JP2002103545A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルム

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JP2002103545A
JP2002103545A JP2000303933A JP2000303933A JP2002103545A JP 2002103545 A JP2002103545 A JP 2002103545A JP 2000303933 A JP2000303933 A JP 2000303933A JP 2000303933 A JP2000303933 A JP 2000303933A JP 2002103545 A JP2002103545 A JP 2002103545A
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秀樹 伊藤
Tadashi Tahoda
多保田  規
Hiromu Nagano
煕 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型PETボトルを含むあらゆる用途におい
て、厚み設定を従来より上げることなく、高速装着適性
と収縮仕上がり性に優れ、非ハロゲン系溶剤で接着加工
が可能な積層熱収縮性フィルムを提供することにある。 【解決手段】 フイルムの温湯収縮率が、主収縮方向に
おいて、処理温度70℃・処理時間5秒で20%以上で
あり、処理温度75℃・処理時間5秒で35〜55%で
あり、処理温度80℃・処理時間5秒で50〜60%で
あって、かつ前記フィルムから形成したラベルの圧縮強
度が以下に示す式(1)を満足し、且つ非ハロゲン系溶
剤による接着性に優れる熱収縮性ポリエステルフィル
ム。 y>x2.2 …(1) 式中、yは圧縮強度(mN)、xはフィルム厚み(μ
m)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性ポリエス
テル系フィルムに関し、特にラベル用途に好適な熱収縮
性ポリエステル系フィルムに関する。さらに詳しくは、
ラベル用であって、熱収縮によるシワ、収縮斑、歪みの
発生が極めて少なく、かつ高圧縮強度と非ハロゲン系溶
剤による接着性を両立する熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルム、特にPETボトルの
胴部のラベル用の熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン等からなるフィルムが主として用
いられている。しかし、ポリ塩化ビニルについては、近
年、廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題とな
り、ポリスチレンについては、印刷が困難である等の問
題がある。さらに、PETボトルの回収リサイクルにあ
たっては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のPET以
外の樹脂のラベルは分別する必要がある。このため、こ
れらの問題の無いポリエステル系の熱収縮性フィルムが
注目を集めている。
【0003】ところが、熱収縮性ポリエステル系フィル
ムは、急激に収縮するものが多く、収縮後にシワ、収縮
斑、歪みが残り、また収縮後に外部から与えられた衝撃
におる破断が生じやすい等ラベル用収縮フィルムとして
満足されるものではなかった。
【0004】かかる欠点の一部を回避するため、特公平
7−77757号公報では主収縮方向と直交する方向の
破断強度を著しく小さくすることによって収縮仕上がり
性を改良する方法が開示されている。
【0005】また、特開昭58−64958号公報には
配向戻り応力を小さくすることによって、収縮仕上がり
性を改良する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、上記方法で得られたフィル
ムは収縮トンネル通過時間が短時間である小型PETボ
トル用途では十分な収縮仕上がり性が得られず、収縮フ
ィルムとして満足されるものではなかった。すなわち、
収縮フィルムより形成される筒状のラベルをPETボト
ルに装着し、加熱処理して収縮フィルムを収縮させた際
に、フィルムに収縮によるシワ、収縮斑、歪みが発生す
ることがあった。
【0007】さらに、PETボトル等の飲料充填ライン
は増速化されており、上記したようにラベルの収縮仕上
がり性が良好であることは当然ながら、高速装着適性が
求められている。つまり、図1及び図2に示すように、
PETボトル1にラベル2を加圧部材3で高速で装着す
る場合に、ラベルの高速装着適性が悪いとラベルの腰が
折れて装着できない場合がある。ラベルの装着適性はフ
ィルム腰の強さに起因することろが大きく、フィルムの
厚みを上げることで対応は可能ではあるが弊害も発生す
る。例えば、フィルムの厚みが上がることにより重量増
加となり取り扱い性が低下する。また、フィルム厚みが
上がることによりコストが増加すること等がある。
【0008】また、フィルムをチューブ状に加工する際
の接着溶剤として従来よりハロゲン系溶剤が広く使用さ
れているが安全衛生上の問題により非ハロゲン系溶剤を
使用されるケースが増えている。非ハロゲン系溶剤はハ
ロゲン系溶剤に比較してフィルムの接着性が低下する傾
向にあり、フィルムの溶剤接着性を向上させるとフィル
ムの腰の強さが低下する等の問題が発生することがあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的とするところは、小型
PETボトルを含むあらゆる用途において、厚み設定を
従来より上げることなく、高速装着適性と収縮仕上がり
性に優れ、非ハロゲン系溶剤で接着加工が可能な熱収縮
性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムは、フイルムの温湯収縮率が、主収縮
方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で20%
以上であり、処理温度75℃・処理時間5秒で35〜5
5%であり、処理温度80℃・処理時間5秒で50〜6
0%であって、かつ前記フィルムから形成したラベルの
圧縮強度が以下に示す式(1)を満足し、且つ非ハロゲ
ン系溶剤による接着性に優れる。 y>x2.2 …(1) 式中、yは圧縮強度(mN)、xはフィルム厚み(μ
m)を表す。
【0011】一つの実施態様では、厚み分布が6%以下
である。
【0012】本発明のボトル用ラベルは、前記記熱収縮
性ポリエステル系フィルムを用いて作製され、そのこと
により上記目的が達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を具体
的に説明する。
【0014】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを構成成分とす
るポリエステルから作製される。
【0015】前記ポリエステルを構成するジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環式ジカ
ルボン酸等が挙げられる。
【0016】脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸等)を含有する場合、
含有率は3モル%未満(使用する全ジカルボン酸成分に
対して、以下同じ)であることが好ましい。これらの脂
肪族ジカルボン酸を3モル%以上含有するポリエステル
を使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、
収縮処理後の主収縮方向と直交する方向の破断伸度が低
下しやすく、また高速装着時のフィルム腰が不十分であ
る。
【0017】また、3価以上の多価カルボン酸(例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水
物等)は含有しないことが好ましい。好ましくは3モル
%以下である。これらの多価カルボン酸を含有するポリ
エステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィル
ムでは、収縮処理後の主収縮方向と直交する方向の判断
伸度が低下しやすく、また必要な高収縮率を達成しにく
くなる。
【0018】本発明で使用するポリエステルを構成する
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、芳香族ジオ
ール等が挙げられる。
【0019】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
に用いるポリエステルは、炭素数3〜6個を有するジオ
ール(例えばプロパンジオール、ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうち1種
以上を含有させて、ガラス転移点(Tg)を60〜75
℃に調整したポリエステルが好ましい。
【0020】また、収縮仕上り性が特に優れた熱収縮性
ポリエステル系フィルムとするためには、ネオペンチル
グリコールをジオール成分の1種として用いることがで
きる。好ましくは15〜25モル%である(使用する全
ジオール成分に対して、以下同じ)。
【0021】炭素数8個以上のジオール(例えばオクタ
ンジオール等)、又は3価以上の多価アルコール(例え
ば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
グリセリン、ジグリセリン等)は、含有しないことが好
ましい。好ましくは3モル%以下である。これらのジオ
ール、又は多価アルコールを含有するポリエステルを使
用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要
な高収縮率を達成しにくくなる。
【0022】前記ポリエステルは、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
はできるだけ含有しないことが好ましい。特にジエチレ
ングリコールは、ポリエステル重合時の副生成成分のた
め、存在しやすいが、本発明で使用するポリエステルで
は、ジエチレングリコールの含有率が4モル%未満であ
ることが好ましい。
【0023】本発明のポリエステルに使用される好まし
い酸成分とジオール成分は、次の通りである。両外層の
主酸性分をテレフタル酸とし、イソフタル酸を13モル
%以上、アジピン酸を2.6モル%以上5モル%未満配
合する。また、主グリコール成分をエチレングリコール
とし、ブタンジオールを10〜15モル%配合する。中
間層の主酸成分をテレフタル酸とし、イソフタル酸を1
3モル%以上、アジピン酸を1モル%以上2.1モル%
未満配合する。また、主グリコール成分をエチレングリ
コールとし、ブタンジオールを5モル%以上9モル%未
満配合する。
【0024】なお、上記酸成分、ジオール成分の含有率
は、2種以上のポリエステルを混合して使用する場合、
ポリエステル全体の酸成分、ジオール成分に対する含有
率である。混合後にエステル交換がなされているかどう
かにはかかわらない。さらに、熱収縮性フィルムの易滑
性を向上させるために、例えば、二酸化チタン、微粒子
状シリカ、カオリン、炭酸カルシウムなどの無機滑剤、
また例えば、長鎖脂肪酸エステルなどの有機滑剤を含有
させるのも好ましい。また、必要に応じて、安定剤、着
色剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、紫外線吸収剤
等の添加剤を含有させてもよい。
【0025】上記ポリエステルは、いずれも従来の方法
により重合して製造され得る。例えば、ジカルボン酸と
ジオールとを直接反応させる直接エステル化法、ジカル
ボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエス
テル交換法などを用いて、ポリエステルが得られる。重
合は、回分式および連続式のいずれの方法で行われても
よい。
【0026】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は両外層と中間層の少なくとも3層からなり、両外層の
厚みはそれぞれ0.1μm以上であり好ましくは1μm
〜30μmである。外層の厚みが0.1μm以下の場合
十分な溶剤接着強度が得られない。また外層の厚みが3
0μmを越えるとフィルムの溶剤接着性以外の特性に影
響を及ぼし好ましくない。
【0027】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、温水中で無荷重状態で処理して収縮前後の長さか
ら、熱収縮率=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収
縮前の長さ)×100(%)の式で算出したフィルムの
温湯収縮率が、主収縮方向において、処理温度70℃・
処理時間5秒で20%以上であり、好ましくは22〜3
5%であり、75℃・5秒で35〜55%であり、好ま
しくは40〜50%であり、80℃・5秒で50〜60
%である。
【0028】主収縮方向の温湯収縮率が70℃・5秒で
20%未満の場合は、低温収縮性が不足し、収縮温度を
高くする必要があり好ましくない。一方、50%を越え
る場合は、熱収縮によるラベルの飛び上がりが発生し好
ましくない。
【0029】75℃・5秒の収縮率は35〜55%であ
り、35%未満の場合は、ボトルの口部の収縮が不十分
になり好ましくない(つまり、ボトル等の被包装体を包
装して収縮トンネルを通過させたとき、花びら状に端部
が広く収縮斑及びシワが発生しやすい)。一方、55%
を越える場合は加熱収縮後もさらに収縮する力があるた
め、ラベルが飛び上がりやすくなる。
【0030】80℃・5秒の収縮率は50〜60%であ
り、50%未満の場合は、ボトルの口部の収縮が不十分
になり好ましくない。一方、60%を越える場合は加熱
収縮後もさらに収縮する力があるため、ラベルが飛び上
がりやすくなる。
【0031】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは、フィルムから作製したラベルの圧縮強度が以
下に示す式(1)を満足する。 y>x2.2 …(1) 式中、yは圧縮強度(mN)、xはフィルム厚み(μ
m)を表す。
【0032】好ましいラベルの圧縮強度yは以下の通り
である。 y>1.1x2.2 …(1) 圧縮強度はフィルムの厚みにより影響を受けるが、高速
装着機械適性上、上記式を満足しない場合は、ラベル装
着不良の問題を生ずる可能性がある。
【0033】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
の厚みxは、特に限定するものではないが、ラベル用熱
収縮性フィルムとして10〜200μmが好ましく、2
0〜100μmがさらに好ましい。
【0034】次に本発明の熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムの製造法について、具体例を説明するが、この製造
法に限定されるものではない。
【0035】本発明に用いるポリエステル原料をホッパ
ードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真
空乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度で溶
融しフィルム状に押し出す。押し出しに際してはTダイ
法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用して構
わない。押し出し後、急冷して未延伸フィルムを得る。
【0036】次に、得られた未延伸フィルムを、ポリエ
ステルのTg−5℃以上、ポリエステルのTg+15℃
未満の温度(例えば、70℃〜90℃)で、縦方向(押
し出し方向)に1.05倍以上、好ましくは1.05〜
1.20倍延伸する。次に、フィルムを予備加熱した
後、横方向(主収縮方向)に4.5倍以上延伸する(1
次延伸)。好ましくは4.7〜5.2倍である。ここ
で、フィルムを予熱することにより、収縮を抑えてフィ
ルムの腰を強くすることができる。その後、65〜85
℃でさらに横方向に1.05倍以上延伸して(2次延
伸)、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムが得ら
れる。
【0037】このように2段延伸することによってもフ
ィルムの腰を強くし、高速収縮および高速装着に支承の
ないようにすることができる。
【0038】延伸の方法は、縦方向の延伸に加えてテン
ターでの横方向に延伸して2軸延伸するものであり、こ
のような2軸延伸は、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法
のいずれの方法によってもよく、さらに必要に応じて、
縦方向または横方向に再延伸を行ってもよい。
【0039】なお、本発明の目的を達成するには、主収
縮方向としては横方向が実用的であるので、以上では、
主収縮方向が横方向である場合の製膜法の例を示した
が、主収縮方向を縦方向とする場合も、上記方法におけ
る延伸方向を90度変えるほかは、上記方法の操作に準
じて製膜することができる。
【0040】本発明では、ポリエステルから得られた未
延伸フィルムを、Tg−5℃以上、Tg+15℃未満の
温度で延伸することが好ましい。
【0041】Tg−5℃未満の温度で延伸した場合、本
発明の構成要件である熱収縮率を得にくいばかりでな
く、得られたフィルムの透明性が悪化するため好ましく
ない。
【0042】又、Tg+15℃以上の温度で延伸した場
合、得られたフィルムは高速装着時のフィルム腰が不十
分であり、かつフィルムの厚みむらが著しく損なわれる
ため好ましくない。
【0043】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、フィルムの厚みから、厚み分布=((最大厚み−最
小厚み)/平均厚み)×100(%)の式で算出された
フィルムの厚み分布が6%以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、5%以下である。
【0044】厚み分布が6%以下のフィルムは、例えば
収縮仕上り性評価時に実施する3色印刷で、色の重ね合
せが容易であるのに対し、6%を越えたフィルムは色の
重ね合せの点で好ましくない。
【0045】熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分
布を均一化させるためには、テンターを用いて横方向に
延伸する際、延伸工程に先立って実施される予備加熱工
程では、熱伝達係数が0.0013カロリー/cm2
sec・℃以下となるよう低風速で所定のフィルム温度
になるまで加熱を行うことが好ましい。
【0046】また、延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑
制し、巾方向のフィルム温度斑を小さくするためには、
延伸工程の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2
・sec・℃以上、好ましくは0.0011〜0.00
17カロリー/cm2・sec・℃の条件がよい。
【0047】予備加熱工程の熱伝達係数が0.0013
カロリー/cm2・secを越える場合、また、延伸工
程での熱伝達係数が0.0009カロリー/cm2・s
ec未満の場合、厚み分布が均一になりにくく、得られ
たフィルムを多色印刷加工する際、多色の重ね合せで図
柄のずれが起こり好ましくない。
【0048】本発明のラベルは、所定の寸法の矩形状の
熱収縮性フィルムを筒状に丸めて端部どうしを接着しチ
ューブ状体を作成し、これをさらに切断して作成され
る。接着方法としては、限定されないが、例えば、ポリ
エステル系フィルムの接合面の少なくとも片面に溶剤ま
たは膨潤剤を塗布し、乾燥する前に接合する。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。
【0050】本発明のフィルムの評価方法は下記の通り
である。
【0051】(1)熱収縮率 フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定
温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で所定時
間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向
の寸法を測定し、下記(2)式に従いそれぞれ熱収縮率
を求めた。該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とし
た。熱収縮率=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮
前の長さ)×100(%) (2)
【0052】(2)収縮仕上り性 熱収縮性フィルムに、あらかじめ東洋インキ製造(株)
の草・金・白色のインキで3色印刷した。
【0053】Fuji Astec Inc製スチームトンネル(型
式:SH−1500−L)を用い、通過時間2.5秒、
ゾーン温度80℃で、500ml丸ボトル(高さ20.6
cm、中央部の直径6.5cm:(株)吉野工業所製でキリ
ンビバレッジ(株)の午後の紅茶に使用されているボト
ル)を用いてテストした(測定数=20)。
【0054】評価は目視で行い、基準は下記の通りとし
た。
【0055】 シワ、飛び上り、収縮不足の何れも未発生 : ○ シワ、飛び上り、又は収縮不足が発生 : ×
【0056】(3)圧縮強度 折り径175mm、長さ120mmのラベルを作成し、該ラ
ベルを折り返した底面が四角形の筒体となるようにし、
該筒体の上下方向の圧縮強度を測定した。東洋精器
(株)製のストログラフ(型式:V10−C)を用い
て、圧縮モードでクロスヘッドスピード200mm/分で
の圧縮強度(mN)の最大値を測定した(n=5)。」
【0057】(4)Tg(ガラス転移点) セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC22
0)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃か
ら120℃まで、昇温速度20℃/分で昇温し、得られ
た吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線
を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
【0058】(5)厚み分布 アンリツ(株)製の接触厚み計(型式:KG60/A)
を用いて、縦方向5cm、横方向50cmのサンプルの
厚みを測定し(測定数=20)、各々のサンプルについ
て、下記(3)式により厚み分布(厚みのバラツキ)を
求めた。また、該厚み分布の平均値(n=50)を下記
の基準に従って評価した。
【0059】 厚み分布=((最大厚み−最小厚み)/平均厚み)×100(%) (3) 6%以下 → ○ 6%より大きく10%未満 → △ 10%以上 → ×
【0060】(6)溶剤接着性 チューブ状成形装置を使用し、フィルムの1面に1.3
ジオキソランを3g/平方mの塗布量で塗布し、直ちに
(乾燥しない間に)フィルムを重ね合わせてチューブ状
に加工した。得られたチューブ状フィルムの接合部を巾
15mm、長さ50mmにサンプリングし、円周方向へ
剥離させた接着強度を下記の基準に従って評価した(n
=5)。
【0061】
【0062】(7)極限粘度 試料200mgをフェノール/テトラクロロエタン=5
0/50の混合溶媒20mlに加え、110℃で1時間
加熱した後、30℃で測定した。
【0063】実施例に用いたポリエステルは以下の通り
である。
【0064】ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレ
ート(極限粘度(IV)0.75dl/g) ポリエステルB:テレフタル酸78モル%、イソフタル
酸22モル%とエチレングリコールからなるポリエステ
ル(IV 0.72dl/g) ポリエステルC:テレフタル酸65モル%、イソフタル
酸10モル%、アジピン酸25モル%と、ブタンジオー
ルからなるポリエステル(IV 0.77dl/g) ポリエステルD:テレフタル酸と、エチレングリコール
70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%からな
るポリエステル(IV 0.72dl/g) ポリエステルE:ポリブチレンテレフタレート(IV
1.20dl/g)
【0065】(実施例1)両外層にポリエステルA19
重量%、ポリエステルB66重量%、ポリエステルC1
5重量%を、中間層にポリエステルA21重量%、ポリ
エステルB74重量%、ポリエステルC5重量%をそれ
ぞれ混合したポリエステルを280℃で溶融しTダイか
ら共押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムのTgは69℃であった。
【0066】該未延伸フィルムを80℃で縦方向に1.
1倍延伸し、次に熱伝導係数0.033W/(m・℃)の
条件でフィルム温度が89℃になるまで予備加熱した
後、テンターで横方向に70℃で4.7倍延伸した(1
次延伸)。次いで、70℃で10秒間熱処理し、さらに
横方向に68℃で1.1倍延伸して(2次)、厚み50
μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0067】(実施例2)両外層にポリエステルA6重
量%、ポリエステルB79重量%、ポリエステルC15
重量%を、中間層にポリエステルA21重量%、ポリエ
ステルB74重量%、ポリエステルC5重量%をそれぞ
れ混合したポリエステルを使用したこと以外は、実施例
1と同様にして、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。この未延伸フィルムのTgは69℃
であった。
【0068】横方向に72℃で延伸(1次)したこと以
外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱収縮性
ポリエステル系フィルムを得た。
【0069】(実施例3)長手方向に1.5倍延伸した
以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱収縮
性ポリエステル系フィルムを得た。
【0070】(比較例1)1次延伸温度を87℃とした
こと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱
収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0071】(比較例2)長手方向に1倍、幅方向に4
倍延伸とした以外は、実施例1と同様にして、厚み50
μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0072】(比較例3)ポリエステルA20重量%、
ポリエステルB70重量%、ポリエステルC10重量%
を混合したポリエステルを用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系
フィルムを得た。この未延伸フィルムのTgは69℃で
あった。
【0073】(比較例4)ポリエステルA25重量%、
ポリエステルD50重量%、ポリエステルE25重量%
を混合したポリエステルを用い、そして横方向に74℃
で延伸したこと以外は、比較例3と同様にして、厚み5
0μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。この
未延伸フィルムのTgは66℃であった。
【0074】実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた
フィルムの評価結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られたフィルムはいずれも収縮仕上り性が良好であっ
た。また、圧縮強度も十分で厚み分布も良好であった。
また、非ハロゲン系溶剤接着性も良好であった。本発明
の熱収縮性ポリエステル系フィルムは高品質で実用性が
高く、特に収縮ラベル用として好適である。
【0077】一方、比較例1で得られた熱収縮性フィル
ムは収縮仕上がり性と厚み分布が劣っていた。また比較
例2で得られた熱収縮性フィルムは収縮仕上り性が劣っ
ていた。また比較例3で得られた熱収縮性フィルムは非
ハロゲン系溶剤接着性が劣っていた。また、比較例4で
得られた熱収縮性フィルムは圧縮強度が劣っていた。こ
のように比較例で得られた熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムはいずれも品質が劣り、実用性が低いものであっ
た。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、熱収縮によるシワ、収
縮斑、歪み及び収縮不足の発生が極めて少ない良好な仕
上がり性が可能であり、また非ハロゲン系溶剤による接
着加工が可能であり、また高速装着に耐えるフィルム腰
を有し及び短時間で高収縮率となる収縮性能を有する熱
収縮フィルムが得られる。
【0079】従って、高速でのラベルの装着及び収縮が
必要とされているPETボトルのラベル用の熱収縮性ポ
リエステル系フィルムとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】PETボトルに収縮フィルムを装着する状態を
示す説明図である。
【図2】PETボトルに収縮フィルムを装着して収縮し
た後の状態を示す要部正面図である。
【符号の説明】
1 PETボトル 2 ラベル 3 加圧部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 3E062 AA09 AB01 AC02 JA03 JB05 JC07 4F100 AK41A AK41B AK41C AK42 AL05 BA03 BA27 EH202 EJ382 GB90 JA03 YY00 4F210 AA24 AE01 AG01 AG03 RA03 RC02 RG02 RG04 RG09 RG43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムの温湯収縮率が、主収縮方向に
    おいて、処理温度70℃・処理時間5秒で20%以上で
    あり、処理温度75℃・処理時間5秒で35〜55%で
    あり、処理温度80℃・処理時間5秒で50〜60%で
    あり、前記フィルムから形成したラベルの圧縮強度が以
    下に示す式(1)を満足し、且つ非ハロゲン系溶剤によ
    る接着性に優れることを特徴とする積層熱収縮性ポリエ
    ステル系フィルム: y>x2.2 …(1) 式中、yは圧縮強度(mN)、xはフィルム厚み(μ
    m)を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル
    系フィルムの厚み分布が6%以下であることを特徴とす
    る熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエ
    ステル系フィルムを用いて作製されたことを特徴とする
    ボトル用ラベル。
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