JP2002103541A - ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及び容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及び容器

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JP2002103541A
JP2002103541A JP2000295689A JP2000295689A JP2002103541A JP 2002103541 A JP2002103541 A JP 2002103541A JP 2000295689 A JP2000295689 A JP 2000295689A JP 2000295689 A JP2000295689 A JP 2000295689A JP 2002103541 A JP2002103541 A JP 2002103541A
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polypropylene resin
sheet
polypropylene
laminated
foamed sheet
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JP2000295689A
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Yuichi Kadoya
雄一 門屋
Koichi Kawachi
浩一 河内
Hisaji Tokunaga
久次 徳永
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱成形時の成形性が良好なポリプロピレン系樹
脂発泡シートで、そのシートを熱成形することにより、
表面光沢が良好で、電子レンジでの使用に耐える耐熱性
を有し、軽量で断熱性を有した食品包装などに使用され
る容器を提供する。 【構成】ポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なくとも
片面にポリプロピレン系樹脂に結晶核剤を配合してなる
無延伸のポリプロピレン系樹脂フィルムを積層してなる
ポリプロピレン系樹脂積層シートであって、ポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの密度が、180kgm-3を越え
て850kgm-3以下であることを特徴とするポリプロ
ピレン系樹脂積層発泡シートである。本発明により、熱
成形時の金型密着性等の成形性の良好な積層シートが得
られ、そのシートを成形して得られた容器は、外観美麗
で表面光沢があり、かつ電子レンジでの使用に耐える耐
熱性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器を熱成形した
後も光沢を保持し、電子レンジ耐熱性を有し、軽量で断
熱性を有したポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及び
該シートを熱成形した食品包装などに使用される容器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】食習慣の変化に伴い、コンビニエンスス
トア、スーパー等では調理済みの弁当や総菜が多岐にわ
たり販売されている。これらの食品は電子レンジにより
再加熱され家庭等で食されることが多い。現在、電子レ
ンジ加熱に対応した容器として、耐熱性及び耐油性に優
れた性能を有するポリプロピレン系樹脂からなる容器が
広く使用されており、その中で断熱性に優れたポリプロ
ピレン系樹脂発泡容器が注目されてきている。
【0003】一般にプラスチック製の食品容器は、金型
等の製造設備が廉価であり、かつ連続生産性に優れた真
空成形や圧空成形等の熱成形法により生産されている。
本発明でいう「熱成形」とは、シートやフィルムを加熱
ゾーンにて軟化させた後、真空又は及び圧空等の外力に
より、所定の金型にシート及びフィルムを密着させて、
目的の形状に賦形して容器とすることである。
【0004】ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、原料
のポリプロピレン系樹脂が結晶性樹脂であることから、
ポリスチレン系樹脂発泡シート等に比べて樹脂の溶融時
の粘度特性を示す溶融張力の温度依存性が大きく、前記
熱成形の際に成形温度に加熱されたときの引張り強度が
小さくなり、熱成形機のクランプ板にて固定されている
シートが重力方向に垂れ下がってしまうドローダウンと
呼ばれる現象が大きい傾向が見られる。このドローダウ
ンが大きくなると、成形時にシートの波打ちが起こりや
すくなり、成形品に皺(ブリッジ)が発生し、外観の良
好な成形品が得られない。
【0005】一方でポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、ポリプロピレン系樹脂が結晶性樹脂であることか
ら、シートを熱成形のために加熱し、容器形状に賦形し
て冷却した際に、表面の光沢が低下する傾向がある。
【0006】一般に食品包装用の容器は、その用途によ
っては、中身の食品を引き立たせる目的で、陶磁器や漆
塗りの感触を連想させる、表面光沢が高いものが望まれ
る。ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、電子レンジ使
用に耐える耐熱性を有し、かつ耐油性及び断熱性に優れ
ている反面、シートを熱成形するために加熱し、容器形
状に賦形して冷却した際に、表面の光沢が低下する傾向
があり、その用途が限定されていた。
【0007】シートの熱成形性及び又は成形容器の表面
光沢の改善を目的として、ポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートに、無延伸または延伸されたポリプロピレン系樹脂
フィルムを積層し、その積層シートを熱成形して容器を
得る方法が用いられている。
【0008】無延伸のポリプロピレン系樹脂又はプロピ
レンとエチレンとの共重合体等の樹脂フィルムを積層し
たシートでは、熱成形が良好であり、該積層発泡シート
を成形して得られる容器は耐熱性が優れているが、熱成
形によりフィルム表面の光沢度が低下し、容器としての
外観性が低下するという欠点がある。
【0009】また、延伸されたポリプロピレン系樹脂フ
ィルムを積層した場合については、特許2904337
号報にて、物性及び外観の優れたプロピレン系樹脂シー
トを得ることを目的として、該発泡シートの少なくとも
片面に、特定範囲の収縮応力を有する未発泡又は発泡プ
ロピレン系樹脂延伸フィルムを積層することが提案され
ている。該積層発泡シートでは、発泡シート単独と比較
して容器等の熱成形においてシート加熱時のドローダウ
ンやシートの波打ち現象がある程度改善されるが、金型
への密着性が悪いために型形状の賦形性の点で問題があ
った。更に、該積層発泡シートを熱成形した成形品は、
積層したフィルムが熱収縮しやすいために耐熱性が劣
る。例えば容器に食品を入れて電子レンジ等で加熱した
場合に、容器が大変形をおこし、中身の食品が容器から
こぼれたり蓋が外れる等の問題が起こり、ポリプロピレ
ン系樹脂の特性を生かして耐熱用途に使用する容器とし
ては問題があった。
【0010】また、特開平11−170455号公報で
は、前記特許の目的に加えて、積層発泡シートを熱成形
する際の金型密着性や熱成形の均一性を得ることを目的
として、120℃での引張応力や破断伸度が特定のポリ
プロピレン系樹脂フィルムをポリプロピレン系樹脂発泡
シートに積層することが提案され、金型への密着性につ
いては改善がなされている。しかし、前記の特許と同様
に容器としての耐熱性に問題があり、改善の必要があっ
た。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、熱成形時
の金型密着性が良好であり、熱成形によるフィルム表面
層の光沢度の低下がなく、シートを成形して得られる容
器が電子レンジでの使用に耐える耐熱性を持っているポ
リプロピレン系樹脂積層発泡シート及びその成形容器を
提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】すなわち本発明は、ポリプ
ロピレン系樹脂発泡シートと少なくとも片面にポリプロ
ピレン系樹脂に結晶核剤を配合してなる無延伸のポリプ
ロピレン系樹脂フィルムを積層した積層発泡シートであ
って、シート密度が180kgm-3を越えて850kg
-3以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂
積層発泡シートである。又、ポリプロピレン系樹脂フィ
ルムが、ポリプロピレン系樹脂に結晶核剤を、ポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対して、0.05部重量部
以上6重量部以下含有する結晶性ポリプロピレン系樹脂
からなることが好ましく、又ポリプロピレン系樹脂フィ
ルムの厚みが30〜200μmである事が好ましい。更
に、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが200℃におけ
る溶融張力が4.0g以上である高溶融張力ポリプロピ
レン系樹脂(A)100〜50重量部と直鎖状の結晶性
ポリプロピレン(B)50〜0重量部を含有しているこ
とが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を説明する。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なくなく
とも片面に積層する無延伸のポリプロピレン系樹脂フィ
ルムとは、ポリプロピレン系樹脂に結晶核剤を配合して
なるフィルムを指す。ここでポリプロピレン系樹脂と
は、一般にポリプロピレンとして市販されているものを
使用することができ、その製膜性の点でメルトインデッ
クス(以下「MI」という)が、10g/10分以下の
ものが好ましい。例えばプロピレン単独重合体、又は2
0重量%以下のコモノマー、エチレン、アクリル酸エス
テル、マレイン酸等の不飽和有機酸及び無水物、炭素数
が4〜12個のα―オレフィン等のモノマー単位を、プ
ロピレンと共重合して得られる共重合体もしくはグラフ
ト重合体でもよい。本発明のポリプロピレン系樹脂はこ
れらの単独もしくは2種類以上の混合物を用いる事がで
きる。
【0014】本発明の結晶核剤としては、ポリプロピレ
ン系樹脂の結晶核剤として知られている、有機、無機の
各種材料を使用することができる。例えば、無機材料:
タルク(ケイ酸マグネシウム)、アルミニウムベンゾエ
ート、カリウムベンゾエート、リチウムベンゾエート、
ソジウムβ―ナフタレートソジウムシクロヘキサンカル
ボキシレート、アルミニウムヒドロキシパラt―ブチル
ベンゾエート、ベンジリデンソルビトール及び誘導体
タイプ/ジベンジリデンソルビトール、ジメチルベンジ
リデンソルビトール、ソルビトールアセタール系、ポ
リマータイプ/ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニ
ルシクロアルカン、ポリアルケニルシラン、EPR(エ
チレンプロピレンラバー)、ケブラー繊維、その他/
リン酸2,2−メチレンビス(4,6―ジーt―ブチル
フェニル)ナトリウム、各種顔料がある。なかでもアル
ミニウムヒドロキシジパラt−ブチルベンゾエートは好
適に用いることができる。また各種顔料を用いると同時
に着色も可能となる。例えば、顔料としてキナクリドン
系やフタロシアニン系のものを用いると、漆に似た風合
いを出すことができる。
【0015】結晶核剤の添加量は、ポリプロピレン系樹
脂積層発泡シートを熱成形した後でその光沢が40以上
となるように調整され、その具体的な量は結晶核剤の種
類によって異なるが、おおよそ0.05〜6重量部の範
囲である。有機材料系の結晶核剤ではその添加量は0.
05〜0.5重量%と、少ない量で光沢を保持すること
ができ、無機材料系の場合には0.5〜6重量%であ
る。添加量は多くとも少なくとも熱成形後に光沢が低下
するため、好ましくない。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムに
はポリプロピレン系樹脂と結晶核剤以外に、必要に応じ
て通常使用される添加剤、例えば紫外線吸収剤、熱安定
剤、滑剤、各種界面活性剤などの帯電防止剤、酸化防止
剤などの安定剤を添加することができる。
【0017】ポリプロピレン系樹脂フィルムはポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面もしくは必要
に応じて両面に積層される。このポリプロピレン系樹脂
フィルムは熱成形前に光沢を有し、且つ熱成形した後も
40以上の光沢を保持し、発泡シート単独では得られな
かった光沢を有しており、容器として使用したときに中
身の食品を引き立たせる効果がある。
【0018】ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みは3
0〜200μmであることが好ましい。厚みが30μm
より薄いと熱成形時に光沢の低下を生じ、200μmよ
り厚いと成形性が低下し、また経済性の観点からも問題
となるので好ましくない。
【0019】本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂
フィルムは、その効果を損なわない範囲で、装飾のため
の印刷や、接着のための接着剤の塗布等を行ったものを
用いることができ、一方で、接着性、ヒートシール性、
ガスバリヤー性等を付与する目的で他の樹脂層を積層し
たものを用いることもできる。
【0020】本発明においてポリプロピレン系樹脂発泡
シートとは、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡
シートをさす。ここでポリプロピレン系樹脂とは特に限
定されるものではないが、高溶融張力ポリプロピレン系
樹脂(A)100〜50重量部と直鎖状の結晶性ポリプ
ロピレン系樹脂(B)50〜0重量部を配合してなる樹
脂組成物を用いる事が好ましい。
【0021】高溶融張力ポリプロピレン系樹脂(A)
は、200℃における溶融張力が4.0g以上であり、
MIが10g/10分以下であるものが好ましい。ここ
で200℃における溶融張力は、(株)東洋精機製作所
製キャピログラフを用いて、装置のバレル内にてポリプ
ロピレンを200℃で5分間加熱して溶融し、溶融した
ポリプロピレンを直径2.095mm、長さ8mm、L
/D=3.8のキャピラリーから15mm/分の速度で
大気中に押出してストランドとし、このストランドを
2.0m/分の速度で引き取る際の張力である。
【0022】直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂
(B)とは、一般にポリプロピレンとして市販されてい
るものを使用することができ、MIが10g/10分以
下のものが好ましい。例えばプロピレン系単独重合体、
プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン
−ジエン共重合体等のポリプロピレンを主とする重合体
が用いられる。プロピレン単独重合体の融点は176
℃、共重合体の融点は135℃〜160℃であり、耐熱
性の優れた発泡体を得るためには融点が高いものを用い
ることが望ましい。また、ポリプロピレン系樹脂を主成
分として、少量であれば混和性が良好な他の樹脂を混合
したものでも差し支えなく、このような樹脂の例として
ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等がある。
【0023】ポリプロピレン系樹脂発泡シート中の高溶
融張力ポリプロピレン系樹脂(A)は100〜50重量
部であり、直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)
は50〜0重量部であることが好ましい。直鎖状の結晶
性ポリプロピレンが多くなると、ポリプロピレン系樹脂
発泡シートのドローダウンが大きくなるために成形が困
難になり、さらに発泡シートの表面に破泡による凹凸が
発生し、外観が不良になるため好ましくない。
【0024】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
の密度は180kgm-3を越えて850kgm-3以下で
あり、好ましくは300kgm-3を越えて600kgm
-3以下である。密度が180kgm-3以下の場合、発泡
セルの独立気泡率が低下し、成形できても成形品の表面
外観が低下する。また、密度が850kgm-3を越える
と軽量性が低下し、さらに断熱性が低下するため好まし
くない。また独立気泡率は、40%以上であることが好
ましい。独立気泡率が低いとドーダウンが大きくなるた
めに成形が困難になり、さらに発泡シートの表面に破泡
による凹凸が発生し、外観が不良になるため好ましくな
い。
【0025】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シート
の製造方法は、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂(A)
と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)と化学発
泡剤又は物理発泡剤からなる樹脂組成物を押出成形する
方法が好ましい。
【0026】高溶融張力ポリプロピレン系樹脂(A)と
直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)の混合方法
については特に限定するものではないが、発泡シート成
形時に押出機へ攪拌混合した原料を直接投入する方法、
または攪拌混合した原料を単軸または二軸押出機にて溶
融混合してペレット化し、発泡押出時に使用する方法な
どを用いることができる。
【0027】化学発泡剤としては、重曹とクエン酸の混
合物が好適であり、発生する発泡ガスは炭酸ガスであ
る。化学発泡剤の添加方法としては特に限定するもので
はないが、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂(A)と直
鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)の樹脂組成物
にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定
量フィーダーを使用して添加する方法、或いはポリプロ
ピレン系樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系
樹脂をベースとするマスーバッチを作成し添加する方法
のいずれであっても良い。
【0028】化学発泡剤の添加量は、いずれの方法にお
いてもポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対し
て、0.1〜3.0重量部である。添加量が0.1重量
部未満では所望の発泡倍率を得ることが出来ず3.0重
量部を超えて添加した場合は、押出機内で溶融混練され
る際の発泡剤の均一分散性が低下し、また十分な分解が
進行せず、良好な発泡シートを得ることが出来ない。
【0029】物理発泡剤としては炭酸ガス、ブタン等が
例示されるが、安全性の面で炭酸ガスが好適に用いられ
る。物理発泡剤の添加方法としては、例えば二軸押出機
の中央ゾーンまたはタンデム押出機の1段目押出機の中
央ゾーンに供給する方法等が挙げられる。
【0030】該物理発泡剤の添加量としては、ポリプロ
ピレン系樹脂組成物100重量部に対して、1.2〜
3.0重量部である。添加量が1.2重量部未満では所
望の発泡倍率を得ることが出来ず、3.0重量部を超え
て添加した場合は、独立気泡率が低下し良好な発泡シー
トが得られない。
【0031】本発明の発泡シートを製造する際に、更に
発泡シートの物性を阻害しない範囲で、適宜の気泡調整
剤、架橋剤、発泡助剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、
顔量等を混合してもよい。
【0032】ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みに
ついては、特に限定するものではないが、0.5〜2.
5mmであることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂発
泡シートの厚みが0.5mmより薄い場合は、得られる
積層発泡シートの剛性、断熱性が低下し好ましくない。
また、2.5mmより厚い場合は、熱成形の際の予備加
熱時間が長くなり、生産性が低下するため好ましくな
い。
【0033】本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムと
ポリプロピレン系樹脂発泡シートとの積層方法について
は、特に限定するものではなく、押出ラミネート法、ド
ライラミネート法等の公知の方法を用いることができ
る。
【0034】また、必要に応じて本発明のポリプロピレ
ン系樹脂フィルムの樹脂組成物と発泡シートを共押出法
等の方法にて積層シートとして製造しても良い。共押出
法としては、通常、複数の押出機とダイスを設置した設
備が用いられ、マルチマニホールド法、フィードブロッ
ク法などを採用することができる。
【0035】本発明でいう「熱成形」には、外力として
空気を用いる方法として真空成形と圧空成形の二通りが
ある。またシートの加熱方法としてヒーターによる間接
加熱方法と熱板にシートを接触させて加熱させる直接加
熱方法と熱風により加熱する方法がある。また、成形型
の凹凸の組み合わせやプラグ使用など、補助エアーの使
用など多くの成形方法が知られている。例えば、ストレ
ート真空成形、ストレート圧空成形、ドレープ真空成
形、ドレープ圧空成形、プラグアシスト成形、ドレープ
アンドプラグアシスト成形、プラグアシスト圧空成形、
プラグアシストリバースドロー成形、エアクション成
形、プラグアシストエアストリップ成形、マッチモール
ド(プレス)成形などがあげられるが、これらに限定さ
れることはない。
【0036】本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シ
ートは前記の熱成形方法にて各種形状に容易に成形する
ことができる。得られた容器は外観美麗で、特にポリプ
ロピレン系樹脂フィルム層側の表面光沢が良好であり、
例えば、弁当容器、惣菜容器等の食品容器として用いる
ことができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例よって本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例にて何ら限定されるものでは
ない。
【0038】以下の実施例及び比較例において用いた測
定方法は下記の方法にて行った。
【0039】(シート密度)ミラージュ貿易社製電子比
重計(MD−200S)にて測定した。
【0040】(独立気泡率)東京サイエンス社製空気比
較式比重計を用い、ASTM:D−2856に準拠して
測定した。
【0041】(表面光沢:グロス)JIS k7105
に準拠して60度鏡面光沢度で測定した。
【0042】(熱成形性)真空成形機(浅野研究所社
製)にて、積層発泡シートのフィルム積層面を容器の内
側となるようにして、縦240mm×横160mm×高
さ30mmの弁当容器に成形を行い、成形型の賦形性及
び容器外観状態の観察を行った。
【0043】表1に示す樹脂組成を、Tダイ押出機にて
シリンダー温度250℃で加熱溶融して押出し、表1に
示した厚みのポリプロピレン系樹脂フィルムを製膜し
た。使用した原材料は下記の通りである。 PP1:ポリプロピレン系樹脂 グランドポリマー社J
SGポリマー、MI=1.5g/10分(230℃、
2.16kg加重の測定値、JIS−K6758法) 顔料(赤):大日精化社DK−93−20、キナクリド
ン系 タルク:浅田製粉社 J−68R 平均粒径=10μm 結晶核剤:Al−PTBBA(アルミニウムヒドロキシ
ジパラ−t−ブチルベンゾエート)
【0044】
【表1】
【0045】表2に示すポリプロピレン系樹脂組成物及
び化学発泡剤を各々の割合で攪拌混合し、東芝社製90
mm単軸押出機(ノンベント、L/D=34)にてシリ
ンダー温度220#C、100M/Mサーキュラーダイス
(設定温度190℃)より発泡押出を行い、シート厚み
0.80mmの各発泡シートサンプルを製膜した。得ら
れた発泡シートのシート密度及び独立気泡率の測定結果
を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】使用した原材料は以下の通りである。 高溶融張力PP:チッソ社 NEWFOAMER FH
3400 MI=3.4g/10分(ここで「PP」
は、ポリプロピレン系樹脂を表す。) 結晶性PP:モンテルエスディーケイサンライズ社 P
L504A MI=3.3g/10分 発泡剤種:クラリアント社 CF40E MI:230℃、2.16kg加重の測定値(JIS−
K6758法)
【0048】上記のようにして得られた、発泡シートと
フィルムを表3に示した組み合わせでドライラミネート
法により積層し、積層発泡シートを得た。得られた積層
発泡シートの表面光沢及び熱成形性を測定し、その結果
を表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】各実施例及び比較例のシートを熱成形した
ところ、実施例のシートは容易に良好な成形品を得るこ
とができ、その成形容器は、いずれもフィルム積層面側
の光沢度が40以上を保持しており、電子レンジでの使
用が可能であった。一方、比較例のシートは成形前のフ
ィルム積層面側の光沢度は高い値を示しているが、成形
後に光沢が低下し、比較例2では、熱成形時にシート表
面が破泡し、外観美麗な容器を得ることが出来なかっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明により、熱成形時の金型密着性等
の良好なポリプロピレン系樹脂積層発泡シートが得ら
れ、そのシートを熱成形することにより、外観美麗で表
面光沢が良好であり、かつ電子レンジでの使用に耐える
耐熱性を有する、食品包装などに好適に使用される軽量
容器を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 23/10 C08L 23/10 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 AB13 AC01 BA11A BB17A BB25A CA17 CA18 FA01 FC01 GA11 4F100 AC10 AH08 AK07A AK07B AK07C AL05A BA02 BA03 BA07 BA16 CA01A CA23 CA30 CA30B CA30C DJ01A EH17A EH23 GB16 JA13A JJ03 YY00A YY00B YY00C 4J002 BB121 BB141 BB152 BB172 BQ002 CL062 DJ046 EG076 EL106 EU026 EU056 EW046 FD096 FD202 FD206 GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂発泡シートと少なく
    とも片面にポリプロピレン系樹脂に結晶核剤を配合した
    無延伸のポリプロピレン系樹脂フィルムを積層してなる
    ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートであって、該発泡
    シート密度が180kgm-3を越えて850kgm-3
    下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発
    泡シート。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂フィルムがポリプロ
    ピレン系樹脂に結晶核剤をポリプロピレン系樹脂100
    重量部に対して、0.05部重量部以上6重量部以下含
    有する結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる請求項1記
    載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みが3
    0〜200μmである請求項1又は請求項2に記載のポ
    リプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン系樹脂発泡シートが200
    ℃における溶融張力が4.0g以上である高溶融張力ポ
    リプロピレン系樹脂(A)100〜50重量部と直鎖状
    の結晶性ポリプロピレン及び(B)50〜0重量部を含
    有してなる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載
    のポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  5. 【請求項5】発泡剤として、化学発泡剤0.1〜3.0
    重量部もしくは物理発泡剤1.2〜3.0重量部を含有
    したポリプロピレン系樹脂組成物を押出成形して得られ
    る発泡シートに、ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層
    することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれ
    か1項に記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの
    製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項4のいずれか1項に記
    載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを熱成形して
    なる容器。
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