JP2002104684A - 媒体搬送ベルト - Google Patents
媒体搬送ベルトInfo
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- JP2002104684A JP2002104684A JP2000291548A JP2000291548A JP2002104684A JP 2002104684 A JP2002104684 A JP 2002104684A JP 2000291548 A JP2000291548 A JP 2000291548A JP 2000291548 A JP2000291548 A JP 2000291548A JP 2002104684 A JP2002104684 A JP 2002104684A
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- medium transport
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 常温常湿下だけではなく、高温高湿下でも優
れた静電吸着力を備えた媒体搬送ベルトを提供する。 【解決手段】 高分子材料により成形された管状物の外
周表面に、導電性を有する電極パターンが形成されると
ともに、該電極パターン上に1層以上の電極保護層が形
成されている媒体搬送ベルトであって、電極保護層の吸
水率が2%以上となるように構成する。
れた静電吸着力を備えた媒体搬送ベルトを提供する。 【解決手段】 高分子材料により成形された管状物の外
周表面に、導電性を有する電極パターンが形成されると
ともに、該電極パターン上に1層以上の電極保護層が形
成されている媒体搬送ベルトであって、電極保護層の吸
水率が2%以上となるように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は媒体搬送ベルトに関
し、より詳しくは複写機やレーザービームプリンターあ
るいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられる紙
やOHPフィルムなどの搬送に用いられるベルト、又は
インクジェットプリンター装置あるいはバブルジェット
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトに関する。
し、より詳しくは複写機やレーザービームプリンターあ
るいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられる紙
やOHPフィルムなどの搬送に用いられるベルト、又は
インクジェットプリンター装置あるいはバブルジェット
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機などの電子写真装置にお
いて、高分子材料により成形された管状物の外周表面
に、導電性を有する電極パターンが形成されるととも
に、該電極パターン上に電極保護層が形成されている媒
体搬送ベルトが知られている。
いて、高分子材料により成形された管状物の外周表面
に、導電性を有する電極パターンが形成されるととも
に、該電極パターン上に電極保護層が形成されている媒
体搬送ベルトが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】媒体搬送ベルトが、紙
やOHPフィルムなどの搬送や乾燥などに用いられる場
合、プリンターの高速度化を達成するためには、従来以
上に、紙やOHPフィルムなどの印字媒体を精度よく、
ベルトに吸着させる必要があり、更に、使用環境が変化
しても、たとえば低温低湿度(LL:10℃/15%)
から高温高湿度(HH:30℃/80%)の範囲におい
て、充分な吸着力を確保する必要がある。しかし、高温
高湿になると、吸着力が低下するという問題が発生し
た。
やOHPフィルムなどの搬送や乾燥などに用いられる場
合、プリンターの高速度化を達成するためには、従来以
上に、紙やOHPフィルムなどの印字媒体を精度よく、
ベルトに吸着させる必要があり、更に、使用環境が変化
しても、たとえば低温低湿度(LL:10℃/15%)
から高温高湿度(HH:30℃/80%)の範囲におい
て、充分な吸着力を確保する必要がある。しかし、高温
高湿になると、吸着力が低下するという問題が発生し
た。
【0004】また従来の吸着力発現メカニズムモデルは
電極保護層の体積固有抵抗の値の違いにより以下のよう
に考えられており、このモデルを用いれば、電極保護層
に低吸水性材料を使用すればよいと考えられていた。
電極保護層の体積固有抵抗の値の違いにより以下のよう
に考えられており、このモデルを用いれば、電極保護層
に低吸水性材料を使用すればよいと考えられていた。
【0005】すなわち、電極保護層の体積固有抵抗が
1.0×1010Ω・cm以下の場合には、紙の体積固
有抵抗が1.0×1010Ω・cm程度であることか
ら、紙を電極保護層上に置き、電圧を印加すると、紙に
電流が流れず隣り合った電極間にだけ電流が流れ、電極
間にのみ電圧がかかり、電極保護層の表面に電荷が誘起
されないために、吸着力は低くなると考えられていた。
1.0×1010Ω・cm以下の場合には、紙の体積固
有抵抗が1.0×1010Ω・cm程度であることか
ら、紙を電極保護層上に置き、電圧を印加すると、紙に
電流が流れず隣り合った電極間にだけ電流が流れ、電極
間にのみ電圧がかかり、電極保護層の表面に電荷が誘起
されないために、吸着力は低くなると考えられていた。
【0006】電極保護層の体積固有抵抗が1.0×10
14Ω・cm以上の場合には、系内には電流がほとんど
が流れず、電極保護層の表面に電荷が誘起されないため
に、吸着力は低くなると考えられていた。
14Ω・cm以上の場合には、系内には電流がほとんど
が流れず、電極保護層の表面に電荷が誘起されないため
に、吸着力は低くなると考えられていた。
【0007】また、電極保護層の体積固有抵抗が1.0
×1010〜1.0×1014Ω・cmの場合には、電
極(高電位)→電極保護層→紙→電極保護層→電極(低
電位)の経路で電流が流れ、電極保護層には、電極保護
層と紙で分圧された分の電圧がかかる。この電圧に比例
した電荷が電極保護層表面に誘起され、この電荷によっ
て紙は強く吸着されると考えられていた。以上のことか
ら、電極保護層には体積固有抵抗が1.0×1010〜
1.0×1014Ω・cmの材料を用いればよいと考え
られていた。
×1010〜1.0×1014Ω・cmの場合には、電
極(高電位)→電極保護層→紙→電極保護層→電極(低
電位)の経路で電流が流れ、電極保護層には、電極保護
層と紙で分圧された分の電圧がかかる。この電圧に比例
した電荷が電極保護層表面に誘起され、この電荷によっ
て紙は強く吸着されると考えられていた。以上のことか
ら、電極保護層には体積固有抵抗が1.0×1010〜
1.0×1014Ω・cmの材料を用いればよいと考え
られていた。
【0008】また、電極保護層に体積固有抵抗が1.0
×1010〜1.0×1014Ω・cmの材料を用いた
場合の高温高湿下の吸着力を考えると、高温高湿下では
紙は吸湿し体積固有抵抗が低下することから、電極保護
層に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下しない材料を用
いれば、電極保護層にかかる電圧が増し、電極保護層表
面に誘起される電荷量が増加し吸着力は増加すると推測
される。しかし、実際には、例えばフッ素樹脂のような
低吸水性樹脂を電極保護層に使用して、吸着力を測定す
ると、高温高湿下においては、吸着力が低下してしまう
結果しか得られなかった。
×1010〜1.0×1014Ω・cmの材料を用いた
場合の高温高湿下の吸着力を考えると、高温高湿下では
紙は吸湿し体積固有抵抗が低下することから、電極保護
層に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下しない材料を用
いれば、電極保護層にかかる電圧が増し、電極保護層表
面に誘起される電荷量が増加し吸着力は増加すると推測
される。しかし、実際には、例えばフッ素樹脂のような
低吸水性樹脂を電極保護層に使用して、吸着力を測定す
ると、高温高湿下においては、吸着力が低下してしまう
結果しか得られなかった。
【0009】従って、本発明は、高温高湿下でも優れた
吸着搬送性を有する媒体搬送ベルトを提供することを目
的とする。
吸着搬送性を有する媒体搬送ベルトを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために提案されたものである。課題を解決するた
めに、従来とは異なる紙と電極保護層の間に空気層を含
む次のような新たな吸着力発現メカニズムを提案する。
決するために提案されたものである。課題を解決するた
めに、従来とは異なる紙と電極保護層の間に空気層を含
む次のような新たな吸着力発現メカニズムを提案する。
【0011】すなわち、本発明に係る媒体搬送ベルトの
要旨とするところは、高分子材料により成形された管状
物の外周表面に、導電性を有する電極パターンが形成さ
れるとともに、該電極パターン上に1層以上の電極保護
層が形成されている媒体搬送ベルトであって、電極保護
層の吸水率が2%以上であることにあり、高温高湿では
電極保護層の体積抵抗値が低下し、吸着力が増加する媒
体搬送ベルトを得るに至ったのである。
要旨とするところは、高分子材料により成形された管状
物の外周表面に、導電性を有する電極パターンが形成さ
れるとともに、該電極パターン上に1層以上の電極保護
層が形成されている媒体搬送ベルトであって、電極保護
層の吸水率が2%以上であることにあり、高温高湿では
電極保護層の体積抵抗値が低下し、吸着力が増加する媒
体搬送ベルトを得るに至ったのである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る媒体搬送ベル
トの実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
トの実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0013】本発明の媒体搬送ベルトは、高分子材料に
より成形された管状物の外周表面に、導電性を有する電
極パターンが形成されるとともに、該電極パターン上に
1層以上の電極保護層が形成されて構成されており、電
極保護層の吸水率が2%以上であるとよい。
より成形された管状物の外周表面に、導電性を有する電
極パターンが形成されるとともに、該電極パターン上に
1層以上の電極保護層が形成されて構成されており、電
極保護層の吸水率が2%以上であるとよい。
【0014】ここで、吸水率は、JISK7209に基
づいて測定される値である。より具体的には、試験片の
フィルムを50℃±2℃に保った恒温槽内で24±1時
間乾燥し、デシケーターで放冷したものの重量をW1
とし、24時間蒸留水に浸した後、表面の水滴を拭き取
ったものの重量をW2 とし、 吸水率(%)=(W2 −W1 )÷W1 ×100 の式により算出する。以下、本明細書で吸水率というと
きはこの測定および計算法を用いる。
づいて測定される値である。より具体的には、試験片の
フィルムを50℃±2℃に保った恒温槽内で24±1時
間乾燥し、デシケーターで放冷したものの重量をW1
とし、24時間蒸留水に浸した後、表面の水滴を拭き取
ったものの重量をW2 とし、 吸水率(%)=(W2 −W1 )÷W1 ×100 の式により算出する。以下、本明細書で吸水率というと
きはこの測定および計算法を用いる。
【0015】例えば、本発明の媒体搬送ベルトが図1及
び図2に示すような媒体搬送ベルト10である場合は、
高分子材料により成形された管状物12の外周表面に、
導電性を有する電極パターン14が形成されるととも
に、その電極パターン14上に樹脂単体、無機材料単体
または樹脂、無機材料に添加剤を混合してなる複合樹
脂、複合無機材料等からなる電極保護層16が形成され
て構成されている。このとき電極保護層の吸水率が2%
以上であるとよい。
び図2に示すような媒体搬送ベルト10である場合は、
高分子材料により成形された管状物12の外周表面に、
導電性を有する電極パターン14が形成されるととも
に、その電極パターン14上に樹脂単体、無機材料単体
または樹脂、無機材料に添加剤を混合してなる複合樹
脂、複合無機材料等からなる電極保護層16が形成され
て構成されている。このとき電極保護層の吸水率が2%
以上であるとよい。
【0016】あるいは、本発明の媒体搬送ベルトが、図
3に示すような構成である場合は、高分子材料により成
形された管状物12の外周表面に、導電性を有する電極
パターン14が形成されるとともに、その電極パターン
14上に電極保護層16が形成され、さらに最外周層2
0が形成されて構成されている。このとき電極保護層の
吸水率が2%以上であるとよい。
3に示すような構成である場合は、高分子材料により成
形された管状物12の外周表面に、導電性を有する電極
パターン14が形成されるとともに、その電極パターン
14上に電極保護層16が形成され、さらに最外周層2
0が形成されて構成されている。このとき電極保護層の
吸水率が2%以上であるとよい。
【0017】本発明の管状物12を形成する高分子材料
は、管状物の線膨張係数Xaが1<Xa<10(×10
−5℃−1)である樹脂が好ましい。ここで、線膨張係
数は、測定器にTMA(SSC/520:セイコー電子
工業(株)製)を使用し、150℃から50℃における
冷却過程での寸法変化を測定したのち、単位温度の寸法
変化に算出しなおした値のことである。以下、本明細書
で線膨張係数というときはこの測定値のことを言う。
は、管状物の線膨張係数Xaが1<Xa<10(×10
−5℃−1)である樹脂が好ましい。ここで、線膨張係
数は、測定器にTMA(SSC/520:セイコー電子
工業(株)製)を使用し、150℃から50℃における
冷却過程での寸法変化を測定したのち、単位温度の寸法
変化に算出しなおした値のことである。以下、本明細書
で線膨張係数というときはこの測定値のことを言う。
【0018】管状物12を形成する高分子材料として
は、例えば、エンジニアリングプラスチックであり、具
体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド
46、ポリアミドMXD6、ポリカーボネート、ポリア
セタール、ポリフェニレンエーテル、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタ
レート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリ
アリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、アラミド、非熱可塑性ポリイミド、熱可塑
性ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール
共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、およ
びジアリルフタレート樹脂からなる群より選択される1
種類または2種類以上の組み合わせが好ましい。このう
ち、より好ましくは、限定はされないが、例えば、引張
弾性率が2000MPa以上の材料および/またはガラ
ス転移温度150℃以上の材料であり得る。弾性率およ
びガラス転移温度を高めるためには、高分子材料は、フ
ィラーや繊維等で強化してもよい。ここで、引張弾性率
は、ASTMD882に準拠する方法で測定され、ガラ
ス転移温度は、JISK7121に準拠する方法で測定
される。
は、例えば、エンジニアリングプラスチックであり、具
体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド
46、ポリアミドMXD6、ポリカーボネート、ポリア
セタール、ポリフェニレンエーテル、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタ
レート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリ
アリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、アラミド、非熱可塑性ポリイミド、熱可塑
性ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール
共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、およ
びジアリルフタレート樹脂からなる群より選択される1
種類または2種類以上の組み合わせが好ましい。このう
ち、より好ましくは、限定はされないが、例えば、引張
弾性率が2000MPa以上の材料および/またはガラ
ス転移温度150℃以上の材料であり得る。弾性率およ
びガラス転移温度を高めるためには、高分子材料は、フ
ィラーや繊維等で強化してもよい。ここで、引張弾性率
は、ASTMD882に準拠する方法で測定され、ガラ
ス転移温度は、JISK7121に準拠する方法で測定
される。
【0019】このうち、熱可塑性ポリイミド樹脂として
は、ガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ましく
は230℃以上のものが用いられ得る。媒体搬送ベルト
10は、複写機やレーザービームプリンターあるいはフ
ァクシミリなどの電子写真装置における紙やOHPフィ
ルムなどの搬送に用いられるベルト、又はインクジェッ
トプリンター装置あるいはバブルジェット(登録商標)
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトである。したがって、ベルトの
使用条件において、管状物12を構成する熱可塑性ポリ
イミド樹脂はガラス転移温度Tgが150℃以上、より
好ましくは230℃以上を有することにより、ガラス転
移温度Tg以下で使用される熱可塑性ポリイミド樹脂は
耐熱性樹脂として機能する。
は、ガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ましく
は230℃以上のものが用いられ得る。媒体搬送ベルト
10は、複写機やレーザービームプリンターあるいはフ
ァクシミリなどの電子写真装置における紙やOHPフィ
ルムなどの搬送に用いられるベルト、又はインクジェッ
トプリンター装置あるいはバブルジェット(登録商標)
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトである。したがって、ベルトの
使用条件において、管状物12を構成する熱可塑性ポリ
イミド樹脂はガラス転移温度Tgが150℃以上、より
好ましくは230℃以上を有することにより、ガラス転
移温度Tg以下で使用される熱可塑性ポリイミド樹脂は
耐熱性樹脂として機能する。
【0020】次に、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る熱可塑性ポリイミド樹脂の一例を示す。熱可塑性ポリ
イミドフィルムは、従来の非熱可塑性(熱硬化性)ポリ
イミドフィルムとは異なり、耐熱性を有しつつ所定の高
温域で溶融流動性を有し、加工性に優れている。さら
に、耐熱性樹脂ベルトにおける継ぎ目部分の接着性が、
非熱可塑性ポリイミドフィルムと比較すると優れてい
る。本発明に係る熱可塑性ポリイミドは化学構造式が一
般式(1)化1
る熱可塑性ポリイミド樹脂の一例を示す。熱可塑性ポリ
イミドフィルムは、従来の非熱可塑性(熱硬化性)ポリ
イミドフィルムとは異なり、耐熱性を有しつつ所定の高
温域で溶融流動性を有し、加工性に優れている。さら
に、耐熱性樹脂ベルトにおける継ぎ目部分の接着性が、
非熱可塑性ポリイミドフィルムと比較すると優れてい
る。本発明に係る熱可塑性ポリイミドは化学構造式が一
般式(1)化1
【0021】
【化1】 一般式(1)
【0022】(式中、m,nはポリマー鎖の各反復単位
モル分率に等しく、mは約0.1〜約0.9の範囲であ
り、nは約0.9〜約0.1の範囲である。但し、mと
nとの比は約0.01〜約9.0である。A,Bはいず
れも4価の有機基であり、X,Yは2価の有機基を示
す。)で表される構造が主成分であるものが好ましい。
モル分率に等しく、mは約0.1〜約0.9の範囲であ
り、nは約0.9〜約0.1の範囲である。但し、mと
nとの比は約0.01〜約9.0である。A,Bはいず
れも4価の有機基であり、X,Yは2価の有機基を示
す。)で表される構造が主成分であるものが好ましい。
【0023】さらに、酸二無水物として、熱可塑性を付
与するモノマーである一般式(1)中のAが一般式
(2)化2
与するモノマーである一般式(1)中のAが一般式
(2)化2
【0024】
【化2】 一般式(2)
【0025】(式中、R1 およびR2 は2価の有機基
を示す。)で表される4価の有機基の群から選択される
少なくとも1種であることが好ましい。上記一般式
(2)に示される有機基を有する酸二無水物は、酸二無
水物全量に対し、10〜90モル%含むことが好まし
い。
を示す。)で表される4価の有機基の群から選択される
少なくとも1種であることが好ましい。上記一般式
(2)に示される有機基を有する酸二無水物は、酸二無
水物全量に対し、10〜90モル%含むことが好まし
い。
【0026】さらに、前記一般式(1)中のBが、化3
【0027】
【化3】 (I群)
【0028】で表される4価の有機基の群(I群)から
選択される少なくとも1種であることが好ましい。
選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0029】さらに、ジアミンとして、前記一般式
(1)中のX,Yが熱可塑性を付与するモノマーである
一般式(3)化4
(1)中のX,Yが熱可塑性を付与するモノマーである
一般式(3)化4
【0030】
【化4】 一般式(3)
【0031】(式中、R3 は2価の有機基を示
す。)、及び化5
す。)、及び化5
【0032】
【化5】 (II 群)
【0033】で表される2価の有機基の群(II群)から
選択される少なくとも1種であることが好ましい。
選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0034】本発明の管状物の材料として用いられる熱
可塑性ポリイミドは、上記構造の酸二無水物およびジア
ミンを組み合わせた共重合体として用いることが好まし
い。
可塑性ポリイミドは、上記構造の酸二無水物およびジア
ミンを組み合わせた共重合体として用いることが好まし
い。
【0035】媒体搬送ベルトに用いられる管状物12を
形成する高分子材料は、例えば、上述の熱可塑性ポリイ
ミドのみからなるフィルムを用いてもよいが、熱可塑性
ポリイミドに他の樹脂を添加した混合物を混合したもの
から成るフィルムを用いてもよい。この場合、一般式
(1)を主成分として、80wt%〜90wt%含むこ
とが好ましい。
形成する高分子材料は、例えば、上述の熱可塑性ポリイ
ミドのみからなるフィルムを用いてもよいが、熱可塑性
ポリイミドに他の樹脂を添加した混合物を混合したもの
から成るフィルムを用いてもよい。この場合、一般式
(1)を主成分として、80wt%〜90wt%含むこ
とが好ましい。
【0036】ここで、本発明の耐熱性樹脂ベルトに適用
し得る熱可塑性ポリイミドの製造方法の一例を示す。熱
可塑性ポリイミドは、まず、上記一般式(2)に示す分
子鎖中にエステル基を有する酸二無水物及び上記I群に
示す有機基を有する芳香族酸二無水物から成る酸二無水
物と、上記一般式(3)を有するジアミン及び上記II群
から選択される有機基を有するジアミンとを有機溶媒中
にて反応させ、ポリイミドの前駆体溶液であるポリアミ
ド酸溶液を得る。そして、さらに加熱乾燥させてイミド
化させることにより、ポリイミドが得られる。しかし、
この実施形態は例示であって、これに限定されない。
し得る熱可塑性ポリイミドの製造方法の一例を示す。熱
可塑性ポリイミドは、まず、上記一般式(2)に示す分
子鎖中にエステル基を有する酸二無水物及び上記I群に
示す有機基を有する芳香族酸二無水物から成る酸二無水
物と、上記一般式(3)を有するジアミン及び上記II群
から選択される有機基を有するジアミンとを有機溶媒中
にて反応させ、ポリイミドの前駆体溶液であるポリアミ
ド酸溶液を得る。そして、さらに加熱乾燥させてイミド
化させることにより、ポリイミドが得られる。しかし、
この実施形態は例示であって、これに限定されない。
【0037】また、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、一般式
(4)化6
る非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、一般式
(4)化6
【0038】
【化6】 一般式(4)
【0039】(但し、R4 は、化7
【0040】
【化7】
【0041】で表される4価の有機基であり、R5 は
水素原子又は1価の置換基であり、m,nは整数であ
り、n /m =0〜100の値をとる。)で表される構
造式の樹脂から成るフィルムを用いることができるが、
これに限定されない。
水素原子又は1価の置換基であり、m,nは整数であ
り、n /m =0〜100の値をとる。)で表される構
造式の樹脂から成るフィルムを用いることができるが、
これに限定されない。
【0042】非熱可塑性ポリイミドフィルムの中には、
熱硬化性ポリイミド樹脂あるいは反応硬化型ポリイミド
樹脂などとして表される樹脂を全て含む。非熱可塑性ポ
リイミドフィルムとして、たとえば非熱可塑性ポリイミ
ド樹脂のみから成るフィルムを用いてもよいが、非熱可
塑性ポリイミドフィルムに添加物を混合したものから成
るフィルムを用いてもよい。非熱可塑性ポリイミドフィ
ルムに添加物を混合するには、その前駆体に添加物が混
合される。
熱硬化性ポリイミド樹脂あるいは反応硬化型ポリイミド
樹脂などとして表される樹脂を全て含む。非熱可塑性ポ
リイミドフィルムとして、たとえば非熱可塑性ポリイミ
ド樹脂のみから成るフィルムを用いてもよいが、非熱可
塑性ポリイミドフィルムに添加物を混合したものから成
るフィルムを用いてもよい。非熱可塑性ポリイミドフィ
ルムに添加物を混合するには、その前駆体に添加物が混
合される。
【0043】これらの樹脂をフィルムとし、単層または
2以上積層して本発明の媒体搬送ベルトに用いられる管
状物を製造する。
2以上積層して本発明の媒体搬送ベルトに用いられる管
状物を製造する。
【0044】管状物12を形成する方法をより具体的に
説明すれば、非熱可塑性高分子材料フィルムの両端部を
熱可塑性材料で接合して管状に形成する方法や、熱可塑
性高分子材料フィルムの両端部を加熱して接合すること
により管状に形成する方法、あるいは非熱可塑性高分子
材料フィルムと熱可塑性高分子材料フィルムとをそれぞ
れの突き合わせ端部の位置をずらせて積層し且つ管状に
して、加熱接合することにより管状に形成する方法を用
いることができる。さらに、非熱可塑性高分子材料ある
いは熱可塑性高分子材料を金型などにより直接管状に成
形する方法、ワニス状にして型の上に均一に塗布する方
法なども用いることができ、いずれの方法で管状物12
を成形してもよく、特に限定されない。また、管状物1
2は、所定の電極パターン14および/あるいは電極保
護層16を高分子材料フィルム上に形成させた後で管状
にすることで得ても良い。
説明すれば、非熱可塑性高分子材料フィルムの両端部を
熱可塑性材料で接合して管状に形成する方法や、熱可塑
性高分子材料フィルムの両端部を加熱して接合すること
により管状に形成する方法、あるいは非熱可塑性高分子
材料フィルムと熱可塑性高分子材料フィルムとをそれぞ
れの突き合わせ端部の位置をずらせて積層し且つ管状に
して、加熱接合することにより管状に形成する方法を用
いることができる。さらに、非熱可塑性高分子材料ある
いは熱可塑性高分子材料を金型などにより直接管状に成
形する方法、ワニス状にして型の上に均一に塗布する方
法なども用いることができ、いずれの方法で管状物12
を成形してもよく、特に限定されない。また、管状物1
2は、所定の電極パターン14および/あるいは電極保
護層16を高分子材料フィルム上に形成させた後で管状
にすることで得ても良い。
【0045】上記のように形成された管状物12の表面
に、所定のパターンの電極14が形成される。電極パタ
ーン14には交互にその端部が延び出され、端部に電圧
を印加し得るように構成されている。電極パターン14
は、銀,銅,アルミニウム,カーボンなどから成る導電
性ペーストを管状物12又は電極保護層16の表面にス
クリーン印刷したり、アルミニウムや銅などの金属箔や
金属薄膜を管状物12の表面に被着させた後、エッチン
グすることにより、所定のパターンに形成したり、ある
いは所定のパターンが形成されたマスクを介してアルミ
ニウムなどの金属を蒸着させることにより、所定のパタ
ーンに形成したりして構成される。電極パターン14は
図示した形状に限定されるものではなく、たとえば櫛歯
状に形成するとともに、その櫛歯と櫛歯が噛み合ったパ
ターンとすることができる。電極パターン14の厚みは
電極パターン14による表面の凹凸を考慮すると、10
μmより薄く、好ましくは5μmより薄くするのがよ
い。さらに、電極パターン14の線幅やピッチは任意で
あり、種々設定することが可能である。
に、所定のパターンの電極14が形成される。電極パタ
ーン14には交互にその端部が延び出され、端部に電圧
を印加し得るように構成されている。電極パターン14
は、銀,銅,アルミニウム,カーボンなどから成る導電
性ペーストを管状物12又は電極保護層16の表面にス
クリーン印刷したり、アルミニウムや銅などの金属箔や
金属薄膜を管状物12の表面に被着させた後、エッチン
グすることにより、所定のパターンに形成したり、ある
いは所定のパターンが形成されたマスクを介してアルミ
ニウムなどの金属を蒸着させることにより、所定のパタ
ーンに形成したりして構成される。電極パターン14は
図示した形状に限定されるものではなく、たとえば櫛歯
状に形成するとともに、その櫛歯と櫛歯が噛み合ったパ
ターンとすることができる。電極パターン14の厚みは
電極パターン14による表面の凹凸を考慮すると、10
μmより薄く、好ましくは5μmより薄くするのがよ
い。さらに、電極パターン14の線幅やピッチは任意で
あり、種々設定することが可能である。
【0046】さらに、電極パターン14が形成された管
状物12の外周表面上には、電極保護層16が形成され
て、電極パターン14が外力から保護されている。電極
保護層は1層で形成されても良いし、2層以上で形成さ
れても構わない。また、媒体搬送ベルト表面の硬度を高
めたり、撥水性を高めたり、摩擦係数を下げるために、
電極保護層の上に最外周層を形成しても構わない。
状物12の外周表面上には、電極保護層16が形成され
て、電極パターン14が外力から保護されている。電極
保護層は1層で形成されても良いし、2層以上で形成さ
れても構わない。また、媒体搬送ベルト表面の硬度を高
めたり、撥水性を高めたり、摩擦係数を下げるために、
電極保護層の上に最外周層を形成しても構わない。
【0047】本発明においては、媒体搬送ベルトの電極
保護層の高温高湿下での体積固有抵抗を1.0×107
〜1.0×1013Ω・cm、より好ましくは1.0×
108〜1.0×1012Ω・cmに制御する。
保護層の高温高湿下での体積固有抵抗を1.0×107
〜1.0×1013Ω・cm、より好ましくは1.0×
108〜1.0×1012Ω・cmに制御する。
【0048】上記のように、電極保護層の体積固有抵抗
が1.0×1010〜1.0×101 4Ω・cmの場合
には、電極(高電位)→電極保護層→空気層→紙→空気
層→電極保護層→電極(低電位)の経路で電流が流れ、
空気層には、電極保護層と空気層と紙で分圧された分の
電圧がかかる。この空気層にかかる電圧に比例した電荷
が空気層に誘起され、この電荷によって紙は吸着され
る。高温高湿下では、吸着力は、高温高湿下では紙、空
気層は吸湿し体積固有抵抗が低下するため、電極保護層
に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下しない材料を用い
れば、空気層にかかる電圧が減り、空気層に誘起される
電荷量が低下し吸着力は低下すると考えられる。一方で
電極保護層に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下する材
料を用いれば、空気層にかかる電圧が増え、空気層に誘
起される電荷量が増加し吸着力は増加すると考えられ
る。
が1.0×1010〜1.0×101 4Ω・cmの場合
には、電極(高電位)→電極保護層→空気層→紙→空気
層→電極保護層→電極(低電位)の経路で電流が流れ、
空気層には、電極保護層と空気層と紙で分圧された分の
電圧がかかる。この空気層にかかる電圧に比例した電荷
が空気層に誘起され、この電荷によって紙は吸着され
る。高温高湿下では、吸着力は、高温高湿下では紙、空
気層は吸湿し体積固有抵抗が低下するため、電極保護層
に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下しない材料を用い
れば、空気層にかかる電圧が減り、空気層に誘起される
電荷量が低下し吸着力は低下すると考えられる。一方で
電極保護層に高温高湿下でも体積固有抵抗が低下する材
料を用いれば、空気層にかかる電圧が増え、空気層に誘
起される電荷量が増加し吸着力は増加すると考えられ
る。
【0049】すなわち、本発明は、高温高湿下になると
空気層や紙(1.0×107〜1.0×108Ω・c
m)と同程度かもしくはそれ以上に体積固有抵抗の値が
低下する材料を電極保護層に使用することを特徴とす
る。具体的には、電極保護層の高温高湿下での体積固有
抵抗の値を1.0×107〜1.0×1013Ω・cm、
より好ましくは1.0×108〜1.0×1012Ω・c
mに制御することで、吸着力を増加することができる。
空気層や紙(1.0×107〜1.0×108Ω・c
m)と同程度かもしくはそれ以上に体積固有抵抗の値が
低下する材料を電極保護層に使用することを特徴とす
る。具体的には、電極保護層の高温高湿下での体積固有
抵抗の値を1.0×107〜1.0×1013Ω・cm、
より好ましくは1.0×108〜1.0×1012Ω・c
mに制御することで、吸着力を増加することができる。
【0050】なお、本発明の体積固有抵抗は、電極保護
層樹脂を100μmのフィルムに調整し、常温常湿(N
N:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・80
%)の条件で、24時間放置後、東亜電波工業株式会社
製SM−10を用いて電圧500V印加時に測定したも
のである。
層樹脂を100μmのフィルムに調整し、常温常湿(N
N:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・80
%)の条件で、24時間放置後、東亜電波工業株式会社
製SM−10を用いて電圧500V印加時に測定したも
のである。
【0051】媒体搬送ベルトの電極保護層の高温高湿下
での体積固有抵抗を1.0×107〜1.0×1013
Ω・cm、より好ましくは1.0×108〜1.0×1
012Ω・cmに制御するために、本発明においては、
電極保護層の吸水率は2%以上、好ましくは3%以上、
さらに好ましくは4%以上に調整する。ここで、電極保
護層の吸水率の調整は、吸水率の高い樹脂を選択するこ
と、樹脂、無機材料に吸水率を調整する添加剤を加える
ことによってなされる。
での体積固有抵抗を1.0×107〜1.0×1013
Ω・cm、より好ましくは1.0×108〜1.0×1
012Ω・cmに制御するために、本発明においては、
電極保護層の吸水率は2%以上、好ましくは3%以上、
さらに好ましくは4%以上に調整する。ここで、電極保
護層の吸水率の調整は、吸水率の高い樹脂を選択するこ
と、樹脂、無機材料に吸水率を調整する添加剤を加える
ことによってなされる。
【0052】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層の材
料は、特に限定されないが、樹脂、複合樹脂または複合
無機材料等が挙げられる。
料は、特に限定されないが、樹脂、複合樹脂または複合
無機材料等が挙げられる。
【0053】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層が樹
脂単体で形成される場合には、吸水率が2%以上、好ま
しくは3%以上、さらに好ましくは4%以上の樹脂が良
い。例えば、吸水率が2%以上、好ましくは3%以上、
さらに好ましくは4%以上のエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アミド樹脂からなる群より選択される1種類または
2種類以上の組み合わせが挙げられる。
脂単体で形成される場合には、吸水率が2%以上、好ま
しくは3%以上、さらに好ましくは4%以上の樹脂が良
い。例えば、吸水率が2%以上、好ましくは3%以上、
さらに好ましくは4%以上のエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アミド樹脂からなる群より選択される1種類または
2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0054】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層を構
成する、「複合樹脂、複合無機材料」とは、樹脂、無機
材料に添加剤を混合した樹脂のことをいう。このような
添加剤としては、吸水率を調整する添加剤の他、線膨張
係数を調整する添加剤、体積抵抗率を調整する添加剤、
誘電率を調整する添加剤なども挙げられる。
成する、「複合樹脂、複合無機材料」とは、樹脂、無機
材料に添加剤を混合した樹脂のことをいう。このような
添加剤としては、吸水率を調整する添加剤の他、線膨張
係数を調整する添加剤、体積抵抗率を調整する添加剤、
誘電率を調整する添加剤なども挙げられる。
【0055】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層を構
成する複合樹脂の基材となる樹脂としては、熱可塑性樹
脂、非熱可塑性樹脂、ゴム、および熱可塑性エラストマ
ーが挙げられる。この中には、熱硬化性樹脂、反応硬化
性樹脂、あるいはアイオノマーとして知られている樹脂
も含まれる。より具体的には、イソブチレン無水マレイ
ン酸コポリマー、AAS(アクリロニトリル−アクリル
−スチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル−エ
チレン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリル
−スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体)、ACS(アクリロニト
リル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)、MB
S(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
合体)、エチレン−塩ビ共重合体、EVA(エチレン−
酢酸ビニル共重合体)、EVA系(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系)樹脂、EVOH(エチレンビニルアルコ
ール共重合体)、ポリ酢酸ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ール、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カ
ルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹
脂、プロピオン酸ビニル樹脂、PE(ポリエチレン)、
PP(ポリプロピレン)、TPX(ポリメチルペンテ
ン)、ポリブタジエン、PS(ポリスチレン)、スチレ
ン無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸ポリマー、E
MAA(エチレンメタクリル酸ポリマー)、PMMA
(ポリメチルメタクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニ
ール)、ポリ塩化ビニリデン、PVA(ポリビニルアル
コール)、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂、ナイロ
ン6、ナイロン6共重合体、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、
共重合ナイロン、ナイロンMXD、ナイロン46、メト
キシメチル化ナイロン、アラミド樹脂、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフ
タレート)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリ
アセタール)、ポリエチレンオキシド、PPE(ポリフ
ェニレンエーテル)、変性PPE(ポリフェニレンエー
テル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、P
ES(ポリエーテルサルフォン)、PSO(ポリサルフ
ォン)、ポリアミンサルフォン、PPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)、PAR(ポリアリレート)、ポリパ
ラビニールフェノール、ポリパラメチレンスチレン、ポ
リアリルアミン、芳香族ポリエステル、液晶ポリマー、
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE
(ポリテトラフルオロエチレン−エチレン)、FEP
(ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン)、EPE(ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル)、PFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル)、PCTFE(ポリク
ロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレ
ン−クロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビ
ニリデンフルオライド系樹脂)、PVF(ポリビニルフ
ルオライド)、PU(ポリウレタン)、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、オリゴエステ
ルアクリレート、ジアリルフタレート樹脂、DKF樹
脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、PI
(ポリイミド系樹脂)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PAI(ポリアミドイミド)、アクリルシリコー
ン樹脂、シリコーン樹脂、ポリ(p−ヒドロキシ安息香
酸)、マレイン酸樹脂、NR(天然ゴム)、IR(イソ
プレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、B
R(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、I
IR(イソブチレン・イソプレンゴム)、NBR(ニト
リルブタジエンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、C
PE(塩素化ポリエチレンゴム)、CSM(クロロスル
フォン化ポリエチレンゴム)、ACM(アクリルゴ
ム)、エチレンアクリルゴム、U(ウレタンゴム)、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレンプロピレ
ンゴム、CHR(エピクロルヒドリンゴム)、多硫化ゴ
ム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、液
状ゴム、ノルボルネンゴム、TPO(オレフィン系熱可
塑性エラストマ)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラス
トマ)、PVC(塩ビ系熱可塑性エラストマ)、TPS
(スチレン系熱可塑性エラストマ)、TREE(ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマ)、PA系樹脂(ポリアミ
ドエラストマ)、PB系樹脂(ブタジエンエラスト
マ)、軟質フッ素樹脂、フッ素系エラストマ、弾性エポ
キシ樹脂等またはこれらの中から選択される2種類以上
の樹脂の組み合わせが挙げられる。
成する複合樹脂の基材となる樹脂としては、熱可塑性樹
脂、非熱可塑性樹脂、ゴム、および熱可塑性エラストマ
ーが挙げられる。この中には、熱硬化性樹脂、反応硬化
性樹脂、あるいはアイオノマーとして知られている樹脂
も含まれる。より具体的には、イソブチレン無水マレイ
ン酸コポリマー、AAS(アクリロニトリル−アクリル
−スチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル−エ
チレン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリル
−スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体)、ACS(アクリロニト
リル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)、MB
S(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
合体)、エチレン−塩ビ共重合体、EVA(エチレン−
酢酸ビニル共重合体)、EVA系(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系)樹脂、EVOH(エチレンビニルアルコ
ール共重合体)、ポリ酢酸ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ール、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カ
ルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹
脂、プロピオン酸ビニル樹脂、PE(ポリエチレン)、
PP(ポリプロピレン)、TPX(ポリメチルペンテ
ン)、ポリブタジエン、PS(ポリスチレン)、スチレ
ン無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸ポリマー、E
MAA(エチレンメタクリル酸ポリマー)、PMMA
(ポリメチルメタクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニ
ール)、ポリ塩化ビニリデン、PVA(ポリビニルアル
コール)、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂、ナイロ
ン6、ナイロン6共重合体、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、
共重合ナイロン、ナイロンMXD、ナイロン46、メト
キシメチル化ナイロン、アラミド樹脂、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフ
タレート)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリ
アセタール)、ポリエチレンオキシド、PPE(ポリフ
ェニレンエーテル)、変性PPE(ポリフェニレンエー
テル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、P
ES(ポリエーテルサルフォン)、PSO(ポリサルフ
ォン)、ポリアミンサルフォン、PPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)、PAR(ポリアリレート)、ポリパ
ラビニールフェノール、ポリパラメチレンスチレン、ポ
リアリルアミン、芳香族ポリエステル、液晶ポリマー、
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE
(ポリテトラフルオロエチレン−エチレン)、FEP
(ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン)、EPE(ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル)、PFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル)、PCTFE(ポリク
ロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレ
ン−クロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビ
ニリデンフルオライド系樹脂)、PVF(ポリビニルフ
ルオライド)、PU(ポリウレタン)、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、オリゴエステ
ルアクリレート、ジアリルフタレート樹脂、DKF樹
脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、PI
(ポリイミド系樹脂)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PAI(ポリアミドイミド)、アクリルシリコー
ン樹脂、シリコーン樹脂、ポリ(p−ヒドロキシ安息香
酸)、マレイン酸樹脂、NR(天然ゴム)、IR(イソ
プレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、B
R(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、I
IR(イソブチレン・イソプレンゴム)、NBR(ニト
リルブタジエンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、C
PE(塩素化ポリエチレンゴム)、CSM(クロロスル
フォン化ポリエチレンゴム)、ACM(アクリルゴ
ム)、エチレンアクリルゴム、U(ウレタンゴム)、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレンプロピレ
ンゴム、CHR(エピクロルヒドリンゴム)、多硫化ゴ
ム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、液
状ゴム、ノルボルネンゴム、TPO(オレフィン系熱可
塑性エラストマ)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラス
トマ)、PVC(塩ビ系熱可塑性エラストマ)、TPS
(スチレン系熱可塑性エラストマ)、TREE(ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマ)、PA系樹脂(ポリアミ
ドエラストマ)、PB系樹脂(ブタジエンエラスト
マ)、軟質フッ素樹脂、フッ素系エラストマ、弾性エポ
キシ樹脂等またはこれらの中から選択される2種類以上
の樹脂の組み合わせが挙げられる。
【0056】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層を構
成する複合樹脂の樹脂としては、特に好ましくは、エポ
キシ樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、主鎖または側鎖
に−CH2−CF2−、−CH2−CHF−の構造を有
する樹脂、主鎖または側鎖に−CH2−CCl2−、−
CH2−CHCl−の構造を有する樹脂、またはこれら
の中から選択される2種類以上の樹脂の組み合わせであ
る。これらの構造を含む樹脂は高温高湿時の絶縁性が高
いので好ましい。
成する複合樹脂の樹脂としては、特に好ましくは、エポ
キシ樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、主鎖または側鎖
に−CH2−CF2−、−CH2−CHF−の構造を有
する樹脂、主鎖または側鎖に−CH2−CCl2−、−
CH2−CHCl−の構造を有する樹脂、またはこれら
の中から選択される2種類以上の樹脂の組み合わせであ
る。これらの構造を含む樹脂は高温高湿時の絶縁性が高
いので好ましい。
【0057】本発明のエポキシ樹脂としては、1分子中
に2個以上のエポキシ基を含有する必要があり、エポキ
シ基以外に、水酸基、アルコキシ基、ビニル基を含有し
ても差し支えない。具体的にはビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂、水添化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
Aノボラック型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂(住
友化学工業(株)製ESX220、ESX221、三井
化学(株)製VG3101等)、テトラフェニロールエ
タン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール
型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エチ
レングリコール型エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジル
エステル、フタル酸トリグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、アリサイクリックジエポキ
シアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシ
レート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ケイ素含有
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフ
タレン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC700
0、新日鐵化学(株)製ESN185、ESN375、
大日本インキ(株)製HP4032H等)、トリグリシ
ジルイソシアネート、ジグリシジルヒダントイン等が挙
げられ、2種以上組み合わせても用いることができる。
に2個以上のエポキシ基を含有する必要があり、エポキ
シ基以外に、水酸基、アルコキシ基、ビニル基を含有し
ても差し支えない。具体的にはビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂、水添化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
Aノボラック型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂(住
友化学工業(株)製ESX220、ESX221、三井
化学(株)製VG3101等)、テトラフェニロールエ
タン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール
型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エチ
レングリコール型エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジル
エステル、フタル酸トリグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、アリサイクリックジエポキ
シアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシ
レート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ケイ素含有
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフ
タレン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC700
0、新日鐵化学(株)製ESN185、ESN375、
大日本インキ(株)製HP4032H等)、トリグリシ
ジルイソシアネート、ジグリシジルヒダントイン等が挙
げられ、2種以上組み合わせても用いることができる。
【0058】本発明のエポキシ樹脂にはエポキシ硬化剤
が必要であり、エポキシ硬化剤としては、アミン、ポリ
アミノアミド、シアナートエステル、フェノール樹脂、
酸無水物、カルボン酸、ジシアンジアミド、有機酸ジヒ
ドラジド、三級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレ
ンステッド酸塩、ポリメルカプタン系硬化剤、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、イソシアネート、ブロックイソシア
ネート、潜在性硬化剤等が挙げられ、アミン、ポリアミ
ドイミド、フェノール樹脂、酸無水物、イミダゾールが
好ましい。これらエポキシ樹脂硬化剤は単独で用いて
も、2種以上組み合わせても用いることができる。
が必要であり、エポキシ硬化剤としては、アミン、ポリ
アミノアミド、シアナートエステル、フェノール樹脂、
酸無水物、カルボン酸、ジシアンジアミド、有機酸ジヒ
ドラジド、三級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレ
ンステッド酸塩、ポリメルカプタン系硬化剤、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、イソシアネート、ブロックイソシア
ネート、潜在性硬化剤等が挙げられ、アミン、ポリアミ
ドイミド、フェノール樹脂、酸無水物、イミダゾールが
好ましい。これらエポキシ樹脂硬化剤は単独で用いて
も、2種以上組み合わせても用いることができる。
【0059】また、本発明のアミド樹脂としては、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン11,ナイロン12、透明ナイロン、可溶
性ナイロン、共重合ナイロン、ポリアミドエラストマー
等からなる群より選択される1種類または2種類以上の
組み合わせが挙げられる。
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン11,ナイロン12、透明ナイロン、可溶
性ナイロン、共重合ナイロン、ポリアミドエラストマー
等からなる群より選択される1種類または2種類以上の
組み合わせが挙げられる。
【0060】ウレタン樹脂としては、エーテルウレタ
ン、エステルウレタン等からなる群より選択される1種
類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
ン、エステルウレタン等からなる群より選択される1種
類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0061】また、本発明の−CH2−CF2−、−C
H2−CHF−の構造を有する樹脂としては、 PVD
F(ポリビニリデンフルオライド系)、PVF(ポリビ
ニルフルオライド)、ビニリデンフルオライド−ヘキサ
フルオロプロピレン系ゴム、ビニリデンフルオライド−
ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系
ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピ
レン系ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロ
プロピレン−テトラフルオロエチレン系ゴム、ビニリデ
ンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−
テトラフルオロエチレン系ゴム、ビニリデンフルオライ
ド−クロロトリフルオロエチレン系ゴム、フッ素ゴム
(代表的には、ダイエルT−530、ダイエルT−63
0(ダイキン化学工業(株)製)の熱可塑性フッ素ゴ
ム)、軟質フッ素樹脂(代表的には、セフラルソフトG
150F100N、セフラルソフトG150F200
等)、フッ素エラストマ等等からなる群より選択される
1種類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
H2−CHF−の構造を有する樹脂としては、 PVD
F(ポリビニリデンフルオライド系)、PVF(ポリビ
ニルフルオライド)、ビニリデンフルオライド−ヘキサ
フルオロプロピレン系ゴム、ビニリデンフルオライド−
ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系
ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピ
レン系ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロ
プロピレン−テトラフルオロエチレン系ゴム、ビニリデ
ンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−
テトラフルオロエチレン系ゴム、ビニリデンフルオライ
ド−クロロトリフルオロエチレン系ゴム、フッ素ゴム
(代表的には、ダイエルT−530、ダイエルT−63
0(ダイキン化学工業(株)製)の熱可塑性フッ素ゴ
ム)、軟質フッ素樹脂(代表的には、セフラルソフトG
150F100N、セフラルソフトG150F200
等)、フッ素エラストマ等等からなる群より選択される
1種類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0062】さらにまた、本発明の−CH2−CCl2
−、−CH2−CHCl−の構造を有する樹脂として
は、PVC(ポリビニルクロライド)、PVDC(ポリ塩
化ビニル)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエーテル、エチレン−酢ビ−塩ビ共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、アクリル変性ポリ
塩化ビニル、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴ
ム 、塩素エラストマ等からなる群より選択される1種
類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
−、−CH2−CHCl−の構造を有する樹脂として
は、PVC(ポリビニルクロライド)、PVDC(ポリ塩
化ビニル)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエーテル、エチレン−酢ビ−塩ビ共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、アクリル変性ポリ
塩化ビニル、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴ
ム 、塩素エラストマ等からなる群より選択される1種
類または2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0063】本発明の媒体搬送ベルトの電極保護層を構
成する複合無機材料の無機材料としては、ゾル−ゲル反
応や有機反応等の化学反応を利用したハードコート材料
が挙げられる。具体的には、有機ケイ素系化合物、有機
チタン系化合物、有機アルミニウム系化合物、有機ジル
コニウム系化合物、有機ホウ素系化合物等またはこれら
の中から選択される2種類以上の無機材料の組み合わせ
が挙げられる。
成する複合無機材料の無機材料としては、ゾル−ゲル反
応や有機反応等の化学反応を利用したハードコート材料
が挙げられる。具体的には、有機ケイ素系化合物、有機
チタン系化合物、有機アルミニウム系化合物、有機ジル
コニウム系化合物、有機ホウ素系化合物等またはこれら
の中から選択される2種類以上の無機材料の組み合わせ
が挙げられる。
【0064】上記無機材料に添加剤を加える場合、加え
られる無機添加剤としては、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、炭化けい素、窒化けい素、窒化ホウ
素、ムライト、マグネシア、ステアタイト、フォルステ
ライト、ジルコン、コージェライト、ガラス、マイカ等
のセラミック材料や粘土鉱物等が挙げられる。これらの
2種類以上の混合物でもよい。
られる無機添加剤としては、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、炭化けい素、窒化けい素、窒化ホウ
素、ムライト、マグネシア、ステアタイト、フォルステ
ライト、ジルコン、コージェライト、ガラス、マイカ等
のセラミック材料や粘土鉱物等が挙げられる。これらの
2種類以上の混合物でもよい。
【0065】本発明においては、電極保護層の吸水率を
上げる為に、前述の複合樹脂用の樹脂、複合無機材料用
の無機材料に、吸水率を調整する添加剤を添加すること
ができる。吸水率を調整する添加剤としては、ポリエー
テル系、エピハロヒドリン系、4級アンモニウム塩系、
スルホン酸系、ベタイン系、高分子電荷移動型結合体
系、アミド系、ウレタン系、ニトリル系高分子添加剤、
無機フィラー等からなる群より選択される1種類または
2種類以上の組み合わせが挙げられる。
上げる為に、前述の複合樹脂用の樹脂、複合無機材料用
の無機材料に、吸水率を調整する添加剤を添加すること
ができる。吸水率を調整する添加剤としては、ポリエー
テル系、エピハロヒドリン系、4級アンモニウム塩系、
スルホン酸系、ベタイン系、高分子電荷移動型結合体
系、アミド系、ウレタン系、ニトリル系高分子添加剤、
無機フィラー等からなる群より選択される1種類または
2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0066】本発明の吸水率を調整するポリエーテル系
添加剤、エピハロヒドリン系添加剤としては、−CH2
−CH2−O−、−CH2−CHR−O−の構造を含む
樹脂が挙げられ、ポリエチレンオキシド、ポリエーテル
エステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレン
オキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート共重合体等が挙
げられる。
添加剤、エピハロヒドリン系添加剤としては、−CH2
−CH2−O−、−CH2−CHR−O−の構造を含む
樹脂が挙げられ、ポリエチレンオキシド、ポリエーテル
エステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレン
オキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート共重合体等が挙
げられる。
【0067】また、本発明の吸水率を調整する4級アン
モニウム塩系添加剤としては、4級アンモニウム塩基含
有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩
基含有マレイミド共重合体、4級アンモニウム塩基含有
メタクリルイミド共重合体等に挙げられ、スルホン酸系
添加剤としてはポリスチレンスルホン酸ソーダ等が挙げ
られ、ベタイン系添加剤としてはカルボベタイングラフ
ト共重合体等が挙げられ、高分子電荷移動型結合体とし
ては電荷移動型ボロンポリマー((株)ボロンインター
ナショナル)等が挙げられる。
モニウム塩系添加剤としては、4級アンモニウム塩基含
有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩
基含有マレイミド共重合体、4級アンモニウム塩基含有
メタクリルイミド共重合体等に挙げられ、スルホン酸系
添加剤としてはポリスチレンスルホン酸ソーダ等が挙げ
られ、ベタイン系添加剤としてはカルボベタイングラフ
ト共重合体等が挙げられ、高分子電荷移動型結合体とし
ては電荷移動型ボロンポリマー((株)ボロンインター
ナショナル)等が挙げられる。
【0068】さらにまた、本発明の吸水率を調整するウ
レタン系添加剤、アミド添加剤としては、−NH−CO
−、− NH−CO−NH−の構造を含む樹脂が挙げら
れ、アミド系添加剤としてはナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロンMXD、ナイロン46、可溶性
ナイロン、共重合ナイロン、ナイロンエラストマー、透
明ナイロン(非晶性ナイロン)等が挙げられ、ウレタン
系添加剤としてはエーテルウレタン樹脂、エステルウレ
タン樹脂等が挙げられる。
レタン系添加剤、アミド添加剤としては、−NH−CO
−、− NH−CO−NH−の構造を含む樹脂が挙げら
れ、アミド系添加剤としてはナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロンMXD、ナイロン46、可溶性
ナイロン、共重合ナイロン、ナイロンエラストマー、透
明ナイロン(非晶性ナイロン)等が挙げられ、ウレタン
系添加剤としてはエーテルウレタン樹脂、エステルウレ
タン樹脂等が挙げられる。
【0069】さらにまた、本発明の吸水率を調整するニ
トリル系添加剤としては、−CH2−CHCN−の構造
を含む樹脂で挙げられる。
トリル系添加剤としては、−CH2−CHCN−の構造
を含む樹脂で挙げられる。
【0070】さらにまた、本発明の吸水率を調整する添
加剤として無機フィラーが挙げられ、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、マグネシア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、ムライト、フォルステライ
ト、ステアタイト、コージェライト、マイカ、粘土鉱
物、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸
鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウ
ムなどを挙げることができる。無機フィラーの形状は特
に制限されないが、たとえば球形、フレーク状、ウイス
カー状などがあり、絶縁性を落とさず、吸水率を高める
ためには、球状が好ましい。また、無機フィラーの大き
さは特に制限はないが、たとえば球形の場合は、その平
均粒子径が通常50μm以下のものが好ましく、平均粒
子径が10μm以下のものがより好ましく、平均粒子径
が1μm以下のものがさらに好ましい。ウイスカー状の
場合は、長さが100μm以下、径が5μm以下のもの
を用いることができる。絶縁性を落とさず、吸水率を高
めるためには、大きさは小さいものほど好ましい。
加剤として無機フィラーが挙げられ、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、マグネシア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、ムライト、フォルステライ
ト、ステアタイト、コージェライト、マイカ、粘土鉱
物、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸
鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウ
ムなどを挙げることができる。無機フィラーの形状は特
に制限されないが、たとえば球形、フレーク状、ウイス
カー状などがあり、絶縁性を落とさず、吸水率を高める
ためには、球状が好ましい。また、無機フィラーの大き
さは特に制限はないが、たとえば球形の場合は、その平
均粒子径が通常50μm以下のものが好ましく、平均粒
子径が10μm以下のものがより好ましく、平均粒子径
が1μm以下のものがさらに好ましい。ウイスカー状の
場合は、長さが100μm以下、径が5μm以下のもの
を用いることができる。絶縁性を落とさず、吸水率を高
めるためには、大きさは小さいものほど好ましい。
【0071】本発明の吸水率を調整する添加剤の含有割
合は、電極保護層の高温高湿下での体積固有抵抗が1.
0×107〜1.0×1013Ω・cm、より好ましく
は1.0×108〜1.0×1012Ω・cmに制御
し、かつ電極保護層の吸水率が2%以上、好ましくは3
%以上、さらに好ましくは4%以上になるように適宜配
合される。具体的には、電極保護を形成する全材料の体
積に対して、30vol%以下、好ましくは20vol
%以下、さらに好ましくは10vol%以下である。3
0vol%を超えると、体積固有抵抗の値が低下しすぎ
たり、絶縁性が悪化するため好ましくない。添加剤を材
料に混練する場合は、三本ロール、熱ロールや1軸又は
2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにする。
合は、電極保護層の高温高湿下での体積固有抵抗が1.
0×107〜1.0×1013Ω・cm、より好ましく
は1.0×108〜1.0×1012Ω・cmに制御
し、かつ電極保護層の吸水率が2%以上、好ましくは3
%以上、さらに好ましくは4%以上になるように適宜配
合される。具体的には、電極保護を形成する全材料の体
積に対して、30vol%以下、好ましくは20vol
%以下、さらに好ましくは10vol%以下である。3
0vol%を超えると、体積固有抵抗の値が低下しすぎ
たり、絶縁性が悪化するため好ましくない。添加剤を材
料に混練する場合は、三本ロール、熱ロールや1軸又は
2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにする。
【0072】本発明においては、電極保護層の線膨張係
数を下げるために、前述の複合樹脂用の樹脂、複合無機
材料用の無機材料に、線膨張係数を調整する添加剤を添
加することができる。線膨張係数を調整する添加剤とし
ては、粒状、球状、板状、フレーク状、繊維状フィラー
が挙げられ、特に好ましくは、繊維状フィラーが挙げら
れる。具体的にはホウ酸アルミニウムウィスカー、炭化
ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、チタン酸カ
リウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ
ー、酸化亜鉛ウィスカー、グラファイト、マグネシアウ
ィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、リン酸カルシウ
ムナトリウムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカ
ー、二ホウ化チタンウィスカー、アルミナウィスカー、
クリソタイルウィスカー、ワラストナイトウィスカー、
ガラス繊維、チラノ繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア
繊維、アルミナ繊維、炭素繊維が挙げられ、特に好まし
くはホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウム
ウィスカーである。これらの2種類以上の混合物でもよ
い。繊維状フィラーのサイズは、長さは50μm以下、
径は5μm以下のものが好ましく、さらに好ましくは、
長さは30μm以下、径は2μm以下のものである。径
が小さいものほど線膨張係数を低下させる効果が高く好
ましい。線膨張係数を調整する添加剤の含有割合は、電
極保護を形成する全材料の体積に対して、5vol%以
上好ましくは10vol%以上である。固体状の添加剤
を材料に混練する場合は、三本ロール、熱ロールや1軸
又は2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにす
る。
数を下げるために、前述の複合樹脂用の樹脂、複合無機
材料用の無機材料に、線膨張係数を調整する添加剤を添
加することができる。線膨張係数を調整する添加剤とし
ては、粒状、球状、板状、フレーク状、繊維状フィラー
が挙げられ、特に好ましくは、繊維状フィラーが挙げら
れる。具体的にはホウ酸アルミニウムウィスカー、炭化
ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、チタン酸カ
リウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ
ー、酸化亜鉛ウィスカー、グラファイト、マグネシアウ
ィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、リン酸カルシウ
ムナトリウムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカ
ー、二ホウ化チタンウィスカー、アルミナウィスカー、
クリソタイルウィスカー、ワラストナイトウィスカー、
ガラス繊維、チラノ繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア
繊維、アルミナ繊維、炭素繊維が挙げられ、特に好まし
くはホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウム
ウィスカーである。これらの2種類以上の混合物でもよ
い。繊維状フィラーのサイズは、長さは50μm以下、
径は5μm以下のものが好ましく、さらに好ましくは、
長さは30μm以下、径は2μm以下のものである。径
が小さいものほど線膨張係数を低下させる効果が高く好
ましい。線膨張係数を調整する添加剤の含有割合は、電
極保護を形成する全材料の体積に対して、5vol%以
上好ましくは10vol%以上である。固体状の添加剤
を材料に混練する場合は、三本ロール、熱ロールや1軸
又は2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにす
る。
【0073】本発明の電極保護層の常温常圧での体積固
有抵抗は、好ましくは1.0×109〜1.0×10
15Ω・cmであり、より好ましくは1.0×1010
〜1.0×1014Ω・cmがよく、且つ誘電率は
3.0以上であり、好ましくは5.0以上がよい。体積
固有抵抗が1.0×109 Ω・cmを下回った場合
は、隣り合う電極14間の絶縁性が不足し、リーク電流
が流れてしまう。また、体積固有抵抗が1.0×10
15Ω・cmを上回った場合は、電極保護層表面に、電
荷が誘起されにくくなり、吸着力は低くなる。また、電
極に印加する電圧を取り去った後でも、残留電荷が長く
残り、紙を吸着したままとなり好ましくない。一方、誘
電率が3.0を下回ると、電圧印加時にベルト表面の電
荷が不足し、紙の吸着力が不十分となるので好ましくな
い。
有抵抗は、好ましくは1.0×109〜1.0×10
15Ω・cmであり、より好ましくは1.0×1010
〜1.0×1014Ω・cmがよく、且つ誘電率は
3.0以上であり、好ましくは5.0以上がよい。体積
固有抵抗が1.0×109 Ω・cmを下回った場合
は、隣り合う電極14間の絶縁性が不足し、リーク電流
が流れてしまう。また、体積固有抵抗が1.0×10
15Ω・cmを上回った場合は、電極保護層表面に、電
荷が誘起されにくくなり、吸着力は低くなる。また、電
極に印加する電圧を取り去った後でも、残留電荷が長く
残り、紙を吸着したままとなり好ましくない。一方、誘
電率が3.0を下回ると、電圧印加時にベルト表面の電
荷が不足し、紙の吸着力が不十分となるので好ましくな
い。
【0074】ここで、電極保護層の体積固有抵抗を調整
するために、樹脂に導電性粉末を添加することができ
る。用いられる導電性粉末としては、カーボン粉末、グ
ラファイト、金属粉末、金属酸化物粉末、導電処理され
た金属酸化物、帯電防止剤などを挙げることができ、目
的に応じてこれらの中から選ばれる少なくとも1種以上
の導電性粉末が用いられる。導電性粉末の添加量は、目
的とする電極保護層の最外周層の体積固有抵抗によって
適宜設定されるが、通常電極保護層の最外周層または電
極保護内周層を形成する全体積に対して、2〜50vo
l%が好ましく、3〜30vol%がより好ましい。導
電性粉末の大きさは、目的に応じて適宜選択されるが、
平均粒子径が通常50μm以下のものが好ましく、平均
粒子径が10μm以下のものがより好ましく、平均粒子
径が1μm以下のものがさらに好ましい。
するために、樹脂に導電性粉末を添加することができ
る。用いられる導電性粉末としては、カーボン粉末、グ
ラファイト、金属粉末、金属酸化物粉末、導電処理され
た金属酸化物、帯電防止剤などを挙げることができ、目
的に応じてこれらの中から選ばれる少なくとも1種以上
の導電性粉末が用いられる。導電性粉末の添加量は、目
的とする電極保護層の最外周層の体積固有抵抗によって
適宜設定されるが、通常電極保護層の最外周層または電
極保護内周層を形成する全体積に対して、2〜50vo
l%が好ましく、3〜30vol%がより好ましい。導
電性粉末の大きさは、目的に応じて適宜選択されるが、
平均粒子径が通常50μm以下のものが好ましく、平均
粒子径が10μm以下のものがより好ましく、平均粒子
径が1μm以下のものがさらに好ましい。
【0075】また、電極保護層の最外周層または電極保
護内周層の誘電率を調整するために、高誘電率粉末を用
いることもできる。用いられる高誘電率粉末としては、
誘電率が50以上の無機粉末が用いられ、たとえば酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン
酸鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末な
どを挙げることができる。より好ましくは誘電率が10
0以上の無機粉体が用いられるのがよい。たとえばチタ
ン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化チタン、磁
性粉末を挙げることができる。
護内周層の誘電率を調整するために、高誘電率粉末を用
いることもできる。用いられる高誘電率粉末としては、
誘電率が50以上の無機粉末が用いられ、たとえば酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン
酸鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末な
どを挙げることができる。より好ましくは誘電率が10
0以上の無機粉体が用いられるのがよい。たとえばチタ
ン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化チタン、磁
性粉末を挙げることができる。
【0076】高誘電率粉末の形状は特に制限されない
が、たとえば球形、フレーク状、ウイスカー状などがあ
り、目的に応じてこれらの中から選ばれる少なくとも1
種以上の高誘電率粉末が用いられる。また、高誘電率粉
末の大きさは特に制限はないが、たとえば球形の場合
は、その平均粒子径が通常50μm以下のものが好まし
く、平均粒子径が10μm以下のものがより好ましく、
平均粒子径が1μm以下のものがさらに好ましい。ウイ
スカー状の場合は、長さが100μm以下、径が5μm
以下のものを用いることができる。さらに、高誘電率粉
末の添加量は、目的とする電極保護層の最外周層の誘電
率によって適宜設定されるが、通常5〜50vol%が
好ましく、10〜30vol%がより好ましい。
が、たとえば球形、フレーク状、ウイスカー状などがあ
り、目的に応じてこれらの中から選ばれる少なくとも1
種以上の高誘電率粉末が用いられる。また、高誘電率粉
末の大きさは特に制限はないが、たとえば球形の場合
は、その平均粒子径が通常50μm以下のものが好まし
く、平均粒子径が10μm以下のものがより好ましく、
平均粒子径が1μm以下のものがさらに好ましい。ウイ
スカー状の場合は、長さが100μm以下、径が5μm
以下のものを用いることができる。さらに、高誘電率粉
末の添加量は、目的とする電極保護層の最外周層の誘電
率によって適宜設定されるが、通常5〜50vol%が
好ましく、10〜30vol%がより好ましい。
【0077】ここで、本発明の媒体搬送ベルトは、傷つ
きを防止したり、インククリーニング性を改善するため
に、電極保護層の外に最外周層を形成しても良い。
きを防止したり、インククリーニング性を改善するため
に、電極保護層の外に最外周層を形成しても良い。
【0078】例えば、図4に示すように、本発明の媒体
搬送ベルトは、高分子材料により成形された管状物12
の外周表面に、導電性を有する電極パターン14が形成
されると共に、その電極パターン14上に電極保護層1
6が形成され、さらに最外周層20が形成されて構成さ
れる。
搬送ベルトは、高分子材料により成形された管状物12
の外周表面に、導電性を有する電極パターン14が形成
されると共に、その電極パターン14上に電極保護層1
6が形成され、さらに最外周層20が形成されて構成さ
れる。
【0079】傷つきを防止するためには、最外周層とし
てシリコーン系、アクリル系の有機系ハードコート材料
やゾル−ゲル法を利用した有機ケイ素系化合物、有機チ
タン系化合物、有機アルミニウム系化合物、有機ジルコ
ニウム系化合物、有機ホウ素系化合物等またはこれらの
中から選択される2種類以上の無機系ハードコート材料
等が挙げられる。
てシリコーン系、アクリル系の有機系ハードコート材料
やゾル−ゲル法を利用した有機ケイ素系化合物、有機チ
タン系化合物、有機アルミニウム系化合物、有機ジルコ
ニウム系化合物、有機ホウ素系化合物等またはこれらの
中から選択される2種類以上の無機系ハードコート材料
等が挙げられる。
【0080】インククリーニング性を改善するために、
最外周層として樹脂単体としては、PTFE、FEP、
PFA、FEPE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエー
テル共重合体)、ETFE、PCTFE、ECTFE、
PVDF、PVFであることが好ましい。さらにフッ素
系反応硬化型樹脂であることが好ましく、フッ素系反応
硬化型樹脂としては主鎖にF原子を含みかつ反応性基を
有する高分子と硬化剤からなる樹脂であると良い。反応
性基としては−OH、−COOH、−NH2等が挙げら
れ、硬化剤としてはイソシアネート、ブロックイソシア
ネート、エポキシ等が挙げられる。
最外周層として樹脂単体としては、PTFE、FEP、
PFA、FEPE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエー
テル共重合体)、ETFE、PCTFE、ECTFE、
PVDF、PVFであることが好ましい。さらにフッ素
系反応硬化型樹脂であることが好ましく、フッ素系反応
硬化型樹脂としては主鎖にF原子を含みかつ反応性基を
有する高分子と硬化剤からなる樹脂であると良い。反応
性基としては−OH、−COOH、−NH2等が挙げら
れ、硬化剤としてはイソシアネート、ブロックイソシア
ネート、エポキシ等が挙げられる。
【0081】さらに、インククリーニング性を改善する
ために、最外周層として樹脂単体としては、シリコーン
系樹脂であることが好ましく、ストレートシリコーン樹
脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコ
ーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリエステル
変性シリコーン樹脂等が挙げられる。鉛筆硬度を高くす
るために比誘電率が2.7以下であるシリコーン樹脂が
好ましい。さらに、シリコーン系樹脂が脱アルコール硬
化型、脱オキシム硬化型であると好ましく、特に脱オキ
シム型が好ましい。ここで、比誘電率とはJISK69
11に基づいて測定される値である。以下、本明細書で
比誘電率というときはこの測定値のことを言う。
ために、最外周層として樹脂単体としては、シリコーン
系樹脂であることが好ましく、ストレートシリコーン樹
脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコ
ーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリエステル
変性シリコーン樹脂等が挙げられる。鉛筆硬度を高くす
るために比誘電率が2.7以下であるシリコーン樹脂が
好ましい。さらに、シリコーン系樹脂が脱アルコール硬
化型、脱オキシム硬化型であると好ましく、特に脱オキ
シム型が好ましい。ここで、比誘電率とはJISK69
11に基づいて測定される値である。以下、本明細書で
比誘電率というときはこの測定値のことを言う。
【0082】さらに、摩擦を下げ接触角を高めてインク
クリーニング性を改善するために、最外周層を構成する
樹脂に、フッ素樹脂添加剤、シリコーン樹脂添加剤等の
添加剤を添加すると良い。フッ素樹脂添加剤としてはP
TFE、FEP、PFA、FEPE、ETFE、PCT
FE、ECTFEといったものが挙げられる。これらの
添加剤の形状は球状、針状、板状のいずれであっても良
い。添加剤の含有割合は、最外周層を形成する全材料の
体積に対して、5vol%以上好ましくは10vol%
以上さらに好ましくは15vol%以上である。固体状
の添加剤を材料に混練する場合は、熱ロールや1軸又は
2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにする。
クリーニング性を改善するために、最外周層を構成する
樹脂に、フッ素樹脂添加剤、シリコーン樹脂添加剤等の
添加剤を添加すると良い。フッ素樹脂添加剤としてはP
TFE、FEP、PFA、FEPE、ETFE、PCT
FE、ECTFEといったものが挙げられる。これらの
添加剤の形状は球状、針状、板状のいずれであっても良
い。添加剤の含有割合は、最外周層を形成する全材料の
体積に対して、5vol%以上好ましくは10vol%
以上さらに好ましくは15vol%以上である。固体状
の添加剤を材料に混練する場合は、熱ロールや1軸又は
2軸混練機等を使用して、均一に混合するようにする。
【0083】最外周層の厚みは、20μm以下、好まし
くは10μm以下、さらに好ましくは、5μm以下であ
る。厚みが20μm以上になると、そりが大幅に増加
し、紙搬送の安定性を損ねるからである。
くは10μm以下、さらに好ましくは、5μm以下であ
る。厚みが20μm以上になると、そりが大幅に増加
し、紙搬送の安定性を損ねるからである。
【0084】また、本発明において、電極保護層の最外
周層の体積固有抵抗の値は特に限定されないが、電極保
護層がある場合には、電極保護層と等しいもしくは高い
のが好ましい。最外周層の体積固有抵抗が電極保護層の
体積固有抵抗を下回った場合は、紙に電流が流れず、最
外周層表面に、電荷が誘起されにくくなり、吸着力は低
くなる。
周層の体積固有抵抗の値は特に限定されないが、電極保
護層がある場合には、電極保護層と等しいもしくは高い
のが好ましい。最外周層の体積固有抵抗が電極保護層の
体積固有抵抗を下回った場合は、紙に電流が流れず、最
外周層表面に、電荷が誘起されにくくなり、吸着力は低
くなる。
【0085】ここで、本発明の媒体搬送ベルトは、傷つ
きを防止できるという点から、媒体搬送ベルト表面材料
の鉛筆硬度はB以上であるのが良く、さらに好ましくは
H以上であるのが良い。ここで、鉛筆硬度とはJISK
5400に基づいて測定される値(荷重100g)であ
る。以下、本明細書で鉛筆硬度というときはこの測定値
のことをいう。
きを防止できるという点から、媒体搬送ベルト表面材料
の鉛筆硬度はB以上であるのが良く、さらに好ましくは
H以上であるのが良い。ここで、鉛筆硬度とはJISK
5400に基づいて測定される値(荷重100g)であ
る。以下、本明細書で鉛筆硬度というときはこの測定値
のことをいう。
【0086】ここで、本発明の媒体搬送ベルトは、イン
ククリーニング性を向上できるという点から、媒体搬送
ベルト表面の表面粗さRaは0.5μm以下であるのが
良く、さらに好ましくは0.2μm以下であるのが良
い。ここで、表面粗さとは、測定器に表面粗さ測定器S
E3500((株)小坂研究所製)を使用し、媒体搬送
ベルト10から電極パターンが形成されている部分の電
極保護層を長さ30mm×巾3mmのサイズで切り取っ
た部分で測定される値である。以下、本明細書で表面粗
さRaというときはこの測定値のことをいう。
ククリーニング性を向上できるという点から、媒体搬送
ベルト表面の表面粗さRaは0.5μm以下であるのが
良く、さらに好ましくは0.2μm以下であるのが良
い。ここで、表面粗さとは、測定器に表面粗さ測定器S
E3500((株)小坂研究所製)を使用し、媒体搬送
ベルト10から電極パターンが形成されている部分の電
極保護層を長さ30mm×巾3mmのサイズで切り取っ
た部分で測定される値である。以下、本明細書で表面粗
さRaというときはこの測定値のことをいう。
【0087】さらにまた、本発明の媒体搬送ベルトは、
インククリーニング性を向上させるという点から、媒体
搬送ベルト表面の静摩擦係数が0.4以下、さらには好
ましくは0.3以下であるのがよい。ここで、静摩擦係
数とは、JISK7125に基づいて紙と媒体搬送ベル
ト表面の間で測定される値である。以下、本明細書で静
摩擦係数というときはこの測定値のことをいう。
インククリーニング性を向上させるという点から、媒体
搬送ベルト表面の静摩擦係数が0.4以下、さらには好
ましくは0.3以下であるのがよい。ここで、静摩擦係
数とは、JISK7125に基づいて紙と媒体搬送ベル
ト表面の間で測定される値である。以下、本明細書で静
摩擦係数というときはこの測定値のことをいう。
【0088】また、本発明の媒体搬送ベルトは、インク
クリーニング性を向上できるという点から、媒体搬送ベ
ルト表面の水での接触角が80゜以上であるのが良く、
さらに好ましくは100゜以上であるのがよい。接触角
とは、JISR3257に基づいて測定される値であ
り、測定器に接触角計(CA−DT・A型:協和界面化
学(株)製)を使用して測定したのち、所定の算出をし
た値のことである。以下、本明細書で水での接触角とい
うときはこの測定値のことを言う。
クリーニング性を向上できるという点から、媒体搬送ベ
ルト表面の水での接触角が80゜以上であるのが良く、
さらに好ましくは100゜以上であるのがよい。接触角
とは、JISR3257に基づいて測定される値であ
り、測定器に接触角計(CA−DT・A型:協和界面化
学(株)製)を使用して測定したのち、所定の算出をし
た値のことである。以下、本明細書で水での接触角とい
うときはこの測定値のことを言う。
【0089】本発明の媒体搬送ベルトは、傷つきを防止
したり、インククリーニング性を改善するために、上述
したように最外周層を形成しうる。従って、本発明にか
かる媒体搬送ベルトの電極保護層、または最外周層が形
成されている場合はその最外周層が、上記の性質、上記
の材質、および特性を有することが、インククリーニン
グ性向上の点から好ましい。
したり、インククリーニング性を改善するために、上述
したように最外周層を形成しうる。従って、本発明にか
かる媒体搬送ベルトの電極保護層、または最外周層が形
成されている場合はその最外周層が、上記の性質、上記
の材質、および特性を有することが、インククリーニン
グ性向上の点から好ましい。
【0090】以上、本発明に係る媒体搬送ベルトの構成
の例を説明したが、次にこの媒体搬送ベルト10の製造
方法の例を示す。まず、ベースとなる高分子材料から成
る管状物12をキャスティング法によりシームレスベル
トとして成形した後、その管状物12の外表面に電極パ
ターン14を形成する。さらに、その外周面に交互に延
び出す電極パターン14の端部を除いて電極保護層16
をたとえばコーティング法などにより形成して、媒体搬
送ベルト10を製造するのである。
の例を説明したが、次にこの媒体搬送ベルト10の製造
方法の例を示す。まず、ベースとなる高分子材料から成
る管状物12をキャスティング法によりシームレスベル
トとして成形した後、その管状物12の外表面に電極パ
ターン14を形成する。さらに、その外周面に交互に延
び出す電極パターン14の端部を除いて電極保護層16
をたとえばコーティング法などにより形成して、媒体搬
送ベルト10を製造するのである。
【0091】また、ポリイミド樹脂により予めフィルム
を形成した後、そのフィルムの両端を接合してベルト状
にして管状物12を得た後、上述と同様に電極パターン
14と電極保護層16を形成して媒体搬送ベルト10を
製造してもよい。あるいは、図4に示すように、ポリイ
ミド樹脂により形成されたフィルム18の表面に電極パ
ターン14を形成した後、さらに二点鎖線で示すように
電極保護層16を形成し、その後、フィルム18の両端
を接合してベルト状にして媒体搬送ベルト10を製造し
てもよい。さらに、ポリイミド樹脂により形成されたフ
ィルム18の表面に電極パターン14を形成した後、フ
ィルム18の両端を接合してベルト状にし、その後、さ
らに二点鎖線で示すように電極保護層16を形成して媒
体搬送ベルト10を製造することもできる。
を形成した後、そのフィルムの両端を接合してベルト状
にして管状物12を得た後、上述と同様に電極パターン
14と電極保護層16を形成して媒体搬送ベルト10を
製造してもよい。あるいは、図4に示すように、ポリイ
ミド樹脂により形成されたフィルム18の表面に電極パ
ターン14を形成した後、さらに二点鎖線で示すように
電極保護層16を形成し、その後、フィルム18の両端
を接合してベルト状にして媒体搬送ベルト10を製造し
てもよい。さらに、ポリイミド樹脂により形成されたフ
ィルム18の表面に電極パターン14を形成した後、フ
ィルム18の両端を接合してベルト状にし、その後、さ
らに二点鎖線で示すように電極保護層16を形成して媒
体搬送ベルト10を製造することもできる。
【0092】これらの製造方法において、電極保護層1
6の形成方法は、その樹脂をワニス状としておき、その
ワニスを電極パターン14の上に塗布したりするなどに
よって電極保護層16を形成したり、あるいは予め電極
保護層をフィルム状としておき、そのフィルムを一層ま
たは複数層、電極パターン14上にラミネートするか巻
き付けることによって電極保護層16を形成したりする
方法がある。また、このラミネート法または巻き付け法
としては、熱プレス法若しくは熱ロール法による熱圧着
法を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
6の形成方法は、その樹脂をワニス状としておき、その
ワニスを電極パターン14の上に塗布したりするなどに
よって電極保護層16を形成したり、あるいは予め電極
保護層をフィルム状としておき、そのフィルムを一層ま
たは複数層、電極パターン14上にラミネートするか巻
き付けることによって電極保護層16を形成したりする
方法がある。また、このラミネート法または巻き付け法
としては、熱プレス法若しくは熱ロール法による熱圧着
法を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0093】また、本発明の媒体搬送ベルトは、反りを
低減するために、図5に示すように、管状物の内側に樹
脂層22を形成しても良い。樹脂層22の材料は、高分
子材料、無機材料のいずれであっても良く、特に好まし
くは電極保護層、最外周層と同じ材料である。
低減するために、図5に示すように、管状物の内側に樹
脂層22を形成しても良い。樹脂層22の材料は、高分
子材料、無機材料のいずれであっても良く、特に好まし
くは電極保護層、最外周層と同じ材料である。
【0094】本発明の媒体搬送ベルトの製造方法は、得
られる媒体搬送ベルトの目的に応じて適宜選択すること
ができ、また、管状物12の材質に応じて適宜選択され
る。また、他の媒体搬送ベルトの構造に対応させて、製
造方法は適宜設定され得る。
られる媒体搬送ベルトの目的に応じて適宜選択すること
ができ、また、管状物12の材質に応じて適宜選択され
る。また、他の媒体搬送ベルトの構造に対応させて、製
造方法は適宜設定され得る。
【0095】以上、本発明に係る媒体搬送ベルトを説明
したが、上述の実施形態は例示であり、これらに限定さ
れるものではないのは言うまでもない。その他、得られ
た媒体搬送ベルトの表面に種々の処理を施すことは任意
になし得ることであり、本発明はその趣旨を逸脱しない
範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、
変形を加えた態様で実施し得るものである。
したが、上述の実施形態は例示であり、これらに限定さ
れるものではないのは言うまでもない。その他、得られ
た媒体搬送ベルトの表面に種々の処理を施すことは任意
になし得ることであり、本発明はその趣旨を逸脱しない
範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、
変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0096】
【実施例】本発明の媒体搬送ベルトの実施例を以下に示
す。本発明は、これらの実施例の態様に限定されない。
す。本発明は、これらの実施例の態様に限定されない。
【0097】(吸着力) 媒体搬送ベルトの紙の吸着力の
測定は次のように行った。電極パターン14の電極間に
3kVの直流電圧を印加し、図6に示すように、常温常
湿(NN:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃
・80%)の条件下A5判サイズの紙40をベルト10
に吸着させた。その後、図中の矢印方向に、ベルト10
の面と平行な方向に紙40を引っ張り、デジタルフォー
スゲージにて紙40が動く時の最大の力を吸着力として
測定した。
測定は次のように行った。電極パターン14の電極間に
3kVの直流電圧を印加し、図6に示すように、常温常
湿(NN:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃
・80%)の条件下A5判サイズの紙40をベルト10
に吸着させた。その後、図中の矢印方向に、ベルト10
の面と平行な方向に紙40を引っ張り、デジタルフォー
スゲージにて紙40が動く時の最大の力を吸着力として
測定した。
【0098】(絶縁性) 媒体搬送ベルトの絶縁性は以下
のように測定した。電極パターン14の電極間に1kV
の直流電圧を印加し、図6に示すように、常温常湿(N
N:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・80
%)の条件下A5判サイズのアルミ箔40をベルト10
に吸着させた。その時、電極保護層で絶縁破壊したもの
を「×」、電極保護層で絶縁破壊しなかったものを
「○」と記した。
のように測定した。電極パターン14の電極間に1kV
の直流電圧を印加し、図6に示すように、常温常湿(N
N:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・80
%)の条件下A5判サイズのアルミ箔40をベルト10
に吸着させた。その時、電極保護層で絶縁破壊したもの
を「×」、電極保護層で絶縁破壊しなかったものを
「○」と記した。
【0099】(インククリーニング性)この媒体搬送ベ
ルト10のインククリーニング性の評価は次のように行
った。ベルトの電極保護層16にインクジェット用イン
ク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を垂ら
し、電極保護層16を布で拭き取り、外観を観察した。
1回の拭き取りでインクを取り除けなかったものを
「×」、1回の拭き取りでインクを拭き取れたものを
「○」と記した。
ルト10のインククリーニング性の評価は次のように行
った。ベルトの電極保護層16にインクジェット用イン
ク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を垂ら
し、電極保護層16を布で拭き取り、外観を観察した。
1回の拭き取りでインクを取り除けなかったものを
「×」、1回の拭き取りでインクを拭き取れたものを
「○」と記した。
【0100】(体積固有抵抗)体積固有抵抗は、電極保
護層樹脂を100μmのフィルムに調整し、常温常湿
(NN:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・
80%)の条件で、24時間放置後、東亜電波工業株式
会社製SM−10を用いて電圧500V印加時に測定し
た。
護層樹脂を100μmのフィルムに調整し、常温常湿
(NN:20℃・50%)、高温高湿(HH:30℃・
80%)の条件で、24時間放置後、東亜電波工業株式
会社製SM−10を用いて電圧500V印加時に測定し
た。
【0101】(実施例1)厚み75μmの非熱可塑性ポ
リイミドフィルム(アピカル75AH(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
14を形成した。この電極パターン14上に、厚み25
μmのアミド系樹脂フィルム(レイファン8000:東
レ合成フィルム(株))4枚を、熱プレスを用い200
℃・50kg/cm2 の条件で貼り合わせ、厚み10
0μmの電極保護層を形成した。得られたフィルムを管
状に形成して、本発明の媒体搬送ベルト10を作成し
た。電極保護層の吸水率は5.0%であった。電極保護
層に用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では1.0
×1011 Ω・cm〜4.0×1011 Ω・cm、
高温高湿条件では、8.0×108 Ω・cm〜2.0
×109 Ω・cmであった。
リイミドフィルム(アピカル75AH(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
14を形成した。この電極パターン14上に、厚み25
μmのアミド系樹脂フィルム(レイファン8000:東
レ合成フィルム(株))4枚を、熱プレスを用い200
℃・50kg/cm2 の条件で貼り合わせ、厚み10
0μmの電極保護層を形成した。得られたフィルムを管
状に形成して、本発明の媒体搬送ベルト10を作成し
た。電極保護層の吸水率は5.0%であった。電極保護
層に用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では1.0
×1011 Ω・cm〜4.0×1011 Ω・cm、
高温高湿条件では、8.0×108 Ω・cm〜2.0
×109 Ω・cmであった。
【0102】この媒体搬送ベルト10の紙の吸着力の測
定においては、表1に示したように、本発明の媒体搬送
ベルト10は、紙40のNN吸着力が5.0kg、 H
H吸着力が6.0kgと非常に優れたものであり、HH
で吸着力が低下することはなかった。
定においては、表1に示したように、本発明の媒体搬送
ベルト10は、紙40のNN吸着力が5.0kg、 H
H吸着力が6.0kgと非常に優れたものであり、HH
で吸着力が低下することはなかった。
【0103】
【表1】
【0104】(実施例2)電極保護層をアミド系樹脂か
らエポキシ系樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:
エピコート1001:油化シェル(株)(500部)/
ジアミノジフェニルスルフォン(70部))に変更した
以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト10を得
た。表1に示したように吸水率は3.0%であった。電
極保護層に用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では
1.0×1012 Ω・cm〜3.0×1012 Ω・
cm、高温高湿条件では、1.0×109 Ω・cm〜
5.0×109 Ω・cmであった。
らエポキシ系樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:
エピコート1001:油化シェル(株)(500部)/
ジアミノジフェニルスルフォン(70部))に変更した
以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト10を得
た。表1に示したように吸水率は3.0%であった。電
極保護層に用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では
1.0×1012 Ω・cm〜3.0×1012 Ω・
cm、高温高湿条件では、1.0×109 Ω・cm〜
5.0×109 Ω・cmであった。
【0105】表1に示したように、HHで吸着力が低下
することはなかった。
することはなかった。
【0106】(実施例3)電極保護層をアミド系樹脂か
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):40vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株):40vol%)/エー
テルウレタン系樹脂(Y258:大日精化(株):20
vol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして媒
体搬送ベルト10を得た。表1に示したように電極保護
層の吸水率は2.5%であった。電極保護層に用いた樹
脂の体積固有抵抗は、常温常湿では1.0×1011
Ω・cm〜4.0×1011 Ω・cm、高温高湿条件
では、1.0×108 Ω・cm〜1.0×109 Ω
・cmであった。
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):40vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株):40vol%)/エー
テルウレタン系樹脂(Y258:大日精化(株):20
vol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして媒
体搬送ベルト10を得た。表1に示したように電極保護
層の吸水率は2.5%であった。電極保護層に用いた樹
脂の体積固有抵抗は、常温常湿では1.0×1011
Ω・cm〜4.0×1011 Ω・cm、高温高湿条件
では、1.0×108 Ω・cm〜1.0×109 Ω
・cmであった。
【0107】表1に示したように、HHで吸着力が低下
することはなかった。
することはなかった。
【0108】(実施例4)電極保護層をアミド系樹脂か
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):35vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株): 35vol%)/チ
タン酸バリウム(BT−100P:富士チタン工業
(株)(球状平均粒径1.5μm)30vol%)に変
更した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト1
0を得た。表1に示したように電極保護層の吸水率は
2.5%であった。電極保護層に用いた樹脂の体積固有
抵抗は、常温常湿では5.0×1012 Ω・cm〜
1.0×1013 Ω・cm、高温高湿条件では、5.
0×109 Ω・cm〜2.0×1010 Ω・cmで
あった。
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):35vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株): 35vol%)/チ
タン酸バリウム(BT−100P:富士チタン工業
(株)(球状平均粒径1.5μm)30vol%)に変
更した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト1
0を得た。表1に示したように電極保護層の吸水率は
2.5%であった。電極保護層に用いた樹脂の体積固有
抵抗は、常温常湿では5.0×1012 Ω・cm〜
1.0×1013 Ω・cm、高温高湿条件では、5.
0×109 Ω・cm〜2.0×1010 Ω・cmで
あった。
【0109】表1に示したように、HHで吸着力が低下
することはなかった。
することはなかった。
【0110】(実施例5)厚み75μmの非熱可塑性ポ
リイミドフィルム(アピカル75AH(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
14を形成した。この電極パターン14上に、厚み25
μmのPVDF系樹脂フィルム(セフラルソフトG15
0:セントラル硝子(株):35vol%/KYNAR
711:エルフ・アトケム・ジャパン(株):35vo
l%)/チタン酸バリウム(BT−100P:富士チタ
ン工業(株):30vol%)4枚と、最外周層として
その上に厚み15μmのPVDF系樹脂フィルム(セフ
ラルソフトG150:セントラル硝子(株):50vo
l%/KYNAR711:エルフ・アトケム・ジャパン
(株):50vol%)1枚を、熱プレスを用い200
℃・50kg/cm2の条件で貼り合わせ、厚み115
μmの電極保護層を形成した。得られたフィルムを管状
に形成して、本発明の媒体搬送ベルト10を作成した。
電極保護層の吸水率は2.5%であった。電極保護層に
用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では5.0×1
012 Ω・cm〜1.0×1013 Ω・cm、高温
高湿条件ては、5.0×109 Ω・cm〜2.0×1
010 Ω・cmであった。また最外周層の表面粗さは
Ra<0.3μm、鉛筆硬度B、静摩擦係数0.3、水
に対する接触角80°であった。
リイミドフィルム(アピカル75AH(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
14を形成した。この電極パターン14上に、厚み25
μmのPVDF系樹脂フィルム(セフラルソフトG15
0:セントラル硝子(株):35vol%/KYNAR
711:エルフ・アトケム・ジャパン(株):35vo
l%)/チタン酸バリウム(BT−100P:富士チタ
ン工業(株):30vol%)4枚と、最外周層として
その上に厚み15μmのPVDF系樹脂フィルム(セフ
ラルソフトG150:セントラル硝子(株):50vo
l%/KYNAR711:エルフ・アトケム・ジャパン
(株):50vol%)1枚を、熱プレスを用い200
℃・50kg/cm2の条件で貼り合わせ、厚み115
μmの電極保護層を形成した。得られたフィルムを管状
に形成して、本発明の媒体搬送ベルト10を作成した。
電極保護層の吸水率は2.5%であった。電極保護層に
用いた樹脂の体積固有抵抗は、常温常湿では5.0×1
012 Ω・cm〜1.0×1013 Ω・cm、高温
高湿条件ては、5.0×109 Ω・cm〜2.0×1
010 Ω・cmであった。また最外周層の表面粗さは
Ra<0.3μm、鉛筆硬度B、静摩擦係数0.3、水
に対する接触角80°であった。
【0111】表1に示したように、HHで吸着力が低下
することはなかった。
することはなかった。
【0112】また、この媒体搬送ベルト10について
は、絶縁性も測定した。本発明の媒体搬送ベルトは、絶
縁破壊せず、電気絶縁性にも優れていた。
は、絶縁性も測定した。本発明の媒体搬送ベルトは、絶
縁破壊せず、電気絶縁性にも優れていた。
【0113】また、この媒体搬送ベルト10については
インククリーニング性も評価した。1回の拭き取りでイ
ンクを取り除け、本発明の媒体搬送ベルトは、インクク
リーニング性にも優れていた。
インククリーニング性も評価した。1回の拭き取りでイ
ンクを取り除け、本発明の媒体搬送ベルトは、インクク
リーニング性にも優れていた。
【0114】(比較例1)電極保護層をアミド系樹脂か
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):50vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株):50vol%)で形成
した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト10
を得た。表1に示したように、電極保護層の吸水率は<
0.1%であった。電極保護層に用いた樹脂の体積固有
抵抗は、常温常湿では8.0×101 2 Ω・cm〜
2.0×1013 Ω・cm、高温高湿条件ては、1.
0×10 12 Ω・cm〜3.5×1012 Ω・cm
であった。
らPVDF系樹脂(セフラルソフトG150:セントラ
ル硝子(株):50vol%/KYNAR711:エル
フ・アトケム・ジャパン(株):50vol%)で形成
した以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト10
を得た。表1に示したように、電極保護層の吸水率は<
0.1%であった。電極保護層に用いた樹脂の体積固有
抵抗は、常温常湿では8.0×101 2 Ω・cm〜
2.0×1013 Ω・cm、高温高湿条件ては、1.
0×10 12 Ω・cm〜3.5×1012 Ω・cm
であった。
【0115】表1に示したように、HHで吸着力は低下
した。
した。
【0116】
【発明の効果】本発明に係る媒体搬送ベルトは、高分子
材料により成形された管状物の外周表面に、導電性を有
する電極パターンが形成されるとともに、該電極パター
ン上に1層以上の電極保護層が形成され、必要に応じて
さらに最外周層が形成されている。本発明の媒体搬送ベ
ルトは、電極保護層の吸水率が2%以上であるために、
高温高湿下の吸着力が、常温常湿下の吸着力と同じかも
しくはそれ以上となり、高温高湿下でも紙やOHPなど
を十分に吸着させて搬送し得る。
材料により成形された管状物の外周表面に、導電性を有
する電極パターンが形成されるとともに、該電極パター
ン上に1層以上の電極保護層が形成され、必要に応じて
さらに最外周層が形成されている。本発明の媒体搬送ベ
ルトは、電極保護層の吸水率が2%以上であるために、
高温高湿下の吸着力が、常温常湿下の吸着力と同じかも
しくはそれ以上となり、高温高湿下でも紙やOHPなど
を十分に吸着させて搬送し得る。
【図1】本発明に係る媒体搬送ベルトの斜視説明図であ
る。
る。
【図2】図1に示す媒体搬送ベルトの要部拡大断面説明
図である。
図である。
【図3】本発明に係る媒体搬送ベルトの他の実施形態を
示す要部拡大断面説明図である。
示す要部拡大断面説明図である。
【図4】図1に示す媒体搬送ベルトの実施形態を示す要
部平面説明図である。
部平面説明図である。
【図5】本発明に係る媒体搬送ベルトのさらに他の実施
形態を示す要部拡大断面説明図である。
形態を示す要部拡大断面説明図である。
【図6】本発明に係る媒体搬送ベルトの吸着力の実験方
法を示す要部平面説明図である。
法を示す要部平面説明図である。
10,24:媒体搬送ベルト 12:管状物 14:電極パターン 16:電極保護層 18:フィルム 20:外周層 22:樹脂層 40:紙またはアルミ箔
Claims (27)
- 【請求項1】高分子材料により成形された管状物の外周
表面に、導電性を有する電極パターンが形成されるとと
もに、該電極パターン上に1層以上の電極保護層が形成
されている媒体搬送ベルトであって、該電極保護層の吸
水率が2%以上である、媒体搬送ベルト。 - 【請求項2】 前記吸水率が3%以上である、請求項1
に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項3】 前記吸水率が4%以上である、請求項1
に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項4】 前記管状物がエンジニアリングプラスチ
ックからなる群より選択される1種類または2種類以上
を組み合わせた高分子材料により成形されている、請求
項1乃至請求項3のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項5】 前記エンジニアリングプラスチックが、
非熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートからな
る群より選択される1種類または2種類以上の組み合わ
せである、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の媒
体搬送ベルト - 【請求項6】 前記電極保護層の体積固有抵抗が、常温
常湿で1.0×10 9 〜1.0×1015Ω・cm、
誘電率が3.0以上である、請求項1乃至請求項5のい
ずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項7】 前記電極保護層の体積固有抵抗が、常温
常湿で1.0×10 9 〜1.0×1015Ω・cm、
誘電率が3.0以上であり、かつ高温高湿下での体積固
有抵抗が1.0×107〜1.0×1013Ω・cmで
ある、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の媒体搬
送ベルト。 - 【請求項8】 前記電極保護層が、エポキシ樹脂、アミ
ド樹脂、ウレタン樹脂からなる群より選択される1種類
または2種類以上の組み合わせである、請求項1乃至請
求項7のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項9】 前記電極保護層が、樹脂または無機材料
に吸水率を調整する添加剤を混合してなる複合樹脂また
は複合無機材料である、請求項1乃至請求項7のいずれ
かに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項10】 前記吸水率を調整する添加剤が、ポリ
エーテル系、4級アンモニウム塩系、スルホン酸系、ベ
タイン系、高分子電荷移動型結合体系、アミド系、ウレ
タン系、ニトリル系高分子型添加剤からなる群より選択
される1種類または2種類以上の組み合わせである、請
求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項11】 前記吸水率を調整する添加剤が、−C
H2−CH2−O−、−CH2−CHR−O−の構造を
含む樹脂である、請求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項12】 前記吸水率を調整する添加剤が、ポリ
エチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリ
エーテルアミドイミド、エピハロヒドリン共重合体、エ
チレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体
からなる群より選択される1種類または2種類以上の組
み合わせである、請求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項13】 前記吸水率を調整する添加剤が、−N
H−CO−、− NH−CO−NH−の構造を含む樹脂で
ある、請求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項14】 前記吸水率を調整する添加剤が、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロンMXD、ナ
イロン46、可溶性ナイロン、共重合ナイロン、ナイロ
ンエラストマーからなる群より選択される1種類または
2種類以上の組み合わせである、請求項9に記載の媒体
搬送ベルト。 - 【請求項15】 前記吸水率を調整する添加剤が、エー
テルウレタン樹脂、エステルウレタン樹脂からなる群よ
り選択される1種類または2種類以上の組み合わせであ
る、請求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項16】 前記吸水率を調整する添加剤が、−C
H2−CHCN−の構造を有する樹脂を含む、請求項9
に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項17】 前記吸水率を調整する添加剤が、無機
フィラーの1種類または2種類以上の組み合わせであ
る、請求項9に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項18】 前記樹脂が、エポキシ樹脂、アミド樹
脂、ウレタン樹脂からなる群より選択される1種類また
は2種類以上の組み合わせである、請求項8乃至請求項
17のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項19】 前記樹脂が、主鎖または側鎖に−CH
2−CF2−、−CH2−CHF−の構造を有する樹脂
を含む、請求項8乃至請求項17のいずれかに記載の媒
体搬送ベルト。 - 【請求項20】 前記樹脂が、主鎖または側鎖に−CH
2−CCl2−、−CH2−CHCl−の構造を有する
樹脂を含む、請求項8乃至請求項17のいずれかに記載
の媒体搬送ベルト。 - 【請求項21】 前記電極保護層の上に、1%以下の吸
水率を有する最外周層が形成されている、請求項1乃至
請求項20のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項22】 前記最外周層の厚みが20μm以下で
ある、請求項21に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項23】 前記最外周層の厚みが10μm以下で
ある、請求項21に記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項24】 前記電媒体搬送ベルト表面の表面粗さ
Raが0.5μm以下である、請求項1乃至請求項23
のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項25】 前記電媒体搬送ベルト表面の鉛筆硬度
がB以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項2
4のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項26】 前記電媒体搬送ベルト表面の静摩擦係
数が0.4以下である、請求項1乃至請求項25のいず
れかに記載の媒体搬送ベルト。 - 【請求項27】 前記電極保護層の上に、水に対する接
触角が80°以上の最外周層が形成されている、請求項
1乃至請求項26のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291548A JP2002104684A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 媒体搬送ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291548A JP2002104684A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 媒体搬送ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002104684A true JP2002104684A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18774602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000291548A Withdrawn JP2002104684A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 媒体搬送ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002104684A (ja) |
-
2000
- 2000-09-26 JP JP2000291548A patent/JP2002104684A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20051104 |
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