JP2002103564A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP2002103564A
JP2002103564A JP2000304577A JP2000304577A JP2002103564A JP 2002103564 A JP2002103564 A JP 2002103564A JP 2000304577 A JP2000304577 A JP 2000304577A JP 2000304577 A JP2000304577 A JP 2000304577A JP 2002103564 A JP2002103564 A JP 2002103564A
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ink
scoop
squeegee
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JP2000304577A
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Yoshihiko Ando
義彦 安藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線基板製造のスクリーン印刷工程におい
て、印刷終了後の堆積インクを多量回収でき、かつ、そ
の回収されたインクを効率的に利用し得る方法を提供す
る。 【解決手段】 スクリーン印刷終了地点となる印刷終了
位置において、スキージ10の移動方向前方側に残留・
堆積している残留インクをスコップ12により掬い取
る。そして、そのインク2を保持したスコップ12及び
インク垂れ防止部材14をスキージ10とともに、印刷
開始位置に向けて一体的に移動させる。そして、このイ
ンク搬送工程に用いるスコップ12のインク保持側の内
面の下端縁を含む部分は、インク垂れ防止部材14側に
向けて連続的に下る傾斜面とされ、その傾斜面のスクリ
ーン版4の版面法線方向に対する傾斜角度は35°〜6
5°の範囲に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、スクリーン印刷工程を
含む配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配線基板の製造において、スクリ
ーン版上面においてスキージがインクを掃きつつ移動す
ることにより、スクリーン版下に設けられたワーク基板
に所定の印刷パターンを印刷するスクリーン印刷が広く
行われている。このようなスクリーン印刷では、印刷終
了地点において堆積したインクを再利用してインクの利
用効率を高める手法が提供されている。その利用方法と
しては、例えば、並列に備えられる2本のスキージがス
クリーン版上を往復移動するいわゆるダブルスキージに
よる方法、あるいは、常に一方向にスキージが移動する
構成をとり、印刷終了地点において堆積したインクをス
コップによって再び印刷開始地点まで回収するいわゆる
スコップ印刷による方法が提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、いわゆ
るダブルスキージによる方法では、片方向へのスキージ
の移動(即ち前進印刷)と、その逆方向への移動(後退
印刷)では、スクリーン版に生じるテンションに差が生
じるため、前進及び後退の両印刷において印刷位置を正
確に合わせることは困難であった。例えば、配線基板の
スルーホールにおいて導体ペーストをその内壁に印刷す
る場合、前進印刷時におけるスルーホール位置と、後退
印刷における位置とを精度高く合わせることが困難であ
るため、実際の印刷位置と目標位置とのズレが生じ、そ
の結果、内部ショート、あるいは印刷されない部分がで
きてしまう白壁等の不具合が生じる可能性があった。
【0004】また、スコップ印刷では、スキージとスコ
ップとにより印刷後のインクを掬い取って保持し、これ
らを移動させて印刷開始位置へ戻す方法が一般的であ
る。このような、単一方向のみのスキージ移動により印
刷を行うスコップ印刷においては、上記のような方向の
違いによる印刷位置誤差は解消されて位置精度が高い印
刷が実現される。しかしながら、インク回収動作及びそ
の回収されたインクの復帰供給動作において、インク量
の減少による白壁等の不具合の発生、あるいはそれら動
作によるタイムロスを伴う場合があった。
【0005】本発明の解決すべき課題は、配線基板製造
のスクリーン印刷工程において、印刷終了後の堆積イン
クを多量回収でき、かつ、その回収されたインクを効率
的に利用し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記のよ
うな課題を解決するために本発明は、スクリーン版の上
面において、スキージの片側にインクを堆積させ、その
インクをスキージにより印刷開始位置から印刷終了位置
へ移動させることにより、スクリーン版の下側に配置さ
れたワーク基板の少なくとも表面に印刷パターンを印刷
するスクリーン印刷工程と、印刷終了位置において、ス
キージの移動方向前方側に残留・堆積している残留イン
クを、移動方向においてスキージよりも前方側に配置さ
れたスコップと、スキージからなる又はスキージと別部
材として構成されスコップの後方側に配置されたスコッ
プ受け部材とを、該移動方向にて相対的に接近させるこ
とにより、残留インクをスコップにより掬い取りつつ、
その掬い取ったインクをスコップとスコップ受け部材と
の間で保持し、該インクを保持したスコップ及びスコッ
プ受け部材をスキージとともに、印刷開始位置に向けて
一体的に移動させるインク搬送工程とを含み、さらに、
スコップのインク保持側の内面の下端縁を含む部分が、
スコップ受け部材側に向けて連続的に下る傾斜面とされ
るとともに、該傾斜面のスクリーン版の版面法線方向に
対する傾斜角度が35°〜65°の範囲に設定されるこ
とを特徴とする配線基板の製造方法を提供する。なお、
本発明にいうワーク基板は、表及び裏面を有し、少なく
とも一方面が印刷されるべき印刷面となる基板を意味す
る。更に、そのようなワーク基板であって、表及び裏面
を貫通するスルーホールを有するワーク基板に対して上
記スクリーン印刷工程を行う場合、ワーク基板の表面及
びスルーホールの内面のうち少なくとも一方に印刷パタ
ーンを印刷する。
【0007】上記のごとく、スコップの角度を連続的に
形成すれば、スコップの開放時において、不連続部(即
ち段差部)にてインクが停止、あるいはインクの落下速
度が低減することなく、スコップ上の回収インクを良好
かつ迅速に排出し得る。また、傾斜角度が65°を超え
るとであると、傾斜角度が大きすぎてインクの落下が良
好に行われない。即ち、インクの落下速度が低減して当
該工程の時間増加となったり、あるいはスコップ上にイ
ンクが残留して、インクの有効利用を完全には達成でき
ないこともありうる。また、傾斜角度が35°未満であ
ると、スコップ及びスコップ受け部材により構成される
インク保持空間の空間体積(即ち、インク収納スペー
ス)が小さくなり、インク回収量が少量とならざるを得
ない。しかしながら、スコップの傾斜角度を上記範囲に
設定すれば、これら問題が解消され、インク回収量を十
分確保しつつ、かつ迅速なインク排出が可能となる。
【0008】また、スクリーン版の版面法線方向を高さ
方向として、スコップのインク保持側の内面が、下端縁
から高さ方向において70%以上の区間で、スコップ受
け部材側に連続的に下るよう傾斜面を形成できる。スコ
ップのインク保持側内面に段差部等の不連続部が形成さ
れている場合には、その段差部においてインクの流下の
停滞が起こり得ることとなる。そして、このような段差
部が70%未満の下部側に形成されていると、上流側に
保持されるインク量が多量となるため、段差部表面通過
するインクが多くなりインク排出時間が増大してしま
う。しかしながら上記のごとく、下端縁から高さ方向に
おいて70%の区間を連続的に下る傾斜面とすることに
より、インク排出時において、スコップの下端縁側のイ
ンク滑りが良好となり、当該スコップにおける上部から
下部へのインク供給がスムーズとなる。また、インクの
大部分又は全てがその下端縁から70%未満の部分で保
持されるため、仮に段差部が70%以上の地点に形成さ
れていたとしても、インクが段差部表面を流れる時間は
極めて短いか、保持量によっては段差部より下部におい
てインクが保持されることとなるため実質的に問題とな
らない。
【0009】さらには、スコップ12の退避時におい
て、スコップ12のスコップ受け部材に対する接近方向
におけるスコップの先端とスコップ受け部材と距離が2
5mm〜45mmの範囲となるよう互いに離間するよう
に構成できる。なお、この距離が25mm未満である
と、インク回収時における掬い取り量が少量となり、十
分な回収量が得られない。また45mmを超えるとイン
ク回収量に対して開放幅が大きすぎ、不必要な開放幅が
加わる分だけスコップの開閉時間を多くとらねばなら
ず、スクリーン印刷工程の時間短縮の弊害となる。な
お、本発明において「スコップの退避時」とは、スコッ
プ受け部材からスコップが最も離れる時を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に示す
実施例を参照しつつ説明する。図1は本発明の製造方法
に係るインク搬送工程において使用するインク搬送部を
模式的に示している。なお、インク搬送部20の説明に
先立って配線基板の製造におけるスクリーン印刷工程及
びインク搬送工程の概要について説明する。スクリーン
印刷工程では、図7(a)のごとくスクリーン版4の上
面において、スキージ10の片側にインク2を堆積さ
せ、そのインク2をスキージ10により印刷開始位置か
ら印刷終了位置へ移動させることにより、スクリーン版
4の下側に配置されたワーク基板6の表面及びスルーホ
ールに印刷パターンを印刷する。次いで、インク搬送工
程に移ることとなるが、この工程では、まずスクリーン
印刷工程の後の残留インク(印刷終了位置(図7
(c))におけるインク2)をスコップ12により掬い
取りつつ、その掬い取ったインク2をスコップ12とス
コップ受け部材(図7(c)ではインク垂れ防止部材1
4)との間で保持する。そして、そのインク2を保持し
たスコップ12及びスコップ受け部材をスキージ10と
ともに、印刷開始位置に向けて一体的に移動させて残留
インクを印刷開始位置へ供給する。なお、これら、スク
リーン印刷工程及びインク搬送工程についての詳細は後
述する。スクリーン版4はステンレスからなり、所望の
印刷パターンとなるよう印刷パターン形成部(ステンシ
ル)が配置される。
【0011】図1に戻り、インク搬送工程に用いるイン
ク搬送部20について説明する。インク搬送部20は、
スキージ10、スコップ受け部材としてのインク垂れ防
止部材14、スコップ12を備え、スコップ12とスキ
ージ10との間にインク垂れ防止部材14が介在する構
成となっている。スキージ10は、スクリーン版4の上
面に対し自身の板面方向が直角、又は略直角となる略板
状形状をなし、スクリーン版4側の先端が尖鋭となるよ
う形成される(即ち、スクリーン版4側に近づくにつれ
板厚が狭幅となるよう形成される)。そして、そのスキ
ージ10とほぼ平行に板状のインク垂れ防止部材14が
設けられて、これらはともに自身の板面方向、即ちスク
リーン版4(図3参照)上面における法線方向(法線N
の方向)に移動可能となっており、スクリーン版4に対
して接近・離間可能に設けられる。なお、スクリーン版
4に対するスキージ10及びインク垂れ防止部材14の
接近・離間方向を第一接近・離間方向とする。
【0012】さらに、スコップ12と連結するように油
圧シリンダ、空圧シリンダ、サーボモータ等の移動アク
チュエータが備えられ、スコップ受け部材としてのイン
ク垂れ防止部材14に対し、スコップ12を相対的に接
近・離間させる接近・離間機構が構成される。なお、こ
のスコップ12の接近・離間方向(以下、第二接近・離
間方向ともいう)はスキージ10の印刷時における走行
方向と同方向となっている。また、インク垂れ防止部材
14は、その接近・離間方向においてスキージ10に対
して相対的に位置固定される。本実施例においては、ス
コップ12を保持するスコップ保持部15において、第
二接近・離間方向にスコップ12を往復動させるための
ガイド部(例えば、ガイド溝、レール等)が形成され、
そのガイド部に誘導される形でスコップ12が、スコッ
プ保持部15に固定されたインク垂れ防止部材14に向
けて接近・離間する。また、スコップ保持部15及びス
キージ10を保持するスキージ保持部11はそれぞれ独
立してスクリーン版4に対して接近・離間可能となって
いる。さらには、これらスキージ保持部11及びスコッ
プ保持部15を備えてインク搬送部20が構成され、こ
のインク保持部20は例えば公知のサーボ機構等により
移動可能となっている。
【0013】そして、スコップ12のインク保持側の内
面(以下、インク保持側内面12aともいう)の下端縁
を含む部分が、スコップ受け部材(図1ではインク垂れ
防止部材14)側に向けて連続的に下る傾斜面とされる
とともに、その傾斜面のスクリーン版4の版面法線方向
(法線Nの方向)に対する傾斜角度Rが35°〜65°
の範囲に設定される。なお、望ましくは40°〜60°
(更に望ましくは45°〜55°)とするのがよい。こ
のようにインク保持側内面12aの角度を連続的に形成
すれば、スコップの開放時において、不連続部(即ち段
差部)にてインクが停止、あるいはインクの落下速度が
低減することなく、スコップ12上の回収インクを良好
かつ迅速に排出し得る。また、「連続的に下る」とは、
図1のように直線的に下る形態のみならず、図6(a)
のようなスコップ12のインク保持側内面12aの形状
が曲面となる形態を含む。このインク保持側内面12a
が曲面形状となる形態とは、スクリーン版4の版面法線
方向及びスコップ12とスコップ受け部材との接近・離
間方向(第二接近・離間方向)をともに面方向とするス
コップ12の断面において、その断面におけるインク保
持側内面12aの断面外形線(以下、インク保持側断面
外形線ともいう)が曲線形状となる形態を意味する。こ
のようにインク保持側断面外形線が曲線となる場合、図
6(a)のごとくスクリーン版4の版面法線方向(法線
Nの方向)に対するそのインク保持側断面外形線の接線
Tの角度を傾斜角度Rとする。このように、インク保持
側断面外形線が曲線であっても、版面法線方向に対する
傾斜角度R(即ち接線Tの角度)が35°〜65°(望
ましくは40°〜60°、更に望ましくは45°〜55
°)となるように調整される。また、図6(a)のスコ
ップ12は、インク保持側断面外形線がインク保持側と
は逆の方向に凸となる曲線となるよう形成されている。
【0014】なお、インク保持側断面外形線が直線、又
は曲線のいずれであっても、傾斜角度が65°を超える
と、傾斜角度が大きすぎてインクの落下の支障となる。
即ち、インクの落下速度が低減して当該工程の時間増加
となったり、あるいはスコップ上にインクが残留して、
インクの有効利用を完全には達成できないこともありう
る。また、傾斜角度が35°未満であると、スコップ1
2及びスコップ受け部材により構成されるインク保持空
間の空間体積(即ち、インク収納スペース)が小さくな
り、インク回収量が少量とならざるを得ない。しかしな
がら、スコップ12の傾斜角度を上記範囲に設定すれ
ば、これら問題が解消され、インク回収量を十分確保し
つつ、かつ迅速なインク排出が可能となる。
【0015】図5には、スコップ12の形状例を示して
おり、図5(a)は、スコップ12の全体にわたって連
続的に下る例を示し、図5(b)では、スコップ12の
一部に不連続部分となる段差が形成される例について示
す。図5(a)では、スコップ12の全体にわたってイ
ンク保持側内面12aの断面外形線が直線的に連続す
る。また、図5(b)では、インク保持側断面外形線の
一部に不連続部分が含まれるが、この場合、スクリーン
版4の版面法線方向を高さ方向とすると、インク保持側
内面12aの下端縁から高さ方向において70%以上の
区間は、スコップ受け部材側に連続的に下る傾斜面とな
るよう形成される。換言すれば、下端縁から高さ方向に
おいて70%の区間には不連続部が形成されないことと
なる。例えば、図5(b)において下端縁から不連続部
分までの上記版面法線方向(法線N方向)における高さ
をHとし、スコップ12の全体の高さをHとした場
合、H/H≧0.7となる。
【0016】また、図6(b)のようなインク保持側断
面外形線が外側に凸の曲線となるスコップ12の場合に
は、下端縁からの距離が高さ方向において全体高さH
の70%以内となる地点P、即ち地点Pまでの下端縁か
らの版面法線方向における高さをHとした場合、0≦
/H≦0.7であるいずれの地点Pおいても傾斜
角度Rは、35°≦R≦65°となるよう設定される。
また、図6(c)のごとく、インク保持側断面外形線が
直線部及び曲線部をともに有する構成とし、直線部から
曲線部へと移る部分が連続的に変化するようにしてもよ
い。この場合についても上記と同様に、0≦H/H
≦0.7となるいずれの地点Pにおいても傾斜角度Rは
上記角度範囲に設定される。また、傾斜角度Rについて
は上記と同様とでき、即ちインク保持側断面外形線が直
線となる部分においては、その直線部と版面法線方向と
のなす角度が傾斜面の傾斜角度となり、曲線となる部分
においてはその曲線の接線と版面法線方向とのなす角度
が傾斜角度として採用される。
【0017】また、図1の構成によれば、スコップ12
と、スキージ10と別部材として構成されるインク垂れ
防止部材14によりインク搬送工程におけるインクの保
持を行うため、スキージ10をインク保持に使用せずに
済み、インク保持に適したインク垂れ部材14を選択で
きることとなる。即ち、スキージ10はスクリーン印刷
工程において、スクリーン版4の上面を摺動するため、
剛性の高い材質は適さず、スクリーン版に損傷を与えな
い程度の柔軟性が必要とされる。このような材質である
と、長期使用に伴ってスキージ10の一部に変形や磨耗
等に起因する劣化部が生じる可能性がある。そして、こ
のようなスキージ10をインク保持に兼用すると、その
劣化部によりスコップ12との当接部分に隙間が生じ、
その隙間から保持したインクが漏洩する可能性が生じて
いた。一方、図1のごとく、スキージ10とインク垂れ
防止部材14とを別部材にて構成し、インク垂れ防止部
材14をインクを保持する場合にのみ使用すれば劣化が
少なくなり、結果としてインクの漏洩が効果的に防止さ
れることとなる。
【0018】さらに、インク垂れ防止部材14は、スキ
ージ10より高剛性の材質にて形成できる。このよう
に、インク垂れ防止部材14を高剛性の材質とすれば、
インク垂れ防止部材14が、スキージと比べて変形、磨
耗し難くなり、長期間使用してもインク漏洩の原因とな
る隙間等が生じにくくなる。具体的には、例えば、スキ
ージ10の材質として高分子材料(例えば樹脂部材等)
を採用し、インク垂れ防止部材14は金属材料にて構成
することができる。これらを用いれば、スキージ10と
してスクリーン版4に損傷を与え難くかつインクを良好
に掃き得る材質が採用され、他方のインク垂れ防止部1
4は変形、磨耗等が少ない材質が適用されることとな
る。即ち、それぞれ求められる材質条件を満足すること
ができるのである。
【0019】次に、図7及び図8を参照して、スクリー
ン印刷工程及びインク搬送工程の流れについて説明す
る。なお、これら工程は、図7(a)ないし(c)の順
に続き、次いで、図8(a)ないし(c)の順になされ
る。なお、図7(a)は印刷開始位置の状態を示し、図
7(b)は印刷中の状態を、図7(c)は印刷終了位置
におけるインク回収中の状態を示している。スクリーン
印刷工程では、図7(a)のごとくスクリーン版4の上
面において、スキージ10の片側にインク2を堆積さ
せ、さらに図7(b)のごとくそのインク2をスキージ
10により印刷開始位置から印刷終了位置へ移動させる
ことにより、スクリーン版4の下側に配置されたワーク
基板6の表面に印刷パターンを印刷する。例えば、セラ
ミック多層配線基板の製造におけるセラミックグリーン
シートをワーク基板6とし、そのワーク基板6に形成さ
れるスルーホール部を印刷する場合、スキージ10にて
掃かれてスクリーン版4の上面を移動するインク2は、
図9のように、当該スクリーン版4においてスルーホー
ル23に対応する位置に形成されるインク供給口21よ
りワーク基板6に向けて供給される。さらに、図9のご
とくスルーホール23がワーク基板6を板面方向に貫通
する形で形成されている場合、ワーク基板6に隣接する
スクリーン版4とは逆側の空間を減圧状態とし、スクリ
ーン版4の上面からインク供給口21を介してワーク基
板6に向けて供給されるインク2を、スルーホールを通
過する形で吸引することにより、その通過中にスルーホ
ールの内面を印刷することとなる。
【0020】そして、図7(c)のごとく印刷終了位置
に至ったインク搬送部20は、図3(a)ないし(c)
に示されるインク回収動作の順序により残留インク(イ
ンク2)を掬い取る。このインク回収動作では、図3
(a)及び(b)にて示されるように、印刷終了位置に
おいて、スキージ10の移動方向前方側に残留・堆積し
ている残留インク2を、移動方向においてスキージ10
よりも前方側に配置されたスコップ12と、スキージ1
0からなる又はスキージと別部材として構成されスコッ
プの後方側に配置されるインク垂れ防止部材14とを、
該移動方向にて相対的に接近させることにより、残留イ
ンクをスコップ12により掬い取る。そして、図3
(c)のごとく、その掬い取ったインク2をスコップ1
2とインク垂れ防止部材14との間で保持し、そのイン
クを保持したスコップ12及びインク垂れ防止部材14
をスキージ10とともに、印刷開始位置に向けて一体的
に移動させることにより残留インクを印刷開始位置に復
帰させるのである。
【0021】また、上記インク2(メタライズインク)
の主体となる材質、即ち導体ペーストとしては、Mo、
W、Ag、Ag/Pd、Ag/Pt、Au、Cu等、又
はこれらの混合体を主成分とする導電性材料を所定の溶
剤によってペースト状に混練したものや、Ag粉末、C
u粉末、Au粉末等の低抵抗性材料を主体とし、低融点
ガラスフリット、有機ビヒクルを混練した導電ペースト
を用いてもよい。
【0022】またワーク基板(セラミックグリーンシー
ト等)の主体材料としては、アルミナ、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素、ガラスセラミック、ジルコニウム等の種
々のセラミック又はこれらの混合体を用いることもでき
る。また、材料として、低温焼成セラミックを用いても
よく、例えば、BaO−Al−SiO系材料、
CaO−Al−SiO系材料、CaO−Al
−SiO−B系のガラス粉末とAl
粉末との混合物、MgO−Al−SiO −B
系のガラス粉末とAl粉末との混合物、又は
SiO−B系のガラス粉末とAl粉末と
の混合物等、800℃〜1000℃で焼成できるセラミ
ックを用いればよい。
【0023】また、低融点ガラス成分とセラミックなど
のフィラー材とから成るガラスセラミック材料が用いら
れる場合、例えば、低融点ガラス成分は、コージェライ
ト、ムライト、アノードサイト、セルジアン、スピネ
ル、カーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライ
ト、オオズミライト及びその置換誘電体等の結晶相のう
ち少なくとも1種類を析出し得るガラス成分であり、フ
ィラー材は、クリストバライト、石英、コランダム(α
アルミナ)等が例示できる。
【0024】また、図3(a)のような印刷中(スキー
ジの走行中)では、インク搬送部20は、スキージ10
の先端がスクリーン版4に接触する位置までスキージ保
持部11が降下しており、他方のスコップ保持部15は
インク垂れ防止部材14及びスコップ12がスクリーン
版4に接触しない位置まで上昇した状態が維持される。
そして、インク回収時には、図3(b)のごとくスコッ
プ保持部15が降下する(即ちスコップ保持部15がス
クリーン版4に接近する)とともに、インク垂れ防止部
材14とスコップ12の間にインク2を位置させ、その
状態でスコップ12がインク垂れ部材側に接近すること
によりインク2を掬い取る。なお、インク回収時におい
てはスキージ10はスクリーン版4に接触していてもよ
く、接触しないように上昇していてもよい。
【0025】また、図1及び図3はインク垂れ防止部材
14がスコップ受け部材として機能する例を示している
が、図2のごとく、スキージ10がスコップ受け部材と
して機能するようインク搬送部20を構成し、図4
(a)ないし(c)のごとく、スキージ10とスコップ
12によりインク2を保持して印刷開始位置へ復帰させ
るようにしてもよい。なお、図4のインク回収動作は図
3とほぼ同様とでき、この場合では、図4(b)のごと
く、スキージ10とスコップ12の間にインク2を位置
させた状態でこれらを接近させてインク2回収し、図4
(c)のごとくそれらスキージ10及びスコップ12に
てインク2を保持することとなる。なお、このようにス
キージ10をスコップ受け部材として機能させる場合に
おいても、スコップ12については上記したいずれの形
状(図1、図5、図6等)をも適用できる。
【0026】また、スコップ12の退避時において、ス
コップ12の先端とスコップ受け部材との接近・離間す
る方向(第二接近・離間方向)での距離Wが25mm〜
45mmの範囲となるよう互いに離間する。なお、この
距離Wが25mm未満であると、インク回収時における
掬い取り量が少量となり、十分な回収量が得られない。
また45mmを超えるとインク回収量に対して開放幅が
大きすぎ、不必要な開放幅が加わる分だけスコップの開
閉時間を多くとらねばならず、スクリーン印刷工程の時
間短縮の弊害となる。なお、図1及び図2は、スコップ
12の退避時における状態を示しているが、この距離W
は、図1のようにインク垂れ防止部材14を用いる場合
は、インク垂れ防止部材14とスコップ12との幅を意
味し、図2のごとくスキージ10をスコップ受け部材と
して機能させる場合にはスキージ10とスコップ12と
の幅を意味する。
【0027】そして、インク回収動作が終了すると、そ
のインク2をスコップ12及びインク垂れ防止部材14
にて保持しつつこれを印刷開始位置に向けて移動させ、
これを印刷開始位置に復帰させることとなる。そのイン
ク回収から印刷開始位置における保持インクの排出まで
の流れを図8(a)ないし(c)に示す。なお、図8
(a)では、インクの掬い取り後において、インク搬送
部20が印刷開始位置側への移動動作する前に、ワーク
基板6から外れる領域(即ち、鉛直下方にワーク基板6
が位置しない領域)において、そのインク搬送部20を
当該スクリーン版4と離間させた状態で所定時間(例え
ば、4〜5秒間)移動を停止させるインク搬送部移動停
止工程を実施している。このようにすると、掬い取り時
においてインク垂れ防止部材14あるいはスコップ12
等のインク保持側内面12a以外の部分に付着するイン
クをワーク基板6の領域外(即ち、鉛直下方にワーク基
板6が位置しない領域)において一旦落下させてから、
インク保持部20を移動させることができる。これによ
り、インク保持部20のワーク基板6上部の移動中に、
そのワーク基板6上にインクが滴下せず、落下インクに
よるニジミ等の不具合を効果的に防止できる。
【0028】また、図8(b)ではそのインク搬送部移
動停止工程後において、インク搬送部20が印刷開始位
置側へ移動動作している状態を示している。さらに、そ
の移動動作の後、図8(c)のごとく印刷開始位置にて
スクリーン版4の表面にインク2を堆積させる形で、イ
ンク搬送部20のインク保持状態を解除している(具体
的にはスコップ12とインク垂れ防止部材14とが離間
することにより保持状態を解除している)。
【0029】なお、印刷が終了してからインク搬送工程
を経て次の印刷が開始されるまでの期間に、スクリーン
版4の下側から印刷済みのワーク基板6を印刷時におい
て基板が設定される位置(印刷時基板位置とも称する)
から配出し、代わって新たなワーク基板6をその印刷時
基板位置に供給するようにしてもよい。このようにする
と、印刷終了から次の印刷が開始されるまでの間にワー
ク基板6の交換が済むため(即ち、他の工程(インク搬
送工程等)と並行して行うことができるため)、ワーク
基板6の交換に要する待ち時間を削減でき、配線基板製
造における時間短縮を図ることができる。なお、このよ
うなワーク基板の交換、または前述したインク搬送部移
動停止工程についてはスキージ10をスコップ受け部材
とした場合(図2等参照)においても同様に適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いるスコップ及びスコッ
プ受け部材を模式的に示す模式図。
【図2】図1の変形例を示す図。
【図3】インクの掬い取りを概念的に説明する説明図。
【図4】図2の装置によるインクの掬い取りを説明する
説明図。
【図5】スコップの形状の一例についての説明図。
【図6】図5の変形例をいくつか示す説明図。
【図7】スクリーン印刷工程及びインク搬送工程につい
て説明する説明図。
【図8】図7に続く説明図。
【図9】スルーホールの内面の印刷について説明する説
明図。
【符号の説明】
2 インク 4 スクリーン版 6 ワーク基板 10 スキージ 12 スコップ 12a スコップ内面 14 インク垂れ防止部材 (スコップ受け部材) 20 インク搬送部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーン版の上面において、スキージ
    の片側にインクを堆積させ、そのインクを前記スキージ
    により印刷開始位置から印刷終了位置へ移動させること
    により、前記スクリーン版の下側に配置されたワーク基
    板の少なくとも表面に印刷パターンを印刷するスクリー
    ン印刷工程と、 前記印刷終了位置において、前記スキージの移動方向前
    方側に残留・堆積している残留インクを、前記移動方向
    において前記スキージよりも前方側に配置されたスコッ
    プと、前記スキージからなる又は前記スキージと別部材
    として構成され前記スコップの後方側に配置されたスコ
    ップ受け部材とを、該移動方向にて相対的に接近させる
    ことにより、前記残留インクを前記スコップにより掬い
    取りつつ、その掬い取ったインクを前記スコップと前記
    スコップ受け部材との間で保持し、該インクを保持した
    スコップ及びスコップ受け部材を前記スキージととも
    に、前記印刷開始位置に向けて一体的に移動させるイン
    ク搬送工程とを含み、 さらに、前記スコップのインク保持側の内面の下端縁を
    含む部分が、前記スコップ受け部材側に向けて連続的に
    下る傾斜面とされるとともに、該傾斜面の前記スクリー
    ン版の版面法線方向に対する傾斜角度が35°〜65°
    の範囲に設定されることを特徴とする配線基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記スクリーン版の前記版面法線方向を
    高さ方向として、前記スコップのインク保持側の内面
    は、前記下端縁から前記高さ方向において70%以上の
    区間が、前記スコップ受け部材側に連続的に下る前記傾
    斜面とされている請求項1に記載の配線基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記スコップの退避時において、前記ス
    コップの前記スコップ受け部材に対する接近方向におけ
    る前記スコップの先端と前記スコップ受け部材との距離
    が25mm〜45mmの範囲となるよう互いに離間する
    請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。
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