JP2002067210A - 積層熱収縮性フィルム及びボトル用ラベル - Google Patents

積層熱収縮性フィルム及びボトル用ラベル

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JP2002067210A
JP2002067210A JP2000263290A JP2000263290A JP2002067210A JP 2002067210 A JP2002067210 A JP 2002067210A JP 2000263290 A JP2000263290 A JP 2000263290A JP 2000263290 A JP2000263290 A JP 2000263290A JP 2002067210 A JP2002067210 A JP 2002067210A
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polyester
shrinkable
heat
shrinkage
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Hideki Ito
秀樹 伊藤
Tadashi Tahoda
多保田  規
Hiromu Nagano
煕 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型PETボトルを含むあらゆる用途におい
て、厚み設定を従来より上げることなく、高速装着適性
と収縮仕上がり性に優れ、非ハロゲン系溶剤で接着加工
が可能な積層熱収縮性フィルムを提供することにある。 【解決手段】 両外層と中間層の少なくとも3層からな
るフィルムであって、前記フイルムの温湯収縮率が、主
収縮方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で2
0%以上であり、処理温度75℃・処理時間5秒で35
〜55%であり、処理温度80℃・処理時間5秒で50
〜60%であって、かつ前記フィルムから形成したラベ
ルの圧縮強度が以下に示す式(1)を満足する。 Y>X2.2 …(1) 式中、Yは圧縮強度(mN)、Xはフィルム厚み(μ
m)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層熱収縮性フィ
ルムに関し、特にラベル用途に好適な積層熱収縮性フィ
ルムに関する。さらに詳しくは、ラベル用であって、熱
収縮によるシワ、収縮斑、歪みの発生が極めて少なく、
かつ高圧縮強度と非ハロゲン系溶剤による接着性を両立
する熱収縮性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルム、特にPETボトルの
胴部のラベル用の熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン等からなるフィルムが主として用
いられている。しかし、ポリ塩化ビニルについては、近
年、廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題とな
り、ポリスチレンについては、印刷が困難である等の問
題がある。さらに、PETボトルの回収リサイクルにあ
たっては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のPET以
外の樹脂のラベルは分別する必要がある。このため、こ
れらの問題の無いポリエステル系の熱収縮性フィルムが
注目を集めている。
【0003】ところが、熱収縮性ポリエステル系フィル
ムは、急激に収縮するものが多く、収縮後にシワ、収縮
斑、歪みが残り、また収縮後に外部から与えられた衝撃
におる破断が生じやすい等ラベル用収縮フィルムとして
満足されるものではなかった。
【0004】かかる欠点の一部を回避するため、特公平
7−77757号公報では主収縮方向と直交する方向の
破断強度を著しく小さくすることによって収縮仕上がり
性を改良する方法が開示されている。
【0005】また、特開昭58−64958号公報には
配向戻り応力を小さくすることによって、収縮仕上がり
性を改良する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、上記方法で得られたフィル
ムは収縮トンネル通過時間が短時間である小型PETボ
トル用途では十分な収縮仕上がり性が得られず、収縮フ
ィルムとして満足されるものではなかった。すなわち、
収縮フィルムより形成される筒状のラベルをPETボト
ルに装着し、加熱処理して収縮フィルムを収縮させた際
に、フィルムに収縮によるシワ、収縮斑、歪みが発生す
ることがあった。
【0007】さらに、PETボトル等の飲料充填ライン
は増速化されており、上記したようにラベルの収縮仕上
がり性が良好であることは当然ながら、高速装着適性が
求められている。つまり、図1及び図2に示すように、
PETボトル1にラベル2を加圧部材3で高速で装着す
る場合に、ラベルの高速装着適性が悪いとラベルの腰が
折れて装着できない場合がある。ラベルの装着適性はフ
ィルム腰の強さに起因することろが大きく、フィルムの
厚みを上げることで対応は可能ではあるが弊害も発生す
る。例えば、フィルムの厚みが上がることにより重量増
加となり取り扱い性が低下する。また、フィルム厚みが
上がることによりコストが増加すること等がある。
【0008】また、フィルムをチューブ状に加工する際
の接着溶剤として従来よりハロゲン系溶剤が広く使用さ
れているが安全衛生上の問題により非ハロゲン系溶剤を
使用されるケースが増えている。非ハロゲン系溶剤はハ
ロゲン系溶剤に比較してフィルムの接着性が低下する傾
向にあり、フィルムの溶剤接着性を向上させるとフィル
ムの腰の強さが低下する等の問題が発生することがあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的とするところは、小型
PETボトルを含むあらゆる用途において、厚み設定を
従来より上げることなく、高速装着適性と収縮仕上がり
性に優れ、非ハロゲン系溶剤で接着加工が可能な積層熱
収縮性フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層熱収縮性フ
ィルムは、両外層と中間層の少なくとも3層からなるフ
ィルムであって、前記フイルムの温湯収縮率が、主収縮
方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で20%
以上であり、処理温度75℃・処理時間5秒で35〜5
5%であり、処理温度80℃・処理時間5秒で50〜6
0%であって、かつ前記フィルムから形成したラベルの
圧縮強度が以下に示す式(1)を満足することを特徴と
する。 Y>X2.2 …(1) 式中、Yは圧縮強度(mN)、Xはフィルム厚み(μ
m)を表す。
【0011】この場合において、前記フィルムの両外層
のガラス点移転温度が中間層のガラス点移転温度より低
いことが好適である。
【0012】また、この場合において、前記フィルムの
両外層が全酸成分中にイソフタル酸が13モル%以上、
アジピン酸が2.6モル%以上、全グリコール成分中に
ブタンジオールが10モル%以上配合されたポリエステ
ル系樹脂からなり、かつ、中間層が全酸成分中にイソフ
タル酸が13モル%以上、アジピン酸が2.1モル%未
満、全グリコール成分中にブタンジオールが9モル%未
満配合されたポリエステル系樹脂からなることが好適で
ある。
【0013】さらにまた、この場合において、前記フィ
ルムの厚み分布が6%以下であることが好適である。
【0014】さらにまた、この場合において、前記フィ
ルムを用いて作製されたボトル用ラベルが好適である。
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を具体
的に説明する。
【0015】本発明の積層熱収縮性フィルムは、両外層
と中間層の少なくとも3層からなるフィルムであり、両
外層と中間層で機能を分担が可能である。
【0016】このとき、両外層のガラス点移転温度が中
間層のガラス点移転温度より低くすることで、フィルム
同士の接着性とフィルム全体の強度を両立することがで
きる。
【0017】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは、フィルムから作製したラベルの圧縮強度が以
下に示す式(1)を満足する。 Y>X2.2 …(1) 式中、Yは圧縮強度(mN)、Xはフィルム厚み(μ
m)を表す。
【0018】好ましいラベルの圧縮強度yは以下の通り
である。 Y>1.1X2.2 …(1) 圧縮強度はフィルムの厚みにより影響を受けるが、高速
装着機械適性上、上記式を満足しない場合は、ラベル装
着不良の問題を生ずる可能性がある。
【0019】本発明の積層熱収縮性フィルムの厚みX
は、特に限定するものではないが、ラベル用熱収縮性フ
ィルムとして10〜200μmが好ましく、20〜10
0μmがさらに好ましい。
【0020】本発明の積層熱収縮性フィルムは廃棄時に
焼却する際の塩素系ガス発生の問題がない、リサイクル
に適している等の点からポリエステル系フィルムである
ことが好ましい。
【0021】本発明の積層熱収縮性フィルムは、ジカル
ボン酸成分とジオール成分とを構成成分とするポリエス
テルから作製されるのが好ましい。
【0022】該ポリエステルを構成するジカルボン酸成
分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環式ジカ
ルボン酸等が挙げられる。
【0023】脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸等)を含有する場合、
含有率は3モル%未満(使用する全ジカルボン酸成分に
対して、以下同じ)であることが好ましい。これらの脂
肪族ジカルボン酸を3モル%以上含有するポリエステル
を使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、
収縮処理後の主収縮方向と直交する方向の破断伸度が低
下しやすく、また高速装着時のフィルム腰が不十分であ
る。
【0024】また、3価以上の多価カルボン酸(例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水
物等)は含有しないことが好ましい。好ましくは3モル
%以下である。これらの多価カルボン酸を含有するポリ
エステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィル
ムでは、収縮処理後の主収縮方向と直交する方向の判断
伸度が低下しやすく、また必要な高収縮率を達成しにく
くなる。
【0025】本発明で使用するポリエステルを構成する
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、芳香族ジオ
ール等が挙げられる。
【0026】本発明の積層熱収縮性フィルムに用いるポ
リエステルは、炭素数3〜6個を有するジオール(例え
ばプロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサンジオール等)のうち1種以上を含有
させて、ガラス転移点(Tg)を60〜75℃に調整し
たポリエステルが好ましい。
【0027】また、収縮仕上り性が特に優れた積層熱収
縮性フィルムとするためには、ネオペンチルグリコール
をジオール成分の1種として用いることができる。好ま
しくは15〜25モル%である(使用する全ジオール成
分に対して、以下同じ)。
【0028】炭素数8個以上のジオール(例えばオクタ
ンジオール等)、又は3価以上の多価アルコール(例え
ば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
グリセリン、ジグリセリン等)は、含有しないことが好
ましい。好ましくは3モル%以下である。これらのジオ
ール、又は多価アルコールを含有するポリエステルを使
用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要
な高収縮率を達成しにくくなる。
【0029】該ポリエステルは、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
はできるだけ含有しないことが好ましい。特にジエチレ
ングリコールは、ポリエステル重合時の副生成成分のた
め、存在しやすいが、本発明で使用するポリエステルで
は、ジエチレングリコールの含有率が4モル%未満であ
ることが好ましい。
【0030】本発明で使用されるポリエステルの好まし
い酸成分とジオール成分は、次の通りである。両外層の
主酸性分をテレフタル酸とし、イソフタル酸を13モル
%以上、アジピン酸を2.6モル%以上5モル%未満配
合する。また、主グリコール成分をエチレングリコール
とし、ブタンジオールを10〜15モル%配合する。中
間層の主酸成分をテレフタル酸とし、イソフタル酸を1
3モル%以上、アジピン酸を1モル%以上2.1モル%
未満配合する。また、主グリコール成分をエチレングリ
コールとし、ブタンジオールを5モル%以上9モル%未
満配合する。
【0031】なお、上記酸成分、ジオール成分の含有率
は、2種以上のポリエステルを混合して使用する場合、
ポリエステル全体の酸成分、ジオール成分に対する含有
率である。混合後にエステル交換がなされているかどう
かにはかかわらない.さらに、熱収縮性フィルムの易滑
性を向上させるために、例えば、二酸化チタン、微粒子
状シリカ、カオリン、炭酸カルシウムなどの無機滑剤、
また例えば、長鎖脂肪酸エステルなどの有機滑剤を含有
させるのも好ましい。また、必要に応じて、安定剤、着
色剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、紫外線吸収剤
等の添加剤を含有させてもよい。
【0032】上記ポリエステルは、いずれも従来の方法
により重合して製造され得る。例えば、ジカルボン酸と
ジオールとを直接反応させる直接エステル化法、ジカル
ボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエス
テル交換法などを用いて、ポリエステルが得られる。重
合は、回分式および連続式のいずれの方法で行われても
よい。
【0033】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は両外層と中間層の少なくとも3層からなり、両外層の
厚みはそれぞれ0.1μm以上であり好ましくは1μm
〜30μmである。外層の厚みが0.1μm以下の場合
十分な溶剤接着強度が得られない。また外層の厚みが3
0μmを越えるとフィルムの溶剤接着性以外の特性に影
響を及ぼし好ましくない。
【0034】本発明の積層熱収縮性フィルムは、温水中
で無荷重状態で処理して収縮前後の長さから、熱収縮率
=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ)
×100(%)の式で算出したフィルムの温湯収縮率
が、主収縮方向において、処理温度70℃・処理時間5
秒で20%以上であり、好ましくは22〜35%であ
り、75℃・5秒で35〜55%であり、好ましくは4
0〜50%であり、80℃・5秒で50〜60%であ
る。
【0035】主収縮方向の温湯収縮率が70℃・5秒で
20%未満の場合は、低温収縮性が不足し、収縮温度を
高くする必要があり好ましくない。一方、50%を越え
る場合は、熱収縮によるラベルの飛び上がりが発生し好
ましくない。
【0036】75℃・5秒の収縮率は35〜55%であ
り、35%未満の場合は、ボトルの口部の収縮が不十分
になり好ましくない(つまり、ボトル等の被包装体を包
装して収縮トンネルを通過させたとき、花びら状に端部
が広く収縮斑及びシワが発生しやすい)。一方、55%
を越える場合は加熱収縮後もさらに収縮する力があるた
め、ラベルが飛び上がりやすくなる。
【0037】80℃・5秒の収縮率は50〜60%であ
り、50%未満の場合は、ボトルの口部の収縮が不十分
になり好ましくない。一方、60%を越える場合は加熱
収縮後もさらに収縮する力があるため、ラベルが飛び上
がりやすくなる。
【0038】次に本発明の積層熱収縮性フィルムの製造
法について、具体例を説明するが、この製造法に限定さ
れるものではない。
【0039】ます最初に上記ポリエステル原料をホッパ
ードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真
空乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度で溶
融しフィルム状に押し出す。押し出しに際してはTダイ
法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用して構
わない。押し出し後、急冷して未延伸フィルムを得る。
【0040】次に、得られた未延伸フィルムを、ポリエ
ステルのTg−5℃以上、ポリエステルのTg+15℃
未満の温度(例えば、70℃〜90℃)で、縦方向(押
し出し方向)に1.05倍以上、好ましくは1.05〜
1.20倍延伸する。次に、フィルムを予備加熱した
後、横方向(主収縮方向)に4.5倍以上延伸する(1
次延伸)。好ましくは4.7〜5.2倍である。ここ
で、フィルムを予熱することにより、収縮を抑えてフィ
ルムの腰を強くすることができる。その後、65〜85
℃でさらに横方向に1.05倍以上延伸して(2次延
伸)、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムが得ら
れる。
【0041】このように2段延伸することによってもフ
ィルムの腰を強くし、高速収縮および高速装着に支承の
ないようにすることができる。
【0042】延伸の方法は、縦方向の延伸に加えてテン
ターでの横方向に延伸して2軸延伸するものであり、こ
のような2軸延伸は、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法
のいずれの方法によってもよく、さらに必要に応じて、
縦方向または横方向に再延伸を行ってもよい。
【0043】なお、本発明の目的を達成するには、主収
縮方向としては横方向が実用的であるので、以上では、
主収縮方向が横方向である場合の製膜法の例を示した
が、主収縮方向を縦方向とする場合も、上記方法におけ
る延伸方向を90度変えるほかは、上記方法の操作に準
じて製膜することができる。
【0044】本発明では、ポリエステルから得られた未
延伸フィルムを、Tg−5℃以上、Tg+15℃未満の
温度で延伸することが好ましい。
【0045】Tg−5℃未満の温度で延伸した場合、本
発明の構成要件である熱収縮率を得にくいばかりでな
く、得られたフィルムの透明性が悪化するため好ましく
ない。
【0046】又、Tg+15℃以上の温度で延伸した場
合、得られたフィルムは高速装着時のフィルム腰が不十
分であり、かつフィルムの厚みむらが著しく損なわれる
ため好ましくない。
【0047】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、フィルムの厚みから、厚み分布=((最大厚み−最
小厚み)/平均厚み)×100(%)の式で算出された
フィルムの厚み分布が6%以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、5%以下である。
【0048】厚み分布が6%以下のフィルムは、例えば
収縮仕上り性評価時に実施する3色印刷で、色の重ね合
せが容易であるのに対し、6%を越えたフィルムは色の
重ね合せの点で好ましくない。
【0049】積層熱収縮性フィルムの厚み分布を均一化
させるためには、テンターを用いて横方向に延伸する
際、延伸工程に先立って実施される予備加熱工程では、
熱伝達係数が0.0013カロリー/cm2・sec・
℃以下となるよう低風速で所定のフィルム温度になるま
で加熱を行うことが好ましい。
【0050】また、延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑
制し、巾方向のフィルム温度斑を小さくするためには、
延伸工程の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2
・sec・℃以上、好ましくは0.0011〜0.00
17カロリー/cm2・sec・℃の条件がよい。
【0051】予備加熱工程の熱伝達係数が0.0013
カロリー/cm2・secを越える場合、また、延伸工
程での熱伝達係数が0.0009カロリー/cm2・s
ec未満の場合、厚み分布が均一になりにくく、得られ
たフィルムを多色印刷加工する際、多色の重ね合せで図
柄のずれが起こり好ましくない。
【0052】本発明のラベルは、所定の寸法の矩形状の
熱収縮性フィルムを筒状に丸めて端部どうしを接着しチ
ューブ状体を作成し、これをさらに切断して作成され
る。接着方法としては、限定されないが、例えば、ポリ
エステル系フィルムの接合面の少なくとも片面に溶剤ま
たは膨潤剤を塗布し、乾燥する前に接合する。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。
【0054】本発明のフィルムの評価方法は下記の通り
である。
【0055】(1)熱収縮率 フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定
温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で所定時
間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向
の寸法を測定し、下記(2)式に従いそれぞれ熱収縮率
を求めた。該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とし
た。 熱収縮率=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の
長さ)×100(%) (2)
【0056】(2)収縮仕上り性 熱収縮性フィルムに、あらかじめ東洋インキ製造(株)
の草・金・白色のインキで3色印刷した。
【0057】Fuji Astec Inc製スチームトンネル(型
式:SH−1500−L)を用い、通過時間2.5秒、
ゾーン温度80℃で、500ml丸ボトル(高さ20.6
cm、中央部の直径6.5cm:(株)吉野工業所製でキリ
ンビバレッジ(株)の午後の紅茶に使用されているボト
ル)を用いてテストした(測定数=20)。
【0058】評価は目視で行い、基準は下記の通りとし
た。
【0059】 シワ、飛び上り、収縮不足の何れも未発生 : ○ シワ、飛び上り、又は収縮不足が発生 : ×
【0060】(3)圧縮強度 折り径175mm、長さ120mmのラベルを作成し、該ラ
ベルを折り返した底面が四角形の筒体となるようにし、
該筒体の上下方向の圧縮強度を測定した。東洋精器
(株)製のストログラフ(型式:V10−C)を用い
て、圧縮モードでクロスヘッドスピード200mm/分で
の圧縮強度(mN)の最大値を測定した(n=5)。」
【0061】(4)Tg(ガラス転移点) セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC22
0)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃か
ら120℃まで、昇温速度20℃/分で昇温し、得られ
た吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線
を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
【0062】(5)厚み分布 アンリツ(株)製の接触厚み計(型式:KG60/A)
を用いて、縦方向5cm、横方向50cmのサンプルの
厚みを測定し(測定数=20)、各々のサンプルについ
て、下記(3)式により厚み分布(厚みのバラツキ)を
求めた。また、該厚み分布の平均値(n=50)を下記
の基準に従って評価した。
【0063】 厚み分布=((最大厚み−最小厚み)/平均厚み)×100(%) (3) 6%以下 → ○ 6%より大きく10%未満 → △ 10%以上 → ×
【0064】(6)溶剤接着性 チューブ状成形装置を使用し、フィルムの1面に1.3
ジオキソランを3g/平方mの塗布量で塗布し、直ちに
(乾燥しない間に)フィルムを重ね合わせてチューブ状
に加工した。得られたチューブ状フィルムの接合部を巾
15mm、長さ50mmにサンプリングし、円周方向へ
剥離させた接着強度を下記の基準に従って評価した(n
=5)。
【0065】 接着強度=4.5(N/15mm)以上 → ○ =2.5〜4.5(N/15mm) → △ =2.5(N/15mm)以下 → ×
【0066】(7)極限粘度 試料200mgをフェノール/テトラクロロエタン=5
0/50の混合溶媒20mlに加え、110℃で1時間
加熱した後、30℃で測定した。
【0067】実施例に用いたポリエステルは以下の通り
である。
【0068】ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレ
ート(極限粘度(IV)0.75dl/g) ポリエステルB:テレフタル酸78モル%、イソフタル
酸22モル%とエチレングリコールからなるポリエステ
ル(IV 0.72dl/g) ポリエステルC:テレフタル酸65モル%、イソフタル
酸10モル%、アジピン酸25モル%と、ブタンジオー
ルからなるポリエステル(IV 0.77dl/g) ポリエステルD:テレフタル酸と、エチレングリコール
70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%からな
るポリエステル(IV 0.72dl/g) ポリエステルE:ポリブチレンテレフタレート(IV
1.20dl/g)
【0069】(実施例1)両外層にポリエステルA20
重量%、ポリエステルB65重量%、ポリエステルC1
5重量%を、中間層にポリエステルA20重量%、ポリ
エステルB75重量%、ポリエステルC5重量%をそれ
ぞれ混合したポリエステルを280℃で溶融しTダイか
ら共押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムのTgは69℃であった。
【0070】該未延伸フィルムを80℃で縦方向に1.
1倍延伸し、次に熱伝導係数0.033W/(m・℃)の
条件でフィルム温度が88℃になるまで予備加熱した
後、テンターで横方向に70℃で4.6倍延伸した(1
次延伸)。次いで、70℃で10秒間熱処理し、さらに
横方向に68℃で1.1倍延伸して(2次)、厚み50
μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0071】(実施例2)両外層にポリエステルA6重
量%、ポリエステルB79重量%、ポリエステルC15
重量%を、中間層にポリエステルA6重量%、ポリエス
テルB89重量%、ポリエステルC5重量%をそれぞれ
混合したポリエステルを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系
フィルムを得た。この未延伸フィルムのTgは69℃で
あった。
【0072】横方向に71℃で延伸(1次)したこと以
外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱収縮性
ポリエステル系フィルムを得た。
【0073】(実施例3)長手方向に1.5倍延伸した
以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱収縮
性ポリエステル系フィルムを得た。
【0074】(比較例1)1次延伸温度を87℃とした
こと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱
収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0075】(比較例2)長手方向に1倍、幅方向に4
倍延伸とした以外は、実施例1と同様にして、厚み50
μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0076】(比較例3)ポリエステルA20重量%、
ポリエステルB70重量%、ポリエステルC10重量%
を混合したポリエステルを両外層及び中間層に用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。この未延伸フィル
ムのTgは69℃であった。
【0077】(比較例4)ポリエステルA25重量%、
ポリエステルD50重量%、ポリエステルE25重量%
を混合したポリエステルを両外層及び中間層に用い、そ
して横方向に74℃で延伸したこと以外は、比較例3と
同様にして、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムを得た。この未延伸フィルムのTgは66℃であ
った。
【0078】実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた
フィルムの評価結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られたフィルムはいずれも収縮仕上り性が良好であっ
た。また、圧縮強度も十分で厚み分布も良好であった。
また、非ハロゲン系溶剤接着性も良好であった。本発明
の熱収縮性ポリエステル系フィルムは高品質で実用性が
高く、特に収縮ラベル用として好適である。
【0081】一方、比較例1で得られた熱収縮性フィル
ムは収縮仕上がり性と厚み分布が劣っていた。また比較
例2及び3で得られた熱収縮性フィルムは、圧縮強度が
劣っていた。また、比較例4で得られた熱収縮性フィル
ムは非ハロゲン系溶剤接着性が劣っていた。このように
比較例で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムはい
ずれも品質が劣り、実用性が低いものであった。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、熱収縮によるシワ、収
縮斑、歪み及び収縮不足の発生が極めて少ない良好な仕
上がり性が可能であり、また非ハロゲン系溶剤による接
着加工が可能であり、また高速装着に耐えるフィルム腰
を有し及び短時間で高収縮率となる収縮性能を有する熱
収縮フィルムが得られる。
【0083】従って、高速でのラベルの装着及び収縮が
必要とされているPETボトルのラベル用の積層熱収縮
性フィルムとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】PETボトルに収縮フィルムを装着する状態を
示す説明図である。
【図2】PETボトルに収縮フィルムを装着して収縮し
た後の状態を示す要部正面図である。
【符号の説明】
1 PETボトル 2 ラベル 3 加圧部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK42A AK42B AK42C AK42K AL01A AL01B AL01C AR00A AR00B AR00C BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 BA26 GB16 GB90 JA03 JA05A JA05B JA05C JK05 JK06 YY00 YY00A YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両外層と中間層の少なくとも3層からな
    るフィルムであって、前記フイルムの温湯収縮率が、主
    収縮方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で2
    0%以上であり、処理温度75℃・処理時間5秒で35
    〜55%であり、処理温度80℃・処理時間5秒で50
    〜60%であって、かつ前記フィルムから形成したラベ
    ルの圧縮強度が以下に示す式(1)を満足することを特
    徴とする積層熱収縮性フィルム。 Y>X2.2 …(1) 式中、Yは圧縮強度(mN)、Xはフィルム厚み(μ
    m)を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層熱収縮性フィルムで
    あって、両外層のガラス点移転温度が中間層のガラス点
    移転温度より低いフィルムであることを特徴とする積層
    熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の積層熱収縮性フィルムで
    あって、両外層が全酸成分中にイソフタル酸が13モル
    %以上、アジピン酸が2.6モル%以上、全グリコール
    成分中にブタンジオールが10モル%以上配合されたポ
    リエステル系樹脂からなり、かつ、中間層が全酸成分中
    にイソフタル酸が13モル%以上、アジピン酸が2.1
    モル%未満、全グリコール成分中にブタンジオールが9
    モル%未満配合されたポリエステル系樹脂からなること
    を特徴とする積層熱収縮性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の積
    層熱収縮性フィルムであって、厚み分布が6%以下であ
    ることを特徴とする。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、4のいずれかに記載
    の積層熱収縮性フィルムを用いて作製されたボトル用ラ
    ベル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006289727A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
US7303812B2 (en) 2002-02-14 2007-12-04 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Heat-shrinkable polyester films
CN112166032A (zh) * 2018-10-16 2021-01-01 郡是株式会社 热收缩性多层膜

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