は、 1)一般式
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1は、カルボキシ基の保護基を
示し、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水酸基
の保護基を示すか、或は、R2及びR3、又は、R3及び
4が一緒になってジオールの保護基を示す。)で表わ
される化合物である。
【0011】また、本発明の新規な製造方法は、 2)一般式
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1は、カルボキシ基の保護基を
示し、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水酸基
の保護基を示すか、或は、R2及びR3、又は、R3及び
4が一緒になってジオールの保護基を示す。)で表わ
される化合物に、アンモニアのメタノール溶液を作用さ
せて、一般式
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R2、R3及びR4は、上記と同義
である。)で表わされる化合物を製造する方法である。
【0016】R1の定義における「カルボキシ基の保護
基」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−
メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n
−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペン
チル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチ
ル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチ
ル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルブチルのような「低級アルキル基」;エ
テニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル
−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−
メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニ
ル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−
ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1
−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−
2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニ
ル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテ
ニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−
2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペ
ンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−
3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペ
ンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、1−ヘキセニ
ル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニ
ル、5−ヘキセニルのような「アルケニル基」;エチニ
ル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2
−メチル−2−プロピニル、2−エチル−2−プロピニ
ル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メ
チル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、3−
ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3
−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−ペンチニ
ル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−2−ペ
ンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニ
ル、2−メチル−3−ペンチニル、4−ペンチニル、1
−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニ
ル、5−ヘキシニルのような「アルキニル基」;トリフ
ルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、
ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、
2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリク
ロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2
−フルオロエチル、2−ヨードエチル、3−クロロプロ
ピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル、2,
2−ジブロモエチルのような「ハロゲノ低級アルキル
基」;2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプ
ロピル、3−ヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキ
シブチル、4−ヒドロキシブチルのような「ヒドロキシ
低級アルキル基」;アセチルメチルのような「脂肪族ア
シル」−「低級アルキル基」;ベンジル、フェネチル、
3−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフ
チルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、
6−フェニルヘキシル、α−ナフチルジフェニルメチ
ル、9−アンスリルメチルのような「1乃至3個のアリ
−ル基で置換された低級アルキル基」、4−メチルベン
ジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−
トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メト
キシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、
4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモ
ベンジル、4−シアノベンジル、4−シアノベンジルジ
フェニルメチル、ビス(2−ニトロフェニル)メチル、
ピペロニル、4−メトキシカルボニルベンジルのような
「低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、
シアノ、アルコキシカルボニル基でアリ−ル環が置換さ
れた1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル
基」等の「アラルキル基」;トリメチルシリル、トリエ
チルシリル、イソプロピルジメチルシリル、tert−ブチ
ルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチ
ルジtert−ブチルシリル、トリイソプロピルシリル、メ
チルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリ
ル、ブチルジフェニルシリル、フェニルジイソプロピル
シリルのような「シリル基」をあげることができ、好適
には、「低級アルキル基」、「ハロゲノ低級アルキル
基」、「アラルキル基」であり、更に好適には、メチル
基、エチル基、ベンジル基である。
【0017】R2、R3、R4の定義における「水酸基の
保護基」としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロ
ピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピ
バロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、デ
カノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノ
イル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイ
ル、トリデカノイル、ヘキサデカノイル、14−メチル
ペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノ
イル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、
アイコサノイル及びヘナイコサノイルのようなアルキル
カルボニル基、スクシノイル、グルタロイル、アジポイ
ルのようなカルボキシ化アルキルカルボニル基、クロロ
アセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、ト
リフルオロアセチルのようなハロゲノ低級アルキルカル
ボニル基、メトキシアセチルのような低級アルコキシ低
級アルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2−ブ
テノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の「脂
肪族アシル基」;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナ
フトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベ
ンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲノアリ
ールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカ
ルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化
アリールカルボニル基、2−カルボキシベンゾイル、3
−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイルの
ようなカルボキシ化アリールカルボニル基、4−ニトロ
ベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化ア
リールカルボニル基、2−(メトキシカルボニル)ベン
ゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリールカ
ルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリール
化アリールカルボニル基等の「芳香族アシル基」;テト
ラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピ
ラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4
−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、4−メト
キシテトラヒドロチオピラン−4−イルのような「テト
ラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;
テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラ
ン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテト
ラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエ
チルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチル
ジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチル
ジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのよう
なトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリ
ル、t−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルイソプロ
ピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1
又は2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシ
リル基等の「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジ
メチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポ
キシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、
t−ブトキシメチルのような「低級アルコキシメチル
基」;2−メトキシエトキシメチルのような「低級アル
コキシ化低級アルコキシメチル基」;2,2,2−トリ
クロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メ
チルのような「ハロゲノ低級アルコキシメチル」;1−
エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのよう
な「低級アルコキシ化エチル基」;2,2,2−トリク
ロロエチルのような「ハロゲン化エチル基」;ベンジ
ル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェ
ニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェ
ニルメチル、9−アンスリルメチルのような「1乃至3
個のアリール基で置換されたメチル基」、4−メチルベ
ンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5
−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メ
トキシフェニルジフェニルメチル、4,4’−ジメトキ
シトリフェニルメチル、4,4’,4”−トリメトキシ
トリフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロ
ベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、
4−シアノベンジルのような「低級アルキル、低級アル
コキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ基でアリール環が置
換された1乃至3個のアリール基で置換されたメチル
基」等の「アラルキル基」;メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキ
シカルボニルのような「低級アルコキシカルボニル
基」;2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2
−トリメチルシリルエトキシカルボニルのような「ハロ
ゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級ア
ルコキシカルボニル基」;ビニルオキシカルボニル、ア
リルオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカル
ボニル基」;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジ
ルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような
「1又は2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリール
環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル
基」をあげることができ、好適には、シリル基、アラル
キル基、脂肪族アシル基、芳香族アシル基であり、更に
好適には、アラルキル基であり、特に好適には、ベンジ
ル、トリフェニルメチル、4−メトキシベンジル、4,
4’−ジメトキシトリフェニルメチル、4,4’,4”
−トリメトキシトリフェニルメチル基である。
【0018】R2、R3及びR4の定義における「ジオー
ルの保護基」とは、メチリデン、エチリデン、イソプロ
ピリデンのような低級アルキリデン基;ベンジリデンの
ようなアラルキリデン基;メトキシエチリデン、エトキ
シエチリデンのようなアルコキシ低級アルキリデン基又
はテトライソプロピルジシロキサンのようなジシロキサ
ン基をあげることができ、好適には、低級アルキリデン
基であり、更に好適には、イソプロピリデン基である。
【0019】本発明の化合物(1)の具体例としては、
例えば、下記表1に示すような化合物をあげることがで
きるが、本発明の範囲は、これらに限定されるものでは
ない。
【0020】また、表1中、「Ac」は、アセチル基、
「Byr」は、ブチリル基、「Bn」は、ベンジル基、
「Et」は、エチル基、「Me」は、メチル基、「P
h」は、フェニル基、「PMB」は、4−メトキシベン
ジル基、「Prn」は、プロピオニル基、「tBu」
は、tert−ブチル基、「Tr」は、トリフェニルメチル
基、「−IPD−」は、R2とR3が一緒になって、イソ
プロピリデン基、「TMS」は、トリメチルシリル基、
「TBDMS」は、tert−ブチルジメチルシリル基、
「TBDPS」は、tert−ブチルジフェニルシリル基を
示す。
【0021】
【化7】
【0022】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 例示化合物 番 号 R1234 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Me −IPD− Bn 2 Me −IPD− PMB 3 Me −IPD− Tr 4 Me −IPD− Ac 5 Me −IPD− Prn 6 Me −IPD− Byr 7 Me −IPD− TMS 8 Me −IPD− TBDMS 9 Me −IPD− TBDPS 10 Me Bn Bn Bn 11 Me Ac Ac Ac 12 Me TBDMS TBDMS TBDMS 13 Et −IPD− Bn 14 Et −IPD− PMB 15 Et −IPD− Tr 16 Et −IPD− Ac 17 Et −IPD− TBDMS 18 Et Bn Bn Bn 19 Et Ac Ac Ac 20 Et TBDMS TBDMS TBDMS 21 tBu −IPD− Bn 22 tBu −IPD− Ac 23 Bn −IPD− Bn 24 Bn Bn Bn Bn 25 Ph −IPD− Bn 26 Ph −IPD− Ac −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 上記表中、好適な化合物としては、例示化合物番号1、
2、4、10及び11の化合物があげられる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の化合物(1)は、以下に
記載するA法により、製造することができる。
【0024】
【化8】
【0025】上記工程表中、R1、R2、R3及びR4は、
前述と同意義である。
【0026】Xは、塩素原子、臭素原子のようなハロゲ
ン原子を示す。
【0027】原料化合物(2)は、市販のD−リボノラ
クトンを出発原料にして、文献(F.Freeman and K. D.
Robarge, Carbohydrate Res., 137, 89 (1985))の方法
に準じて製造することができる。
【0028】以下、各工程につき、詳述する。
【0029】A法 (A−1工程)本工程は、不活性溶剤中、塩基の存在
下、原料化合物(2)にハロゲン化メタンを反応させ、
化合物(3)を製造する工程である。
【0030】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば特に
限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイ
ン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メ
チレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハ
ロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル
類;ニトロベンゼンのようなニトロ化合物類;アセトニ
トリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N
−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミ
ドのようなアミド類;スルホランのようなスルホキシド
類;ピリジン類をあげることができるが、好適には、ハ
ロゲン化炭化水素類であり、更に好適には、メチレンク
ロリドである。
【0031】使用される塩基としては、好適には、N−
メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデク-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ
[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン(DABCO)、N−メチルピペリ
ジン、ヘキサメチルホスフォラストリアミドのような有
機塩基類であり、更に好適には、ヘキサメチルホスフォ
ラストリアミドである。
【0032】使用されるハロゲン化メタンとしては、好
適には、四塩化炭素、四塩化臭素、ブロモトリクロロメ
タンであり、更に好適には、ブロモトリクロロメタンで
ある。
【0033】反応温度は、−78℃乃至50℃であり、
好適には、室温である。
【0034】反応時間は、1乃至24時間であり、好適
には、3乃至16時間である。
【0035】反応終了後、本反応の目的化合物(3)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、塩
化メチレンのような水と混和しない有機溶剤を加えて、
水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マ
グネシウム等で乾燥した後、溶剤を留去することで得ら
れる。
【0036】得られた化合物は、必要ならば、常法、例
えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって
更に精製できる。
【0037】(A−2a工程)本工程は、化合物(3)
から化合物(4)を製造する工程であり、対応のアルコ
ールを加えた不活性溶剤中、ヒドロキノン存在下、化合
物(3)に有機過酸化物を反応させ、化合物(4)を製
造する。
【0038】使用される溶剤としては、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪
族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエ
チルのようなエステル類をあげることができるが、好適
には、ハロゲン化炭化水素類であり、更に好適には、メ
チレンクロリド又はクロロホルムである。
【0039】溶剤に加えるアルコールとしては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェノールをあげることがで
き、好適には、メタノールである。
【0040】有機過酸化物としては、例えば、過酸化水
素、3−クロロ過酸化安息香酸、過フタル酸、過ぎ酸、
過酢酸、過酸化t−ブタノールをあげることができる
が、好適には、3−クロロ過酸化安息香酸である。
【0041】また、ヒドロキノンを加えることによっ
て、有機過酸化物の副反応であるラジカル反応をおさ
え、目的物の収率をあげることができる。
【0042】反応温度は、0℃乃至100℃であり、好
適には、室温である。
【0043】反応時間は、30分間乃至24時間であ
り、好適には、3乃至16時間である。
【0044】反応終了後、本反応の目的化合物(4)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、塩
化メチレンのような水と混和しない有機溶剤を加えて、
水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マ
グネシウム等で乾燥した後、溶剤を留去することで得ら
れる。
【0045】得られた化合物は、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー等によって更に精製でき、2つのエピマ
ーを分取することができる。
【0046】(A−2b工程)
【0047】
【化9】
【0048】本工程は、前記(A−2a工程)の別法で
あり、カルボン酸を経由する方法である。本工程は、次
の(A−2b−1工程)及び(A−2b−2工程)の2
工程からなる。
【0049】(A−2b−1工程)本工程は、含水不活
性溶剤中、ヒドロキノン存在下、化合物(3)に有機過
酸化物を反応させ、カルボン酸(4a)を製造する工程
であり、含水溶剤を使用する以外は、上記(A−2a工
程)と同様に行うことができる。
【0050】(A−2b−2工程)本工程は、カルボン
酸(4a)を保護して化合物(4)を製造する工程であ
り、周知の方法、例えば、文献(T. W. Greene, Protec
tive Groups in Organic Synthesis)に記載の方法に従
って、所望のカルボキシ基の保護基を導入することがで
きる。
【0051】(A−3工程)本工程は、不活性溶剤中、
化合物(4)にチオシアン酸カリウム(KN=C=S)を反応
させ、化合物(1)を製造する工程である。
【0052】使用される溶剤としては、好適には、ホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N
−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミ
ドのようなアミド類であり、更に好適には、N,N−ジ
メチルホルムアミドである。
【0053】反応温度は、0℃乃至150℃であり、好
適には、50℃乃至100℃である。
【0054】反応時間は、30分間乃至1日間であり、
好適には、3乃至15時間である。
【0055】反応終了後、本反応の目的化合物(1)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反
応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない
有機溶剤を加えて、水洗後、目的化合物を含む有機層を
分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶剤を
留去することで得られる。
【0056】得られた化合物は、必要ならば、常法、例
えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更
に精製できる。
【0057】本発明の化合物(1)を用いて、以下に記
載するB法によりヒダントサイジン及びチオヒダントサ
イジンを製造することができる。
【0058】
【化10】
【0059】B法 (B−1工程)本工程は、不活性溶剤中、化合物(1)
にアンモニアのメタノール溶液を反応させて閉環し、化
合物(5)を製造する工程である。
【0060】使用される溶剤としては、例えば、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イ
ソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;メタノ
ール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類
をあげることができるが、好適には、アルコール類であ
り、更に好適には、メタノールである。
【0061】反応温度は、−10℃乃至40℃であり、
好適には、室温である。
【0062】反応時間は、10分間乃至12時間であ
り、好適には、1乃至6時間である。
【0063】反応終了後、本反応の化合物(5)は常法
に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混
合物を濃縮することで得られる。
【0064】得られた化合物は、必要ならば、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製でき
る。
【0065】(B−2工程)本工程は、不活性溶剤中、
炭酸水素ナトリウム水溶液存在下、化合物(5)に過酸
化水素水を反応させ、化合物(5)のチオキソ基をオキ
ソ基に変換して、化合物(6)を製造する工程である。
【0066】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解し、水と混合するものであ
れば特に限定はないが、好適には、アセトニトリル、イ
ソブチロニトリルのようなニトリル類、アセトンのよう
なケトン類、THFのようなエーテル類、メタノールの
ようなアルコール類であり、更に好適には、アセトニト
リルである。
【0067】反応温度は、0℃乃至50℃であり、好適
には、室温である。
【0068】反応時間は、5分間乃至3時間であり、好
適には、10分間乃至1時間である。
【0069】反応終了後、本反応の目的化合物(6)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、酢
酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加えて、水
洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグ
ネシウム等で乾燥した後、溶剤を留去することで得られ
る。
【0070】得られた化合物は、必要ならば、常法、例
えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって
更に精製できる。
【0071】(B−3工程)本工程は、不活性溶剤中、
化合物(6)の保護基を除去して、ヒダントサイジン
(7)を製造する工程である。
【0072】保護基の除去はその種類によって異なる
が、一般にこの分野の技術において周知の方法によって
以下の様に実施される。
【0073】水酸基の保護基として、シリル基を使用
した場合には、通常、弗化テトラブチルアンモニウム、
弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化カリウムのよ
うな弗素アニオンを生成する化合物で処理するか、又
は、酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸
のような有機酸又は塩酸のような無機酸で処理すること
により除去できる。
【0074】尚、弗素アニオンにより除去する場合に、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えること
によって、反応が促進することがある。
【0075】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、好適には、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルの
ようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリ
ルのようなニトリル類;水;酢酸のような有機酸及びこ
れらの混合溶剤をあげることができる。
【0076】反応温度及び反応時間は、特に限定はない
が、通常、0℃乃至100℃(好適には、0℃乃至30
℃)で、1乃至24時間実施される。
【0077】水酸基の保護基が、アラルキル基又はア
ラルキルオキシカルボニル基である場合には、通常、溶
剤中、還元剤と接触させることにより(好適には、触媒
下に常温にて接触還元)除去する方法、又は、酸化剤を
用いて除去する方法が好適である。
【0078】接触還元による除去において使用される溶
剤としては、本反応に関与しないものであれば特に限定
はないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール
のようなアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、トルエン、
ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エ
チル、酢酸プロピルのようなエステル類、酢酸のような
脂肪酸類又はこれらの有機溶剤と水との混合溶剤が好適
である。
【0079】使用される触媒としては、通常、接触還元
反応に使用されるものであれば、特に限定はないが、好
適には、パラジウム炭素、パラジウム黒、ラネーニッケ
ル、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸化アルミニウム、
トリフェニルホスフィン−塩化ロジウム、パラジウム−
硫酸バリウムが用いられる。
【0080】圧力は、特に限定はないが、通常1乃至1
0気圧で行なわれる。
【0081】反応温度及び反応時間は、出発物質、溶剤
及び触剤の種類等により異なるが、通常、0℃乃至10
0℃で、5分間乃至24時間実施される。
【0082】酸化による除去において使用される溶剤と
しては、本反応に関与しないものであれば特に限定はな
いが、好適には、含水有機溶剤である。
【0083】このような有機溶剤として好適には、アセ
トンのようなケトン類、メチレンクロリド、クロロホル
ム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類、アセト
ニトリルのようなニトリル類、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチ
ルホスホロトリアミドのようなアミド類及びジメチルス
ルホキシドのようなスルホキシド類をあげることができ
る。
【0084】使用される酸化剤としては、酸化に使用さ
れる化合物であれば特に限定はないが、好適には、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、アンモニウムセリウム
ナイトレイト(CAN)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベ
ンゾキノン(DDQ)が用いられる。
【0085】反応温度及び反応時間は、出発物質、溶剤
及び触媒の種類等により異なるが、通常、0℃乃至15
0℃で、10分間乃至24時間実施される。
【0086】又、液体アンモニア中若しくはメタノー
ル、エタノールのようなアルコール中において、−78
℃乃至−20℃で、金属リチウム、金属ナトリウムのよ
うなアルカリ金属類を作用させることによっても除去で
きる。
【0087】更に、アセトニトリルのようなニトリル
類、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン
化炭化水素類又はこれらの混合溶剤中において、0℃乃
至50℃で、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム、又は
トリメチルシリルイオダイドのようなアルキルシリルハ
ライド類を作用させることによっても除去することがで
きる。
【0088】水酸基の保護基が、脂肪族アシル基、芳
香族アシル基、アルコキシカルボニル基又はアルケニル
オキシカルボニル基である場合には、通常、水性溶剤の
存在下に、塩基で処理することにより除去することがで
きる。
【0089】使用される塩基としては、化合物の他の部
分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、好
適には、ナトリウムメトキシドのような金属アルコキシ
ド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムの
ようなアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸
化物類又はアンモニア水、アンモニア−メタノールのよ
うなアンモニア類が用いられる。尚、塩基による加水分
解では異性化が起こることがある。
【0090】使用される溶剤としては、通常の加水分解
反応に使用されるものであれば特に限定はなく、水;メ
タノール、エタノール、n-プロパノールのようなアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエー
テル類等の有機溶剤又は水と上記有機溶剤との混合溶剤
が好適である。
【0091】反応温度及び反応時間は、出発物質、溶剤
及び使用される酸若しくは塩基等により異なり、特に限
定はないが、副反応を抑制するために、通常は0℃乃至
150℃で、1乃至10時間実施される。
【0092】水酸基の保護基が、アリルオキシカルボ
ニルの場合は、特にパラジウム、及びトリフェニルホス
フィン、又はビス(メチルジフェニルホスフィン)
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)・ヘ
キサフルオロホスフェートを使用して除去する方法が簡
便で、副反応が少なく実施することができる。
【0093】水酸基の保護基が、アルコキシメチル
基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニ
ル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラ
ニル基又は置換されたエチル基である場合、及びジオー
ルの保護基である場合には、通常、溶剤中、酸で処理す
ることにより除去される。
【0094】使用される酸としては、通常、ブレンステ
ッド酸又はルイス酸として使用されるものであれば特に
限定はなく、好適には、塩化水素;塩酸、硫酸、硝酸の
ような無機酸;又は酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸等の
ブレンステッド酸:三弗化ホウ素のようなルイス酸であ
るが、ダウエックス50Wのような強酸性の陽イオン交
換樹脂も使用することができる。
【0095】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタン、リグロイ
ン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メ
チレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハ
ロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル
類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert
−ブタノール、イソアミルアルコール、ジエチレングリ
コール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノー
ル、メチルセロソルブ、のようなアルコール類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イ
ソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;水、又
は、これらの混合溶剤が好適であり、更に好適には、ハ
ロゲン化炭化水素類、エステル類又はエーテル類であ
る。
【0096】反応温度及び反応時間は、出発物質、溶剤
及び使用される酸の種類・濃度等により異なるが、通常
は−10℃乃至100℃(好適には、−5℃乃至50
℃)で、5分間乃至48時間(好適には、30分間乃至
10時間)である。
【0097】反応終了後、本反応の目的化合物(9)は
常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反
応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない
有機溶剤を加えて、水洗後、目的化合物を含む有機層を
分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶剤を
留去することで得られる。
【0098】得られた化合物は、必要ならば、常法、例
えば再結晶、またはシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー等によって更に精製できる。
【0099】(B−4工程)本工程は、不活性溶剤中、
化合物(5)の保護基を除去して、チオヒダントサイジ
ン(8)を製造する工程であり、上記(B−3工程)と
同様にして行うことができる。
【0100】本発明の新規な中間体は、優れた除草活性
及び植物成長抑制活性を有するヒダントサイジン及びチ
オヒダントサイジンを収率よく合成するために有用であ
る。
【0101】以下に、実施例及び参考例を示し、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらに
限定されるものではない。
【0102】
【実施例】
【0103】
【実施例1】メチル 6−O−ベンジル−2−デオキシ
−3,4−O−イソプロピリデン−2−イソチオシアナ
ト−β−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネート 及
び、その 2−エピマー(例示化合物番号1の化合物) (a)2,5−アンヒドロ−6−O−ベンジル−1,1
−ジクロロ−1−デオキシ−3,4−O−イソプロピリ
デン−D−リボ−ヘキセ−1−エニトール5−O−ベン
ジル−2,3−O−イソプロピリデン−D−リボノラク
トン(2.78 g, 10.0 mmol)(F. Freeman and K. D. Robar
ge, Carbohydrate Res., 137, 89(1985))とブロモトリ
クロロメタン(9.92 g, 50.0 mmol)の塩化メチレン(30 m
l)溶液に、ヘキサメチルホスフォラストリアミド(16.3
g, 100 mmol)の塩化メチレン(20 ml)溶液を−78℃で
3時間かけて滴加した。温度を徐々に24℃にあげ、1
6時間攪拌した。反応混合物を塩化メチレン(300 ml)で
稀釈し、1M塩酸、水、炭酸水素ナトリウム、食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し
て、減圧下濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸
エチル=1:1)で精製し、目的化合物[1](2.65 g, 77
%)を得た。
【0104】1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (3H,
s), 1.49 (3H, s), 3.65 (2H, s), 4.51 (2H, s), 4.65
(1H, s), 4.80, 5.26 (2H, AB-q, J=6.0Hz), 7.27-7.4
0 (5H, m). (b)メチル 6−O−ベンジル−2−クロロ−2−デ
オキシ−3,4−O−イソプロピリデン−α−D−リボ
−2−ヘキスロフラノソネート 及び、その 2−エピ
マー 実施例1(a)で得られた化合物[1](345 mg, 1.00 mmo
l)を塩化メチレン(20ml)及びメタノール(0.38 ml(300 m
g))に溶解し、窒素気流下、室温で、ヒドロキノン(50 m
g)及び3−クロロ過酸化安息香酸(純度77%以下 1.20
g)を加えた。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を
塩化メチレン(100 ml)で稀釈し、10%亜硫酸水素ナト
リウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和
食塩水でそれぞれ2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮し、残渣
を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;シクロヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して
目的化合物を2つのエピマー([2] 194 mg, 54 %, Rf =
0.398;[2]’51 mg, 14 %, Rf = 0.508)として得た。
【0105】Physical data of [2]:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ 1.40 (3H, s), 1.70 (3H,
s), 3.69 (1H, dd, J= 3.2, 11.3 Hz, C6-H), 3.73 (1
H, dd, J = 3.2, 11.3 Hz, C6-H), 3.83 (3H,s), 4.53,
4.58 (2H, AB-q, J = 12.2 Hz), 4.59 (1H, q, J = 3.
2 Hz, C5-H),4.81 (1H, dd, J = 3.2, 7.1 Hz, C4-H),
5.02 (1H, d, J = 7.1 Hz, C3-H), 7.28-7.39 (5H, m). IR νmax (film): 3089-2867, 1750 cm-1. Physical data of [2]': IR νmax (KBr): 1767, 1737 cm-1. MS (FAB) 379[M+H]+ (c)メチル 6−O−ベンジル−2−デオキシ−3,
4−O−イソプロピリデン−2−イソチオシアナト−β
−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネート 及び、その
2−エピマー 実施例1(b)で得られた化合物[2](357 mg, 1.00 mmo
l)のジメチルホルムアミド(5 ml)溶液に、チオシアン酸
カリウム(KN=C=S)(292 mg, 3.00 mmol)を加えた。80
℃で5時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈
し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮し、更にポン
プで濃縮し、残渣を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エチ
ル=2:1)で精製して、目的化合物(314mg, 83%)を2
つのエピマー([3]及び[3]')の4:1の混合物として
得た。
【0106】この混合物は、物理データ測定のためにT
LCプレート上で(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エ
チル=3:1)一部分分離された([3], Rf=0.500;
[3]', Rf=0.467)。
【0107】Physical data of [3]: [α]D 24 -118.8 (c=3.9, CHCl3). IR νmax (film) 3090-2860, 2016, 1773, 1756 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, s), 1.44 (3H,
s), 3.60-3.68 (2H,m), 3.89 (3H, s), 4.55, 4.65 (2
H, AB-q, J=11.7 Hz), 4.64 (1H, m), 4.89-4.92 (2H,
m), 7.30-7.37 (5H, m). MS (FAB) m/z: 402 [M+Na]+, 380 [M+H]+. Anal. Calc
d for C18H21NO6S: C,56.98; H, 5.58; N, 3.69; S, 8.
45. Found: C, 57.19; H, 5.57; N,.3.17; S, 7.17. Physical data of [3]': [α]D 24 -36.3 (c=0.2, CHCl3).1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (3H, s), 1.69 (3H,
s), 3.63-3.70 (2H,m), 3.79 (3H, s), 4.50 (1H, m),
4.51, 4.57 (2H, AB-q, J=12.0 Hz), 4.78 (1H, m),
5.03 (1H, d, J=6.6 Hz), 7.30-7.42 (5H, m). MS (FAB) m/z: 402 [M+Na]+, 380 [M+H]+. HR-MS (FAB) calcd for C18H22NO6S: 380.1168, found:
3870.1169.
【0108】
【実施例2】メチル 6−O−アセチル−2−デオキシ
−3,4−O−イソプロピリデン−2−イソチオシアナ
ト−β−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネート 及
び、その 2−エピマー(例示化合物番号4の化合物) (a)メチル 6−O−アセチル−2−クロロ−2−デ
オキシ−3,4−O−イソプロピリデン−α−D−リボ
−2−ヘキスロフラノソネート 実施例1(b)で得られた化合物[2](350 mg, 0.981 mm
ol)の酢酸エチル(25 ml)溶液を、10%パラジウム炭素(50
mg)を触媒として用いて、室温で20分間水素添加した。
触媒を濾去し、濾液にジアセチルエーテル(2 ml)とピリ
ジン(1 ml)を加えた。この溶液を室温で15時間攪拌した
後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エチル=
1:1)で精製して、目的化合物[8](273 mg, 90%)を固
体として得た。
【0109】mp 105-107 ℃ (from EtOAc-hexane). IR νmax (film) 3000-2950, 1743 cm-1.1 H-NMR (500 MHz,CDCl3) δ 1.41 (3H, s), 1.71 (3H,
s), 2.10 (3H, s), 3.89 (3H, s), 4.29 (1H, dd, J=4.
9, 12.2 Hz), 4.38 (1H, dd, J=3.9, 12.2 Hz), 4.64
(1H, dd, J=3.9, 7.8 Hz), 4.71 (1H, dd, J=3.9, 6.8
Hz), 5.03 (1H,d, J=7.8 Hz). Anal. Calcd. for C12H
17O7Cl: C, 46.69; H, 5.55; Cl, 11.48.Found: C, 46.
78; H, 5.53; Cl, 11.39. (b)メチル 6−O−アセチル−2−デオキシ−3,
4−O−イソプロピリデン−2−イソチオシアナト−β
−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネート 及び、その
2−エピマー 実施例2(a)で得られた化合物[8](100 mg, 0.324 mm
ol)のジメチルホルムアミド(2 ml)溶液に、チオシアン
酸カリウム(KN=C=S)(94 mg, 0.972 mmol)を加えた。8
0℃で15時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希
釈し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮し、更にポ
ンプで濃縮し、残渣を得た。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)で精製して、目的化合物[9](73 mg, 68
%, Rf=0.547) 及び [9]'(14 mg, 13%, Rf=0.453)を得
た。
【0110】Physical data of [9]: IR νmax (film) 2990-2950, 2011, 1773, 1749 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (3H, s), 1.46 (3H,
s), 2.14 (3H, s), 3.91 (3H, s), 4.20 (1H, dd, J=
5.9, 12.1 Hz), 4.31 (1H, dd, J=5.9, 12.1 Hz), 4.68
(1H, ddd, J=1.5, 5.1, 5.9 Hz), 4.86 (1H, dd, J=1.
5, 5.9 Hz), 4.94 (1H, d, J=5.1 Hz). Anal. Calcd. for C13H17NO7S: C, 47.12; H, 5.17; N,
4.23; S, 9.68. Found: C, 47.27; H, 5.15; N, 4.21;
S, 9.33. Physical data of [9]': IR νmax (film) 2990-2950, 2022, 1750 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40 (3H, s), 1.70 (3H,
s), 2.12 (3H, s), 3.89 (3H, s), 4.18 (1H, dd, J=
4.8, 12.1 Hz), 4.37 (1H, dd, J=3.7, 12.1 Hz), 4.54
(1H, m), 4.71 (1H, dd, J=2.8, 6.9 Hz), 5.02 (1H,
d, J=7.3 Hz).
【0111】
【参考例1】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
7−ベンジルオキシメチル−8,9−イソプロピリデン
ジオキシ−6−オキサ−2−チオキソ−1,3−ジアザ
スピロ[4.4]ノナ−4−オン 及び、その C2−
エピマー 実施例1(c)で得られた化合物[3]及び[3]'の4:1
の混合物(600 mg, 1.58mmol)のメタノール(6.0 ml)溶液
に、24℃で攪拌しながら、2Mアンモニアのメタノール
(2.0 ml)溶液を加えた。2時間後、反応混合物を減圧下
濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エチル=3:1)で
精製して、目的化合物[4](464 mg, 80.5%; Rf=0.359
(シクロヘキサン:酢酸エチル=2:1))及び[4]'(113
mg, 19.6%; Rf=0.449 (シクロヘキサン:酢酸エチル=
2:1))を得た。
【0112】Physical data of [4]: [α]D 24 -169.7 (c=3.7, CHCl3). IR νmax (KBr) 3400-2860, 1781, 1498 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, s), 1.61 (3H,
s), 3.62 (1H, dd, J=1.5, 10.3 Hz), 3.78 (1H, dd,
J=1.5, 10.3 Hz), 4.56, 4.64 (2H, AB-q, J=11.4 Hz),
4.61 (1H, t, J=1.5 Hz), 4.78 (1H, d, J=5.9 Hz),
4.81 (1H, d, J=5.9 Hz), 7.38-7.47 (5H, m), 7.78 (1
H, s, NH, D2O exchanged), 8.16 (1H, s, NH, D2O exc
hanged). MS (FAB) m/z: 365 [M+H]+. HR-MS (FAB) calcd for C17H21N2O5S: 365.1171, foun
d: 365.1167. Anal. Calcd for C17H20N2O5S: C, 56.0
3; H, 5.53; N, 7.69; S, 8.80. Found: C, 55.57; H,
5.67; N, 7.44; S, 8.56. Physical data of [4]': [α]D 24 -61.5 (c=1.3, CHCl3). IR νmax (KBr) 3450-2850, 1755, 1505 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36 (3H, s), 1.59 (3H,
s), 3.62 (1H, dd, J=6.2, 10.4 Hz), 3.67 (1H, dd,
J=6.2, 10.4 Hz), 4.43 (1H, t, J=6.2 Hz), 4.59 (2H,
s), 4.81 (2H, s), 7.26 (1H, bs, NH, D2O exchange
d), 7.28-7.36 (5H, m), 8.39 (1H, bs, NH, D2O excha
nged). MS (FAB) m/z: 365 [M+H]+. HR-MS (FAB) calcd for C17H21N2O5S: 365.1171, foun
d: 365.1183. Anal. Calcd for C17H20N2O5S: C, 56.0
3; H, 5.53; N, 7.69; S, 8.80. Found: C, 56.43; H,
5.46; N, 7.44; S, 8.50.
【0113】
【参考例2】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
7−ベンジルオキシメチル−8,9−イソプロピリデン
ジオキシ−6−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.
4]ノナ−2,4−ジオン 参考例1で得た化合物[4](100 mg, 0.274 mmol)のアセ
トニトリル(3 ml)溶液及び1M炭酸水素ナトリウム水溶
液(2 ml)に、室温で、30%過酸化水素水(0.3ml)を加
えた。混合物を15分間攪拌した後、酢酸エチルで希釈
し、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ去し
た。ろ液を減圧下濃縮し、目的化合物[5](96 mg, 定量
的)を結晶として得た。
【0114】mp 164-166 ℃ IR νmax (KBr) 3410-2870, 1786, 1734 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.31 (3H, s), 1.61 (3H,
s), 3.60 (1H, dd, J= 1.9, 10.5 Hz), 3.75 (1H, dd,
J = 1.9, 10.5 Hz), 4.53, 4.63 (2H, AB-q,J = 11.4
Hz), 4.59 (1H, m), 4.77 (1H, d, J = 5.7 Hz), 4.80
(1H, d, J =5.7 Hz), 6.31 (1H, bs, NH), 7.31-7.45
(5H, m), 7.68 (1H, bs, NH). FAB MS (positive) m/z 349 [M+H]+.
【0115】
【参考例3】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
8,9−イソプロピリデンジオキシ−7−ヒドロキシメ
チル−6−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノ
ナ−2,4−ジオン 参考例2で得た化合物[5](50 mg, 0.14 mmol)の酢酸
エチル(10 ml)溶液に、10%パラジウム炭素(25 m
g)を加え、水素気流下、室温にて30分間攪拌した。
反応混合物を濾過した後、ろ液を減圧下濃縮して目的化
合物[6](37 mg,定量的)を得た。
【0116】1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.32 (3H,
s), 1.54 (3H, s), 3.68 (1H, dd, J= 3.4, 11.9 Hz),
3.71 (1H, dd, J = 3.3, 11.9 Hz), 4.46 (1H, m), 4.8
1-4.93(2H, m).
【0117】
【参考例4】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
8,9−ジヒドロキシ−7−ヒドロキシメチル−6−オ
キサ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2,4−
ジオン(ヒダントサイジン) 参考例3で得た化合物[6](31 mg, 0.12 mmol)のトリフ
ルオロ酢酸−水(1:3, 5ml)溶液を0℃で2時間攪拌した
後、減圧下濃縮して、目的化合物[7](26 mg,定量的)を
得た。
【0118】1H-NMR (400 MHz, D2O, Me3SiCD2CD2COONa
as an internatal standard) δ 3.68 (1H, dd, J =
4.6, 12.7 Hz), 3.78 (1H, dd, J = 3.0, 12.7 Hz), 4.
22 (1H, dd, J = 4.4, 5.8 Hz), 4.34 (1H, m), 4.40(1
H, d, J = 5.8 Hz).
【0119】
【参考例5】[2R−(2α,3β,4β,5α)]−
6,8−ジアザ−2−ヒドロキシメチル−3,4−イソ
プロピリデンジオキシ−1−オキサ−7−チオキソスピ
ロ[4.4]ノナ−9−オン (2,3−O−イソプロ
ピリデン−2’−チオヒダントサイジン) 実施例2(b)で得られた化合物[9](18 mg, 0.054 mmo
l)のメタノール(1 ml)溶液に、2Mアンモニアのメタノ
ール(0.5 ml)溶液を加えた。この溶液を室温で6時間攪
拌後、減圧下濃縮し、目的化合物[10]を定量的に、粉末
として得た。
【0120】IR νmax (KBr) 3500-3000, 1763, 1509 c
m-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3+D2O) δ 1.34 (3H, s), 1.64
(3H, s), 3.87 (1H, dd, J=1.8, 11.4 Hz), 3.93 (1H,
dd, J=1.8, 11.4 Hz), 4.63 (1H, s), 4.92 (1H, d, J=
5.9 Hz), 4.95 (1H, d, J=5.9 Hz). FAB MS m/z 275 [M+H]+.
【0121】
【参考例6】[2R−(2α,3β,4β,5α)]−
6,8−ジアザ−3,4−ジオキシ−2−ヒドロキシメ
チル−1−オキサ−7−チオキソスピロ[4.4]ノナ
−9−オン (2’−チオヒダントサイジン) 参考例5で得られた化合物[10](27.4 mg, 0.100 mmol)
のトリフルオロ酢酸−水(1:3, 2 ml)溶液を0℃で2時
間攪拌した。この溶液を減圧下濃縮し、目的化合物[11]
(20 mg, 定量的)を粉末として得た。
【0122】IR νmax (KBr) 3450-3000, 1750 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.61 (1H, dd, J = 4.2,
12.0 Hz), 3.66 (1H,dd, J = 3.8, 12.0 Hz), 4.07 (1
H, dd, J = 2.6, 5.6 Hz), 4.25 (1H, m), 4.30 (1H,
d, J = 5.6 Hz). FAB MS m/z 325 [M+H]+.
【0123】
【実施例3】メチル 2−デオキシ−3,4−O−イソ
プロピリデン−2−イソチオシアナト−6−O−(4−
メトキシベンジル)−β−D−リボ−2−ヘキスロフラ
ノソネート(化合物[15]) 及び、その 2−エピマー
(化合物[15]')(例示化合物番号2の化合物) (a)2,3−O−イソプロピリデン−5−O−(4−
メトキシベンジル)−D−リボニック アシッド γ−
ラクトン(化合物[12]) 2,3−O−イソプロピリデン−D−リボノラクトン
(8.20 g, 43,57 mmol)(Masao Shiozaki et al. J. Org.
Chem. 1994, 59, 4450-4460)と塩化4−メトキシベン
ジル(8.20 g, 52.36 mmol)のジメチルホルムアミド(以
下、DMF。30 ml)溶液に、水素化ナトリウム(60-70%
油性, 2.09 g)を氷冷下加えた。この混合物を室温で1
6時間攪拌し、酢酸エチルで稀釈し、水、飽和食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、活性炭で脱色し、
溶液をろ過して、減圧下濃縮し、油状混合物を得た。得
られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製
し、目的化合物[12](10.37 g, 77%)を得た。
【0124】IR νmax (film): 3030-2840, 1785, 161
4, 1587, 1515 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36 (3H, s), 1.47 (3H,
s), 3.64 (1H, dd, J=1.0, 10.3 Hz), 3.68 (1H, dd,
J=1.8, 10.3 Hz), 3.81 (3H, s), 4.40, 4.48(2H, AB-
q, J=11.7 Hz), 4.63 (1H, dd, J=1.0, 1.8 Hz), 4.68
(1H, d, J=5.5Hz), 4.76 (1H, d, J=5.5 Hz), 6.88 (2
H, d, J=8.4 Hz), 7.18 (2H, d, J=8.4Hz). Anal. Calcd for C16H20O6: C, 62.33; H, 6.54. Foun
d: C, 61.75; H, 6.75. (b)2,5−アンヒドロ−1,1−ジクロロ−1−デ
オキシ−3,4−O−イソプロピリデン−6−O−(4
−メトキシベンジル)−D−リボ−ヘキサ−1−エニト
ール(化合物[13]) 実施例3(a)で得られた化合物[12](4.77 g, 15.47 m
mol)とブロモトリクロロメタン(15.34 g, 77.36 mmol)
の塩化メチレン(40 ml)溶液に、ヘキサメチルホスフォ
ラストリアミド(25.24 g, 154.6 mmol)の塩化メチレン
(30 ml)溶液を窒素雰囲気下−78℃で2時間かけて滴
加した。攪拌しながら4時間かけて温度を徐々に−50
℃に上げ、16時間かけて室温に上げた。反応混合物を
塩化メチレン(400 ml)で稀釈し、1M塩酸、水、炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。溶液をろ過して、減圧下濃縮し、得
られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エチル=2:1)で
精製し、目的化合物[13](5.54 g, 95%)を融点が62-65℃
の固体(酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した綿状針状
結晶)として得た。
【0125】[α]D 24 -147.3 (c=1.06, CHCl3). IR νmax (KBr): 3040-2830, 1733, 1664, 1610, 1585,
1513 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (3H, s), 1.48 (3H,
s), 3.59 (1H, dd, 2.9, 11.0 Hz), 3.63 (1H, dd, J=
2.9, 11. 0 Hz), 3.82 (3H, s), 4.42, 4.45 (2H, AB-
q, J=11.7 Hz), 4.64 (1H, t, J=2.9 Hz), 4.77 (1H,
d, J=5.9 Hz), 5.23 (1H, d, J=5.9 Hz), 6.88-6.90 (2
H, m), 7.18-7.21 (2H, m). FAB MS (positive) m/z 374 [M+・]. HRMS (FAB) calcd for C17H20O5 35Cl2: 374.0688, foun
d: 374.0691. Anal. Calcd for C17H20O5Cl2: C, 54.4
1; H, 5.37; Cl, 18.90. Found: C, 54.30; H,5.38; C
l, 18.66. (c)メチル 2−クロロ−2−デオキシ−3,4−O
−イソプロピリデン−6−O−(4−メトキシベンジ
ル)−β−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネート(化
合物[14]) 及び、その 2−エピマー(化合物[1
4]') 実施例3(b)で得られた化合物[13](3.75 g, 10.0 mm
ol)を塩化メチレン(150 ml)及びメタノール(5 ml)に溶
解し、窒素気流下、室温で、ヒドロキノン(0.50g)及び
3−クロロ過酸化安息香酸(純度77%以下 15.0 g)を加
えた。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を塩化メ
チレン(150 ml)で稀釈し、10%亜硫酸水素ナトリウム
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水
でそれぞれ2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮し、残渣を得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;
シクロヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して目的
化合物を2つのエピマー([14]' 0.51 g, 13 %, Rf = 0.
581, 油状物;[14] 2.07 g, 54 %, Rf = 0.500, 油状物)
として得た。
【0126】Physical data of [14]': IR νmax (film): 3000-2830, 1766, 1613, 1587, 1514
cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (3H, s), 1.43 (3H,
s), 3.71 (2H, d, J=7.2 Hz), 3.81 (3H, s), 3.89 (3
H, s), 4.50, 4.53 (2H, AB-q, J=11.0 Hz), 4.63 (1H,
dt, J=1.6, 7.2 Hz), 4.92 (1H, dd, J=1.8, 5.6 Hz),
5.13 (1H, d,J=5.6 Hz), 6.88 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.
27 (2H, d, J=8.8 Hz). MS (FAB) 386 (35Cl) [M+・]. HRMS (FAB) calcd for C18H23O7 35Cl: 386.1132, foun
d: 386.1125. Physical data of [14]: IR νmax (film): 2990-2860, 1762, 1751, 1613, 158
7, 1514 cm-1.1 H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.39 (3H, s), 1.70 (3H,
s), 3.63-3.70 (2H,m), 3.81 (3H, s), 3.83 (3H, s),
4.45, 4.51 (2H, AB-q, J=11.7 Hz), 4.57 (1H, dd, J
=2.9, 5.8 Hz), 4.78 (1H, dd, J=2.9, 6.8 Hz, C4-H),
5.00 (1H, d,J=7.8 Hz), 6.88 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.
22 (2H, d, J=8.8 Hz). MS (FAB) 386 (35Cl) [M+・], 387 [M+H]+; 425 [M+K]+
(on addition of aqueous 1 M KI). HRMS (FAB) calcd. for C18H23O7 35ClK: 425.0770, fou
nd: 425.0779 (d)メチル 2−デオキシ−3,4−O−イソプロピ
リデン−2−イソチオシアナト−6−O−(4−メトキ
シベンジル)−β−D−リボ−2−ヘキスロフラノソネ
ート(化合物[15]) 及び、その 2−エピマー(化合
物[15]') 実施例3(c)で得られた化合物[14](193 mg, 0.500 m
mol)のジメチルホルムアミド(2 ml)溶液に、チオシアン
酸カリウム(KN=C=S)(146 mg, 1.500 mmol)を加えた。
80℃で4時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希
釈し、水(2回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮
し、残渣を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸エチル=3:
1)で精製して、目的化合物(149mg, 73%, Rf=0.469)を
2つのエピマー([15]及び[15]')の5:1の混合物と
して得た。
【0127】Physical data of [15]:1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (3H, s), 1.43 (3H,
s), 3.57-3.63 (2H,m), 3.82 (3H, s), 3.88 (3H, s),
4.49, 4.57 (2H, AB-q, J=11.7 Hz), 4.63 (1H, dt, J
=1.0, 4.8 Hz), 4.87 (1H, dd, J=1.0, 5.7 Hz), 4.89
(1H, d, J=5.7Hz), 6.89 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.28 (2
H, d, J=8.7 Hz). Physical data of [15]':1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (3H, s), 1.68 (3H,
s), 3.57-3.63 (2H,m), 3.81 (3H, s), 3.82 (3H, s),
4.43, 4.50 (2H, AB-q, J=11.7 Hz), 4.48 (1H, m),
4.75 (1H, dd, J=2.5, 6.6 Hz), 5.02 (1H, d, J=6.6 H
z), 6.88 (2H,d, J=8.7 Hz), 7.21 (2H, d, J=8.7 Hz). Physical data of a mixture of [15] and [15]': Anal. Calcd. for C19H23NO7S: C, 55.73; H, 5.66; N,
3.42; S, 7.83. Found: C, 55.29; H, 5.78; N, 3.24;
S, 7.70.
【0128】
【実施例4】メチル 2−デオキシ−3,4−O−イソ
プロピリデン−2−イソチオシアナト−6−O−(4−
メトキシベンジル)−β−D−リボ−2−ヘキスロフラ
ノソネート(化合物[15]) 及び、その 2−エピマー
(化合物[15]')(例示化合物番号2の化合物) 実施例3(d)において、出発物質を実施例3(c)で
得られた化合物[14]'(50 mg, 0.13 mmol)とした以外
は、実施例3(d)と同様にして、目的化合物(38mg, 7
2%)を2つのエピマー([15]及び[15]')の3:1の混合
物として得た。
【0129】
【実施例5】メチル 2−デオキシ−3,4−O−イソ
プロピリデン−2−イソチオシアナト−6−O−(4−
メトキシベンジル)−β−D−リボ−2−ヘキスロフラ
ノソネート(化合物[15]) 及び、その 2−エピマー
(化合物[15]')(例示化合物番号2の化合物) 実施例3(d)において、出発物質を実施例3(c)で
得られた化合物[14]及び[14]'の2:3の混合物(720 m
g, 1.87 mmol)とした以外は、実施例3(d)と同様に
して、目的化合物(561mg, 74%)を2つのエピマー([15]
及び[15]')の7:1の混合物として得た。
【0130】化合物[15]及び[15]'はDMF中80℃
で、約3:1の平衡がある。従って、化合物[15]及び[1
5]'のチオシアン酸カリウムとの反応性は異なり、化合
物[15]が化合物[15]'よりもチオシアン酸カリウムとの
反応性が高い。
【0131】
【参考例7】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
8,9−イソプロピリデンジオキシ−7−[(4−メト
キシベンジルオキシ)メチル]−6−オキサ−2−チオ
キソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−4−オ
ン {化合物[16]、5−O−(4−メトキシベンジル)
−2,3−O−イソプロピリデン−2’−チオヒダント
サイジン} 及び その2−エピマー(化合物[16]') 実施例3(c)で得られた化合物[15]及び[15]'の5:
1の混合物(130 mg, 0.317 mmol)のメタノール(3 ml)溶
液に、2Mアンモニアのメタノール溶液(1.0 ml, 2.0 m
mol)を加えた。室温で、2時間攪拌した後、反応混合物
を減圧下濃縮し、残渣を得た。これをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;シクロヘキサン:酢酸
エチル=3:2)で精製して、目的化合物を2つのエピ
マー([16]' 20 mg, 16 %, Rf = 0.474, ガム状;[16] 10
5 mg, 84 %, Rf = 0.382, ガム状)として得た。
【0132】Physical data of [16]': [α]D 24 -58.1 (c=0.32, CHCl3). IR νmax (film): 3226, 2993-2838, 1768, 1613, 158
7, 1513, 1465 cm-1.1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36
(3H, s), 1.59 (3H, s), 3.58-3.65 (2H,m), 3.80 (3
H, s), 4.41 (1H, m), 4.52 (2H, s), 4.77-4.81 (2H,
m), 6.88 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.28 (2H, d, J=8.8 H
z), 7.40 (1H, bs, NH), 8.79 (1H, broad, NH). FAB MS (positive); m/z 395 [M+H]+. HRMS (FAB); calcd. for C18H23N2O6S: 395.1277; foun
d: 395.1274. Anal. Calcd. for C18H22N2O6S (394.4):
C, 54.81; H, 5.62; N, 7.10; S, 8.13. Found: C, 5
4.77; H, 5.60; N, 6.58; S, 7.83. Physical data of [16]: [α]D 24 -154.4 (c=1.34, CHCl3). IR νmax (film): 3392, 3225, 2986-2838, 1781, 161
3, 1586, 1513, 1500 cm-1.1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, s), 1.61 (3H,
s), 3.60 (1H, dd, J=1.8, 10.6 Hz), 3.75 (1H, dd,
J=1.8, 10.6 Hz), 3.84 (3H, s), 4.50, 4.56(2H, AB-
q, J=11.0 Hz), 4.61 (1H, m), 4.76 (1H, d, J=5.5 H
z), 4.80 (1H, dd, J=5.5 Hz), 6.96 (2H, d, J=8.8 H
z), 7.31 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.80 (1H,s, NH), 8.35
(1H, broad, NH). FAB MS (positive); m/z 395 [M+H]+. HRMS (FAB); calcd. for C18H23N2O6S: 395.1277; foun
d: 395.1279. Anal. Calcd. for C18H22N2O6S (394.4):
C, 54.81; H, 5.62; N, 7.10; S, 8.13. Found: C, 5
4.54; H, 5.61; N, 7.01; S, 8.06.
【0133】
【参考例8】[5S−(5α,7α,8β,9β)]−
8,9−イソプロピリデンジオキシ−7−ヒドロキシメ
チル−6−オキサ−2−チオキソ−1,3−ジアザスピ
ロ[4.4]ノナ−4−オン (化合物[17]、2,3−
O−イソプロピリデン−2’−チオヒダントサイジン) 参考例7で得られた化合物[16](64 mg, 0.160 mmol)及
びチオフェノール(45 mg, 0.136 mmol)の塩化メチレン
(4 ml)溶液に、窒素雰囲気下、−78℃で塩化スズ(V
I)(1M塩化メチレン溶液, 0.40 ml)を加え、この溶液
を30分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで稀釈
し、反応混合物全体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾
燥剤をろ去し、ろ液を減圧下濃縮し、残渣を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;シ
クロヘキサン:酢酸エチル=2:1、次いで1:2に変
更)で精製して、4−メトキシベンジル フェニル ス
ルフィド(25 mg)、化合物[16](4 mg, 6%回収)、未同定
物質(1 mg)及び目的化合物[17](=[10], 36mg, 81%, 及
び未反応の[16]との混合物86%)を得た。
【0134】Physical data of [17]: mp: 158-161℃(from CHCl3). [α]D 24 -174.9 (c=0.3, MeOH). HRMS (FAB); calcd. for C10H15N2O5S: 275.0702; foun
d: 275.0705.
【0135】
【参考例9】[5R−(5α,7β,8α,9α)]−
8,9−イソプロピリデンジオキシ−7−ヒドロキシメ
チル−6−オキサ−2−チオキソ−1,3−ジアザスピ
ロ[4.4]ノナ−4−オン (化合物[17]'、1−エ
ピ−2,3−O−イソプロピリデン−2’−チオヒダン
トサイジン) 実施例8において、出発物質を参考例7で得られた化合
物[16]'(32 mg, 0.080mmol)とした以外は、実施例8と
同様にして、化合物[16]'(4 mg, 13%回収)及び目的化合
物[17]'(17mg, 76%, 粉状, 及び未反応の[16]'との混合
物87%)を得た。
【0136】Physical data of [17]': [α]D 24 -43.6 (c=0.47, MeOH).1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (3H, s), 1.71 (3H,
bd, J=13.2 Hz, changed to dd, J=2.9, 13.2 Hz, on
addition of D2O), 3.87 (1H, dd, J=2.2, 13.2 Hz),
4.08 (1H, bs, OH), 4.51 (1H, m), 4.92 (1H, d, J=5.
9 Hz), 5.04 (1H, dd, J=1.5, 5.9 Hz), 7.31 (1H, s,
NH), 9.23 (1H, bs, NH). FAB MS: m/z 275 [M+H]+. HRMS (FAB); calcd. for C10H15N2O5S: 275.0702; foun
d: 275.0707.
【0137】
【参考例10】[5S−(5α,7α,8β,9β)]
−8,9−ジオキシ−7−ヒドロキシメチル−6−オキ
サ−2−チオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノ
ナ−4−オン (化合物[18]、2’−チオヒダントサイ
ジン) 及び その2−エピマー(化合物[18]') 参考例8で得られた化合物[17] (18 mg, 0.066 mmol)の
トリフルオロ酢酸−水(1:3, 0.3 ml)溶液を−5℃で1
6時間攪拌した。この溶液を減圧下濃縮し、残渣([α]
D 24 of [18]: -30 (c=0.1, MeOH))を得た。これを分取
薄層シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エ
チル:メタノール=9:1)で精製して、化合物[18]'
(2.4mg, 16%, Rf=0.500)及び化合物[18](=[11], 9.4 m
g, 61%, Rf=0.413)を得た。
【0138】
【参考例11】[5S−(5α,7α,8β,9β)]
−8,9−ジオキシ−7−ヒドロキシメチル−6−オキ
サ−2−チオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノ
ナ−4−オン (化合物[18]、2’−チオヒダントサイ
ジン) 参考例10において、化合物[17]の量を(1 mgとし、ト
リフルオロ酢酸−水(1:3)の量を0.05 mlとした以外は参
考例10に準じて、化合物[18]を定量的に得た。化合物
[18]'は得られなかった。
【0139】
【参考例12】[5R−(5α,7β,8α,9α)]
−8,9−ジオキシ−7−ヒドロキシメチル−6−オキ
サ−2−チオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノ
ナ−4−オン (化合物[18]'、1−エピ−2’−チオ
ヒダントサイジン) 参考例10において、化合物[17]を参考例9において得
られた化合物[17]'(5.0 mg)とした以外は、参考例10
に準じて、化合物[18]'(4 mg, 94%)を粉末として得た。
【0140】[α]D 24 +35 (c=0.4, MeOH). (lit. Hirom
i Sano et al. Tetrahedron, 1995,51, 12563-12572; +
36.8 (0.9, MeOH)).1 H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.60 (1H, dd, J=5.1, 1
2.4 Hz), 3.66 (1H, dd, J=4.0, 12.4 Hz), 4.13 (1H,
m), 4.18 (1H, dd, J=3.7, 4.4 Hz), 4.28 (1H,d, J=4.
4 Hz). FAB MS: m/z 235 [M+H]+.
【0141】
【発明の効果】本発明の新規な中間体は、優れた除草活
性及び植物成長抑制活性を有するヒダントサイジン及び
チオヒダントサイジンを、容易で、緩和で、しかも、収
率よく合成するために有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、 R1は、カルボキシ基の保護基を示し、 R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水酸基の保護
    基を示すか、或は、R2及びR3、又は、R3及びR4が一
    緒になってジオールの保護基を示す。)で表わされる化
    合物。
  2. 【請求項2】R1が、低級アルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、ハロゲノ低級アルキル基、ヒドロキシ低
    級アルキル基、脂肪族アシル低級アルキル基、アラルキ
    ル基又はシリル基であり、 R2、R3及びR4が、同一又は異なって、脂肪族アシル
    基、芳香族アシル基、テトラヒドロピラニル若しくはテ
    トラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニル若し
    くはテトラヒドロチオフラニル基、シリル基、低級アル
    コキシメチル基、低級アルコキシ化低級アルコキシメチ
    ル基、ハロゲノ低級アルコキシメチル、低級アルコキシ
    化エチル基、ハロゲン化エチル基、アラルキル基、低級
    アルコキシカルボニル基、ハロゲン若しくはトリ低級ア
    ルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル
    基、アルケニルオキシカルボニル基又は1若しくは2個
    の低級アルコキシ若しくはニトロ基でアリール環が置換
    されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基である
    か、或は、R2及びR3、又は、R3及びR4が一緒になっ
    て、低級アルキリデン基、アラルキリデン基、アルコキ
    シ低級アルキリデン基又はジシロキサン基である、請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が、低級アルキル基、ハロゲノ低級ア
    ルキル基又はアラルキル基であり、 R2、R3及びR4が、同一又は異なって、シリル基、ア
    ラルキル基、脂肪族アシル基又は芳香族アシル基である
    か、或は、R2及びR3、又は、R3及びR4が一緒になっ
    て、低級アルキリデン基である、請求項1に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】R1が、メチル、エチル又はベンジル基で
    あり、 R2、R3及びR4が、同一又は異なって、ベンジル、ト
    リフェニルメチル、4−メトキシベンジル、4,4'−
    ジメトキシトリフェニルメチル、4,4',4"−トリメ
    トキシトリフェニルメチル基であるか、或は、R2及び
    3が一緒になって、イソプロピリデン基である、請求
    項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】一般式 【化2】 (式中、 R1は、カルボキシ基の保護基を示し、 R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水酸基の保護
    基を示すか、或は、R2及びR3、又は、R3及びR4が一
    緒になってジオールの保護基を示す。)で表わされる請
    求項1に記載の化合物に、アンモニアのメタノール溶液
    を作用させて、 一般式 【化3】 (式中、R2、R3及びR4は、上記と同義である。)で
    表わされる化合物を製造する方法。
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